説明

電話システム、テレビジョン受像機、及びリモートコントローラ

【課題】電話システムにおいて、ユーザが無料のテレビ電話による通話を行うことを可能にして、ユーザが、電話料金を気にせずに、テレビ電話による通話をすることができるようにする。
【解決手段】テレビ電話の映像信号と音声信号とが送信されてきたときには、TV受像機2は、受信したテレビ電話の映像を液晶表示パネル9に表示し、受信した音声信号を無線でリモコン3に送信する。そして、リモコン3が、受信したテレビ電話の音声信号に基づく音声を、ヘッドフォン12に出力する。また、ユーザが、テレビ電話の音声信号を送信するときには、リモコン3が、内蔵のマイクで入力されたユーザの音声についての音声信号を無線でTV受像機2に送信する。そして、TV受像機2が、受信したユーザの音声についての音声信号と、小型カメラ8により撮影したユーザの映像についての映像信号とを、他の通信機器に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン受像機と、このテレビジョン受像機に対して音声信号を送受信することが可能なリモートコントローラとを含む電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネットへの接続機能を有するテレビジョン受像機が知られている。この種のテレビジョン受像機に、インターネット電話の機能を持たせることができれば、大変便利であるだけではなく、電話の双方の話者が、Skype(Sky peer−to−peer)等の無料のインターネット電話サービス用のソフトウェアを利用することにより、どこの国の相手とも無料で通話を行うことができる。この種のテレビジョン受像機を用いたインターネット電話のシステムは、例えば下記の特許文献1に記載されている。
【0003】
上記特許文献1に開示されたシステムは、インターネットへの接続機能を有するテレビジョン受像機と、このテレビジョン受像機に対して音声信号を送受信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコンと略す)とから構成されている。このシステムでは、通話相手からの音声信号が送信されてきたときには、テレビジョン受像機がインターネット電話の音声信号を無線信号に変換してリモコンに送信し、リモコンが、テレビジョン受像機から受信した無線信号を音声信号に変換して、(リモコンに接続された)ヘッドセットに出力し、ユーザが、ヘッドセットから出力された音声を聞くことができるようになっている。また、ユーザが、通話相手に音声信号を送信するときには、リモコンが、ヘッドセットから入力されたユーザの音声に基づいて音声信号を生成した後、生成した音声信号を無線信号に変換してテレビジョン受像機に送信し、テレビジョン受像機が、リモコンから受信した無線信号をインターネット電話の音声信号に変換し、この音声信号をインターネットを介して、通話相手が使用している通信機器に送信するようになっている。さらにまた、上記のシステムでは、テレビモード(上記システムをテレビジョンシステムとして利用するモード)の時にも、ユーザが、上記のリモコンに接続されたヘッドセットからテレビジョン放送の音声を聞くことが可能である。
【0004】
上記のシステムによれば、電話モード(上記システムをインターネット電話として利用するモード)の時には、上記のように、電話の双方の話者がSkype等の無料のインターネット電話サービス用のソフトウェアを利用することにより、ユーザが、どこの国の相手とも無料で通話を行うことができる。また、テレビモードの時には、ユーザが、上記のリモコンに接続されたヘッドセットからテレビジョン放送の音声を聞くことを選択することにより、深夜や、周りに騒音がある場合でも、集中してテレビジョン放送を鑑賞することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−141487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近のパソコンでは、Skype等の無料のインターネット電話サービス用のソフトウェアにより提供されている、高品質映像対応の無料のテレビ電話サービスを利用することができる。従って、電話の双方の話者が、上記の無料のテレビ電話サービスを利用する場合には、無料でテレビ電話による通話を行うことができる。
【0007】
