説明

電磁波治療装置

【課題】導子が正常に電磁波を照射していないことを使用者が容易に検知することができることを可能とする電磁波治療装置を提供する。
【解決手段】電磁波治療装置が、導子に断線検出用の電圧を印加し、印加した電圧に応じた導子からの電流値が予め定められた通電時の範囲内にあるか否かを検出して電流検出結果として出力する電流検出部と、入力される選択信号に基づいてインピーダンス整合部と電流検出部とのうちいずれか一方を導子に接続する接続切換部と、電流検出部と導子とを接続することを示す選択信号を接続切換部に出力し、電流検出部からの電流検出結果を入力し、電流が予め定められた通電時の範囲内にないことを該入力した電流検出結果が示す場合には、導子の導通不良を示す導通不良異常信号を出力する制御部と、導通不良異常信号が入力されたことに応じて、導子の導通不良を示す導通不良異常を報知する報知部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の局部に当てられて電磁波を照射する導子と治療器本体とがコードを介して接続される電磁波治療装置の技術に関し、特に、治療装置本体に接続される導子およびコードの状態(接続または未接続、および、断線)を検出し、導子およびコードの異常を報知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の局部に当てられて電磁波を照射する導子と治療器本体とがコードを介して接続される電磁波治療装置が知られている。この治療装置は、短波帯からマイクロ波帯の電磁波を、患者の人体の局部に接触する導子を介して使用者に照射する。この患者に照射された電磁波により、患者のからだの深部に熱を届かせることにより、温熱治療を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特願平5−255730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の電磁波治療装置にあっては、導子から電磁波が照射されていない場合であっても、使用者が気づかない場合があるという問題がある。これは、たとえば、電磁波治療装置による電磁波の照射が、使用者にとって刺激作用がなく、また、電磁波の透熱が温和であるために、電磁波が照射されているか否かを使用者が気づきにくいという理由が考えられる。
【0004】
このように電磁波治療装置が電磁波を照射していない場合であって、電磁波治療装置が電磁波を照射していないことを使用者が気づかない場合には、電磁波治療装置が正常の動作していないにもかかわらず、使用者によっては、電磁波治療装置の効果が無いと勘違いし、電磁波治療装置を使用した治療を止めてしまうこともありうる。
【0005】
ここで、このように電磁波治療装置の導子から電磁波が照射されないことの原因としては、例えば、導子と電磁波治療装置本体とを接続するケーブルが断線しており、導子が導通していないという原因が考えられる。
【0006】
以上のように、従来の電磁波治療装置においては、例えば、導子と電磁波治療装置本体とを接続するケーブルが断線しており、導子が導通していないために、導子が正常に電磁波を照射していないことがあり、その場合に、使用者が、導子が正常に電磁波を照射していないことを検知することが難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、導子が正常に電磁波を照射していないことを使用者が容易に検知することができることを可能とする電磁波治療装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、入力される高周波信号に基づいて人体の局部に電磁波を照射する導子と、高周波信号を発生する高周波信号発生部と、前記高周波信号発生部の出力インピーダンスと前記導子のインピーダンスとを整合して、前記高周波信号発生部が発生した高周波信号を出力するインピーダンス整合部と、前記導子に断線検出用の電圧を印加し、該印加した電圧に応じた前記導子からの電流値が予め定められた通電時の範囲内にあるか否かを検出して電流検出結果として出力する電流検出部と、入力される選択信号に基づいて、前記インピーダンス整合部と前記電流検出部とのうち、いずれか一方を前記導子に接続する接続切換部と、前記接続切換部と前記導子とを接続するコード部と、前記電流検出部と前記導子とを接続することを示す選択信号を前記接続切換部に出力し、前記電流検出部からの電流検出結果を入力し、前記電流が予め定められた通電時の範囲内にないことを該入力した電流検出結果が示す場合には、前記導子の導通不良を示す導通不良異常信号を出力する制御部と、前記導通不良異常信号が入力されたことに応じて、前記導子の導通不良を示す導通不良異常を報知する報知部と、を有することを特徴とする電磁波治療装置である。
