説明

電話システム

【課題】 グループ内の端末であればどれでも折り返し応答ができる不在着信の電話番号について、二重の折り返し応答を防止し、且つ、不在着信履歴の記憶容量を削減するようにした電話システムを提供する。
【解決手段】 一つの着信番号を複数の端末50で着信応答可能なグループ着信電話番号を設定することができる電話システムにおいて、
端末50は不在着信履歴を表示する表示部503を備え、
折り返し応答がなされたとき、不在着信履歴表示の消去をグループ内の折り返し応答を行わなかった電話機について行なわせるサーバ40を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一電話機に、個人電話番号とグループ着信電話番号のように複数の電話番号を設定することができる電話機およびIP電話システムに関するものであり、特に、電話機に利用者がその利用形態に応じて、着信電話番号毎に着信履歴を記録するか否かを設定できるようにした電話機およびIP電話システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、IPネットワークを使用したIP電話サービスが行なわれている。IP電話システムにおいて、音声はディジタル化され、さらにIPパケットに変換され、IPネットワーク上を流れ、通話先まで到達する。通話先において受信されたIPパケットは元の情報に復元され、こうして送り側と通話先との間で通話を行なうことができる。このIP電話システムは、既存の電話網と比べて、運用・保守・管理コストを削減することができるため、広く使用されつつある。
【0003】
このようなIP電話システムとして、現在、VoIP(Voice over Internet Protocol)システムが市販されている。VoIPシステムの代表的な呼制御プロトコルとしてSIP(Session InitiAtion Protocol)がある。このSIPのサーバによる呼制御にはINVITEと呼ばれる発信用の制御コマンドがある。INVITEコマンドは発信側のIP電話機より送信先に送られる最初の制御メッセージで、このメッセージには、宛先アドレス、発信者アドレス、通信能力情報のほか発信者名や会社名などを電話機毎に発呼用の付帯情報として着信先に送ることができる。
【0004】
IPネットワークでは、IPアドレスのような機器に割当てられたアドレスを使用することによって相手を一意に認識する必要がある。このため、一般に、ゲートキーパと呼ばれる装置を使用する。ゲートキーパは、IP電話機に割当てられた電話番号とIPアドレスとを関連付けたデータベースを管理しており、IP電話機からの電話番号の指定に応じ、対応するIPアドレスを検索することによって、通話先のIP電話機のIPアドレスを指定できるようにする。
【0005】
例えば、特許文献1(特開2004−147101号公報)に開示されたIP電話システムにおいては、IP電話機の運用開始前に、IP電話機からMACアドレスおよびIPアドレスを受信し、そのネットワークアドレスに含まれるアドレスに基づいて予め設定された電話番号を採番してIP電話機に通知するとともに、電話番号、IPアドレスおよびMACアドレスを関連づけて登録・管理する電話番号採番手段を備えたゲートキーパ装置を開示している。上記特許文献1で開示されたような装置を使用すると、ユーザー端末ごとに、電話番号などの固有のアドレスや設定情報を電源投入時等に自動的に設定することができる。
【0006】
前述のようなIP電話システムにおいて、特定のIP電話機に着信があった場合、相手側(発信側)IP電話機と着信側IP電話機との間で、音声コーデックやパケット長などの接続メディアを確認しあった後に接続、通話が開始される。このプロセスを一般にはネゴシエーションプロセスという。ネゴシエーションプロセスは、例えば現在市販されているVoIP(Voice over Internet Protocol)システムを用いて行われる。
【0007】
このSIPの呼制御にはINVITEメッセージと呼ばれる発呼用の制御コマンドがある。INVITEメッセージは発信側のIP電話機より送信先に送られる最初の制御メッセージで、このメッセージには、宛先アドレス、発信者アドレス、音声や画像に関するコーデックを含む通信能力情報などをIP電話機毎に発呼用の付随情報として持たせることができ、このコマンドを用いてネゴシエーションプロセスを行っている。
【0008】
一方、最近では、通信コストを削減するため通信料金が安価なIP電話機を導入するオフィスが増加している。一般の加入者電話においては、代表番号着信、グループ着信、不在登録や不在転送サービスなど、通信事業者が提供するサービスが充実している。また、企業内に設置される構内交換機に同様の機能を搭載する例もある。IP電話システムを導入した場合にもグループ着信機能を設定できると、着信した電話をグループ設定した何れかのIP電話機に接続して応答することができ便利である。
【0009】
例えば、下記の特許文献2(特開2004−235778号公報)には上記SIPシステムを用いたIP電話システムが開示されている。このようなSIPシステムによれば、代理応答機能、自動転送機能、一斉呼出し機能など種々の機能を有するIP電話システムを構築することができる。従って、グループ電話番号と当該グループ電話番号に着信した通話を接続させる複数のIP電話機とをグループとして設定し、当該グループ電話番号に対する着信をグループ設定したIP電話機の何れかに着信させるシステムとすることができる。