ところが、上記特許文献1に記載されたシステムでは、上記のように、高品質映像対応の無料のテレビ電話サービスを提供するインターネット電話サービス用のソフトウェアが存在するにも拘らず、ユーザが、テレビ電話による通話を行うことができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するものであり、ユーザが無料のテレビ電話による通話を行うことを可能にして、ユーザが、電話料金を気にせずに、テレビ電話による通話をすることができるようにすると共に、ユーザが、システム内のテレビジョン受像機でテレビジョン放送を視聴しているときに、深夜や、周りに騒音がある場合でも、集中してテレビジョン放送を鑑賞することが可能な電話システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、テレビジョン受像機と、このテレビジョン受像機に対して音声信号を送受信することが可能なリモートコントローラとを含む電話システムにおいて、前記テレビジョン受像機は、インターネットを介して他の通信機器から、テレビ電話の映像信号と音声信号とを含む映像信号と音声信号とを受信する映像音声信号受信手段と、前記映像音声信号受信手段により受信した映像信号に基づく映像を表示する表示手段と、前記映像音声信号受信手段により受信した音声信号を無線で前記リモートコントローラに送信するテレビ側無線信号送信手段と、前記表示手段の前方に位置するユーザを撮影して、このユーザの映像についての映像信号を出力する撮影手段と、前記リモートコントローラから送信された、ユーザの音声についての音声信号を含む無線信号を受信するテレビ側無線信号受信手段と、前記撮影手段により撮影したユーザの映像についての映像信号と、前記テレビ側無線信号受信手段により受信したユーザの音声についての音声信号とを、インターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とに変換する信号変換手段と、前記信号変換手段による変換後のインターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とを、インターネットを介して他の通信機器に送信する映像音声信号送信手段とを備え、前記リモートコントローラは、ユーザの音声を入力するための音声入力手段と、前記音声入力手段により入力されたユーザの音声についての音声信号を含む無線信号を送信するリモコン側無線信号送信手段と、前記テレビ側無線信号送信手段により送信された音声信号を含む無線信号を受信するリモコン側無線信号受信手段と、前記リモコン側無線信号受信手段により受信した音声信号に基づく音声を出力する音声出力手段に電気的に接続するための接続手段とを備えたものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電話システムにおいて、前記音声出力手段は、ヘッドフォンであるものである。
【0011】
請求項3の発明は、テレビジョン受像機と、このテレビジョン受像機に対して音声信号を送受信することが可能なリモートコントローラとを含む電話システムにおいて、前記テレビジョン受像機は、インターネットを介して他の通信機器から、テレビ電話の映像信号と音声信号とを含む映像信号と音声信号とを受信する映像音声信号受信手段と、前記映像音声信号受信手段により受信した映像信号に基づく映像を表示する表示手段と、前記映像音声信号受信手段により受信した音声信号を無線で前記リモートコントローラに送信するテレビ側無線信号送信手段と、前記表示手段の前方に位置するユーザを撮影して、このユーザの映像についての映像信号を出力する撮影手段と、前記リモートコントローラから送信された、ユーザの音声についての音声信号を含む無線信号を受信するテレビ側無線信号受信手段と、前記撮影手段により撮影したユーザの映像についての映像信号と、前記テレビ側無線信号受信手段により受信したユーザの音声についての音声信号とを、インターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とに変換する信号変換手段と、前記信号変換手段による変換後のインターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とを、インターネットを介して他の通信機器に送信する映像音声信号送信手段とを備え、前記リモートコントローラは、ユーザの音声を入力するための音声入力手段と、前記音声入力手段により入力されたユーザの音声についての音声信号を含む無線信号を送信するリモコン側無線信号送信手段と、前記テレビ側無線信号送信手段により送信された音声信号を含む無線信号を受信するリモコン側無線信号受信手段と、前記リモコン側無線信号受信手段により受信した音声信号に基づく音声を出力する音声出力手段とを備えたものである。
【0012】
