説明

非シアン無電解金めっき液及び無電解金めっき方法

【課題】液安定性に優れ、また中リン濃度のNi-Pめっき金属層からなる下地であっても該下地を荒らすことなくめっきが行える非シアン無電解金めっき液を提供する。
【解決手段】本発明に係る非シアン無電解金めっき液は、シアン系化合物を含有しない非シアン無電解金めっき液において、該無電解金めっき液には、金の安定化錯化剤として、ビス−(3−スルホプロピル)ジスルファイドが添加されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非シアン無電解金めっき液及び無電解金めっき方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程には、図1に示す様に、基板10の一面側に形成された銅から成る配線パターン12の端部を構成するパッド14に、外部接続端子としてのはんだボール16を装着する工程がある。
かかるはんだボール16を銅から成るパッド14上に形成する際に、先ず、基板10の一面側にソルダレジスト等の樹脂から成るマスク層18を形成し、マスク層18にレーザ等によってパッド面が底面に露出する凹部20を形成する。
次いで、凹部20内に、下地層としてのNi-Pから成る金属層22を無電解ニッケルめっきによって形成した後、金属層22の上面に金属層22よりも薄い金層24を置換金めっきによって形成すべく、基板10を無電解金めっき液に浸漬する。
その後、金層24上にはんだボールを載置してリフローすることによって、金がはんだ中に拡散して、外部接続端子としてのはんだボール16は、金属層22のNi-Pとはんだとの合金を形成して強固に固着される。
【0003】
この金層24を形成する置換金めっきの際に、基板10を浸漬する無電解金めっき液としては、従来、金供給源として、KAu(CN)2等のシアン化錯体が添加されたシアン含有無電解金めっき液が用いられていた。
しかし、シアン含有無電解金めっき液は、一般的にアルカリ領域で用いられるため、ソルダレジスト等の樹脂から成るマスク層18が一面側を覆う基板10をシアン含有無電解金めっき液に浸漬すると、マスク層18が侵食され易い。
また、シアン含有無電解金めっき液は、その毒性のために取扱いに特別な注意を必要とし、廃棄する場合も無毒化のための特別な操作を必要とする。
また、シアン含有無電解金めっき液は、下地Ni-P金属層22との反応(置換反応)が過剰に進行しやすく、下地Ni-P金属層にピンホールが残る、いわゆるNi腐食が発生するという課題があった。
【0004】
かかる従来のシアン含有無電解金めっき液に代えて、シアン系化合物が無添加の非シアン無電解金めっき液が、例えば、表面技術、vol.52,No.5,2001(第410〜413頁)に提案されている。
かかる非シアン無電解金めっき液では、無電解金めっき液中の金イオンの安定化を図るべく、亜硫酸金錯体を金供給源として添加している。
【0005】
しかし、かかる非シアン無電解金めっき液は、依然としてアルカリ領域で用いられるため、ソルダレジスト等の樹脂から成るマスク層18が一面側を覆う基板10をシアン含有無電解金めっき液に浸漬すると、マスク層18が侵食され易い。
しかも、亜硫酸金錯体を金供給源とする非シアン無電解金めっき液は、例えば表面技術、vol.46,No.9,1995(第775〜777頁)に記載されている如く、その安定性が極めて低いため、無電解金めっき液の交換頻度が多くなる。
【0006】
上記非シアン無電解金めっき液の不具合を解消するため、メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム(MES)を添加した非シアン無電解金めっき液が報告されている(非特許文献1)。
この非シアン無電解金めっき液によれば、pH7以下の領域で使用可能であるので、ソルダレジスト等の樹脂からなるマスク層の侵食がなく、また、液の安定性もよいという利点がある。
【非特許文献1】MES2004第14回マイクロエレクトロニクスシンポジウム論文集(2004年10月14日、15日)(第293〜296頁)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、MESを添加した上記非シアン無電解金めっき液では、下地金属層が、リン含有量が1〜4wt%程度のいわゆる低リンタイプのNi-Pめっき金属層の場合には問題がないが、汎用的に使用される、リン含有量が6〜9wt%程度の、いわゆる中リンタイプのめっき金属層の場合、該下地金属層が非シアン無電解金めっき液によって表面が侵食され、荒らされるという課題があり、そのため、良好なはんだ接合性が得られないという課題がある。
