電話装置
【課題】 INVITEに応じることができる機会を多くすること。
【解決手段】 多機能機本体20は、所定数を上限として複数のRTPを並列的に確立することが可能である。多機能機本体20は、上記の所定数のRTPが並列的に確立されている状態でINVITEを受信すると、自動応答又はFAX通信に利用されているRTPが存在するのか否かを判断する。ここで否定的な判断結果が得られた場合、多機能機本体20は、INVITEに対するレスポンスとして486 BusyHereを送信する。一方において、肯定的な判断結果が得られた場合、多機能機本体20は、いずれかのRTPが切断されるまで待機する。
【解決手段】 多機能機本体20は、所定数を上限として複数のRTPを並列的に確立することが可能である。多機能機本体20は、上記の所定数のRTPが並列的に確立されている状態でINVITEを受信すると、自動応答又はFAX通信に利用されているRTPが存在するのか否かを判断する。ここで否定的な判断結果が得られた場合、多機能機本体20は、INVITEに対するレスポンスとして486 BusyHereを送信する。一方において、肯定的な判断結果が得られた場合、多機能機本体20は、いずれかのRTPが切断されるまで待機する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、一般公衆回線網を利用して電話通信することが可能である電話装置が開示されている。特許文献1の電話装置は、2回線を利用して並列的に通信(電話及び/又はファクシミリ)を行なうことができる。この電話装置は、2回線の両方で通信が行なわれている状況で通話要求を受信すると、RELCOMPを返信する。これにより、通話要求の送信元のユーザは、電話通信を行なうことができないことを知ることができる。また、この電話装置は、留守モードに設定されている状態で通話要求を受信すると、予め設定されている音声データを通話要求の送信元に送信し、留守番電話にメッセージを残すように促す。
【0003】
【特許文献1】特開2001−24813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電話装置や多機能機では、電話やファクシミリ等のデータ通信が行なわれている間に通話要求を受信しても、その通話要求に応じることができないために、否定的レスポンス(上記の例ではRELCOMP)を送信する。本明細書では、通話要求に応じることができる機会を増やすことができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
通話要求を受信した際に確立されているデータ通信用セッションが早期に切断される可能性がある。このような事象が発生することが予想される場合、通話要求に対する否定的レスポンスを送信しないで待機することが好ましい。通話要求に応じることができる機会が増えるからである。本明細書によって開示される技術は、このような知見に鑑みて創作されたものであり、以下の構成を備える。
【0006】
本明細書によって開示される電話装置は、所定数を上限としてデータ通信用セッションを確立することが可能である。上記の「所定数」は、1でもよいし、2以上の数値であってもよい。「所定数」が2以上の場合、2以上の所定数を上限として複数のデータ通信用セッションを並列的に確立することが可能である電話装置と言い換えることができる。なお、この電話装置は、一般公衆回線網(PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Services Digital Network))を利用して電話通信を行なうものであってもよいし、IP網を利用して電話通信を行なうものであってもよい。即ち、電話装置は、一般電話であってもよいし、IP電話であってもよい。また、電話装置は、一般公衆回線網とIP網の両方を利用して電話通信を行なうものであってもよい。なお、電話装置は、電話通信機能のみを有するものであってもよいし、電話通信機能と他の機能(例えばファクシミリ通信機能)を有する多機能機であってもよい。この電話装置は、通話要求受信手段と、操作手段と、第1肯定的レスポンス送信手段と、音声データ記憶手段と、第2肯定的レスポンス送信手段と、音声データ送信手段と、第1判断手段と、否定的レスポンス送信手段と、送信待機手段とを備える。
【0007】
通話要求受信手段は、通話要求を受信する。操作手段は、ユーザが操作することを許容する。操作手段は、1つの装置(例えば親機)によって構成されていてもよいし、複数の装置(例えば親機と子機)によって構成されていてもよい。第1肯定的レスポンス送信手段は、通話要求受信手段によって第1通話要求が受信されたことに応じて操作手段に通話開始操作が実行されたことを条件として、当該第1通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する。上記の「通話開始操作」という用語は、最も広義に解釈されるべきものであり、通話を開始するためのあらゆる操作を含む概念である。「通話開始操作」の例として、フックキーを操作すること、通話開始キーを操作すること、受話器を持ち上げてフックキーをオフフック状態にすること等を挙げることができる。最後の例では、「受話器とフックキー」が操作手段に相当することになる。第1通話要求に対する肯定的レスポンスが送信された結果としてデータ通信用セッションが確立される。これにより、第1通話要求の送信元のユーザと通話開始操作を実行したユーザとの間で通話することが可能になる。
【0008】
音声データ記憶手段は、音声データを記憶する。なお、音声データ記憶手段に記憶される音声データは、デフォルトとして設定されている音声データであってもよいし、ユーザによって入力された音声データであってもよい。第2肯定的レスポンス送信手段は、通話要求受信手段によって第2通話要求が受信されたことに応じて操作手段に通話開始操作が実行されずに所定条件が成立したことを条件として、当該第2通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する。音声データ送信手段は、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションを利用して、音声データ記憶手段に記憶されている音声データを上記の第2通話要求の送信元に送信する。これにより、自動応答機能(応答メッセージ送信機能、留守番電話の録音機能等)が実行されることになる。即ち、上記の「所定条件」は、自動応答機能を実行するためのトリガとなる条件であると言い換えることもできる。上記の「所定条件」として、様々な例を挙げることができる。例えば、留守番電話の録音機能がONされていること、録音機能はないが応答メッセージのみを返信する機能がONされていること、通話要求を受信してから所定時間が経過したこと、ユーザが通話開始操作以外の所定の操作を電話装置に加えること等を挙げることができる。
【0009】
第1判断手段は、通話要求受信手段によって第3通話要求が受信され、かつ、上記の所定数のデータ通信用セッションが確立されている状態であることを条件として、上記の所定数のデータ通信用セッションの中に、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する。即ち、第1判断手段は、自動応答に利用されているデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する。否定的レスポンス送信手段は、第1判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、上記の第3通話要求に対する否定的レスポンスを送信する。これにより、第3通話要求の送信元のユーザは、電話通信を行なうことができないことを知ることができる。送信待機手段は、第1判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、上記の第3通話要求に対する否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信するのを待機する。なお、送信待機手段は、他のレスポンスを送信するのを待機してもよいし、そうでなくてもよい。
【0010】
なお、上記の「第1判断手段によって否定的に判断されたことを条件として」という用語、及び/又は、「第1判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として」という用語は、他の条件が加わることを排除するものではない。例えば、否定的レスポンス送信手段は、第1判断手段によって否定的に判断され、かつ、ファクシミリ通信に利用されているデータ通信用セッションが存在しないことを条件として、上記の第3通話要求に対する否定的レスポンスを送信してもよい。また、例えば、送信待機手段は、第1判断手段によって肯定的に判断されたこと、又は、ファクシミリ通信に利用されているデータ通信用セッションが存在することを条件として、上記の第3通話要求に対する否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信するのを待機してもよい。
【0011】
なお、上記の「待機する」とは、「否定的レスポンス送信手段が否定的レスポンスを送信する」という構成に対する対極的な意味を持つ用語であり、最も広義には以下のように解釈される。即ち、第1判断手段によって否定的に判断されてから否定的レスポンス送信手段が否定的レスポンスを送信するまでの時間が第1時間であるとすると、第1判断手段によって肯定的に判断されてから上記の第1時間が経過するまでの間に否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信しないことを意味する。送信待機手段がいつまで待機するのかは特に限定されない。例えば、送信待機手段は、データ通信用セッションが切断されるまで待機してもよいし、データ通信用セッションが切断されてから操作手段に通話開始操作が実行されるまで待機してもよいし、データ通信用セッションが切断されるまで待機しなくてもよい。この最後の例では、送信待機手段は、通話要求が受信されてから所定時間が経過するまで待機してもよいし(即ち所定時間が経過すると否定的レスポンスを送信してもよい)、通話要求の送信元が通話終了操作を実行するまで待機してもよい。
【0012】
上記の電話装置は、データ通信用セッションを確立しているために他のデータ通信セッションを確立することができない状況で通話要求が受信されると、自動応答に利用されているデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する。ここで肯定的な判断結果が得られると、電話装置は、直ちに否定的レスポンスを送信するということを行なわずに待機する。自動応答が行なわれているデータ通信用セッションは、ユーザ間で通話が行なわれているデータ通信セッションと比べると、早期に切断される可能性が高い。早期に切断されることが予測されるデータ通信用セッションが存在する場合に待機することにより、通話要求に応じることができる機会を増やすことができる。
【0013】
電話装置は、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションを、そのデータ通信用セッションが確立されてから予め設定されている所定時間が経過した時に切断するセッション切断手段をさらに備えていてもよい。例えば、留守番電話の録音時間を一定時間に設定し、その一定時間が経過するとデータ通信用セッションを切断するようにしてもよい。また、例えば、音声データ送信手段が全ての音声データを送信すると、データ通信用セッションを切断するようにしてもよい。いずれの場合でも、「データ通信用セッションが確立されてから予め設定されている所定時間が経過した時に切断する」ことに等しい。この構成によると、自動応答に利用されているデータ通信用セッションが所定時間で確実に切断されることが保証される。
【0014】
送信待機手段は、データ通信用セッションが切断されるまで待機してもよい。なお、この記載は、データ通信用セッションが切断された後も送信待機手段が待機することを排除するものではない。電話装置は、送信待機手段が待機している間にデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、上記の第3通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する第3肯定的レスポンス送信手段をさらに備えていてもよい。なお、「送信待機手段が待機している間にデータ通信用セッションが切断されたことを条件として」という用語は、他の条件が加わることを排除するものではない。例えば、第3肯定的レスポンス送信手段は、送信待機手段が待機している間にデータ通信用セッションが切断され、かつ、操作手段に通話開始操作が実行されたことを条件として、上記の第3通話要求に対する肯定的レスポンスを送信してもよい。また、例えば、第3肯定的レスポンス送信手段は、送信待機手段が待機している間にデータ通信用セッションが切断され、かつ、自動応答機能がONされていることを条件として、上記の第3通話要求に対する肯定的レスポンスを送信してもよい。
【0015】
自動応答が行なわれているということは、通話要求に応じることができるユーザが存在しない可能性が高い。このために、送信待機手段が待機している間に自動応答に利用されているデータ通信用セッションが切断されても、ユーザが通話要求に応じることができない可能性が高い。これに対し、送信待機手段が待機している間に自動応答以外のデータ通信(例えば通話やファクシミリ通信)に利用されているデータ通信用セッションが切断された場合、ユーザが通話要求に応じることができる可能性が高い。これらの知見に鑑みて、以下の構成を採用してもよい。即ち、電話装置は、第2判断手段と通話要求通知手段とをさらに備えていてもよい。第2判断手段は、送信待機手段が待機している間にデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、切断されたデータ通信用セッションが、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションであるのか否かを判断する。通話要求通知手段は、第2判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、上記の第3通話要求に応じて通話要求通知を実行する。なお、「第2判断手段によって否定的に切断されたことを条件として」という用語は、他の条件が加わることを排除するものではない。例えば、通話要求通知手段は、第2判断手段によって否定的に判断され、かつ、上記の第3通話要求がファクシミリ送信要求でないことを条件として、上記の第3通話要求に応じて通話要求通知を実行してもよい。この構成によると、送信待機手段が待機している間に自動応答以外のデータ通信に利用されているデータ通信用セッションが切断された場合に、通話要求通知が実行される。ユーザが通話要求に応じることができる可能性が高い状況において、通話要求が受信されたことをユーザに通知することができる。なお、「通話要求通知」という用語は、最も広義に解釈されるべきものであり、通話要求が受信されたことをユーザに通知することが可能である様々な手法を含む概念である。例えば、「通話要求通知」の一例として、音を出力すること(鳴動させること)、振動させること、所定の表示を行なうこと、ランプの挙動を変えること等を挙げることができる。
【0016】
なお、電話装置は、上記の第2判断手段によって肯定的に判断された場合に、以下のように動作してもよい。即ち、電話装置は、上記の第2判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、上記の第3通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する所定の肯定的レスポンス送信手段をさらに備えていてもよい。この場合、音声データ送信手段は、上記の所定の肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションを利用して、音声データ記憶手段に記憶されている音声データを送信してもよい。この構成によると、送信待機手段が待機している間に自動応答に利用されているデータ通信用セッションが切断された場合に、自動応答を利用して通話要求に応じることができる。
【0017】
電話装置は、自身の1つのデータ通信用識別情報(例えばIP網のURI)を利用して1つのデータ通信用セッションを確立することが可能であってもよい。なお、この記載は、電話装置に複数のデータ通信用識別情報が設定されることを排除するものではない。電話装置は、自身のデータ通信用識別情報に対応するステータスを記憶する第1ステータス記憶手段をさらに備えていてもよい。この場合、第1ステータス記憶手段は、所定のステータスが記憶されている状態で第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信されたことを条件として、上記の所定のステータスと異なる第1ステータスを記憶してもよい。また、第1ステータス記憶手段は、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、第1ステータスと異なるステータスを記憶してもよい。この「異なるステータス」は、上記の所定のステータスと同じであってもよいし、そうでなくてもよい。前者の場合、例えば、第1ステータス記憶手段は、上記の所定のステータス(上記の異なるステータス)として「0」を記憶し、上記の第1ステータスとして「1」を記憶してもよい。即ち、第1ステータス記憶手段は、フラグのON/OFFを切換えることによってステータスを記憶してもよい。第1判断手段は、第1ステータス記憶手段に第1ステータスが記憶されているのか否かを判断することによって、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信セッションが存在するのか否かを判断してもよい。この構成によると、自動応答に利用されているデータ通信用セッションが存在するのか否かを正確に特定することができる。
【0018】
上述したように、第1ステータス記憶手段は、自動応答中のステータス(第1ステータス)と自動応答中でないステータスとを記憶すれば足りる。しかしながら、第1ステータス記憶手段は、データ通信用識別情報に対応するステータスをより細分化して記憶してもよい。例えば、以下の構成を採用してもよい。即ち、第1ステータス記憶手段は、上記の所定のステータスが記憶されている状態で第1肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信されたことを条件として、上記の所定のステータスと異なるとともに第1ステータスと異なる第2ステータスを記憶してもよい。第1ステータス記憶手段は、第1肯定的レスポンス送信手段又は第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、上記の所定のステータスを記憶してもよい。
【0019】
また、電話装置は、操作手段に通話準備操作が実行されたことを条件として、通話要求を送信する通話要求送信手段をさらに備えていてもよい。なお、「通話準備操作」という用語は、ユーザが通話することを望む相手の電話識別情報(例えばデータ通信用識別情報)を特定するための操作を意味している。「通話準備操作」の例として、電話識別情報を入力すること、いわゆる短縮ダイヤルを入力すること、予め記憶されている複数の電話識別情報の中から1つの電話識別情報を選択すること等を挙げることができる。この場合、第1ステータス記憶手段は、上記の所定のステータスが記憶されている状態で操作手段に通話準備操作が実行されたことを条件として、上記の所定のステータスと異なるとともに第1ステータスと異なる第3ステータスを記憶してもよい。なお、この「第3ステータス」は、第2ステータスと同じであってもよいし、そうでなくてもよい。第1ステータス記憶手段は、通話要求送信手段によって通話要求が送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、上記の所定のステータスを記憶してもよい。なお、データ通信用識別情報に対応するステータスを細分化して記憶する場合、電話装置は、第1ステータス記憶手段の記憶内容に基づいて、データ通信用セッションが確立されているのか否かを判断してもよい。
【0020】
上述したように、電話装置には1つのデータ通信用識別情報のみが設定されていてもよいし、複数のデータ通信用識別情報が設定されていてもよい。後者の場合、電話装置は、自身の複数のデータ通信用識別情報を利用して、2以上の所定数を上限として複数のデータ通信用セッションを並列的に確立することが可能である。この構成によると、並列的に確立することができるデータ通信用セッションの数が多くなるために、通話要求に応じることができる機会を増やすことができる。
【0021】
複数のデータ通信用識別情報が設定されていている場合、電話装置は、自身の複数のデータ通信用識別情報のそれぞれについて、当該データ通信用識別情報とステータスとを対応づけて記憶する第2ステータス記憶手段をさらに備えていてもよい。第2肯定的レスポンス送信手段は、自身のデータ通信用識別情報を含む肯定的レスポンスを送信してもよい。この結果、肯定的レスポンスに含まれるデータ通信用識別情報を利用してデータ通信用セッションを確立することができる。第2ステータス記憶手段は、所定のステータスが記憶されている状態で第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信されたことを条件として、当該肯定的レスポンスに含まれるデータ通信用識別情報に対応づけて、上記の所定のステータスと異なる第1ステータスを記憶してもよい。第2ステータス記憶手段は、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、当該肯定的レスポンスに含まれるデータ通信用識別情報に対応づけて、第1ステータスと異なるステータスを記憶してもよい。この「異なるステータス」は、上記の所定のステータスと同じであってもよいし、そうでなくてもよい。この構成によると、複数のデータ通信用識別情報が設定されていている場合でも、自動応答に利用されているデータ通信用セッションが存在するのか否かを正確に特定することができる。