請求項4の発明は、リモートコントローラに対して音声信号を送受信することが可能なテレビジョン受像機において、インターネットを介して他の通信機器から、テレビ電話の映像信号と音声信号とを含む映像信号と音声信号とを受信する映像音声信号受信手段と、前記映像音声信号受信手段により受信した映像信号に基づく映像を表示する表示手段と、前記映像音声信号受信手段により受信した音声信号を無線で前記リモートコントローラに送信するテレビ側無線信号送信手段と、前記表示手段の前方に位置するユーザを撮影して、このユーザの映像についての映像信号を出力する撮影手段と、前記リモートコントローラから送信された、ユーザの音声についての音声信号を含む無線信号を受信するテレビ側無線信号受信手段と、前記撮影手段により撮影したユーザの映像についての映像信号と、前記テレビ側無線信号受信手段により受信したユーザの音声についての音声信号とを、インターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とに変換する信号変換手段と、前記信号変換手段による変換後のインターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とを、インターネットを介して他の通信機器に送信する映像音声信号送信手段とを備えたものである。
【0013】
請求項5の発明は、テレビジョン受像機に対して音声信号を送受信することが可能なリモートコントローラにおいて、ユーザの音声を入力するための音声入力手段と、前記音声入力手段により入力されたユーザの音声についての音声信号を含む無線信号を送信するリモコン側無線信号送信手段と、前記テレビジョン受像機から送信された音声信号を含む無線信号を受信するリモコン側無線信号受信手段と、前記リモコン側無線信号受信手段により受信した音声信号に基づく音声を出力する音声出力手段に電気的に接続するための接続手段とを備えたものである。
【0014】
請求項6の発明は、請求項5に記載のリモートコントローラにおいて、前記音声出力手段は、ヘッドフォンであるものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1及び3の発明によれば、インターネットを介して、(通話相手が使用する)他の通信機器から、テレビ電話の映像信号と音声信号とが送信されてきたときには、テレビジョン受像機は、受信したテレビ電話の映像信号に基づく映像を表示手段に表示し、受信した音声信号を無線でリモートコントローラに送信する。そして、リモートコントローラが、受信したテレビ電話の音声信号に基づく音声を出力する。また、ユーザが、インターネットを介して、(通話相手が使用する)他の通信機器に音声信号を送信するときには、リモートコントローラが、入力されたユーザの音声についての音声信号を無線でテレビジョン受像機に送信する。そして、テレビジョン受像機が、受信したユーザの音声についての音声信号と、撮影手段により撮影したユーザの映像についての映像信号とを、インターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とに変換して、変換後のインターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とを、インターネットを介して(通話相手が使用する)他の通信機器に送信する。これにより、電話の双方の話者がSkype等の無料のインターネット電話サービス用のソフトウェアを利用することで、ユーザが、無料のテレビ電話による通話を行うことが可能になる。従って、ユーザが、電話料金を気にせずに、テレビ電話による通話をすることができるようになる。
【0016】
また、請求項2の発明によれば、リモートコントローラがテレビジョン受像機から無線で受信した音声信号に基づく音声が、ヘッドフォンから出力されるので、ユーザが、システム内のテレビジョン受像機でテレビジョン放送を視聴しているときに、深夜や、周りに騒音がある場合でも、集中してテレビジョン放送を鑑賞することができる。また、テレビジョン受像機に直接、有線のヘッドフォンを接続した場合と比べて、ユーザの鑑賞時における自由度が高い。
【0017】
また、請求項4の発明によれば、リモートコントローラに対して音声信号を送受信することが可能なテレビジョン受像機において、上記請求項1の効果と同様な効果を得ることができる。
【0018】
また、請求項5の発明によれば、テレビジョン受像機に対して音声信号を送受信することが可能なリモートコントローラにおいて、上記請求項1の効果と同様な効果を得ることができる。
【0019】
