説明

静電容量式の座標検出装置

【課題】 電極パターンに迂回路を形成しても高い精度で座標検出を行えるようにした静電容量式の座標検出装置を提供する。
【解決手段】 コモン電極1kと複数の迂回路26を有するX検出電極2xとの間の合成容量CRは小さい一方で、X検出電極1xの平行電極23a、23bの長さ寸法を長く設定することにより、前記コモン電極1kとX検出電極1xの間の合成容量CLを大きくすることにより、総合的な合成容量C(=CR+CL)が一定に維持されるように設定されている。このため、電極パターンに迂回路26を形成しても、精度の高い座標位置を検出することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機やPDAなどの情報端末機器に搭載される座標検出装置に係わり、特に基材シートの表裏両面に複数のX電極とY電極とが互いに交差するようにそれぞれ配列される静電容量式の座標検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明に関する先行技術としては、例えば下記に示すような特許文献1が存在する。
特許文献1では、下部側に反転板10を供えたスイッチ素子11が設けられ、その上部側に静電容量式の座標検出装置(平板型入力装置4)が設けられている。前記スイッチ素子11は、中心部の電極13a1と、その周囲に設けられたリング状の電極13a2とが樹脂シート12上に設けられており、前記リング状の電極13a2の表面に金属製のダイヤフラム型反転板15が設けられている。一方、平板型入力装置4は、上下両面にX方向検出電極とY方向検出電極とがマトリックス状に対向配置された可撓性を有する樹脂シートを有している。前記樹脂シートの表面には文字、記号あるいは図形などが印字された表示シート7が積層されている。
【0003】
前記表示シート7の触れた指を強く押し込むと、前記反転板15が反転し、前記中心部の電極13a1とリング状の電極13a2が導通させられることにより、スイッチとしての入力ができるようになっている。またスイッチ操作の際には前記反転板15が反転することにより、操作者にクリック感を与えることが可能とされている。
【0004】
前記の装置では、前記表示シート7の表面に軽く触れた指などを移動させて文字を描くと、前記平板型入力装置4がX電極およびY電極との間の静電容量の変化から前記指の移動軌跡をXY座標軸上の時間ごとの位置データとして検出することができるため、前記文字を入力することが可能となっている。
【0005】
このような、静電容量式の座標検出装置としては例えば、以下の特許文献2などの先行技術が存在している。
【特許文献1】特開2002−123363号公報
【特許文献2】特開平08−137607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような情報端末型の装置では、暗闇の中でも、操作者にスイッチの位置(文字等の位置)を認識することができるようにする必要がある。このためには、例えばスイッチ釦の表面に印字された文字、記号あるいは図形等を明るく表示させるLEDなどの光源を前記装置内に設け、装置内から表示シート7の背面を照光することが好ましい。
【0007】
しかし、前記光源と表示シート7の間には前記平板型入力装置4が設けられており、前記平板型入力装置4に設けられた多数のX電極およびY方電極が前記光源から発せられた光を遮断するため、前記表示シート7が暗くなりやすいという問題がある。
【0008】
この点、例えばX電極およびY電極を透明電極(ITO)により形成すれば、光源から発せられた光は前記ITOを通過して前記文字等を明るく表示させることが可能となり上記のよう問題は解決されるが、前記ITOは高価であるため、製造コストが高騰しやすいという問題がある。
【0009】
また前記平板型入力装置4に前記光源の光が直接通り抜けるための穴を形成しておくことができれば、表示シート7の背面を明るく照光すること可能となる。
【0010】
しかし、平板型入力装置4に穴を形成した場合には、前記X電極およびY電極は前記穴の位置を避けながら迂回するように配設しなければならなくなる。この場合、前記穴の形成位置によっては、迂回路を有する線路(X、Y電極)と有さない線路(X、Y電極)が混在してしまい、前記静電容量が各線路間で大きく異なってしまうため、座標位置を正しく検出することができなくなるという問題が生じる。
【0011】
また特許文献2に示される静電容量式の座標検出装置では、複数のX電極とY電極のうち、一方の電極を接地状態(−電極)にしたときに他方の電極に+側の電圧を印加する
構成であり、X電極とY電極はそのときどきの状況に応じて−電極になったり、+電極
になったりする。前記X電極及びY電極には、他の回路に接続するための複数の引き出し線からなる配線パターンが形成されるが、近年の携帯端末機器の小型化に伴い、特に外側に配置された前記X電極またはY電極の近傍に密集する状態で配置しなければならなくなっている。
【0012】
しかし、配線パターンを、外側のX電極やY電極の近傍に密集配置すると、外側のX電極やY電極に対する前記静電容量が不安定となり座標位置を正しく検出することが困難になるという問題も生じる。
【0013】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、座標位置を検出するX電極およびY電極に基板上の穴などを避けるための迂回路を形成しなければならないような場合であっても、座標位置を正しく検出することを可能とした静電容量式の座標検出装置を提供することを目的としている。
【0014】
また本発明は外側のX電極またはY電極の近傍に引き出し線が密集配置された場合であっても座標位置を正しく検出することを可能とした静電容量式の座標検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、基材シートに、Y方向に延びるとともにX方向へ間隔を開けて配置されてそれぞれに電圧が与えられる複数の検出電極と、隣り合う前記検出電極の間に位置して前記Y方向に延びる複数のコモン電極とが形成され、
前記基材シートに導電体である接触体が接触または近接したときに、それぞれの前記検出電極とこれに対向する前記コモン電極との間の容量の変化を検出して前記接触体が接触又は近接した箇所のXY座標平面上の位置が検出される静電容量式の座標検出装置において、
いずれかの前記コモン電極を基準コモン電極とし、前記検出電極のうち前記基準コモン電極の一方の側に隣接するのを第1の検出電極、他方の側に隣接するのを第2の検出電極としたときに、
特定箇所において、前記基準コモン電極と前記第1の検出電極、および前記基準コモン電極と第2の検出電極の少なくとも一方には、他方に接近する迂回路が形成されていることを特徴とするものである
例えば、前記基材シートに穴が形成されており、前記穴の側方に前記迂回路が形成されているものである。
【0016】
また前記基材シートの一方の側に操作部材が、他方の側に前記操作部材で操作される電子部品が設けられており、前記操作部材の一部が前記穴を通過して前記電子部品を操作可能とされているものとして構成される。
【0017】
あるいは、前記基材シートの穴に照明用の光源が配置され、または前記穴が前記光源から発せられた光の通路とされているものとして構成される。
【0018】
上記において、前記基準コモン電極と前記第1の検出電極との間の容量をCRとし、前記基準コモン電極と前記第2の検出電極との間の容量をCLとしたときに、
一方の容量が、他方の容量の増減を補完し合うことにより、前記容量CRと容量CLとの合成容量が一定に維持されるように前記各電極のパターンが設定されているものが好ましい。