【0009】
また、この発明は、前記電磁波治療装置が、前記コード部と前記接続切換部とが接続されているか否かを検出し、該検出した結果を導子接続検出結果として出力する導子接続検出部を有し、前記制御部が、前記導子接続検出結果を入力し、前記コード部と前記接続切換部とが接続されていないことを該入力した導子接続検出結果が示す場合には、前記コード部と前記接続切換部とが接続されていないことを示す未接続異常信号を出力し、前記報知部が、前記未接続異常信号が入力されたことに応じて、前記コード部と前記接続切換部とが接続されていないことを示す未接続異常を報知する、ことを特徴とする請求項1に記載の電磁波治療装置である。
【0010】
また、この発明は、前記制御部が、前記電流検出部と前記導子とを接続することを示す選択信号を前記接続切換部に出力し、前記電流検出部からの電流検出結果を入力し、前記電流が予め定められた通電時の範囲内にないことを該入力した電流検出結果が示す場合には、前記導子接続検出部からの導子接続検出結果を入力し、前記コード部と前記接続切換部とが接続されていないことを該入力した導子接続検出結果が示す場合には、前記コード部と前記接続切換部とが接続されていないことを示す未接続異常信号を出力し、前記コード部と前記接続切換部とが接続されていることを該入力した導子接続検出結果が示す場合には、前記導子の導通不良を示す導通不良異常信号を出力し、前記報知部が、前記未接続異常信号が入力された場合には、前記コード部と前記接続切換部とが接続されていないことを示す未接続異常を報知し、前記導通不良異常信号が入力された場合には、前記導子の導通不良を示す導通不良異常を報知する、ことを特徴とする請求項2に記載の電磁波治療装置である。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、電磁波治療装置が、導子が導通しているか否かを検出し、導通していないことを検出した場合には、導子の導通異常を報知することにより、導子が正常に電磁波を照射していないことを使用者が容易に検知することができることを可能となる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態による電磁波治療装置1の外観図である。電磁波治療装置1は、人体の局部に当てられて電磁波を照射する導子3と治療器本体2とがコード部5を介して接続されている。この治療器本体2とコード部5とは、コネクタ部4を介して、着脱可能に接続されている。また、導子3とコード部5とは、例えば、一体として構成されている。なお、本発明は、導子3とコード部5との導通不良の検出、つまり、断線を検出する技術に関するため、電磁波治療装置1において、本発明に関する構成のみについて説明する。
【0013】
また、治療器本体2は、報知部21と操作部22とを有する。操作者は、操作部22を操作することにより、治療器本体2の電源投入の操作や、治療器本体2の動作を設定する。また、操作部22は、電源投入の操作が入力されたことに応じて、電源投入の信号を後述する制御部27に出力する。報知部21は、導子3が電磁波を照射することができないことを示す異常を報知する。報知部21は、例えば、報知部21はLED(Light Emitting Diode)部A1を有しており、このLED部A1を点灯させることにより、導子3の導通不良のために、導子3から電磁波を照射できないことを示す導通不良異常を報知する。
【0014】
次に、図2を用いて、第1の実施形態による電磁波治療装置1の構成を説明する。同図において図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。治療器本体2は、報知部21と、操作部22と、高周波信号発生部23と、インピーダンス整合部24と、接続切換部25と、電流検出部26と、制御部27と、を有する。
【0015】
高周波信号発生部23は、高周波信号を発生する。インピーダンス整合部24は、高周波信号発生部23の出力インピーダンスと導子3のインピーダンスとを整合して、高周波信号発生部23が発生した高周波信号を出力する。
【0016】