【0022】
電話装置は、ファクシミリ送信要求受信手段と、第4肯定的レスポンス送信手段と、ファクシミリ送信要求送信手段と、第3判断手段とをさらに備えていてもよい。ファクシミリ送信要求受信手段は、ファクシミリ送信要求を受信する。なお、ファクシミリ送信要求は、通話要求と同じタイプのコマンドであってもよいし、異なるタイプのコマンドであってもよい。なお、前者の場合、電話とファクシミリを区別する識別子がコマンドの中に含まれていてもよい。第4肯定的レスポンス送信手段は、ファクシミリ送信要求受信手段によってファクシミリ送信要求が受信されたことを条件として、当該ファクシミリ送信要求に対する肯定的レスポンスを送信する。ファクシミリ送信要求送信手段は、操作手段にファクシミリ送信準備操作が実行されたことを条件として、ファクシミリ送信要求を送信する。なお、「ファクシミリ送信準備操作」という用語は、ユーザがファクシミリの送信先のファクシミリ識別情報(例えばデータ通信用識別情報)を特定するためのあらゆる操作を含む概念である。「ファクシミリ送信準備操作」の例として、ファクシミリ識別情報を入力すること、いわゆる短縮ダイヤルを入力すること、予め記憶されている複数のファクシミリ識別情報の中から1つのファクシミリ識別情報を選択すること等を挙げることができる。なお、上述したように、上記の操作手段は、複数の装置(例えば親機と子機)によって構成されていてもよい。例えば、子機の操作部に通話開始操作や通話準備操作が実行され、親機の操作部にファクシミリ送信準備操作が実行されてもよい。
【0023】
第3判断手段は、通話要求受信手段によって上記の第3通話要求が受信され、かつ、上記の所定数のデータ通信用セッションが確立されている状態であることを条件として、上記の所定数のデータ通信用セッションの中に、第4肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッション、又は、ファクシミリ送信要求送信手段によってファクシミリ送信要求が送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する。否定的レスポンス送信手段は、第1判断手段によって否定的に判断され、かつ、第3判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、上記の第3通話要求に対する否定的レスポンスを送信する。送信待機手段は、第3判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、上記の第3通話要求に対する否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信するのを待機する。
【0024】
上記の構成では、データ通信用セッションを確立しているために他のデータ通信セッションを確立することができない状況で通話要求が受信されると、ファクシミリ通信(送信又は受信)に利用されているデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する。ここで肯定的な判断結果が得られると、電話装置は、直ちに否定的レスポンスを送信するということを行なわずに待機する。ファクシミリ通信に利用されているデータ通信用セッションは、比較的に早期に切断される可能性が高い。早期に切断されることが予測されるデータ通信用セッションが存在する場合に待機することにより、通話要求に応じることができる機会を増やすことができる。
【0025】
なお、上記の電話装置は、他のデータ通信セッションを確立することができない状況で通話要求が受信された場合に、比較的に早期に切断されることが予測されるデータ通信用セッションが存在することを条件として待機するという新規な技術的特徴を有する。同じ技術的特徴を有する以下の電話装置も有用である。即ち、この電話装置は、通話要求受信手段と、操作手段と、通話要求肯定的レスポンス送信手段と、ファクシミリ送信要求受信手段と、ファクシミリ送信要求肯定的レスポンス送信手段と、ファクシミリ送信要求送信手段と、判断手段と、否定的レスポンス送信手段と、送信待機手段とを備える。
【0026】
通話要求受信手段は、通話要求を受信する。操作手段は、ユーザが操作することを許容する。通話要求肯定的レスポンス送信手段は、通話要求受信手段によって第1通話要求が受信されたことに応じて操作手段に通話開始操作が実行されたことを条件として、当該第1通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する。ファクシミリ送信要求受信手段は、ファクシミリ送信要求を受信する。ファクシミリ送信要求肯定的レスポンス送信手段は、ファクシミリ送信要求受信手段によってファクシミリ送信要求が受信されたことを条件として、当該ファクシミリ送信要求に対する肯定的レスポンスを送信する。ファクシミリ送信要求送信手段は、操作手段にファクシミリ送信準備操作が実行されたことを条件として、ファクシミリ送信要求を送信する。判断手段は、通話要求受信手段によって第2通話要求が受信され、かつ、上記の所定数のデータ通信用セッションが確立されている状態であることを条件として、上記の所定数のデータ通信用セッションの中に、ファクシミリ送信要求肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッション、又は、ファクシミリ送信要求送信手段によってファクシミリ送信要求が送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する。否定的レスポンス送信手段は、判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、第2通話要求に対する否定的レスポンスを送信する。送信待機手段は、判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、上記の第2通話要求に対する否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信するのを待機する。
【0027】
なお、上記の「判断手段によって否定的に判断されたことを条件として」という用語、及び/又は、「判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として」という用語は、他の条件が加わることを排除するものではない。上記の電話装置によると、早期に切断されることが予測されるデータ通信用セッションが存在する場合に待機することにより、通話要求に応じることができる機会を増やすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
ここでは、以下の実施例に記載の技術の特徴の一部をまとめておく。
(形態1)電話装置は、IP網を利用して電話通信を行なってもよい。
(形態2)電話装置は、SIP(Session Initiation Protocol)を利用して電話通信を行なってもよい。他のプロトコルが利用されてもよい。例えば、「H.323」、「MGCP(Media Gateway Control Protocol)」、「H.248/MEGACO(Media Gateway Control)」等が利用されてもよい。
(形態3)形態2の場合、通話要求は、INVITEコマンドであってもよい。また、ファクシミリ送信要求は、INVITEコマンドであってもよい。通話要求に対する肯定的レスポンスは、200 OKであってもよい。通話要求に対する否定的レスポンスは、486 BusyHereであってもよい。
(形態4)形態2の場合、データ通信用セッションは、RTP(Real−time Transport Protocol)であってもよい。RTPは、リアルタイム式データ通信プロトコルと換言することもできる。
【実施例】
【0029】
図面を参照して実施例を説明する。図1は、本実施例のネットワークシステム2を示す。ネットワークシステム2は、複数の内線網10,110とインターネット104とSIPサーバ106等を備える。図1では2つの内線網10,110しか示されていないが、実際には多数の内線網が存在する。
【0030】
内線網10には、複数のSIPURIが割り当てられている。内線網10は、多機能機本体20と複数の通話デバイス50,70,80を有する。なお、各通話デバイス50,70,80に個別にSIPURIが振り当てられているのではなく、内線網10を単位として複数のSIPURIが振り当てられている。多機能機本体20は、インターネット104(IP網)に接続されている。内線網10を構成する各通話デバイス50,70,80は、インターネット104を利用して電話通信を行なうことが可能である。即ち、内線網10はIP電話として機能する。また、多機能機本体20は、インターネット104を利用してリアルタイム方式のFAX通信(伝送手順として「T.30」、「T.38」等を利用する)を行なうことが可能である。即ち、内線網10はFAX機としても機能する。
【0031】
また、内線網110にも、複数のSIPURIが割り当てられている。内線網110は、多機能機本体120と複数の通話デバイス150,160を有する。多機能機本体120は、インターネット104に接続されている。内線網110を構成する各通話デバイス150,160は、インターネット104を利用して電話通信を行なうことが可能である。即ち、内線網110はIP電話として機能する。また、多機能機本体120は、インターネット104を利用してリアルタイム方式のFAX通信を行なうことが可能である。即ち、内線網110はFAX機としても機能する。
【0032】
SIPサーバ106は、各内線網10,110のSIPURI(即ち各内線網10,110の電話識別情報)を記憶している。SIPサーバ106は、インターネット104に接続されている。SIPサーバ106は、SIPを利用して各内線網10,110の間の電話通信及びファクシミリ通信を制御する。即ち、内線網10と内線網110の間で電話通信及びファクシミリ通信のための通信される各種コマンドは、SIPサーバ106を経由して送信される。
【0033】
(多機能機本体の構成)
多機能機本体20の構成について説明する。多機能機本体20は、各通話デバイス50,70,80の電話通信を統括的に制御する。即ち、各通話デバイス50,70,80は、多機能機本体20を介して内線網10の外部と電話通信を行なうことができる。図2は、多機能機本体20の構成を示す。多機能機本体20は、本体側制御部22と無線通信インターフェイス24とネットワークインターフェイス26と記憶部28と操作部40と表示部42とスキャナ部44と原稿トレイ46と印刷部48等を有する。本体側制御部22は、記憶部28に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。本体側制御部22が実行する処理の内容については、後で詳しく説明する。無線通信インターフェイス24は、各通話デバイス50,70,80と無線通信するためのインターフェイスである。ネットワークインターフェイス26には、LAN回線100が接続されている。LAN回線100は、インターネット104に接続されている。多機能機本体20は、ネットワークインターフェイス26とLAN回線100を介してインターネット104にアクセスすることができる。
【0034】
記憶部28は、ROM、EEPROM、RAM等によって構成されている。記憶部28は、セッションテーブル記憶領域30とINVITEキュー記憶領域32と留守番電話記憶領域34とプログラム記憶領域36とその他の記憶領域38等を有する。
【0035】
セッションテーブル記憶領域30は、SIPURIに対応するデータ通信用セッション(RTP)のステータスを記憶する。SIPでは、1つのSIPURIを利用して1つのRTPを確立することができる。本実施例の内線網10には、3つのSIPURIが割り当てられている。従って、内線網10は、3つのSIPURIを利用して3つのRTPを並列的に確立することができる。
【0036】
図3は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容の一例を示す。セッションテーブル記憶領域30は、複数の組合せデータ220,222,224を記憶することができる。各組合せデータ220,222,224は、SIPURI200と、セッション状態202と、call−ID204と、通話デバイスID206と、相手アドレス208とが対応づけられたものである。上述したように、本実施例の内線網10には、3つのSIPURIが割り当てられている。このために、セッションテーブル記憶領域30は、3つのSIPURIのそれぞれに対応する組合せデータ220,222,224を記憶している。セッション状態202は、SIPURIに対応するRTPのステータスを示す。本実施例では、セッション状態202として、「未使用」、「通話中」、「自動応答中」、及び、「FAX使用中」の4つのステータスが採用されている。call−ID204は、1つのRTPを確立して切断するまでに通信される様々なデータに付与されるIDである。例えば、RTPを確立するためには、INVITE、200 OK、及び、ACKが通信される。これらの各コマンドに1つのcall−IDが付与される。また、RTPを切断するためには、BYE及び200 OKが通信される。これらの各コマンドにも同じcall−IDが付与される。通話デバイスID206は、通話中の通話デバイス50,70,80を特定するIDである。相手アドレス208は、通信相手のSIPURIである。本体側制御部22は、各SIPURIに対応するステータスを監視している。初期状態では、各SIPURIに対応するセッション状態202は「未使用」である。電話通信やFAX通信が行なわれることによってセッション状態202が変更される。また、初期状態では、各SIPURIに対応する情報204,206,208に何も書き込まれていない。電話通信やFAX通信が行なわれることによって情報204,206,208が変更される。セッションテーブル記憶領域30にどのようにして情報が記憶されるのかについては、後で詳しく説明する。
【0037】
INVITEキュー記憶領域32は、多機能機本体20によって受信されたINVITE(具体的に言うとINVITEに含まれる各種データ)を記憶する。留守番電話記憶領域34は、自動応答(留守番電話)に移行する際にINVITEの送信元に送信される音声データを記憶している。この音声データは、留守番電話にメッセージを残すことを促す音声データを含んでいる。本実施例では、この音声データは、デフォルトとして設定されているデータである。以下では、この音声データのことを「留守録用音声データ」と呼ぶ。また、留守番電話記憶領域34は、INVITEの送信元から送信される音声データ(メッセージ)を記憶することができる。以下では、この音声データのことを「留守録メッセージ」と呼ぶ。プログラム記憶領域36は、本体側制御部22によって実行されるべきプログラムを記憶している。例えば、プログラム記憶領域36は、SIPを利用して通信を行なうためのプログラムを記憶している。記憶領域38は、上記の各記憶領域30,32,34,36に記憶されるべき情報以外の情報を記憶することができる。
【0038】
操作部40は、複数のキーを有する。ユーザは、操作部40を操作することによって、様々な情報を多機能機本体20に入力することができる。図1では、操作部40に含まれる1つのキー40aが図示されている。ユーザは、電話がかかってきている状態(後述する通話要求通知が実行されている状態)でキー40aを操作することによって、電話に出ないことを選択することができる。この点については、後で詳しく説明する。また、ユーザは、FAXを送信する際に操作部40の所定のキーを操作することによって、FAXを送信するためのモードを選択することができる。このモードが選択されている状態において、ユーザは、操作部40のテンキーを操作することによって(もしくは短縮ダイヤル等を操作することによって)、FAXの送信先のFAX識別情報(SIPURI)を入力することができる。これにより、ユーザは、FAXを送信することができる。以下では、モードを選択してFAX識別情報を入力することを「FAX送信準備操作」と呼ぶ。
【0039】
表示部42は、様々な情報を表示することができる。スキャナ部44は、原稿トレイ46に載置された原稿をスキャンしてスキャンデータを生成する。多機能機本体20は、スキャンデータをFAXとして外部に送信することができる。また、多機能機本体20は、スキャンデータを印刷部48で印刷させることもできる。即ち、多機能機本体20は、コピー機としても機能することができる。
【0040】
(通話デバイスの構成)
続いて、通話デバイス50の構成について説明する。通話デバイス70,80は、通話デバイス50と同様の構成を有している。このために、通話デバイス70,80の詳しい説明は省略する。本実施例の通話デバイス50は、コードレスタイプである。図4は、通話デバイス50の構成を示す。通話デバイス50は、デバイス側制御部52と無線通信インターフェイス54と操作部56と表示部58とスピーカ60とマイク62と記憶部64等を有する。デバイス側制御部52は、記憶部64に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。デバイス側制御部52が実行する処理の内容については、必要に応じて後で説明する。無線通信インターフェイス54は、多機能機本体20と無線通信するためのインターフェイスである。通話デバイス50には通話デバイスID(図3の符号206参照)が設定されている。通話デバイス50は、無線通信インターフェイス54を利用して多機能機本体20に情報を送信する際に、自身に設定されている通話デバイスIDを上記の情報に付加する。これにより、多機能機本体20は、いずれの通話デバイス50,70,80からの情報であるのかを特定することができる。
【0041】
操作部56は、複数のキーを有する。例えば、操作部56は、フックキーやテンキーを有する。通話デバイス50は、使用されていない状態ではオンフック状態になっている。ユーザは、通話デバイス50を利用して電話をかける際にフックキーを操作することができる。これにより、通話デバイス50は、オフフック状態になる。次いで、ユーザは、テンキーを操作することによって(もしくは短縮ダイヤル等を操作することによって)、INVITEの送信先の電話識別情報(SIPURI)を通話デバイス50に入力する。これにより、ユーザは、電話をかけることができる。以下では、フックキーをオフフック状態にして電話識別情報を入力することを「通話準備操作」と呼ぶ。また、ユーザは、電話がかかってきている状態(通話要求通知中)でフックキーを操作することによって、通話デバイス50をオフフック状態にすることができる。これにより、ユーザは、電話をとることができる。以下では、電話がかかってきている状態でオフフック状態にすることを「通話開始操作」と呼ぶ。また、ユーザは、通話中状態でフックキーを操作することによって、通話デバイス50をオンフック状態にすることができる。これにより、ユーザは、電話を切断することができる。以下では、通話中状態でオンフック状態にすることを「通話終了操作」と呼ぶ。
【0042】
表示部58は、様々な情報を表示することができる。ユーザは、スピーカ60とマイク62を利用して通話を行なうことができる。記憶部64は、デバイス側制御部52によって実行されるべきプログラムを記憶している。また、記憶部64は、デバイス側制御部52が処理を実行する過程で生成されるデータ等を記憶することができる。
【0043】
なお、内線網110を構成する多機能機本体120は、多機能機本体20と同様の構成を有する。多機能機本体120は、LAN回線102を介してインターネット104にアクセスすることができる。また、内線網110を構成する通話デバイス150,160は、通話デバイス50と同様の構成を有する。
【0044】
(メイン処理)
続いて、本体側制御部22が実行する処理の内容について説明する。まず、メイン処理の内容について説明する。図5は、メイン処理のフローチャートを示す。本体側制御部22は、通話準備操作が実行されることを監視している(S10)。例えば、通話デバイス50において通話開始操作が実行された場合、通話デバイス50は、自身のIDとユーザによって入力された電話識別情報(SIPURI)とを多機能機本体20に送信する。本体側制御部22は、通話デバイスIDとSIPURIとが受信された場合に、S10でYESと判断する。この場合、本体側制御部22は、TEL用INVITE送信処理を実行する(S12)。TEL用INVITE送信処理については、後で詳しく説明する。
【0045】
本体側制御部22は、FAX送信準備操作が実行されることを監視している(S14)。本体側制御部22は、多機能機本体20の操作部40にFAX送信準備操作が実行された場合に、S14でYESと判断する。この場合、本体側制御部22は、FAX用INVITE送信処理を実行する(S16)。FAX用INVITE送信処理については、後で詳しく説明する。
【0046】
本体側制御部22は、INVITEを受信することを監視している(S18)。例えば、内線網110のユーザは、内線網10のSIPURI(3つのSIPURIのいずれか)を通話デバイス150(又は160)に入力することによって、内線網10に電話をかけることができる。また、例えば、内線網110のユーザは、内線網10のSIPURIを多機能機本体120に入力することによって、リアルタイム方式のFAXを内線網10に送信することもできる。これらのいずれの場合でも、多機能機本体120からSIPサーバ106にINVITEが送信される。このINVITEは、送信元である内線網110のSIPURIと、送信先である内線網10のSIPURIとを含んでいる。SIPサーバ106は、INVITEを受信すると、INVITEを内線網10に転送する。この場合、本体側制御部22は、S18でYESと判断し、S20に進む。S20では、本体側制御部22は、S18で受信されたINVITEをINVITEキュー記憶領域32に記憶させる。
【0047】
