電話システム
【課題】移動体通信網を利用することのできる携帯端末が親機に接続されることで、屋外などにおいて移動しながら親機を使用することができるとともに、使用者への連絡先を統一することができる電話システムを提供する。
【解決手段】外部通信機器51と移動体通信網に接続することで通信可能である携帯端末50が接続される接続部250bと自機の通信及び動作を制御する制御部250aとを有する親機モジュール8aと、音声入力部251bと音声出力部251cと自機の通信及び動作を制御する制御部251aとを有する子機モジュール8gと、を備え、親機モジュール8aと子機モジュール8gとが相互に宅内ネットワークを介して接続され、親機モジュール8aに接続された携帯端末50を介して子機モジュール8gと外部通信機器51とが通信可能とする。
【解決手段】外部通信機器51と移動体通信網に接続することで通信可能である携帯端末50が接続される接続部250bと自機の通信及び動作を制御する制御部250aとを有する親機モジュール8aと、音声入力部251bと音声出力部251cと自機の通信及び動作を制御する制御部251aとを有する子機モジュール8gと、を備え、親機モジュール8aと子機モジュール8gとが相互に宅内ネットワークを介して接続され、親機モジュール8aに接続された携帯端末50を介して子機モジュール8gと外部通信機器51とが通信可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、親機と子機を有する宅内用電話システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特開平11−008886号公報(特許文献1)に示されるような、電話システムは知られている。この電話システムは図22に示すように、固定網に接続された親機400と、この親機400と固定網に接続された子機401とを備え、この子機401が親機400を介して通話することができる。
【特許文献1】特開11−008886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特開11−008886号公報に示される上記従来例の電話システムにあっては、親機400が固定網に接続されているため、親機400を屋外などにおいて移動しながら使用することはができない。又、屋外においては携帯電話やPHS等の移動体通信網を利用する携帯端末を使用し、屋内においては固定網を利用した親機400を介して通信するといった場合は、使用者への連絡先が統一されていないため、混乱が生じうる。
【0004】
本願発明は上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、移動体通信網を利用することのできる携帯端末が親機に接続されることで、屋外などにおいて移動しながら親機を使用することができるとともに、使用者への連絡先を統一することができる電話システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明では、外部通信機器と移動体通信網に接続することで通信可能である携帯端末が接続される接続部と自機の通信及び動作を制御する制御部とを有する親機モジュールと、音声入力部と音声出力部と自機の通信及び動作を制御する制御部とを有する子機モジュールと、を備え、親機モジュールと子機モジュールとが相互に宅内ネットワークを介して接続され、親機モジュールに接続された携帯端末を介して子機モジュールと外部通信機器とが通信可能であることを特徴としている。
【0006】
又、本願請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の電話システムにおいて、子機モジュールは使用者が操作入力をするための受信用操作部を備え、この受信用操作部によって、親機モジュールに接続された携帯端末を操作し、外部通信機器からの電話を取ることができることを特徴としている。
【0007】
又、本願請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2記載の電話システムにおいて、子機モジュールが複数備えられたことを特徴としている。
【0008】
又、本願請求項4記載の発明では、上記請求項1〜3のいずれか1項記載の電話システムにおいて、親機モジュールに接続される携帯端末が携帯電話であることを特徴としている。
【0009】
又、本願請求項5記載の発明では、上記請求項1〜4のいずれか1項記載の電話システムにおいて、親機モジュールは音声入力部と音声出力部とを備え、携帯端末を介して親機モジュールと外部通信機器とが音声通信可能であることを特徴としている。
【0010】
又、本願請求項6記載の発明では、上記請求項1〜5のいずれか1項記載の電話システムにおいて、子機モジュールが音声認識部を備え、この音声認識部によって、受信のための操作入力をすることができることを特徴としている。
【0011】
又、本願請求項7記載の発明では、上記請求項1〜6のいずれか1項記載の電話システムにおいて、親機モジュールに接続された携帯端末を介して複数の子機モジュールが同時に外部通信機器と通信可能であることを特徴としている。
【0012】
又、本願請求項8記載の発明では、上記請求項1〜7のいずれか1項記載の電話システムにおいて、宅内ネットワークは、造営面に埋め込み配設され、造営面の裏側に先行配線されて電力、情報信号を伝送する電線に接続された複数のゲート装置を備え、親機モジュール及び子機モジュールは、ゲート装置を介して電力を供給されると共に互いに情報信号の授受を行うことを特徴としている。
【0013】
又、本願請求項9記載の発明では、上記請求項8記載の電話システムにおいて、ゲート装置は、電力、情報信号を伝送する電線に接続された接続ポートが設けられ、親機モジュール及び子機モジュールは、ゲート装置に設けた接続ポートと接続され、ゲート装置から親機モジュール及び子機モジュールへの給電と、ゲート装置と親機モジュール及び子機モジュールとの間での信号伝送の両方を同時に確立するコネクタを備え、親機モジュール及び子機モジュールはゲート装置に対して着脱自在に設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本願請求項1記載の発明の電話システムにおいては、移動体通信網を利用することのできる携帯端末が親機に接続されることで、屋外などにおいて移動しながら親機モジュールを使用することができるとともに、使用者への連絡先を統一することができる。又、携帯端末を親機モジュールに接続しておけば、屋内にある子機を用いて外部通信機器と通信できるので、携帯端末を常に持ち歩く必要がなくなる。
【0015】
本願請求項2記載の発明の電話システムにおいては、特に、子機モジュールは使用者が操作入力をするための受信用操作部を備えているので、この受信用操作部によって、親機モジュールに接続された携帯端末を操作し、携帯端末から離れた場所からであっても外部通信機器からの電話を取ることができる。
【0016】
本願請求項3記載の発明の電話システムにおいては、特に、子機モジュールが複数備えられているので、複数箇所において子機モジュールを用いて外部通信機器と通信することができる。
【0017】
本願請求項4記載の発明の電話システムにおいては、特に、親機モジュールに接続される携帯端末が携帯電話であるので、多くの人が持っている携帯端末であり、使用者を極力限定しない。
【0018】
本願請求項5記載の発明の電話システムにおいては、特に、親機モジュールは音声入力部と音声出力部とを備え、携帯端末を介して親機モジュールと外部通信機器とが音声通信可能であるので、携帯端末を直接操作しなくても、親機モジュールを操作して外部通信機器と音声通信をすることができる。
【0019】
本願請求項6記載の発明の電話システムにおいては、特に、子機モジュールが音声認識部を備え、この音声認識部によって、受信のための操作入力をすることができるので、子機モジュールを直接操作する必要が無く、使用者の発する音に応じて容易に操作をすることができる。
【0020】
本願請求項7記載の発明の電話システムにおいては、特に、親機モジュールに接続された携帯端末を介して複数の子機モジュールが同時に外部通信機器と通信可能であるので、1対1通信のみならず、1対n通信も可能となる。
【0021】
本願請求項8記載の発明の電話システムにおいては、特に、造営面に埋め込み配設されたゲート装置を介して電力を供給されると共に親機モジュール及び子機モジュール間で情報信号の授受を行っているので、ゲート装置のある所ならばどこにでも簡単に親機モジュール及び子機モジュールを設置することができ、又、改めて電力配線や情報回線を確保する必要もない。
【0022】
本願請求項9記載の発明の電話システムにおいては、特に、親機モジュール及び子機モジュールはゲート装置に対してコネクタを介して着脱自在に設けられているので、親機モジュール及び子機モジュールを移動先の部屋に持ち運んで使用することができ、使い勝手が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本願発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0024】
図1〜21は、本願請求項1〜9に対応した第一の実施形態である電話システムを示している。
【0025】
この電話システムは、外部通信機器51と移動体通信網に接続することで通信可能である携帯端末50が接続される接続部250bと自機の通信及び動作を制御する制御部250aとを有する親機モジュール8aと、音声入力部251bと音声出力部251cと自機の通信及び動作を制御する制御部251aとを有する子機モジュール8gと、を備え、親機モジュール8aと子機モジュール8gとが相互に宅内ネットワークを介して接続され、親機モジュール8aに接続された携帯端末50を介して子機モジュール8gと外部通信機器51とが通信可能である。又、子機モジュール8gは使用者が操作入力をするための受信用操作部250fを備え、この受信用操作部250fによって、親機モジュール8aに接続された携帯端末50を操作し、外部通信機器51からの電話を取ることができる。又、子機モジュール8gが複数備えられている。又、親機モジュール8aに接続される携帯端末50は携帯電話である。又、親機モジュール8aは音声入力部250cと音声出力部250dとを備え、携帯端末50を介して親機モジュール8aと外部通信機器51とが音声通信可能である。又、子機モジュール8gが音声認識部251dを備え、この音声認識部251dによって、受信のための操作入力をすることができる。又、親機モジュール8aに接続された携帯端末50を介して複数の子機モジュール8gが同時に外部通信機器51と通信可能である。又、宅内ネットワークは、造営面に埋め込み配設され、造営面の裏側に先行配線されて電力、情報信号を伝送する電線に接続された複数のゲート装置3を備え、親機モジュール8a及び子機モジュール8gは、ゲート装置3を介して電力を供給されると共に互いに情報信号の授受を行う。又、ゲート装置3は、電力、情報信号を伝送する電線に接続された接続ポートが設けられ、親機モジュール8a及び子機モジュール8gは、ゲート装置3に設けた接続ポートと接続され、ゲート装置3から親機モジュール8a及び子機モジュール8gへの給電と、ゲート装置3と親機モジュール8a及び子機モジュール8gとの間での信号伝送の両方を同時に確立するコネクタを備え、親機モジュール8a及び子機モジュール8gはゲート装置3に対して着脱自在に設けられている。
【0026】
以下、この実施形態の電話システムをより具体的詳細に説明する。
【0027】