【0019】
例えば、前記基準コモン電極には、Y方向に間隔を開けてX方向の両側に延びるコモン枝電極が形成され、前記第1の検出電極には、X方向に延びて前記コモン枝電極に対向する第1の補助電極が、前記第2の検出電極には、X方向に延びて前記コモン枝電極に対向する第2の補助電極がそれぞれ形成されており、
前記迂回路または前記迂回路の近傍に、前記コモン枝電極と前記第1の補助電極とが設けられ、前記迂回路または前記迂回路の近傍では、前記コモン枝電極と前記第2の補助電極とが対向していないものとして構成できる。
【0020】
あるいは、前記基準コモン電極には、Y方向に間隔を開けてX方向の両側に延びるコモン枝電極が形成され、前記第1の検出電極には、X方向に延びて前記コモン枝電極に対向する第1の補助電極が、前記第2の検出電極には、X方向に延びて前記コモン枝電極に対向する第2の補助電極がそれぞれ形成されており、
前記迂回路または前記迂回路の近傍では、前記コモン枝電極と前記第1の補助電極との対向長さ寸法が、前記コモン枝電極と前記第2の補助電極との対向長さ寸法よりも長く形成されているものが好ましい。
【0021】
なお、前記X方向に代えてY方向とし、前記Y方向に代えてX方向とした構成とすることもできる。
【0022】
上記の記載のものと、前記記載のものとを備えて、接触体の接触箇所のX方向の座標位置とY方向の座標位置の双方の入力を可能としたことを特徴とするものである。
【0023】
また本発明は、複数の穴が形成された基材シートと、前記基材シートの一方の面にY方向に延びるとともにX方向へ所定の間隔を開けて配置されてそれぞれに電圧が与えられる複数のX検出電極と、前記基材シートの他方の面にX方向に延びるとともにY方向へ所定の間隔を開けて配置されてそれぞれに電圧が与えられる複数のY検出電極と、いずれか一方の面に設けられ且つ隣り合うX検出電極および隣り合うY検出電極の双方に対向する複数のコモン電極と、前記X検出電極と前記コモン電極との間および前記Y検出電極と前記コモン電極との間に所定のタイミングで前記電圧を印加する制御手段と、個々のX検出電極およびY検出電極と制御手段との間を接続する複数の引き出し線と、を有する静電容量式の座標検出装置において、
いずれかの端部に位置するX検出電極又はY検出電極の外側近傍には前記引き出し線が集中的に配線されるとともに、このX又はY検出電極の内側近傍には前記穴が対向配置されており、
前記基材シートを挟んで対向するX検出電極又はY検出電極と前記コモン電極の一方には、前記X検出電極又はY検出電極とコモン電極とを面対向させることにより、X検出電極又はY検出電極と前記コモン電極間の静電容量の調整を図る
第1の調整電極が形成されていることを特徴とするものである。
【0024】
上記発明では、外側に設けられたY検出電極またはX検出の近傍に引き出し線が密集配
置され、あるいは穴が形成されることにより、外側の検出電極との間で静電容量を形成するコモン電極を対向配置することができないような場合であっても、静電容量の不足分を補充することができるため、座標位置を正しく検出することができる。
【0025】
さらには前記基材シートを挟んで対向するX検出電極又はY検出電極と前記コモン電極の一方には、前記第1の調整電極に隣接し且つ前記基材シートを挟んで互いに重ならない位置で対向する第2の調整電極が形成されているものが好ましい。
【0026】
上記手段では、静電容量の不足分をさらに補充することができる。
前記コモン電極には、前記隣り合う一対のX検出電極および隣り合う一対のY検出電極の双方に対向し且つ前記穴を迂回して延びるコモン対向電極が設けられているものとして構成できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の静電容量式の座標検出装置は、座標検出装置を構成する基材シートに穴を自由に開けることが可能となる。このため、ステムを有するキーを使用することが可能となり、前記ステムがダイヤフラムを操作できるようになるため、操作者に心地よいクリック感を与えることができるようになる。
【0028】
また光源の光をキーの背面に導きやすくなるため、より明るい照光が可能となる。
さらに各電極間の静電容量の増減を補完し合うように電極パターンを形成することにより、基材シートに迂回路を形成しても、精度の高い座標位置を検出することが可能となる。
【0029】
また外側に設けられたY検出電極またはX検出の近傍に引き出し線が密集配置され、あるいは穴が形成されることにより、外側の検出電極との間で静電容量を形成するコモン電極を対向配置することができず静電容量が不足するような場合であっても、構成伝教によりこの不足分を補充することができるため、座標位置を正しく検出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下本発明の実施の形態について図面を参照にしつつ説明する。
図1は本発明の座標検出装置が搭載される情報端末機器としての携帯電話機を示す平面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は本発明の第1の実施の形態として座標検出装置を構成する基材シートと電極パターンを示す平面図、図4は図3の基材シートの一方の面に形成されたX検出電極とコモン電極とを示す平面図、図5は基材シートの一方の面に形成されたコモン電極と他方の面に形成されたY検出電極とを図4と同じ方向から見た場合の平面図である。なお、図3ないし図5ではステム12bを通過させるための挿通穴21aのみを示し、光を通過させるための通路穴21bは省略している。
【0031】
図1は、主として情報端末機器としての携帯電話機10の操作部11を示している。図1に示すように操作部11には一般的なキー配列からなる複数の操作キー(操作部材)12が配列されている。図2に示すように、前記操作部11は前記上部ケース11Aと下部ケース11Bとが一体的に組み合わされている。前記上部ケース11Aには複数の開口穴11a,11a,・・・が形成されており、前記操作キー12の表面であるキートップ12aがこれらの開口穴11a,11a,・・から外部に露出されている。前記キートップ12aには、文字、記号あるいは図形などが印字されている。
【0032】
前記操作キー12は透明または半透明な合成樹脂で形成されており、例えば各操作キー12がフープ部(図示せず)を介して一体的に連結されたキーマットとして形成されてい
る。したがって、各操作キー12は、前記本体側となるキーマットに対し、前記フープ部を介して図示Z1−Z2方向に弾性変形可能な状態で連結されている。各操作キー12の背面(Z2側の面)には、円柱形状からなるステム(押圧凸部)12bが一体に突出形成されており、装置内部方向(Z2方向)に延びている。
【0033】
前記下部ケース11Bには回路基板13が固定されており、この回路基板13には複数の電子部品15と、光源14が設けられている。前記操作キー12は、前記ステム12bの先端が各電子部品15に対向するように配置されている。
【0034】
前記電子部品15は、例えばドーム形状からなる金属製の反転板と接触電極と有している。前記反転板の基端部は回路基板13に設けられたリング状の電極に固定されており、反転板の内面が接触電極に対向している。前記反転板が反転し、反転板の内面が前記接触電極に接触することにより、前記接触電極とリング状電極とが導通させるスイッチ構造となっている。また前記光源14はLEDなどで構成されており、前記電子部品15の周囲に設けられている。
【0035】
図2に示すように、操作部11の内部には座標検出装置20が設けられており、座標検出装置20は接着剤16を介して前記キーマットの下面に固定されている。