そこで、本発明の課題は、酸性領域で用いることができ、且つ安定性に優れているのみならず、中リンタイプのNi-Pめっき金属層からなる下地であっても該下地を荒らすこともない非シアン無電解金めっき液及びこの非シアン無電解金めっき液を用いた無電解金めっき方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題を解決するには、無電解金めっき液中で金イオンと結合してさらに強力な金錯体を形成する金の錯化剤の選択が重要であると考え種々検討した。その結果、本発明者は、ビス−(3−スルホプロピル)ジスルファイドを金の安定化錯化剤として添加した非シアン無電解金めっき液は、その安定性が充分であり、且つ酸性領域で用いることができ、また下地Ni-P金属層の侵食もないことを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明に係る非シアン無電解金めっき液は、シアン系化合物を含有しない非シアン無電解金めっき液において、該無電解金めっき液には、金の安定化錯化剤として、ビス−(3−スルホプロピル)ジスルファイドが添加されていることを特徴とする。
無電解金めっき液のpH値を7以下とすることができ、ソルダレジスト等の樹脂からなるマスク層が一面側を覆う基板を無電解金めっき液に浸漬して無電解金めっきを施しても、マスク層の侵食を防止できる。
また、この無電解金めっき液に結晶調整剤としてのタリウム(Tl)を添加することによって、金の析出速度を向上できる。
なお、金の供給源としては、亜硫酸金塩又は塩化金酸塩を好適に用いることができる。
【0010】
また、本発明に係る無電解金めっき方法は、基板の一面側を覆う樹脂から成るマスク層に開口した凹部の底面に露出する金属面に、無電解金めっきによって金層を形成する際に、該基板を浸漬する無電解金めっき液として、上記非シアン無電解金めっき液を用いることを特徴とする。
かかる本発明において、下地の金属層が、めっき皮膜中のリン濃度が6〜9wt%の中リンタイプのNi-Pめっき金属層であっても、めっき中に、本発明に係る無電解金めっき液によって金属層が腐食されることがなく、形成された金層上に接合したはんだボールの接合性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る無電解金めっき液に用いる金の安定化錯化剤は、MSE等のシアン化錯体と同程度に安定な金との錯体を形成するため、本発明に係る無電解金めっき液の安定性は良好である。
更に、本発明に係る無電解金めっき液は酸性領域で用いることができる。このため、ソルダレジスト等の樹脂から成るマスク層が一面側を覆う基板を、本発明に係る非シアン無電解金めっき液に浸漬しても、マスク層の侵食を防止できる。
また、本発明に係る非シアン無電解金めっき液は、下地の金属層が、めっき皮膜中のリン濃度が6〜9wt%の中リンタイプのNi-Pめっき金属層であっても、めっき中に、本発明に係る無電解金めっき液によって下地金属層が腐食されることがなく、形成された金層上に接合したはんだボールの接合性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る非シアン無電解金めっき液においては、金の安定化錯化剤として、ビス−(3−スルホプロピル)ジスルファイド(SPS)が添加されていることを特徴とする。
また、金の安定化錯化剤として、ビス−(3−スルホプロピル)ジスルファイドが含まれる次の化学式の化合物を使用可能である。
【化1】

この金の安定化錯化剤の添加量としては、金を錯化するのに十分な量とし、概ね金の1倍当量〜10倍当量とする。
【0013】
また、本発明で添加する金の安定化錯化剤と併用する金供給源としては、亜硫酸金塩又は塩化金酸塩を好適に用いることができる。この金供給源の添加量は、金として、0.5〜3g/リットル程度が好ましい。