本実施形態の電話システムが適用される宅内ネットワークの配線システムは、図3に示すように住宅やビル等の建物内の適所において埋め込み配設している1乃至複数のスイッチボックス2を設け、各スイッチボックス2間に壁面内に先行配線した電力線L1と、情報線L2とを送り配線するとともに、始端のスイッチボックス2に対しては、配線盤1内の主幹ブレーカMBと分岐ブレーカBBとを介して屋内に引き込まれた電力線L1を導入し、また外部のインターネット網NTにゲートウェイGW(ルータ、ハブ内蔵)を介して接続されている情報線L2を導入してある。ここで、スイッチボックス2には室内の天井面のようなハイポジションHPに設けられるものと、壁スイッチ等で推奨される高さ位置の壁面のようなミドルポジションMPに設けられるものと、足元付近の壁面や床面のようなローポジションLPに設けられるものとに区分される。
【0028】
これらのスイッチボックス2は、例えばJISで規格化された大角形の1個モジュール寸法の埋め込み型の配線器具が3個取り付けることができる1連の取付枠4(図8参照)に対応して規格化されており、図7に示すように上部から配線盤1または他のスイッチボックス2から送り配線されてくる電力線L1及び情報線L2を導入するとともに、下部からは他のスイッチボックス2へ送り配線するための電力線L1及び情報線L2を導出している。そして各スイッチボックス2には基本機能モジュール8を接続するゲート装置3のボディを夫々取付枠4により取り付けてある。
【0029】
この取付枠4は図8に示すように中央に器具取り付け用の窓孔4aを設けてあって、この窓孔4aに取り付け対象の器具本体の前部を背方から嵌め、左右両側の枠片に設けた係止手段に器具本体の両側に設けた被係止部を係止させて器具本体を固定するようになっている。そして上下枠片に設けた取付孔4bに挿通する取り付けねじ(図示せず)をスイッチボックス2のねじ孔(図示せず)に締結することで、器具本体ごとスイッチボックス2に取り付けられる。またスイッチボックス2を用いず、埋め込み孔を開口した壁パネルに取り付ける場合には所謂挟み金具で壁パネルを挟持させて取り付けたり、木ねじを用いて取り付けたりすることもできるようになっている。
【0030】
ゲート装置3は図9に示すようにボディ背面部に速結端子構造の接続端子部5a、5b及び送り配線用の接続端子部5a’、5b’を設け、夫々に対応する電力線L1、情報線L2を接続するようになっている。またボディ前面部には、送られてきた電力線L1と電気的に接続されている接触部を備えた電力路接続口6Aと、送られてきた情報線L2と電気的に接続されている情報路接続口6Bとを有しモジュール化した接続口6を図8に示すように備えている。
【0031】
これら接続口6A、6Bは両者間の間隔及び内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化されており、このゲート装置3のボディ前面部を覆うようにスイッチボックス2の前面開口側に取り付ける図10に示す基本機能モジュール8の背面部に設けたコネクタ7の被接続部7A、7Bが各接続口6A、6Bに着脱自在に結合されるようになっている。
【0032】
基本機能モジュール8は、後述する拡張機能モジュール10とで機能モジュールを構成するもので、図10、図11(a)に示す合成樹脂製(ABS等の非結晶性汎用プラスチック)で扁平なモジュール本体8A内に図13に示す回路を内蔵しているもので、背面部のコネクタ7の被接続部7A、7Bをゲート装置3の接続口6A、6Bに結合させることで、スイッチボックス2の前面開口を覆うとともに、周部のフランジをスイッチボックス2の前面開口周辺の壁面に重ねた状態となり、その状態で上、下部の中央に穿孔している取付孔80に取り付けねじ(図示せず)を前面部側から挿通させて取付枠4の上下枠に設けたねじ孔4cに螺入締結することでスイッチボックス2に取付枠4を介して取り付けられる。
【0033】
またモジュール本体8Aの前面部には、上、下の取付孔80の開口位置より上または下側位置において、図11(a)に示すようにモジュール本体8Aの幅方向に幅広溝81aと幅狭溝81bとからなる連結用溝部81を中央の仕切壁82で左右に二分されるように形成している。
【0034】
この仕切壁82の左側または右側の連結用溝部81には図11(b)に示す合成樹脂製の連結体100の片側半分を仕切壁82に当たる位置まで嵌め込み、この連結体100の残り半分を図12に示すように拡張機能モジュール10側に同様に設けてある連結用溝部81に嵌め込むことで、基本機能モジュール8と拡張機能モジュール10とを機械的に結合できるようになっている。連結体100は背面に幅広溝81a、幅狭溝81bを仕切る仕切壁81cが嵌る溝100aを設け、両溝81a、81bに跨るように挿入される。そして基本機能モジュール8では前面部側から化粧カバー8Bを着脱自在に被着することで、また拡張機能モジュール10では蓋部83を閉じることで、両者の連結用溝部81に跨るように嵌め込んである連結体100が脱落しないように保持して連結状態を維持するようになっている。而して連結体100と連結用溝部81とが基本機能モジュール8と拡張機能モジュール10との連結手段を構成する。
【0035】
本配線システムでは、複数の種類の基本機能モジュール8が準備されており、基本機能モジュール8は、図13に示すように、被接続部7Aを介して供給される商用電源ACを安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源+Vに変換するAC/DCコンバータ21と、被接続部7Bを介して接続される情報線L2を通じて双方向に伝送される情報信号を送受信する通信伝送部22と、被接続部7Aを介して商用電源ACに接続される電源用コネクタ9A、9A’と、通信伝送部22、被接続部7Bを介して情報線L2に接続される情報用コネクタ9B、9B’と、を基本的に備える。そして、内部で情報信号を取り出したり、情報信号を送信する必要がある場合には、通信伝送部22で受信される情報信号からデータを取り込んで処理を行うとともに、当該基本機能モジュール8から情報信号を送る場合の情報生成処理を行う演算処理部23と、I/Oインターフェース24を介して演算処理部23との間でデータの授受を行って動作する機能部25とを備え、通信伝送部22、演算処理部23、I/Oインターフェース24で通信部20を構成する。これら各部は動作電源+Vを前記のAC/DCコンバータ21から供給される。上記機能部25の構成が基本機能モジュール8によって異なるのである。
【0036】
基本機能モジュール8のモジュール本体8Aの両側側面の一方側は雄型の電源用コネクタ9A、情報用コネクタ9Bを、他方側には雌型の電源用コネクタ9A’、情報用コネクタ9B’を設けている。そして、これら電源用コネクタ9A、9A’の接触片に被接続部7Aの接触片を内部で接続することで、左右何れの方向に拡張機能モジュール10が連結されても商用電源ACを供給することができるようにしている。さらに、情報用コネクタ9B、9B’の接触片に通信伝送部22の入出力を接続することで、左右何れの方向に拡張機能モジュール10が連結されても情報信号の授受を行えるようにしている。なお、上記電源用コネクタ9A、9A’は、モジュール本体8Aの両側側面において一端側に偏倚して配置され、上記情報用コネクタ9B、9B’は、モジュール本体8Aの両側側面において他端側に偏倚して配置される。
【0037】
これら電源用コネクタ9A、9A’、情報用コネクタ9B、9B’は、内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化され、さらには同一面に配置された電源用コネクタと情報用コネクタとの間隔もシステムとして規格化されており、拡張機能モジュール10の後述する電源用コネクタ11A、11A’、情報用コネクタ11B、11B’が着脱自在に結合されるようになっている。
【0038】
次に、本配線システムでは、複数の種類の拡張機能モジュール10が準備されており、拡張機能モジュール10は図14に示すように、電源用コネクタ11A、11A’と、情報用コネクタ11B、11B’と、電源用コネクタ11A、11A’いずれか一方を介して供給される商用電源ACを、安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源+Vに変換するAC/DCコンバータ31と、情報用コネクタ11B、11B’を介して双方向に伝送される情報信号を送受信する通信伝送部32とを基本的に備える。そして、内部で情報信号を取り出したり、情報信号を送信する必要がある場合には、通信伝送部32で受信される情報信号からデータを取り込んで処理を行うとともに、当該拡張機能モジュール10から情報信号を送る場合の情報生成処理を行う演算処理部33と、I/Oインターフェース34を介して演算処理部33との間でデータの授受を行って動作する機能部35とを備え、通信伝送部32、演算処理部33、I/Oインターフェース34で通信部30を構成する。これら各部は動作電源+Vを前記のAC/DCコンバータ31から供給される。上記機能部35の構成が拡張機能モジュール10によって異なるのである。
【0039】
そして、拡張機能モジュール10は、基本的には図15(a)に示すようにモジュール本体10Aの高さ寸法を基本機能モジュール8と同じ高さ寸法に規格化され、また横幅寸法も規格化された単位モジュール寸法の整数倍に規格化されている。
【0040】
また、合成樹脂製(ABS等の非結晶性汎用プラスチック)で扁平なモジュール本体10Aの両側側面の一方側は雄型の電源用コネクタ11A、情報用コネクタ11Bを、他方側には雌型の電源用コネクタ11A’、情報用コネクタ11B’を設けている。上記電源用コネクタ11A、11A’は、モジュール本体10Aの両側側面において一端側に偏倚して配置され、上記情報用コネクタ11B、11B’は、モジュール本体10Aの両側側面において他端側に偏倚して配置される。これら電源用コネクタ11A、11A’、情報用コネクタ11B、11B’は、基本機能モジュール8の電源用コネクタ9A、9A’、情報用コネクタ9B、9B’と同様に、内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化され、さらには同一面に配置された電源用コネクタと情報用コネクタとの間隔もシステムとして規格化されており、基本機能モジュール8の電源用コネクタ9A、9A’、情報用コネクタ9B、9B’、あるいは他の拡張機能モジュール10の電源用コネクタ11A、11A’、情報用コネクタ11B、11B’が着脱自在に結合されるようになっている。
【0041】
具体的には、雄型の電源用コネクタ11A、情報用コネクタ11Bは、基本機能モジュール8の雌型の電源用コネクタ9A’、情報用コネクタ9B’、あるいは他の拡張機能モジュール10の雌型の電源用コネクタ11A’、情報用コネクタ11B’に接続し、雌型の電源用コネクタ11A’、情報用コネクタ11B’は、基本機能モジュール8の雄型の電源用コネクタ9A、情報用コネクタ9B、あるいは他の拡張機能モジュール10の雄型の電源用コネクタ11A、情報用コネクタ11Bに接続する。
【0042】
そして、モジュール本体10A内ではこれら電源用コネクタ11A、11A’の接触片を互いに接続しており、片側の電源用コネクタが隣接する基本機能モジュール8または拡張機能モジュール10の電源用コネクタに嵌合して電力を受け取る側となると、他方の電源用コネクタが電力供給側となる。
【0043】
さらに、情報用コネクタ11B、11B’の接触片に通信伝送部32の入出力を接続することで、左右何れの方向に基本機能モジュール8や、他の拡張機能モジュール10が連結されても情報信号の授受を行えるようにしており、両側に隣接する基本機能モジュール8または拡張機能モジュール10との間で情報信号を授受できるようになっている。
【0044】
