説明

電話装置

【課題】伝導ノイズが十分に除去されないことに起因して通話品質が低下するのを抑制することが可能な電話装置を提供する。
【解決手段】この電話装置100は、電話通信による音声信号が送受信される一対の信号線14aおよび14bと、一対の信号線14aおよび14bに接続されるコモンモードフィルタ3と、一対の信号線14aおよび14bを介して伝達される信号を整流するための整流回路部5と、整流回路部5に接続されるとともに接地されたインピーダンス素子13とを備え、インピーダンス素子13は、音声信号が流入しにくい一方、伝導ノイズが流入しやすいインピーダンス特性を有するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電話装置に関し、特に、電話通信による音声信号が送受信される一対の信号線を備える電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電話通信による音声信号が送受信される一対の信号線を備える電話装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、電話通信による音声信号が送受信される一対の線路(信号線)を備える電話機(電話装置)に接続されるDSL用スプリッタが開示されている。このDSL用スプリッタには、一対の線路に流入したコモンモードノイズ(伝導ノイズ)を低減するためのコモンモードチョークコイル(コモンモードフィルタ)が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4309376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたDSL用スプリッタでは、コモンモードチョークコイル(コモンモードフィルタ)が設けられている一方、コモンモードチョークコイルでは、一対の線路(信号線)に流入したコモンモードノイズ(伝導ノイズ)を十分に除去できない場合がある。この場合、DSL用スプリッタにより除去されなかったコモンモードノイズ(伝導ノイズ)は、音声信号と共に一対の線路を介して電話機(電話装置)に流入し、電話機の通話品質が低下するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、伝導ノイズが十分に除去されないことに起因して通話品質が低下するのを抑制することが可能な電話装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の一の局面による電話装置は、電話通信による音声信号が送受信される一対の信号線と、一対の信号線に接続されるコモンモードフィルタと、一対の信号線を介して伝達される信号を整流するための整流回路部と、整流回路部に接続されるとともに接地されたインピーダンス素子とを備え、インピーダンス素子は、音声信号が流入しにくい一方、伝導ノイズが流入しやすいインピーダンス特性を有するように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による電話装置では、上記のように、コモンモードフィルタと、接地されたインピーダンス素子とを設けることによって、コモンモードフィルタに加えて、接地されたインピーダンス素子によっても、一対の信号線に流入した伝導ノイズ(コモンモードノイズ)を十分に除去することができる。また、インピーダンス素子を、音声信号が流入しにくい一方、伝導ノイズが流入しやすいインピーダンス特性を有するように構成することによって、インピーダンス素子により、一対の信号線に流入した音声信号および伝導ノイズのうちの伝導ノイズのみを除去することができる。これらの結果、伝導ノイズが十分に除去されないことに起因して通話品質が低下するのを抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による電話装置において、好ましくは、インピーダンス素子は、音声信号が属する周波数帯域において相対的に大きいインピーダンスを有する一方、伝導ノイズが属する伝導ノイズ周波数帯域において相対的に小さいインピーダンスを有するように構成されている。このように構成すれば、インピーダンス素子により、容易に、一対の信号線に流入した音声信号および伝導ノイズのうちの伝導ノイズのみを除去することができる。
【0010】
上記一の局面による電話装置において、好ましくは、整流回路部を含む1次側回路部と、整流回路部を含まない2次側回路部とをさらに備え、インピーダンス素子は、2次側回路部のグランドに接続されることにより接地されている。このように構成すれば、2次側回路部のグランドを介して、容易に、一対の信号線に流入した伝導ノイズを除去することができる。
