説明

電磁遮蔽用薄膜積層体を備えた透明基板

本発明は、3つの銀層(Ag1,Ag2,Ag3)そして、交互に二酸化チタン層(21)、金属酸化物層(22)、銀層(Ag1,Ag2,Ag3)のうちの1層及び被覆層(23)を含み、これらの層すべてが基板(10)上に配置されている、薄膜積層体(20)から成る、例えばガラス製の透明な基板に関する。本発明は、(i)金属酸化物が酸化亜鉛であること、(ii)被覆層(23)が犠牲金属であること、(iii)少なくとも1つの金属酸化物を含む反射防止層(24)が、基板から最も遠い銀層(Ag3)の被覆層(23)上に配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、電磁遮蔽のための少なくとも1つの金属層を含む薄膜多層をコーティングされた特にガラス製の透明基板である。
【0002】
本発明は、以下、プラズマディスプレイスクリーンにおいてかかる基板の使用についてさらに詳細に説明する。しかしながら、下記の基板は、かかる利用分野に制限されるわけではなく、該基板をあらゆる電磁遮蔽壁の中に組み込むことが可能である。
【背景技術】
【0003】
プラズマディスプレイスクリーンは、2枚のガラス板の間に捕捉されたプラズマガス混合物(Ne,Xe,Ar)、及びディスプレイの後方プレートの内部面上に設置されたリン光体を含む。2枚のガラス板の間のプラズマ放電中にプラズマガス混合物によって発生せしめられた紫外線放射が、後方プレートの内部面上のリン光体と相互作用して可視光放射(赤、緑又は青)を生成する。気体粒子の低準位遷移メカニズムが、紫外発光に競合し、それが800〜1250nmの間の赤外線放射を生成し、主としてディスプレイの前面を通したその伝播は、特に遠隔制御装置などを用いて赤外線によって制御されている近くにある機器に関して、非常に厄介な干渉の源となり得る。
【0004】
その上に、全ての電子デバイスがそうであるように、プラズマディスプレイスクリーンは、マイクロコンピュータ、携帯電話などといったその他のデバイスと干渉してはならない寄生放射線を生成し得るアドレシングシステム又はドライバを有している。
【0005】
かかる放射線の伝播を無くするか又はせめて減衰させるための1つの解決法は、電磁遮蔽を提供する目的で透明かつメタライゼーションを受けているフィルタとも呼ばれるウインドウをディスプレイの前面に設置することにある。このフィルタは、例えば、30MHz〜1GHzの周波数範囲の電磁波及び800nmを超える赤外線を反射する銀ベースの薄い層でコーティングされた透明な基板である。
【0006】
かくして、フランス特許第2,641,272号明細書は、少なくとも1層の金属酸化物を含む透明な副層と、犠牲金属酸化物層、15nm以下の厚みの酸化亜鉛層及び金属酸化物の上部被覆層を含む透明な被覆層の間にはさまれた反射性銀層を含む基板を提案している。
【0007】
上記の銀層は、好ましくは、8〜12nmの間の厚みを有する。
【0008】
副層の金属酸化物層は、複数の酸化物から選ぶことができ、複数の酸化物の混合物であり得る。好ましい例は、二酸化チタン層とこの二酸化チタン上に被着させられた酸化錫層である。
【0009】
犠牲金属酸化物の目的は、特にスパッタリング技術により実施される場合のその被着の間の酸化から銀層を保護することにある。これは、銀が損なわれたとするとコーティングされた基板はその低い放射率を失ないその光透過は大幅に削減されることになるからである。往々にして好まれる犠牲金属は、酸化に対する非常に有効な保護を銀に提供し、容易に酸化されて非常に吸光度の低い酸化物を形成するという利点を有するという理由で、チタンである。
【0010】
酸化亜鉛層は、さらに低い層の中への酸素の浸透に対する保護として役立ち、犠牲金属の厚みを幾分か削減できるようにし、このときこの金属はより容易に、より完全にそしてより均一に酸化される。上述の文献は、特に優れた光透過特性を層に与えるべく、酸化亜鉛層の厚みを15nmに制限することを要求している。
【0011】
しかしながら、単一金属層をもつこのような基板は、例えば1.8Ω/□未満の表面抵抗を有するのに充分な電磁遮蔽を得るのには適切ではない。その上、その他の特許出願は、特に銀層といった複数の金属層を含む多重層を提案している。しかしながら、層の数を増やすと光透過率は低下することがわかっている。従って、満足のいく光透過率を達成するためには、層の厚みと種類の間の妥協点を見い出さなくてはならない。
【0012】