本体側制御部22は、INVITEキュー記憶領域32の記憶内容を監視している(S22)。即ち、本体側制御部22は、INVITEキュー記憶領域32にINVITEが記憶されているのか否かを判断する。ここでYESの場合、本体側制御部22は、INVITE受信処理を実行する(S24)。INVITE受信処理については、後で詳しく説明する。
【0048】
本体側制御部22は、様々な通信終了条件を監視している(S26)。まず、本体側制御部22は、通話終了操作が実行されることを監視している。例えば、通話デバイス50において通話終了操作が実行された場合、通話デバイス50は、自身のIDと通話終了操作が実行されたことを示すコマンドとを多機能機本体20に送信する。本体側制御部22は、通話デバイスIDと上記のコマンドとが受信された場合に、S26でYESと判断する。また、本体側制御部22は、FAX送信が終了することを監視している。本体側制御部22は、後述するS16のFAX用INVITE送信処理において全てのFAXデータが送信された場合に、S26でYESと判断する。また、多機能機本体20では、1件の留守番電話の録音時間の上限が設定されている。以下では、この上限のことを「留守録時間」と呼ぶ。本体側制御部22は、留守録時間が経過した場合に、S26でYESと判断する。S26でTESの場合、本体側制御部22は、セッション切断処理(1)を実行する(S28)。セッション切断処理(1)については、後で詳しく説明する。
【0049】
本体側制御部22は、BYEを受信することを監視している(S30)。例えば、内線網10と内線網110との間で通話が行なわれている状態で内線網110において先に通話終了操作が実行された場合、多機能機本体120は、BYEをSIPサーバ106に送信する。また、例えば、内線網110から内線網10へのFAX送信が終了した場合も、多機能機本体120は、SIPサーバ106にBYEを送信する。また、例えば、内線網110からのINVITEに応じて留守番電話に接続され、上記の留守録時間が経過する前に内線網110において通話終了操作が実行された場合も、多機能機本体120は、BYEをSIPサーバ106に送信する。SIPサーバ106は、BYEを受信すると、BYEを内線網10に転送する。この場合、本体側制御部22は、S30でYESと判断すし、セッション切断処理(2)を実行する(S32)。セッション切断処理(2)については、後で詳しく説明する。
【0050】
(TEL用INVITE送信処理)
続いて、図5のS12で実行されるTEL用INVITE送信処理について説明する。図6は、TEL用INVITE送信処理のフローチャートを示す。本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を参照することによって、「未使用」のセッション状態202を有する組合せデータ220,222,224が存在するのか否かを判断する(S50)。ここでNOの場合、本体側制御部22は、図5のS10で通話準備操作が実行された通話デバイス(例えば通話デバイス50)に使用不可を示す情報を送信する(S52)。通話デバイス(デバイス側制御部52)は、上記の情報を表示部58に表示させる。ユーザは、電話をかけることができないことを知ることができる。
【0051】
一方において、S50でYESの場合、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を変更する(S54)。まず、本体側制御部22は、「未使用」のセッション状態202を有する1つの組合せデータ(例えば組合せデータ220)を特定する。以下では、S54で特定された組合せデータのことを「特定組合せデータ」と呼ぶ。次いで、本体側制御部22は、特定組合せデータのセッション状態202を「通話中」に変更する。本体側制御部22は、図5のS10で通話準備操作が実行された通話デバイスのIDを特定組合せデータの通話デバイスID206に書き込む。本体側制御部22は、図5のS10で実行された通話準備操作によって入力されたSIPURIを特定組合せデータの相手アドレス208に書き込む。
【0052】
次いで、本体側制御部22は、call−IDを作成する(S56)。本体側制御部22は、過去に作成されたいずれのcall−IDにも一致しないユニークなcall−IDを作成する。本体側制御部22は、作成されたcall−IDを特定組合せデータのcall−ID204に書き込む。続いて、本体側制御部22は、INVITEを送信する(S58)。このINVITEは、TEL用INVITEであることを示す識別子と、S56で作成されたcall−IDと、送信元である内線網10のSIPURI(特定組合せデータのSIPURI)と、送信先のSIPURIとを含んでいる。本実施例では、このINVITEの送信先が内線網110であるものとして以下の説明を続ける。INVITEは、SIPサーバ106によって内線網110(多機能機本体120)に転送される。内線網110のいずれかの通話デバイス150,160において通話開始操作が実行された場合、多機能機本体120は、INVITEに対するレスポンスとして200 OKを送信する。200 OKは、SIPサーバ106によって内線網10に転送される。多機能機本体20によって200 OKが受信される(S60)。
【0053】
なお、本実施例において「Xに対するレスポンスとしてYを送信する」と記載されている場合、Yは、Xに対するレスポンスであることを特定する情報と、Yの送信元(即ちXの送信先)の情報と、Yの送信先(即ちXの送信元)の情報とを含んでいることを意味する。例えば、上記の「INVITEに対するレスポンスとして200 OKを送信する」という記載の場合、200 OKは、INVITEに対するレスポンスであることを特定する情報と、200 OKの送信元である内線網110のSIPURIと、200 OKの送信先である内線網10のSIPURIとを含んでいる。
【0054】
続いて、本体側制御部22は、ACKを送信する(S62)。ACKは、SIPサーバ106によって内線網110に転送される。これにより、内線網10と内線網110との間でRTPが確立される(S64)。図5のS10で通話準備操作が実行された通話デバイスと、S58で送信されたINVITEに応じて通話開始操作が実行された通話デバイスとの間に、音声データ通信可能状態が構築される。S64を終えると、TEL用INVITE送信処理が終了する。なお、内線網10のユーザが先に通話終了操作を実行した場合、図5のS26でYESと判断され、後述するセッション切断処理(1)が実行される。一方において、内線網110のユーザが先に通話終了操作を実行した場合、図5のS30でYESと判断され、後述するセッション切断処理(2)が実行される。
【0055】
(FAX用INVITE送信処理)
続いて、図5のS16で実行されるFAX用INVITE送信処理について説明する。図7は、FAX用INVITE送信処理のフローチャートを示す。本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を参照することによって、「未使用」のセッション状態202を有する組合せデータ220,222,224が存在するのか否かを判断する(S80)。ここでNOの場合、本体側制御部22は、多機能機本体20の表示部42に使用不可を示す情報を表示させる(S82)。ユーザは、FAXを送信することができないことを知ることができる。
【0056】
一方において、S80でYESの場合、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を変更する(S84)。まず、本体側制御部22は、「未使用」のセッション状態202を有する1つの組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する。次いで、本体側制御部22は、特定組合せデータのセッション状態202を「FAX使用中」に変更する。また、本体側制御部22は、図5のS14で実行されたFAX送信準備操作によって入力されたSIPURIを特定組合せデータの相手アドレス208に書き込む。
【0057】
次いで、本体側制御部22は、call−IDを作成し、作成されたcall−IDを特定組合せデータのcall−ID204に書き込む(S86)。この処理は、図6のS56の処理と同様である。続いて、本体側制御部22は、INVITEを送信する(S88)。このINVITEは、FAX用INVITEであることを示す識別子と、S86で作成されたcall−IDと、送信元である内線網10のSIPURI(特定組合せデータのSIPURI)と、送信先のSIPURIとを含んでいる。なお、S90からS94の処理は、図6のS60からS64の処理と同様である。
【0058】
続いて、本体側制御部22は、スキャナ部44にスキャンすることを指示する(S62)。これにより、スキャナ部44は、原稿トレイ46に載置されている原稿をスキャンしてスキャンデータを作成する。本体側制御部22は、S94で確立されたRTPを利用してスキャンデータを送信する(S98)。S98を終えると、FAX用INVITE送信処理が終了する。なお、全てのスキャンデータが作成された場合、図5のS26でYESと判断され、後述するセッション切断処理(1)が実行される。
【0059】
(INVITE受信処理)
続いて、図5のS24で実行されるINVITE受信処理について説明する。図8及び図9は、INVITE受信処理のフローチャートを示す。本体側制御部22は、INVITEキュー記憶領域32に記憶されている1つのINVITEを特定する(S110)。以下では、S110で特定されたINVITEのことを「特定INVITE」と呼ぶ。次いで、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を参照することによって、「未使用」のセッション状態202を有する組合せデータ220,222,224が存在するのか否かを判断する(S112)。ここでNOの場合、本体側制御部22は、自動応答処理を実行する(S130)。自動応答処理については、後で詳しく説明する。
【0060】
一方において、S112でYESの場合、本体側制御部22は、特定INVITEがFAX用INVITEであるのか否かを判断する(S114)。本体側制御部22は、FAX用INVITEであることを示す識別子が特定INVITEに含まれている場合に、S114でYESと判断する。この場合、S116に進む。一方において、TEL用INVITEであることを示す識別子が特定INVITEに含まれている場合、本体側制御部22は、S114でNOと判断し、図9のS140に進む。
【0061】
S116では、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を変更する。まず、本体側制御部22は、「未使用」のセッション状態202を有する1つの組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する。次いで、本体側制御部22は、特定組合せデータのセッション状態202を「FAX使用中」に変更する。本体側制御部22は、特定INVITEに含まれる送信元のSIPURIを特定組合せデータの相手アドレス208に書き込む。また、本体側制御部22は、特定INVITEに含まれるcall−IDを特定組合せデータのcall−ID204に書き込む。
【0062】
続いて、本体側制御部22は、特定INVITEに対するレスポンスとして200 OKを送信する(S118)。200 OKは、SIPサーバ106によって特定INVITEの送信元に転送される。次いで、本体側制御部22は、INVITEキュー記憶領域32から特定INVITEを消去する(S120)。S118で200 OKが送信されると、それに応じてACKが返信される。多機能機本体20によってACKが受信される(S122)。この結果、特定INVITEの送信元と内線網10との間にRTPが確立される(S124)。
【0063】
特定INVITEの送信元は、S124で確立されたRTPを利用してFAXデータを送信する。多機能機本体20によってFAXデータが受信される(S126)。本体側制御部22は、FAXデータを印刷部48に印刷させる(S128)。これにより、INVITE受信処理が終了する。なお、特定INVITEの送信元は、全てのFAXデータを送信した後にBYEを送信する。多機能機本体20によってBYEが受信される。この場合、図5のS30でYESと判断され、後述するセッション切断処理(2)が実行される。
【0064】
続いて、図9のS140以降の処理について説明する。S140では、本体側制御部22は、通話要求通知指示を各通話デバイス50,70,80に送信する。この結果、各通話デバイス50,70,80(デバイス側制御部52)は、スピーカ60から音を出力する処理を実行する。これにより、ユーザは、通話要求(INVITE)を受信したことを知ることができる(即ち電話がかかってきたことを知ることができる)。次いで、本体側制御部22は、特定INVITEに対するレスポンスとして180 Ringingを送信する(S142)。180 Ringingは、SIPサーバ106によって特定INVITEの送信元に転送される。これにより、特定INVITEの送信元のユーザは、通話要求通知中(呼び出し中)であることを知ることができる。
【0065】
次いで、本体側制御部22は、多機能機本体20の操作部40のキー40aが操作されたのか否かを判断する(S144)。ユーザは、電話に出たくない場合(もしくは電話に出ることができない場合)、キー40aを操作することができる。この場合、S144でYESと判断され、図8のS130の自動応答処理に進む。また、本体側制御部22は、特定INVITEに応じて各通話デバイス50,70,80に通話要求通知指示を送信してから所定時間が経過したのか否かを判断する(S146)。なお、本体側制御部22は、特定INVITEが受信されてから所定時間が経過したのか否かを判断することによって、S146の処理を実行してもよい。S146でYESの場合、図8のS130の自動応答処理に進む。
【0066】
本体側制御部22は、通話開始操作が実行されたのか否かを判断する(S148)。ユーザは、通話要求通知が実行されている間に、いずれかの通話デバイス50,70,80において通話開始操作を実行することができる。通話開始操作が実行された通話デバイスは、自身の通話デバイスIDと通話開始操作が実行されたことを示すコマンドとを多機能機本体20に送信する。本体側制御部22は、通話デバイスIDと上記のコマンドとが多機能機本体20によって受信された場合に、S148でYESと判断し、S150に進む。
【0067】
S150では、本体側制御部22は、各通話デバイス50,70,80に通知終了指示を送信する。これにより、各通話デバイス50,70,80は、通話要求通知を終了する(リング音の出力を停止する)。なお、S152からS158の処理は、図8のS118からS124の処理と同様である。S158でRTPが確立されることにより、S148で通話開始操作が実行された通話デバイスと特定INVITEの送信元との間に、音声データ通信可能状態が構築される。
【0068】
続いて、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を変更する(S160)。まず、本体側制御部22は、「未使用」のセッション状態202を有する1つの組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する。次いで、本体側制御部22は、特定組合せデータのセッション状態202を「通話中」に変更する。本体側制御部22は、特定INVITEに含まれる送信元のSIPURIを特定組合せデータの相手アドレス208に書き込む。本体側制御部22は、S148で通話開始操作が実行された通話デバイスのIDを特定組合せデータの通話デバイスID206に書き込む。また、本体側制御部22は、特定INVITEに含まれるcall−IDを特定組合せデータのcall−ID204に書き込む。S160を終えると、INVITE受信処理が終了する。
【0069】
(自動応答処理)
続いて、図8のS130で実行される自動応答処理について説明する。図10及び図11は、自動応答処理のフローチャートを示す。まず、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を参照することによって、「未使用」のセッション状態202を有する組合せデータ220,222,224が存在するのか否かを判断する(S170)。図8のS112でNOと判断された結果として自動応答処理が実行される場合、S170でもNOと判断される。S170でNOの場合、図11のS200に進む。一方において、例えば、図9のS144やS146でYESと判断された結果として自動応答処理が実行される場合、S170でYESと判断される。S170でYESの場合、S172に進む。
【0070】
S172からS180の処理は、図9のS150からS158の処理と同様である。S180でRTPが確立されることにより、多機能機本体20と特定INVITEの送信元との間に、音声データ通信可能状態が構築される。続いて、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を変更する(S182)。まず、本体側制御部22は、「未使用」のセッション状態202を有する1つの組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する。次いで、本体側制御部22は、特定組合せデータのセッション状態202を「自動応答中」に変更する。本体側制御部22は、特定INVITEに含まれる送信元のSIPURIを特定組合せデータの相手アドレス208に書き込む。また、本体側制御部22は、特定INVITEに含まれるcall−IDを特定組合せデータのcall−ID204に書き込む。
【0071】
次いで、本体側制御部22は、S180で確立されたRTPを利用して、留守番電話記憶領域34に記憶されている留守録用音声データを送信する(S184)。これにより、特定INVITEの送信元のユーザは、留守番電話に接続されたことを知ることができる。特定INVITEの送信元のユーザは、メッセージを話すことができる。この留守録メッセージに対応する音声データが多機能機本体20によって受信される(S186)。本体側制御部22は、留守録メッセージを留守番電話記憶領域34に記憶させる(S188)。S188を終えると、自動応答処理が終了する。なお、特定INVITEの送信元のユーザは、留守録メッセージを話した後に通話終了操作を実行することができる。この場合、特定INVITEの送信元は、BYEを送信する。多機能機本体20によってBYEが受信される。この場合、図5のS30でYESと判断され、後述するセッション切断処理(2)が実行される。一方において、特定INVITEの送信元のユーザが上記の留守録時間を経過しても通話終了操作を実行しない場合、図5のS26でYESと判断され、後述するセッション切断処理(1)が実行される。
【0072】
なお、フローチャートには示していないが、内線網10のユーザは、多機能機本体20の操作部40の所定のキーを操作することによって、留守番電話記憶領域34に記憶されている留守録メッセージを出力するように多機能機本体20に指示することができる。本体側制御部22は、上記の所定のキーが操作されると、留守録メッセージを図示省略のスピーカから出力させる。内線網10のユーザは、留守録メッセージを聞くことができる。
【0073】
続いて、図11のS200以降の処理について説明する。S200では、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を参照することによって、「自動応答中」又は「FAX使用中」のセッション状態202を有する組合せデータ220,222,224が存在するのか否かを判断する。ここでNOの場合、本体側制御部22は、特定INVITEに対するレスポンスとして486 BusyHereを送信する(S202)。これにより、特定INVITEの送信元のユーザは、内線網10が通信中であることを理由として電話をかけることができないことを知ることができる。特定INVITEの送信元は、486 BusyHereに対するレスポンスとしてACKを送信する。多機能機本体20によってACKが受信される(S204)。続いて、本体側制御部22は、INVITEキュー記憶領域32から特定INVITEを消去する(S206)。S206を終えると、自動応答処理が終了する。
【0074】
一方において、S200でYESの場合、本体側制御部22は、特定INVITEに対するレスポンスとして180 Ringingを送信する(S208)。次いで、本体側制御部22は、様々な通信終了条件が成立することを監視する(S210)。即ち、本体側制御部22は、通話終了操作が実行されること、FAX送信が終了すること、及び、留守録時間が経過することを監視する。この処理は、図5のS26の処理と同様である。S210でYESの場合、後述するセッション切断処理(1)が実行される。
【0075】
また、本体側制御部22は、BYEを受信することを監視する(S214)。この処理は、図5のS30の処理と同様である。S214でYESの場合、後述するセッション切断処理(2)が実行される。S214でNOの場合、本体側制御部22は、S210に戻って、通信終了条件が成立することを監視する。即ち、本体側制御部22は、S210又はS214でYESと判断されるまで(確立されているいずれかのRTPが切断されるまで)、特定INVITEに対する実質的なレスポンス(200 OKや486 BusyHere)を送信するのを待機する。特定INVITEに対して486 BusyHereを送信することを禁止すると換言することもできる。
【0076】
S212又はS216のセッション切断処理が実行されると、本体側制御部22は、セッション切断処理において切断されたRTPが自動応答に利用されていたのか否かを判断する(S218)。ここでNOの場合、自動応答処理が終了する。この場合、自動応答処理においてINVITEキュー記憶領域32から特定INVITEが消去されない。このために、図8のINVITE受信処理が再び実行され、図8のS110で特定INVITEが再び特定される。上記の切断されたRTPが存在するために、図8のS112でYESと判断される。特定INVITEがFAX用INVITEである場合にはFAXデータが受信されて印刷され(図8のS126、S128)、特定INVITEがTEL用INVITEである場合には通話要求通知が実行される(図9のS140)。