また、拡張機能モジュール10のモジュール本体10Aの形状は、背面を図15(b)、(c)に示すように平坦な面に形成して壁面に沿わせることができるようにしている。そして上下位置には上述の連結体100を基本機能モジュール8と同様に挿入するための幅広溝81a、幅狭溝81bからなる連結用溝部81を設けるとともに、この連結用溝部81を開閉する蓋部83を設け、連結体100を装着する際や外す場合にはこの蓋部83を開き、連結体100の装着状態を保持する際には上述したように閉じるようになっている(図15(c)参照)。
【0045】
上記ゲート装置3に取り付けられた基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10は、宅内に配設された情報線L2を介して互いに接続された宅内ネットワークを構成しており、図3は、台所R1、居間R2、書斎R3を有する宅内において、この宅内ネットワークを用いた電話システムの構成を示し、図4〜図6は、宅内に設けた台所R1、居間R2、書斎R3における各機能モジュールの配設例を示す。以下、この電話システムについて説明する。
【0046】
まず、電力線L1、情報線L2は住宅やビル等の建物内の壁面内に先行配線されて各ゲート装置3に配線されており、書斎R3のミドルポジションMPに設けられたゲート装置3には、移動体通信網に接続することで外部通信機器51と通信するための親機モジュール8aが接続される。
【0047】
そして、台所R1と居間R2にそれぞれ設けられたゲート装置3には、親機モジュール8aを介して外部通信機器51と通信するための子機モジュール8gが接続される。
【0048】
さらに、台所R1のローポジションLPに設けられたゲート装置3には、電源プラグ用の栓刃接続部28を有するとともに電力線搬送通信機能を設けた基本機能モジュール8b(以後、通信機能付きコンセントモジュール8bと称す)が接続され、通信機能付きコンセントモジュール8bには、電力線搬送通信を用いて在庫情報を電源プラグ200aから送信可能な冷蔵庫200が接続されている。(図4参照)。
【0049】
また、居間R2のミドルポジションMPに設けられたゲート装置3には、各機能モジュール間の通信制御、監視動作を行う基本機能モジュール8c(以後、制御監視モジュール8cと称す)、部屋間のインターホン機能を有する基本機能モジュール8d(以後、インターホンモジュール8d)が接続される。
【0050】
さらに、居間R2のハイポジションHPに設けられたゲート装置3には、火災検知を行う基本機能モジュール8e(以後、火災検知モジュール8eと称す)が接続される。
【0051】
さらに、居間R2のローポジションLPに設けられたゲート装置3には、電源プラグ用の栓刃接続部28を有する基本機能モジュール8f(以後、コンセントモジュール8fと称す)が接続され、コンセントモジュール8fには、テレビ等の電気機器(図示なし)が接続される。(図5参照)
また、書斎R3のミドルポジションMPに設けられたゲート装置3には、インターホンモジュール8dが接続され、居間R2に設置したインターホンモジュール8dとの間で通話を行うことができる。(図6参照)
親機モジュール8aの機能部25は、図1に示すように、制御部250a、接続部250b、音声入力部250c、音声出力部250d、受信用操作部250fで構成され、制御部250aは、通信伝送部22、演算処理部23、I/Oインターフェース24からなる通信部20を通じて、情報線L2を介した他の機能モジュール8、10との間で情報信号の授受を行い、各部の動作を制御する。接続部250bは、携帯端末50である携帯電話が接続され、親機モジュール8a及び子機モジュール8gは接続部250bに接続された携帯電話を介して移動体通信網に接続する。
【0052】
子機モジュール8gの機能部25は、図2に示すように、制御部251a、音声入力部251b、音声出力部251c、音声認識部251d、受信用操作部251eで構成され、制御部250aは、通信伝送部22、演算処理部23、I/Oインターフェース24からなる通信部20を通じて、情報線L2を介した他の機能モジュール8、10との間で情報信号の授受を行い、各部の動作を制御する。
【0053】
親機モジュール8a及び子機モジュール8gの化粧カバーには、音声入力部(250c、251b)であるマイクと音声出力部(250d、251c)であるスピーカと受信用操作部(250f、251e)である受信用スイッチとを露出させている。
【0054】
通信機能付きコンセントモジュール8bは、図16に示すように、電源用コネクタ7A−電源用コネクタ9A、9A´間から引き出された電源ラインを接続した栓刃接続部28を備え、化粧カバー8Bの前面には栓刃接続部28を露出させている。そして、機能部25は、栓刃接続部28を介した電力線搬送通信機能を有しており、図17に示すように、栓刃接続部28を流れる電流からデータを取り込んだり、栓刃接続部28を流れる電流にデータを重畳させるPLCモデム251aと、PLCモデム251aを介したデータ授受を制御するPLC通信部251bと、モジュール情報記憶部251cとを備える。
【0055】
制御監視モジュール8cの機能部25は、図18に示すように、制御部252a、モジュール情報記憶部252bで構成され、制御部252aが通信部20を通じて、情報線L2を介した他の機能モジュール8、10との間で情報信号の授受を行い、各機能モジュール間の通信制御、監視動作を行う。
【0056】
インターホンモジュール8dの機能部25は、図19に示すように、スピーカSP、マイクロホンM、通話制御部253a、操作部253b、モジュール情報記憶部253cで構成され、マイクロホンMから入力された音声情報は通話制御部253aを介して情報線L2に伝送され、情報線L2を介して伝送された音声情報は通話制御部253aを介してスピーカSPから出力され、通話先は操作部253bを操作することで設定される。また、化粧カバーにはスピーカSP、マイクロホンMが配置されるとともに、操作部253bの操作スイッチが露出している。
【0057】
火災検知モジュール8eの機能部25は、図20に示すように、熱検知部254a、熱検知部254aの出力に基づいて火災の発生を検知した場合に火災検知信号を生成して送るデータ生成機能を有するCPU部254b、モジュール情報記憶部254cで構成される。
【0058】
コンセントモジュール8fは、図21に示すように、電源用コネクタ7A−電源用コネクタ9A、9A´間から引き出された電源ラインを接続した栓刃接続部28を備え、化粧カバーに栓刃接続部28を露出させている。
【0059】
また、制御監視モジュール8cは、データ授受を行う各機能モジュール(ここでは、親機モジュール8a、子機モジュール8g、通信機能付きコンセントモジュール8b、インターホンモジュール8d、火災検知モジュール8e)にモジュール識別情報を自動的に割り当てる機能を有しており、各機能モジュールに割り当てられたモジュール識別情報は、各機能モジュールのモジュール情報記憶部250h、251c、253c、254cに格納される。また、制御監視モジュール8cのモジュール情報記憶部252bには、各機能モジュールに割り当てたモジュール識別情報が全て格納されている。
【0060】
上記モジュール識別情報の割り付け機能は、例えば、制御監視モジュール8cにUPnP(ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ)のコントロールポイントの機能を実装することで実現でき、UPnPにおいてデバイスの検出を行うSSDP(Simple Service Discovery Protocol)を利用してUPnPのデバイスに相当する各機能モジュールを自動的に検出し、各機能モジュールのネットワークアドレス(モジュール識別情報)、すなわちプライベートのIPアドレスを、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を用いて自動的に割り当てる。但し、DHCPを用いたネットワークアドレスの自動割り当てについては従来周知であるから詳細な説明は省略する。
【0061】
そして、各機能モジュールが送信する情報信号には送信先の機能モジュールの識別情報が含まれており、制御監視モジュール8cで行われる各機能モジュールの制御、監視動作は、各機能モジュールに割り付けた識別情報を利用して行われる。例えば、インターホンモジュール8dが送信する音声情報や、火災検知モジュール8eが送信する火災検知信号は、制御監視モジュール8cで中継されて、送信先のインターホンモジュール等の機能モジュールへ伝送され、インターホンモジュール8d間での通話制御や、火災発生時の警報報知等が行われる。
【0062】
親機モジュール8a及び子機モジュール8gは、このような宅内ネットワークに接続しており、本実施形態の電話システムの動作について、以下に説明する。
【0063】
書斎R3に設けられている親機モジュール8aと台所R1及び居間R2に設けられている子機モジュール8gとは上述した通り、宅内ネットワークにより接続されているので相互に内線通信が可能である。そして、親機モジュール8aの接続部250bに携帯端末50である携帯電話を接続すると、親機モジュール8aが携帯端末50からの信号を受信でき、携帯端末50を介して外線通信が可能となる。又、子機モジュール8gはこのように外線通信が可能となった親機モジュール8aを介すことで、外線通信が可能となる。この場合、当然のことながら、親機モジュール8aとそれぞれの子機モジュール8gは外部通信機器51と1:1通信が可能であるが、自機モジュール以外のモジュールにも同時に通信を行うことで1:n通信を行うこともできる。
【0064】
親機モジュール8a及び子機モジュール8gには受信用操作部(250f、251e)である受信用スイッチがあり、このスイッチを用いて、外部通信機器51からの電話をとる。
【0065】
例えば、親機モジュール8aに接続された携帯端末50に電話がかかってきた場合、その旨の信号が通信部20を介して子機モジュール8gに送られる。そして、子機モジュール8gの表示部(図示せず)にその旨が表示される。そして、使用者は子機モジュール8gの受信用スイッチを操作することができる。受信用スイッチを操作すると、受信用スイッチを操作した旨の信号が親機モジュール8aに送られる。すると、親機モジュール8aが接続部250bを通して携帯端末50を通話状態にし、子機モジュール8gに通信部20を介して音声信号を送る。そうすると、スイッチを操作した子機モジュール8gのみが親機モジュール8aを介して外部通信機器51と通話することができる。
【0066】
したがって、この実施形態の電話システムにおいては、移動体通信網を利用することのできる携帯端末50が親機に接続されることで、屋外などにおいて移動しながら親機モジュール8aを使用することができるとともに、使用者への連絡先を統一することができる。又、携帯端末50を親機モジュール8aに接続しておけば、屋内にある子機を用いて外部通信機器51と通信できるので、携帯端末50を常に持ち歩く必要がなくなる。
【0067】
又、子機モジュール8gは使用者が操作入力をするための受信用操作部250fを備えているので、この受信用操作部250fによって、親機モジュール8aに接続された携帯端末50を操作し、携帯端末50から離れた場所からであっても外部通信機器51からの電話を取ることができる。
【0068】
又、子機モジュール8gが複数備えられているので、複数箇所において子機モジュール8gを用いて外部通信機器51と通信することができる。
【0069】
又、親機モジュール8aに接続される携帯端末50が携帯電話であるので、多くの人が持っている携帯端末50であり、使用者を極力限定しない。
【0070】
又、親機モジュール8aは音声入力部250cと音声出力部250dとを備え、携帯端末50を介して親機モジュール8aと外部通信機器51とが音声通信可能であるので、携帯端末50を直接操作しなくても、親機モジュール8aを操作して外部通信機器51と音声通信をすることができる。