【0011】
上記一の局面による電話装置において、好ましくは、コモンモードフィルタは、コモンモードチョークコイルからなり、インピーダンス素子は、高耐圧コンデンサからなる。このように構成すれば、コモンモードチョークコイルと、高耐圧コンデンサとを用いて、容易に、一対の信号線に流入した伝導ノイズを十分に除去することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、インピーダンス素子は、1つの高耐圧コンデンサからなる。このように構成すれば、インピーダンス素子(高耐圧コンデンサ)を複数設ける場合と異なり、簡易な構成で、一対の信号線に流入した音声信号および伝導ノイズのうちの伝導ノイズのみを除去することができる。また、インピーダンス素子の省スペース化および低コスト化を図ることができる。
【0013】
上記インピーダンス素子が1つの高耐圧コンデンサからなる電話装置において、好ましくは、1つの高耐圧コンデンサは、音声信号が属する周波数帯域において相対的に大きいインピーダンスを有する一方、音声信号が属する周波数帯域よりも高い伝導ノイズ周波数帯域において相対的に小さいインピーダンスを有するような静電容量に設定されている。このように高耐圧コンデンサの静電容量を設定すれば、音声信号が属する周波数帯域よりも高い伝導ノイズ周波数帯域に属する伝導ノイズを適切に除去することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、音声信号が属する周波数帯域は、300Hz以上3.4kHz以下であり、伝導ノイズ周波数帯域は、0.15MHz以上80MHz以下である。このように構成すれば、0.15MHz以上80MHz以下の伝導ノイズ周波数帯域に属する伝導ノイズを適切に除去することができる。
【0015】
上記一の局面による電話装置において、好ましくは、外部電源に接続されるとともに接地された電源供給部をさらに備え、インピーダンス素子は、電源供給部を介して外部電源に接続されている。このように構成すれば、一対の信号線に流入した伝導ノイズを電源供給部を介して外部電源側に流出させることができるので、伝導ノイズを容易に除去することができる。
【0016】
上記一の局面による電話装置において、好ましくは、インピーダンス素子は、整流回路部の負側に接続されている。このように構成すれば、整流回路部の負側を介して、容易に、一対の信号線に流入した伝導ノイズを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態による電話装置の全体構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の変形例による電話装置の全体構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態による電話装置100の構成について説明する。
【0020】
本発明の一実施形態による電話装置100は、図1に示すように、コネクタ部1および2と、コモンモードフィルタ3および4と、整流回路部5と、着信検出部6と、外線用I/F(インターフェース)回路部7と、内線用I/F回路部8と、音声変換部9と、制御部10と、電源回路11と、ACアダプタ12と、インピーダンス素子13とを備えている。なお、ACアダプタ12は、本発明の「電源供給部」の一例である。
【0021】
また、電話装置100は、外線電話網200に接続された1次側回路部100aと、内線電話機400に接続された2次側回路部100bとを有している。1次側回路部100aは、コネクタ部1と、コモンモードフィルタ3と、整流回路部5と、着信検出部6と、外線用I/F回路部7とを含むように構成されている。また、2次側回路部100bは、コネクタ部2と、コモンモードフィルタ4と、外線用I/F回路部7と、内線用I/F回路部8と、音声変換部9と、制御部10と、電源回路11とを含むように構成されている。
【0022】
コネクタ部1は、外線電話網200を介して電話局300に接続されている。このコネクタ部1には、外線電話網200を介した電話通信による音声信号などが送受信される一対の信号線14aおよび14bが接続されている。また、コネクタ部2は、内線電話機400に接続されている。このコネクタ部2には、内線電話機400を用いた電話通信による音声信号などが送受信される一対の信号線15aおよび15bが接続されている。
【0023】
コモンモードフィルタ3は、コネクタ部1に接続された一対の信号線14aおよび14bに接続されている。また、コモンモードフィルタ4は、コネクタ部2に接続された一対の信号線15aおよび15bに接続されている。これらコモンモードフィルタ3および4は、それぞれ、コモンモードチョークコイルL1およびL2により構成されている。