ここで、亜硫酸金塩とビス−(3−スルホプロピル)ジスルファイド(SPS)とを添加した非シアン無電解金めっき液で形成される金錯体は、亜硫酸金塩とメルカプトエタンスルホン酸ナトリウム(MES)とを添加した非シアン無電解金めっき液で形成される金錯体に近似した還元電位を呈し、安定した金錯体を形成できる。
【0014】
このことを図2に示す。図2において、曲線Aは伝導塩(金無添加のクエン酸溶液)のみの還元電位(水素発生)、曲線Bは伝導塩とMESを添加したものについての還元電位(水素発生)、曲線Cは伝導塩とAu−MES錯体(AuとMESから形成された錯体)のものについての還元電位(金析出)、曲線Dは伝導塩とSPSを添加したものについての還元電位(水素発生)、曲線Eは伝導塩とAu−SPS錯体(AuとSPSから形成された錯体)のものについての還元電位(金析出)を示す。Au−SPS錯体からの金析出電位(曲線E)は、Au−MES錯体からの金析出電位(曲線C)よりも負側にあり、めっき液の安定性はより高い。SPSを添加した非シアン無電解めっき液は、90℃保持で30日経過後も液分解することがなく、十分な安定性を有していた。一方、錯化剤を含有しない亜硫酸ナトリウムの無電解めっき液(比較例1)は90℃保持2時間で金の沈殿が現れる(表1)。
なお、上記還元電位の測定は、作用極には白金回転電極に電解金めっきを施したものを用い、対極には白金板を用いて、白金回転電極を1000rpmで回転して行った。図2から明らかな様に、曲線Eの金析出電位は、曲線Cの金析出電位と極めて近似している。
また、図2に示す還元電位の測定は、溶液のpH値を5に調整して行った。
【0015】
本発明に係る非シアン無電解金めっき液には、従来の無電解金めっき液に添加されていた伝導塩、例えばクエン酸一カリウムやクエン酸三カリウム等のクエン酸塩を添加でき、水酸化カリウム等のpH調整剤を添加できる。
本発明に係る非シアン無電解金めっき液は、pH調整剤によってpH値が7以下の酸性領域、更に好ましくはpH値が6以下、特に好ましくはpH値が6〜3の酸性領域に調整することが好ましい。この様に、酸性領域に調整された本発明に係る非シアン無電解金めっき液に、図1に示すソルダレジスト等の樹脂から成るマスク層18が一面側を覆う基板10を浸漬しても、マスク層18が侵食されることを防止できる。
【0016】
また、本発明に係る非シアン無電解金めっき液に結晶調整剤としてのタリウム(Tl)を添加することによって、金の析出速度を向上できる。タリウム(Tl)は、硫酸タリウム又は酢酸タリウムとして添加できる。
なお、タリウム(Tl)の添加量は、0.1〜100ppmとすることが好ましい。
【0017】
以上、説明した本発明に係る非シアン無電解金めっき液を用い、図1に示す基板10の一面側を覆うマスク層18に開口する凹部20の底面に露出する、下地層としてのNi-Pから成る金属層22の露出面に置換金めっきを施して金層24を形成する。
この際に、基板10の凹部20の底面に露出する、下地層としてのNi-Pから成る金属層22は、先ず、図1に示す基板10の一面側を覆うマスク層18に開口する凹部20の底面に露出するパッド14の露出面に、Pd等の触媒金属を析出する前処理を施した後、無電解ニッケルめっき液に基板10を所定時間浸漬することによって形成できる。
【0018】
次いで、下地層としてのNi-Pから成る金属層22が底面に露出する凹部20が形成された基板10を、本発明に係る非シアン無電解金めっき液に所定時間浸漬することによって、金属層22の露出面に金層24を形成できる。
かかる置換金めっきでは、非シアン無電解金めっき液を、そのpH値を7以下の酸性領域、好ましくはpH値を6以下、特に好ましくはpH値を6〜3の酸性領域に調整しつつ、40〜90℃に保持することが好ましい。
この様に、本発明に係る非シアン無電解金めっき液に基板10を所定時間浸漬した後、基板10を無電解金めっき液から取り出し洗浄して乾燥する。
得られた基板10では、マスク層18は基板10の一面側に密着されており、凹部20の底面には、光沢を呈する緻密な金層24が形成されている。
【0019】
錯化剤としてSPSを用いた本実施の形態における非シアン無電解金めっき液の場合、上記のように液の安定性に優れるばかりか、置換反応における下地のNi-Pめっき金属層へのアタックも極めて緩やかであり、下地Ni-Pめっき金属層が荒れることがなく(図3)、したがって、はんだボールによる半田付け性が良好である。下地Ni-Pめっき金属層は、リン濃度が1〜4wt%程度の、いわゆる低リンNi-Pめっき金属層の場合であっても、リン濃度が6〜9wt%程度の、いわゆる中リンNi-Pめっき金属層の場合であっても、いずれもめっき皮膜が荒れることはなかった。