また、請求項6の発明によれば、テレビジョン受像機に対して音声信号を送受信することが可能なリモートコントローラにおいて、上記請求項2の効果と同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る電話システムの構成図。
【図2】図1中のリモコンの正面図。
【図3】同リモコンの電気的ブロック構成図。
【図4】図1中のTV受像機の電気的ブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、本発明の電話システムにおけるテレビジョン受像機が、IPTV(Internet Protocol Television)のタイプのネットワークテレビジョン受像機(以下、TV受像機という)である場合の例について説明する。図1は、TV受像機2と、このTV受像機2に対して音声信号を送受信することが可能なリモートコントローラ3(以下、リモコンと略す)とを含む電話システム1を示す。
【0022】
図1に示されるように、TV受像機2は、LAN(Local Area Network)ケーブル4を介して、LAN6に接続されており、このLAN6とルータ5とを介してインターネット7に接続されている。また、TV受像機2とリモコン3とは、相互に、テレビ電話やテレビジョン放送の映像信号と音声信号とを、無線で送受信することができる。
【0023】
TV受像機2は、受信した映像信号に基づく映像を表示する液晶表示パネル9(表示手段)と、液晶表示パネル9の前方に位置するユーザを撮影して、このユーザの映像についての映像信号を出力する小型カメラ8(撮影手段)と、リモコン3との間で相互に無線で音声信号を送受信する無線信号送受信部10(テレビ側無線信号送信手段、及びテレビ側無線信号受信手段)とを備えている。また、リモコン3は、TV受像機2との間で相互に無線で音声信号を送受信する無線信号送受信部11(リモコン側無線信号送信手段、及びリモコン側無線信号受信手段)を備えており、ヘッドフォン12(音声出力手段)と接続されている。
【0024】
上記の電話システム1において、インターネット7を介して、(通話相手が使用する)他の通信機器から、テレビ電話の映像信号と音声信号とが送信されてきたときには、TV受像機2は、受信したテレビ電話の映像信号に基づく映像を液晶表示パネル9に表示し、受信した音声信号を無線でリモコン3に送信する。そして、リモコン3が、受信したテレビ電話の音声信号に基づく音声を、ヘッドフォン12に出力する。また、ユーザが、インターネット7を介して、(通話相手が使用する)他の通信機器に音声信号を送信するときには、リモコン3が、内蔵のマイク34(図2参照)で入力されたユーザの音声についての音声信号を無線でTV受像機2に送信する。そして、TV受像機2が、受信したユーザの音声についての音声信号と、小型カメラ8により撮影したユーザの映像についての映像信号とを、インターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とに変換して、変換後のインターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とを、インターネット7を介して(通話相手が使用する)他の通信機器に送信する。これにより、テレビ電話の双方の話者がSkype等の無料のインターネット電話サービス用のソフトウェアを利用することで、ユーザが、無料のテレビ電話による通話を行うことが可能になる。
【0025】
次に、図2を参照して、上記のリモコン3が有する各種の指示操作キー等について説明する。リモコン3は、各種の指示操作キーに応じた無線のリモコン信号を送信する無線信号送受信部11に加えて、電源キー22、メニューキー23、数字入力キー24、チャンネルアップキー25、チャンネルダウンキー26、ボリュームアップキー27、ボリュームダウンキー28、十字キー29、決定キー30、ヘッドフォンボタン31、電話ボタン32、ヘッドフォン音量調整ボタン33の指示操作キーを有している。
【0026】
上記の電源キー22は、TV受像機2の電源のオン/オフを指示するためのキーである。メニューキー23は、TV受像機2についての各種の設定用のメニュー画面の表示を指示するためのキーである。数字入力キー24は、チャンネルの選局や、ソフトウェアキーボードを用いた電話番号の入力に用いられる。チャンネルアップキー25とチャンネルダウンキー26とは、チャンネルの選局に用いられる。ボリュームアップキー27とボリュームダウンキー28とは、TV受像機2のスピーカ59(図4参照)から出力される音声の音量の調整を指示するために用いられる。十字キー29と決定キー30とは、上記のメニュー画面上の項目の選択等に用いられる。