電流検出部26は、制御部27からの制御信号に基づいて、導子3に断線検出用の電圧を印加し、該印加した電圧に応じた導子3からの電流値が予め定められた通電時の範囲内にあるか否かを検出して電流検出結果として制御部27に出力する。一例としての電流検出部26は、導子3に断線検出用の直流電圧を印加し、該印加した直流電圧に応じた導子3からの直流電流の有無を検出して電流検出結果として制御部27に出力する。なお、電流検出部26は、該印加した直流電圧に応じた導子3からの直流電流の有無を検出しているため、コード部5の断線、または、導子3の断線を検出している。
【0017】
接続切換部25は、制御部27から入力される選択信号に基づいて、インピーダンス整合部24と電流検出部26とのうち、いずれか一方を導子3に接続する。コード部5は、接続切換部25と導子3とを接続する。一例としての接続切換部25は、例えば、リレーである。
【0018】
例えば、接続切換部25は、スイッチSW1とスイッチSW2とを有する。このスイッチSW1が、コネクタ部4の一端と接続される端子P10と、インピーダンス整合部24の出力側L2の一端に接続される端子P11と、電流検出部26の一端に接続される端子P12と、を有する。また、スイッチSW2が、コネクタ部4の他端と接続される端子P20と、インピーダンス整合部24の出力側L2の他端に接続される端子P21と、電流検出部26の他端に接続される端子P22と、を有する。
【0019】
スイッチSW1は、制御部27から入力される選択信号に基づいて、端子P10と端子P11、または、端子P10と端子P12とのいずれか一方を接続させる。また、スイッチSW2は、制御部27から入力される選択信号に基づいて、端子P20と端子P21、または、端子P20と端子P22とのいずれか一方を接続させる。なお、スイッチSW1とスイッチSW2とは、制御部27から入力される選択信号に基づいて、スイッチSW1が端子P10と端子P11とを接続する場合には、スイッチSW2が端子P20と端子P21とを接続し、逆に、スイッチSW1が端子P10と端子P12とを接続する場合には、スイッチSW2が端子P20と端子P22とを接続する。
【0020】
よって、接続切換部25が、制御部27から入力される選択信号に基づいて、インピーダンス整合部24を導子3に接続する場合には、スイッチSW1が端子P10と端子P11とを接続し、かつ、スイッチSW2が端子P20と端子P21とを接続する。従って、この場合、インピーダンス整合部24の出力側L2の一端が、スイッチSW1の端子P11と端子P10とを介してコネクタ部4の一端と接続され、コネクタ部4の一端と接続されるコード部5の一方の側と導子3の一端とを介し、接続される。更に、導子3の他端から、コード部5の他方の側を介してコネクタ部4の他端に接続される。更に、コネクタ部4の他端から、スイッチSW2の端子P20と端子P21とを介して、インピーダンス整合部24の出力側L2の他端とが接続される。これにより、インピーダンス整合部24の出力側L2と接続切換部25とコード部5と導子3とが閉回路となる。
【0021】
逆に、接続切換部25が、制御部27から入力される選択信号に基づいて、電流検出部26を導子3に接続する場合には、スイッチSW1が端子P10と端子P12とを接続し、かつ、スイッチSW2が端子P20と端子P22とを接続する。従って、この場合、電流検出部26の一端が、スイッチSW1の端子P11と端子P12とを介してコネクタ部4の一端と接続され、コネクタ部4の一端と接続されるコード部5の一方の側と導子3の一端とを介し、接続される。更に、導子3の他端から、コード部5の他方の側を介してコネクタ部4の他端に接続される。更に、コネクタ部4の他端から、スイッチSW2の端子P20と端子P22とを介して、電流検出部26の他端とが接続される。これにより、電流検出部26と接続切換部25とコード部5と導子3とが閉回路となる。
【0022】
なお、電流検出部26は、制御部27から入力される選択信号に基づいて、接続切換部25が電流検出部26を導子3に接続し、電流検出部26と接続切換部25とコード部5と導子3とが閉回路となった後に、この閉回路に対して、電圧を印加して電流を検出することにより、この閉回路の断線を検出する。
【0023】
制御部27は、操作部22から電源投入の信号が入力されたことに応じて、電流検出部26と導子3とを接続することを示す選択信号を接続切換部25に出力し、電流検出部26からの電流検出結果を入力し、電流が予め定められた通電時の範囲内にないことを該入力した電流検出結果が示す場合には、導子の導通不良を示す導通不良異常信号を出力する。
【0024】
報知部21は、制御部27からの導通不良異常信号が入力されたことに応じて、導子3の導通不良を示す導通不良異常を報知する。報知部21は、例えば、導通不良異常時には、LED部A1を点灯する。
