説明

電線用外装部品および電線並びに電線配索構造

【課題】電線を配索して装置に組み付ける際に電線にねじれが生じるのを抑制すると共に電線をより適正に配索して装置に組み付け可能とする。
【解決手段】長さ方向に一端から他端までスリット34が形成され内部に高圧ケーブル22を収容する管状のコルゲートチューブ32に加え、コルゲートチューブ32の外周面側でスリット34を覆う板状の本体部42と、本体部42の長さ方向の両端部43a,43bの各々からコルゲートチューブ32の内部に突出すると共に、内部に突出した先端から二方向にコルゲートチューブ32の内周面に沿って円弧状に広がる形状で内周面に係止可能な2つの係止部44,45と、を有するねじれ防止部品40により、電線用外装部品30を構成する。これにより、高圧ケーブル22がねじれた状態で配索され装置に組み付けられる状態を、ねじれ防止部品40のねじれを目印として利用し判別することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線用外装部品および電線並びに電線配索構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電線用外装部品としては、ワイヤハーネスに外装され断面が半円環形状の半割りコルゲートチューブが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この半割りコルゲートチューブは、ワイヤハーネスにテープで荒巻き固定されることがある。
【0003】
また、この種の電線用外装部品としては、長さ方向の全長に1本のスリットが設けられたコルゲートチューブと、コルゲートチューブのスリットに装着されたカバーと、を含むものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この電線用外装部品に含まれるカバーは、コルゲートチューブのスリットの長さ方向に細長い板状部材のうち、幅方向中央部については、幅方向中央でたわみをもって二つ折りにした左右対称の断面菱形形状とすると共にスリットからコルゲートチューブ内に突出させた状態として、コルゲートチューブ内周面に左右対称に当接する2つの係止部を構成する。また、この板状部材のうち、幅方向両側部については、コルゲートチューブ外周面に当接する左右一対の2つの鍔部として構成する。そして、係止部と鍔部とによりコルゲートチューブを内外周から挟持させることによって、スリットに装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−168815号公報
【特許文献2】特開2010−178480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した前者の半割りコルゲートチューブでは、コルゲートチューブが装着されたワイヤハーネスを例えば車両のエンジンルームなどで配索して装置に組み付ける際に、コルゲートチューブにテープが巻かれていたとしても、ねじれを判別することができず、ワイヤハーネスを誤ってねじれた状態で組み付けるおそれがあった。また、上述した後者のカバーでは、コルゲートチューブ内に凸状のリブとなる部分がチューブの長さ方向全体に亘って存在するため、電線を配索して装置に組み付けた後に例えば車両や装置の振動等により電線が傷付くおそれが生じたり、電線を配索する際にコルゲートチューブを曲げにくかったり、リブ部分の材料が多く必要でコストがかかる等の不都合があった。
【0006】
本発明の電線用外装部品および電線配索構造は、電線を配索して装置に組み付ける際に電線にねじれが生じるのを抑制すると共に電線をより適正に配索して装置に組み付け可能とすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電線用外装部品および電線配索構造は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明の電線用外装部品は、
電線に装着される電線用外装部品であって、
長さ方向に一端から他端までスリットが形成され内部に電線を収容する管状のチューブ部品と、
前記チューブ部品の外周面側で前記スリットを覆う板状の本体部と、前記本体部の長さ方向の両端部の各々から前記チューブ部品の内部に突出すると共に該内部に突出した先端から二方向に前記チューブ部品の内周面に沿って円弧状に広がる形状で該内周面に係止可能な2つの係止部と、を有する係止部品と、
を含むことを要旨とする。
【0009】