【0027】
また、上記のヘッドフォンボタン31は、ヘッドフォン12からの音声の出力を有効にするためのボタンである。ヘッドフォンボタン31が押下されると、通常は、TV受像機2のスピーカ59(図4参照)から音声が出力されないようになるが、ユーザは、上記のメニュー画面を用いた設定を行うことにより、ヘッドフォンボタン31の押下時におけるスピーカ59からの音声の出力の有無を(消音にするか否かを)選択することができる。
【0028】
また、上記の電話ボタン32は、電話システム1のモードを、テレビモード(電話システム1をテレビジョンシステムとして利用するモード)から、電話モード((TV受像機2を含む)電話システム1をインターネット電話として利用するモード)に切り換えるためのボタンである。電話ボタン32が押下されると、通常は、電話システム1によるテレビ電話の機能が有効になるが、ユーザは、上記のメニュー画面を用いた設定を行うことにより、電話ボタン32の押下時におけるテレビ電話の機能の有効/無効を選択することができる。ユーザが、メニュー画面において、電話ボタン32の押下時におけるテレビ電話の機能を無効にすることを選択した場合は、電話ボタン32の押下時に、電話システム1は、通常の(音声通話のみの)インターネット電話として機能する。
【0029】
上記の電話ボタン32をユーザが押下すると、電話システム1は、電話モードに切り換わり、TV受像機2の液晶表示パネル9は、電話番号入力用の画面になる。ユーザは、液晶表示パネル9上に上記の電話番号入力用の画面が表示された状態で、リモコン3の数字入力キー24を用いて、ソフトウェアキーボードによる電話番号の入力を行うことができる。
【0030】
また、上記のヘッドフォン音量調整ボタン33は、ヘッドフォン12の使用時において、ヘッドフォン12から出力される音声の音量の調整を指示するために用いられる。このように、リモコン3側にヘッドフォン音量調整ボタン33を設けたことにより、TV受像機2側にヘッドフォン音量調整ボタンを設けた場合と比べて、ユーザが容易にヘッドフォン12から出力される音声の音量の調整を行うことができる。
【0031】
また、リモコン3は、ユーザの音声を入力するためのマイク34(音声入力手段)と、ヘッドフォン12と電気的に接続するためのヘッドフォンジャック35(接続手段)とを備えている。ユーザは、上記のソフトウェアキーボードを用いて電話番号の入力を行い、リモコン3を用いて、上記の電話番号に対応する接続機器への接続を指示する。そして、上記の接続機器との接続が完了すると、ユーザは、リモコン3のマイク34とヘッドフォン12(又はリモコン3のマイク34とTV受像機2のスピーカ59)とを用いて、上記の接続機器を使用する通話相手と通話を行うことができる。
【0032】
図3は、上記のリモコン3の概略の電気的ブロック図である。リモコン3は、上記の無線信号送受信部11、マイク34、及びヘッドフォンジャック35に加えて、装置全体の制御を行うCPU40と、CPU40による装置の制御に用いられる制御プログラム42を含む各種のプログラムやデータを記憶するメモリ41と、音声信号の増幅用のアンプ43とを有している。また、リモコン3は、ヘッドフォンジャック35を介してヘッドフォン12と接続されている。また、リモコン3は、マイク34を用いて入力されたユーザの音声についての音声信号に対して、増幅処理やノイズ除去処理を含む各種の音声信号処理を行う音声信号処理回路44と、上記図2に示される各種の指示操作キーから構成される操作部45とを有している。上記のCPU40は、制御プログラム42に基づいて、無線信号送受信部11により受信した無線信号の形式の音声信号を通常の音声信号に変換して、アンプ43に出力する処理や、音声信号処理回路44による処理後の音声信号を無線信号の形式の音声信号に変換して、無線信号送受信部11に出力する処理も行う。
【0033】
図4は、上記のTV受像機2の概略の電気的ブロック図である。TV受像機2は、上記の小型カメラ8、液晶表示パネル9、及び無線信号送受信部10に加えて、装置全体の制御を行うCPU51と、チューナ52と、ネットワークカード53(映像音声信号受信手段、及び映像音声信号送信手段)と、デコーダ54と、映像信号処理回路55と、電極駆動回路56と、音声信号処理回路57と、アンプ58と、スピーカ59とを備えている。
【0034】