【0024】
整流回路部5は、一対の信号線14aおよび14bを介して伝達される信号を整流するために設けられている。この整流回路部5は、4つのダイオードD1、D2、D3およびD4からなるブリッジダイオードにより構成されている。
【0025】
着信検出部6は、電話局300により一対の信号線14aおよび14bに印加される電圧(48Vの負電圧)の極性の反転を検出することにより、外線電話網200を介して外部から着信があったことを検出するように構成されている。
【0026】
外線用I/F回路部7は、外線用I/F回路部7の入力側のインピーダンスと、外線用I/F回路部7の出力側のインピーダンスとのマッチング(整合)をとるために設けられている。同様に、内線用I/F回路部8は、内線用I/F回路部8の入力側のインピーダンスと、内線用I/F回路部8の出力側のインピーダンスとのマッチング(整合)をとるために設けられている。なお、外線用I/F回路部7および内線用I/F回路部8は、2次側回路部101bのグランド(GND)に接続されている。
【0027】
音声変換部9は、外線用I/F回路部7に接続された外線用音声変換部9aと、内線用I/F回路部8に接続された内線用音声変換部9bとを含むように構成されている。外線用音声変換部9aは、一対の信号線14aおよび14bを介して送受信される音声信号をアナログ方式からデジタル方式に、または、デジタル方式からアナログ方式に変換するために設けられている。同様に、内線用音声変換部9bは、一対の信号線15aおよび15bを介して送受信される音声信号をアナログ方式からデジタル方式に、または、デジタル方式からアナログ方式に変換するために設けられている。なお、音声変換部9は、2次側回路部101bのグランド(GND)に接続されている。
【0028】
制御部10は、音声処理部10aと、電話交換部10bとを含むように構成されている。音声処理部10aは、音声信号の伝送などを行うように構成されている。また、電話交換部10bは、外線電話網200を使用する電話通信と、内線電話機400を使用する電話通信とを切り替えるために設けられている。なお、制御部10は、2次側回路部101bのグランド(GND)に接続されている。
【0029】
電源回路11は、商用電源500(交流電源)からACアダプタ12を介して入力される電源を電話装置100の各部に供給するために設けられている。なお、商用電源500は、本発明の「外部電源」の一例である。
【0030】
ACアダプタ12は、商用電源500から入力される交流電源を、電話装置100の各部が利用可能な直流電源に変換する機能などを有している。また、ACアダプタ12は、プラス端子12aとマイナス端子12bとを有している。なお、ACアダプタ12のマイナス端子12bは、2次側回路部101bのグランド(GND)に接続されている。
【0031】
ここで、本実施形態では、整流回路部5の負側には、1つのインピーダンス素子13が接続されている。このインピーダンス素子13は、高耐圧コンデンサC1により構成されている。
【0032】
また、本実施形態では、インピーダンス素子13は、音声信号が流入しにくい一方、伝導ノイズが流入しやすいインピーダンス特性を有するように構成されている。すなわち、本実施形態による高耐圧コンデンサC1は、音声信号が属する周波数帯域(300Hz以上3.4kHz以下)において相対的に大きいインピーダンスを有する一方、伝導ノイズが属する伝導ノイズ周波数帯域(0.15MHz以上80MHz以下)において相対的に小さいインピーダンスを有するような静電容量に設定されている。
【0033】
ここで、一般に、インピーダンス素子13(高耐圧コンデンサC1)のインピーダンス特性を上記のようにするためには、電話装置100全体のノイズ耐性や、コモンモードフィルタ3のノイズ減衰力などを考慮して、高耐圧コンデンサC1の静電容量を設定する必要がある。これらの点を考慮して、本願発明者は、高耐圧コンデンサC1の静電容量を330pFに設定すれば、音声信号に対する高耐圧コンデンサC1のインピーダンスを100kΩ以上とし、かつ、7MHz近傍の周波数帯域に属する伝導ノイズに対する高耐圧コンデンサC1のインピーダンスを一対の信号線14aおよび14bのインピーダンスの約10分の1とすることが可能であることを実験により見出した。このように高耐圧コンデンサC1の静電容量を適切に設定できたのは、音声信号が属する周波数帯域(300Hz以上3.4kHz以下)と、伝導ノイズが属する伝導ノイズ周波数帯域(0.15MHz以上80MHz以下)とが十分に離れていたためであると考えられる。
【0034】