【0025】
次に、図3のフローチャートを用いて、第1の実施形態による制御部27の一例としての動作を説明する。まず、使用者が操作部22を操作して、電源投入の操作を入力することにより処理が開始される。次に、操作部22からの電源投入の操作信号を入力された制御部27は、まず、電流検出部26と導子3とを接続することを示す選択信号を接続切換部25に出力し、接続切換部25を電流検出部26と導子3とに接続させる(ステップS01)。
【0026】
次に、電流検出部26からの電流検出結果を入力し(ステップS02)、該入力した電流検出結果が、電流が予め定められた通電時の範囲内にあること(電流が有ること)を示すか否かを判定する(ステップS03)。ステップS03の判定結果において、該入力した電流検出結果が、電流が予め定められた通電時の範囲内にあること(電流が有ること)を示す場合には、インピーダンス整合部24と導子3とを接続することを示す選択信号を接続切換部25に出力することにより、接続切換部25をインピーダンス整合部24と導子3とに接続させる(ステップS04)。以降、電磁波治療装置1は、正常に動作し、通常通りに治療が開始される。
【0027】
一方、ステップS03の判定結果において、該入力した電流検出結果が、電流が予め定められた通電時の範囲内にないこと(電流が無いこと)を示す場合には、導通不良異常信号を報知部21に出力することにより、報知部21が導子3の導通不良異常を示す導通不良異常を報知する(ステップS05)。例えば、報知部21は、LED部A1を点灯する。その後、ステップS02からの処理を繰り返す。
【0028】
導通不良異常を示すLED部A1が点灯することにより、使用者は、導子3が導通不良、例えば、コード部5の断線または導子3の断線により、導子3から電磁波を照射することができないことがわかる。使用者は、この場合、例えば、治療器本体2のコネクタ部4から、コード部5と導子3とを外し、新しいコード部5と導子3とを治療器本体2のコネクタ部4に装着することにより、電磁波治療装置1を正常に使用することが可能となる。
【0029】
次に、図4を用いて、電流検出部26に入力される一例としての直流電流、および、電流検出部26の動作について説明する。まず図4(a)を用いて、導子3がコード部5を介して治療器本体2に接続されており、かつ、断線が無い場合であって、正常な場合において電流検出部26が検出する直流電流について説明する。なお、横軸は時間軸であり、縦軸は電流検出部26に入力される電流の電流値である。
【0030】
まず、時刻t0で、操作部22の操作により電源が投入されたことにより、制御部27が選択信号を出力し、接続切換部25が、電流検出部26と導子3とを接続する(図3のステップS01参照)。ここで、この時刻t0より前においては、電流検出部26に入力される電流値は、ほぼ0である。
【0031】
次に、時刻t0で、接続切換部25が電流検出部26と導子3とを接続したことにより、電流検出部26に入力される電流値は、時間とともに増大し、時刻t1において、ほぼ一定の値となる。
【0032】
次に、電流検出部26は、時刻t1より後の時刻、例えば、時刻t2において、例えば、入力された電流値の値が予め定められた通電時の範囲内にあるか否かを検出して電流検出結果として制御部27に出力する。この場合、入力された電流値の値が予め定められた通電時の範囲内にあるため、電流検出部26は、電流値の値が予め定められた通電時の範囲内にあり、電流が有ることを示す電流検出結果を、接続切換部25に出力する。
【0033】
また、図4(b)は、導子3がコード部5を介して治療器本体2に接続されていないか、または、断線がある場合であって、異常な場合において電流検出部26に入力される直流の電流値である。なお、図4(b)では、図4(a)と同様な時刻を付し、その説明を省略する。
【0034】
この場合、時刻t1、t2、t3において、電流検出部26に入力される電流値は、ほぼ0である。電流検出部26は、同様に、時刻t2において、例えば、入力された電流値の値が予め定められた通電時の範囲内にあるか否かを検出して電流検出結果として制御部27に出力する。この場合、入力された電流値の値が予め定められた通電時の範囲内にないため、電流検出部26は、電流値の値が予め定められた通電時の範囲内になく、電流が無いことを示す電流検出結果を、接続切換部25に出力する。
【0035】