国際公開第01/81262号パンフレットとして開示された特許出願は、基板に最も近い銀層の場合には厚みe1でその他の層については厚みe2の2つの銀層を有し、酸化チタンといった犠牲金属酸化物が各々の銀層の上に設置されてそれを保護している多重層を提案している。1つの層構成の例は、次の通りである:
基板/Si34/ZnO/Ag/Ti/Si34/ZnO/Ag/Ti/ZnO/Si3N4
【0013】
適切な光透過率をなおも維持しながら1.8Ω/□未満の表面抵抗を達成するためには、厚みe1/e2の比は0.8〜1.1、好ましくは0.9〜1の間にあり、金属層の合計厚みe1+e2は27.5〜30nm、好ましくは28〜29.5nmの間にある。
【0014】
欧州特許出願第1,155,816号明細書は、例えば酸化亜鉛又好ましくは窒化シリカといった550nmの波長で2.4未満の屈折率をもつ層及び酸化チタン層を交互に有する3層、さらには4層の銀層をもつ多重層について開示している。基板に最も近い銀層及び最も遠く離れた銀層の厚みは、好ましくはその他の銀層の厚みの0.1〜1倍に等しい。67%の光透過率で1.5Ω/□の表面抵抗をもつ層構成の一例が、各々厚み16nmの3層のパラジウム・ドープ銀層を用いて提供されている。この層構成は、次の通りである:
基板/TiOx/SiNx/Ag/SiNx/TiOx/SiNx/Ag/SiNx/TiOx/SiNx/Ag/SiNx/TiOx
【0015】
しかしながら、既存の解決法の特性をさらに改善しかくして光透過率を劣化させることなく表面抵抗をさらに一層実質的に低減させることが常に望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、本発明の目的は、満足のいく光学特性をなおも達成しながら、電磁波透過の問題を軽減させる目的で、特にプラズマディスプレイスクリーンのための別のフィルタ的解決法を発見することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に従うと、3つの銀層を内含し、基板上に二酸化チタン層、金属酸化物層、銀層の1つ及び被覆層を交互に含んで成る薄膜多重層が備わった、特にガラス製の透明基板が提供される。この透明基板は、
金属酸化物が酸化亜鉛であること;
被覆層が犠牲金属であること;及び
少なくとも1つの金属酸化物を含む反射防止層が、基板から最も遠く離れた銀層のための被覆層上に被着されていること、
を特徴とする。
【0018】
1つの特徴に従うと、銀層の各々の厚みは、13nm〜19nmの間である。3つのそれぞれの層(Ag1,Ag2,Ag3)の厚み(eAg1,eAg2,eAg3)は同一であるか、そうでなければ、0.8〜1.2の間の比率で変動し、eAg1≦eAg3≦eAg2となるようなものである。
【0019】
もう1つの特徴に従うと、基板に最も近い銀層(Ag1)のための副層としての二酸化チタン層は、10〜20nmの間、好ましくは10〜15nmの間の厚みを有し、その他の2つの銀層(Ag2,Ag3)のための副層としての酸化チタン層は、35〜55nm、好ましくは40〜50nmの間の厚みを有する。
【0020】
好ましくは、酸化亜鉛層は、15nmより大きい厚みを有する。
【0021】
有利には、犠牲金属層は、ニオブ、チタン又はジルコニウムからなり、2nmを超えない厚みを有する。
【0022】
もう1つの特徴に従うと、反射防止層は、25〜50nm、好ましくは25〜35nmの間の厚みを有する。有利には、この反射防止層は、15〜35nm、好ましくは20〜30nmの間の厚みを有する少なくとも1つの二酸化チタン層を包含し、かつこの二酸化チタン層上に被着させられ、かつ5〜15nm、好ましくは6〜10nmの間の厚みを有する金属酸化物のもう1つの層をも包含し得る。この金属酸化物層は、好ましくは、酸化錫(SnO2)又は窒化珪素(Si34)である。
【0023】
このような特徴と共に、本発明に従った基板は、1Ω/□を超えず、好ましくは0.7〜0.9Ω/□の間の表面抵抗を有する。
【0024】
基板は、強化ガラス又は非強化ガラスから作られていてもよく、さもなければ、プラスチックから作られていてもよい。
【0025】
かかる基板を、例えばプラズマディスプレイタイプの表示スクリーンに対して適用される電磁遮蔽フィルタ内で使用することが有利であろう。従って、このフィルタは、以下の光学特性を有するべく、任意には反射防止層でコーティングされる単数又は複数の機能的プラスチックシート(例えば顔料又は染料を含有)及び/又はもう1つの透明な基板と合わせて、本発明の多重層を備えた基板を含む:
45〜55%の間の光透過率TL
透過における10%未満の純度;