この本発明の電線用外装部品では、長さ方向に一端から他端までスリットが形成され内部に電線を収容する管状のチューブ部品と、チューブ部品の外周面側でスリットを覆う板状の本体部と、本体部の長さ方向の両端部の各々からチューブ部品の内部に突出すると共に内部に突出した先端から二方向にチューブ部品の内周面に沿って円弧状に広がる形状で内周面に係止可能な2つの係止部と、を有する係止部品と、を含む。これにより、チューブ部品に収容された電線を配索して装置に組み付ける際に、チューブ部品のねじれが生じると係止部品の本体部のねじれが生じるものとなり、電線がねじれた状態で組み付けられるのを係止部品のねじれを目印として利用して判別可能であるから、電線がねじれた状態で組み付けられるのを抑制することができる。また、係止部品の係止部は円弧状であるから、電線を装置に組み付けた後に装置の振動等により電線が傷付くのを抑制することができる。さらに、係止部品の係止部はチューブ部品の長さ方向の両端部のみに設けられるから、チューブ部品の長さ方向の全体に亘って係止部を設けたものに比して、チューブ部品に収容された電線を配索する際に電線をより容易に曲げることができると共に、材料の低減(コストの低減)を図ることができる。この結果、電線を配索して装置に組み付ける際に電線にねじれが生じるのを抑制すると共に電線をより適正に配索して装置に組み付け可能とすることができる。
【0010】
こうした本発明の電線用外装部品において、前記係止部品は、前記チューブ部品とは異なる色が付されている、ものとすることもできる。ここで、チューブ部品は、自在に曲げられる例えばゴム製のものなどを用いることができる。
【0011】
また、本発明の電線用外装部品において、前記チューブ部品は、コルゲートチューブである、ものとすることもできるし、ツイストチューブである、ものとすることもできる。ここで、コルゲートチューブとしては、例えば樹脂製のものなどを用いることができ、ツイストチューブとしては、例えば織布製のものなどを用いることができる。
【0012】
本発明の電線は、上述のいずれかの態様の本発明の電線用外装部品、即ち、基本的には、電線に装着される電線用外装部品であって、長さ方向に一端から他端までスリットが形成され内部に電線を収容する管状のチューブ部品と、前記チューブ部品の外周面側で前記スリットを覆う板状の本体部と、前記本体部の長さ方向の両端部の各々から前記チューブ部品の内部に突出すると共に該内部に突出した先端から二方向に前記チューブ部品の内周面に沿って円弧状に広がる形状で該内周面に係止可能な2つの係止部と、を有する係止部品と、を含む電線用外装部品が装着された電線であることを要旨とする。
【0013】
この本発明の電線では、上述のいずれかの態様の本発明の電線用外装部品が装着された電線であるから、本発明の電線用外装部品が奏する効果、例えば、電線を配索して装置に組み付ける際に電線にねじれが生じるのを抑制すると共に電線をより適正に配索して装置に組み付け可能とすることができる効果などと同様な効果を奏することができる。
【0014】
本発明の電線配索構造は、上述のいずれかの態様の本発明の電線用外装部品、即ち、基本的には、電線に装着される電線用外装部品であって、長さ方向に一端から他端までスリットが形成され内部に電線を収容する管状のチューブ部品と、前記チューブ部品の外周面側で前記スリットを覆う板状の本体部と、前記本体部の長さ方向の両端部の各々から前記チューブ部品の内部に突出すると共に該内部に突出した先端から二方向に前記チューブ部品の内周面に沿って円弧状に広がる形状で該内周面に係止可能な2つの係止部と、を有する係止部品と、を含む電線用外装部品が装着された電線を配索してなることを要旨とする。
【0015】
この本発明の電線配索構造では、上述のいずれかの態様の本発明の電線用外装部品が装着された電線を配索するから、本発明の電線用外装部品が奏する効果、例えば、電線を配索して装置に組み付ける際に電線にねじれが生じるのを抑制すると共に電線をより適正に配索して装置に組み付け可能とすることができる効果などと同様な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例である電線用外装部品30が一部に装着されたハイブリッド自動車20の外観とエンジンルーム12に機器が車載された様子とを示す説明図である。
【図2】実施例の電線用外装部品30の外観を示す外観図である。
【図3】コルゲートチューブ32の外観を示す外観図である。
【図4】ねじれ防止部品40の外観を示す外観図である。
【図5】図2のA方向から見た高圧ケーブル22の断面と電線用外装部品30とを模式的に示す説明図である。
【図6】コルゲートチューブ32にねじれ防止部品40を取り付ける際の様子を示す説明図である。
【図7】高圧ケーブル22がねじれた状態で配索され組み付けられる際の様子を模式的に示す説明図である。
