静電容量検知型睡眠センサ
【課題】就寝時の人の動きを正しく検知することのできる静電容量検知型睡眠センサを提供すること。
【解決手段】支持板145が外側電極シート141の下面部141cの下面に接合されているので、下面部141cは、就寝者の荷重が加わっても、当該荷重が支持板145により受け止められるため変形しない。すなわち、静電容量検知型睡眠センサ14が、寝具上に設置されていても、支持板145が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が寝具に吸収されないので)、外側電極シート141の上面部141aは、就寝者からの荷重によって変形する。よって、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量が変化するので、就寝者の体の動きを正しく検知できる。
【解決手段】支持板145が外側電極シート141の下面部141cの下面に接合されているので、下面部141cは、就寝者の荷重が加わっても、当該荷重が支持板145により受け止められるため変形しない。すなわち、静電容量検知型睡眠センサ14が、寝具上に設置されていても、支持板145が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が寝具に吸収されないので)、外側電極シート141の上面部141aは、就寝者からの荷重によって変形する。よって、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量が変化するので、就寝者の体の動きを正しく検知できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、静電容量検知型睡眠センサに関し、特に、相対向する電極シートおよび電極シート間を絶縁する絶縁層を備え、電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型睡眠センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、就寝者の体の動きを検知することのできる装置が利用されている。たとえば、病院においては、就寝時に病人が発作を起こすこともあり、このような場合には、直ちに相応の処置をする必要がある。しかし、見回りなどによりかかる状況を、早期にかつ確実に発見することは困難である。そこで、かかる装置を使用して就寝時の病人の体の動きを検知することで、事故を未然に防ぐことができる。このような就寝者の体の動きを検知することのできる装置が特許文献1および特許文献2に記載されている。
【特許文献1】特開2001−327482号公報
【特許文献2】特開2001−340307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
また、上記のような就寝時の人の動きを検知するセンサとして、いわゆるコンデンサ構造の静電容量検知型センサを使用することが考えられる。すなわち、一対の可撓性の電極シートおよび電極シート間に配置された弾性変形可能な絶縁層を備えたセンサを、就寝時の人の体重がかけられるように(荷重が加えられるように)寝具内などに配置し、電極シート間の静電容量の変化を検知することで、就寝時の人の動きを検知することができる。
【0004】
具体的には、一対の電極シートの向かい合う面積をS[m2]、距離をd[m]とすると、電極シート間の静電容量Cは、C=ε・S/d[F]で表される(εは絶縁層を構成する弾性体の誘電率)。そして、人の呼吸などによりセンサに荷重が加えられると、電極シート間の距離dが変化し(短くなり)、静電容量Cが変化する(大きくなる)。よって、静電容量Cが変化したことを検知することで、電極シート間の距離dが変化したこと(人が動いたこと)を検知できる。
【0005】
また、このような静電容量検知型センサであれば、上述のように病院などにおいて利用し得ることは勿論であるが、より一般的に利用することもできる。たとえば、就寝時において、人は呼吸により周期的に動くため、就寝時における周期的な動きを検知することで、人が通常の呼吸をしていることを認識することができる。また、人は就寝時にいびきを掻く場合には、呼吸の周期とほぼ同程度の周期でいびきを掻いている。よって、さらに別個に音を検知するセンサを備え、呼吸の周期とほぼ同程度の周期で音が発生していることを検知することで、就寝者がいびきを掻いていることを認識できる。そして、たとえば、就寝者がいびきをかいていることを認識した場合に就寝者の頭部を揺動する装置を用いれば、就寝者がいびきをかいていることに応じて就寝者の眠りを妨げることなく、いびきを適切に防止することもできる。
【0006】
ところで、上記のような静電容量検知型センサを使用する場合には、電極シート間の静電容量Cが変化すること、すなわち、一対の電極シート間の距離dが変化することを検知することにより人の動きを検知するので、就寝時の人の動きを正しく検知するためには、就寝時の人の動きによって一対の電極シート間の距離dが適切に変化するものでなければならない。ところが、センサが柔らかい布団の上などに設置されると、就寝者の荷重がかけられても布団が荷重を吸収するので正しい検知ができない。
【0007】
この発明は、かかる技術背景のもとになされたものであり、就寝時の人の動きを正しく検知することのできる静電容量検知型睡眠センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、第1電極シート(142)と、第2電極シート(141)と、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層(143,144)との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサ(14)であって、上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、上記第1電極シートまたは上記第2電極シートのいずれか一方のシート面に沿って上記荷重を受け止めてシート面の変形を妨げる支持板(145)が設けられていることを特徴とする静電容量検知型睡眠センサである。
【0009】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素などを表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、第1電極シートまたは第2電極シートのいずれか一方は、就寝者の荷重が加わっても、当該荷重が支持板により受け止められるため変形しない。すなわち、たとえば、静電容量検知型睡眠センサが、柔らかい布団上に設置された場合であっても、支持板が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が柔らかい布団によって吸収されないので)、第1電極シートまたは第2電極シートのいずれか他方は、就寝者からの荷重によって変形する。よって、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量が変化するので、就寝者の体の動きを正しく検知できる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明のように、上記第1電極シート(142)は、中央に配置され、上記第2電極シート(141)は、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シート(141a)および他方第2電極シート(141c)を有し、上記絶縁層(143,144)は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シート間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置された5層の積層構造とすることもできる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明のように、上記支持板(145)は、上記第1電極シート(142)または上記第2電極シート(141)の絶縁層と接しないシート面に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であれば、第1電極シートと第2電極シートとの間隔の全てに絶縁層を配置(充填)するので、就寝者からの荷重を受けて絶縁層が大きく縮むことが可能となり、電極シート間の間隔の変化を支持板に影響されることなく大きくすることができる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明のように、上記支持板(145)は、上記第1電極シート(142)または上記第2電極シート(141)の絶縁層と接するシート面に接合することもできる。
また、請求項5に記載の発明のように、上記支持板(145)は、上記一方第2電極シート(141a)または上記他方第2電極シート(141c)の絶縁層と接しないシート面に接合されていることを特徴とする請求項2に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であれば、第1電極シートと一方第2電極シートとの間隔、および、第1電極シートと他方第2電極シートとの間隔の全てに絶縁層を配置(充填)するので、就寝者からの荷重を受けて絶縁層が大きく縮むことが可能となり、電極シート間の間隔の変化を支持板に影響されることなく大きくすることができる。
【0013】
また、請求項6に記載の発明のように、上記支持板(145)は、上記一方第2電極シート(141a)または上記他方第2電極シート(141c)の絶縁層と接するシート面に接合することもできる。
請求項7に記載の発明は、上記支持板(145)は、その表面に凹凸(145a,145b)が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)である。
【0014】
この構成によれば、就寝者からの荷重は、支持板の凸部分が受け止める。すなわち、就寝者からの荷重を受け止める支持板の面積が少なくなるため、単位面積当たり荷重が大きくなる。そして、支持板からの単位面積当たりの反力も大きくなるため、絶縁層をより大きく変形させることができ、電極シート間の距離をより大きく変化させることができる。これにより、静電容量の変化量も増えるため、より正しく就寝者の体の動きを検知できる。
【0015】
請求項8に記載の発明は、第1電極シート(142)と、第2電極シート(141)と、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層(143,144)との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサ(14)であって、上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、かつ、変形具合の異なる複数の層(143a,143b,144a,144b)の積層構造を含むことを特徴とする静電容量検知型睡眠センサである。
【0016】
この構成によれば、絶縁層は、変形具合の異なる複数の層の積層構造である。これにより、就寝者から荷重が加えられた場合に、変形し易い絶縁層が大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。また、たとえば、静電容量検知型睡眠センサが、柔らかい布団上に設置された場合であっても、変形し難い絶縁層が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が柔らかい布団によって吸収されないので)、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量を変化させて、就寝者の体の動きを正しく検知できる。
【0017】
また、たとえば、仮に、変形し易い絶縁層の弾性力が、期間が経過することにより低下したとしても(変形しやすい絶縁層が経年変化を起こしていても)、変形し難い絶縁層が存在するため、第1電極シートと第2電極シートとの接触を防止し、静電容量検知型睡眠センサ全体としては、その検知機能は損なわれない。よって、その耐久性を向上できる。
また、請求項8に記載の静電容量検知型睡眠センサにおいて、請求項9に記載の発明のように、上記第1電極シート(142)は、中央に配置され、上記第2電極シート(141)は、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シート(141a)および他方第2電極シート(141c)を有し、上記絶縁層(143,144)は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シートの間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置することもできる。
【0018】
また、請求項10に記載の発明のように、上記絶縁層(143,144)は、相対的に柔らかな層(143a,144b)と相対的に固めの層(143b,144a)の二重構成であることを特徴とする請求項9に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であってもよい。
また、請求項11に記載の発明のように、上記柔らかな層(143a,144b)は、外側に位置し、上記固めの層(143b,144a)は、内側に位置することを特徴とする請求項10に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であれば、静電容量検知型睡眠センサが設置された状態において、常に就寝者側に柔らかな層が配置されることになるため、就寝者は、静電容量検知型睡眠センサの存在による違和感を覚えることなく、快適に睡眠状態を保つことができる。
【0019】