【0077】
一方において、S218でYESの場合、本体側制御部22は、特定INVITEがFAX用INVITEであるのか否かを判断する(S220)。ここでYESの場合、図8のS116に進む。この結果、特定INVITEの送信元から送信されたFAXデータが受信されて印刷される(図8のS126、S128)。また、S220でNOの場合、図10のS174に進む。この結果、留守番電話に接続されることなる(図10のS184からS188)。このように、切断されたセッションが自動応答に利用されていた場合には、通話要求通知を実行しないまま、次の処理に移行する。一方で、通話終了操作によりセッションが切断された場合には、必要に応じて通話要求通知が実行される。即ち、通話開始操作が行なわれる可能性が高い場合には通話要求通知を行ない、通話開始操作が行なわれる可能性が低い場合には通話要求通知を行なわない。
【0078】
(セッション切断処理(1))
続いて、図5のS28及び図11のS212で実行されるセッション切断処理(1)について説明する。図12は、セッション切断処理(1)のフローチャートを示す。本体側制御部22は、セッション切断処理(1)のトリガがFAX送信終了であるのか否かを判断する(S240)。ここでYESの場合、本体側制御部22は、S240でYESと判断されたFAX送信に対応する組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する(S242)。次いで、本体側制御部22は、特定組合せデータの相手アドレス208のSIPURIを送信先としてBYEを送信する(S244)。BYEは、SIPサーバ106によって上記のSIPURIに転送される。この結果として、ACKが送信される。多機能機本体20によってACKが受信される(S246)。これにより、S240でYESと判断されたFAX送信に利用されたRTPが切断される(S248)。
【0079】
続いて、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を変更する(S250)。本体側制御部22は、特定組合せデータのセッション状態202を「FAX使用中」から「未使用」に変更する。本体側制御部22は、特定組合せデータのcall−ID204と通話デバイスID206と相手アドレス208を消去する。S250を終えると、セッション切断処理(1)が終了する。
【0080】
一方において、S240でNOの場合、本体側制御部22は、セッション切断処理(1)のトリガが通話終了操作であるのか否かを判断する(S252)。ここでYESの場合、本体側制御部22は、S252でYESと判断された通話終了処理が実行された通話デバイスIDが書き込まれている組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する(S254)。S254を終えると、S244に進む。これにより、通話に利用されたRTPが切断される(S248)。さらに、特定組合せデータのセッション状態202が「通話中」から「未使用」に変更され、call−ID204と通話デバイスID206と相手アドレス208が消去される(S250)。
【0081】
S252でNOの場合、セッション切断処理(1)のトリガが留守録時間の経過であることを意味する。この場合、本体側制御部22は、留守録時間が経過した自動応答に対応する組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する(S256)。S256を終えると、S244に進む。これにより、自動応答に利用されたRTPが切断される(S248)。さらに、特定組合せデータのセッション状態202が「自動応答中」から「未使用」に変更され、call−ID204と通話デバイスID206と相手アドレス208が消去される(S250)。
【0082】
(セッション切断処理(2))
続いて、図5のS32及び図11のS216で実行されるセッション切断処理(2)について説明する。図13は、セッション切断処理(2)のフローチャートを示す。本体側制御部22は、図5のS30又は図11のS214で受信されたBYEに含まれるcall−IDを有する組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する(S270)。次いで、本体側制御部22は、BYEに対するレスポンスとして200 OKを送信する。200 OKは、SIPサーバ106によってBYEの送信元に転送される。これにより、BYEの対象のRTPが切断される(S274)。
【0083】
続いて、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を変更する(S276)。本体側制御部22は、特定組合せデータのセッション状態202を「未使用」に変更する。本体側制御部22は、特定組合せデータのcall−ID204と通話デバイスID206と相手アドレス208を消去する。S276を終えると、セッション切断処理(2)が終了する。
【0084】
実施例のネットワークシステム2について詳しく説明した。内線網10は、3つを上限として複数のRTPを並列的に確立することができる。内線網10では、3つのRTPを並列的に確立している状況でINVITEが受信されると、自動応答又はFAX通信(送信又は受信)に利用されているRTPが存在するのか否かが判断される(図11のS200)。ここで肯定的な判断結果が得られると、直ちに486 BusyHereが送信されずに待機する。自動応答やFAX通信のような早期に切断されることが予測されるRTPが存在する場合に待機することにより、INVITEに応じることができる機会を増やすことができる。
【0085】
また、上記の実施例では、図11のS200でYESと判断されて待機している間にRTPが切断されると、そのRTPが自動応答に利用されたものであるのか否かが判断される(図11のS218)。ここで否定的な判断結果が得られると、通話要求通知が実行される(図9のS140)。ユーザがINVITEに応じることができる可能性が高い状況において、INVITEが受信されたことをユーザに通知することができる。
【0086】
また、上記の実施例では、各SIPURIに対応するセッション状態が記憶されるために(図3参照)、RTPが確立されているSIPURIが存在するのか否かを正確に判断することができる。また、自動応答中又はFAX通信中のRTPが存在するのか否かを正確に特定することができる。
【0087】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0088】
(1)上記の実施例では、内線網10を構成する全ての通話デバイス50,70,80がコードレスタイプである。しかしながら、多機能機本体20に有線で接続されている通話デバイス(以下では有線タイプ通話デバイスと呼ぶ)が付加されてもよい。「有線タイプ通話デバイスが通話要求通知を実行する」とは、例えば、多機能機本体20に設けられているスピーカからリング音を出力することを意味する。これを実現するために、本体側制御部22は、多機能機本体20に設けられているスピーカから上記の音が出力されるように音出力回路に通話要求通知指示を送信してもよい。これらの構成を採用する場合、「有線タイプ通話デバイスに通話要求通知指示を送信する」という用語は、上記の音出力回路に通話要求通知指示を送信することを意味している。即ち、上記の音出力回路は、有線タイプ通話デバイスを構成する一つの要素として考えることができる。
【0089】
(2)上記の実施例では、内線網10に3つのSIPURIが割り当てられている。しかしながら、内線網10には、1つのSIPURIのみが割り当てられてもよいし、2つのSIPURIが割り当てられてもよいし、4つ以上のSIPURIが割り当てられてもよい。
【0090】
(3)また、上記の実施例では、インターネット104を利用して電話通信やFAX通信を行なう。しかしながら、内線網10は、一般公衆回線網(PSTNやISDN)を利用して通信を行なうものであってもよい。また、内線網10は、インターネット104と一般公衆回線網の両方を利用して通信を行なうものであってもよい。
【0091】
(4)上記の留守番電話記憶領域34に記憶されている留守録用音声データは、デフォルトの音声データである。しかしながら、内線網10のユーザのメッセージを留守録用音声データとして留守番電話記憶領域34に記憶させてもよい。
【0092】
(5)自動応答は、録音機能を有していなくてもよい。即ち、内線網10は、自動応答に接続された場合に音声メッセージを送信し、音声メッセージを送信し終えるとRTPを切断(BYEの送信)してもよい。この場合も、「自動応答中」というセッション状態202(図3参照)を利用することができる。
【0093】
(6)上記の実施例では、通話要求通知が実行されてから所定時間が経過すると(図9のS146でYES)、自動応答処理を実行する。しかしながら、自動応答機能がONされている場合、通話要求通知を実行せずに直ちに自動応答処理を実行してもよい。
【0094】
(7)また、上記の内線網10は、FAX通信機能を有していなくてもよい。この場合、図11のS200では、自動応答中のRTPが存在するのか否かが判断される。また、上記の内線網10は、自動応答機能を有していなくてもよい。この場合、図11のS200では、FAX通信中のRTPが存在するのか否かが判断される。また、図11のS200の判断の対象となる他のステータスを新たに付加してもよい。
【0095】
(8)上記の実施例では、図11のS200でYESと判断された場合には、いずれかのRTPが切断されるまで待機する。しかしながら、図11のS200でYESと判断されてから所定時間が経過してもRTPが切断されない場合、特定INVITEに対するレスポンスとして486 BusyHereを送信するようにしてもよい。
【0096】
(9)上記の実施例では、留守録時間(1回の留守番電話における録音時間の上限)が設定されている。しかしながら、留守録時間が設定されていなくてもよい。この場合、図5のS26及び図11のS210では、留守録時間が経過することを監視しなくてもよい。
【0097】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】ネットワークシステムの構成の一例を示す。
【図2】多機能機本体の構成の一例を示す。
【図3】セッションテーブル記憶領域の記憶内容の一例を示す。
【図4】通話デバイスの構成の一例を示す。
【図5】メイン処理のフローチャートを示す。
【図6】TEL用INVITE送信処理のフローチャートを示す。
【図7】FAX用INVITE送信処理のフローチャートを示す。
【図8】INVITE受信処理のフローチャートを示す。
【図9】図8の続きのフローチャートを示す。
【図10】自動応答処理のフローチャートを示す。
【図11】図10の続きのフローチャートを示す。
【図12】セッション切断処理(1)のフローチャートを示す。
【図13】セッション切断処理(2)のフローチャートを示す。
【符号の説明】
【0099】
2:ネットワークシステム
10,110:内線網
20:多機能機本体
22:本体側制御部
24:無線通信インターフェイス
26:ネットワークインターフェイス
28:記憶部
30:セッションテーブル記憶領域
32:INVITEキュー記憶領域
34:留守番電話記憶領域
36:プログラム記憶領域
40:操作部
42:表示部
44:スキャナ部
46:原稿トレイ
48:印刷部
50,70,80:通話デバイス
104:インターネット
106:SIPサーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、一般公衆回線網を利用して電話通信することが可能である電話装置が開示されている。特許文献1の電話装置は、2回線を利用して並列的に通信(電話及び/又はファクシミリ)を行なうことができる。この電話装置は、2回線の両方で通信が行なわれている状況で通話要求を受信すると、RELCOMPを返信する。これにより、通話要求の送信元のユーザは、電話通信を行なうことができないことを知ることができる。また、この電話装置は、留守モードに設定されている状態で通話要求を受信すると、予め設定されている音声データを通話要求の送信元に送信し、留守番電話にメッセージを残すように促す。
【0003】
【特許文献1】特開2001−24813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電話装置や多機能機では、電話やファクシミリ等のデータ通信が行なわれている間に通話要求を受信しても、その通話要求に応じることができないために、否定的レスポンス(上記の例ではRELCOMP)を送信する。本明細書では、通話要求に応じることができる機会を増やすことができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
通話要求を受信した際に確立されているデータ通信用セッションが早期に切断される可能性がある。このような事象が発生することが予想される場合、通話要求に対する否定的レスポンスを送信しないで待機することが好ましい。通話要求に応じることができる機会が増えるからである。本明細書によって開示される技術は、このような知見に鑑みて創作されたものであり、以下の構成を備える。
【0006】
本明細書によって開示される電話装置は、所定数を上限としてデータ通信用セッションを確立することが可能である。上記の「所定数」は、1でもよいし、2以上の数値であってもよい。「所定数」が2以上の場合、2以上の所定数を上限として複数のデータ通信用セッションを並列的に確立することが可能である電話装置と言い換えることができる。なお、この電話装置は、一般公衆回線網(PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Services Digital Network))を利用して電話通信を行なうものであってもよいし、IP網を利用して電話通信を行なうものであってもよい。即ち、電話装置は、一般電話であってもよいし、IP電話であってもよい。また、電話装置は、一般公衆回線網とIP網の両方を利用して電話通信を行なうものであってもよい。なお、電話装置は、電話通信機能のみを有するものであってもよいし、電話通信機能と他の機能(例えばファクシミリ通信機能)を有する多機能機であってもよい。この電話装置は、通話要求受信手段と、操作手段と、第1肯定的レスポンス送信手段と、音声データ記憶手段と、第2肯定的レスポンス送信手段と、音声データ送信手段と、第1判断手段と、否定的レスポンス送信手段と、送信待機手段とを備える。
【0007】
通話要求受信手段は、通話要求を受信する。操作手段は、ユーザが操作することを許容する。操作手段は、1つの装置(例えば親機)によって構成されていてもよいし、複数の装置(例えば親機と子機)によって構成されていてもよい。第1肯定的レスポンス送信手段は、通話要求受信手段によって第1通話要求が受信されたことに応じて操作手段に通話開始操作が実行されたことを条件として、当該第1通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する。上記の「通話開始操作」という用語は、最も広義に解釈されるべきものであり、通話を開始するためのあらゆる操作を含む概念である。「通話開始操作」の例として、フックキーを操作すること、通話開始キーを操作すること、受話器を持ち上げてフックキーをオフフック状態にすること等を挙げることができる。最後の例では、「受話器とフックキー」が操作手段に相当することになる。第1通話要求に対する肯定的レスポンスが送信された結果としてデータ通信用セッションが確立される。これにより、第1通話要求の送信元のユーザと通話開始操作を実行したユーザとの間で通話することが可能になる。
【0008】
音声データ記憶手段は、音声データを記憶する。なお、音声データ記憶手段に記憶される音声データは、デフォルトとして設定されている音声データであってもよいし、ユーザによって入力された音声データであってもよい。第2肯定的レスポンス送信手段は、通話要求受信手段によって第2通話要求が受信されたことに応じて操作手段に通話開始操作が実行されずに所定条件が成立したことを条件として、当該第2通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する。音声データ送信手段は、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションを利用して、音声データ記憶手段に記憶されている音声データを上記の第2通話要求の送信元に送信する。これにより、自動応答機能(応答メッセージ送信機能、留守番電話の録音機能等)が実行されることになる。即ち、上記の「所定条件」は、自動応答機能を実行するためのトリガとなる条件であると言い換えることもできる。上記の「所定条件」として、様々な例を挙げることができる。例えば、留守番電話の録音機能がONされていること、録音機能はないが応答メッセージのみを返信する機能がONされていること、通話要求を受信してから所定時間が経過したこと、ユーザが通話開始操作以外の所定の操作を電話装置に加えること等を挙げることができる。
【0009】
第1判断手段は、通話要求受信手段によって第3通話要求が受信され、かつ、上記の所定数のデータ通信用セッションが確立されている状態であることを条件として、上記の所定数のデータ通信用セッションの中に、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する。即ち、第1判断手段は、自動応答に利用されているデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する。否定的レスポンス送信手段は、第1判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、上記の第3通話要求に対する否定的レスポンスを送信する。これにより、第3通話要求の送信元のユーザは、電話通信を行なうことができないことを知ることができる。送信待機手段は、第1判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、上記の第3通話要求に対する否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信するのを待機する。なお、送信待機手段は、他のレスポンスを送信するのを待機してもよいし、そうでなくてもよい。
【0010】
なお、上記の「第1判断手段によって否定的に判断されたことを条件として」という用語、及び/又は、「第1判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として」という用語は、他の条件が加わることを排除するものではない。例えば、否定的レスポンス送信手段は、第1判断手段によって否定的に判断され、かつ、ファクシミリ通信に利用されているデータ通信用セッションが存在しないことを条件として、上記の第3通話要求に対する否定的レスポンスを送信してもよい。また、例えば、送信待機手段は、第1判断手段によって肯定的に判断されたこと、又は、ファクシミリ通信に利用されているデータ通信用セッションが存在することを条件として、上記の第3通話要求に対する否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信するのを待機してもよい。
【0011】
なお、上記の「待機する」とは、「否定的レスポンス送信手段が否定的レスポンスを送信する」という構成に対する対極的な意味を持つ用語であり、最も広義には以下のように解釈される。即ち、第1判断手段によって否定的に判断されてから否定的レスポンス送信手段が否定的レスポンスを送信するまでの時間が第1時間であるとすると、第1判断手段によって肯定的に判断されてから上記の第1時間が経過するまでの間に否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信しないことを意味する。送信待機手段がいつまで待機するのかは特に限定されない。例えば、送信待機手段は、データ通信用セッションが切断されるまで待機してもよいし、データ通信用セッションが切断されてから操作手段に通話開始操作が実行されるまで待機してもよいし、データ通信用セッションが切断されるまで待機しなくてもよい。この最後の例では、送信待機手段は、通話要求が受信されてから所定時間が経過するまで待機してもよいし(即ち所定時間が経過すると否定的レスポンスを送信してもよい)、通話要求の送信元が通話終了操作を実行するまで待機してもよい。
【0012】
上記の電話装置は、データ通信用セッションを確立しているために他のデータ通信セッションを確立することができない状況で通話要求が受信されると、自動応答に利用されているデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する。ここで肯定的な判断結果が得られると、電話装置は、直ちに否定的レスポンスを送信するということを行なわずに待機する。自動応答が行なわれているデータ通信用セッションは、ユーザ間で通話が行なわれているデータ通信セッションと比べると、早期に切断される可能性が高い。早期に切断されることが予測されるデータ通信用セッションが存在する場合に待機することにより、通話要求に応じることができる機会を増やすことができる。
【0013】
電話装置は、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションを、そのデータ通信用セッションが確立されてから予め設定されている所定時間が経過した時に切断するセッション切断手段をさらに備えていてもよい。例えば、留守番電話の録音時間を一定時間に設定し、その一定時間が経過するとデータ通信用セッションを切断するようにしてもよい。また、例えば、音声データ送信手段が全ての音声データを送信すると、データ通信用セッションを切断するようにしてもよい。いずれの場合でも、「データ通信用セッションが確立されてから予め設定されている所定時間が経過した時に切断する」ことに等しい。この構成によると、自動応答に利用されているデータ通信用セッションが所定時間で確実に切断されることが保証される。