5%未満、好ましくは4%未満の光反射率RL
20%未満の純度での反射における主として紫−青の色;
透過における主として青の色。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次いで、本発明のその他の特長及び利点を添付の図面を参照して説明する。なお、これらの図面において、図1は、電磁遮蔽フィルタの第1の実施形態を例示し、図2は、電磁遮蔽フィルタの第2の実施形態を例示し、そして図3は、本発明の多重層を概略的に例示している。
【0027】
本発明の要素のさまざまな寸法、特に厚みに関しては、図面中読取りをより容易にするように、一定の縮尺に基づいて描かれてはいないということをまず最初に指摘しておかなければならない。
【0028】
図1は、光学及び電磁遮蔽フィルタを形成するためにプラズマディスプレイの前面に接合されるように意図された透明な構造体の1実施形態の第1の例を示している。
【0029】
図示の構造体は、ディスプレイと同じ側に設置されるように意図された、ガラスタイプの、ただし一変形形態としてはプラスチックで作ることのできる第1の透明基板10、該構造体の内側に面して基板10の内部面の上に設置される本発明に従った薄膜多重層20、例えばPVBフィルムのようなプラスチックフィルム40を用いて多重層20に面して第1の基板に接合されるガラスタイプの第2の基板30を含んで成る。この機能的プラスチックフィルムは、有利には、590nmを中心とする波長のオレンジ色をろ光するべく有機染料又は鉱物顔料を包含し得る。該プラスチックフィルム又は該構造体の代替的実施形態についてのさらなる詳細に関しては、フランス特許出願第03/04636号明細書を参照することができる。
【0030】
構造体の外側に向かう基板10及び30の外部面には、好ましくは、反射防止コーティング50が備わっている。
【0031】
図2は、見る人とは反対側にくるように意図された面の1つに薄膜多重層20が備わった基板10、及び第1の実施形態で上述した通りのその他の機能性を有利には包含しうる例えばPVBフィルムのようなプラスチックフィルム40を用いて多重層20に面して基板10に接合されている、ディスプレイと同じ側に設置されるように意図されている例えばPETのようなプラスチックで作られた基板60を含んで成る、構造体の実施形態の第2の例を示している。構造体の外側に向かう基板10の外部面には、好ましくは反射防止コーティング50が具備されている。
【0032】
従って、本発明は、例えば基板10のような基板上に被着された多重層20に関する。この多重層は、3つの金属銀層を包含し、Ag1は、基板に最も近い層であり、Ag2は中央層であり、Ag3は、30MHz〜1GHzの周波数をもつ電磁波及び800nmを超える赤外線波を反射することを機能とする最も遠く離れた銀層である。
【0033】
多重層は、基板上に交互に被着させられた状態で、二酸化チタン層21、酸化亜鉛層から成る金属酸化物層22、銀層Ag1、Ag2又はAg3の1つ及び犠牲金属の被覆層23を包含する。基板から最も遠くの銀層Ag3上に被着されている犠牲金属層23の上面に被着されているのは、少なくとも1つの金属酸化物から成る反射防止層24である。
【0034】
銀層Ag1、Ag2又はAg3の各々の厚みは、13nm〜19nmの間である。それぞれの層Ag1、Ag2及びAg3の厚みeAg1、eAg2及びeAg3は、同一であってよく、さもなければ、0.8〜1.2の間の比率で変動してもよく、eAg1≦eAg3≦eAg2となるようなものである。層の厚みの不均衡は、同じ表面抵抗を維持しながら光反射率を低下させるため、優先的である。
【0035】
基板に近い銀層Ag1のための副層としての酸化チタン層21は、10〜20nm、好ましくは10〜15nmの間の厚みを有する。
【0036】
その他の2つの銀層Ag2及びAg3のための副層としての酸化チタン層21は、35〜55nm、好ましくは40〜50nmの間の厚みを有する。
【0037】
酸化亜鉛層22は、好ましくは、15nmを上回る、例えば16又は18nmの厚みを有する。
【0038】
犠牲金属層23は、ニオブ、チタン又はジルコニウム、好ましくはチタンからなるものであり、最大2nm、例えば1.5nmの厚みを有する。
【0039】