請求項12に記載の発明は、第1電極シート(142)と、第2電極シート(141)と、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層(143,144)との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサ(14)であって、上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、上記第1電極シートは、中央に配置され、上記第2電極シートは、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シート(141a)および他方第2電極シート(141c)を有し、上記絶縁層は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シート間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置された5層の積層構造を有し、さらに、上記絶縁層は、積層方向と直交するシート面方向にみて、相対的に固い変形し難い領域と、相対的に柔らかい変形し易い領域とを有することを特徴とする静電容量検知型睡眠センサ(14)である。
【0020】
この構成によれば、就寝者から荷重が加えられた場合に、変形し易い絶縁層領域が大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。また、たとえば、静電容量検知型睡眠センサが、柔らかい布団上に設置された場合であっても、変形し難い絶縁層領域が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が柔らかい布団によって吸収されないので)、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量を変化させて、就寝者の体の動きを正しく検知できる。
【0021】
また、変形し難い絶縁層領域で就寝者の体重を常に受けているので、仮に、この変形し難い絶縁層領域が経年変化を起こして完全に変形しなくなっても、変形し易い絶縁層領域において安定した変化量を得ることができ、静電容量検知型睡眠センサ全体としては、その検知機能は損なわれない。よって、その耐久性を向上できる。
また、請求項13に記載の発明のように、上記絶縁層(143,144)は、相対的に固い材料または柔らかい材料のいずれか一方をベース材料として絶縁層を形成し、形成した絶縁層に対して積層方向に貫通する貫通孔(143c,144c)を形成し、当該貫通孔内に相対的に固い材料または柔らかい材料のいずれか他方(143d,144d)を配置することによって実現されていることを特徴とする請求項12に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であれば、相対的に固い材料および柔らかい材料を含む絶縁層を、容易に構成することができる。
【0022】
また、請求項14に記載の発明のように、上記絶縁層(143,144)は、積層方向に2層構成とされ、同じ固さの領域同士が積層方向に重なるように積層されていることを特徴とすることを特徴とする請求項12または13に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であってもよいし、請求項15に記載の発明のように、上記絶縁層(143,144)は、積層方向に2層構成とされ、異なる固さの領域同士が積層方向に重なるように積層されていることを特徴とする請求項12または13に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であってもよい。
【0023】
請求項16に記載の発明は、第1電極シート(142)と、第2電極シート(141)と、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層(143,144)との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサ(14)であって、上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、上記第1電極シートは、中央に配置され、上記第2電極シートは、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シート(141a)および他方第2電極シート(141c)を有し、上記絶縁層は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シート間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置された5層の積層構造を有し、さらに、上記絶縁層は、積層方向と直交するシート面方向にみて、上記弾性体が除去された空隙領域(143e,144e)が形成されていることを特徴とする静電容量検知型睡眠センサ(14)である。
【0024】
この構成によれば、就寝者から荷重が加えられた場合に、空隙領域が存在するため絶縁層領域が大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。
また、請求項17に記載の発明のように、上記空隙領域(143e,144e)は、シート面方向に一定の間隔で形成されていることを特徴とする請求項16に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であれば、静電容量検知型睡眠センサのどの部分に就寝者から荷重が加えられても、安定して絶縁層を変形させることができる。
【0025】
請求項18に記載の発明は、上記空隙領域(143e,144e)には、上記絶縁層よりも相対的に固いまたは柔らかい弾性変形材料(143f,144f)が充填されていることを特徴とする請求項16または17に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)である。
この構成によれば、就寝者から荷重が加えられた場合に、柔らかい弾性変形材料が大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。また、たとえば、静電容量検知型睡眠センサが、柔らかい布団上に設置された場合であっても、固い弾性変形材料が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が柔らかい布団によって吸収されないので)、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量を変化させて、就寝者の体の動きを正しく検知できる。
【0026】
また、固い弾性変形材料で就寝者の体重を常に受けているので、仮に、この固い弾性変形材料が経年変化を起こして完全に変形しなくなっても、柔らかい弾性変形材料において安定した変化量を得ることができ、静電容量検知型睡眠センサ全体としては、その検知機能は損なわれない。よって、その耐久性を向上できる。
また、請求項19に記載の発明のように、上記空隙領域(143e,144e)は、上記第1電極シートをはさんで対向するように形成されていることを特徴とする請求項17または18に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であってもよいし、請求項20に記載の発明のように、上記空隙領域(143e,144e)と上記空隙領域以外の絶縁層の領域とは、上記第1電極シートをはさんで対向するように形成されていることを特徴とする請求項17または18に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る静電容量検知型睡眠センサ14が用いられたいびき防止装置1の設置態様を示す概略斜視図である。
このいびき防止装置1は、就寝者の頭部を受けることができ、いびきを検知した場合に、就寝者の頭部を傾斜させて就寝者の体位を変化させることにより(たとえば、寝返りさせることにより)、いびきを防止することができるいびき防止枕である。いびき防止装置1には、マットレス、布団、ベッドなどの寝具2上に設置され、就寝者の頭部を受けるための枕部3と、寝具2の側方に設置され、枕部3の動作を制御するための制御装置4と、これらの枕部3および制御装置4を接続する配線や配管等からなる接続部5とが備えられている。
【0028】
なお、この実施形態では、寝具2上に就寝者が仰臥した状態で、その就寝者から見て左側(図1における左奥側)を左方、就寝者から見て右側(図1における右手前側)を右方とし、就寝者の頭部側(図1における左手前側)を後方、就寝者の足側(図1における右奥側)を前方として説明する。
図2は、枕部3の左側面図である。また、図3は、枕部3の平面図である。枕部3は、その全体が、たとえば布などで形成された伸縮性を有するカバー3´で覆われているが、図2および図3では、このカバー3´を省略した状態を示している。
【0029】
図2および図3を参照して、枕部3は、寝具2上に載置される下部材6と、下部材6の後部上方に配置された中部材7と、中部材7の上方に配置された上部材8とにより、その外形が区画されている。下部材6、中部材7および上部材8は、それぞれ、ウレタンやスポンジなどの樹脂により形成された弾力性(たとえば、低反発性)を有する部材である。寝具2上に仰臥する就寝者は、その後頭部を上部材8の上に載せ、背中の上側部分(肺から肩にかけての部分)を下部材6の前側部分の上に載せることとなる。
【0030】
上部材8と中部材7との間には、左右対称に配置され、就寝者の頭部を傾斜させるために使用する1対の体位変化用空気袋(左体位変化用空気袋9Lおよび右体位変化用空気袋9R)と、各体位変化用空気袋9L,9Rの前方側下面に当接し、就寝者の頭部の位置を検知するために使用する1対の位置検知用空気袋(左位置検知用空気袋10Lおよび右位置検知用空気袋10R)とが配置されている。
【0031】
左体位変化用空気袋9Lおよび右体位変化用空気袋9Rは、平面視略正方形の袋状部材であって、それぞれの後端部には、制御装置4に連通する配管11L,11Rの端部が接続されている。左位置検知用空気袋10Lおよび右位置検知用空気袋10Rは、左右方向に長尺な平面視略長方形の袋状部材であって、左位置検知用空気袋10Lの左端部および右位置検知用空気袋10Rの右端部には、それぞれ、制御装置4に連通する配管12L,12Rの端部が接続されている。各配管11L,11R,12L,12Rは、たとえば、シリコンチューブなどの弾力性を有する部材で形成されている。
【0032】
下部材6の前側部分には、その後側の左右方向中央部にいびき検知用マイク13が内蔵されるとともに、その前側に、左右方向に延びる静電容量検知型睡眠センサ14が内蔵されている。いびき検知用マイク13および静電容量検知型睡眠センサ14は、それぞれ、配線を介して制御装置4に電気的に接続されている。
いびき検知用マイク13は、検知した就寝者の音声を電気信号に変換して制御装置4に入力するためのものである。また、静電容量検知型睡眠センサ14は、後述するように、いわゆるコンデンサ構造を有しており、就寝者の呼吸状態に応じた静電容量の変化に基づいて、呼吸状態を検知するためのものである。すなわち、静電容量検知型睡眠センサ14により就寝者の呼吸の周期を検知することができ、寝ているか否かを判別できる。
【0033】
そして、静電容量検知型睡眠センサ14により検知される就寝者の呼吸の周期と、いびき検知用マイク13により検知される就寝者の音声の周期とを比較すれば、就寝者がいびきを掻いているか否かを正確に判断することができる。
図4は、いびき防止装置1により就寝者のいびきを防止するための動作態様を示す概略図である。
【0034】
いびき防止装置1の使用開始時には、制御装置4によって、左体位変化用空気袋9Lおよび右体位変化用空気袋9Rに対する給気が行われる。これにより、いびき防止装置1の使用中(就寝者がいびきを掻くことなく就寝しているとき)には、図4(a)に示すように、左体位変化用空気袋9L内および右体位変化用空気袋9R内に、それぞれ所定量の空気が充填されている。したがって、就寝者の頭部Hを左体位変化用空気袋9Lおよび右体位変化用空気袋9Rによって適度な弾力で受けることができるので、就寝者は快適に就寝することができる。いびき防止装置1の使用中には、左位置検知用空気袋10Lおよび右位置検知用空気袋10Rにも所定の圧力で空気が充填された状態となっている。
【0035】
いびき防止装置1の使用中に就寝者がいびきを掻いていると判断された場合には、制御装置4によって、各位置検知用空気袋10L,10R内の空気圧が検知される。これにより、空気圧が高いと検知された位置検知用空気袋10L,10R側に就寝者の頭部Hが寄っていると判断される。
各位置検知用空気袋10L,10R内の空気圧の検知によって、就寝者の頭部Hが右側に寄っていると判断された場合には、右体位変化用空気袋9Rに対して給気が行われ、図4(b)に示すように、就寝者の頭部Hを左側に傾斜させて、就寝者に左向きの横臥状態への寝返りを促し、就寝者のいびきを効果的に防止することができる。
【0036】
その後、所定時間が経過すると、右体位変化用空気袋9Rの内部に充填されている空気が排気される。そして、右体位変化用空気袋9R内の空気の排気が終了すると、右体位変化用空気袋9Rに対して再び給気が行われ、当該右体位変化用空気袋9R内の空気圧が左体位変化用空気袋9L内の空気圧と同程度の空気圧とされる。
一方、各位置検知用空気袋10L,10R内の空気圧の検知によって、就寝者の頭部Hが左側に寄っていると判断された場合には、左体位変化用空気袋9Lに対して給気が行れ、図4(c)に示すように、就寝者の頭部Hを右側に傾斜させて、就寝者に右向きの横臥状態への寝返りを促し、就寝者のいびきを効果的に防止することができる。
【0037】
その後、所定時間が経過すると、左体位変化用空気袋9Lの内部に充填されている空気が排気され、左体位変化用空気袋9L内の空気の排気が終了すると、左体位変化用空気袋9Lに対して再び給気が行われ、当該左体位変化用空気袋9L内の空気圧が右体位変化用空気袋9R内の空気圧と同程度の空気圧とされる。