【0010】
グループ着信機能を有するIP電話システムにおいては、システムに接続されるIP電話機には通常グループ電話番号の他に個人用の電話番号が設定され、両電話番号に対する受発信が可能になる。また、一般的の加入者電話機と同様に電話機にも不在時の着信を着信履歴として記録する着信履歴記録機能が備えられている。
【0011】
着信履歴を記録する電話機としては、種々のものが知られている。例えば、下記の特許文献3(特開2002−125012号公報)には、着信に対して未応答の着信未応答呼の重要度を着信回数や呼出時間の長さにより判定し、重要と判定された着信未応答呼を通常の未応答呼の表示とは異なる表示画像により表示するようにした電話装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−147101号公報
【特許文献2】特開2004−235778号公報
【特許文献3】特開2002−125012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
先に述べたように、IP電話に限らず、グループ着信機能を有する電話システムにおいては、システムに接続される電話機には個人用の電話番号とグループ電話番号のように複数の電話番号が設定されることになる。このように複数の電話番号を有する電話機には数多くの着信がある。着信履歴記憶部の容量が限られているため、記憶できる最大履歴件数を超える着信があった場合には、利用者が着信履歴を参照したか否かによらず、最も古い着信履歴が着信履歴記憶部から削除され、新しい着信履歴が記憶されてしまう。従って、利用者にとって必要でない着信履歴までが記憶されていると、本当に必要な着信履歴が溢れて削除されてしまい、利用者が必要とする着信履歴を参照できない事態が発生する。更には、記憶可能な最大履歴件数に占める有用な履歴件数の割合が著しく低くなる可能性もあり、そのような場合には、着信履歴そのものが有効活用出来なくなるという状態に陥る。
【0013】
特許文献3に開示されたような着信重要度を判定する従来の電話機においては、複数の電話番号が設定された電話機であっても、グループの折り返し応答がなされた着信履歴の削除は開示されておらず、着信履歴記憶部の有効活用がなされていないという前述の問題点が存在していた。
【0014】
また、グループ着信電話番号の不在着信履歴は複数の電話機に表示されるために、折り返し応答がなされた場合、折り返し応答が行われたことに気づかない使用者が再度折り返し応答を行ってしまうという問題や、誰が折り返し応答したかがわからないという問題が存在していた。
【0015】
本願の発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、グループの折り返し応答がなされた着信履歴を削除する構成とすれば、前記の問題点を解消し得ることに想到し、本発明を完成するに至ったものである。
【0016】
また、折り返し応答がなされたとき、折り返し応答を行った電話機を示す情報をグループ内の電話機に報知するサーバを備えれば、前記の問題点を解消し得ることに想到し、本発明を完成するに至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
一つの着信番号を複数の電話機で着信応答可能なグループ着信電話番号を設定することができる電話システムにおいて、
前記電話機は不在着信履歴を表示する表示部を備え、
折り返し応答がなされたとき、不在着信履歴表示の消去をグループ内の折り返し応答を行わなかった電話機について行なわせるサーバを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる電話システムにおいて、前記電話機は不在着信履歴表示状態を条件として操作する特殊操作により折り返し応答の発信を行う発信機能を有し、前記サーバは前記特殊操作の検出に基づいて前記不在着信履歴表示の消去を行うことを特徴とする。
【0019】
また、本願の請求項3にかかる発明は、一つの着信番号を複数の電話機で着信応答可能なグループ着信電話番号を設定することができる電話システムにおいて、
前記電話機は不在着信履歴を表示する表示部を備え、
折り返し応答がなされたとき、折り返し応答が他の電話機によってなされたことをグループ内の電話機に報知するサーバを備えたことを特徴とする。
【0020】
また、本願の請求項4にかかる発明は、一つの着信番号を複数の電話機で着信応答可能なグループ着信電話番号を設定することができる電話システムにおいて、
前記電話機は不在着信履歴を表示する表示部を備え、
折り返し応答がなされたとき、折り返し応答を行った電話機を特定する情報をグループ内の電話機に報知するサーバを備えたことを特徴とする。
【0021】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項3、4にかかる電話機において、前記電話機は不在着信履歴表示状態を条件として操作する特殊操作により折り返し応答の発信を行う発信機能を有し、前記サーバは前記特殊操作の検出に基づいて前記報知を行うことを特徴とする。