【0036】
前記座標検出装置20は可撓性に優れたフィルム状の基材シート21を有している。前記基材シート21は誘電体で形成されているものが好ましい。図4に示すように、基材シート21の一方の面には、Y方向に延びるとともにX方向へ所定の間隔を開けて配置された複数のX検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xと、同じくY方向に延びるとともにX方向へ所定の間隔を開け、且つ前記個々のX検出電極の間に配置された複数のコモン電極1k,2k,3k,4k,5kとが互いに接触しないように配線されている。前記各コモン電極1k,2k,3k,4k,5kはY2側の端部で一つに接続されており、コモン電極Kとして基材シート21の外部に引き出されている。
【0037】
また図5に点線で示すように、基材シート21の他方の面には、X方向に延びるとともにY方向へ所定の間隔を開けて配置された複数のY検出電極1y,2y,3y,4y,5y,6y,7y,8yが設けられている。なお、図5では基材シート21の一方の面に設けられた前記コモン電極1k,2k,3k,4k,5kを実線で示している。
【0038】
基材シート21の一方に設けられた複数のX検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xと、他方に設けられた複数のY検出電極1y,2y,3y,4y,5y,6y,7y,8yとは、前記基材シート21の両面において互いに垂直に交差するように配置されている。
【0039】
図4および図5に示すように、前記コモン電極1k,2k,3k,4k,5kには、X方向の両側に向かって所定の長さ寸法で直線状に延びるコモン枝電極22が複数形成されている。個々のコモン枝電極22は、Y方向に一定の間隔を開けて前記各コモン電極1k,2k,3k,4k,5kに交差するように設けられており、両側(X1およびX2)方向の先端は基本的に前記X検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xに交差する寸前の位置まで延びている。
【0040】
図4に示すように、個々のX検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xには、X方向の両側に平行に延びる第1の補助電極23が複数形成されている。前記第1の補助電極23は、基本的には一対の平行電極23a,23bで形成されており、Y方向に一定の間隔を開けるとともに前記X検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xに交差するように配置されている。そして、前記第1の補助電極23を形成する一方の平行電極23aと
他方の平行電極23b間には前記コモン枝電極22の先端部が挿入されており、前記コモン枝電極22の先端部が前記平行電極23a,23bに対して部分的に対向するように配置されている。
【0041】
また図5に示すように個々のY検出電極1y,2y,3y,4y,5y,6y,7y,8yには、Y方向の両側に平行に延びる第2の補助電極24が形成されている。前記第2の補助電極24も、基本的には一対の平行電極24a,24bで形成されており、X方向に一定の間隔を開けて前記Y検出電極1y,2y,3y,4y,5y,6y,7y,8yに交差するように配置されている。図5に示すように、基材シート21の他方の面に設けられた前記コモン電極1k,2k,3k,4k,5kは、前記基材シート21の他方の面に設けられ且つ前記第2の補助電極24を形成する一方の平行電極24aと他方の平行電極24bの間を通るように配置されている。
【0042】
なお、前記座標検出装置20は、図4に示す前記X検出電極およびコモン電極が配線された基材シート21の一方の面上には、前記X検出電極およびコモン電極を覆う表面シート(図示せず)が積層され、また図5に示す前記Y検出電極が配線された基材シート21の他方の面上にも前記Y検出電極を覆う裏面シート(図示せず)が積層されている。
【0043】
なお、前記基材シート21は誘電体で形成されている場合には、前記表面シートおよび裏面シートは透明な絶縁シートであるものが好ましい。また前記基材シート21は誘電体で形成されてない場合には、前記表面シートおよび裏面シートは誘電性を有する透明なシートが好ましい。
【0044】
図2に示すように、上記基材シート21(表面シートおよび裏面シートも同様)には、前記ステム12bを通過させるための挿通穴21aや、光源14が発した光を操作キー12の背面に導く通路として機能する通路穴21bが形成されている。よって、操作キー12を押下したときに、前記ステム12bが前記電子部品15の反転板を反転動作させることができるため、操作者に心地よいクリック感を与えることができる。
【0045】
また光源14から発せられた光は、前記通路穴21bを通路として通過することができるため、前記キー(操作部材)12の背面を明るく照らし出すことができる。この場合、前記照明用の光源14を前記基材シート21に形成された通路穴21bに対向させて配置すると、暗闇の中でもキートップ12aに印字等されている前記文字、記号あるいは図形をはっきりと認識させることが可能である。
【0046】
以下には前記座標検出装置の動作について説明する。
最初に、前記コモン電極K、コモン枝電極22、X検出電極およびY検出電極だけが設けられている場合、すなわち前記第1の補助電極23および第2の補助電極24を有しない場合の座標検出装置の動作について説明する。
【0047】
図6は基準となるコモン電極とこれに隣接する2つのX検出電極を示す拡大して示す平面図、図7は基準となるコモン電極に設けられたコモン枝電極と隣接するX検出電極に設けられた平行電極との関係を拡大して示す平面図である。
【0048】
図6に示すように、複数のコモン電極1k,2k,3k,4k,5kのうちのいずれか1つ、例えばコモン電極3kを基準コモン電極とすると、この基準コモン電極3kに隣接する一方の側(例えば右側)に位置するX検出電極は4x、他方(左側)に位置するX検出電極は3xとなる。
【0049】
前記基準コモン電極3kとX検出電極3xとの間は静電容量C1で結合され、および前
記基準コモン電極3kとX検出電極4xと間は静電容量C2で結合された状態にある。このため、図示しない発振手段などを用いて前記基準コモン電極3kに対してパルス状の電圧Vinを印加すると、前記X検出電極3xには静電容量C1を通して前記電圧Vinが印加され、同じくX検出電極4xには静電容量C2を通して前記電圧Vinが印加される。
【0050】
なお、基準コモン電極3kとX検出電極3xとの間の電極間距離dおよび電極間の対向長さ寸法が、基準コモン電極3kとX検出電極4xとの間の電極間距離dおよび電極間の対向長さ寸法等しい場合には、両静電容量はC1=C2となり、両電極間はバランス調整された状態にある。
【0051】
この状態から、前記基準コモン電極3kを覆う前記表面シート上に指など接地状態にあって導電体である接触体を接触又は近接させると、前記基準コモン電極3kと前記X検出電極3x、4x間に生じている誘電束の一部が前記接触体側に引き抜かれるため、前記静電容量C1,C2が減少させられる。このため、前記X検出電極3x、4xからは前記静電容量C1,C2の変化に応じた検出電圧Voutが出力される。前記検出電圧Voutは、接触体とX検出電極との距離が近いほどが小さな電圧値として出力される。すなわち、X検出電極3x,4xから出力される電圧値が最も小さく、それ以外のX検出電極1x,2x,5xから出力される電圧値は大きいままである。このため、X検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xの電圧値を、一定の周期で順次検出することにより、接触体のX方向の座標位置を決定することが可能となっている。