このようにして、就寝者がいびきを掻いていると判断した場合には、就寝者の位置を検知し、その検知結果に基づいて1対の体位変化用空気袋9L,9Rに対する給気を行うことで、就寝者の体位を有効に変化させることができ、就寝者のいびきを効果的に防止することができる。
【0038】
ところで、上述したように、いびき防止装置1は、就寝者がいびきを掻いていると判断したときに、就寝者の体位を変化させることで、就寝者のいびきを防止する構成とされている。そして、就寝者がいびきを掻いていると判断するための機構は、いびき検知用マイク13および静電容量検知型睡眠センサ14により構成される。このうち静電容量検知型睡眠センサ14は、後述のように就寝者の荷重が加えられて圧縮変形することで、就寝者の呼吸状態を検知するものであるため、正しく就寝者の呼吸状態を検知するためには、適切に圧縮変形し得るものでなければならない。そのため、静電容量検知型睡眠センサ14は、以下のように構成される。
【0039】
図5は、静電容量検知型睡眠センサ14の構成を示す斜視図であり、図6(a)は図5に示す矢印A方向にみた平面図であり、図6(b)は、図6(a)に示す切断線B-Bで切断した状態を示す断面図である。
静電容量検知型睡眠センサ14は、静電容量検知型睡眠センサ14の外表面を形成する断面略コ字状の外側電極シート141と、外側電極シート141内の空間に挿入された内側電極シート142とを備えている(内側電極シート142の一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように外側電極シート141が折り返されている)。
【0040】
外側電極シート141および内側電極シート142は、それぞれ、導電性および可撓性を有する部材(たとえば、導電性繊維が織り込まれた布)により形成されており、平面視においてほぼ同一の略長方形状とされている。外側電極シート141は、静電容量検知型睡眠センサ14の上面、右面および下面をそれぞれ形成する上面部141a、右面部141bおよび下面部141cとが一体的に構成された形状を有している。外側電極シート141内に挿入された内側電極シート142は、外側電極シート141の上面部141aおよび下面部141cからそれぞれ一定間隔を空けて配置されるとともに、その右端が右面部141bに接触しないように配置されている。
【0041】
外側電極シート141の上面部141aと内側電極シート142との間、および、外側電極シート141の下面部141cと内側電極シート142との間には、それぞれ、発泡ウレタンなどの絶縁体により形成される第1誘電層143および第2誘電層144が配置されており、第1誘電層143および第2誘電層144は、荷重が加えられると、荷重が加えられた方向に弾性変形する。
【0042】
このような構成により、静電容量検知型睡眠センサ14は、上下方向に対面する複数の電極(外側電極シート141の上面部141a、下面部141cおよび内側電極シート142)と、電極間に配置された第1誘電層143および第2誘電層144とを備えたいわゆるコンデンサ構造を有しており、5層の積層構造をしている。
また、外側電極シート141の下面部141cの下面には、平面視が外側電極シート141および内側電極シート142とほぼ同一の略長方形状の支持板145が、下面部141cと密着している。密着のさせ方としては、接着剤による接合、溶着などが挙げられる。
【0043】
支持板145は、たとえば、樹脂などで形成される絶縁体であり、その厚みが、第1誘電層143および第2誘電層144の厚みの約2分の1〜3分の1程度とされている。
第1配線146は、その一端が外側電極シート141の上面部141aの左端に接続され、第2配線147は、その一端が内側電極シート142の左端に接続されている。この静電容量検知型睡眠センサ14により就寝者の呼吸状態を検知する際には、制御装置4から、たとえば、第2配線147を介して内側電極シート142に正電位、第1配線146を介して外側電極シート141に負電位(零電位)が印加されることにより、静電容量検知型睡眠センサ14は電荷が蓄積された状態となる。
【0044】
静電容量検知型睡眠センサ14は、いびき防止装置1において、就寝者の肺に対向する位置に配置される。すなわち、静電容量検知型睡眠センサ14は、その左側部分が就寝者の左側の肺に対向し、右側部分が就寝者の右側の肺に対向するように配置されることとなる。したがって、就寝者が呼吸をした場合には、就寝者の肺が膨らむことにより静電容量検知型睡眠センサ14にかかる荷重が増加し、各電極シート間の間隔(外側電極シート141の上面部141aと内側電極シート142の間隔、および、外側電極シート141の下面部141cと内側電極シート142の間隔)が短くなるとともに、第1誘電層143および第2誘電層144が圧縮変形されることとなる。
【0045】
そして、支持板145が、外側電極シート141の下面部141cの下面に接合されているので、下面部141cは、就寝者の荷重が加わっても当該荷重が支持板145により受け止められるため変形しない。すなわち、静電容量検知型睡眠センサ14が、寝具2に設置されていても、支持板145が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が寝具2に吸収されないので)、外側電極シート141の上面部141aは、就寝者からの荷重によって変形する。よって、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量が変化するので、就寝者の体の動きを正しく検知できる。
【0046】
また、支持板145は、第2誘電層144と接しない外側電極シート141の下面部141cの下面(シート面)に接合されているので、内側電極シート142と外側電極シート141の上面部141aとの間隔、および、内側電極シート142と外側電極シート141の下面部141cとの間隔の全てに第1誘電層143および第2誘電層144を配置(充填)するので、就寝者からの荷重を受けて第1誘電層143および第2誘電層144が大きく縮むことが可能となり、電極シート間の間隔の変化を支持板145に影響されることなく大きくすることができる。
【0047】
また、上述の実施形態を、以下のように変形することもできる。
以下、図7〜図11を参照して、この発明の他の実施形態について説明する。なお、上述の構成と同様のものについては、上述の実施形態と同一の符号を付することにより、説明を省略する。
図7(a)においては、支持板145が、第2誘電層144の下面に接合されている形態を示している(外側電極シート141の下面部141cの上面に接合されている形態を示している)。
【0048】
また、上述の説明においては、静電容量検知型睡眠センサ14は、外側電極シート141を折り返すことにより、5層の積層構造とされたが、外側電極シート141を折り返さずに、外側電極シート141、内側電極シート142および電極シート間に配置される絶縁層の3層の積層構造であってもよい。その場合にも、支持板145を絶縁層に接しないように外側電極シート141または内側電極シート142の外側の面に接合すれば、外側電極シート141と内側電極シート142との間隔の全てに絶縁層を配置(充填)するので、就寝者からの荷重を受けて絶縁層が大きく縮むことが可能となり、電極シート間の間隔の変化を支持板145に影響されることなく大きくすることができる。また、支持板145を外側電極シート141または内側電極シート142の内側の面に接合することもできる。
【0049】
また、図7(b)に示すように、支持板145の上面に複数の凹部145aおよび凸部145bが形成されていてもよい(図7(b)では、静電容量検知型睡眠センサ14が5層の積層構造である場合を示している)。
これにより、就寝者からの荷重は、支持板145の凸部145bが受け止めることになる。すなわち、支持板145において、就寝者からの荷重を受け止める面積が少なくなるため、単位面積当たり荷重が大きくなる。よって、支持板145からの単位面積当たりの反力も大きくなるため、絶縁層である第1誘電層143および第2誘電層144をより大きく変形させることができ、電極シート間の距離をより大きく変化させることができる。
【0050】
また、各電極シート間に配置される絶縁層は、複数の変形具合の異なる弾性材料で構成されていてもよい。図7(c)では、第1誘電層143は、上方側の第1上誘電層143aと下方側の第1下誘電層143bとの二重構成とされている。同様に、第2誘電層144は、上方側の第2上誘電層144aと下方側の第2下誘電層144bとの二重構成とされている。
【0051】
第1下誘電層143bおよび第2上誘電層144aは、固い弾性材料で構成される相対的に固い層であり、第1上誘電層143aおよび第2下誘電層144bは、柔らかな弾性材料で構成される相対的に柔らかな層である。
これにより、静電容量検知型睡眠センサ14が寝具2に設置された状態において、常に就寝者側に柔らかな層である第1上誘電層143aまたは第2下誘電層144bが配置されることになるため、静電容量検知型睡眠センサ14の存在による違和感を感じることなく、就寝者は快適に睡眠状態を保つことができる。
【0052】
また、就寝者から荷重が加えられた場合に、第1上誘電層143aおよび第2下誘電層144bが大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。さらに、静電容量検知型睡眠センサ14が寝具2に設置されていても、固い層である第1下誘電層143bおよび第2上誘電層144aが就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が寝具2によって吸収されないので)、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量を変化させることができる。また、仮に、第1上誘電層143aおよび第2下誘電層144bが経年変化を起こしていても、第1下誘電層143bおよび第2上誘電層144aが存在するため、外側電極シート141と内側電極シート142との接触を防止し、静電容量検知型睡眠センサ14全体としては、その検知機能は損なわれない。よって、その耐久性を向上できる。
【0053】
また、図8(a)および図8(b)に示すように、第1誘電層143および第2誘電層144に、複数の貫通孔が形成されていてもよい。なお、図8(a)は、第1誘電層143および第2誘電層に複数の貫通孔が形成された状態の静電容量検知型睡眠センサ14の平面図であり、図8(b)は、図8(a)に示す切断線C-Cで切断した状態を示す断面図である。
【0054】
図8(a)および図8(b)においては、第1誘電層143に、第1誘電層143の幅方向に延びる平面視略長方形状の貫通孔143cが、その長手方向(電極シートのシート面方向)に所定間隔ごとに形成されている。同様に、第2誘電層144に、第2誘電層144の幅方向に延びる平面視略長方形状の貫通孔144cが、その長手方向(電極シートのシート面方向)に所定間隔ごとに形成されている。そして、上下方向において(積層方向において)、貫通孔143cと貫通孔144c以外の第2誘電層144の部分、貫通孔143c以外の第1誘電層143の部分と貫通孔144cとが重なるように積層されている(図8(a)においては、貫通孔143cのみが示されている)。
【0055】
これにより、就寝者から荷重が加えられた場合に、中空の領域(貫通孔143cおよび貫通孔144c)が存在するため第1誘電層143および第2誘電層144が大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。また、貫通孔143cおよび貫通孔144cが所定間隔ごとに形成されているので、静電容量検知型睡眠センサ14のどの部分に就寝者から荷重が加えられても、安定して第1誘電層143および第2誘電層144を変形させることができる。
【0056】
さらに、図8(c)に示すように、貫通孔143cに、相対的に柔らかい弾性材料である第1弾性材料143dが充填され、同様に、貫通孔144cに、相対的に柔らかい弾性材料である第2弾性材料144dが充填されていてもよい。このようにすれば、相対的に固い弾性材料および柔らかい弾性材料を含む絶縁層を、容易に構成することができる。
これにより、就寝者から荷重が加えられた場合に、第1弾性材料143dおよび第2弾性材料144dが大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。また、静電容量検知型睡眠センサ14が寝具2に設置されていても、それ以外の第1誘電層143および第2誘電層144の部分が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が寝具2によって吸収されないので)、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量を変化させることができる。また、相対的に固い弾性材料(貫通孔143c以外の第1誘電層143の部分および貫通孔144c以外の第2誘電層144の部分)で就寝者の体重を常に受けているので、仮に、この固い弾性材料が経年変化を起こして完全に変形しなくなっても、相対的に柔らかい弾性材料(第1弾性材料143dおよび第2弾性材料144d)において安定した変化量を得ることができ、静電容量検知型睡眠センサ14全体としては、その検知機能は損なわれない。よって、その耐久性を向上できる。
【0057】
なお、第1弾性材料143dおよび第2弾性材料144dは、相対的に固い弾性材料であってもよい。このようにしても、相対的に柔らかい弾性材料と相対的に固い弾性材料とが混在することになるので、上述と同様の効果を奏することができる。