【図8】ねじれを解消した状態で高圧ケーブル22が配索され組み付けられる様子を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の一実施例である電線用外装部品30が一部に装着されたハイブリッド自動車20の外観とエンジンルーム12に機器が車載された様子とを示す説明図であり、図2は、実施例の電線用外装部品30の外観を示す外観図であり、図3は、コルゲートチューブ32の外観を示す外観図であり、図4は、ねじれ防止部品40の外観を示す外観図であり、図5は、図2のA方向から見た高圧ケーブル22の断面と電線用外装部品30とを模式的に示す説明図である。電線用外装部品30の長さ方向の途中部分を省略する波線については、図2のみに示した。
【0019】
実施例のハイブリッド自動車10は、図1に示すように、車両前部のエンジンルーム12内に、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関として構成されたエンジン14と、周知の同期発電電動機として構成された2つのモータを含むモータ装置16と、モータ装置16の各モータを駆動する図示しないインバータ回路を含むインバータ装置18とが収納されている。モータ装置16の各モータは、インバータ装置18のインバータ回路とそれぞれ高圧ケーブル21,22を介して電気的に接続されている。また、モータ装置16の各モータは、車両後部に搭載された図示しないバッテリと図示しないケーブルを介して電気的に接続されている。これにより、ハイブリッド自動車10は、エンジン14を間欠運転しながらモータ装置16からの動力を用いて走行したり、エンジン14を運転停止してモータ装置16からの動力を用いて走行したりする。以下、本発明の電線用外装部品30が装着されてエンジン12内で配索された高圧ケーブル21,22のうち、高圧ケーブル22の電線用外装部品30について説明する。
【0020】
電線用外装部品30は、図2〜図4に示すように、エンジンルーム12内で配索される高圧ケーブル22を保護するために内部に収容する管状のコルゲートチューブ32と、コルゲートチューブ32のスリット34に取り付けられたねじれ防止部品40とにより構成されている。実施例の電線用外装部品30が装着された高圧ケーブル22は、図5に示すように、導体としての心線を絶縁体により被覆した三相の電線24U,24V,24Wを編組線26により覆ってなる編組電線として構成されている。なお、高圧ケーブル22の両端に図示しないコネクタが接続されてワイヤハーネスが構成されている。
【0021】
コルゲートチューブ32は、大径部と小径部とを長さ方向に交互に繰り返してなる曲げ自在で伸縮可能な樹脂製(例えば、ポリプロピレン製やポリアミド製など)の管状部品であり、長さ方向の一端から他端まで全長に亘ってスリット34が形成されている。コルゲートチューブ32は、実施例では、内部に収容する高圧ケーブル22の機能に基づいてオレンジ色が付されている。
【0022】
ねじれ防止部品40は、コルゲートチューブ32の外周面33a側(図5参照)でスリット34を覆う板状の本体部42と、本体部42の長さ方向の両端部43a,43b(図4参照)の各々からコルゲートチューブ32の内部に突出すると共に内部に突出した先端で二方向(図5では左右方向、即ち両側)にコルゲートチューブ32の内周面33b(図5参照)に沿って円弧状に広がる形状で内周面33bに係止可能な2つの係止部44,45と、を有する。ねじれ防止部品40は、実施例では、コルゲートチューブ32の材質より弾性率が低い(変形しやすい)自在に曲げられる材料(例えばゴム)により、コルゲートチューブ32とは異なる色(例えば、コルゲートチューブ32と容易に区別可能な黒色や青色など)が付されている。また、係止部44,45の形状としての円弧に対応する中心角は、例えば45度や90度,180度(即ち、半円状),これら前後の角度などとすることができる。
【0023】
次に、高圧ケーブル22の組み付け手順について説明する。図6は、コルゲートチューブ32にねじれ防止部品40を取り付ける際の様子を示す説明図である。まず、高圧ケーブル22に対してその長さ方向の端部から所定の治具を用いてコルゲートチューブ32をスライドさせ装着する。続いて、図6に示すように、ねじれ防止部品40の係止部44,45をそれぞれ本体部42の両端部43a,43bを支点として本体部42の長さ方向外側に開いた状態とし、コルゲートチューブ32のスリット34の長さ方向の両端部の各々にねじれ防止部品40の係止部44,45をそれぞれスリット34の長さ方向外側から挟み込んで引っ掛けることによって、コルゲートチューブ32にねじれ防止部品40を取り付ける(図2参照)。そして、コルゲートチューブ32とねじれ防止部品40とからなる電線用外装部品30が装着された高圧ケーブル22を、ねじれが生じないようにエンジンルーム12内を取り回して配索し、その両端に接続されたコネクタをモータ装置16側のコネクタおよびインバータ装置18側のコネクタと接続することによって、高圧ケーブル22をモータ装置16およびインバータ装置18に組み付ける。