【0052】
一方、図3ないし図に5示すものでは、前記コモン電極1k,2k,3k,4k,5kには、X方向に延びる複数のコモン枝電極22がY方向に所定のピッチで7列形成されている。すなわち、X方に一列に並ぶ1組のコモン枝電極22が全部で7組形成されている。前記Y方向に所定のピッチで並ぶ7組のコモン枝電極22と、その間に設けられた前記Y検出電極1y,2y,3y,4y,5y,6y,7y,8yとは互いに対向している。
【0053】
前記7組のコモン枝電極22のうちの1組を基準コモン電極とすると、前記基準コモン電極とY方向に隣接する2つのY検出電極との間にも上記同様の静電容量C1,C2がそれぞれ形成されている。よって、X検出電極の場合同様に、コモン電極K側に所定周期のパルス電圧Vinを与えるとともに、前記Y検出電極1y,2y,3y,4y,5y,6y,7y,8yから出力される検出電圧Voutを所定の周期で順次検出することにより、接
触体のY方向の座標位置を決定することが可能である。
【0054】
そして、座標検出装置20は、このようなX方向の座標位置とY方向の座標位置を取得することにより、接触体の座標情報を携帯電話機10に入力することが可能となっている。
【0055】
しかしながら、図2に示すように、上記基材シート21(表面シートおよび裏面シートも同様)には、前記ステム12bを通過させるための挿通穴21aや、光源14が発した光を操作キー12の背面に導く通路として機能する通路穴21bが形成されている。このため、前記コモン電極、コモン枝電極22、X検出電極およびY検出電極を、前記基材シート21上に直線的に形成することができず、前記挿通穴21aを避けた迂回路26が部分的に形成されている。
【0056】
しかし、コモン電極1k,2k,3k,4k,5k、コモン枝電極22、X検出電極およびY検出電極に部分的な迂回路を形成すると、前記コモン電極1k,2k,3k,4k,5kと、これに隣接するX検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xとの間の個々の静電容量、および前記Y方向に所定のピッチで並ぶ7組のコモン枝電極22とこれに隣接する前記Y検出電極1y,2y,3y,4y,5y,6y,7y,8yとの間の個々の
静電容量は、互いの電極間距離の違いにより異なる大きさで形成される。すなわち基準コモン電極と、これに隣接するX検出電極(またはY検出電極)との間に形成される前記静電容量C1,C2が一定の大きさではないため、前記前記X検出電極またはY検出電極から検出される電圧値からでは前記接触体のX座標およびY座標を正しく検出することができない。
【0057】
そこで、本願発明では上記のように、前記X検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xに複数の第1の補助電極23を形成し、またY検出電極1y,2y,3y,4y,5y,6y,7y,8yに複数の第2の補助電極24を形成することで対処しており、以下にその動作を説明する。
【0058】
図7に示すように、複数のコモン電極1k,2k,3k,4k,5kのうちのいずれか一つを基準コモン電極BKとし、この基準コモン電極BKに隣接する一方の側(例えば右側)に位置するX検出電極を第1の検出電極XR、他方(左側)に位置するX検出電極を第2の検出電極XLとする。なお、前記第1の検出電極XRおよび第2の検出電極XLは、前記X検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xのうち隣接するいずれか2つである。
【0059】
また前記基準コモン電極BKからX1方向に延びるコモン枝電極22の先端が、前記第1の検出電極XRからX2方向に延びる一対の平行電極(第1の補助電極)23a,23b間に対向配置される箇所を第1の容量調整部25A、同様に前記基準コモン電極BKからX2方向に延びるコモン枝電極22の先端が、前記第2の検出電極XLからX1方向に延びる一対の平行電極(第2の補助電極)23a,23b間に対向配置される箇所を第2の容量調整部25Bとする。
【0060】
第1,第2の補助電極における前記平行電極23a,23bとコモン枝電極22とが対向する部分の長さ寸法(対向長さ寸法)をL、前記平行電極23a,23bとコモン枝電極22との電極間距離をd、基材シート21の誘電率をεとし、各電極のZ方向の膜厚寸法をδ(図示せず)すると、第1の容量調整部25Aにおける静電容量Cは以下の数1となる。
【0061】
【数1】


【0062】
同様に、第2の容量調整部25Bにおける静電容量Cは以下の数2で表わせる。
【0063】
【数2】


【0064】
前記誘電率ε、各電極の膜厚寸法δは一定値とみなすことができるため、結果として前
記静電容量C,Cはともに電極間の対向長さ寸法Lに比例する。
【0065】
そして、このような第1,第2の容量調整部25A,25Bは、一つの基準コモン電極BKの左右両側に複数(図3ないし図5に示す例ではそれぞれ7箇所だが、ここではn箇所とする)設けられている。また元から前記基準コモン電極BKと第1の検出電極XR間に存在している静電容量をC1、元から前記基準コモン電極BKと第2の検出電極XL間に存在する静電容量をC2とすると、
前記基準コモン電極BKと第1の検出電極XRの間には、前記静電容量C1と前記n箇所の第1の容量調整部25Aに形成される前記静電容量Cとが並列接続された状態で存在するのと等価であるため、この間の合成容量CRはCR=C1+n・Cである。同様に、前記基準コモン電極BKと第2の検出電極XLの間には、前記静電容量C2とn箇所の第2の容量調整部25Bに形成される前記静電容量Cとが並列接続された状態で存在するのと等価であるため、この間の合成容量CLはCL=C2+n・Cである。
【0066】
ところで、コモン電極1k,2k,3k,4k,5kに所定の電圧Vinを印加して、前記X検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xから検出電圧Voutを取得する場合、
1つのX検出電極にはその両側に位置する2つのコモン電極から電圧Vinが与えられる。例えば、X検出電極2xから電圧を検出する場合、前記X検出電極2xには隣接するコモン電極1kとコモン電極2kの双方から電圧Vinが作用するため、前記X検出電極2xに対する合成容量Cは、コモン電極1kとX検出電極2xとの間の静電容量C1と、コモン電極2kとX検出電極2xとの間の静電容量C2とが並列接続された値(C=C1+C2)となる。
【0067】
よって、前記基準コモン電極BKと第1,第2の検出電極XR,XLとの間の総合的な合成容量Cは以下の数3となる。
【0068】
【数3】

【0069】
すなわち、複数の第1,第2の容量調整部25A,25Bを形成することにより、基準コモン電極BKと第1,第2の検出電極XR,XLとの間の静電結合を高め、総合的な合成容量Cを大きくすることにより、接触体が接近または近接したときの静電容量の変動を大きくすることができる。このため、各X検出電極およびY検出電極から検出される電圧値の変化を確実に捕らえることができ、座標検出装置の検出精度を高めることが可能となる。
【0070】
しかも、数3はn・(C+C)に相当する静電容量を有することにより、総合的な合成容量Cの調整の幅を広げることが可能である。すなわち、前記n・(C+C)に相当する静電容量は複数の第1,第2の容量調整部25A,25Bにより形成されているため、これらを適正に調整することにより、前記総合的な合成容量Cの変動を低く抑えること、すなわち各電極間に形成される合成容量Cを一定に維持することができる。