次に、図5を用いて、この発明の第2の実施形態による電磁波治療装置1の外観図について説明する。図5の第2の実施形態による電磁波治療装置1は、図1の第1の実施形態による電磁波治療装置1に対比して、報知部21が、更に、LED部A2を有している。報知部21は、このLED部A2を点灯させることにより、コード部5と接続切換部25とが接続されていないことを示す未接続異常を報知する。
【0036】
ここで、図4(a)の時刻t0からt1に示すように、電源投入をしてから、または、接続切換部25が電流検出部26と導子3とを接続してから、一定時間経過後に電流検出部26に入力される電流値は一定値になり、この一定になった後に、電流検出部26は電流値を検出する方が望ましい。そのために、制御部27は、操作部22からの電源投入の入力、または、電流検出部26と導子3とを接続する選択信号を接続切換部25に出力した後、予め定められた一定期間経過後に、例えば時刻t0からt2に相当する期間の経過後に、電流検出部26からの電流検出結果を入力し、該入力した電流検出結果を判定する。制御部27は、予め定められた一定期間の経過を測定するために、内部または外部に時刻計測部を有するようにしてもよい。
【0037】
次に、図6を用いて、第2の実施形態による電磁波治療装置1の構成を説明する。同図において図2の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。この第2の実施形態による電磁波治療装置1は、コード部5と接続切換部25とが接続されているか否かを検出し、該検出した結果を導子接続検出結果として制御部27に出力する導子接続検出部28を有する。一例としての導子接続検出部28は、コード部5と接続切換部25とが接続することを検出するメカニカルスイッチまたはリードスイッチである。
【0038】
また、制御部27が、導子接続検出部28からの導子接続検出結果を入力し、該入力した導子接続検出結果がコード部5と接続切換部25とが接続されていないことを示す場合には、コード部5と接続切換部25とが接続されていないことを示す未接続異常信号を報知部21に出力する。報知部21は、未接続異常信号が制御部27から入力されたことに応じて、コード部5と接続切換部25とが接続されていないことを示す未接続異常を報知する。
【0039】
また、制御部27が、電流検出部26と導子3とを接続することを示す選択信号を接続切換部25に出力し、電流検出部26からの電流検出結果を入力し、電流が予め定められた通電時の範囲内にないことを該入力した電流検出結果が示す場合には、導子接続検出部28からの導子接続検出結果を入力し、コード部5と接続切換部25とが接続されていないことを該入力した導子接続検出結果が示す場合には、コード部5と接続切換部25とが接続されていないことを示す未接続異常信号を報知部21に出力し、コード部5と接続切換部25とが接続されていることを該入力した導子接続検出結果が示す場合には、導子3の導通不良を示す導通不良異常信号を報知部21に出力する。
【0040】
また、報知部21は、未接続異常信号が制御部27から入力された場合には、コード部5と接続切換部25とが接続されていないことを示す未接続異常を報知し、導通不良異常信号が入力された場合には、導子3の導通不良を示す導通不良異常を報知する。
【0041】
次に、図7のフローチャートを用いて、第2の実施形態による制御部27の一例としての動作を説明する。同図において、図3と同様なステップには、同一の符号を付ける。ここで、同図と図3とにおいて、ステップS01、ステップS02、ステップS03、および、ステップS04は、図7のフローチャートと図3のフローチャートとにおいて、同様であるため、その説明を省略する。
【0042】
まず、ステップS03の判定結果において、該入力した電流検出結果が、電流が予め定められた通電時の範囲内にないこと(電流が無いこと)を示す場合には、導子接続検出部28からの導子接続検出結果を入力し、コード部5と接続切換部25とが接続されていることを該入力した導子接続検出結果が示すか否かを判定する(ステップS06)。
【0043】
次に、ステップS06の判定結果において、該入力した導子接続検出結果がコード部5と接続切換部25とが接続されていないことを示す場合には、コード部5と接続切換部25とが接続されていないことを示す未接続異常信号を報知部21に出力することにより、報知部21が、コード部5と接続切換部25とが接続されていないことを示す未接続異常を報知する(ステップS07)。例えば、報知部21は、LED部A2を点灯する。その後、ステップS02からを繰り返す。
【0044】