また、図9(a)に示すように、上下方向において(積層方向において)、貫通孔143cと貫通孔144cとが重なるように積層されていてもよいし、図9(b)に示すように、上下方向において(積層方向において)、第1弾性材料143dと第2弾性材料144dとが重なるように積層されていてもよい
また、図10(a)および図10(b)に示すように、第1誘電層143および第2誘電層144に、複数の溝が形成されていてもよい。なお、図10(a)は、第1誘電層143および第2誘電層144に複数の溝が形成された状態の静電容量検知型睡眠センサ14の平面図であり、図10(b)は、図10(a)に示す切断線D-Dで切断した状態を示す断面図である。
【0058】
図10(a)および図10(b)においては、第1誘電層143に、第1誘電層143の全幅にわたって延びる溝143eが、その長手方向(電極シートのシート面方向)に所定間隔ごとに形成されている。同様に、第2誘電層144に、第2誘電層144の全幅に延びる溝144eが、その長手方向(電極シートのシート面方向)に所定間隔ごとに形成されている。そして、上下方向において(積層方向において)、溝143eと溝144e以外の第2誘電層144の部分、溝143e以外の第1誘電層143の部分と溝144eとが重なるように積層されている(図10(a)においては、溝143eのみが示されている)。
【0059】
これにより、就寝者から荷重が加えられた場合に、中空の領域(溝143eおよび溝144e)が存在するため第1誘電層143および第2誘電層144が大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。また、溝143eおよび溝144eが所定間隔ごとに形成されているので、静電容量検知型睡眠センサ14のどの部分に就寝者から荷重が加えられても、安定して第1誘電層143および第2誘電層144を変形させることができる。
【0060】
さらに、図10(c)に示すように、溝143eに、相対的に柔らかい弾性材料である第1弾性材料143fが充填され、同様に、溝144eに、相対的に柔らかい弾性材料である第2弾性材料144fが充填されていてもよい。このようにすれば、相対的に固い弾性材料および柔らかい弾性材料を含む絶縁層を、容易に構成することができる。
これにより、就寝者から荷重が加えられた場合に、第1弾性材料143fおよび第2弾性材料144fが大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。また、静電容量検知型睡眠センサ14が寝具2に設置されていても、それ以外の第1誘電層143および第2誘電層144の部分が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が寝具2によって吸収されないので)、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量を変化させることができる。また、相対的に固い弾性材料(溝143e以外の第1誘電層143の部分および溝144e以外の第2誘電層144の部分)で就寝者の体重を常に受けているので、仮に、この固い弾性材料が経年変化を起こして完全に変形しなくなっても、相対的に柔らかい弾性材料(第1弾性材料143fおよび第2弾性材料144f)において安定した変化量を得ることができ、静電容量検知型睡眠センサ14全体としては、その検知機能は損なわれない。よって、その耐久性を向上できる。
【0061】
なお、第1弾性材料143fおよび第2弾性材料144fは、相対的に固い弾性材料であってもよい。このようにしても、相対的に柔らかい弾性材料と相対的に固い弾性材料とが混在することになるので、上述と同様の効果を奏することができる。
また、図11(a)に示すように、上下方向において(積層方向において)、溝143eと溝144eとが重なるように積層されていてもよいし、図11(b)に示すように、上下方向において(積層方向において)、第1弾性材料143fと第2弾性材料144fとが重なるように積層されていてもよい
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】この発明の一実施形態に係る静電容量検知型睡眠センサが用いられたいびき防止装置の設置態様を示す概略斜視図である。
【図2】枕部の左側面図である。
【図3】枕部の平面図である
【図4】いびき防止装置により就寝者のいびきを防止するための動作態様を示す概略図である。
【図5】静電容量検知型睡眠センサの構成を示す斜視図である。
【図6】図5に示す静電容量検知型睡眠センサの平面図および断面図である。
【図7】この発明の第2、第3および第4の実施形態にかかる静電容量検知型睡眠センサを示す断面図である。
【図8】この発明の第5および第6の実施形態にかかる静電容量検知型睡眠センサの構成を示す断面図である。
【図9】この発明の第7および第8の実施形態にかかる静電容量検知型睡眠センサの構成を示す断面図である。
【図10】この発明の第9および第10の実施形態にかかる静電容量検知型睡眠センサの構成を示す断面図である。
【図11】この発明の第11および第12の実施形態にかかる静電容量検知型睡眠センサの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0063】
14 静電容量検知型睡眠センサ
141 外側電極シート
141a 上面部
141c 下面部
142 内側電極シート
143 第1誘電層
143a 第1上誘電層
143b 第1下誘電層
143c 貫通孔
143d 第1弾性材料
143e 溝
143f 第1弾性材料
144 第2誘電層
144a 第2上誘電層
144b 第2下誘電層
144c 貫通孔
144d 第2弾性材料
144e 溝
144f 第2弾性材料
145 支持板
145a 凹部
145b 凸部
【技術分野】
【0001】
この発明は、静電容量検知型睡眠センサに関し、特に、相対向する電極シートおよび電極シート間を絶縁する絶縁層を備え、電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型睡眠センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、就寝者の体の動きを検知することのできる装置が利用されている。たとえば、病院においては、就寝時に病人が発作を起こすこともあり、このような場合には、直ちに相応の処置をする必要がある。しかし、見回りなどによりかかる状況を、早期にかつ確実に発見することは困難である。そこで、かかる装置を使用して就寝時の病人の体の動きを検知することで、事故を未然に防ぐことができる。このような就寝者の体の動きを検知することのできる装置が特許文献1および特許文献2に記載されている。
【特許文献1】特開2001−327482号公報
【特許文献2】特開2001−340307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
また、上記のような就寝時の人の動きを検知するセンサとして、いわゆるコンデンサ構造の静電容量検知型センサを使用することが考えられる。すなわち、一対の可撓性の電極シートおよび電極シート間に配置された弾性変形可能な絶縁層を備えたセンサを、就寝時の人の体重がかけられるように(荷重が加えられるように)寝具内などに配置し、電極シート間の静電容量の変化を検知することで、就寝時の人の動きを検知することができる。
【0004】
具体的には、一対の電極シートの向かい合う面積をS[m2]、距離をd[m]とすると、電極シート間の静電容量Cは、C=ε・S/d[F]で表される(εは絶縁層を構成する弾性体の誘電率)。そして、人の呼吸などによりセンサに荷重が加えられると、電極シート間の距離dが変化し(短くなり)、静電容量Cが変化する(大きくなる)。よって、静電容量Cが変化したことを検知することで、電極シート間の距離dが変化したこと(人が動いたこと)を検知できる。
【0005】
また、このような静電容量検知型センサであれば、上述のように病院などにおいて利用し得ることは勿論であるが、より一般的に利用することもできる。たとえば、就寝時において、人は呼吸により周期的に動くため、就寝時における周期的な動きを検知することで、人が通常の呼吸をしていることを認識することができる。また、人は就寝時にいびきを掻く場合には、呼吸の周期とほぼ同程度の周期でいびきを掻いている。よって、さらに別個に音を検知するセンサを備え、呼吸の周期とほぼ同程度の周期で音が発生していることを検知することで、就寝者がいびきを掻いていることを認識できる。そして、たとえば、就寝者がいびきをかいていることを認識した場合に就寝者の頭部を揺動する装置を用いれば、就寝者がいびきをかいていることに応じて就寝者の眠りを妨げることなく、いびきを適切に防止することもできる。
【0006】
ところで、上記のような静電容量検知型センサを使用する場合には、電極シート間の静電容量Cが変化すること、すなわち、一対の電極シート間の距離dが変化することを検知することにより人の動きを検知するので、就寝時の人の動きを正しく検知するためには、就寝時の人の動きによって一対の電極シート間の距離dが適切に変化するものでなければならない。ところが、センサが柔らかい布団の上などに設置されると、就寝者の荷重がかけられても布団が荷重を吸収するので正しい検知ができない。
【0007】
この発明は、かかる技術背景のもとになされたものであり、就寝時の人の動きを正しく検知することのできる静電容量検知型睡眠センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、第1電極シート(142)と、第2電極シート(141)と、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層(143,144)との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサ(14)であって、上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、上記第1電極シートまたは上記第2電極シートのいずれか一方のシート面に沿って上記荷重を受け止めてシート面の変形を妨げる支持板(145)が設けられていることを特徴とする静電容量検知型睡眠センサである。
【0009】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素などを表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、第1電極シートまたは第2電極シートのいずれか一方は、就寝者の荷重が加わっても、当該荷重が支持板により受け止められるため変形しない。すなわち、たとえば、静電容量検知型睡眠センサが、柔らかい布団上に設置された場合であっても、支持板が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が柔らかい布団によって吸収されないので)、第1電極シートまたは第2電極シートのいずれか他方は、就寝者からの荷重によって変形する。よって、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量が変化するので、就寝者の体の動きを正しく検知できる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明のように、上記第1電極シート(142)は、中央に配置され、上記第2電極シート(141)は、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シート(141a)および他方第2電極シート(141c)を有し、上記絶縁層(143,144)は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シート間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置された5層の積層構造とすることもできる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明のように、上記支持板(145)は、上記第1電極シート(142)または上記第2電極シート(141)の絶縁層と接しないシート面に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であれば、第1電極シートと第2電極シートとの間隔の全てに絶縁層を配置(充填)するので、就寝者からの荷重を受けて絶縁層が大きく縮むことが可能となり、電極シート間の間隔の変化を支持板に影響されることなく大きくすることができる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明のように、上記支持板(145)は、上記第1電極シート(142)または上記第2電極シート(141)の絶縁層と接するシート面に接合することもできる。
また、請求項5に記載の発明のように、上記支持板(145)は、上記一方第2電極シート(141a)または上記他方第2電極シート(141c)の絶縁層と接しないシート面に接合されていることを特徴とする請求項2に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であれば、第1電極シートと一方第2電極シートとの間隔、および、第1電極シートと他方第2電極シートとの間隔の全てに絶縁層を配置(充填)するので、就寝者からの荷重を受けて絶縁層が大きく縮むことが可能となり、電極シート間の間隔の変化を支持板に影響されることなく大きくすることができる。
【0013】
また、請求項6に記載の発明のように、上記支持板(145)は、上記一方第2電極シート(141a)または上記他方第2電極シート(141c)の絶縁層と接するシート面に接合することもできる。
請求項7に記載の発明は、上記支持板(145)は、その表面に凹凸(145a,145b)が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)である。