【0071】
又、子機モジュール8gが音声認識部251dを備え、この音声認識部251dによって、受信のための操作入力をすることができるので、子機モジュール8gを直接操作する必要が無く、使用者の発する音に応じて容易に操作をすることができる。
【0072】
又、親機モジュール8aに接続された携帯端末50を介して複数の子機モジュール8gが同時に外部通信機器51と通信可能であるので、1対1通信のみならず、1対n通信も可能となる。
【0073】
又、造営面に埋め込み配設されたゲート装置3を介して電力を供給されると共に親機モジュール8a及び子機モジュール8g間で情報信号の授受を行っているので、ゲート装置3のある所ならばどこにでも簡単に親機モジュール8a及び子機モジュール8gを設置することができ、又、改めて電力配線や情報回線を確保する必要もない。
【0074】
又、親機モジュール8a及び子機モジュール8gはゲート装置3に対してコネクタを介して着脱自在に設けられているので、親機モジュール8a及び子機モジュール8gを移動先の部屋に持ち運んで使用することができ、使い勝手が向上する。
【0075】
なお、本実施形態の電話システムが適用される配線システムに用いられる基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10としては上記以外に、空調機器の運転操作器や、空調機器の温度設定器や、電力供給を利用した電気カミソリ、電動歯ブラシ、携帯オーディオプレーヤ等の充電器、監視カメラ等で撮像した映像の伝送機能やモニタ機能を有するインターホンの親機,子機等がある。
【0076】
また、上記各機能モジュールは、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10のいずれでも構成できる
また、ゲート装置3、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10がコネクタの代わりにコアにコイルを巻回した構成を各々備えて、互いのコアが磁気結合することで相手側のコイルに低圧交流電源電圧を誘起させて電源供給を行い、さらには情報信号をE/O変換を経て送り出し、情報信号をO/E変換を経て取り込むことで、光信号からなる情報信号を発光素子、受光素子を用いて非接触で双方向に伝送すれば、ゲート装置3、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10間の電力、情報信号の授受を非接触で行うことができる。
【0077】
また、システム全体の情報信号の伝送方式を電力線搬送方式で行えば、電力路と情報路との共通化を図ることができる。
【0078】
なお、本実施形態の機能モジュールを用いる電話システムの情報信号の伝送方式としては、ベースバンド伝送またはブロードバンド伝送の何れを採用しても良く、またプロトコルも何れでも良く、特に限定されるものではないので、説明は省略する。またゲート装置3間の使用プロトコルと、ゲート装置3に連なる機能モジュール8,10での使用プロトコルを異ならせ、例えばゲート装置3でプロトコル変換を行うようにしても良い。
【0079】
また、本電話システムにおいては、例えば図7に示すように、基本機能モジュール8をゲート装置3に接続し、基本機能モジュール8の右側部にはある機能を有する拡張機能モジュール10を接続し、この拡張機能モジュール10の右側部には異なる機能を有する拡張機能モジュール10を接続することができ、したがって、予め同一に配線されている電力線L1、情報線L2にゲート装置3、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10を接続することで、各機能モジュールは電力路と情報路とを同時に確保でき、新たに配線工事を行う必要がなく施工性に優れている。また、各機能モジュールは互いに同一の情報線L2を用いることで、他の機能モジュールとの間の連動制御を容易に行なうことができ、拡張性に優れたものとなる。
【0080】
而して基本機能モジュール8を使用するに当たっては、まず、ゲート装置3を予め建物の適所の壁面に埋設してあるスイッチボックス2に取付枠4を介して取り付け、先行配線されている電力線L1,情報線L2の接続を行う。その後、ゲート装置3の前面部に設けられた電線路接続口6A,6Bに対して基本機能モジュール8のコネクタ7の対応する被接続部7A,7Bを接続するとともに、基本機能モジュール8をゲート装置3の前面部を覆うように取付枠4に取り付ける。この基本機能モジュール8はこの取り付けた状態において壁面よりも前面部が突出し、両側面が室内側に露出することになる。
【0081】
そして、拡張機能モジュール10は基本機能モジュール8の露出した両側側面の一方に片側の側面を面接させてコネクタ接続し、この状態で連結体100を用いて拡張機能モジュール10と基本機能モジュール8とを機械的に連結する。これによって基本機能モジュール8と拡張機能モジュール10とで機能モジュールが構成されることになる。このとき拡張機能モジュール10の背面はスイッチボックス2の側方の壁面に沿うことになり、例えば壁面にクロス貼り等が施されている場合、拡張機能モジュール10の背面の位置が多少のずれていてもそれを吸収して背面を壁部に密接させた状態に配設することができ、拡張機能モジュール10の前面部から操作力等が加わっても連結部位に加わる荷重を軽減することができる。
【0082】
さらに先に連結した拡張機能モジュール10に別の拡張機能モジュール10を連結する場合には、対向側面を面接させてコネクタ接続した状態で連結体100により互いに機械的に連結する。このようにして図7に示すように順次拡張機能モジュール10を側方に連結することができる。
【0083】
なお、基本機能モジュール8は両側に拡張機能モジュール10を連結することができるため、基本機能モジュール8の両側方向に拡張機能モジュール10を連結しても良い。このようにして拡張機能モジュール10を連結した後、両端に位置する拡張機能モジュール10または基本機能モジュール8の連結部位の側部に着脱自在にエンドカバー101を被着することで、拡張機能モジュール10の連結施工が完了することになる。なお、基本機能モジュール8に拡張機能モジュール9を連結しない状態、つまり未使用のまま置いておく場合にはエンドカバー101を基本機能モジュール8の両側部に被着する。
【0084】
以上のようにして配設施工が終了し、システムが完成した後は、対応する基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10間で情報信号の授受を行う。
【0085】
また、本実施形態では拡張機能モジュール10や基本機能モジュール8の追加や削除に特別な施工が不要となり、そのため一般ユーザの好みに合わせて拡張機能モジュール10を基本機能モジュール8に連結するだけで、拡張性が確保される。
【0086】
なお、本実施形態に用いるゲート装置3は取付枠4でスイッチボックス2に取り付けているが、スイッチボックス2の奥壁に直接取り付け、基本機能モジュール8をスイッチボックス2に取り付ける構成としても勿論良い。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】一実施形態の電話システムにおける親機モジュールの回路構成図である。
【図2】同上の子機モジュールの回路構成図である。
【図3】同上の配線システムの構成図である。
【図4】同上の台所におけるシステムの配設例を示す斜視図である。
【図5】同上の居間におけるシステムの配設例を示す斜視図である。
【図6】同上の書斎におけるシステムの配設例を示す斜視図である。
【図7】同上の機能モジュールの配設状態を示す斜視図である。
【図8】同上のゲート装置を取付枠に取り付けた状態の正面図である。
【図9】同上のゲート装置への配線形態を示す斜視図である。
【図10】同上の基本機能モジュールをスイッチボックスから外した状態の斜視図である。
【図11】(a)は同上の基本機能モジュールの化粧カバーを外した状態の斜視図、(b)は連結体の斜視図である。
【図12】同上の基本機能モジュールと拡張モジュールとの連結構成の説明図である。
【図13】同上のゲート装置、基本機能モジュールの回路構成図である。
【図14】同上の拡張機能モジュールの回路構成図である。
【図15】同上の拡張機能モジュールを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は蓋部を開き、連結体を外した状態の側面図である。
【図16】同上の通信機能付きコンセントモジュールの回路構成図である。
【図17】同上の通信機能付きコンセントモジュールの機能部の回路構成図である。
【図18】同上の制御監視モジュールの機能部の回路構成図である。
【図19】同上のインターホンモジュールの機能部の回路構成図である。
【図20】同上の火災検知モジュールの機能部の回路構成図である。
【図21】同上のコンセントモジュールの回路構成図である。
【図22】従来例である電話システムの解説図。
【符号の説明】
【0088】
L1 電力線
L2 情報線
3 ゲート装置
8 基本機能モジュール
8a 親機モジュール
8g 子機モジュール
10 拡張機能モジュール
20 通信部
50 携帯端末
51 外部通信機器
【技術分野】
【0001】
本願発明は、親機と子機を有する宅内用電話システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特開平11−008886号公報(特許文献1)に示されるような、電話システムは知られている。この電話システムは図22に示すように、固定網に接続された親機400と、この親機400と固定網に接続された子機401とを備え、この子機401が親機400を介して通話することができる。
【特許文献1】特開11−008886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特開11−008886号公報に示される上記従来例の電話システムにあっては、親機400が固定網に接続されているため、親機400を屋外などにおいて移動しながら使用することはができない。又、屋外においては携帯電話やPHS等の移動体通信網を利用する携帯端末を使用し、屋内においては固定網を利用した親機400を介して通信するといった場合は、使用者への連絡先が統一されていないため、混乱が生じうる。
【0004】
本願発明は上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、移動体通信網を利用することのできる携帯端末が親機に接続されることで、屋外などにおいて移動しながら親機を使用することができるとともに、使用者への連絡先を統一することができる電話システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明では、外部通信機器と移動体通信網に接続することで通信可能である携帯端末が接続される接続部と自機の通信及び動作を制御する制御部とを有する親機モジュールと、音声入力部と音声出力部と自機の通信及び動作を制御する制御部とを有する子機モジュールと、を備え、親機モジュールと子機モジュールとが相互に宅内ネットワークを介して接続され、親機モジュールに接続された携帯端末を介して子機モジュールと外部通信機器とが通信可能であることを特徴としている。
【0006】
又、本願請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の電話システムにおいて、子機モジュールは使用者が操作入力をするための受信用操作部を備え、この受信用操作部によって、親機モジュールに接続された携帯端末を操作し、外部通信機器からの電話を取ることができることを特徴としている。