チューナ52は、アンテナ61を介して受信したディジタルテレビジョン放送をデコーダ54に送る。ネットワークカード53は、LAN端子2aと図1に示されるLANケーブル4とを介して、図1に示されるLAN6と接続されており、インターネット7を介して、他の通信機器との間で、テレビ電話の映像信号と音声信号とを含む映像信号と音声信号とを相互に送受信するためのインタフェース用の回路である。ネットワークカード53は、インターネット7を介して、他の通信機器から、テレビ電話の映像信号と音声信号とを含む映像信号と音声信号とを受信することができ、また、小型カメラ8により撮影したユーザの映像に基づく映像信号と、無線信号送受信部10により受信した音声信号に基づく音声信号とを、インターネット7を介して他の通信機器に送信することができる。
【0035】
デコーダ54は、ディジタルテレビジョン放送のデコード用のデコーダだけではなく、各種のネットワークサービスのコンテンツをデコードするためのデコーダを内蔵しており、チューナ52から送られたディジタルテレビジョン放送や、ネットワークカード53から送られたネットワークサービスのコンテンツのデコードを行って、ディジタルテレビジョン放送又はネットワークサービスのコンテンツに基づく映像信号と音声信号とを、それぞれ映像信号処理回路55と音声信号処理回路57とに出力する。
【0036】
上記の映像信号処理回路55は、デコーダ54から送られた(ディジタルテレビジョン放送又はネットワークサービスのコンテンツに基づく)映像信号、又はネットワークカード53からCPU51を介して送られたテレビ電話の映像信号に対して各種の映像信号処理を行って、電極駆動回路56に送る。電極駆動回路56は、映像信号処理回路55から受信した映像信号に基づいて、表示用電極を駆動することにより、液晶表示パネル9に映像信号に基づく映像を表示する。
【0037】
音声信号処理回路57は、デコーダ54から送られた(ディジタルテレビジョン放送又はネットワークサービスのコンテンツに基づく)音声信号、又はリモコン3の無線信号送受信部11から送信された(無線信号の形式の音声信号に基づく通常の)音声信号に対して、各種の音声信号処理やD/A変換処理を行った後、これらの処理後のアナログの音声信号をアンプ58に送る。アンプ58は、音声信号処理回路57から受信したアナログの音声信号を増幅してスピーカ59に出力する。スピーカ59は、アンプ58により増幅された後のアナログの音声信号に基づく音声を出力する。
【0038】
また、TV受像機2は、各種の制御用のプログラムやデータを記憶したメモリ60を有している。このメモリ60に記憶されたプログラムには、TV受像機2の制御用のプログラムである制御プログラム61と、Skype(Sky peer−to−peer)等の無料のインターネットテレビ電話サービス用のソフトウェアである無料IP電話用ソフト62とが含まれている。この無料IP電話用ソフト62に従ってCPU51が行う処理には、小型カメラ8により撮影したユーザの映像についての映像信号と、無線信号送受信部10により受信したユーザの音声についての音声信号とを、インターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とに変換する処理や、ネットワークカード53により受信したインターネットプロトコルに従った形式の映像信号を通常の映像信号に変換する処理や、ネットワークカード53により受信したインターネットプロトコルに従った形式の音声信号を、通常の音声信号に変換する処理が含まれている。CPU51と無料IP電話用ソフト62とが、請求項における信号変換手段に相当する。
【0039】
TV受像機2が、ネットワークカード53によりテレビ電話の映像信号と音声信号とを受信するときは、CPU51は、受信したインターネットプロトコルに従った形式のテレビ電話の映像信号と音声信号とを、無料IP電話用ソフト62を用いて通常の映像信号と音声信号とに変換した後、変換した映像信号を映像信号処理回路55に送って液晶表示パネル9にテレビ電話の映像を表示させると共に、通常(リモコン3に接続されたヘッドフォン12からテレビ電話の音声を出力する設定になっている場合)は、変換後の通常の音声信号を無線信号の形式の音声信号にさらに変換して、この無線信号の形式の音声信号を無線信号送受信部10によりリモコン3に送信し、リモコン3に接続されたヘッドフォン12からテレビ電話の音声を出力する。
【0040】