【0014】
この構成によれば、就寝者からの荷重は、支持板の凸部分が受け止める。すなわち、就寝者からの荷重を受け止める支持板の面積が少なくなるため、単位面積当たり荷重が大きくなる。そして、支持板からの単位面積当たりの反力も大きくなるため、絶縁層をより大きく変形させることができ、電極シート間の距離をより大きく変化させることができる。これにより、静電容量の変化量も増えるため、より正しく就寝者の体の動きを検知できる。
【0015】
請求項8に記載の発明は、第1電極シート(142)と、第2電極シート(141)と、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層(143,144)との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサ(14)であって、上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、かつ、変形具合の異なる複数の層(143a,143b,144a,144b)の積層構造を含むことを特徴とする静電容量検知型睡眠センサである。
【0016】
この構成によれば、絶縁層は、変形具合の異なる複数の層の積層構造である。これにより、就寝者から荷重が加えられた場合に、変形し易い絶縁層が大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。また、たとえば、静電容量検知型睡眠センサが、柔らかい布団上に設置された場合であっても、変形し難い絶縁層が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が柔らかい布団によって吸収されないので)、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量を変化させて、就寝者の体の動きを正しく検知できる。
【0017】
また、たとえば、仮に、変形し易い絶縁層の弾性力が、期間が経過することにより低下したとしても(変形しやすい絶縁層が経年変化を起こしていても)、変形し難い絶縁層が存在するため、第1電極シートと第2電極シートとの接触を防止し、静電容量検知型睡眠センサ全体としては、その検知機能は損なわれない。よって、その耐久性を向上できる。
また、請求項8に記載の静電容量検知型睡眠センサにおいて、請求項9に記載の発明のように、上記第1電極シート(142)は、中央に配置され、上記第2電極シート(141)は、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シート(141a)および他方第2電極シート(141c)を有し、上記絶縁層(143,144)は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シートの間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置することもできる。
【0018】
また、請求項10に記載の発明のように、上記絶縁層(143,144)は、相対的に柔らかな層(143a,144b)と相対的に固めの層(143b,144a)の二重構成であることを特徴とする請求項9に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であってもよい。
また、請求項11に記載の発明のように、上記柔らかな層(143a,144b)は、外側に位置し、上記固めの層(143b,144a)は、内側に位置することを特徴とする請求項10に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であれば、静電容量検知型睡眠センサが設置された状態において、常に就寝者側に柔らかな層が配置されることになるため、就寝者は、静電容量検知型睡眠センサの存在による違和感を覚えることなく、快適に睡眠状態を保つことができる。
【0019】
請求項12に記載の発明は、第1電極シート(142)と、第2電極シート(141)と、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層(143,144)との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサ(14)であって、上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、上記第1電極シートは、中央に配置され、上記第2電極シートは、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シート(141a)および他方第2電極シート(141c)を有し、上記絶縁層は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シート間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置された5層の積層構造を有し、さらに、上記絶縁層は、積層方向と直交するシート面方向にみて、相対的に固い変形し難い領域と、相対的に柔らかい変形し易い領域とを有することを特徴とする静電容量検知型睡眠センサ(14)である。
【0020】
この構成によれば、就寝者から荷重が加えられた場合に、変形し易い絶縁層領域が大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。また、たとえば、静電容量検知型睡眠センサが、柔らかい布団上に設置された場合であっても、変形し難い絶縁層領域が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が柔らかい布団によって吸収されないので)、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量を変化させて、就寝者の体の動きを正しく検知できる。
【0021】
また、変形し難い絶縁層領域で就寝者の体重を常に受けているので、仮に、この変形し難い絶縁層領域が経年変化を起こして完全に変形しなくなっても、変形し易い絶縁層領域において安定した変化量を得ることができ、静電容量検知型睡眠センサ全体としては、その検知機能は損なわれない。よって、その耐久性を向上できる。
また、請求項13に記載の発明のように、上記絶縁層(143,144)は、相対的に固い材料または柔らかい材料のいずれか一方をベース材料として絶縁層を形成し、形成した絶縁層に対して積層方向に貫通する貫通孔(143c,144c)を形成し、当該貫通孔内に相対的に固い材料または柔らかい材料のいずれか他方(143d,144d)を配置することによって実現されていることを特徴とする請求項12に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であれば、相対的に固い材料および柔らかい材料を含む絶縁層を、容易に構成することができる。
【0022】
また、請求項14に記載の発明のように、上記絶縁層(143,144)は、積層方向に2層構成とされ、同じ固さの領域同士が積層方向に重なるように積層されていることを特徴とすることを特徴とする請求項12または13に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であってもよいし、請求項15に記載の発明のように、上記絶縁層(143,144)は、積層方向に2層構成とされ、異なる固さの領域同士が積層方向に重なるように積層されていることを特徴とする請求項12または13に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であってもよい。
【0023】
請求項16に記載の発明は、第1電極シート(142)と、第2電極シート(141)と、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層(143,144)との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサ(14)であって、上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、上記第1電極シートは、中央に配置され、上記第2電極シートは、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シート(141a)および他方第2電極シート(141c)を有し、上記絶縁層は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シート間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置された5層の積層構造を有し、さらに、上記絶縁層は、積層方向と直交するシート面方向にみて、上記弾性体が除去された空隙領域(143e,144e)が形成されていることを特徴とする静電容量検知型睡眠センサ(14)である。
【0024】
この構成によれば、就寝者から荷重が加えられた場合に、空隙領域が存在するため絶縁層領域が大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。
また、請求項17に記載の発明のように、上記空隙領域(143e,144e)は、シート面方向に一定の間隔で形成されていることを特徴とする請求項16に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であれば、静電容量検知型睡眠センサのどの部分に就寝者から荷重が加えられても、安定して絶縁層を変形させることができる。
【0025】
請求項18に記載の発明は、上記空隙領域(143e,144e)には、上記絶縁層よりも相対的に固いまたは柔らかい弾性変形材料(143f,144f)が充填されていることを特徴とする請求項16または17に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)である。
この構成によれば、就寝者から荷重が加えられた場合に、柔らかい弾性変形材料が大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。また、たとえば、静電容量検知型睡眠センサが、柔らかい布団上に設置された場合であっても、固い弾性変形材料が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が柔らかい布団によって吸収されないので)、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量を変化させて、就寝者の体の動きを正しく検知できる。
【0026】
また、固い弾性変形材料で就寝者の体重を常に受けているので、仮に、この固い弾性変形材料が経年変化を起こして完全に変形しなくなっても、柔らかい弾性変形材料において安定した変化量を得ることができ、静電容量検知型睡眠センサ全体としては、その検知機能は損なわれない。よって、その耐久性を向上できる。
また、請求項19に記載の発明のように、上記空隙領域(143e,144e)は、上記第1電極シートをはさんで対向するように形成されていることを特徴とする請求項17または18に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であってもよいし、請求項20に記載の発明のように、上記空隙領域(143e,144e)と上記空隙領域以外の絶縁層の領域とは、上記第1電極シートをはさんで対向するように形成されていることを特徴とする請求項17または18に記載の静電容量検知型睡眠センサ(14)であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る静電容量検知型睡眠センサ14が用いられたいびき防止装置1の設置態様を示す概略斜視図である。
このいびき防止装置1は、就寝者の頭部を受けることができ、いびきを検知した場合に、就寝者の頭部を傾斜させて就寝者の体位を変化させることにより(たとえば、寝返りさせることにより)、いびきを防止することができるいびき防止枕である。いびき防止装置1には、マットレス、布団、ベッドなどの寝具2上に設置され、就寝者の頭部を受けるための枕部3と、寝具2の側方に設置され、枕部3の動作を制御するための制御装置4と、これらの枕部3および制御装置4を接続する配線や配管等からなる接続部5とが備えられている。
【0028】
なお、この実施形態では、寝具2上に就寝者が仰臥した状態で、その就寝者から見て左側(図1における左奥側)を左方、就寝者から見て右側(図1における右手前側)を右方とし、就寝者の頭部側(図1における左手前側)を後方、就寝者の足側(図1における右奥側)を前方として説明する。
図2は、枕部3の左側面図である。また、図3は、枕部3の平面図である。枕部3は、その全体が、たとえば布などで形成された伸縮性を有するカバー3´で覆われているが、図2および図3では、このカバー3´を省略した状態を示している。
【0029】
図2および図3を参照して、枕部3は、寝具2上に載置される下部材6と、下部材6の後部上方に配置された中部材7と、中部材7の上方に配置された上部材8とにより、その外形が区画されている。下部材6、中部材7および上部材8は、それぞれ、ウレタンやスポンジなどの樹脂により形成された弾力性(たとえば、低反発性)を有する部材である。寝具2上に仰臥する就寝者は、その後頭部を上部材8の上に載せ、背中の上側部分(肺から肩にかけての部分)を下部材6の前側部分の上に載せることとなる。
【0030】
上部材8と中部材7との間には、左右対称に配置され、就寝者の頭部を傾斜させるために使用する1対の体位変化用空気袋(左体位変化用空気袋9Lおよび右体位変化用空気袋9R)と、各体位変化用空気袋9L,9Rの前方側下面に当接し、就寝者の頭部の位置を検知するために使用する1対の位置検知用空気袋(左位置検知用空気袋10Lおよび右位置検知用空気袋10R)とが配置されている。