【0020】
一方、従来のシアン系無電解金めっき液の場合には、前記したように下地のNi-Pめっき金属層との置換反応が激しく、下地Ni-Pめっき金属層にピンホールや、粒界部に深い溝が形成され、荒れが激しい(図5)。
また、錯化剤としてMESを用いた従来の非シアン無電解金めっき液の場合には、下地Ni-Pめっき金属層が低リンタイプのものの場合には、該下地Ni-Pめっき金属層が荒らされることはなかったが、下地Ni-Pめっき金属層が中リンタイプのものの場合には、該下地Ni-Pめっき金属層にピンホールや荒れが生じた(図4)。
【0021】
本発明に係る無電金めっき方法によれば、図1に示す基板10の凹部20の底部に、無電解ニッケルめっき液を用いて形成したNi- Pから成る金属層22上に、本発明に係る非シアン無電解金めっき液を用いて金層24を形成した後、この金層24上にはんだ片を搭載しリフローして外部接続端子としてのはんだボール16を形成できる。
形成されたはんだボール16の接合強度は、シアン含有無電解金めっき液を用いて金層24を形成した場合や錯化剤としてMESを用いた従来の非シアン無電解金めっき液を用いて金層24を形成した場合に比較して良好であった。
【実施例】
【0022】
(1)めっき対象物の準備
図1に示す基板10の一面側を覆うマスク層18に開口する凹部20の底面に露出する銅から成る配線パターン12の露出面に、触媒金属としてのPdを析出 する前処理を施した後、基板10を無電解ニッケルめっき液に浸漬して厚さ5μmのNi-P層から成る金属層22を形成した。この金属層22を形成する無電解ニッケルめっき液は、めっき皮膜中のリン濃度が6〜9wt%の中リンタイプの無電解ニッケルめっき液を用いた。
【0023】
(2)無電解金めっき液の準備
無電解金めっき液として、下記表1に示す無電解金めっき液を準備した。
【表1】


【表2】

【0024】
(3)無電解金めっき
準備しためっき対象物を、表1に示す液に浸漬し、Ni-P層22上に厚さ0.06μmの金層24を形成した。
次いで、この金層24を市販の剥離剤を用いて剥離した後、金属層22の表面を電子顕微鏡写真で観察した結果を図3、図4、図5に示す。
図3に示すように、錯化剤としてSPSを用いた本実施例の場合、Ni-Pめっき金属層22の表面の荒れは全く生じていない。
一方、図4に示すように、錯化剤としてMESを用いた比較例2の場合、Ni-Pめっき金属層22の粒界に沿って深い溝が形成され、また多数のピンホールが生じていて、表面の荒れが著しい。
また、図5に示すように、シアン系無電解金めっき液の場合、Ni-Pめっき金属層22の粒界に沿って若干深い溝が形成され、また、大きなピンホールが生じているのがわかる。
【0025】
(4)はんだ接合信頼性
実施例、比較例2、および比較例3の金層24上にはんだ片を載置し、リフローしてはんだボール16を形成し、このはんだボール16の各々について、引張力によってはんだボール16が破壊される状況及びその破壊強度を測定するボールプル試験を施した。その結果を図6及び図7に示す。
先ず、はんだボール16の引張力によって破壊される状況について、図7に示すMode1〜Mode4に分類し、Mode1〜Mode3の破壊状況は、はんだボール16自身が破壊されたり、はんだボール16が装着された金属層22の破壊によるものであって、はんだボール16と金属層22との剥離に因る破壊ではないため、合格(OK)とした。
一方、Mode4の破壊状況は、はんだボール16と金属層22との剥離に因る破壊に該当するため、不合格(NG)とした。
かかる引張力によってはんだボール16が破壊される状況は、図6に示す様に、実施例において、破壊状況が合格(OK)となる率は約30%あったが、比較例2および比較例3では、全てが不合格(NG)となった。