【0014】
送信待機手段は、データ通信用セッションが切断されるまで待機してもよい。なお、この記載は、データ通信用セッションが切断された後も送信待機手段が待機することを排除するものではない。電話装置は、送信待機手段が待機している間にデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、上記の第3通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する第3肯定的レスポンス送信手段をさらに備えていてもよい。なお、「送信待機手段が待機している間にデータ通信用セッションが切断されたことを条件として」という用語は、他の条件が加わることを排除するものではない。例えば、第3肯定的レスポンス送信手段は、送信待機手段が待機している間にデータ通信用セッションが切断され、かつ、操作手段に通話開始操作が実行されたことを条件として、上記の第3通話要求に対する肯定的レスポンスを送信してもよい。また、例えば、第3肯定的レスポンス送信手段は、送信待機手段が待機している間にデータ通信用セッションが切断され、かつ、自動応答機能がONされていることを条件として、上記の第3通話要求に対する肯定的レスポンスを送信してもよい。
【0015】
自動応答が行なわれているということは、通話要求に応じることができるユーザが存在しない可能性が高い。このために、送信待機手段が待機している間に自動応答に利用されているデータ通信用セッションが切断されても、ユーザが通話要求に応じることができない可能性が高い。これに対し、送信待機手段が待機している間に自動応答以外のデータ通信(例えば通話やファクシミリ通信)に利用されているデータ通信用セッションが切断された場合、ユーザが通話要求に応じることができる可能性が高い。これらの知見に鑑みて、以下の構成を採用してもよい。即ち、電話装置は、第2判断手段と通話要求通知手段とをさらに備えていてもよい。第2判断手段は、送信待機手段が待機している間にデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、切断されたデータ通信用セッションが、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションであるのか否かを判断する。通話要求通知手段は、第2判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、上記の第3通話要求に応じて通話要求通知を実行する。なお、「第2判断手段によって否定的に切断されたことを条件として」という用語は、他の条件が加わることを排除するものではない。例えば、通話要求通知手段は、第2判断手段によって否定的に判断され、かつ、上記の第3通話要求がファクシミリ送信要求でないことを条件として、上記の第3通話要求に応じて通話要求通知を実行してもよい。この構成によると、送信待機手段が待機している間に自動応答以外のデータ通信に利用されているデータ通信用セッションが切断された場合に、通話要求通知が実行される。ユーザが通話要求に応じることができる可能性が高い状況において、通話要求が受信されたことをユーザに通知することができる。なお、「通話要求通知」という用語は、最も広義に解釈されるべきものであり、通話要求が受信されたことをユーザに通知することが可能である様々な手法を含む概念である。例えば、「通話要求通知」の一例として、音を出力すること(鳴動させること)、振動させること、所定の表示を行なうこと、ランプの挙動を変えること等を挙げることができる。
【0016】
なお、電話装置は、上記の第2判断手段によって肯定的に判断された場合に、以下のように動作してもよい。即ち、電話装置は、上記の第2判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、上記の第3通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する所定の肯定的レスポンス送信手段をさらに備えていてもよい。この場合、音声データ送信手段は、上記の所定の肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションを利用して、音声データ記憶手段に記憶されている音声データを送信してもよい。この構成によると、送信待機手段が待機している間に自動応答に利用されているデータ通信用セッションが切断された場合に、自動応答を利用して通話要求に応じることができる。
【0017】
電話装置は、自身の1つのデータ通信用識別情報(例えばIP網のURI)を利用して1つのデータ通信用セッションを確立することが可能であってもよい。なお、この記載は、電話装置に複数のデータ通信用識別情報が設定されることを排除するものではない。電話装置は、自身のデータ通信用識別情報に対応するステータスを記憶する第1ステータス記憶手段をさらに備えていてもよい。この場合、第1ステータス記憶手段は、所定のステータスが記憶されている状態で第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信されたことを条件として、上記の所定のステータスと異なる第1ステータスを記憶してもよい。また、第1ステータス記憶手段は、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、第1ステータスと異なるステータスを記憶してもよい。この「異なるステータス」は、上記の所定のステータスと同じであってもよいし、そうでなくてもよい。前者の場合、例えば、第1ステータス記憶手段は、上記の所定のステータス(上記の異なるステータス)として「0」を記憶し、上記の第1ステータスとして「1」を記憶してもよい。即ち、第1ステータス記憶手段は、フラグのON/OFFを切換えることによってステータスを記憶してもよい。第1判断手段は、第1ステータス記憶手段に第1ステータスが記憶されているのか否かを判断することによって、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信セッションが存在するのか否かを判断してもよい。この構成によると、自動応答に利用されているデータ通信用セッションが存在するのか否かを正確に特定することができる。
【0018】
上述したように、第1ステータス記憶手段は、自動応答中のステータス(第1ステータス)と自動応答中でないステータスとを記憶すれば足りる。しかしながら、第1ステータス記憶手段は、データ通信用識別情報に対応するステータスをより細分化して記憶してもよい。例えば、以下の構成を採用してもよい。即ち、第1ステータス記憶手段は、上記の所定のステータスが記憶されている状態で第1肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信されたことを条件として、上記の所定のステータスと異なるとともに第1ステータスと異なる第2ステータスを記憶してもよい。第1ステータス記憶手段は、第1肯定的レスポンス送信手段又は第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、上記の所定のステータスを記憶してもよい。
【0019】
また、電話装置は、操作手段に通話準備操作が実行されたことを条件として、通話要求を送信する通話要求送信手段をさらに備えていてもよい。なお、「通話準備操作」という用語は、ユーザが通話することを望む相手の電話識別情報(例えばデータ通信用識別情報)を特定するための操作を意味している。「通話準備操作」の例として、電話識別情報を入力すること、いわゆる短縮ダイヤルを入力すること、予め記憶されている複数の電話識別情報の中から1つの電話識別情報を選択すること等を挙げることができる。この場合、第1ステータス記憶手段は、上記の所定のステータスが記憶されている状態で操作手段に通話準備操作が実行されたことを条件として、上記の所定のステータスと異なるとともに第1ステータスと異なる第3ステータスを記憶してもよい。なお、この「第3ステータス」は、第2ステータスと同じであってもよいし、そうでなくてもよい。第1ステータス記憶手段は、通話要求送信手段によって通話要求が送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、上記の所定のステータスを記憶してもよい。なお、データ通信用識別情報に対応するステータスを細分化して記憶する場合、電話装置は、第1ステータス記憶手段の記憶内容に基づいて、データ通信用セッションが確立されているのか否かを判断してもよい。
【0020】
上述したように、電話装置には1つのデータ通信用識別情報のみが設定されていてもよいし、複数のデータ通信用識別情報が設定されていてもよい。後者の場合、電話装置は、自身の複数のデータ通信用識別情報を利用して、2以上の所定数を上限として複数のデータ通信用セッションを並列的に確立することが可能である。この構成によると、並列的に確立することができるデータ通信用セッションの数が多くなるために、通話要求に応じることができる機会を増やすことができる。
【0021】
複数のデータ通信用識別情報が設定されていている場合、電話装置は、自身の複数のデータ通信用識別情報のそれぞれについて、当該データ通信用識別情報とステータスとを対応づけて記憶する第2ステータス記憶手段をさらに備えていてもよい。第2肯定的レスポンス送信手段は、自身のデータ通信用識別情報を含む肯定的レスポンスを送信してもよい。この結果、肯定的レスポンスに含まれるデータ通信用識別情報を利用してデータ通信用セッションを確立することができる。第2ステータス記憶手段は、所定のステータスが記憶されている状態で第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信されたことを条件として、当該肯定的レスポンスに含まれるデータ通信用識別情報に対応づけて、上記の所定のステータスと異なる第1ステータスを記憶してもよい。第2ステータス記憶手段は、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、当該肯定的レスポンスに含まれるデータ通信用識別情報に対応づけて、第1ステータスと異なるステータスを記憶してもよい。この「異なるステータス」は、上記の所定のステータスと同じであってもよいし、そうでなくてもよい。この構成によると、複数のデータ通信用識別情報が設定されていている場合でも、自動応答に利用されているデータ通信用セッションが存在するのか否かを正確に特定することができる。
【0022】
電話装置は、ファクシミリ送信要求受信手段と、第4肯定的レスポンス送信手段と、ファクシミリ送信要求送信手段と、第3判断手段とをさらに備えていてもよい。ファクシミリ送信要求受信手段は、ファクシミリ送信要求を受信する。なお、ファクシミリ送信要求は、通話要求と同じタイプのコマンドであってもよいし、異なるタイプのコマンドであってもよい。なお、前者の場合、電話とファクシミリを区別する識別子がコマンドの中に含まれていてもよい。第4肯定的レスポンス送信手段は、ファクシミリ送信要求受信手段によってファクシミリ送信要求が受信されたことを条件として、当該ファクシミリ送信要求に対する肯定的レスポンスを送信する。ファクシミリ送信要求送信手段は、操作手段にファクシミリ送信準備操作が実行されたことを条件として、ファクシミリ送信要求を送信する。なお、「ファクシミリ送信準備操作」という用語は、ユーザがファクシミリの送信先のファクシミリ識別情報(例えばデータ通信用識別情報)を特定するためのあらゆる操作を含む概念である。「ファクシミリ送信準備操作」の例として、ファクシミリ識別情報を入力すること、いわゆる短縮ダイヤルを入力すること、予め記憶されている複数のファクシミリ識別情報の中から1つのファクシミリ識別情報を選択すること等を挙げることができる。なお、上述したように、上記の操作手段は、複数の装置(例えば親機と子機)によって構成されていてもよい。例えば、子機の操作部に通話開始操作や通話準備操作が実行され、親機の操作部にファクシミリ送信準備操作が実行されてもよい。
【0023】
第3判断手段は、通話要求受信手段によって上記の第3通話要求が受信され、かつ、上記の所定数のデータ通信用セッションが確立されている状態であることを条件として、上記の所定数のデータ通信用セッションの中に、第4肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッション、又は、ファクシミリ送信要求送信手段によってファクシミリ送信要求が送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する。否定的レスポンス送信手段は、第1判断手段によって否定的に判断され、かつ、第3判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、上記の第3通話要求に対する否定的レスポンスを送信する。送信待機手段は、第3判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、上記の第3通話要求に対する否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信するのを待機する。
【0024】
上記の構成では、データ通信用セッションを確立しているために他のデータ通信セッションを確立することができない状況で通話要求が受信されると、ファクシミリ通信(送信又は受信)に利用されているデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する。ここで肯定的な判断結果が得られると、電話装置は、直ちに否定的レスポンスを送信するということを行なわずに待機する。ファクシミリ通信に利用されているデータ通信用セッションは、比較的に早期に切断される可能性が高い。早期に切断されることが予測されるデータ通信用セッションが存在する場合に待機することにより、通話要求に応じることができる機会を増やすことができる。
【0025】
なお、上記の電話装置は、他のデータ通信セッションを確立することができない状況で通話要求が受信された場合に、比較的に早期に切断されることが予測されるデータ通信用セッションが存在することを条件として待機するという新規な技術的特徴を有する。同じ技術的特徴を有する以下の電話装置も有用である。即ち、この電話装置は、通話要求受信手段と、操作手段と、通話要求肯定的レスポンス送信手段と、ファクシミリ送信要求受信手段と、ファクシミリ送信要求肯定的レスポンス送信手段と、ファクシミリ送信要求送信手段と、判断手段と、否定的レスポンス送信手段と、送信待機手段とを備える。
【0026】
通話要求受信手段は、通話要求を受信する。操作手段は、ユーザが操作することを許容する。通話要求肯定的レスポンス送信手段は、通話要求受信手段によって第1通話要求が受信されたことに応じて操作手段に通話開始操作が実行されたことを条件として、当該第1通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する。ファクシミリ送信要求受信手段は、ファクシミリ送信要求を受信する。ファクシミリ送信要求肯定的レスポンス送信手段は、ファクシミリ送信要求受信手段によってファクシミリ送信要求が受信されたことを条件として、当該ファクシミリ送信要求に対する肯定的レスポンスを送信する。ファクシミリ送信要求送信手段は、操作手段にファクシミリ送信準備操作が実行されたことを条件として、ファクシミリ送信要求を送信する。判断手段は、通話要求受信手段によって第2通話要求が受信され、かつ、上記の所定数のデータ通信用セッションが確立されている状態であることを条件として、上記の所定数のデータ通信用セッションの中に、ファクシミリ送信要求肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッション、又は、ファクシミリ送信要求送信手段によってファクシミリ送信要求が送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する。否定的レスポンス送信手段は、判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、第2通話要求に対する否定的レスポンスを送信する。送信待機手段は、判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、上記の第2通話要求に対する否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信するのを待機する。
【0027】
なお、上記の「判断手段によって否定的に判断されたことを条件として」という用語、及び/又は、「判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として」という用語は、他の条件が加わることを排除するものではない。上記の電話装置によると、早期に切断されることが予測されるデータ通信用セッションが存在する場合に待機することにより、通話要求に応じることができる機会を増やすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
ここでは、以下の実施例に記載の技術の特徴の一部をまとめておく。
(形態1)電話装置は、IP網を利用して電話通信を行なってもよい。
(形態2)電話装置は、SIP(Session Initiation Protocol)を利用して電話通信を行なってもよい。他のプロトコルが利用されてもよい。例えば、「H.323」、「MGCP(Media Gateway Control Protocol)」、「H.248/MEGACO(Media Gateway Control)」等が利用されてもよい。
(形態3)形態2の場合、通話要求は、INVITEコマンドであってもよい。また、ファクシミリ送信要求は、INVITEコマンドであってもよい。通話要求に対する肯定的レスポンスは、200 OKであってもよい。通話要求に対する否定的レスポンスは、486 BusyHereであってもよい。
(形態4)形態2の場合、データ通信用セッションは、RTP(Real−time Transport Protocol)であってもよい。RTPは、リアルタイム式データ通信プロトコルと換言することもできる。
【実施例】
【0029】
図面を参照して実施例を説明する。図1は、本実施例のネットワークシステム2を示す。ネットワークシステム2は、複数の内線網10,110とインターネット104とSIPサーバ106等を備える。図1では2つの内線網10,110しか示されていないが、実際には多数の内線網が存在する。
【0030】
内線網10には、複数のSIPURIが割り当てられている。内線網10は、多機能機本体20と複数の通話デバイス50,70,80を有する。なお、各通話デバイス50,70,80に個別にSIPURIが振り当てられているのではなく、内線網10を単位として複数のSIPURIが振り当てられている。多機能機本体20は、インターネット104(IP網)に接続されている。内線網10を構成する各通話デバイス50,70,80は、インターネット104を利用して電話通信を行なうことが可能である。即ち、内線網10はIP電話として機能する。また、多機能機本体20は、インターネット104を利用してリアルタイム方式のFAX通信(伝送手順として「T.30」、「T.38」等を利用する)を行なうことが可能である。即ち、内線網10はFAX機としても機能する。
【0031】
また、内線網110にも、複数のSIPURIが割り当てられている。内線網110は、多機能機本体120と複数の通話デバイス150,160を有する。多機能機本体120は、インターネット104に接続されている。内線網110を構成する各通話デバイス150,160は、インターネット104を利用して電話通信を行なうことが可能である。即ち、内線網110はIP電話として機能する。また、多機能機本体120は、インターネット104を利用してリアルタイム方式のFAX通信を行なうことが可能である。即ち、内線網110はFAX機としても機能する。
【0032】
SIPサーバ106は、各内線網10,110のSIPURI(即ち各内線網10,110の電話識別情報)を記憶している。SIPサーバ106は、インターネット104に接続されている。SIPサーバ106は、SIPを利用して各内線網10,110の間の電話通信及びファクシミリ通信を制御する。即ち、内線網10と内線網110の間で電話通信及びファクシミリ通信のための通信される各種コマンドは、SIPサーバ106を経由して送信される。
【0033】
(多機能機本体の構成)
多機能機本体20の構成について説明する。多機能機本体20は、各通話デバイス50,70,80の電話通信を統括的に制御する。即ち、各通話デバイス50,70,80は、多機能機本体20を介して内線網10の外部と電話通信を行なうことができる。図2は、多機能機本体20の構成を示す。多機能機本体20は、本体側制御部22と無線通信インターフェイス24とネットワークインターフェイス26と記憶部28と操作部40と表示部42とスキャナ部44と原稿トレイ46と印刷部48等を有する。本体側制御部22は、記憶部28に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。本体側制御部22が実行する処理の内容については、後で詳しく説明する。無線通信インターフェイス24は、各通話デバイス50,70,80と無線通信するためのインターフェイスである。ネットワークインターフェイス26には、LAN回線100が接続されている。LAN回線100は、インターネット104に接続されている。多機能機本体20は、ネットワークインターフェイス26とLAN回線100を介してインターネット104にアクセスすることができる。
【0034】
記憶部28は、ROM、EEPROM、RAM等によって構成されている。記憶部28は、セッションテーブル記憶領域30とINVITEキュー記憶領域32と留守番電話記憶領域34とプログラム記憶領域36とその他の記憶領域38等を有する。
【0035】
セッションテーブル記憶領域30は、SIPURIに対応するデータ通信用セッション(RTP)のステータスを記憶する。SIPでは、1つのSIPURIを利用して1つのRTPを確立することができる。本実施例の内線網10には、3つのSIPURIが割り当てられている。従って、内線網10は、3つのSIPURIを利用して3つのRTPを並列的に確立することができる。