【0031】
左体位変化用空気袋9Lおよび右体位変化用空気袋9Rは、平面視略正方形の袋状部材であって、それぞれの後端部には、制御装置4に連通する配管11L,11Rの端部が接続されている。左位置検知用空気袋10Lおよび右位置検知用空気袋10Rは、左右方向に長尺な平面視略長方形の袋状部材であって、左位置検知用空気袋10Lの左端部および右位置検知用空気袋10Rの右端部には、それぞれ、制御装置4に連通する配管12L,12Rの端部が接続されている。各配管11L,11R,12L,12Rは、たとえば、シリコンチューブなどの弾力性を有する部材で形成されている。
【0032】
下部材6の前側部分には、その後側の左右方向中央部にいびき検知用マイク13が内蔵されるとともに、その前側に、左右方向に延びる静電容量検知型睡眠センサ14が内蔵されている。いびき検知用マイク13および静電容量検知型睡眠センサ14は、それぞれ、配線を介して制御装置4に電気的に接続されている。
いびき検知用マイク13は、検知した就寝者の音声を電気信号に変換して制御装置4に入力するためのものである。また、静電容量検知型睡眠センサ14は、後述するように、いわゆるコンデンサ構造を有しており、就寝者の呼吸状態に応じた静電容量の変化に基づいて、呼吸状態を検知するためのものである。すなわち、静電容量検知型睡眠センサ14により就寝者の呼吸の周期を検知することができ、寝ているか否かを判別できる。
【0033】
そして、静電容量検知型睡眠センサ14により検知される就寝者の呼吸の周期と、いびき検知用マイク13により検知される就寝者の音声の周期とを比較すれば、就寝者がいびきを掻いているか否かを正確に判断することができる。
図4は、いびき防止装置1により就寝者のいびきを防止するための動作態様を示す概略図である。
【0034】
いびき防止装置1の使用開始時には、制御装置4によって、左体位変化用空気袋9Lおよび右体位変化用空気袋9Rに対する給気が行われる。これにより、いびき防止装置1の使用中(就寝者がいびきを掻くことなく就寝しているとき)には、図4(a)に示すように、左体位変化用空気袋9L内および右体位変化用空気袋9R内に、それぞれ所定量の空気が充填されている。したがって、就寝者の頭部Hを左体位変化用空気袋9Lおよび右体位変化用空気袋9Rによって適度な弾力で受けることができるので、就寝者は快適に就寝することができる。いびき防止装置1の使用中には、左位置検知用空気袋10Lおよび右位置検知用空気袋10Rにも所定の圧力で空気が充填された状態となっている。
【0035】
いびき防止装置1の使用中に就寝者がいびきを掻いていると判断された場合には、制御装置4によって、各位置検知用空気袋10L,10R内の空気圧が検知される。これにより、空気圧が高いと検知された位置検知用空気袋10L,10R側に就寝者の頭部Hが寄っていると判断される。
各位置検知用空気袋10L,10R内の空気圧の検知によって、就寝者の頭部Hが右側に寄っていると判断された場合には、右体位変化用空気袋9Rに対して給気が行われ、図4(b)に示すように、就寝者の頭部Hを左側に傾斜させて、就寝者に左向きの横臥状態への寝返りを促し、就寝者のいびきを効果的に防止することができる。
【0036】
その後、所定時間が経過すると、右体位変化用空気袋9Rの内部に充填されている空気が排気される。そして、右体位変化用空気袋9R内の空気の排気が終了すると、右体位変化用空気袋9Rに対して再び給気が行われ、当該右体位変化用空気袋9R内の空気圧が左体位変化用空気袋9L内の空気圧と同程度の空気圧とされる。
一方、各位置検知用空気袋10L,10R内の空気圧の検知によって、就寝者の頭部Hが左側に寄っていると判断された場合には、左体位変化用空気袋9Lに対して給気が行れ、図4(c)に示すように、就寝者の頭部Hを右側に傾斜させて、就寝者に右向きの横臥状態への寝返りを促し、就寝者のいびきを効果的に防止することができる。
【0037】
その後、所定時間が経過すると、左体位変化用空気袋9Lの内部に充填されている空気が排気され、左体位変化用空気袋9L内の空気の排気が終了すると、左体位変化用空気袋9Lに対して再び給気が行われ、当該左体位変化用空気袋9L内の空気圧が右体位変化用空気袋9R内の空気圧と同程度の空気圧とされる。
このようにして、就寝者がいびきを掻いていると判断した場合には、就寝者の位置を検知し、その検知結果に基づいて1対の体位変化用空気袋9L,9Rに対する給気を行うことで、就寝者の体位を有効に変化させることができ、就寝者のいびきを効果的に防止することができる。
【0038】
ところで、上述したように、いびき防止装置1は、就寝者がいびきを掻いていると判断したときに、就寝者の体位を変化させることで、就寝者のいびきを防止する構成とされている。そして、就寝者がいびきを掻いていると判断するための機構は、いびき検知用マイク13および静電容量検知型睡眠センサ14により構成される。このうち静電容量検知型睡眠センサ14は、後述のように就寝者の荷重が加えられて圧縮変形することで、就寝者の呼吸状態を検知するものであるため、正しく就寝者の呼吸状態を検知するためには、適切に圧縮変形し得るものでなければならない。そのため、静電容量検知型睡眠センサ14は、以下のように構成される。
【0039】
図5は、静電容量検知型睡眠センサ14の構成を示す斜視図であり、図6(a)は図5に示す矢印A方向にみた平面図であり、図6(b)は、図6(a)に示す切断線B-Bで切断した状態を示す断面図である。
静電容量検知型睡眠センサ14は、静電容量検知型睡眠センサ14の外表面を形成する断面略コ字状の外側電極シート141と、外側電極シート141内の空間に挿入された内側電極シート142とを備えている(内側電極シート142の一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように外側電極シート141が折り返されている)。
【0040】
外側電極シート141および内側電極シート142は、それぞれ、導電性および可撓性を有する部材(たとえば、導電性繊維が織り込まれた布)により形成されており、平面視においてほぼ同一の略長方形状とされている。外側電極シート141は、静電容量検知型睡眠センサ14の上面、右面および下面をそれぞれ形成する上面部141a、右面部141bおよび下面部141cとが一体的に構成された形状を有している。外側電極シート141内に挿入された内側電極シート142は、外側電極シート141の上面部141aおよび下面部141cからそれぞれ一定間隔を空けて配置されるとともに、その右端が右面部141bに接触しないように配置されている。
【0041】
外側電極シート141の上面部141aと内側電極シート142との間、および、外側電極シート141の下面部141cと内側電極シート142との間には、それぞれ、発泡ウレタンなどの絶縁体により形成される第1誘電層143および第2誘電層144が配置されており、第1誘電層143および第2誘電層144は、荷重が加えられると、荷重が加えられた方向に弾性変形する。
【0042】
このような構成により、静電容量検知型睡眠センサ14は、上下方向に対面する複数の電極(外側電極シート141の上面部141a、下面部141cおよび内側電極シート142)と、電極間に配置された第1誘電層143および第2誘電層144とを備えたいわゆるコンデンサ構造を有しており、5層の積層構造をしている。
また、外側電極シート141の下面部141cの下面には、平面視が外側電極シート141および内側電極シート142とほぼ同一の略長方形状の支持板145が、下面部141cと密着している。密着のさせ方としては、接着剤による接合、溶着などが挙げられる。
【0043】
支持板145は、たとえば、樹脂などで形成される絶縁体であり、その厚みが、第1誘電層143および第2誘電層144の厚みの約2分の1〜3分の1程度とされている。
第1配線146は、その一端が外側電極シート141の上面部141aの左端に接続され、第2配線147は、その一端が内側電極シート142の左端に接続されている。この静電容量検知型睡眠センサ14により就寝者の呼吸状態を検知する際には、制御装置4から、たとえば、第2配線147を介して内側電極シート142に正電位、第1配線146を介して外側電極シート141に負電位(零電位)が印加されることにより、静電容量検知型睡眠センサ14は電荷が蓄積された状態となる。
【0044】
静電容量検知型睡眠センサ14は、いびき防止装置1において、就寝者の肺に対向する位置に配置される。すなわち、静電容量検知型睡眠センサ14は、その左側部分が就寝者の左側の肺に対向し、右側部分が就寝者の右側の肺に対向するように配置されることとなる。したがって、就寝者が呼吸をした場合には、就寝者の肺が膨らむことにより静電容量検知型睡眠センサ14にかかる荷重が増加し、各電極シート間の間隔(外側電極シート141の上面部141aと内側電極シート142の間隔、および、外側電極シート141の下面部141cと内側電極シート142の間隔)が短くなるとともに、第1誘電層143および第2誘電層144が圧縮変形されることとなる。
【0045】
そして、支持板145が、外側電極シート141の下面部141cの下面に接合されているので、下面部141cは、就寝者の荷重が加わっても当該荷重が支持板145により受け止められるため変形しない。すなわち、静電容量検知型睡眠センサ14が、寝具2に設置されていても、支持板145が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が寝具2に吸収されないので)、外側電極シート141の上面部141aは、就寝者からの荷重によって変形する。よって、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量が変化するので、就寝者の体の動きを正しく検知できる。
【0046】
また、支持板145は、第2誘電層144と接しない外側電極シート141の下面部141cの下面(シート面)に接合されているので、内側電極シート142と外側電極シート141の上面部141aとの間隔、および、内側電極シート142と外側電極シート141の下面部141cとの間隔の全てに第1誘電層143および第2誘電層144を配置(充填)するので、就寝者からの荷重を受けて第1誘電層143および第2誘電層144が大きく縮むことが可能となり、電極シート間の間隔の変化を支持板145に影響されることなく大きくすることができる。
【0047】
また、上述の実施形態を、以下のように変形することもできる。
以下、図7〜図11を参照して、この発明の他の実施形態について説明する。なお、上述の構成と同様のものについては、上述の実施形態と同一の符号を付することにより、説明を省略する。
図7(a)においては、支持板145が、第2誘電層144の下面に接合されている形態を示している(外側電極シート141の下面部141cの上面に接合されている形態を示している)。
【0048】
また、上述の説明においては、静電容量検知型睡眠センサ14は、外側電極シート141を折り返すことにより、5層の積層構造とされたが、外側電極シート141を折り返さずに、外側電極シート141、内側電極シート142および電極シート間に配置される絶縁層の3層の積層構造であってもよい。その場合にも、支持板145を絶縁層に接しないように外側電極シート141または内側電極シート142の外側の面に接合すれば、外側電極シート141と内側電極シート142との間隔の全てに絶縁層を配置(充填)するので、就寝者からの荷重を受けて絶縁層が大きく縮むことが可能となり、電極シート間の間隔の変化を支持板145に影響されることなく大きくすることができる。また、支持板145を外側電極シート141または内側電極シート142の内側の面に接合することもできる。
【0049】
また、図7(b)に示すように、支持板145の上面に複数の凹部145aおよび凸部145bが形成されていてもよい(図7(b)では、静電容量検知型睡眠センサ14が5層の積層構造である場合を示している)。
これにより、就寝者からの荷重は、支持板145の凸部145bが受け止めることになる。すなわち、支持板145において、就寝者からの荷重を受け止める面積が少なくなるため、単位面積当たり荷重が大きくなる。よって、支持板145からの単位面積当たりの反力も大きくなるため、絶縁層である第1誘電層143および第2誘電層144をより大きく変形させることができ、電極シート間の距離をより大きく変化させることができる。
【0050】
また、各電極シート間に配置される絶縁層は、複数の変形具合の異なる弾性材料で構成されていてもよい。図7(c)では、第1誘電層143は、上方側の第1上誘電層143aと下方側の第1下誘電層143bとの二重構成とされている。同様に、第2誘電層144は、上方側の第2上誘電層144aと下方側の第2下誘電層144bとの二重構成とされている。
【0051】
第1下誘電層143bおよび第2上誘電層144aは、固い弾性材料で構成される相対的に固い層であり、第1上誘電層143aおよび第2下誘電層144bは、柔らかな弾性材料で構成される相対的に柔らかな層である。
これにより、静電容量検知型睡眠センサ14が寝具2に設置された状態において、常に就寝者側に柔らかな層である第1上誘電層143aまたは第2下誘電層144bが配置されることになるため、静電容量検知型睡眠センサ14の存在による違和感を感じることなく、就寝者は快適に睡眠状態を保つことができる。
【0052】
また、就寝者から荷重が加えられた場合に、第1上誘電層143aおよび第2下誘電層144bが大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。さらに、静電容量検知型睡眠センサ14が寝具2に設置されていても、固い層である第1下誘電層143bおよび第2上誘電層144aが就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が寝具2によって吸収されないので)、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量を変化させることができる。また、仮に、第1上誘電層143aおよび第2下誘電層144bが経年変化を起こしていても、第1下誘電層143bおよび第2上誘電層144aが存在するため、外側電極シート141と内側電極シート142との接触を防止し、静電容量検知型睡眠センサ14全体としては、その検知機能は損なわれない。よって、その耐久性を向上できる。