【0007】
又、本願請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2記載の電話システムにおいて、子機モジュールが複数備えられたことを特徴としている。
【0008】
又、本願請求項4記載の発明では、上記請求項1〜3のいずれか1項記載の電話システムにおいて、親機モジュールに接続される携帯端末が携帯電話であることを特徴としている。
【0009】
又、本願請求項5記載の発明では、上記請求項1〜4のいずれか1項記載の電話システムにおいて、親機モジュールは音声入力部と音声出力部とを備え、携帯端末を介して親機モジュールと外部通信機器とが音声通信可能であることを特徴としている。
【0010】
又、本願請求項6記載の発明では、上記請求項1〜5のいずれか1項記載の電話システムにおいて、子機モジュールが音声認識部を備え、この音声認識部によって、受信のための操作入力をすることができることを特徴としている。
【0011】
又、本願請求項7記載の発明では、上記請求項1〜6のいずれか1項記載の電話システムにおいて、親機モジュールに接続された携帯端末を介して複数の子機モジュールが同時に外部通信機器と通信可能であることを特徴としている。
【0012】
又、本願請求項8記載の発明では、上記請求項1〜7のいずれか1項記載の電話システムにおいて、宅内ネットワークは、造営面に埋め込み配設され、造営面の裏側に先行配線されて電力、情報信号を伝送する電線に接続された複数のゲート装置を備え、親機モジュール及び子機モジュールは、ゲート装置を介して電力を供給されると共に互いに情報信号の授受を行うことを特徴としている。
【0013】
又、本願請求項9記載の発明では、上記請求項8記載の電話システムにおいて、ゲート装置は、電力、情報信号を伝送する電線に接続された接続ポートが設けられ、親機モジュール及び子機モジュールは、ゲート装置に設けた接続ポートと接続され、ゲート装置から親機モジュール及び子機モジュールへの給電と、ゲート装置と親機モジュール及び子機モジュールとの間での信号伝送の両方を同時に確立するコネクタを備え、親機モジュール及び子機モジュールはゲート装置に対して着脱自在に設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本願請求項1記載の発明の電話システムにおいては、移動体通信網を利用することのできる携帯端末が親機に接続されることで、屋外などにおいて移動しながら親機モジュールを使用することができるとともに、使用者への連絡先を統一することができる。又、携帯端末を親機モジュールに接続しておけば、屋内にある子機を用いて外部通信機器と通信できるので、携帯端末を常に持ち歩く必要がなくなる。
【0015】
本願請求項2記載の発明の電話システムにおいては、特に、子機モジュールは使用者が操作入力をするための受信用操作部を備えているので、この受信用操作部によって、親機モジュールに接続された携帯端末を操作し、携帯端末から離れた場所からであっても外部通信機器からの電話を取ることができる。
【0016】
本願請求項3記載の発明の電話システムにおいては、特に、子機モジュールが複数備えられているので、複数箇所において子機モジュールを用いて外部通信機器と通信することができる。
【0017】
本願請求項4記載の発明の電話システムにおいては、特に、親機モジュールに接続される携帯端末が携帯電話であるので、多くの人が持っている携帯端末であり、使用者を極力限定しない。
【0018】
本願請求項5記載の発明の電話システムにおいては、特に、親機モジュールは音声入力部と音声出力部とを備え、携帯端末を介して親機モジュールと外部通信機器とが音声通信可能であるので、携帯端末を直接操作しなくても、親機モジュールを操作して外部通信機器と音声通信をすることができる。
【0019】
本願請求項6記載の発明の電話システムにおいては、特に、子機モジュールが音声認識部を備え、この音声認識部によって、受信のための操作入力をすることができるので、子機モジュールを直接操作する必要が無く、使用者の発する音に応じて容易に操作をすることができる。
【0020】
本願請求項7記載の発明の電話システムにおいては、特に、親機モジュールに接続された携帯端末を介して複数の子機モジュールが同時に外部通信機器と通信可能であるので、1対1通信のみならず、1対n通信も可能となる。
【0021】
本願請求項8記載の発明の電話システムにおいては、特に、造営面に埋め込み配設されたゲート装置を介して電力を供給されると共に親機モジュール及び子機モジュール間で情報信号の授受を行っているので、ゲート装置のある所ならばどこにでも簡単に親機モジュール及び子機モジュールを設置することができ、又、改めて電力配線や情報回線を確保する必要もない。
【0022】
本願請求項9記載の発明の電話システムにおいては、特に、親機モジュール及び子機モジュールはゲート装置に対してコネクタを介して着脱自在に設けられているので、親機モジュール及び子機モジュールを移動先の部屋に持ち運んで使用することができ、使い勝手が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本願発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0024】
図1〜21は、本願請求項1〜9に対応した第一の実施形態である電話システムを示している。
【0025】
この電話システムは、外部通信機器51と移動体通信網に接続することで通信可能である携帯端末50が接続される接続部250bと自機の通信及び動作を制御する制御部250aとを有する親機モジュール8aと、音声入力部251bと音声出力部251cと自機の通信及び動作を制御する制御部251aとを有する子機モジュール8gと、を備え、親機モジュール8aと子機モジュール8gとが相互に宅内ネットワークを介して接続され、親機モジュール8aに接続された携帯端末50を介して子機モジュール8gと外部通信機器51とが通信可能である。又、子機モジュール8gは使用者が操作入力をするための受信用操作部250fを備え、この受信用操作部250fによって、親機モジュール8aに接続された携帯端末50を操作し、外部通信機器51からの電話を取ることができる。又、子機モジュール8gが複数備えられている。又、親機モジュール8aに接続される携帯端末50は携帯電話である。又、親機モジュール8aは音声入力部250cと音声出力部250dとを備え、携帯端末50を介して親機モジュール8aと外部通信機器51とが音声通信可能である。又、子機モジュール8gが音声認識部251dを備え、この音声認識部251dによって、受信のための操作入力をすることができる。又、親機モジュール8aに接続された携帯端末50を介して複数の子機モジュール8gが同時に外部通信機器51と通信可能である。又、宅内ネットワークは、造営面に埋め込み配設され、造営面の裏側に先行配線されて電力、情報信号を伝送する電線に接続された複数のゲート装置3を備え、親機モジュール8a及び子機モジュール8gは、ゲート装置3を介して電力を供給されると共に互いに情報信号の授受を行う。又、ゲート装置3は、電力、情報信号を伝送する電線に接続された接続ポートが設けられ、親機モジュール8a及び子機モジュール8gは、ゲート装置3に設けた接続ポートと接続され、ゲート装置3から親機モジュール8a及び子機モジュール8gへの給電と、ゲート装置3と親機モジュール8a及び子機モジュール8gとの間での信号伝送の両方を同時に確立するコネクタを備え、親機モジュール8a及び子機モジュール8gはゲート装置3に対して着脱自在に設けられている。
【0026】
以下、この実施形態の電話システムをより具体的詳細に説明する。
【0027】
本実施形態の電話システムが適用される宅内ネットワークの配線システムは、図3に示すように住宅やビル等の建物内の適所において埋め込み配設している1乃至複数のスイッチボックス2を設け、各スイッチボックス2間に壁面内に先行配線した電力線L1と、情報線L2とを送り配線するとともに、始端のスイッチボックス2に対しては、配線盤1内の主幹ブレーカMBと分岐ブレーカBBとを介して屋内に引き込まれた電力線L1を導入し、また外部のインターネット網NTにゲートウェイGW(ルータ、ハブ内蔵)を介して接続されている情報線L2を導入してある。ここで、スイッチボックス2には室内の天井面のようなハイポジションHPに設けられるものと、壁スイッチ等で推奨される高さ位置の壁面のようなミドルポジションMPに設けられるものと、足元付近の壁面や床面のようなローポジションLPに設けられるものとに区分される。
【0028】
これらのスイッチボックス2は、例えばJISで規格化された大角形の1個モジュール寸法の埋め込み型の配線器具が3個取り付けることができる1連の取付枠4(図8参照)に対応して規格化されており、図7に示すように上部から配線盤1または他のスイッチボックス2から送り配線されてくる電力線L1及び情報線L2を導入するとともに、下部からは他のスイッチボックス2へ送り配線するための電力線L1及び情報線L2を導出している。そして各スイッチボックス2には基本機能モジュール8を接続するゲート装置3のボディを夫々取付枠4により取り付けてある。
【0029】
この取付枠4は図8に示すように中央に器具取り付け用の窓孔4aを設けてあって、この窓孔4aに取り付け対象の器具本体の前部を背方から嵌め、左右両側の枠片に設けた係止手段に器具本体の両側に設けた被係止部を係止させて器具本体を固定するようになっている。そして上下枠片に設けた取付孔4bに挿通する取り付けねじ(図示せず)をスイッチボックス2のねじ孔(図示せず)に締結することで、器具本体ごとスイッチボックス2に取り付けられる。またスイッチボックス2を用いず、埋め込み孔を開口した壁パネルに取り付ける場合には所謂挟み金具で壁パネルを挟持させて取り付けたり、木ねじを用いて取り付けたりすることもできるようになっている。
【0030】
ゲート装置3は図9に示すようにボディ背面部に速結端子構造の接続端子部5a、5b及び送り配線用の接続端子部5a’、5b’を設け、夫々に対応する電力線L1、情報線L2を接続するようになっている。またボディ前面部には、送られてきた電力線L1と電気的に接続されている接触部を備えた電力路接続口6Aと、送られてきた情報線L2と電気的に接続されている情報路接続口6Bとを有しモジュール化した接続口6を図8に示すように備えている。
【0031】
これら接続口6A、6Bは両者間の間隔及び内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化されており、このゲート装置3のボディ前面部を覆うようにスイッチボックス2の前面開口側に取り付ける図10に示す基本機能モジュール8の背面部に設けたコネクタ7の被接続部7A、7Bが各接続口6A、6Bに着脱自在に結合されるようになっている。
【0032】
基本機能モジュール8は、後述する拡張機能モジュール10とで機能モジュールを構成するもので、図10、図11(a)に示す合成樹脂製(ABS等の非結晶性汎用プラスチック)で扁平なモジュール本体8A内に図13に示す回路を内蔵しているもので、背面部のコネクタ7の被接続部7A、7Bをゲート装置3の接続口6A、6Bに結合させることで、スイッチボックス2の前面開口を覆うとともに、周部のフランジをスイッチボックス2の前面開口周辺の壁面に重ねた状態となり、その状態で上、下部の中央に穿孔している取付孔80に取り付けねじ(図示せず)を前面部側から挿通させて取付枠4の上下枠に設けたねじ孔4cに螺入締結することでスイッチボックス2に取付枠4を介して取り付けられる。
【0033】
またモジュール本体8Aの前面部には、上、下の取付孔80の開口位置より上または下側位置において、図11(a)に示すようにモジュール本体8Aの幅方向に幅広溝81aと幅狭溝81bとからなる連結用溝部81を中央の仕切壁82で左右に二分されるように形成している。