上記のように、本実施形態の電話システム1によれば、インターネット7を介して、(通話相手が使用する)他の通信機器から、テレビ電話の映像信号と音声信号とが送信されてきたときには、TV受像機2は、受信したテレビ電話の映像信号に基づく映像を液晶表示パネル9に表示し、受信した音声信号を無線でリモコン3に送信する。そして、リモコン3が、受信したテレビ電話の音声信号に基づく音声をヘッドフォン12から出力する。また、ユーザが、インターネット7を介して、(通話相手が使用する)他の通信機器に音声信号を送信するときには、リモコン3が、内蔵のマイク34から入力されたユーザの音声についての音声信号を無線でTV受像機2に送信する。そして、TV受像機2が、受信したユーザの音声についての音声信号と、小型カメラ8により撮影したユーザの映像についての映像信号とを、インターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とに変換して、変換後のインターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とを、インターネット7を介して(通話相手が使用する)他の通信機器に送信する。これにより、電話の双方の話者がSkype等の無料のインターネット電話サービス用のソフトウェアを利用することで、ユーザが、無料のテレビ電話による通話を行うことが可能になる。従って、ユーザが、電話料金を気にせずに、テレビ電話による通話をすることができるようになる。
【0041】
また、本実施形態の電話システム1によれば、リモコン3がTV受像機2から無線で受信した音声信号に基づく音声が、ヘッドフォン12から出力されるので、ユーザが、電話システム1内のTV受像機2でテレビジョン放送を視聴しているときに、深夜や、周りに騒音がある場合でも、集中してテレビジョン放送を鑑賞することができる。また、TV受像機2に直接、有線のヘッドフォンを接続した場合と比べて、ユーザの鑑賞時における自由度が高い。
【0042】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、リモコン3に接続されたヘッドフォン12からテレビ電話の音声を出力するようにしたが、リモコンにスピーカを設けて、このスピーカからテレビ電話の音声を出力するようにしてもよい。このリモコンに設けられたスピーカが、請求項3における音声出力手段に相当する。
【符号の説明】
【0043】
1 電話システム
2 TV受像機(テレビジョン受像機)
3 リモコン(リモートコントローラ)
7 インターネット
8 小型カメラ(撮影手段)
9 液晶表示パネル(表示手段)
10 無線信号送受信部(テレビ側無線信号送信手段、テレビ側無線信号受信手段)
11 無線信号送受信部(リモコン側無線信号送信手段、リモコン側無線信号受信手段)
12 ヘッドフォン(音声出力手段)
34 マイク (音声入力手段)
35 ヘッドフォンジャック (接続手段)
51 CPU(信号変換手段)
53 ネットワークカード(映像音声信号受信手段、映像音声信号送信手段)
62 無料IP電話用ソフト(信号変換手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン受像機と、このテレビジョン受像機に対して音声信号を送受信することが可能なリモートコントローラとを含む電話システムにおいて、
前記テレビジョン受像機は、
インターネットを介して他の通信機器から、テレビ電話の映像信号と音声信号とを含む映像信号と音声信号とを受信する映像音声信号受信手段と、
前記映像音声信号受信手段により受信した映像信号に基づく映像を表示する表示手段と、
前記映像音声信号受信手段により受信した音声信号を無線で前記リモートコントローラに送信するテレビ側無線信号送信手段と、
前記表示手段の前方に位置するユーザを撮影して、このユーザの映像についての映像信号を出力する撮影手段と、
前記リモートコントローラから送信された、ユーザの音声についての音声信号を含む無線信号を受信するテレビ側無線信号受信手段と、
前記撮影手段により撮影したユーザの映像についての映像信号と、前記テレビ側無線信号受信手段により受信したユーザの音声についての音声信号とを、インターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とに変換する信号変換手段と、
前記信号変換手段による変換後のインターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とを、インターネットを介して他の通信機器に送信する映像音声信号送信手段とを備え、
前記リモートコントローラは、
ユーザの音声を入力するための音声入力手段と、
前記音声入力手段により入力されたユーザの音声についての音声信号を含む無線信号を送信するリモコン側無線信号送信手段と、
前記テレビ側無線信号送信手段により送信された音声信号を含む無線信号を受信するリモコン側無線信号受信手段と、
前記リモコン側無線信号受信手段により受信した音声信号に基づく音声を出力する音声出力手段に電気的に接続するための接続手段とを備えたことを特徴とする電話システム。