【0024】
図7は、高圧ケーブル22がねじれた状態で配索され組み付けられる際の様子を模式的に示す説明図であり、図8は、ねじれを解消した状態で高圧ケーブル22が配索され組み付けられる様子を模式的に示す説明図である。実施例のハイブリッド自動車10を含め、ハイブリッド自動車や電気自動車に用いられる走行用モータには高電圧の電力供給が必要であり、その電力供給には、高圧ケーブル21,22のような高電圧と大電流に耐え得る電線径(心線の径ひいては編組電線の径)が太いケーブルが用いられる。こうしたケーブルは、電線径が太い程(また全長が短いほど)剛性が高くなり曲がりにくくなるという制約を受けるが、この制約に反し、ケーブルは、エンジンルーム12などでは装置周辺の部品と干渉しないよう正しい経路で装置間を接続する役割を担うため、狭いスペースに曲げを伴って配索される。コルゲートチューブ32などのチューブ部品は、こうして狭いスペースに配索されるケーブルを周辺部品との干渉による傷付きや断線から保護している。しかしながら、例えば、コルゲートチューブにテープを巻いた状態でケーブルを配索して装置に組み付けるものでは、ケーブルのねじれを示す目印がないために、工場などでケーブルが1回転,2回転とねじられた状態で配索され誤って組み付けられる場合があり、この場合、ケーブルは、正しい経路を這わずに周辺部品と干渉したり、ねじれに伴う想定外の残留応力によって電線の耐久性の低下を招いたりしてしまう。これに対し、実施例の電線用外装部品30では、コルゲートチューブ32のスリット34にねじれ防止部品40を取り付けるから、高圧ケーブル22を配索して装置に組み付ける際に、図7に示すように高圧ケーブル22のねじれ(コルゲートチューブ32のねじれ)が生じた場合でも、そのねじれを判別(視認)することができ、図8に示すように高圧ケーブル22を誤組付けすることなく正しく組み付けることができる。なお、高圧ケーブル22のエンジンルーム12内での配索経路によっては、1本の高圧ケーブル22に対して1つではなく2つ以上のコルゲートチューブ32とねじれ防止部品40との組み合わせを装着するものとしてもよいし、コルゲートチューブ32とねじれ防止部品40との組み合わせに対してその長さ方向の一部でテープを巻いたりクランプで周辺部品や周辺装置への固定を行なったりするものとしてもよい。
【0025】
また、実施例の電線用外装部品30では、ねじれ防止部品40の係止部44,45は本体部42の長さ方向の両端部43a,43bのみに設けられている。これにより、例えば、コルゲートチューブのスリットの長さ方向全体に亘ってチューブ内に凸状の立体部分(リブを形成する部分)がある係止部品をコルゲートチューブに取り付けるものに比して、高圧ケーブル22を配索する際に高圧ケーブル22を容易に曲げることができると共に、材料の低減(コストの低減)を図ることができる。また、ねじれ防止部品40の係止部44,45は、チューブ内に凸状の部分がない円弧状であるため、高圧ケーブル22が車両の振動等により周辺部品や周辺商品に干渉して傷付くおそれが少なく、高圧ケーブル22の耐久性の低下を抑制することができる。さらに、ねじれ防止部品40は、係止部44,45を外側に開いてコルゲートチューブ32のスリット34に挟み込むだけで容易に取り付けることができる。
【0026】
以上説明した実施例の電線用外装部品30は、長さ方向に一端から他端までスリット34が形成され内部に高圧ケーブル22を収容する管状のコルゲートチューブ32に加え、コルゲートチューブ32の外周面33a側でスリット34を覆う板状の本体部42と、本体部42の長さ方向の両端部43a,43bの各々からコルゲートチューブ32の内部に突出すると共に内部に突出した先端から二方向にコルゲートチューブ32の内周面33bに沿って円弧状に広がる形状で内周面33bに係止可能な2つの係止部44,45と、を有するねじれ防止部品40により構成されている。これにより、コルゲートチューブ32に収容された高圧ケーブル22を配索して装置に組み付ける際に、高圧ケーブル22がねじれた状態で組み付けられるのをねじれ防止部品40のねじれを目印として利用して判別可能であるから、高圧ケーブル22がねじれた状態で組み付けられるのを抑制することができる。また、ねじれ防止部品40の係止部44,45は円弧状であるから、高圧ケーブル22を装置に組み付けた後に振動等により高圧ケーブル22が傷付くのを抑制することができる。さらに、ねじれ防止部品40の係止部44,45はコルゲートチューブ32の長さ方向の両端部43a,43bのみに設けられるから、コルゲートチューブ32の長さ方向の全体に亘って係止部を設けたものに比して、コルゲートチューブ32に収容された高圧ケーブル22を配索する際に高圧ケーブル22をより容易に曲げることができると共に、材料の低減(コストの低減)を図ることができる。この結果、高圧ケーブル22を配索して装置に組み付ける際に高圧ケーブル22にねじれが生じるのを抑制すると共に高圧ケーブル22をより適正に配索して装置に組み付け可能とすることができる。