なお、本実施形態では、高耐圧コンデンサC1は、ACアダプタ12のマイナス端子12bに接続されている。すなわち、高耐圧コンデンサC1は、ACアダプタ12を介して商用電源500に接続されているとともに、2次側回路部101bのグランド(GND)に接続されている。
【0035】
以上のような構成により、一対の信号線14aおよび14bに流入した伝導ノイズ(コモンモードノイズ)は、まず、コモンモードチョークコイルL1により低減される。そして、コモンモードチョークコイルL1により除去されなかった残りの伝導ノイズは、高耐圧コンデンサC1から2次側回路部100bのグランド(GND)に流出するとともに、ACアダプタ12を経由して商用電源500側に流出し、除去される。
【0036】
本実施形態では、上記のように、コモンモードフィルタ3(コモンモードチョークコイルL1)と、2次側回路部101bのグランド(GND)に接続されたインピーダンス素子13(高耐圧コンデンサC1)とを設けることによって、コモンモードフィルタ3に加えて、2次側回路部101bのグランド(GND)に接続されたインピーダンス素子13によっても、一対の信号線14aおよび14bに流入した伝導ノイズ(コモンモードノイズ)を十分に除去することができる。また、インピーダンス素子13を、音声信号が流入しにくい一方、伝導ノイズが流入しやすいインピーダンス特性を有するように構成することによって、インピーダンス素子13により、一対の信号線14aおよび14bに流入した音声信号および伝導ノイズのうちの伝導ノイズのみを除去することができる。これらの結果、伝導ノイズが十分に除去されないことに起因して通話品質が低下するのを抑制することができる。
【0037】
また、本実施形態では、上記のように、音声信号が属する周波数帯域(300Hz以上3.4kHz以下)において相対的に大きいインピーダンスを有する一方、伝導ノイズが属する伝導ノイズ周波数帯域(0.15MHz以上80MHz以下)において相対的に小さいインピーダンスを有するようにインピーダンス素子13を構成する。これにより、インピーダンス素子13によって、容易に、一対の信号線14aおよび14bに流入した音声信号および伝導ノイズのうちの伝導ノイズのみを除去することができる。
【0038】
また、本実施形態では、上記のように、コモンモードフィルタ3をコモンモードチョークコイルL1により構成し、インピーダンス素子13を高耐圧コンデンサC1により構成する。これにより、コモンモードチョークコイルL1と、高耐圧コンデンサC1とを用いて、容易に、一対の信号線14aおよび14bに流入した伝導ノイズを十分に除去することができる。
【0039】
また、本実施形態では、上記のように、インピーダンス素子13(高耐圧コンデンサC1)の個数を1つとする。これにより、インピーダンス素子13(高耐圧コンデンサC1)を複数設ける場合と異なり、簡易な構成で、一対の信号線14aおよび14bに流入した伝導ノイズを十分に除去することができる。また、インピーダンス素子13の省スペース化および低コスト化を図ることができる。
【0040】
また、本実施形態では、上記のように、音声信号が属する周波数帯域(300Hz以上3.4kHz以下)において相対的に大きいインピーダンスを有する一方、音声信号が属する周波数帯域よりも高い伝導ノイズ周波数帯域(0.15MHz以上80MHz以下)において相対的に小さいインピーダンスを有するように、高耐圧コンデンサC1の静電容量を設定する。このように高耐圧コンデンサC1の静電容量を設定すれば、0.15MHz以上80MHz以下の伝導ノイズ周波数帯域に属する伝導ノイズを適切に除去することができる。
【0041】
また、本実施形態では、上記のように、商用電源500に接続されるとともに2次側回路部101bのグランド(GND)に接続されたACアダプタ12を設け、インピーダンス素子13をACアダプタ12を介して商用電源500に接続する。これにより、一対の信号線14aおよび14bに流入した伝導ノイズをACアダプタ12を介して商用電源500側に流出させることができるので、伝導ノイズを容易に除去することができる。
【0042】
また、本実施形態では、上記のように、インピーダンス素子13を整流回路部5の負側に接続する。これにより、整流回路部5の負側を介して、容易に、一対の信号線14aおよび14bに流入した伝導ノイズを除去することができる。
【0043】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0044】