【0034】
この仕切壁82の左側または右側の連結用溝部81には図11(b)に示す合成樹脂製の連結体100の片側半分を仕切壁82に当たる位置まで嵌め込み、この連結体100の残り半分を図12に示すように拡張機能モジュール10側に同様に設けてある連結用溝部81に嵌め込むことで、基本機能モジュール8と拡張機能モジュール10とを機械的に結合できるようになっている。連結体100は背面に幅広溝81a、幅狭溝81bを仕切る仕切壁81cが嵌る溝100aを設け、両溝81a、81bに跨るように挿入される。そして基本機能モジュール8では前面部側から化粧カバー8Bを着脱自在に被着することで、また拡張機能モジュール10では蓋部83を閉じることで、両者の連結用溝部81に跨るように嵌め込んである連結体100が脱落しないように保持して連結状態を維持するようになっている。而して連結体100と連結用溝部81とが基本機能モジュール8と拡張機能モジュール10との連結手段を構成する。
【0035】
本配線システムでは、複数の種類の基本機能モジュール8が準備されており、基本機能モジュール8は、図13に示すように、被接続部7Aを介して供給される商用電源ACを安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源+Vに変換するAC/DCコンバータ21と、被接続部7Bを介して接続される情報線L2を通じて双方向に伝送される情報信号を送受信する通信伝送部22と、被接続部7Aを介して商用電源ACに接続される電源用コネクタ9A、9A’と、通信伝送部22、被接続部7Bを介して情報線L2に接続される情報用コネクタ9B、9B’と、を基本的に備える。そして、内部で情報信号を取り出したり、情報信号を送信する必要がある場合には、通信伝送部22で受信される情報信号からデータを取り込んで処理を行うとともに、当該基本機能モジュール8から情報信号を送る場合の情報生成処理を行う演算処理部23と、I/Oインターフェース24を介して演算処理部23との間でデータの授受を行って動作する機能部25とを備え、通信伝送部22、演算処理部23、I/Oインターフェース24で通信部20を構成する。これら各部は動作電源+Vを前記のAC/DCコンバータ21から供給される。上記機能部25の構成が基本機能モジュール8によって異なるのである。
【0036】
基本機能モジュール8のモジュール本体8Aの両側側面の一方側は雄型の電源用コネクタ9A、情報用コネクタ9Bを、他方側には雌型の電源用コネクタ9A’、情報用コネクタ9B’を設けている。そして、これら電源用コネクタ9A、9A’の接触片に被接続部7Aの接触片を内部で接続することで、左右何れの方向に拡張機能モジュール10が連結されても商用電源ACを供給することができるようにしている。さらに、情報用コネクタ9B、9B’の接触片に通信伝送部22の入出力を接続することで、左右何れの方向に拡張機能モジュール10が連結されても情報信号の授受を行えるようにしている。なお、上記電源用コネクタ9A、9A’は、モジュール本体8Aの両側側面において一端側に偏倚して配置され、上記情報用コネクタ9B、9B’は、モジュール本体8Aの両側側面において他端側に偏倚して配置される。
【0037】
これら電源用コネクタ9A、9A’、情報用コネクタ9B、9B’は、内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化され、さらには同一面に配置された電源用コネクタと情報用コネクタとの間隔もシステムとして規格化されており、拡張機能モジュール10の後述する電源用コネクタ11A、11A’、情報用コネクタ11B、11B’が着脱自在に結合されるようになっている。
【0038】
次に、本配線システムでは、複数の種類の拡張機能モジュール10が準備されており、拡張機能モジュール10は図14に示すように、電源用コネクタ11A、11A’と、情報用コネクタ11B、11B’と、電源用コネクタ11A、11A’いずれか一方を介して供給される商用電源ACを、安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源+Vに変換するAC/DCコンバータ31と、情報用コネクタ11B、11B’を介して双方向に伝送される情報信号を送受信する通信伝送部32とを基本的に備える。そして、内部で情報信号を取り出したり、情報信号を送信する必要がある場合には、通信伝送部32で受信される情報信号からデータを取り込んで処理を行うとともに、当該拡張機能モジュール10から情報信号を送る場合の情報生成処理を行う演算処理部33と、I/Oインターフェース34を介して演算処理部33との間でデータの授受を行って動作する機能部35とを備え、通信伝送部32、演算処理部33、I/Oインターフェース34で通信部30を構成する。これら各部は動作電源+Vを前記のAC/DCコンバータ31から供給される。上記機能部35の構成が拡張機能モジュール10によって異なるのである。
【0039】
そして、拡張機能モジュール10は、基本的には図15(a)に示すようにモジュール本体10Aの高さ寸法を基本機能モジュール8と同じ高さ寸法に規格化され、また横幅寸法も規格化された単位モジュール寸法の整数倍に規格化されている。
【0040】
また、合成樹脂製(ABS等の非結晶性汎用プラスチック)で扁平なモジュール本体10Aの両側側面の一方側は雄型の電源用コネクタ11A、情報用コネクタ11Bを、他方側には雌型の電源用コネクタ11A’、情報用コネクタ11B’を設けている。上記電源用コネクタ11A、11A’は、モジュール本体10Aの両側側面において一端側に偏倚して配置され、上記情報用コネクタ11B、11B’は、モジュール本体10Aの両側側面において他端側に偏倚して配置される。これら電源用コネクタ11A、11A’、情報用コネクタ11B、11B’は、基本機能モジュール8の電源用コネクタ9A、9A’、情報用コネクタ9B、9B’と同様に、内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化され、さらには同一面に配置された電源用コネクタと情報用コネクタとの間隔もシステムとして規格化されており、基本機能モジュール8の電源用コネクタ9A、9A’、情報用コネクタ9B、9B’、あるいは他の拡張機能モジュール10の電源用コネクタ11A、11A’、情報用コネクタ11B、11B’が着脱自在に結合されるようになっている。
【0041】
具体的には、雄型の電源用コネクタ11A、情報用コネクタ11Bは、基本機能モジュール8の雌型の電源用コネクタ9A’、情報用コネクタ9B’、あるいは他の拡張機能モジュール10の雌型の電源用コネクタ11A’、情報用コネクタ11B’に接続し、雌型の電源用コネクタ11A’、情報用コネクタ11B’は、基本機能モジュール8の雄型の電源用コネクタ9A、情報用コネクタ9B、あるいは他の拡張機能モジュール10の雄型の電源用コネクタ11A、情報用コネクタ11Bに接続する。
【0042】
そして、モジュール本体10A内ではこれら電源用コネクタ11A、11A’の接触片を互いに接続しており、片側の電源用コネクタが隣接する基本機能モジュール8または拡張機能モジュール10の電源用コネクタに嵌合して電力を受け取る側となると、他方の電源用コネクタが電力供給側となる。
【0043】
さらに、情報用コネクタ11B、11B’の接触片に通信伝送部32の入出力を接続することで、左右何れの方向に基本機能モジュール8や、他の拡張機能モジュール10が連結されても情報信号の授受を行えるようにしており、両側に隣接する基本機能モジュール8または拡張機能モジュール10との間で情報信号を授受できるようになっている。
【0044】
また、拡張機能モジュール10のモジュール本体10Aの形状は、背面を図15(b)、(c)に示すように平坦な面に形成して壁面に沿わせることができるようにしている。そして上下位置には上述の連結体100を基本機能モジュール8と同様に挿入するための幅広溝81a、幅狭溝81bからなる連結用溝部81を設けるとともに、この連結用溝部81を開閉する蓋部83を設け、連結体100を装着する際や外す場合にはこの蓋部83を開き、連結体100の装着状態を保持する際には上述したように閉じるようになっている(図15(c)参照)。
【0045】
上記ゲート装置3に取り付けられた基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10は、宅内に配設された情報線L2を介して互いに接続された宅内ネットワークを構成しており、図3は、台所R1、居間R2、書斎R3を有する宅内において、この宅内ネットワークを用いた電話システムの構成を示し、図4〜図6は、宅内に設けた台所R1、居間R2、書斎R3における各機能モジュールの配設例を示す。以下、この電話システムについて説明する。
【0046】
まず、電力線L1、情報線L2は住宅やビル等の建物内の壁面内に先行配線されて各ゲート装置3に配線されており、書斎R3のミドルポジションMPに設けられたゲート装置3には、移動体通信網に接続することで外部通信機器51と通信するための親機モジュール8aが接続される。
【0047】
そして、台所R1と居間R2にそれぞれ設けられたゲート装置3には、親機モジュール8aを介して外部通信機器51と通信するための子機モジュール8gが接続される。
【0048】
さらに、台所R1のローポジションLPに設けられたゲート装置3には、電源プラグ用の栓刃接続部28を有するとともに電力線搬送通信機能を設けた基本機能モジュール8b(以後、通信機能付きコンセントモジュール8bと称す)が接続され、通信機能付きコンセントモジュール8bには、電力線搬送通信を用いて在庫情報を電源プラグ200aから送信可能な冷蔵庫200が接続されている。(図4参照)。
【0049】
また、居間R2のミドルポジションMPに設けられたゲート装置3には、各機能モジュール間の通信制御、監視動作を行う基本機能モジュール8c(以後、制御監視モジュール8cと称す)、部屋間のインターホン機能を有する基本機能モジュール8d(以後、インターホンモジュール8d)が接続される。
【0050】
さらに、居間R2のハイポジションHPに設けられたゲート装置3には、火災検知を行う基本機能モジュール8e(以後、火災検知モジュール8eと称す)が接続される。
【0051】
さらに、居間R2のローポジションLPに設けられたゲート装置3には、電源プラグ用の栓刃接続部28を有する基本機能モジュール8f(以後、コンセントモジュール8fと称す)が接続され、コンセントモジュール8fには、テレビ等の電気機器(図示なし)が接続される。(図5参照)
また、書斎R3のミドルポジションMPに設けられたゲート装置3には、インターホンモジュール8dが接続され、居間R2に設置したインターホンモジュール8dとの間で通話を行うことができる。(図6参照)
親機モジュール8aの機能部25は、図1に示すように、制御部250a、接続部250b、音声入力部250c、音声出力部250d、受信用操作部250fで構成され、制御部250aは、通信伝送部22、演算処理部23、I/Oインターフェース24からなる通信部20を通じて、情報線L2を介した他の機能モジュール8、10との間で情報信号の授受を行い、各部の動作を制御する。接続部250bは、携帯端末50である携帯電話が接続され、親機モジュール8a及び子機モジュール8gは接続部250bに接続された携帯電話を介して移動体通信網に接続する。
【0052】
子機モジュール8gの機能部25は、図2に示すように、制御部251a、音声入力部251b、音声出力部251c、音声認識部251d、受信用操作部251eで構成され、制御部250aは、通信伝送部22、演算処理部23、I/Oインターフェース24からなる通信部20を通じて、情報線L2を介した他の機能モジュール8、10との間で情報信号の授受を行い、各部の動作を制御する。