【0022】
また、本願の請求項6にかかる発明は、請求項1、3、4にかかる電話機において、前記電話機はIP電話機であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1にかかる発明においては、電話システムは、折り返し応答がなされたとき、不在着信履歴表示の消去をグループ内の折り返し応答を行わなかった電話機について行なわせるサーバを備える。
【0024】
このような構成によれば、応答不要になった不在着信履歴の記憶を消去することになり、限られたメモリの着信履歴記憶領域を有効に利用することができるようになる。また、折り返し応答が重複することを防止することができるようになる。
【0025】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる電話システムにおいて、前記電話機は不在着信履歴表示状態を条件として操作する特殊操作により折り返し応答の発信を行う発信機能を有し、前記サーバは前記特殊操作の検出に基づいて前記不在着信履歴表示の消去を行う。
【0026】
このような構成によれば、自動的に不在着信履歴表示の消去を行うことができるようになる。
【0027】
また、請求項3にかかる発明においては、電話システムは、折り返し応答がなされたとき、折り返し応答が他の電話機によってなされたことをグループ内の電話機に報知するサーバを備える。
【0028】
このような構成によれば、折り返し応答が重複することを防止することができるようになる。
【0029】
また、請求項4にかかる発明においては、電話システムは、折り返し応答がなされたとき、折り返し応答を行った電話機を特定する情報をグループ内の電話機に報知するサーバを備える。
【0030】
このような構成によれば、折り返し応答が重複することを防止することができるようになる。また、折り返し応答をした使用者を容易に知ることができるようになる。
【0031】
また、請求項5にかかる発明においては、電話システムにおいて、前記電話機は不在着信履歴表示状態を条件として操作する特殊操作により折り返し応答の発信を行う発信機能を有し、前記サーバは前記特殊操作の検出に基づいて前記報知を行う。
【0032】
このような構成によれば、自動的に前記報知を行うことができるようになる。
【0033】
また、請求項6にかかる発明においては、IP電話機とサーバを有するIP電話システムへの適用ができるようになる。
【0034】
このような構成によれば、自動的に前記報知を行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。以下に示す実施例は、グループ着信機能を有するIP電話システムを具体例として説明するが、この実施例は本発明の技術思想を具体化するための1例を例示するものであって、本発明をこのIP電話システムに特定することを意図するものではなく、複数の電話番号を設定可能な電話機を有する構内電話システムなど、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の電話システムにも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0036】
図1は、本発明の実施例1にかかる代表番号着信機能を有するIP電話システムおよびIP電話機の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明においてはIP電話機を単に端末ということとする。本発明の実施例にかかる代表番号着信機能を有するIP電話システムは、IP電話機50である端末A〜端末Nなどと、呼制御サーバ40と、ゲートウェイ30とから構成される。呼制御サーバ40は、SIP(Session InitiAtion Protocol)プロトコルを適用したSIPサーバを用いることができる。
【0037】
端末A〜端末Nへの呼はゲートウェイ30を介して行われる。電話回線網12に接続された加入者電話機15との間の呼は、呼制御サーバ40の呼接続制御のもとで端末A〜端末Nに接続される。また、ルータ17に接続される他のIP電話システムに設置された端末との間の呼は、インターネット網11、ルータ20を介して呼制御サーバ40の呼接続制御のもとで端末A〜端末Nに接続される。図1において端末A以外のIP電話機はその構成の図示を省略しているが、端末Aと同様の構成である。
【0038】
本発明においては、所定のグループ電話番号に着信があった場合に接続するIP電話機グループを、例えば、端末A〜端末Dをグループ着信端末として設定し、その何れかの端末に着信させるように構成してあるものとする。従って、端末A〜端末Dはグループ電話番号の他に個々の利用者に割り当てられる個人用の電話番号が設定され、呼制御サーバ40は、グループ電話番号への着信を端末A〜端末Dの何れかに着信させ、個人電話番号への着信は該当する端末に着信させる。
【0039】
呼制御サーバ40は、制御回路401の他、各端末への着信を制御する着信制御部403、各端末に設定された電話番号(図2参照)や不在着信履歴とその折り返し応答(図3参照)を記憶する着信記憶部404を備えている。