【0071】
次に、合成容量Cの調整手法の一例について説明する。
まず図7に示す関係を有する状態、すなわち元々の基準コモン電極BKと第1の検出電極XRとの間の静電容量C1と、元々の基準コモン電極BKと第2の検出電極XLとの間の静電容量C2とが同じ大きさ(C1=C2)にあり、かつ複数の第1の容量調整部25
Aの静電容量n・Cと複数の第2の容量調整部25Bの静電容量n・Cとが同じ大きさ(n・C=n・C)にある場合(CL(=C1+n・C)=CR(=C2+n・C))を、バランス調整が維持された基準状態とする。なお、基準状態における総合的な合成容量Cは上記数3となる。
【0072】
次に、図4を参考に、コモン電極1kを基準コモン電極BKとし、X1側のX検出電極2xを第1の検出電極XR、X2側のX検出電極1xを第2の検出電極XLとした場合について説明する。
【0073】
図4に示すように、X検出電極2xが延びるY方向の途中には、「OFF」,「1」、「4」、「7」、「*」等の文字が印字された操作キー12のステム12bが挿通されるための5つの挿通穴21aが所定のピッチで形成されている。そして、この挿通穴21aの側方には、前記X検出電極2xを形成する5つの迂回路26(個別に26a,26b,26c,26d,26eで示す。)が形成されている。前記各迂回路26は前記挿通穴21aを避けるように略円弧形状に形成されており、すべての迂回路26は前記基準コモン電極BKであるコモン電極1kから見て図示X1方向に凸状に突出するように形成されている。また各挿通穴21aに隣接し且つ前記第1の検出電極XR(X検出電極2x)の右側に設けられる複数の第1の容量調整部25Aのほとんどは、平行電極23a,23bの一方または双方をX2方向に延ばすことができない状態にある。
【0074】
このため、前記基準コモン電極BKであるコモン電極1kと、第1の検出電極XRであるX1側のX検出電極2xとの間では、元々の静電容量C1および複数の第1の容量調整部25Aで形成される静電容量n・Cがともに小さく、この間の合成容量CRは前記基準状態よりも小さい状態にある。
【0075】
一方、前記基準コモン電極BKであるコモン電極1kと、第2の検出電極XLであるX1側のX検出電極1xの間では、コモン電極1kとX検出電極1xとが一定の距離が維持されているため、この間の元々の静電容量C1は前記基準状態の場合とほぼ同じである。ただし、X検出電極1xからX1方向に延びる平行電極23a,23bの長さ寸法は前記基準状態における長さ寸法より長めに形成されており、前記平行電極23a,23bとコモン枝電極22との間の対向長さ寸法Lが長くなっている。
【0076】
すなわち、前記基準コモン電極BKであるコモン電極1kと、第2の検出電極XLとの間では、前記複数の第2の容量調整部25Bで形成される静電容量n・Cは大きくなるように形成されており、この間の合成容量CLは前記基準状態よりも大きな状態にある。
【0077】
そして、総合的な合成容量C=CR+CLは、前記基準状態に一致するように設定されている。すなわち、基準コモン電極BKに対し右側となる一方の合成容量CRの減少分を、左側となる他方の合成容量CLで補完することにより、全体としての総合的な合成容量(基準コモン電極BKと第1,第2の検出電極XR,XL間の合成容量)Cが一定値に維持されている。
【0078】
またコモン電極3kが延びるY方向の途中には、「2」,「5」、「8」、「0」の文字が印字された操作キー12のステム12bが挿通されるための4つの挿通穴21aが所定のピッチで形成されているが、この場合も上記同様の処置を施すことにより、コモン電極3kに対し一方のX検出電極4xとの間の合成容量CRの減少または増加分を、他方のX検出電極3xとの間の合成容量CLで補完することにより、全体としての総合的な合成容量(基準コモン電極BKと第1,第2の検出電極XR,XL間の合成容量)Cが基準状態に一致するように一定に維持されている。
【0079】
このように、本願発明では、基準コモン電極BKと、その一方に隣接する第1の検出電極XRとの間の前記合成容量CLと、その他方に隣接する第2の検出電極XLとの間の前記合成容量CLうち、一方の合成容量が減少状態にある場合には、他方の合成容量を増加させることにより、あるいは一方の合成容量が増加状態にある場合には、他方の合成容量を減少させることにより、全体としての総合的な合成容量C(=CL+CR)が常に一定となるように、前記静電容量n・Cおよびn・Cを形成する複数の第1の容量調整部25Aおよび第2の容量調整部25Bの調整がなされている。すなわち、一方の合成容量CLが、他方の合成容量CRの増減を補完できるように、各電極パターンが形成されている。
【0080】
なお、上記のような構成は、Y方向に所定のピッチで並ぶ7組のコモン枝電極22とY検出電極1y,2y,3y,4y,5y,6y,7y,8yとの間でもそれぞれ上記同様の処置が施されている。
【0081】
このため、本発明の座標検出装置20では、基材シートに穴等が形成さており、各電極を直線状に配線することができない場合でも、コモン電極Kと各X検出電極またはY検出電極間の静電容量を場所によらず一定に維持することができる。よって、指など接地状態にある接触体を前記座標検出装置20の表面に接触又は近接させたときに、接触体が接触または近接したX方向の座標位置を高い精度で検出することが可能である。
【0082】
図8はX検出電極側の等価回路とその電圧検出手段の構成を示す概念図である。
図8に示す電圧検出手段では、所定周波数の電圧Vinを発振することが可能な発振手段31などを用いて前記コモン電極Kに対して所定の電圧Vinを印加すると、各X検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xには前記合成容量CRおよびCLに応じた検出電圧Voutが出力される。よって、例えばマルチプレクサ32などを駆使し、所定のサンプリ
ング周期で前記X検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xを順次選択しつつ、図示しないA/D変換手段を用いて前記X検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xに出力される各検出電圧Voutを高い精度で取得することが可能となっている。
【0083】
上記実施の形態では、コモン電極Kに電圧Vinを与え、X検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6x側から検出電圧Voutを検出するようにしたが、本発明はこれに限られ
るものではなく、X検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6x側に電圧Vinを与えてコモン電極Kから検出電圧Voutを検出するようにしてもよい。
【0084】
また上記実施の形態では、基材シート21の一方の面に形成された電極パターンをコモン電極およびX検出電極とし、他方の面に形成された電極パターンをY検出電極としたものを説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、基材シート21の一方の面に形成された電極パターンをコモン電極とY検出電極とし、他方の面に形成された電極パターンをX検出電極とて使用するものであってもよい。さらには、前記一方の面に形成された電極パターンをY検出電極とし、且つ前記他方の面に形成された電極パターンをX検出電極とした構成であってもよい。すなわちX検出電極とY検出電極を入れ替えた構成であってもよい。