【0053】
親機モジュール8a及び子機モジュール8gの化粧カバーには、音声入力部(250c、251b)であるマイクと音声出力部(250d、251c)であるスピーカと受信用操作部(250f、251e)である受信用スイッチとを露出させている。
【0054】
通信機能付きコンセントモジュール8bは、図16に示すように、電源用コネクタ7A−電源用コネクタ9A、9A´間から引き出された電源ラインを接続した栓刃接続部28を備え、化粧カバー8Bの前面には栓刃接続部28を露出させている。そして、機能部25は、栓刃接続部28を介した電力線搬送通信機能を有しており、図17に示すように、栓刃接続部28を流れる電流からデータを取り込んだり、栓刃接続部28を流れる電流にデータを重畳させるPLCモデム251aと、PLCモデム251aを介したデータ授受を制御するPLC通信部251bと、モジュール情報記憶部251cとを備える。
【0055】
制御監視モジュール8cの機能部25は、図18に示すように、制御部252a、モジュール情報記憶部252bで構成され、制御部252aが通信部20を通じて、情報線L2を介した他の機能モジュール8、10との間で情報信号の授受を行い、各機能モジュール間の通信制御、監視動作を行う。
【0056】
インターホンモジュール8dの機能部25は、図19に示すように、スピーカSP、マイクロホンM、通話制御部253a、操作部253b、モジュール情報記憶部253cで構成され、マイクロホンMから入力された音声情報は通話制御部253aを介して情報線L2に伝送され、情報線L2を介して伝送された音声情報は通話制御部253aを介してスピーカSPから出力され、通話先は操作部253bを操作することで設定される。また、化粧カバーにはスピーカSP、マイクロホンMが配置されるとともに、操作部253bの操作スイッチが露出している。
【0057】
火災検知モジュール8eの機能部25は、図20に示すように、熱検知部254a、熱検知部254aの出力に基づいて火災の発生を検知した場合に火災検知信号を生成して送るデータ生成機能を有するCPU部254b、モジュール情報記憶部254cで構成される。
【0058】
コンセントモジュール8fは、図21に示すように、電源用コネクタ7A−電源用コネクタ9A、9A´間から引き出された電源ラインを接続した栓刃接続部28を備え、化粧カバーに栓刃接続部28を露出させている。
【0059】
また、制御監視モジュール8cは、データ授受を行う各機能モジュール(ここでは、親機モジュール8a、子機モジュール8g、通信機能付きコンセントモジュール8b、インターホンモジュール8d、火災検知モジュール8e)にモジュール識別情報を自動的に割り当てる機能を有しており、各機能モジュールに割り当てられたモジュール識別情報は、各機能モジュールのモジュール情報記憶部250h、251c、253c、254cに格納される。また、制御監視モジュール8cのモジュール情報記憶部252bには、各機能モジュールに割り当てたモジュール識別情報が全て格納されている。
【0060】
上記モジュール識別情報の割り付け機能は、例えば、制御監視モジュール8cにUPnP(ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ)のコントロールポイントの機能を実装することで実現でき、UPnPにおいてデバイスの検出を行うSSDP(Simple Service Discovery Protocol)を利用してUPnPのデバイスに相当する各機能モジュールを自動的に検出し、各機能モジュールのネットワークアドレス(モジュール識別情報)、すなわちプライベートのIPアドレスを、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を用いて自動的に割り当てる。但し、DHCPを用いたネットワークアドレスの自動割り当てについては従来周知であるから詳細な説明は省略する。
【0061】
そして、各機能モジュールが送信する情報信号には送信先の機能モジュールの識別情報が含まれており、制御監視モジュール8cで行われる各機能モジュールの制御、監視動作は、各機能モジュールに割り付けた識別情報を利用して行われる。例えば、インターホンモジュール8dが送信する音声情報や、火災検知モジュール8eが送信する火災検知信号は、制御監視モジュール8cで中継されて、送信先のインターホンモジュール等の機能モジュールへ伝送され、インターホンモジュール8d間での通話制御や、火災発生時の警報報知等が行われる。
【0062】
親機モジュール8a及び子機モジュール8gは、このような宅内ネットワークに接続しており、本実施形態の電話システムの動作について、以下に説明する。
【0063】
書斎R3に設けられている親機モジュール8aと台所R1及び居間R2に設けられている子機モジュール8gとは上述した通り、宅内ネットワークにより接続されているので相互に内線通信が可能である。そして、親機モジュール8aの接続部250bに携帯端末50である携帯電話を接続すると、親機モジュール8aが携帯端末50からの信号を受信でき、携帯端末50を介して外線通信が可能となる。又、子機モジュール8gはこのように外線通信が可能となった親機モジュール8aを介すことで、外線通信が可能となる。この場合、当然のことながら、親機モジュール8aとそれぞれの子機モジュール8gは外部通信機器51と1:1通信が可能であるが、自機モジュール以外のモジュールにも同時に通信を行うことで1:n通信を行うこともできる。
【0064】
親機モジュール8a及び子機モジュール8gには受信用操作部(250f、251e)である受信用スイッチがあり、このスイッチを用いて、外部通信機器51からの電話をとる。
【0065】
例えば、親機モジュール8aに接続された携帯端末50に電話がかかってきた場合、その旨の信号が通信部20を介して子機モジュール8gに送られる。そして、子機モジュール8gの表示部(図示せず)にその旨が表示される。そして、使用者は子機モジュール8gの受信用スイッチを操作することができる。受信用スイッチを操作すると、受信用スイッチを操作した旨の信号が親機モジュール8aに送られる。すると、親機モジュール8aが接続部250bを通して携帯端末50を通話状態にし、子機モジュール8gに通信部20を介して音声信号を送る。そうすると、スイッチを操作した子機モジュール8gのみが親機モジュール8aを介して外部通信機器51と通話することができる。
【0066】
したがって、この実施形態の電話システムにおいては、移動体通信網を利用することのできる携帯端末50が親機に接続されることで、屋外などにおいて移動しながら親機モジュール8aを使用することができるとともに、使用者への連絡先を統一することができる。又、携帯端末50を親機モジュール8aに接続しておけば、屋内にある子機を用いて外部通信機器51と通信できるので、携帯端末50を常に持ち歩く必要がなくなる。
【0067】
又、子機モジュール8gは使用者が操作入力をするための受信用操作部250fを備えているので、この受信用操作部250fによって、親機モジュール8aに接続された携帯端末50を操作し、携帯端末50から離れた場所からであっても外部通信機器51からの電話を取ることができる。
【0068】
又、子機モジュール8gが複数備えられているので、複数箇所において子機モジュール8gを用いて外部通信機器51と通信することができる。
【0069】
又、親機モジュール8aに接続される携帯端末50が携帯電話であるので、多くの人が持っている携帯端末50であり、使用者を極力限定しない。
【0070】
又、親機モジュール8aは音声入力部250cと音声出力部250dとを備え、携帯端末50を介して親機モジュール8aと外部通信機器51とが音声通信可能であるので、携帯端末50を直接操作しなくても、親機モジュール8aを操作して外部通信機器51と音声通信をすることができる。
【0071】
又、子機モジュール8gが音声認識部251dを備え、この音声認識部251dによって、受信のための操作入力をすることができるので、子機モジュール8gを直接操作する必要が無く、使用者の発する音に応じて容易に操作をすることができる。
【0072】
又、親機モジュール8aに接続された携帯端末50を介して複数の子機モジュール8gが同時に外部通信機器51と通信可能であるので、1対1通信のみならず、1対n通信も可能となる。
【0073】
又、造営面に埋め込み配設されたゲート装置3を介して電力を供給されると共に親機モジュール8a及び子機モジュール8g間で情報信号の授受を行っているので、ゲート装置3のある所ならばどこにでも簡単に親機モジュール8a及び子機モジュール8gを設置することができ、又、改めて電力配線や情報回線を確保する必要もない。
【0074】
又、親機モジュール8a及び子機モジュール8gはゲート装置3に対してコネクタを介して着脱自在に設けられているので、親機モジュール8a及び子機モジュール8gを移動先の部屋に持ち運んで使用することができ、使い勝手が向上する。
【0075】
なお、本実施形態の電話システムが適用される配線システムに用いられる基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10としては上記以外に、空調機器の運転操作器や、空調機器の温度設定器や、電力供給を利用した電気カミソリ、電動歯ブラシ、携帯オーディオプレーヤ等の充電器、監視カメラ等で撮像した映像の伝送機能やモニタ機能を有するインターホンの親機,子機等がある。
【0076】
また、上記各機能モジュールは、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10のいずれでも構成できる
また、ゲート装置3、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10がコネクタの代わりにコアにコイルを巻回した構成を各々備えて、互いのコアが磁気結合することで相手側のコイルに低圧交流電源電圧を誘起させて電源供給を行い、さらには情報信号をE/O変換を経て送り出し、情報信号をO/E変換を経て取り込むことで、光信号からなる情報信号を発光素子、受光素子を用いて非接触で双方向に伝送すれば、ゲート装置3、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10間の電力、情報信号の授受を非接触で行うことができる。
【0077】
また、システム全体の情報信号の伝送方式を電力線搬送方式で行えば、電力路と情報路との共通化を図ることができる。
【0078】
なお、本実施形態の機能モジュールを用いる電話システムの情報信号の伝送方式としては、ベースバンド伝送またはブロードバンド伝送の何れを採用しても良く、またプロトコルも何れでも良く、特に限定されるものではないので、説明は省略する。またゲート装置3間の使用プロトコルと、ゲート装置3に連なる機能モジュール8,10での使用プロトコルを異ならせ、例えばゲート装置3でプロトコル変換を行うようにしても良い。
【0079】
また、本電話システムにおいては、例えば図7に示すように、基本機能モジュール8をゲート装置3に接続し、基本機能モジュール8の右側部にはある機能を有する拡張機能モジュール10を接続し、この拡張機能モジュール10の右側部には異なる機能を有する拡張機能モジュール10を接続することができ、したがって、予め同一に配線されている電力線L1、情報線L2にゲート装置3、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10を接続することで、各機能モジュールは電力路と情報路とを同時に確保でき、新たに配線工事を行う必要がなく施工性に優れている。また、各機能モジュールは互いに同一の情報線L2を用いることで、他の機能モジュールとの間の連動制御を容易に行なうことができ、拡張性に優れたものとなる。