一方、ステップS06の判定結果において、コード部5と接続切換部25とが接続されていることを該入力した導子接続検出結果が示す場合には、導子3の導通不良を示す導通不良異常信号を報知部21に出力することにより、報知部21が、導子3の導通不良を示す導通不良異常を報知する(ステップS08)。例えば、報知部21は、LED部A1を点灯する。その後、ステップS02からを繰り返す。
【0045】
以上により、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、導通不良異常を示すLED部A1が点灯することにより、使用者は、導子3が導通不良、例えば、コード部5の断線または導子3の断線により、導子3から電磁波を照射することができないことがわかる。使用者は、この場合、例えば、治療器本体2のコネクタ部4から、コード部5と導子3とを外し、新しいコード部5と導子3とを治療器本体2のコネクタ部4に装着することにより、電磁波治療装置1を正常に使用することが可能となる。
【0046】
更に、この第2の実施形態によれば、LED部A2が点灯することにより、使用者は、コード部5と接続切換部25とが接続されていないことがわかる。使用者は、この場合、例えば、再度コード部5と導子3とを治療器本体2のコネクタ部4に装着することにより、コード部5と接続切換部25とを接続することにより、電磁波治療装置1を正常に使用することが可能となる。
【0047】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態に対比して、LED部A2が点灯または消灯により、コード部5と導子3とを交換する必要があるのか否か、または、コネクタ部4でのコード部5と治療器本体2との接続を正常にするだけでいいのかが容易にわかるために、容易に電磁波治療装置1を正常な状態にして、正常に電磁波治療装置1を使用することが可能となる。
【0048】
なお、実施の形態の説明においては、報知部21はLED部を有しており、このLED部を点灯させることにより、異常を報知するとして説明したが、これに限られるものではなく、消灯、または点灯および消灯の組み合わせにより、異常を報知するようにしてもよい。また報知部21は、LED部に限られるものでなく、液晶表示装置などの表示部であってもよい。
【0049】
また、報知部21はLED部を有しており、このLED部の点灯と消灯の組み合わせにより異常を放置するとして説明したが、これに限られるものではなく、報知部21は音声出力部を有しており、音声によって異常を報知するようにしてもよい。
【0050】
また、実施の形態の説明においては、制御部27は、電源投入時において、操作部22からの電源投入を示す信号が入力されたことに応じて、導子の導通の検査を行うものとして説明したが、これに限られるものではなく、制御部27に操作者から入力される導子のチェックなどの操作に応じて、導子の導通の検査を行うようにしてもよい。
【0051】
なお、実施形態においては、電流検出部26は、電流検出部26と接続切換部25とコード部5と導子3とが閉回路に対して、直流電圧を印加して直流電流を検出するものとして説明したが、これに限られるものではなく、交流電圧を印加して、交流電流を検出するようにしてもよい。ただし、検出用に交流電圧を用いる場合には、この交流電圧の周波数および電力は電磁波治療装置1の治療に用いる場合に高周波信号発生部23またはインピーダンス整合部24が出力する周波数および電力よりも低いものであり、断線の検査が出来る程度の周波数および電力程度が望ましい。
【0052】
なお、図2または図6における制御部27は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよびマイクロプロセッサにより実現させるものであってもよい。
なお、この制御部27は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、この制御部27はメモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、制御部27の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0053】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の第1の実施形態による電磁波治療装置の概観図を示すブロック図である。