【0085】
次に、前記操作部11の内部に図9に示すような座標検出装置40が設けられた場合について説明する。
【0086】
図9は本発明の第2の実施の形態として座標検出装置を構成する基材シート21と電極パターンを示す平面図、図10Aは図9を部分的に拡大して示す平面図、図10Bはその断面図である。この場合、前記座標検出装置40は接着剤16を介して前記キーマットの下面に固定されている。
【0087】
なお、図9では主としてハッチング無しの実線が基材シート21の一方の面に形成されたX検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xを示し、ハッチング有りの実線が一方の面に形成されたコモン電極1k,2k,3k,4k,5kとを示している。また点線は基材シート21の他方の面に形成されたY検出電極1y,2y,3y,4y,5y,6y,7y,8yを示している。また太線の正方形が挿通穴21aを、同じく太線の長方形が通路穴21bを示し、また丸型の穴は基材シート21を固定するための取付け穴21cを示している。
【0088】
前記座標検出装置40は可撓性に優れたフィルム状の基材シート21を有している。なお、前記基材シート21は誘電体で形成されている。図9に示すように、基材シート21には、前記ステム12bを通過させるための挿通穴21aや、光源14が発した光を操作キー12の背面に導く通路として機能する通路穴21bが形成されている。よって、操作キー12を押下したときに、前記ステム12bが前記電子部品15の反転板を反転動作させることができるため、操作者に心地よいクリック感を与えることができる。
【0089】
また光源14から発せられた光は、前記通路穴21bを通路として通過することができるため、前記キー(操作部材)12の背面を明るく照らし出すことができる。この場合、前記照明用の光源14を前記基材シート21に形成された通路穴21bに対向させて配置すると、暗闇の中でもキートップ12aに印字等されている前記文字、記号あるいは図形をはっきりと認識させることが可能である。
【0090】
前記基材シート21の一方の面には、Y方向に延びるとともにX方向へ所定の間隔を開けて配置された複数のX検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xが設けられている。また前記基材シート21に形成されている挿通穴21aや通路穴21bを避けながら全体としてY方向に延びる複数のコモン電極1k,2k,3k,4k,5k(コモン電極K)が、X検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xに対して接触しない位置で且つX方向へ間隔を開けて配置されている。
【0091】
前記コモン電極1kは図示Y方向に並ぶとともに前記Y検出電極1y,2y,3y,4y,5y,6y,7y,8yのそれぞれに対し部分的に平行に対向するコモン対向電極1k2,1k3,1k4,1k5,1k6,1k7,1k8を有し、図示左端側でY方向に延びている。同様に前記コモン電極2kは、各Y検出電極1yないし8yのそれぞれに対し部分的に平行に対向するコモン対向電極2k1,2k2,2k3,2k4,2k5,2k6,2k7,2k8を有し、同様に前記コモン電極3kは各Y検出電極1yないし8yのそれぞれに対し部分的に平行に対向するコモン対向電極3k2,3k3,3k4,3k5,3k6,3k7,3k8を有し、同様に前記コモン電極4kは各Y検出電極1yないし8yのそれぞれに対し部分的に平行に対向するコモン対向電極4k1,4k2,4k3,4k4,4k5,4k6,4k7,4k8を有し、同様に前記コモン電極5kは各Y検出電極1yないし8yのそれぞれに対し部分的に平行に対向するコモン対向電極5k2,5k3,5k4,5k5,5k6,5k7,5k8を有している。前記各コモン電極1k,2k,3k,4k,5kは、図示Y2側のコモン対向電極1k8,2k8,3k8,4k8,5k8で接続されることにより、等電位に設定されている。コモン電極K(コモン電極1k,2k,3k,4k,5k)のうちのコモン電極4kのY2側の端部(コモン対向電極4k1)には接地用の引き出し線28が設けられており、後述する制御用IC(制御手段)50に接続されている。
【0092】
またコモン電極1kでは、Y方向に隣接するコモン対向電極1k8とコモン対向電極1k7とがY方向に延びるコモン対向電極1kaで連結され、コモン対向電極1k6とコモン対向電極1k5とがコモン対向電極1kbで連結され、コモン対向電極1k4とコモン
対向電極1k3とがコモン対向電極1kcで連結され、コモン対向電極1k5とコモン対向電極1k4とがコモン対向電極1kcで連結されている。そして、コモン対向電極1k2からはY方向に延びるコモン対向電極1kdが設けられている。なお、Y方向に延びる前記コモン対向電極1ka,1kb,1kcおよび1kdとX検出電極1xとが部分的に対向し、これらの間に静電容量が形成される。
【0093】
一対のコモン対向電極1k7とコモン対向電極1k6、一対のコモン対向電極1k5とコモン対向電極1k4、および一対のコモン対向電極1k3とコモン対向電極1k2は互いに平行な状態で対向配置されており、上記第1の実施の形態同様の平行電極を形成している。
【0094】
そして、上記第1の実施形態同様に、前記X検出電極1xにはX方向に延びる複数のコモン枝電極22が形成されており、各コモン枝電極22はそれぞれ一対のコモン対向電極により形成された平行電極間に対向配置され、第1の容量調整部が形成されている。
【0095】
またX方向電極2xにはX1およびX2方向に延びる複数のコモン枝電極22が形成されており、各コモン枝電極22はそれぞれコモン電極1kまたはコモン電極2kに一対のコモン対向電極で形成された平行電極間に対向配置され、第2の容量調整部が形成されている。
【0096】
ここで、コモン電極1kを基準コモン電極BKとすると、X検出電極1xが第1の検出電極XR、X検出電極2xが第2の検出電極XLに相当する。このため、第1の実施の形態同様に第1の容量調整部と前記第2の容量調整部とにより、基準コモン電極(コモン電極1k)と第1の検出電極(X検出電極1x)および第2の検出電極(X検出電極2x)間の総合的な合成容量Cの変動を低く抑えること、すなわち各電極間に形成される合成容量Cを一定に維持することができるようになっている。
なお、このような関係は、他のコモン電極と他のX検出電極との間でも同様である。
【0097】
一方、X方向に直線的に延びるY検出電極8yでは、前記Y検出電極8yの図示Y1側に位置する各コモン対向電極1k8,3k8,5k8との間に静電容量が形成され、前記Y検出電極8yの図示Y2側に位置するコモン対向電極2k8,4k8との間に静電容量が形成される。すなわち、5つのコモン対向電極1k8,2k8,3k8,2k8,4k8,5k8が前記Y検出電極8yの両側の位置で交互に対向し、これらの間に所定の静電容量が形成される。
【0098】
同様に、迂回路26,26を有するY検出電極7yにおいても、5つのコモン対向電極1k7,2k7,3k7,2k7,4k7,5k7が前記Y検出電極7yの両側の位置で交互に対向し、これらの間に所定の静電容量が形成される。以下同様に、Y検出電極1yを除くY検出電極6y,5y,4y,3y,2yについても5箇所のコモン対向電極を介して所定の静電容量を形成されるようになっている。
【0099】