【0027】
実施例の電線用外装部品30では、高圧ケーブル22を収容するチューブ部品としてコルゲートチューブ32を用いるものとしたが、長さ方向の全体にスリットが形成されたものであれば、コルゲートチューブ32に代えて、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)などによる織布製のツイストチューブ等を用いるものとしてもよい。
【0028】
実施例の電線用外装部品30では、コルゲートチューブ32にはオレンジ色が付されていると共にねじれ防止部品40にはコルゲートチューブ32とは異なる黒色や青色などが付されているものとしたが、例えば、コルゲートチューブ32とねじれ防止部品40とに同じ色を付すと共に、ねじれ防止部品40のみに縞模様や水玉模様などの模様を付すなどとしてもよい。
【0029】
実施例では、電線用外装部品30を車載された高圧ケーブル22に装着してエンジンルーム12内に配索したものとして説明したが、こうした電線用外装部品を車両以外の移動体や移動しない設備などに用いられるケーブルに装着して配索するものとしてもよい。
【0030】
実施例では、本発明を電線外装部品30の形態として説明したが、こうした電線用外装部品30が装着された電線の形態としてもよいし、電線用外装部品30を配索してなる電線配索構造の形態としてもよい。
【0031】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、コルゲートチューブ32が「チューブ部品」に相当し、スリット34が「スリット」に相当し、ねじれ防止部品40が「係止部品」に相当し、本体部42が「本体部」に相当し、係止部44,45が「係止部」に相当する。
【0032】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0033】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、電線用外装部品の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0035】
10 ハイブリッド自動車、12 エンジンルーム、14 エンジン、16 モータ装置、18 インバータ装置、21,22 高圧ケーブル、24U,24V,24W 電線、26 編組線、30 電線用外装部品、32 コルゲートチューブ、33a 外周面、33b 内周面、34 スリット、40 ねじれ防止部品、42 本体部、43a,43b 両端部、44,45 係止部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線に装着される電線用外装部品であって、
長さ方向に一端から他端までスリットが形成され内部に電線を収容する管状のチューブ部品と、
前記チューブ部品の外周面側で前記スリットを覆う板状の本体部と、前記本体部の長さ方向の両端部の各々から前記チューブ部品の内部に突出すると共に該内部に突出した先端から二方向に前記チューブ部品の内周面に沿って円弧状に広がる形状で該内周面に係止可能な2つの係止部と、を有する係止部品と、
を含む電線用外装部品。
【請求項2】
請求項1記載の電線用外装部品であって、
前記係止部品は、前記チューブ部品とは異なる色が付されている、
電線用外装部品。
【請求項3】
請求項1または2記載の電線用外装部品であって、
前記チューブ部品は、コルゲートチューブである、
電線用外装部品。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の電線用外装部品が装着された電線。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の電線用外装部品が装着された電線を配索してなる電線配索構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−70493(P2013−70493A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206660(P2011−206660)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】