【0040】
一方、端末A〜端末Nは、着信履歴記憶部として機能するメモリ505の他、通常のIP電話機と同様、制御回路501、送受話器502、表示部503、入力部504を備えて構成される。制御回路501はRAM、ROMを有するマイクロプロセッサから構成され、ROMに記憶された制御プログラムに基づいて各部を制御する。送受話器502はマイク、スピーカからなり通話に使用される。
【0041】
入力部504はテンキー、不在着信履歴キー、機能キーなどを有し、電話番号入力や発信など各種操作に使用される。表示部503は液晶表示ユニットなどから構成され、端末50の各種設定画面や着信電話の表示などに使用される。
【0042】
上述の構成における呼制御サーバ40の動作を説明する。図2は呼制御サーバ40の着信記憶部404に記憶される設定であり、個人の電話番号である個人A,B,C,Dが夫々端末A,B,C,Dに設定される。グループの電話番号であるグループ1が端末A,B,Cに設定され、グループ2が端末A,Dに設定される。
【0043】
図3は呼制御サーバ40の着信記憶部404に記憶される着信記録の例である。図3の番号1,2について説明する。着信日時が日時1のときに相手番号1からグループ1に発呼がある。このとき端末Bは通話中である。このような場合、呼制御サーバ40の制御回路401は応答可能な端末Aと端末Bに呼び出し信号を送信し、端末Aと端末Bが鳴動する。そして、端末Aと端末Bのいずれも応答しなかったときに、制御回路401は不在着信履歴として、図3の番号1と番号2に端末A、Cについて着信日時と自電話番号と相手先番号を着信記憶部404に記憶させる。そして、その不在着信履歴情報を夫々の端末に送信し、受信した端末A,Cの夫々の制御回路501は未応答の不在着信が存在することを表示部503に表示させる。なお、図示せぬLEDの点滅で未応答の不在着信が存在することを報知してもよい。
【0044】
その後、端末Cの使用者が未応答の不在着信に気づいて入力部504の不在着信履歴キーを押す図4の如き不在着信履歴を表示する。この不在着信履歴を表示している状態で折り返し応答したい番号を入力部504のテンキーで入力することによりワンタッチでダイヤルすることができる。このように不在着信履歴状態では簡単な操作で折り返し応答の発信をすることができる。この方法は上記の方法以外にカーソル移動など種々の方法が考えられる。もちろん、通常どおり相手の電話番号をテンキーで入力したり、電話帳を利用してもダイヤル発信することはできる。
【0045】
不在着信履歴の表示を条件とした特殊操作により折り返し応答をした場合は、特殊操作が行われたことを端末の制御回路501が呼着信サーバ40の制御回路401に通知し、不在着信履歴からこの記録を削除する。具体的には、図4の番号1について端末Cが不在着信履歴の表示を条件とした特殊操作により折り返し応答をすると、端末Cの制御回路501は呼着信サーバ40の制御回路401に折り返し応答を行ったことを通知し、不在着信履歴からこの記録を削除する。端末Aのこの記録は削除されない。なお、ダイヤル発信が不在着信履歴の表示を条件とした特殊操作でない場合は、端末は折り返し応答とは判断せずに、呼着信サーバ40に返し応答の通知をしない。
【0046】
折り返し応答の通知を受信した呼着信サーバ40の制御回路401は該当する不在着信履歴の全端末について折り返し応答を行った端末に記録をする。そして、呼着信サーバ40の制御回路401は該当する不在着信履歴の端末について、応答をしなかった端末に、応答をした端末がどれであるかを報知する。具体的には、呼着信サーバ40の制御回路401は図5の番号1,2について折り返し応答の端末として端末Cを記録する。そして、応答をしなかった図5の番号1である端末Aに折り返し応答をしたのが端末Cであることを送信する。図7に示す如く、この記録はひとつの不在着信が複数の端末に記憶される場合に行われる。
【0047】
この報知を受信した端末はメモリ505にこれを記憶させる。この記録は入力部504の不在着信履歴キーの操作により表示される。具体的には、これを受信した端末Aの制御回路501は図6の番号1に示す如く、折り返し応答の端末として端末Cを記録する。端末Aの使用者がLEDの点滅等により不在着信があることを知り、不在着信履歴キーを操作して図6に示す如き不在着信履歴を表示させる。この表示により、番号1については端末Cが応答したことを端末Aの使用者が知ることになる。これにより、端末Aの使用者が二重に折り返し応答することが防止できる。また、端末Cの使用者が行った折り返し応答の内容を端末Aの使用者が端末Cの使用者に尋ねることができる。なお、折り返し応答を行わなかった端末には、折り返し応答を行った端末がどの端末であるかは知らせずに、単に折り返し応答が行われたことのみを知らせても、二重の押し返し応答を防止することはできる。
【0048】