犠牲金属層は、銀を酸化から保護し、かつその低効率を改善することを可能にする。チタンの存在は、光透過率を劣化させ得るものの、それはまさに充分適正な光透過率を維持しながらさらに一層低い表面抵抗を得ることができるようにする。フィルタの光学特性とその遮蔽特性の間に見い出すべき妥協点は、優れた光学特性をなおも維持しながら遮蔽を優先させることによって提供される。かくして、3つの銀層に基づく本発明の層構成によると、表面抵抗は、先行技術に従った場合の1.5に比べ0.8Ω/□まで低下し、これは「消費者」製品と呼ばれるものを扱う欧州規格EN55022のクラスAを満たすだけでなく、ホームシネマタイプの特殊な製品を扱うクラスBをも満たすものである。
【0040】
基板から遠隔した銀層Ag3のための反射防止層24は、25〜50nmの間、好ましくは25〜35nmの間の厚みを有する。この層は、15〜35nm、好ましくは20〜30nmの間の厚みの二酸化チタンを少なくとも含む。
【0041】
有利には、この反射防止層の二酸化チタンの上面に被着されるものとして、5〜15nm、好ましくは6〜10nmの間の小さい厚みのもう1つの金属酸化物がある。この金属酸化物は、例えば、酸化錫(SnO2)又は窒化珪素(Si34)であり、反射及び透過における色の純度を改善する一助となる。
【0042】
多重層の全ての層は、既知のスパッタリング技術により基板上に被着される。
【実施例】
【0043】
下記の表では、本発明の多重層20の5つの例(例1〜例5)を示す。表中に示されているのは、各層の厚み(nm単位)、そして基板10に接合された各々の多重層について、光透過率TLの値(%単位)、光反射率RL(%単位)、透過における純度Pe in T(%単位)、反射における純度Pe in R(%単位)、透過及び反射における主波長、それぞれλd in T及びλd in R(nm単位)及び表面抵抗R surf(Ω/□単位)である。
【0044】
これらの5つの例は、1Ω/□未満の適切な遮蔽を達成することを可能にする。
【0045】
例1、例2及び例5の場合、銀層は同じであり15nmに等しく、酸化亜鉛の厚みは異なり厚みは15nm未満であり、例5の場合は正確に10nmに等しい。各例について、二酸化チタン層の厚みは、多重層の光学特性を最適化するように固定される。
【0046】
結果から、例5よりも大きい酸化亜鉛の厚み(6〜8nm及びそれ以上)を有する例1及び例2について、光透過率が、先行技術に関して予想されうるものとは異なり、実質的に同一にとどまっているか又は例1の場合にはわずかに上回っていさえし、酸化亜鉛の厚みは18nmであり、又反射は、例1及び例2の場合、例5の場合に比べ低いものであるという利点を有し、かくして、見る人にとって眩しくない攻撃性の低い形でディスプレイを照射することを可能にしている、ということがわかる。
【0047】
例3及び例4は、銀層に関して等しくない厚みで、例4の場合SnO2に基づく反射防止層25との比較を提供している。不均衡は、光反射率を低減させるという利点をもつが、透過及び反射における純度を増大させるという欠点を有する。反射防止層の付加は、この欠点を克服し、かくして例1、例2及び例5のものと同等の又は実質的に同等の透過における純度を得る一助となる。
【0048】
【表1】

【0049】
かくして、銀及び誘電層の被着及び本発明に従って作成された厚みを制御すると同時に金属保護層を使用することによって、図1又は図2を参照して得られたフィルタは以下の特性を有する:
1Ω/□未満の表面抵抗;
45〜55%の間の光透過率TL
10%未満の透過における純度;
5%未満、好ましくは4%未満の光反射率RL
20%未満の純度での反射における主として紫−青の色;及び
透過における主として青の色。
【0050】
本発明の基板を用いた電磁遮蔽フィルタは、表示スクリーン、特にプラズマディスプレイに応用することができる。それは、遮蔽に関し非常に優れた性能を提供し(表面抵抗は1Ω/□未満)、その結果、900nmでの透過率が1%を超えず、特に赤外線を遮断する。このフィルタは同様に、優れた視認性(光透過率は45〜55%の間)を提供し、ディスプレイのコントラストを改善する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】電磁遮蔽フィルタの第1の実施形態を例示した断面図である。
【図2】電磁遮蔽フィルタの第2の実施形態を例示した断面図である。
【図3】図3は、本発明による多重層を概略的に例示した断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3つの銀層(Ag1,Ag2,Ag3)を包含し、かつ二酸化チタン層(21)、金属酸化物層(22)、銀層(Ag1,Ag2,Ag3)の1つ及び被覆層(23)を基板上に交互に含んで成る薄膜多重層(20)が備わった、特にガラス製の透明基板において、