【0080】
而して基本機能モジュール8を使用するに当たっては、まず、ゲート装置3を予め建物の適所の壁面に埋設してあるスイッチボックス2に取付枠4を介して取り付け、先行配線されている電力線L1,情報線L2の接続を行う。その後、ゲート装置3の前面部に設けられた電線路接続口6A,6Bに対して基本機能モジュール8のコネクタ7の対応する被接続部7A,7Bを接続するとともに、基本機能モジュール8をゲート装置3の前面部を覆うように取付枠4に取り付ける。この基本機能モジュール8はこの取り付けた状態において壁面よりも前面部が突出し、両側面が室内側に露出することになる。
【0081】
そして、拡張機能モジュール10は基本機能モジュール8の露出した両側側面の一方に片側の側面を面接させてコネクタ接続し、この状態で連結体100を用いて拡張機能モジュール10と基本機能モジュール8とを機械的に連結する。これによって基本機能モジュール8と拡張機能モジュール10とで機能モジュールが構成されることになる。このとき拡張機能モジュール10の背面はスイッチボックス2の側方の壁面に沿うことになり、例えば壁面にクロス貼り等が施されている場合、拡張機能モジュール10の背面の位置が多少のずれていてもそれを吸収して背面を壁部に密接させた状態に配設することができ、拡張機能モジュール10の前面部から操作力等が加わっても連結部位に加わる荷重を軽減することができる。
【0082】
さらに先に連結した拡張機能モジュール10に別の拡張機能モジュール10を連結する場合には、対向側面を面接させてコネクタ接続した状態で連結体100により互いに機械的に連結する。このようにして図7に示すように順次拡張機能モジュール10を側方に連結することができる。
【0083】
なお、基本機能モジュール8は両側に拡張機能モジュール10を連結することができるため、基本機能モジュール8の両側方向に拡張機能モジュール10を連結しても良い。このようにして拡張機能モジュール10を連結した後、両端に位置する拡張機能モジュール10または基本機能モジュール8の連結部位の側部に着脱自在にエンドカバー101を被着することで、拡張機能モジュール10の連結施工が完了することになる。なお、基本機能モジュール8に拡張機能モジュール9を連結しない状態、つまり未使用のまま置いておく場合にはエンドカバー101を基本機能モジュール8の両側部に被着する。
【0084】
以上のようにして配設施工が終了し、システムが完成した後は、対応する基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10間で情報信号の授受を行う。
【0085】
また、本実施形態では拡張機能モジュール10や基本機能モジュール8の追加や削除に特別な施工が不要となり、そのため一般ユーザの好みに合わせて拡張機能モジュール10を基本機能モジュール8に連結するだけで、拡張性が確保される。
【0086】
なお、本実施形態に用いるゲート装置3は取付枠4でスイッチボックス2に取り付けているが、スイッチボックス2の奥壁に直接取り付け、基本機能モジュール8をスイッチボックス2に取り付ける構成としても勿論良い。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】一実施形態の電話システムにおける親機モジュールの回路構成図である。
【図2】同上の子機モジュールの回路構成図である。
【図3】同上の配線システムの構成図である。
【図4】同上の台所におけるシステムの配設例を示す斜視図である。
【図5】同上の居間におけるシステムの配設例を示す斜視図である。
【図6】同上の書斎におけるシステムの配設例を示す斜視図である。
【図7】同上の機能モジュールの配設状態を示す斜視図である。
【図8】同上のゲート装置を取付枠に取り付けた状態の正面図である。
【図9】同上のゲート装置への配線形態を示す斜視図である。
【図10】同上の基本機能モジュールをスイッチボックスから外した状態の斜視図である。
【図11】(a)は同上の基本機能モジュールの化粧カバーを外した状態の斜視図、(b)は連結体の斜視図である。
【図12】同上の基本機能モジュールと拡張モジュールとの連結構成の説明図である。
【図13】同上のゲート装置、基本機能モジュールの回路構成図である。
【図14】同上の拡張機能モジュールの回路構成図である。
【図15】同上の拡張機能モジュールを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は蓋部を開き、連結体を外した状態の側面図である。
【図16】同上の通信機能付きコンセントモジュールの回路構成図である。
【図17】同上の通信機能付きコンセントモジュールの機能部の回路構成図である。
【図18】同上の制御監視モジュールの機能部の回路構成図である。
【図19】同上のインターホンモジュールの機能部の回路構成図である。
【図20】同上の火災検知モジュールの機能部の回路構成図である。
【図21】同上のコンセントモジュールの回路構成図である。
【図22】従来例である電話システムの解説図。
【符号の説明】
【0088】
L1 電力線
L2 情報線
3 ゲート装置
8 基本機能モジュール
8a 親機モジュール
8g 子機モジュール
10 拡張機能モジュール
20 通信部
50 携帯端末
51 外部通信機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部通信機器と移動体通信網に接続することで通信可能である携帯端末が接続される接続部と自機の通信及び動作を制御する制御部とを有する親機モジュールと、音声入力部と音声出力部と自機の通信及び動作を制御する制御部とを有する子機モジュールと、を備え、親機モジュールと子機モジュールとが相互に宅内ネットワークを介して接続され、親機モジュールに接続された携帯端末を介して子機モジュールと外部通信機器とが通信可能であることを特徴とする電話システム。
【請求項2】
子機モジュールは使用者が操作入力をするための受信用操作部を備え、この受信用操作部によって、親機モジュールに接続された携帯端末を操作し、外部通信機器からの電話を取ることができることを特徴とする請求項1記載の電話システム。
【請求項3】
子機モジュールが複数備えられたことを特徴とする請求項1又は2記載の電話システム。
【請求項4】
親機モジュールに接続される携帯端末が携帯電話であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電話システム。
【請求項5】
親機モジュールは音声入力部と音声出力部とを備え、携帯端末を介して親機モジュールと外部通信機器とが音声通信可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の電話システム。
【請求項6】
子機モジュールが音声認識部を備え、この音声認識部によって、受信のための操作入力をすることができることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の電話システム。
【請求項7】
親機モジュールに接続された携帯端末を介して複数の子機モジュールが同時に外部通信機器と通信可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の電話システム。
【請求項8】
宅内ネットワークは、造営面に埋め込み配設され、造営面の裏側に先行配線されて電力、情報信号を伝送する電線に接続された複数のゲート装置を備え、親機モジュール及び子機モジュールは、ゲート装置を介して電力を供給されると共に互いに情報信号の授受を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の電話システム。
【請求項9】
ゲート装置は、電力、情報信号を伝送する電線に接続された接続ポートが設けられ、親機モジュール及び子機モジュールは、ゲート装置に設けた接続ポートと接続され、ゲート装置から親機モジュール及び子機モジュールへの給電と、ゲート装置と親機モジュール及び子機モジュールとの間での信号伝送の両方を同時に確立するコネクタを備え、親機モジュール及び子機モジュールはゲート装置に対して着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項8記載の電話システム。
【請求項1】
外部通信機器と移動体通信網に接続することで通信可能である携帯端末が接続される接続部と自機の通信及び動作を制御する制御部とを有する親機モジュールと、音声入力部と音声出力部と自機の通信及び動作を制御する制御部とを有する子機モジュールと、を備え、親機モジュールと子機モジュールとが相互に宅内ネットワークを介して接続され、親機モジュールに接続された携帯端末を介して子機モジュールと外部通信機器とが通信可能であることを特徴とする電話システム。
【請求項2】
子機モジュールは使用者が操作入力をするための受信用操作部を備え、この受信用操作部によって、親機モジュールに接続された携帯端末を操作し、外部通信機器からの電話を取ることができることを特徴とする請求項1記載の電話システム。
【請求項3】
子機モジュールが複数備えられたことを特徴とする請求項1又は2記載の電話システム。
【請求項4】
親機モジュールに接続される携帯端末が携帯電話であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電話システム。
【請求項5】
親機モジュールは音声入力部と音声出力部とを備え、携帯端末を介して親機モジュールと外部通信機器とが音声通信可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の電話システム。
【請求項6】
子機モジュールが音声認識部を備え、この音声認識部によって、受信のための操作入力をすることができることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の電話システム。
【請求項7】
親機モジュールに接続された携帯端末を介して複数の子機モジュールが同時に外部通信機器と通信可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の電話システム。
【請求項8】
宅内ネットワークは、造営面に埋め込み配設され、造営面の裏側に先行配線されて電力、情報信号を伝送する電線に接続された複数のゲート装置を備え、親機モジュール及び子機モジュールは、ゲート装置を介して電力を供給されると共に互いに情報信号の授受を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の電話システム。
【請求項9】
ゲート装置は、電力、情報信号を伝送する電線に接続された接続ポートが設けられ、親機モジュール及び子機モジュールは、ゲート装置に設けた接続ポートと接続され、ゲート装置から親機モジュール及び子機モジュールへの給電と、ゲート装置と親機モジュール及び子機モジュールとの間での信号伝送の両方を同時に確立するコネクタを備え、親機モジュール及び子機モジュールはゲート装置に対して着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項8記載の電話システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2008−34999(P2008−34999A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−204003(P2006−204003)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]