【0053】
また、図8(a)および図8(b)に示すように、第1誘電層143および第2誘電層144に、複数の貫通孔が形成されていてもよい。なお、図8(a)は、第1誘電層143および第2誘電層に複数の貫通孔が形成された状態の静電容量検知型睡眠センサ14の平面図であり、図8(b)は、図8(a)に示す切断線C-Cで切断した状態を示す断面図である。
【0054】
図8(a)および図8(b)においては、第1誘電層143に、第1誘電層143の幅方向に延びる平面視略長方形状の貫通孔143cが、その長手方向(電極シートのシート面方向)に所定間隔ごとに形成されている。同様に、第2誘電層144に、第2誘電層144の幅方向に延びる平面視略長方形状の貫通孔144cが、その長手方向(電極シートのシート面方向)に所定間隔ごとに形成されている。そして、上下方向において(積層方向において)、貫通孔143cと貫通孔144c以外の第2誘電層144の部分、貫通孔143c以外の第1誘電層143の部分と貫通孔144cとが重なるように積層されている(図8(a)においては、貫通孔143cのみが示されている)。
【0055】
これにより、就寝者から荷重が加えられた場合に、中空の領域(貫通孔143cおよび貫通孔144c)が存在するため第1誘電層143および第2誘電層144が大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。また、貫通孔143cおよび貫通孔144cが所定間隔ごとに形成されているので、静電容量検知型睡眠センサ14のどの部分に就寝者から荷重が加えられても、安定して第1誘電層143および第2誘電層144を変形させることができる。
【0056】
さらに、図8(c)に示すように、貫通孔143cに、相対的に柔らかい弾性材料である第1弾性材料143dが充填され、同様に、貫通孔144cに、相対的に柔らかい弾性材料である第2弾性材料144dが充填されていてもよい。このようにすれば、相対的に固い弾性材料および柔らかい弾性材料を含む絶縁層を、容易に構成することができる。
これにより、就寝者から荷重が加えられた場合に、第1弾性材料143dおよび第2弾性材料144dが大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。また、静電容量検知型睡眠センサ14が寝具2に設置されていても、それ以外の第1誘電層143および第2誘電層144の部分が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が寝具2によって吸収されないので)、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量を変化させることができる。また、相対的に固い弾性材料(貫通孔143c以外の第1誘電層143の部分および貫通孔144c以外の第2誘電層144の部分)で就寝者の体重を常に受けているので、仮に、この固い弾性材料が経年変化を起こして完全に変形しなくなっても、相対的に柔らかい弾性材料(第1弾性材料143dおよび第2弾性材料144d)において安定した変化量を得ることができ、静電容量検知型睡眠センサ14全体としては、その検知機能は損なわれない。よって、その耐久性を向上できる。
【0057】
なお、第1弾性材料143dおよび第2弾性材料144dは、相対的に固い弾性材料であってもよい。このようにしても、相対的に柔らかい弾性材料と相対的に固い弾性材料とが混在することになるので、上述と同様の効果を奏することができる。
また、図9(a)に示すように、上下方向において(積層方向において)、貫通孔143cと貫通孔144cとが重なるように積層されていてもよいし、図9(b)に示すように、上下方向において(積層方向において)、第1弾性材料143dと第2弾性材料144dとが重なるように積層されていてもよい
また、図10(a)および図10(b)に示すように、第1誘電層143および第2誘電層144に、複数の溝が形成されていてもよい。なお、図10(a)は、第1誘電層143および第2誘電層144に複数の溝が形成された状態の静電容量検知型睡眠センサ14の平面図であり、図10(b)は、図10(a)に示す切断線D-Dで切断した状態を示す断面図である。
【0058】
図10(a)および図10(b)においては、第1誘電層143に、第1誘電層143の全幅にわたって延びる溝143eが、その長手方向(電極シートのシート面方向)に所定間隔ごとに形成されている。同様に、第2誘電層144に、第2誘電層144の全幅に延びる溝144eが、その長手方向(電極シートのシート面方向)に所定間隔ごとに形成されている。そして、上下方向において(積層方向において)、溝143eと溝144e以外の第2誘電層144の部分、溝143e以外の第1誘電層143の部分と溝144eとが重なるように積層されている(図10(a)においては、溝143eのみが示されている)。
【0059】
これにより、就寝者から荷重が加えられた場合に、中空の領域(溝143eおよび溝144e)が存在するため第1誘電層143および第2誘電層144が大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。また、溝143eおよび溝144eが所定間隔ごとに形成されているので、静電容量検知型睡眠センサ14のどの部分に就寝者から荷重が加えられても、安定して第1誘電層143および第2誘電層144を変形させることができる。
【0060】
さらに、図10(c)に示すように、溝143eに、相対的に柔らかい弾性材料である第1弾性材料143fが充填され、同様に、溝144eに、相対的に柔らかい弾性材料である第2弾性材料144fが充填されていてもよい。このようにすれば、相対的に固い弾性材料および柔らかい弾性材料を含む絶縁層を、容易に構成することができる。
これにより、就寝者から荷重が加えられた場合に、第1弾性材料143fおよび第2弾性材料144fが大きく変形するので静電容量の変化量を大きくすることができる。また、静電容量検知型睡眠センサ14が寝具2に設置されていても、それ以外の第1誘電層143および第2誘電層144の部分が就寝者からの荷重を受け止めるので(就寝者からの荷重が寝具2によって吸収されないので)、就寝者からの荷重に応じて適切に電極シート間の静電容量を変化させることができる。また、相対的に固い弾性材料(溝143e以外の第1誘電層143の部分および溝144e以外の第2誘電層144の部分)で就寝者の体重を常に受けているので、仮に、この固い弾性材料が経年変化を起こして完全に変形しなくなっても、相対的に柔らかい弾性材料(第1弾性材料143fおよび第2弾性材料144f)において安定した変化量を得ることができ、静電容量検知型睡眠センサ14全体としては、その検知機能は損なわれない。よって、その耐久性を向上できる。
【0061】
なお、第1弾性材料143fおよび第2弾性材料144fは、相対的に固い弾性材料であってもよい。このようにしても、相対的に柔らかい弾性材料と相対的に固い弾性材料とが混在することになるので、上述と同様の効果を奏することができる。
また、図11(a)に示すように、上下方向において(積層方向において)、溝143eと溝144eとが重なるように積層されていてもよいし、図11(b)に示すように、上下方向において(積層方向において)、第1弾性材料143fと第2弾性材料144fとが重なるように積層されていてもよい
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】この発明の一実施形態に係る静電容量検知型睡眠センサが用いられたいびき防止装置の設置態様を示す概略斜視図である。
【図2】枕部の左側面図である。
【図3】枕部の平面図である
【図4】いびき防止装置により就寝者のいびきを防止するための動作態様を示す概略図である。
【図5】静電容量検知型睡眠センサの構成を示す斜視図である。
【図6】図5に示す静電容量検知型睡眠センサの平面図および断面図である。
【図7】この発明の第2、第3および第4の実施形態にかかる静電容量検知型睡眠センサを示す断面図である。
【図8】この発明の第5および第6の実施形態にかかる静電容量検知型睡眠センサの構成を示す断面図である。
【図9】この発明の第7および第8の実施形態にかかる静電容量検知型睡眠センサの構成を示す断面図である。
【図10】この発明の第9および第10の実施形態にかかる静電容量検知型睡眠センサの構成を示す断面図である。
【図11】この発明の第11および第12の実施形態にかかる静電容量検知型睡眠センサの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0063】
14 静電容量検知型睡眠センサ
141 外側電極シート
141a 上面部
141c 下面部
142 内側電極シート
143 第1誘電層
143a 第1上誘電層
143b 第1下誘電層
143c 貫通孔
143d 第1弾性材料
143e 溝
143f 第1弾性材料
144 第2誘電層
144a 第2上誘電層
144b 第2下誘電層
144c 貫通孔
144d 第2弾性材料
144e 溝
144f 第2弾性材料
145 支持板
145a 凹部
145b 凸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極シートと、第2電極シートと、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサであって、
上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、
上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、
上記第1電極シートまたは上記第2電極シートのいずれか一方のシート面に沿って上記荷重を受け止めてシート面の変形を妨げる支持板が設けられていることを特徴とする静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項2】
上記第1電極シートは、中央に配置され、
上記第2電極シートは、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シートおよび他方第2電極シートを有し、
上記絶縁層は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シート間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置された5層の積層構造を有することを特徴とする請求項1に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項3】
上記支持板は、上記第1電極シートまたは上記第2電極シートの絶縁層と接しないシート面に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項4】
上記支持板は、上記第1電極シートまたは上記第2電極シートの絶縁層と接するシート面に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項5】
上記支持板は、上記一方第2電極シートまたは上記他方第2電極シートの絶縁層と接しないシート面に接合されていることを特徴とする請求項2に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項6】
上記支持板は、上記一方第2電極シートまたは上記他方第2電極シートの絶縁層と接するシート面に接合されていることを特徴とする請求項2に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項7】
上記支持板は、その表面に凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項8】
第1電極シートと、第2電極シートと、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサであって、
上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、
上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、かつ、変形具合の異なる複数の層の積層構造を含むことを特徴とする静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項9】
上記第1電極シートは、中央に配置され、
上記第2電極シートは、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シートおよび他方第2電極シートを有し、
上記絶縁層は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シートの間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項10】
上記絶縁層は、相対的に柔らかな層と相対的に固めの層の二重構成であることを特徴とする請求項9に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項11】
上記柔らかな層は、外側に位置し、
上記固めの層は、内側に位置することを特徴とする請求項10に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項12】