【0036】
図3は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容の一例を示す。セッションテーブル記憶領域30は、複数の組合せデータ220,222,224を記憶することができる。各組合せデータ220,222,224は、SIPURI200と、セッション状態202と、call−ID204と、通話デバイスID206と、相手アドレス208とが対応づけられたものである。上述したように、本実施例の内線網10には、3つのSIPURIが割り当てられている。このために、セッションテーブル記憶領域30は、3つのSIPURIのそれぞれに対応する組合せデータ220,222,224を記憶している。セッション状態202は、SIPURIに対応するRTPのステータスを示す。本実施例では、セッション状態202として、「未使用」、「通話中」、「自動応答中」、及び、「FAX使用中」の4つのステータスが採用されている。call−ID204は、1つのRTPを確立して切断するまでに通信される様々なデータに付与されるIDである。例えば、RTPを確立するためには、INVITE、200 OK、及び、ACKが通信される。これらの各コマンドに1つのcall−IDが付与される。また、RTPを切断するためには、BYE及び200 OKが通信される。これらの各コマンドにも同じcall−IDが付与される。通話デバイスID206は、通話中の通話デバイス50,70,80を特定するIDである。相手アドレス208は、通信相手のSIPURIである。本体側制御部22は、各SIPURIに対応するステータスを監視している。初期状態では、各SIPURIに対応するセッション状態202は「未使用」である。電話通信やFAX通信が行なわれることによってセッション状態202が変更される。また、初期状態では、各SIPURIに対応する情報204,206,208に何も書き込まれていない。電話通信やFAX通信が行なわれることによって情報204,206,208が変更される。セッションテーブル記憶領域30にどのようにして情報が記憶されるのかについては、後で詳しく説明する。
【0037】
INVITEキュー記憶領域32は、多機能機本体20によって受信されたINVITE(具体的に言うとINVITEに含まれる各種データ)を記憶する。留守番電話記憶領域34は、自動応答(留守番電話)に移行する際にINVITEの送信元に送信される音声データを記憶している。この音声データは、留守番電話にメッセージを残すことを促す音声データを含んでいる。本実施例では、この音声データは、デフォルトとして設定されているデータである。以下では、この音声データのことを「留守録用音声データ」と呼ぶ。また、留守番電話記憶領域34は、INVITEの送信元から送信される音声データ(メッセージ)を記憶することができる。以下では、この音声データのことを「留守録メッセージ」と呼ぶ。プログラム記憶領域36は、本体側制御部22によって実行されるべきプログラムを記憶している。例えば、プログラム記憶領域36は、SIPを利用して通信を行なうためのプログラムを記憶している。記憶領域38は、上記の各記憶領域30,32,34,36に記憶されるべき情報以外の情報を記憶することができる。
【0038】
操作部40は、複数のキーを有する。ユーザは、操作部40を操作することによって、様々な情報を多機能機本体20に入力することができる。図1では、操作部40に含まれる1つのキー40aが図示されている。ユーザは、電話がかかってきている状態(後述する通話要求通知が実行されている状態)でキー40aを操作することによって、電話に出ないことを選択することができる。この点については、後で詳しく説明する。また、ユーザは、FAXを送信する際に操作部40の所定のキーを操作することによって、FAXを送信するためのモードを選択することができる。このモードが選択されている状態において、ユーザは、操作部40のテンキーを操作することによって(もしくは短縮ダイヤル等を操作することによって)、FAXの送信先のFAX識別情報(SIPURI)を入力することができる。これにより、ユーザは、FAXを送信することができる。以下では、モードを選択してFAX識別情報を入力することを「FAX送信準備操作」と呼ぶ。
【0039】
表示部42は、様々な情報を表示することができる。スキャナ部44は、原稿トレイ46に載置された原稿をスキャンしてスキャンデータを生成する。多機能機本体20は、スキャンデータをFAXとして外部に送信することができる。また、多機能機本体20は、スキャンデータを印刷部48で印刷させることもできる。即ち、多機能機本体20は、コピー機としても機能することができる。
【0040】
(通話デバイスの構成)
続いて、通話デバイス50の構成について説明する。通話デバイス70,80は、通話デバイス50と同様の構成を有している。このために、通話デバイス70,80の詳しい説明は省略する。本実施例の通話デバイス50は、コードレスタイプである。図4は、通話デバイス50の構成を示す。通話デバイス50は、デバイス側制御部52と無線通信インターフェイス54と操作部56と表示部58とスピーカ60とマイク62と記憶部64等を有する。デバイス側制御部52は、記憶部64に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。デバイス側制御部52が実行する処理の内容については、必要に応じて後で説明する。無線通信インターフェイス54は、多機能機本体20と無線通信するためのインターフェイスである。通話デバイス50には通話デバイスID(図3の符号206参照)が設定されている。通話デバイス50は、無線通信インターフェイス54を利用して多機能機本体20に情報を送信する際に、自身に設定されている通話デバイスIDを上記の情報に付加する。これにより、多機能機本体20は、いずれの通話デバイス50,70,80からの情報であるのかを特定することができる。
【0041】
操作部56は、複数のキーを有する。例えば、操作部56は、フックキーやテンキーを有する。通話デバイス50は、使用されていない状態ではオンフック状態になっている。ユーザは、通話デバイス50を利用して電話をかける際にフックキーを操作することができる。これにより、通話デバイス50は、オフフック状態になる。次いで、ユーザは、テンキーを操作することによって(もしくは短縮ダイヤル等を操作することによって)、INVITEの送信先の電話識別情報(SIPURI)を通話デバイス50に入力する。これにより、ユーザは、電話をかけることができる。以下では、フックキーをオフフック状態にして電話識別情報を入力することを「通話準備操作」と呼ぶ。また、ユーザは、電話がかかってきている状態(通話要求通知中)でフックキーを操作することによって、通話デバイス50をオフフック状態にすることができる。これにより、ユーザは、電話をとることができる。以下では、電話がかかってきている状態でオフフック状態にすることを「通話開始操作」と呼ぶ。また、ユーザは、通話中状態でフックキーを操作することによって、通話デバイス50をオンフック状態にすることができる。これにより、ユーザは、電話を切断することができる。以下では、通話中状態でオンフック状態にすることを「通話終了操作」と呼ぶ。
【0042】
表示部58は、様々な情報を表示することができる。ユーザは、スピーカ60とマイク62を利用して通話を行なうことができる。記憶部64は、デバイス側制御部52によって実行されるべきプログラムを記憶している。また、記憶部64は、デバイス側制御部52が処理を実行する過程で生成されるデータ等を記憶することができる。
【0043】
なお、内線網110を構成する多機能機本体120は、多機能機本体20と同様の構成を有する。多機能機本体120は、LAN回線102を介してインターネット104にアクセスすることができる。また、内線網110を構成する通話デバイス150,160は、通話デバイス50と同様の構成を有する。
【0044】
(メイン処理)
続いて、本体側制御部22が実行する処理の内容について説明する。まず、メイン処理の内容について説明する。図5は、メイン処理のフローチャートを示す。本体側制御部22は、通話準備操作が実行されることを監視している(S10)。例えば、通話デバイス50において通話開始操作が実行された場合、通話デバイス50は、自身のIDとユーザによって入力された電話識別情報(SIPURI)とを多機能機本体20に送信する。本体側制御部22は、通話デバイスIDとSIPURIとが受信された場合に、S10でYESと判断する。この場合、本体側制御部22は、TEL用INVITE送信処理を実行する(S12)。TEL用INVITE送信処理については、後で詳しく説明する。
【0045】
本体側制御部22は、FAX送信準備操作が実行されることを監視している(S14)。本体側制御部22は、多機能機本体20の操作部40にFAX送信準備操作が実行された場合に、S14でYESと判断する。この場合、本体側制御部22は、FAX用INVITE送信処理を実行する(S16)。FAX用INVITE送信処理については、後で詳しく説明する。
【0046】
本体側制御部22は、INVITEを受信することを監視している(S18)。例えば、内線網110のユーザは、内線網10のSIPURI(3つのSIPURIのいずれか)を通話デバイス150(又は160)に入力することによって、内線網10に電話をかけることができる。また、例えば、内線網110のユーザは、内線網10のSIPURIを多機能機本体120に入力することによって、リアルタイム方式のFAXを内線網10に送信することもできる。これらのいずれの場合でも、多機能機本体120からSIPサーバ106にINVITEが送信される。このINVITEは、送信元である内線網110のSIPURIと、送信先である内線網10のSIPURIとを含んでいる。SIPサーバ106は、INVITEを受信すると、INVITEを内線網10に転送する。この場合、本体側制御部22は、S18でYESと判断し、S20に進む。S20では、本体側制御部22は、S18で受信されたINVITEをINVITEキュー記憶領域32に記憶させる。
【0047】
本体側制御部22は、INVITEキュー記憶領域32の記憶内容を監視している(S22)。即ち、本体側制御部22は、INVITEキュー記憶領域32にINVITEが記憶されているのか否かを判断する。ここでYESの場合、本体側制御部22は、INVITE受信処理を実行する(S24)。INVITE受信処理については、後で詳しく説明する。
【0048】
本体側制御部22は、様々な通信終了条件を監視している(S26)。まず、本体側制御部22は、通話終了操作が実行されることを監視している。例えば、通話デバイス50において通話終了操作が実行された場合、通話デバイス50は、自身のIDと通話終了操作が実行されたことを示すコマンドとを多機能機本体20に送信する。本体側制御部22は、通話デバイスIDと上記のコマンドとが受信された場合に、S26でYESと判断する。また、本体側制御部22は、FAX送信が終了することを監視している。本体側制御部22は、後述するS16のFAX用INVITE送信処理において全てのFAXデータが送信された場合に、S26でYESと判断する。また、多機能機本体20では、1件の留守番電話の録音時間の上限が設定されている。以下では、この上限のことを「留守録時間」と呼ぶ。本体側制御部22は、留守録時間が経過した場合に、S26でYESと判断する。S26でTESの場合、本体側制御部22は、セッション切断処理(1)を実行する(S28)。セッション切断処理(1)については、後で詳しく説明する。
【0049】
本体側制御部22は、BYEを受信することを監視している(S30)。例えば、内線網10と内線網110との間で通話が行なわれている状態で内線網110において先に通話終了操作が実行された場合、多機能機本体120は、BYEをSIPサーバ106に送信する。また、例えば、内線網110から内線網10へのFAX送信が終了した場合も、多機能機本体120は、SIPサーバ106にBYEを送信する。また、例えば、内線網110からのINVITEに応じて留守番電話に接続され、上記の留守録時間が経過する前に内線網110において通話終了操作が実行された場合も、多機能機本体120は、BYEをSIPサーバ106に送信する。SIPサーバ106は、BYEを受信すると、BYEを内線網10に転送する。この場合、本体側制御部22は、S30でYESと判断すし、セッション切断処理(2)を実行する(S32)。セッション切断処理(2)については、後で詳しく説明する。
【0050】
(TEL用INVITE送信処理)
続いて、図5のS12で実行されるTEL用INVITE送信処理について説明する。図6は、TEL用INVITE送信処理のフローチャートを示す。本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を参照することによって、「未使用」のセッション状態202を有する組合せデータ220,222,224が存在するのか否かを判断する(S50)。ここでNOの場合、本体側制御部22は、図5のS10で通話準備操作が実行された通話デバイス(例えば通話デバイス50)に使用不可を示す情報を送信する(S52)。通話デバイス(デバイス側制御部52)は、上記の情報を表示部58に表示させる。ユーザは、電話をかけることができないことを知ることができる。
【0051】
一方において、S50でYESの場合、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を変更する(S54)。まず、本体側制御部22は、「未使用」のセッション状態202を有する1つの組合せデータ(例えば組合せデータ220)を特定する。以下では、S54で特定された組合せデータのことを「特定組合せデータ」と呼ぶ。次いで、本体側制御部22は、特定組合せデータのセッション状態202を「通話中」に変更する。本体側制御部22は、図5のS10で通話準備操作が実行された通話デバイスのIDを特定組合せデータの通話デバイスID206に書き込む。本体側制御部22は、図5のS10で実行された通話準備操作によって入力されたSIPURIを特定組合せデータの相手アドレス208に書き込む。
【0052】
次いで、本体側制御部22は、call−IDを作成する(S56)。本体側制御部22は、過去に作成されたいずれのcall−IDにも一致しないユニークなcall−IDを作成する。本体側制御部22は、作成されたcall−IDを特定組合せデータのcall−ID204に書き込む。続いて、本体側制御部22は、INVITEを送信する(S58)。このINVITEは、TEL用INVITEであることを示す識別子と、S56で作成されたcall−IDと、送信元である内線網10のSIPURI(特定組合せデータのSIPURI)と、送信先のSIPURIとを含んでいる。本実施例では、このINVITEの送信先が内線網110であるものとして以下の説明を続ける。INVITEは、SIPサーバ106によって内線網110(多機能機本体120)に転送される。内線網110のいずれかの通話デバイス150,160において通話開始操作が実行された場合、多機能機本体120は、INVITEに対するレスポンスとして200 OKを送信する。200 OKは、SIPサーバ106によって内線網10に転送される。多機能機本体20によって200 OKが受信される(S60)。
【0053】
なお、本実施例において「Xに対するレスポンスとしてYを送信する」と記載されている場合、Yは、Xに対するレスポンスであることを特定する情報と、Yの送信元(即ちXの送信先)の情報と、Yの送信先(即ちXの送信元)の情報とを含んでいることを意味する。例えば、上記の「INVITEに対するレスポンスとして200 OKを送信する」という記載の場合、200 OKは、INVITEに対するレスポンスであることを特定する情報と、200 OKの送信元である内線網110のSIPURIと、200 OKの送信先である内線網10のSIPURIとを含んでいる。
【0054】
続いて、本体側制御部22は、ACKを送信する(S62)。ACKは、SIPサーバ106によって内線網110に転送される。これにより、内線網10と内線網110との間でRTPが確立される(S64)。図5のS10で通話準備操作が実行された通話デバイスと、S58で送信されたINVITEに応じて通話開始操作が実行された通話デバイスとの間に、音声データ通信可能状態が構築される。S64を終えると、TEL用INVITE送信処理が終了する。なお、内線網10のユーザが先に通話終了操作を実行した場合、図5のS26でYESと判断され、後述するセッション切断処理(1)が実行される。一方において、内線網110のユーザが先に通話終了操作を実行した場合、図5のS30でYESと判断され、後述するセッション切断処理(2)が実行される。
【0055】
(FAX用INVITE送信処理)
続いて、図5のS16で実行されるFAX用INVITE送信処理について説明する。図7は、FAX用INVITE送信処理のフローチャートを示す。本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を参照することによって、「未使用」のセッション状態202を有する組合せデータ220,222,224が存在するのか否かを判断する(S80)。ここでNOの場合、本体側制御部22は、多機能機本体20の表示部42に使用不可を示す情報を表示させる(S82)。ユーザは、FAXを送信することができないことを知ることができる。
【0056】
一方において、S80でYESの場合、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を変更する(S84)。まず、本体側制御部22は、「未使用」のセッション状態202を有する1つの組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する。次いで、本体側制御部22は、特定組合せデータのセッション状態202を「FAX使用中」に変更する。また、本体側制御部22は、図5のS14で実行されたFAX送信準備操作によって入力されたSIPURIを特定組合せデータの相手アドレス208に書き込む。
【0057】
次いで、本体側制御部22は、call−IDを作成し、作成されたcall−IDを特定組合せデータのcall−ID204に書き込む(S86)。この処理は、図6のS56の処理と同様である。続いて、本体側制御部22は、INVITEを送信する(S88)。このINVITEは、FAX用INVITEであることを示す識別子と、S86で作成されたcall−IDと、送信元である内線網10のSIPURI(特定組合せデータのSIPURI)と、送信先のSIPURIとを含んでいる。なお、S90からS94の処理は、図6のS60からS64の処理と同様である。
【0058】
続いて、本体側制御部22は、スキャナ部44にスキャンすることを指示する(S62)。これにより、スキャナ部44は、原稿トレイ46に載置されている原稿をスキャンしてスキャンデータを作成する。本体側制御部22は、S94で確立されたRTPを利用してスキャンデータを送信する(S98)。S98を終えると、FAX用INVITE送信処理が終了する。なお、全てのスキャンデータが作成された場合、図5のS26でYESと判断され、後述するセッション切断処理(1)が実行される。
【0059】
(INVITE受信処理)
続いて、図5のS24で実行されるINVITE受信処理について説明する。図8及び図9は、INVITE受信処理のフローチャートを示す。本体側制御部22は、INVITEキュー記憶領域32に記憶されている1つのINVITEを特定する(S110)。以下では、S110で特定されたINVITEのことを「特定INVITE」と呼ぶ。次いで、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を参照することによって、「未使用」のセッション状態202を有する組合せデータ220,222,224が存在するのか否かを判断する(S112)。ここでNOの場合、本体側制御部22は、自動応答処理を実行する(S130)。自動応答処理については、後で詳しく説明する。
【0060】
一方において、S112でYESの場合、本体側制御部22は、特定INVITEがFAX用INVITEであるのか否かを判断する(S114)。本体側制御部22は、FAX用INVITEであることを示す識別子が特定INVITEに含まれている場合に、S114でYESと判断する。この場合、S116に進む。一方において、TEL用INVITEであることを示す識別子が特定INVITEに含まれている場合、本体側制御部22は、S114でNOと判断し、図9のS140に進む。
【0061】
S116では、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を変更する。まず、本体側制御部22は、「未使用」のセッション状態202を有する1つの組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する。次いで、本体側制御部22は、特定組合せデータのセッション状態202を「FAX使用中」に変更する。本体側制御部22は、特定INVITEに含まれる送信元のSIPURIを特定組合せデータの相手アドレス208に書き込む。また、本体側制御部22は、特定INVITEに含まれるcall−IDを特定組合せデータのcall−ID204に書き込む。
【0062】
続いて、本体側制御部22は、特定INVITEに対するレスポンスとして200 OKを送信する(S118)。200 OKは、SIPサーバ106によって特定INVITEの送信元に転送される。次いで、本体側制御部22は、INVITEキュー記憶領域32から特定INVITEを消去する(S120)。S118で200 OKが送信されると、それに応じてACKが返信される。多機能機本体20によってACKが受信される(S122)。この結果、特定INVITEの送信元と内線網10との間にRTPが確立される(S124)。
【0063】