ところで、図9に示すように、基材シート21には各X検出電極とコモン電極K間および各Y検出電極とコモン電極Kの間に所定のサンプリング周期の電圧を印加し、個々の静電容量の変位を検出するための制御用IC50が設けられている。前記基材シート21の一方の面に形成された各X検出電極1x,2x,3x,4x,5x,6xの図示Y2側の端部には、前記制御用IC50の接続端子まで延びる引き出し線27がそれぞれ接続されている。
【0100】
また基材シート21の他方の面では、Y検出電極1y,2y,3y,4yが図示X2側の端部に設けられた各引き出し線29を介して、Y検出電極5y,6y,7y,8yが図
示X1側の端部に設けられた各引き出し線29を介して、それぞれ制御用IC50に接続されている。
【0101】
前記各引き出し線27,28,29は、前記Y検出電極1yのY2側の側部に密集配置されている。また前記Y検出電極1yのY1側には、3つの挿通穴21a,21a,21aが対向配置されている。前記Y検出電極1yについては、挿通穴21aを有しない部分のコモン対向電極2k1,4k1が前記Y検出電極1yのY1側で対向し、この部分で静電容量を形成している、しかしながら、挿通穴21aが設けられた部分では前記Y検出電極1yに対してコモン対向電極を配置することが物理的に不可能な状態にある。しかも前記Y検出電極1yのY2側には前記引き出し線27,28,29が密集配置されているため、この部分にもコモン対向電極を配置することができない状態にある。
【0102】
よって、Y検出電極1yに対する静電容量C1yは、Y1側に設けられた2箇所のコモン対向電極2k1,4k1と前記Y検出電極1yとの間で形成され、その他のY検出電極2yないし8yに対する静電容量のように5箇所のコモン対向電極によって形成される静電容量C2y,C3y,C4y,C5y,C6y,C7y,C8yに比較して著しく小さくならざる負えない(C1y<C2y,C3y,C4y,C5y,C6y,C7y,C8y)。このため、Y検出電極1yに沿う座標位置を正しく検出することができいおそれがある。
【0103】
そこで、本願発明では、前記コモン対向電極1kd,5kdに面対向可能な第1の調整電極1ya,1ybを、Y検出電極1yに設けたことで対処しており、以下にその動作を説明する。
【0104】
コモン対向電極1kd,5kdは、それぞれ挿通穴21aの左側部または右側部の位置で図示Y方向に延びる電極として形成されている。一方、図示X2およびX1側の端部には、前記Y検出電極1yからY1方向に延びる第1の調整電極1ya,1ybが、前記コモン対向電極1kd,5kdに面対向させてある。図10Aおよび図10Bに示すように、前記第1の調整電極1ya,1ybと前記コモン対向電極1kd,5kdとは、その間に設けられた誘電体からなる基材シート21を介して対向しており、両者の間には対向面積に比例する静電容量Ca形成される。
【0105】
各電極の対向部分の幅寸法Wは電極の膜厚寸法δよりも大きいため、電極の単位長さ当たりの静電容量値は、前記第1の調整電極1ya,1ybと前記コモン対向電極1kd,5kdとを面対向させた場合の静電容量Caの方が、電極を平行に並べて膜厚寸法δどうしを対向させた場合の静電容量Cbに比較して十分に大きくすることができる。
【0106】
すなわち、前記Y検出電極2yないし8yに対する静電容量C2y,C3y,C4y,C5y,C6y,C7y,C8yなどに比較して、Y検出電極1yに対する静電容量C1yの足りない分を、前記第1の調整電極1ya,1ybと前記コモン対向電極1kd,5kdとを面対向させることにより形成される静電容量Caで補充することができる。よって、Y検出電極1yないし8yに対する静電容量のすべてを同程度の大きさとすることができる(C1y≒C2y≒C3y≒C4y≒C5y≒C6y≒C7y≒C8y)。
【0107】
ただし、前記第1の調整電極1ya,1ybと前記コモン対向電極1kd,5kdとの面対向部分に形成される静電容量Caによっても、足りない分を補充することができない場合には、例えば図9および10に示すように前記第1の調整電極1ya,1ybと隣接し且つ前記基材シート21を挟んで互いに重ならない位置で平行に対向する第2の調整電極1ycを形成し、この第2の調整電極1ycとコモン対向電極1kd,5kdとの間に形成される静電容量Cbで足りない分の静電容量を補充するようにしてもよい。
【0108】
またY検出電極1yに対する静電容量C1yが、その他の各Y検出電極2yないし8yに対する静電容量C2y,C3y,C4y,C5y,C6y,C7y,C8yよりも大きすぎる場合には、図10Aに示すように、第1の調整電極1ya,1ybの長さ寸法を短く切断し、前記第1の調整電極1ya,1ybと前記コモン対向電極1k1,5k1との間の実質的な対向面積を減少させることにより、前記静電容量C1yを前記静電容量C2y,C3y,C4y,C5y,C6y,C7y,C8yと同じ所定の値に調整するようにしてもよい。この場合の調整は、前記のように第1の調整電極1ya,1yb側を切断してもよいし、コモン対向電極1kd,5kd側を切断するものであってもよい。
【0109】
なお、前記第1の調整電極1ya,1ybを含むY検出電極1y、コモン対向電極1kd,5kdを含むコモン電極1k,5kなどは、基材シート21の表面に、エッジング処理などを用いて銅箔をパターニングすることにより形成するこことができるため、その切断も容易である。
【0110】
また、あらかじめ切断後の第1の調整電極1ya,1ybの長さ寸法または切断後のコモン対向電極1kd,5kdの長さ寸法が判明している場合には、パターニングの段階で、所定の長さで形成しておくことができる。この場合、調整用の切断作業を不用とすることができる点で好ましい。
【0111】
このように、第2の実施の形態に示すものでは、外側に設けられたY検出電極1yの近傍に引き出し線が密集配置され、あるいは穴が形成されることにより、Y検出電極1yに対して静電容量を形成するコモン対向電極を対向配置することができないような場合であっても、静電容量の不足分を補充することができるため、座標位置を正しく検出することができる。
【0112】
なお、第2実施の形態では、外側に設けられた電極としてY検出電極1yを例示して説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、外側に設けられた電極であればY検出電極8y、またはX検出電極1xまたは6xであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】図1は本発明の座標検出装置が搭載される情報端末機器としての携帯電話機を示す平面図、
【図2】図1のII−II線断面図、
【図3】本発明の第1の実施の形態として座標検出装置を構成する基材シートと電極パターンを示す平面図、
【図4】図3の基材シートの一方の面に形成されたX検出電極とコモン電極とを示す平面図、
【図5】図3の基材シートの一方の面に形成されたコモン電極と他方の面に形成されたY検出電極とを図4と同じ方向から見た場合の平面図、
【図6】基準となるコモン電極とこれに隣接する2つのX検出電極を示す拡大して示す平面図、
【図7】基準となるコモン電極に設けられたコモン枝電極と隣接するX検出電極に設けられた平行電極との関係を拡大して示す平面図、
【図8】X検出電極側の等価回路とその電圧検出手段の構成を示す概念図、
【図9】本発明の第2の実施の形態として座標検出装置を構成する基材シートと電極パターンを示す平面図、
【図10】Aは図9を部分的に拡大して示す平面図、Bはその断面図、
【符号の説明】
【0114】
10 携帯電話機
11 操作部
11A 上部ケース
11B 下部ケース
12 操作キー(操作部材)
12a キートップ
12b ステム
14 光源
15 電子部品
20,40 座標検出装置
21 基材シート
21a 挿通穴