たとえば、上記実施形態では、高耐圧コンデンサからなるインピーダンス素子を用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、高耐圧コンデンサ以外のインピーダンス素子(たとえば、インダクタ、コンデンサおよび抵抗など)を用いてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、高耐圧コンデンサからなるインピーダンス素子の個数を1つとする構成を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、高耐圧コンデンサからなるインピーダンス素子を複数設けてもよい。たとえば、図2に示す変形例のように、高耐圧コンデンサC2からなるインピーダンス素子13aと、高耐圧コンデンサC3からなるインピーダンス素子13bとの2つのインピーダンス素子を設けてもよい。この図2に示す変形例による電話装置101は、外線電話網200に接続された1次側回路部101aと、内線電話機400に接続された2次側回路部101bとを有している。
【0046】
この変形例では、図2に示すように、高耐圧コンデンサC2からなるインピーダンス素子13aと、高耐圧コンデンサC3からなるインピーダンス素子13bとが、整流回路部5の負側において電気的に並列に接続されている。なお、この変形例では、高耐圧コンデンサC2およびC3の静電容量を互いに異ならせて設定するのが好ましい。これにより、高耐圧コンデンサC2およびC3により、互いに異なる周波数帯域に属する伝導ノイズを除去することが可能になる。すなわち、より広い周波数帯域に属する伝導ノイズを除去することが可能になる。
【符号の説明】
【0047】
3 コモンモードフィルタ
5 整流回路部
12 ACアダプタ(電源供給部)
13、13a、13b インピーダンス素子
14a、14b 信号線
100、101 電話装置
100a、101a 1次側回路部
100b、101b 2次側回路部
500 商用電源(外部電源)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話通信による音声信号が送受信される一対の信号線と、
前記一対の信号線に接続されるコモンモードフィルタと、
前記一対の信号線を介して伝達される信号を整流するための整流回路部と、
前記整流回路部に接続されるとともに接地されたインピーダンス素子とを備え、
前記インピーダンス素子は、前記音声信号が流入しにくい一方、伝導ノイズが流入しやすいインピーダンス特性を有するように構成されている、電話装置。
【請求項2】
前記インピーダンス素子は、前記音声信号が属する周波数帯域において相対的に大きいインピーダンスを有する一方、前記伝導ノイズが属する伝導ノイズ周波数帯域において相対的に小さいインピーダンスを有するように構成されている、請求項1に記載の電話装置。
【請求項3】
前記整流回路部を含む1次側回路部と、
前記整流回路部を含まない2次側回路部とをさらに備え、
前記インピーダンス素子は、前記2次側回路部のグランドに接続されることにより接地されている、請求項1または2に記載の電話装置。
【請求項4】
前記コモンモードフィルタは、コモンモードチョークコイルからなり、
前記インピーダンス素子は、高耐圧コンデンサからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電話装置。
【請求項5】
前記インピーダンス素子は、1つの前記高耐圧コンデンサからなる、請求項4に記載の電話装置。
【請求項6】
前記1つの高耐圧コンデンサは、前記音声信号が属する周波数帯域において相対的に大きいインピーダンスを有する一方、前記音声信号が属する周波数帯域よりも高い伝導ノイズ周波数帯域において相対的に小さいインピーダンスを有するような静電容量に設定されている、請求項5に記載の電話装置。
【請求項7】
前記音声信号が属する周波数帯域は、300Hz以上3.4kHz以下であり、
前記伝導ノイズ周波数帯域は、0.15MHz以上80MHz以下である、請求項6に記載の電話装置。
【請求項8】
外部電源に接続されるとともに接地された電源供給部をさらに備え、
前記インピーダンス素子は、前記電源供給部を介して前記外部電源に接続されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電話装置。
【請求項9】
前記インピーダンス素子は、前記整流回路部の負側に接続されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電話装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2013−12929(P2013−12929A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144674(P2011−144674)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】