特定INVITEの送信元は、S124で確立されたRTPを利用してFAXデータを送信する。多機能機本体20によってFAXデータが受信される(S126)。本体側制御部22は、FAXデータを印刷部48に印刷させる(S128)。これにより、INVITE受信処理が終了する。なお、特定INVITEの送信元は、全てのFAXデータを送信した後にBYEを送信する。多機能機本体20によってBYEが受信される。この場合、図5のS30でYESと判断され、後述するセッション切断処理(2)が実行される。
【0064】
続いて、図9のS140以降の処理について説明する。S140では、本体側制御部22は、通話要求通知指示を各通話デバイス50,70,80に送信する。この結果、各通話デバイス50,70,80(デバイス側制御部52)は、スピーカ60から音を出力する処理を実行する。これにより、ユーザは、通話要求(INVITE)を受信したことを知ることができる(即ち電話がかかってきたことを知ることができる)。次いで、本体側制御部22は、特定INVITEに対するレスポンスとして180 Ringingを送信する(S142)。180 Ringingは、SIPサーバ106によって特定INVITEの送信元に転送される。これにより、特定INVITEの送信元のユーザは、通話要求通知中(呼び出し中)であることを知ることができる。
【0065】
次いで、本体側制御部22は、多機能機本体20の操作部40のキー40aが操作されたのか否かを判断する(S144)。ユーザは、電話に出たくない場合(もしくは電話に出ることができない場合)、キー40aを操作することができる。この場合、S144でYESと判断され、図8のS130の自動応答処理に進む。また、本体側制御部22は、特定INVITEに応じて各通話デバイス50,70,80に通話要求通知指示を送信してから所定時間が経過したのか否かを判断する(S146)。なお、本体側制御部22は、特定INVITEが受信されてから所定時間が経過したのか否かを判断することによって、S146の処理を実行してもよい。S146でYESの場合、図8のS130の自動応答処理に進む。
【0066】
本体側制御部22は、通話開始操作が実行されたのか否かを判断する(S148)。ユーザは、通話要求通知が実行されている間に、いずれかの通話デバイス50,70,80において通話開始操作を実行することができる。通話開始操作が実行された通話デバイスは、自身の通話デバイスIDと通話開始操作が実行されたことを示すコマンドとを多機能機本体20に送信する。本体側制御部22は、通話デバイスIDと上記のコマンドとが多機能機本体20によって受信された場合に、S148でYESと判断し、S150に進む。
【0067】
S150では、本体側制御部22は、各通話デバイス50,70,80に通知終了指示を送信する。これにより、各通話デバイス50,70,80は、通話要求通知を終了する(リング音の出力を停止する)。なお、S152からS158の処理は、図8のS118からS124の処理と同様である。S158でRTPが確立されることにより、S148で通話開始操作が実行された通話デバイスと特定INVITEの送信元との間に、音声データ通信可能状態が構築される。
【0068】
続いて、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を変更する(S160)。まず、本体側制御部22は、「未使用」のセッション状態202を有する1つの組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する。次いで、本体側制御部22は、特定組合せデータのセッション状態202を「通話中」に変更する。本体側制御部22は、特定INVITEに含まれる送信元のSIPURIを特定組合せデータの相手アドレス208に書き込む。本体側制御部22は、S148で通話開始操作が実行された通話デバイスのIDを特定組合せデータの通話デバイスID206に書き込む。また、本体側制御部22は、特定INVITEに含まれるcall−IDを特定組合せデータのcall−ID204に書き込む。S160を終えると、INVITE受信処理が終了する。
【0069】
(自動応答処理)
続いて、図8のS130で実行される自動応答処理について説明する。図10及び図11は、自動応答処理のフローチャートを示す。まず、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を参照することによって、「未使用」のセッション状態202を有する組合せデータ220,222,224が存在するのか否かを判断する(S170)。図8のS112でNOと判断された結果として自動応答処理が実行される場合、S170でもNOと判断される。S170でNOの場合、図11のS200に進む。一方において、例えば、図9のS144やS146でYESと判断された結果として自動応答処理が実行される場合、S170でYESと判断される。S170でYESの場合、S172に進む。
【0070】
S172からS180の処理は、図9のS150からS158の処理と同様である。S180でRTPが確立されることにより、多機能機本体20と特定INVITEの送信元との間に、音声データ通信可能状態が構築される。続いて、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を変更する(S182)。まず、本体側制御部22は、「未使用」のセッション状態202を有する1つの組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する。次いで、本体側制御部22は、特定組合せデータのセッション状態202を「自動応答中」に変更する。本体側制御部22は、特定INVITEに含まれる送信元のSIPURIを特定組合せデータの相手アドレス208に書き込む。また、本体側制御部22は、特定INVITEに含まれるcall−IDを特定組合せデータのcall−ID204に書き込む。
【0071】
次いで、本体側制御部22は、S180で確立されたRTPを利用して、留守番電話記憶領域34に記憶されている留守録用音声データを送信する(S184)。これにより、特定INVITEの送信元のユーザは、留守番電話に接続されたことを知ることができる。特定INVITEの送信元のユーザは、メッセージを話すことができる。この留守録メッセージに対応する音声データが多機能機本体20によって受信される(S186)。本体側制御部22は、留守録メッセージを留守番電話記憶領域34に記憶させる(S188)。S188を終えると、自動応答処理が終了する。なお、特定INVITEの送信元のユーザは、留守録メッセージを話した後に通話終了操作を実行することができる。この場合、特定INVITEの送信元は、BYEを送信する。多機能機本体20によってBYEが受信される。この場合、図5のS30でYESと判断され、後述するセッション切断処理(2)が実行される。一方において、特定INVITEの送信元のユーザが上記の留守録時間を経過しても通話終了操作を実行しない場合、図5のS26でYESと判断され、後述するセッション切断処理(1)が実行される。
【0072】
なお、フローチャートには示していないが、内線網10のユーザは、多機能機本体20の操作部40の所定のキーを操作することによって、留守番電話記憶領域34に記憶されている留守録メッセージを出力するように多機能機本体20に指示することができる。本体側制御部22は、上記の所定のキーが操作されると、留守録メッセージを図示省略のスピーカから出力させる。内線網10のユーザは、留守録メッセージを聞くことができる。
【0073】
続いて、図11のS200以降の処理について説明する。S200では、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を参照することによって、「自動応答中」又は「FAX使用中」のセッション状態202を有する組合せデータ220,222,224が存在するのか否かを判断する。ここでNOの場合、本体側制御部22は、特定INVITEに対するレスポンスとして486 BusyHereを送信する(S202)。これにより、特定INVITEの送信元のユーザは、内線網10が通信中であることを理由として電話をかけることができないことを知ることができる。特定INVITEの送信元は、486 BusyHereに対するレスポンスとしてACKを送信する。多機能機本体20によってACKが受信される(S204)。続いて、本体側制御部22は、INVITEキュー記憶領域32から特定INVITEを消去する(S206)。S206を終えると、自動応答処理が終了する。
【0074】
一方において、S200でYESの場合、本体側制御部22は、特定INVITEに対するレスポンスとして180 Ringingを送信する(S208)。次いで、本体側制御部22は、様々な通信終了条件が成立することを監視する(S210)。即ち、本体側制御部22は、通話終了操作が実行されること、FAX送信が終了すること、及び、留守録時間が経過することを監視する。この処理は、図5のS26の処理と同様である。S210でYESの場合、後述するセッション切断処理(1)が実行される。
【0075】
また、本体側制御部22は、BYEを受信することを監視する(S214)。この処理は、図5のS30の処理と同様である。S214でYESの場合、後述するセッション切断処理(2)が実行される。S214でNOの場合、本体側制御部22は、S210に戻って、通信終了条件が成立することを監視する。即ち、本体側制御部22は、S210又はS214でYESと判断されるまで(確立されているいずれかのRTPが切断されるまで)、特定INVITEに対する実質的なレスポンス(200 OKや486 BusyHere)を送信するのを待機する。特定INVITEに対して486 BusyHereを送信することを禁止すると換言することもできる。
【0076】
S212又はS216のセッション切断処理が実行されると、本体側制御部22は、セッション切断処理において切断されたRTPが自動応答に利用されていたのか否かを判断する(S218)。ここでNOの場合、自動応答処理が終了する。この場合、自動応答処理においてINVITEキュー記憶領域32から特定INVITEが消去されない。このために、図8のINVITE受信処理が再び実行され、図8のS110で特定INVITEが再び特定される。上記の切断されたRTPが存在するために、図8のS112でYESと判断される。特定INVITEがFAX用INVITEである場合にはFAXデータが受信されて印刷され(図8のS126、S128)、特定INVITEがTEL用INVITEである場合には通話要求通知が実行される(図9のS140)。
【0077】
一方において、S218でYESの場合、本体側制御部22は、特定INVITEがFAX用INVITEであるのか否かを判断する(S220)。ここでYESの場合、図8のS116に進む。この結果、特定INVITEの送信元から送信されたFAXデータが受信されて印刷される(図8のS126、S128)。また、S220でNOの場合、図10のS174に進む。この結果、留守番電話に接続されることなる(図10のS184からS188)。このように、切断されたセッションが自動応答に利用されていた場合には、通話要求通知を実行しないまま、次の処理に移行する。一方で、通話終了操作によりセッションが切断された場合には、必要に応じて通話要求通知が実行される。即ち、通話開始操作が行なわれる可能性が高い場合には通話要求通知を行ない、通話開始操作が行なわれる可能性が低い場合には通話要求通知を行なわない。
【0078】
(セッション切断処理(1))
続いて、図5のS28及び図11のS212で実行されるセッション切断処理(1)について説明する。図12は、セッション切断処理(1)のフローチャートを示す。本体側制御部22は、セッション切断処理(1)のトリガがFAX送信終了であるのか否かを判断する(S240)。ここでYESの場合、本体側制御部22は、S240でYESと判断されたFAX送信に対応する組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する(S242)。次いで、本体側制御部22は、特定組合せデータの相手アドレス208のSIPURIを送信先としてBYEを送信する(S244)。BYEは、SIPサーバ106によって上記のSIPURIに転送される。この結果として、ACKが送信される。多機能機本体20によってACKが受信される(S246)。これにより、S240でYESと判断されたFAX送信に利用されたRTPが切断される(S248)。
【0079】
続いて、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を変更する(S250)。本体側制御部22は、特定組合せデータのセッション状態202を「FAX使用中」から「未使用」に変更する。本体側制御部22は、特定組合せデータのcall−ID204と通話デバイスID206と相手アドレス208を消去する。S250を終えると、セッション切断処理(1)が終了する。
【0080】
一方において、S240でNOの場合、本体側制御部22は、セッション切断処理(1)のトリガが通話終了操作であるのか否かを判断する(S252)。ここでYESの場合、本体側制御部22は、S252でYESと判断された通話終了処理が実行された通話デバイスIDが書き込まれている組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する(S254)。S254を終えると、S244に進む。これにより、通話に利用されたRTPが切断される(S248)。さらに、特定組合せデータのセッション状態202が「通話中」から「未使用」に変更され、call−ID204と通話デバイスID206と相手アドレス208が消去される(S250)。
【0081】
S252でNOの場合、セッション切断処理(1)のトリガが留守録時間の経過であることを意味する。この場合、本体側制御部22は、留守録時間が経過した自動応答に対応する組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する(S256)。S256を終えると、S244に進む。これにより、自動応答に利用されたRTPが切断される(S248)。さらに、特定組合せデータのセッション状態202が「自動応答中」から「未使用」に変更され、call−ID204と通話デバイスID206と相手アドレス208が消去される(S250)。
【0082】
(セッション切断処理(2))
続いて、図5のS32及び図11のS216で実行されるセッション切断処理(2)について説明する。図13は、セッション切断処理(2)のフローチャートを示す。本体側制御部22は、図5のS30又は図11のS214で受信されたBYEに含まれるcall−IDを有する組合せデータ(特定組合せデータ)を特定する(S270)。次いで、本体側制御部22は、BYEに対するレスポンスとして200 OKを送信する。200 OKは、SIPサーバ106によってBYEの送信元に転送される。これにより、BYEの対象のRTPが切断される(S274)。
【0083】
続いて、本体側制御部22は、セッションテーブル記憶領域30の記憶内容を変更する(S276)。本体側制御部22は、特定組合せデータのセッション状態202を「未使用」に変更する。本体側制御部22は、特定組合せデータのcall−ID204と通話デバイスID206と相手アドレス208を消去する。S276を終えると、セッション切断処理(2)が終了する。
【0084】
実施例のネットワークシステム2について詳しく説明した。内線網10は、3つを上限として複数のRTPを並列的に確立することができる。内線網10では、3つのRTPを並列的に確立している状況でINVITEが受信されると、自動応答又はFAX通信(送信又は受信)に利用されているRTPが存在するのか否かが判断される(図11のS200)。ここで肯定的な判断結果が得られると、直ちに486 BusyHereが送信されずに待機する。自動応答やFAX通信のような早期に切断されることが予測されるRTPが存在する場合に待機することにより、INVITEに応じることができる機会を増やすことができる。
【0085】
また、上記の実施例では、図11のS200でYESと判断されて待機している間にRTPが切断されると、そのRTPが自動応答に利用されたものであるのか否かが判断される(図11のS218)。ここで否定的な判断結果が得られると、通話要求通知が実行される(図9のS140)。ユーザがINVITEに応じることができる可能性が高い状況において、INVITEが受信されたことをユーザに通知することができる。
【0086】
また、上記の実施例では、各SIPURIに対応するセッション状態が記憶されるために(図3参照)、RTPが確立されているSIPURIが存在するのか否かを正確に判断することができる。また、自動応答中又はFAX通信中のRTPが存在するのか否かを正確に特定することができる。
【0087】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0088】
(1)上記の実施例では、内線網10を構成する全ての通話デバイス50,70,80がコードレスタイプである。しかしながら、多機能機本体20に有線で接続されている通話デバイス(以下では有線タイプ通話デバイスと呼ぶ)が付加されてもよい。「有線タイプ通話デバイスが通話要求通知を実行する」とは、例えば、多機能機本体20に設けられているスピーカからリング音を出力することを意味する。これを実現するために、本体側制御部22は、多機能機本体20に設けられているスピーカから上記の音が出力されるように音出力回路に通話要求通知指示を送信してもよい。これらの構成を採用する場合、「有線タイプ通話デバイスに通話要求通知指示を送信する」という用語は、上記の音出力回路に通話要求通知指示を送信することを意味している。即ち、上記の音出力回路は、有線タイプ通話デバイスを構成する一つの要素として考えることができる。
【0089】
(2)上記の実施例では、内線網10に3つのSIPURIが割り当てられている。しかしながら、内線網10には、1つのSIPURIのみが割り当てられてもよいし、2つのSIPURIが割り当てられてもよいし、4つ以上のSIPURIが割り当てられてもよい。
【0090】
(3)また、上記の実施例では、インターネット104を利用して電話通信やFAX通信を行なう。しかしながら、内線網10は、一般公衆回線網(PSTNやISDN)を利用して通信を行なうものであってもよい。また、内線網10は、インターネット104と一般公衆回線網の両方を利用して通信を行なうものであってもよい。
【0091】
(4)上記の留守番電話記憶領域34に記憶されている留守録用音声データは、デフォルトの音声データである。しかしながら、内線網10のユーザのメッセージを留守録用音声データとして留守番電話記憶領域34に記憶させてもよい。
【0092】
(5)自動応答は、録音機能を有していなくてもよい。即ち、内線網10は、自動応答に接続された場合に音声メッセージを送信し、音声メッセージを送信し終えるとRTPを切断(BYEの送信)してもよい。この場合も、「自動応答中」というセッション状態202(図3参照)を利用することができる。
【0093】
(6)上記の実施例では、通話要求通知が実行されてから所定時間が経過すると(図9のS146でYES)、自動応答処理を実行する。しかしながら、自動応答機能がONされている場合、通話要求通知を実行せずに直ちに自動応答処理を実行してもよい。
【0094】
(7)また、上記の内線網10は、FAX通信機能を有していなくてもよい。この場合、図11のS200では、自動応答中のRTPが存在するのか否かが判断される。また、上記の内線網10は、自動応答機能を有していなくてもよい。この場合、図11のS200では、FAX通信中のRTPが存在するのか否かが判断される。また、図11のS200の判断の対象となる他のステータスを新たに付加してもよい。
【0095】
(8)上記の実施例では、図11のS200でYESと判断された場合には、いずれかのRTPが切断されるまで待機する。しかしながら、図11のS200でYESと判断されてから所定時間が経過してもRTPが切断されない場合、特定INVITEに対するレスポンスとして486 BusyHereを送信するようにしてもよい。
【0096】
(9)上記の実施例では、留守録時間(1回の留守番電話における録音時間の上限)が設定されている。しかしながら、留守録時間が設定されていなくてもよい。この場合、図5のS26及び図11のS210では、留守録時間が経過することを監視しなくてもよい。
【0097】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】ネットワークシステムの構成の一例を示す。
【図2】多機能機本体の構成の一例を示す。
【図3】セッションテーブル記憶領域の記憶内容の一例を示す。
【図4】通話デバイスの構成の一例を示す。
【図5】メイン処理のフローチャートを示す。
【図6】TEL用INVITE送信処理のフローチャートを示す。
【図7】FAX用INVITE送信処理のフローチャートを示す。
【図8】INVITE受信処理のフローチャートを示す。
【図9】図8の続きのフローチャートを示す。
【図10】自動応答処理のフローチャートを示す。
【図11】図10の続きのフローチャートを示す。
【図12】セッション切断処理(1)のフローチャートを示す。
【図13】セッション切断処理(2)のフローチャートを示す。
【符号の説明】
【0099】
2:ネットワークシステム
10,110:内線網
20:多機能機本体
22:本体側制御部
24:無線通信インターフェイス
26:ネットワークインターフェイス
28:記憶部
30:セッションテーブル記憶領域
32:INVITEキュー記憶領域
34:留守番電話記憶領域
36:プログラム記憶領域
40:操作部
42:表示部
44:スキャナ部
46:原稿トレイ
48:印刷部
50,70,80:通話デバイス
104:インターネット
106:SIPサーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定数を上限としてデータ通信用セッションを確立することが可能である電話装置であり、
通話要求を受信する通話要求受信手段と、
ユーザが操作することを許容する操作手段と、
通話要求受信手段によって第1通話要求が受信されたことに応じて操作手段に通話開始操作が実行されたことを条件として、当該第1通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する第1肯定的レスポンス送信手段と、