第1電極シートと、第2電極シートと、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサであって、
上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、
上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、
上記第1電極シートは、中央に配置され、
上記第2電極シートは、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シートおよび他方第2電極シートを有し、
上記絶縁層は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シート間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置された5層の積層構造を有し、
さらに、上記絶縁層は、積層方向と直交するシート面方向にみて、相対的に固い変形し難い領域と、相対的に柔らかい変形し易い領域とを有することを特徴とする静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項13】
上記絶縁層は、相対的に固い材料または柔らかい材料のいずれか一方をベース材料として絶縁層を形成し、形成した絶縁層に対して積層方向に貫通する貫通孔を形成し、当該貫通孔内に相対的に固い材料または柔らかい材料のいずれか他方を配置することによって実現されていることを特徴とする請求項12に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項14】
上記絶縁層は、積層方向に2層構成とされ、同じ固さの領域同士が積層方向に重なるように積層されていることを特徴とすることを特徴とする請求項12または13に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項15】
上記絶縁層は、積層方向に2層構成とされ、異なる固さの領域同士が積層方向に重なるように積層されていることを特徴とする請求項12または13に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項16】
第1電極シートと、第2電極シートと、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサであって、
上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、
上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、
上記第1電極シートは、中央に配置され、
上記第2電極シートは、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シートおよび他方第2電極シートを有し、
上記絶縁層は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シート間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置された5層の積層構造を有し、
さらに、上記絶縁層は、積層方向と直交するシート面方向にみて、上記弾性体が除去された空隙領域が形成されていることを特徴とする静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項17】
上記空隙領域は、シート面方向に一定の間隔で形成されていることを特徴とする請求項16に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項18】
上記空隙領域には、上記絶縁層よりも相対的に固いまたは柔らかい弾性変形材料が充填されていることを特徴とする請求項16または17に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項19】
上記空隙領域は、上記第1電極シートをはさんで対向するように形成されていることを特徴とする請求項17または18に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項20】
上記空隙領域と上記空隙領域以外の絶縁層の領域とは、上記第1電極シートをはさんで対向するように形成されていることを特徴とする請求項17または18に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項1】
第1電極シートと、第2電極シートと、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサであって、
上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、
上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、
上記第1電極シートまたは上記第2電極シートのいずれか一方のシート面に沿って上記荷重を受け止めてシート面の変形を妨げる支持板が設けられていることを特徴とする静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項2】
上記第1電極シートは、中央に配置され、
上記第2電極シートは、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シートおよび他方第2電極シートを有し、
上記絶縁層は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シート間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置された5層の積層構造を有することを特徴とする請求項1に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項3】
上記支持板は、上記第1電極シートまたは上記第2電極シートの絶縁層と接しないシート面に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項4】
上記支持板は、上記第1電極シートまたは上記第2電極シートの絶縁層と接するシート面に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項5】
上記支持板は、上記一方第2電極シートまたは上記他方第2電極シートの絶縁層と接しないシート面に接合されていることを特徴とする請求項2に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項6】
上記支持板は、上記一方第2電極シートまたは上記他方第2電極シートの絶縁層と接するシート面に接合されていることを特徴とする請求項2に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項7】
上記支持板は、その表面に凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項8】
第1電極シートと、第2電極シートと、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサであって、
上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、
上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、かつ、変形具合の異なる複数の層の積層構造を含むことを特徴とする静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項9】
上記第1電極シートは、中央に配置され、
上記第2電極シートは、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シートおよび他方第2電極シートを有し、
上記絶縁層は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シートの間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項10】
上記絶縁層は、相対的に柔らかな層と相対的に固めの層の二重構成であることを特徴とする請求項9に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項11】
上記柔らかな層は、外側に位置し、
上記固めの層は、内側に位置することを特徴とする請求項10に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項12】
第1電極シートと、第2電極シートと、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサであって、
上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、
上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、
上記第1電極シートは、中央に配置され、
上記第2電極シートは、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シートおよび他方第2電極シートを有し、
上記絶縁層は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シート間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置された5層の積層構造を有し、
さらに、上記絶縁層は、積層方向と直交するシート面方向にみて、相対的に固い変形し難い領域と、相対的に柔らかい変形し易い領域とを有することを特徴とする静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項13】
上記絶縁層は、相対的に固い材料または柔らかい材料のいずれか一方をベース材料として絶縁層を形成し、形成した絶縁層に対して積層方向に貫通する貫通孔を形成し、当該貫通孔内に相対的に固い材料または柔らかい材料のいずれか他方を配置することによって実現されていることを特徴とする請求項12に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項14】
上記絶縁層は、積層方向に2層構成とされ、同じ固さの領域同士が積層方向に重なるように積層されていることを特徴とすることを特徴とする請求項12または13に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項15】
上記絶縁層は、積層方向に2層構成とされ、異なる固さの領域同士が積層方向に重なるように積層されていることを特徴とする請求項12または13に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項16】
第1電極シートと、第2電極シートと、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間に配置されて上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間を絶縁する絶縁層との積層構造を有し、上記第1電極シートおよび上記第2電極シート間の静電容量を出力し得る静電容量検知型の睡眠センサであって、
上記第1電極シートおよび上記第2電極シートは、シート面方向と交差方向に変形自在な可撓性シートで構成され、
上記絶縁層は、就寝者の体が上に乗って荷重が加わった際に、荷重が加わった方向に弾性変形する弾性体で構成され、
上記第1電極シートは、中央に配置され、
上記第2電極シートは、上記第1電極シートの一方面側および他方面側にそれぞれ対向するように折り返された一方第2電極シートおよび他方第2電極シートを有し、
上記絶縁層は、上記第1電極シートおよび上記一方第2電極シート間、並びに、上記第1電極シートおよび上記他方第2電極シートの間に配置された5層の積層構造を有し、
さらに、上記絶縁層は、積層方向と直交するシート面方向にみて、上記弾性体が除去された空隙領域が形成されていることを特徴とする静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項17】
上記空隙領域は、シート面方向に一定の間隔で形成されていることを特徴とする請求項16に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項18】
上記空隙領域には、上記絶縁層よりも相対的に固いまたは柔らかい弾性変形材料が充填されていることを特徴とする請求項16または17に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項19】
上記空隙領域は、上記第1電極シートをはさんで対向するように形成されていることを特徴とする請求項17または18に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【請求項20】
上記空隙領域と上記空隙領域以外の絶縁層の領域とは、上記第1電極シートをはさんで対向するように形成されていることを特徴とする請求項17または18に記載の静電容量検知型睡眠センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−26224(P2006−26224A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211836(P2004−211836)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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