21b 通路穴
22 コモン枝電極
23 第1の補助電極
23a,23b 平行電極
24 第2の補助電極
24a,24b 平行電極
25A 第1の容量調整部
25B 第2の容量調整部
26,26a,26b,26c,26d,26e 迂回路
27,28,29 引き出し線
31 発振手段
32 マルチプレクサ
50 制御用IC(制御手段)
C1 基準コモン電極と第1のX検出電極との間の元々の静電容量
C2 基準コモン電極と第2のX検出電極との間の元々の静電容量
第1の容量調整部における静電容量
第2の容量調整部における静電容量
CR 基準コモン電極と第1の検出電極との間の合成容量
CL 基準コモン電極と第2の検出電極との間の合成容量
C 基準コモン電極と第1,第2の検出電極との間の総合的な合成容量
K,1k,2k,3k,4k,5k コモン電極
1k1〜1k8 コモン電極1kに設けられ且つX方向に延びるコモン対向電極
2k1〜2k8 コモン電極2kに設けられ且つX方向に延びるコモン対向電極
3k1〜3k8 コモン電極3kに設けられ且つX方向に延びるコモン対向電極
4k1〜4k8 コモン電極4kに設けられ且つX方向に延びるコモン対向電極
5k1〜5k8 コモン電極5kに設けられ且つX方向に延びるコモン対向電極
1ka〜1kd コモン電極1kに設けられ且つY方向に延びるコモン対向電極
5ka〜5kd コモン電極5kに設けられ且つY方向に延びるコモン対向電極
1x,2x,3x,4x,5x,6x X検出電極
1y,2y,3y,4y,5y,6y,7y,8y Y検出電極
1ya,1yb 第1の調整電極
1yc 第2の調整電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材シートに、Y方向に延びるとともにX方向へ間隔を開けて配置されてそれぞれに電圧が与えられる複数の検出電極と、隣り合う前記検出電極の間に位置して前記Y方向に延びる複数のコモン電極とが形成され、
前記基材シートに導電体である接触体が接触または近接したときに、それぞれの前記検出電極とこれに対向する前記コモン電極との間の容量の変化を検出して前記接触体が接触又は近接した箇所のXY座標平面上の位置が検出される静電容量式の座標検出装置において、
いずれかの前記コモン電極を基準コモン電極とし、前記検出電極のうち前記基準コモン電極の一方の側に隣接するのを第1の検出電極、他方の側に隣接するのを第2の検出電極としたときに、
特定箇所において、前記基準コモン電極と前記第1の検出電極、および前記基準コモン電極と第2の検出電極の少なくとも一方には、他方に接近する迂回路が形成されていることを特徴とする静電容量式の座標検出装置。
【請求項2】
前記基材シートに穴が形成されており、前記穴の側方に前記迂回路が形成されている請求項1記載の静電容量式の座標検出装置。
【請求項3】
前記基材シートの一方の側に操作部材が、他方の側に前記操作部材で操作される電子部品が設けられており、前記操作部材の一部が前記穴を通過して前記電子部品を操作可能とされている請求項2記載の静電容量式の座標検出装置。
【請求項4】
前記基材シートの穴に照明用の光源が配置され、または前記穴が前記光源から発せられた光の通路とされている請求項2記載の静電容量式の座標検出装置。
【請求項5】
前記基準コモン電極と前記第1の検出電極との間の容量をCRとし、前記基準コモン電極と前記第2の検出電極との間の容量をCLとしたときに、
一方の容量が、他方の容量の増減を補完し合うことにより、前記容量CRと容量CLとの合成容量が一定に維持されるように前記各電極のパターンが設定されている請求項1ないし4のいずれかに記載の静電容量式の座標検出装置。
【請求項6】
前記基準コモン電極には、Y方向に間隔を開けてX方向の両側に延びるコモン枝電極が形成され、前記第1の検出電極には、X方向に延びて前記コモン枝電極に対向する第1の補助電極が、前記第2の検出電極には、X方向に延びて前記コモン枝電極に対向する第2の補助電極がそれぞれ形成されており、
前記迂回路または前記迂回路の近傍に、前記コモン枝電極と前記第1の補助電極とが設けられ、前記迂回路または前記迂回路の近傍では、前記コモン枝電極と前記第2の補助電極とが対向していない請求項1ないし6のいずれかに記載の静電容量式の座標検出装置。
【請求項7】
前記基準コモン電極には、Y方向に間隔を開けてX方向の両側に延びるコモン枝電極が形成され、前記第1の検出電極には、X方向に延びて前記コモン枝電極に対向する第1の補助電極が、前記第2の検出電極には、X方向に延びて前記コモン枝電極に対向する第2の補助電極がそれぞれ形成されており、
前記迂回路または前記迂回路の近傍では、前記コモン枝電極と前記第1の補助電極との対向長さ寸法が、前記コモン枝電極と前記第2の補助電極との対向長さ寸法よりも長く形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の静電容量式の座標検出装置。
【請求項8】
前記X方向に代えてY方向とし、前記Y方向に代えてX方向とした請求項1ないし7のいずれかに記載の静電容量式の座標検出装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項7記載のものと、請求項8に記載のものとを備えて、接触体の接触箇所のX方向の座標位置とY方向の座標位置の双方の入力を可能としたことを特徴とする静電容量式の座標検出装置。
【請求項10】
複数の穴が形成された基材シートと、前記基材シートの一方の面にY方向に延びるとともにX方向へ所定の間隔を開けて配置されてそれぞれに電圧が与えられる複数のX検出電極と、前記基材シートの他方の面にX方向に延びるとともにY方向へ所定の間隔を開けて配置されてそれぞれに電圧が与えられる複数のY検出電極と、いずれか一方の面に設けられ且つ隣り合うX検出電極および隣り合うY検出電極の双方に対向する複数のコモン電極と、前記X検出電極と前記コモン電極との間および前記Y検出電極と前記コモン電極との間に所定のタイミングで前記電圧を印加する制御手段と、個々のX検出電極およびY検出電極と制御手段との間を接続する複数の引き出し線と、を有する静電容量式の座標検出装置において、
いずれかの端部に位置するX検出電極又はY検出電極の外側近傍には前記引き出し線が集中的に配線されるとともに、このX又はY検出電極の内側近傍には前記穴が対向配置されており、
前記基材シートを挟んで対向するX検出電極又はY検出電極と前記コモン電極の一方には、前記X検出電極又はY検出電極とコモン電極とを面対向させることにより、X検出電極又はY検出電極と前記コモン電極間の静電容量の調整を図る第1の調整電極が形成されていることを特徴とする静電容量式の座標検出装置。
【請求項11】
前記基材シートを挟んで対向するX検出電極又はY検出電極と前記コモン電極の一方には、前記第1の調整電極に隣接し且つ前記基材シートを挟んで互いに重ならない位置で対向する第2の調整電極が形成されている請求項10記載の静電容量式の座標検出装置。
【請求項12】
前記コモン電極には、前記隣り合う一対のX検出電極および隣り合う一対のY検出電極の双方に対向し且つ前記穴を迂回して延びるコモン対向電極が設けられている請求項10または11記載の静電容量式の座標検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−12110(P2006−12110A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−294526(P2004−294526)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】