音声データを記憶する音声データ記憶手段と、
通話要求受信手段によって第2通話要求が受信されたことに応じて操作手段に通話開始操作が実行されずに所定条件が成立したことを条件として、当該第2通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する第2肯定的レスポンス送信手段と、
第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションを利用して、音声データ記憶手段に記憶されている音声データを前記第2通話要求の送信元に送信する音声データ送信手段と、
通話要求受信手段によって第3通話要求が受信され、かつ、前記所定数のデータ通信用セッションが確立されている状態であることを条件として、前記所定数のデータ通信用セッションの中に、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する第1判断手段と、
第1判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、前記第3通話要求に対する否定的レスポンスを送信する否定的レスポンス送信手段と、
第1判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、前記第3通話要求に対する否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信するのを待機する送信待機手段と
を備える電話装置。
【請求項2】
第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションを、そのデータ通信用セッションが確立されてから予め設定されている所定時間が経過した時に切断するセッション切断手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の電話装置。
【請求項3】
送信待機手段は、データ通信用セッションが切断されるまで待機し、
送信待機手段が待機している間にデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、前記第3通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する第3肯定的レスポンス送信手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電話装置。
【請求項4】
送信待機手段が待機している間にデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、切断されたデータ通信用セッションが、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションであるのか否かを判断する第2判断手段と、
第2判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、前記第3通話要求に応じて通話要求通知を実行する通話要求通知手段とをさらに備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電話装置。
【請求項5】
自身の1つのデータ通信用識別情報を利用して1つのデータ通信用セッションを確立することが可能であり、
自身のデータ通信用識別情報に対応するステータスを記憶する第1ステータス記憶手段をさらに備え、
第1ステータス記憶手段は、所定のステータスが記憶されている状態で第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信されたことを条件として、前記所定のステータスと異なる第1ステータスを記憶し、
第1ステータス記憶手段は、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、第1ステータスと異なるステータスを記憶し、
第1判断手段は、第1ステータス記憶手段に第1ステータスが記憶されているのか否かを判断することによって、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信セッションが存在するのか否かを判断する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電話装置。
【請求項6】
第1ステータス記憶手段は、前記所定のステータスが記憶されている状態で第1肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信されたことを条件として、前記所定のステータスと異なるとともに第1ステータスと異なる第2ステータスを記憶し、
第1ステータス記憶手段は、第1肯定的レスポンス送信手段又は第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、前記所定のステータスを記憶する
ことを特徴とする請求項5に記載の電話装置。
【請求項7】
操作手段に通話準備操作が実行されたことを条件として、通話要求を送信する通話要求送信手段をさらに備え、
第1ステータス記憶手段は、前記所定のステータスが記憶されている状態で操作手段に通話準備操作が実行されたことを条件として、前記所定のステータスと異なるとともに第1ステータスと異なる第3ステータスを記憶し、
第1ステータス記憶手段は、通話要求送信手段によって通話要求が送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、前記所定のステータスを記憶する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の電話装置。
【請求項8】
自身の複数のデータ通信用識別情報を利用して、2以上の所定数を上限として複数のデータ通信用セッションを並列的に確立することが可能である請求項1から7のいずれかに記載の電話装置。
【請求項9】
自身の複数のデータ通信用識別情報のそれぞれについて、当該データ通信用識別情報とステータスとを対応づけて記憶する第2ステータス記憶手段をさらに備え、
第2肯定的レスポンス送信手段は、自身のデータ通信用識別情報を含む肯定的レスポンスを送信し、
第2ステータス記憶手段は、所定のステータスが記憶されている状態で第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信されたことを条件として、当該肯定的レスポンスに含まれるデータ通信用識別情報に対応づけて、前記所定のステータスと異なる第1ステータスを記憶し、
第2ステータス記憶手段は、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、当該肯定的レスポンスに含まれるデータ通信用識別情報に対応づけて、第1ステータスと異なるステータスを記憶する
ことを特徴とする請求項8に記載の電話装置。
【請求項10】
ファクシミリ送信要求を受信するファクシミリ送信要求受信手段と、
ファクシミリ送信要求受信手段によってファクシミリ送信要求が受信されたことを条件として、当該ファクシミリ送信要求に対する肯定的レスポンスを送信する第4肯定的レスポンス送信手段と、
操作手段にファクシミリ送信準備操作が実行されたことを条件として、ファクシミリ送信要求を送信するファクシミリ送信要求送信手段と、
通話要求受信手段によって前記第3通話要求が受信され、かつ、前記所定数のデータ通信用セッションが確立されている状態であることを条件として、前記所定数のデータ通信用セッションの中に、第4肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッション、又は、ファクシミリ送信要求送信手段によってファクシミリ送信要求が送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する第3判断手段とをさらに備え、
否定的レスポンス送信手段は、第1判断手段によって否定的に判断され、かつ、第3判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、前記第3通話要求に対する否定的レスポンスを送信し、
送信待機手段は、第3判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、前記第3通話要求に対する否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信するのを待機する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の電話装置。
【請求項11】
所定数を上限としてデータ通信用セッションを確立することが可能である電話装置であり、
通話要求を受信する通話要求受信手段と、
ユーザが操作することを許容する操作手段と、
通話要求受信手段によって第1通話要求が受信されたことに応じて操作手段に通話開始操作が実行されたことを条件として、当該第1通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する通話要求肯定的レスポンス送信手段と、
ファクシミリ送信要求を受信するファクシミリ送信要求受信手段と、
ファクシミリ送信要求受信手段によってファクシミリ送信要求が受信されたことを条件として、当該ファクシミリ送信要求に対する肯定的レスポンスを送信するファクシミリ送信要求肯定的レスポンス送信手段と、
操作手段にファクシミリ送信準備操作が実行されたことを条件として、ファクシミリ送信要求を送信するファクシミリ送信要求送信手段と、
通話要求受信手段によって第2通話要求が受信され、かつ、前記所定数のデータ通信用セッションが確立されている状態であることを条件として、前記所定数のデータ通信用セッションの中に、ファクシミリ送信要求肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッション、又は、ファクシミリ送信要求送信手段によってファクシミリ送信要求が送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する判断手段と、
判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、前記第2通話要求に対する否定的レスポンスを送信する否定的レスポンス送信手段と、
判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、前記第2通話要求に対する否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信するのを待機する送信待機手段と
を備える電話装置。
【請求項1】
所定数を上限としてデータ通信用セッションを確立することが可能である電話装置であり、
通話要求を受信する通話要求受信手段と、
ユーザが操作することを許容する操作手段と、
通話要求受信手段によって第1通話要求が受信されたことに応じて操作手段に通話開始操作が実行されたことを条件として、当該第1通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する第1肯定的レスポンス送信手段と、
音声データを記憶する音声データ記憶手段と、
通話要求受信手段によって第2通話要求が受信されたことに応じて操作手段に通話開始操作が実行されずに所定条件が成立したことを条件として、当該第2通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する第2肯定的レスポンス送信手段と、
第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションを利用して、音声データ記憶手段に記憶されている音声データを前記第2通話要求の送信元に送信する音声データ送信手段と、
通話要求受信手段によって第3通話要求が受信され、かつ、前記所定数のデータ通信用セッションが確立されている状態であることを条件として、前記所定数のデータ通信用セッションの中に、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する第1判断手段と、
第1判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、前記第3通話要求に対する否定的レスポンスを送信する否定的レスポンス送信手段と、
第1判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、前記第3通話要求に対する否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信するのを待機する送信待機手段と
を備える電話装置。
【請求項2】
第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションを、そのデータ通信用セッションが確立されてから予め設定されている所定時間が経過した時に切断するセッション切断手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の電話装置。
【請求項3】
送信待機手段は、データ通信用セッションが切断されるまで待機し、
送信待機手段が待機している間にデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、前記第3通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する第3肯定的レスポンス送信手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電話装置。
【請求項4】
送信待機手段が待機している間にデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、切断されたデータ通信用セッションが、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションであるのか否かを判断する第2判断手段と、
第2判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、前記第3通話要求に応じて通話要求通知を実行する通話要求通知手段とをさらに備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電話装置。
【請求項5】
自身の1つのデータ通信用識別情報を利用して1つのデータ通信用セッションを確立することが可能であり、
自身のデータ通信用識別情報に対応するステータスを記憶する第1ステータス記憶手段をさらに備え、
第1ステータス記憶手段は、所定のステータスが記憶されている状態で第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信されたことを条件として、前記所定のステータスと異なる第1ステータスを記憶し、
第1ステータス記憶手段は、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、第1ステータスと異なるステータスを記憶し、
第1判断手段は、第1ステータス記憶手段に第1ステータスが記憶されているのか否かを判断することによって、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信セッションが存在するのか否かを判断する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電話装置。
【請求項6】
第1ステータス記憶手段は、前記所定のステータスが記憶されている状態で第1肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信されたことを条件として、前記所定のステータスと異なるとともに第1ステータスと異なる第2ステータスを記憶し、
第1ステータス記憶手段は、第1肯定的レスポンス送信手段又は第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、前記所定のステータスを記憶する
ことを特徴とする請求項5に記載の電話装置。
【請求項7】
操作手段に通話準備操作が実行されたことを条件として、通話要求を送信する通話要求送信手段をさらに備え、
第1ステータス記憶手段は、前記所定のステータスが記憶されている状態で操作手段に通話準備操作が実行されたことを条件として、前記所定のステータスと異なるとともに第1ステータスと異なる第3ステータスを記憶し、
第1ステータス記憶手段は、通話要求送信手段によって通話要求が送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、前記所定のステータスを記憶する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の電話装置。
【請求項8】
自身の複数のデータ通信用識別情報を利用して、2以上の所定数を上限として複数のデータ通信用セッションを並列的に確立することが可能である請求項1から7のいずれかに記載の電話装置。
【請求項9】
自身の複数のデータ通信用識別情報のそれぞれについて、当該データ通信用識別情報とステータスとを対応づけて記憶する第2ステータス記憶手段をさらに備え、
第2肯定的レスポンス送信手段は、自身のデータ通信用識別情報を含む肯定的レスポンスを送信し、
第2ステータス記憶手段は、所定のステータスが記憶されている状態で第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信されたことを条件として、当該肯定的レスポンスに含まれるデータ通信用識別情報に対応づけて、前記所定のステータスと異なる第1ステータスを記憶し、
第2ステータス記憶手段は、第2肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが切断されたことを条件として、当該肯定的レスポンスに含まれるデータ通信用識別情報に対応づけて、第1ステータスと異なるステータスを記憶する
ことを特徴とする請求項8に記載の電話装置。
【請求項10】
ファクシミリ送信要求を受信するファクシミリ送信要求受信手段と、
ファクシミリ送信要求受信手段によってファクシミリ送信要求が受信されたことを条件として、当該ファクシミリ送信要求に対する肯定的レスポンスを送信する第4肯定的レスポンス送信手段と、
操作手段にファクシミリ送信準備操作が実行されたことを条件として、ファクシミリ送信要求を送信するファクシミリ送信要求送信手段と、
通話要求受信手段によって前記第3通話要求が受信され、かつ、前記所定数のデータ通信用セッションが確立されている状態であることを条件として、前記所定数のデータ通信用セッションの中に、第4肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッション、又は、ファクシミリ送信要求送信手段によってファクシミリ送信要求が送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する第3判断手段とをさらに備え、
否定的レスポンス送信手段は、第1判断手段によって否定的に判断され、かつ、第3判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、前記第3通話要求に対する否定的レスポンスを送信し、
送信待機手段は、第3判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、前記第3通話要求に対する否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信するのを待機する
ことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の電話装置。
【請求項11】
所定数を上限としてデータ通信用セッションを確立することが可能である電話装置であり、
通話要求を受信する通話要求受信手段と、
ユーザが操作することを許容する操作手段と、
通話要求受信手段によって第1通話要求が受信されたことに応じて操作手段に通話開始操作が実行されたことを条件として、当該第1通話要求に対する肯定的レスポンスを送信する通話要求肯定的レスポンス送信手段と、
ファクシミリ送信要求を受信するファクシミリ送信要求受信手段と、
ファクシミリ送信要求受信手段によってファクシミリ送信要求が受信されたことを条件として、当該ファクシミリ送信要求に対する肯定的レスポンスを送信するファクシミリ送信要求肯定的レスポンス送信手段と、
操作手段にファクシミリ送信準備操作が実行されたことを条件として、ファクシミリ送信要求を送信するファクシミリ送信要求送信手段と、
通話要求受信手段によって第2通話要求が受信され、かつ、前記所定数のデータ通信用セッションが確立されている状態であることを条件として、前記所定数のデータ通信用セッションの中に、ファクシミリ送信要求肯定的レスポンス送信手段によって肯定的レスポンスが送信された結果として確立されたデータ通信用セッション、又は、ファクシミリ送信要求送信手段によってファクシミリ送信要求が送信された結果として確立されたデータ通信用セッションが存在するのか否かを判断する判断手段と、
判断手段によって否定的に判断されたことを条件として、前記第2通話要求に対する否定的レスポンスを送信する否定的レスポンス送信手段と、
判断手段によって肯定的に判断されたことを条件として、前記第2通話要求に対する否定的レスポンス及び肯定的レスポンスを送信するのを待機する送信待機手段と
を備える電話装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−225241(P2009−225241A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69070(P2008−69070)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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