金属酸化物が酸化亜鉛であること;
被覆層(23)が犠牲金属であること;及び
少なくとも1つの金属酸化物を含む反射防止層(24)が、基板から最も遠く離れた銀層(Ag3)のための被覆層(23)上に被着されていること、
を特徴とする透明基板。
【請求項2】
銀層(Ag1,Ag2,Ag3)の各々の厚みが13nm〜19nmの間であることを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項3】
それぞれの層(Ag1,Ag2,Ag3)の厚み(eAg1,eAg2,eAg3)が同一であるか、さもなければ、0.8〜1.2の間の比率で変動し、eAg1≦eAg3≦eAg2となるようなものであることを特徴とする請求項2に記載の基板。
【請求項4】
基板に最も近い銀層(Ag1)のための副層としての二酸化チタン層(21)が、10〜20nmの間、好ましくは10〜15nmの間の厚みを有し、その他の2つの銀層(Ag2,Ag3)のための副層としての酸化チタン層(21)が、35〜55nm、好ましくは40〜50nmの間の厚みを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板。
【請求項5】
酸化亜鉛層(22)が15nmより大きい厚みを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板。
【請求項6】
犠牲金属層(23)が、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)又はジルコニウム(Zr)からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の基板。
【請求項7】
犠牲金属層(23)が、2nmを超えない厚みを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の基板。
【請求項8】
反射防止層(24)が、25〜50nm、好ましくは25〜35nmの間の厚みを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の基板。
【請求項9】
反射防止層(24)が、15〜35nm、好ましくは20〜30nmの間の厚みを有する少なくとも1つの二酸化チタン層を内含することを特徴とする請求項8に記載の基板。
【請求項10】
反射防止層(24)が、二酸化チタン層及びこの二酸化チタン層上に被着させられ5〜15nm、好ましくは6〜10nmの間の厚みを有する金属酸化物のもう1つの層を内含することを特徴とする請求項8又は9のいずれかに記載の基板。
【請求項11】
反射防止層(24)の金属酸化物層が、酸化錫(SnO2)又は窒化珪素(Si34)であることを特徴とする請求項10に記載の基板。
【請求項12】
1Ω/□を超えず、好ましくは0.7〜0.9Ω/□の間の表面抵抗を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の基板。
【請求項13】
強化ガラス又は非強化ガラスから作られているか又はプラスチックから作られていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の基板。
【請求項14】
下記のような光学特性:
45〜55%の間の光透過率TL
透過における10%未満の純度;
5%未満、好ましくは4%未満の光反射率RL
20%未満の純度での反射における主として紫−青の色;
透過における主として青の色、
を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の基板を含む電磁遮蔽フィルタ。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の少なくとも1つの基板又はフィルタをその前面に内蔵するプラズマディスプレイタイプの表示スクリーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−505810(P2007−505810A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526656(P2006−526656)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002152
【国際公開番号】WO2005/028391
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】