他の実施例として、折り返し応答の通知を受信した呼着信サーバ40の制御回路401は該当するグループの不在着信履歴を着信記憶部404から削除すると共に、折り返し応答をしなかった端末に折り返し応答済みの信号を送信して端末のメモリ505から折り返し応答済みの不在着信履歴を削除させてもよい。具体的には、端末Cからの折り返し応答を受信した呼着信サーバ40の制御回路401は着信記憶部404から番号1,2に記録している不在着信履歴を削除すると共に、端末Aにこの不在着信履歴を削除する信号を送信する。端末Aには返し応答済みの不在着信履歴が表示されないので、二重の折り返し応答を防止することができる。また、サーバと端末の不在着信履歴の記憶容量を削減することができる。
【0049】
以上、詳細に説明したように、本発明による電話システムによれば、グループ内の端末であればどれでも折り返し応答ができる不在着信の電話番号について、二重の折り返し応答を防止することができる。また、利用者が必要と考える着信履歴のみを残すことができるようになる。このため、限られたメモリの着信履歴記憶領域を有効に利用することができ、必要とする着信履歴が参照前に削除されてしまうような危険性を少なくすることができ、また、必要な着信履歴のみ保存されているので、参照したい履歴を容易に識別することができるようになる。
【0050】
なお、上記の実施例はIP電話システムを例に説明したが、本発明はこれに限ることなく、一般の構内電話システムにも適用可能である。また、上記実施例はグループ電話番号と個人電話番号への着信履歴記憶制御を例にとり説明したが、外線電話番号への不在着信であれば着信履歴を保存し、内線電話番号への不在着信であれば着信履歴を保存しない、あるいは、会社用の電話番号への不在着信であれば着信履歴を保存し、家庭用の電話番号への不在着信であれば着信履歴を保存しない、等の設定を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施例にかかる代表番号着信機能IP電話システムの構成を示すブロック図である。
【図2】呼制御サーバの着信記憶部に記憶される各端末の設定電話番号のデータ構成の一例を示す図である。
【図3】呼制御サーバの着信記憶部に記憶される不在着信履歴のデータ構成の一例を示す図である。
【図4】折り返し応答を行った端末のメモリ(着信履歴設定部)に記憶される不在着信履歴のデータ構成の一例を示す図である。
【図5】呼制御サーバの着信記憶部に記憶される折り返し済み情報の一例を示す図である。
【図6】折り返し応答を行わなかった端末のメモリ(着信履歴設定部)に記憶される折り返し済み情報の一例を示す図である。
【図7】呼制御サーバの着信記憶部に記憶される折り返し済み情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
10・・・・IP電話システム
11・・・・インターネット網
12・・・・電話回線網
15・・・・加入者電話機
17、20・・・・ルータ
30・・・・ゲートウェイ
40・・・・呼制御サーバ
401・・・制御回路
403・・・着信制御部
404・・・着信記憶部
50・・・・IP電話機(端末)
501・・・制御回路
502・・・送受話器
503・・・表示部
504・・・入力部
505・・・メモリ(着信履歴記憶部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの着信番号を複数の電話機で着信応答可能なグループ着信電話番号を設定することができる電話システムにおいて、
前記電話機は不在着信履歴を表示する表示部を備え、
折り返し応答がなされたとき、不在着信履歴表示の消去をグループ内の折り返し応答を行わなかった電話機について行なわせるサーバを備えたことを特徴とする電話システム。
【請求項2】
前記電話機は不在着信履歴表示状態を条件として操作する特殊操作により折り返し応答の発信を行う発信機能を有し、前記サーバは前記特殊操作の検出に基づいて前記不在着信履歴表示の消去を行うことを特徴とする請求項1に記載の電話システム。
【請求項3】
一つの着信番号を複数の電話機で着信応答可能なグループ着信電話番号を設定することができる電話システムにおいて、
前記電話機は不在着信履歴を表示する表示部を備え、
折り返し応答がなされたとき、折り返し応答が他の電話機によってなされたことをグループ内の電話機に報知するサーバを備えたことを特徴とする電話システム。
【請求項4】
一つの着信番号を複数の電話機で着信応答可能なグループ着信電話番号を設定することができる電話システムにおいて、
前記電話機は不在着信履歴を表示する表示部を備え、
折り返し応答がなされたとき、折り返し応答を行った電話機を特定する情報をグループ内の電話機に報知するサーバを備えたことを特徴とする電話システム。
【請求項5】
前記電話機は不在着信履歴表示状態を条件として操作する特殊操作により折り返し応答の発信を行う発信機能を有し、前記サーバは前記特殊操作の検出に基づいて前記報知を行うことを特徴とする請求項3、4に記載の電話システム。
【請求項6】
前記電話機はIP電話機であることを特徴とする請求項1、3、4に記載の電話システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−281683(P2007−281683A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−103155(P2006−103155)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】