【図2】この発明の第1の実施形態による電磁波治療装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の第1の実施形態による電磁波治療装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図2の第1の実施形態による電流検出部が検出する電流を説明する説明図である。
【図5】この発明の第2の実施形態による電磁波治療装置の概観図を示すブロック図である。
【図6】この発明の第2の実施形態による電磁波治療装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6の第2の実施形態による電磁波治療装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 電磁波治療装置
2 治療器本体
3 導子
4 コネクタ部
5 コード部
21 報知部
22 操作部
23 高周波信号発生部
24 インピーダンス整合部
25 接続切換部
26 電流検出部
27 制御部
28 導子接続検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される高周波信号に基づいて人体の局部に電磁波を照射する導子と、
高周波信号を発生する高周波信号発生部と、
前記高周波信号発生部の出力インピーダンスと前記導子のインピーダンスとを整合して、前記高周波信号発生部が発生した高周波信号を出力するインピーダンス整合部と、
前記導子に断線検出用の電圧を印加し、該印加した電圧に応じた前記導子からの電流値が予め定められた通電時の範囲内にあるか否かを検出して電流検出結果として出力する電流検出部と、
入力される選択信号に基づいて、前記インピーダンス整合部と前記電流検出部とのうち、いずれか一方を前記導子に接続する接続切換部と、
前記接続切換部と前記導子とを接続するコード部と、
前記電流検出部と前記導子とを接続することを示す選択信号を前記接続切換部に出力し、前記電流検出部からの電流検出結果を入力し、前記電流が予め定められた通電時の範囲内にないことを該入力した電流検出結果が示す場合には、前記導子の導通不良を示す導通不良異常信号を出力する制御部と、
前記導通不良異常信号が入力されたことに応じて、前記導子の導通不良を示す導通不良異常を報知する報知部と、
を有することを特徴とする電磁波治療装置。
【請求項2】
前記電磁波治療装置が、
前記コード部と前記接続切換部とが接続されているか否かを検出し、該検出した結果を導子接続検出結果として出力する導子接続検出部を有し、
前記制御部が、
前記導子接続検出結果を入力し、前記コード部と前記接続切換部とが接続されていないことを該入力した導子接続検出結果が示す場合には、前記コード部と前記接続切換部とが接続されていないことを示す未接続異常信号を出力し、
前記報知部が、
前記未接続異常信号が入力されたことに応じて、前記コード部と前記接続切換部とが接続されていないことを示す未接続異常を報知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁波治療装置。
【請求項3】
前記制御部が、
前記電流検出部と前記導子とを接続することを示す選択信号を前記接続切換部に出力し、前記電流検出部からの電流検出結果を入力し、前記電流が予め定められた通電時の範囲内にないことを該入力した電流検出結果が示す場合には、前記導子接続検出部からの導子接続検出結果を入力し、前記コード部と前記接続切換部とが接続されていないことを該入力した導子接続検出結果が示す場合には、前記コード部と前記接続切換部とが接続されていないことを示す未接続異常信号を出力し、前記コード部と前記接続切換部とが接続されていることを該入力した導子接続検出結果が示す場合には、前記導子の導通不良を示す導通不良異常信号を出力し、
前記報知部が、
前記未接続異常信号が入力された場合には、前記コード部と前記接続切換部とが接続されていないことを示す未接続異常を報知し、前記導通不良異常信号が入力された場合には、前記導子の導通不良を示す導通不良異常を報知する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電磁波治療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−148492(P2009−148492A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−331011(P2007−331011)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(591032518)伊藤超短波株式会社 (69)
【Fターム(参考)】