【請求項2】
前記音声出力手段は、ヘッドフォンであることを特徴とする請求項1に記載の電話システム。
【請求項3】
テレビジョン受像機と、このテレビジョン受像機に対して音声信号を送受信することが可能なリモートコントローラとを含む電話システムにおいて、
前記テレビジョン受像機は、
インターネットを介して他の通信機器から、テレビ電話の映像信号と音声信号とを含む映像信号と音声信号とを受信する映像音声信号受信手段と、
前記映像音声信号受信手段により受信した映像信号に基づく映像を表示する表示手段と、
前記映像音声信号受信手段により受信した音声信号を無線で前記リモートコントローラに送信するテレビ側無線信号送信手段と、
前記表示手段の前方に位置するユーザを撮影して、このユーザの映像についての映像信号を出力する撮影手段と、
前記リモートコントローラから送信された、ユーザの音声についての音声信号を含む無線信号を受信するテレビ側無線信号受信手段と、
前記撮影手段により撮影したユーザの映像についての映像信号と、前記テレビ側無線信号受信手段により受信したユーザの音声についての音声信号とを、インターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とに変換する信号変換手段と、
前記信号変換手段による変換後のインターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とを、インターネットを介して他の通信機器に送信する映像音声信号送信手段とを備え、
前記リモートコントローラは、
ユーザの音声を入力するための音声入力手段と、
前記音声入力手段により入力されたユーザの音声についての音声信号を含む無線信号を送信するリモコン側無線信号送信手段と、
前記テレビ側無線信号送信手段により送信された音声信号を含む無線信号を受信するリモコン側無線信号受信手段と、
前記リモコン側無線信号受信手段により受信した音声信号に基づく音声を出力する音声出力手段とを備えたことを特徴とする電話システム。
【請求項4】
リモートコントローラに対して音声信号を送受信することが可能なテレビジョン受像機において、
インターネットを介して他の通信機器から、テレビ電話の映像信号と音声信号とを含む映像信号と音声信号とを受信する映像音声信号受信手段と、
前記映像音声信号受信手段により受信した映像信号に基づく映像を表示する表示手段と、
前記映像音声信号受信手段により受信した音声信号を無線で前記リモートコントローラに送信するテレビ側無線信号送信手段と、
前記表示手段の前方に位置するユーザを撮影して、このユーザの映像についての映像信号を出力する撮影手段と、
前記リモートコントローラから送信された、ユーザの音声についての音声信号を含む無線信号を受信するテレビ側無線信号受信手段と、
前記撮影手段により撮影したユーザの映像についての映像信号と、前記テレビ側無線信号受信手段により受信したユーザの音声についての音声信号とを、インターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とに変換する信号変換手段と、
前記信号変換手段による変換後のインターネットプロトコルに従った形式の映像信号と音声信号とを、インターネットを介して他の通信機器に送信する映像音声信号送信手段とを備えたことを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項5】
テレビジョン受像機に対して音声信号を送受信することが可能なリモートコントローラにおいて、
ユーザの音声を入力するための音声入力手段と、
前記音声入力手段により入力されたユーザの音声についての音声信号を含む無線信号を送信するリモコン側無線信号送信手段と、
前記テレビジョン受像機から送信された音声信号を含む無線信号を受信するリモコン側無線信号受信手段と、
前記リモコン側無線信号受信手段により受信した音声信号に基づく音声を出力する音声出力手段に電気的に接続するための接続手段とを備えたことを特徴とするリモートコントローラ。
【請求項6】
前記音声出力手段は、ヘッドフォンであることを特徴とする請求項5に記載のリモートコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−235331(P2012−235331A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102913(P2011−102913)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】