なお、このボールプル試験は、相対的な強度試験であって、比較的厳しい条件(長時間、高温)でのはんだリフローによってはんだボール16を同一条件によって形成した後、同一の引っ張り強度によって破壊試験を行ったものであって、絶対的な評価ではない。リフロー条件を厳しく(高温、長時間)することによって、ニッケルがはんだ中により拡散しやすくなるため、はんだの接合強度が低くなる。この条件下で破壊試験を行ったものであっても、実施例の場合、破壊状況が合格(OK)となる率が30%もあったということで、合格率がゼロの比較例2、比較例3のものと比して、はんだの接合強度が格段に優れているといえる(なお、比較例2、3のものにおいても、製品としては必ずしも不良品というわけではない)。
【0026】
また、はんだボール16が破壊される破壊強度(ボールプル強度)のバラツキについて測定した結果を図8に示す。図8に示す様に、ボールプル強度も、実施例のものが、比較例2および比較例3に比較して、その平均値が高く且つバラツキも小さかった。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】基板の無電解金めっきを施す箇所を説明する説明図である。
【図2】伝導塩、伝導塩とMESを添加したもの、および伝導塩とSPSを添加したものについての水素発生電位、伝導塩とAu−MES錯体のもの、および伝導塩とAu−SPS錯体のものについての金析出電位を示すグラフである。
【図3】Ni-Pから成る金属層上に本発明に係る非シアン無電解金めっき液を用いて金層を形成した後、この金層を剥離した金属層の表面の電子顕微鏡写真である。
【図4】Ni-Pから成る金属層上に比較例2の非シアン無電解金めっき液を用いて金層を形成した後、この金層を剥離した金属層の表面の電子顕微鏡写真である。
【図5】Ni-Pから成る金属層上に比較例3のシアン含有無電解金めっき液を用いて金層を形成した後、この金層を剥離した金属層の表面の電子顕微鏡写真である。
【図6】実施例、比較例2、比較例3の無電解金めっきによって形成した金層上に形成したはんだボールに引張力を加えたときのボールプル試験結果を示す説明図である。
【図7】無電解金めっきによって形成した金層上に形成したはんだボールに引張力を加えたとき、はんだボールの破壊モードを示す説明図である。
【図8】無電解金めっきによって形成した金層上に形成したはんだボールに引張力を加えたとき、はんだボールが破壊する破壊強度(ボールプル強度)を示すグラフである。
【符号の説明】
【0028】
10 基板
12 配線パターン
14 パッド
16 ボール
18 マスク層
20 凹部
22 金属層
24 金層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアン系化合物を含有しない非シアン無電解金めっき液において、該無電解金めっき液には、金の安定化錯化剤として、ビス−(3−スルホプロピル)ジスルファイドが添加されていることを特徴とする非シアン無電解金めっき液。
【請求項2】
無電解金めっき液のpH値が7以下である請求項1記載の非シアン無電解金めっき液。
【請求項3】
無電解金めっき液に結晶調整剤としてのタリウム(Tl)が添加されている請求項1または2記載の非シアン無電解金めっき液。
【請求項4】
金供給源が、亜硫酸金塩又は塩化金酸塩である請求項1〜3のいずれか1項記載の非シアン無電解金めっき液。
【請求項5】
基板の一面側を覆う樹脂から成るマスク層に開口した凹部の底面に露出する金属面に、無電解金めっきによって金層を形成する際に、
該基板を浸漬する無電解金めっき液として、請求項1〜4いずれか1項記載の非シアン無電解金めっき液を用いることを特徴とする無電解金めっき方法。
【請求項6】
基板の凹部の底面に金属面が露出する下地金属層を、めっき皮膜中のリン濃度が6〜9wt%の中リンタイプのNi-Pめっき金属層とすることを特徴とする請求項5記載の無電解金めっき方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図6】
image rotate

【図8】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−254776(P2007−254776A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−77687(P2006−77687)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】