説明

非侵襲的光学センサ

装置は、センサ本体、回路ボード、ケーブル、少なくとも一つの発光デバイス、および少なくとも一つの光検出器を含む。回路ボードは、センサ本体内に包含され、少なくとも一つの導電性トレースと少なくとも一つのアパーチャを含む。本ケーブルは、少なくとも一つの導電性トレースへ結合される。ケーブルはシールド導体および信号導体を含む。少なくとも一つの発光デバイスは回路ボードに結合され、組織内へと光を放射するよう構成される。少なくとも一つの光検出器は、回路ボードに結合された平面アクティブ領域を含み、アクティブ領域によって検出された光に基づいて出力信号を提供するよう構成される。平面アクティブ領域はアパーチャと整列する。出力信号はケーブルへと結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<優先権主張>
本特許出願は、2008年4月15日に出願された、Johnson他による表題“Non-Invasive Optical Sensor”米国仮特許出願整理番号61/045,180(代理人整理番号2898.015PRV)に対する優先権の利益を享受する権利を主張し、米国仮特許出願整理番号61/045,180は、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
【0002】
<技術分野>
本開示は、ヒトおよび/もしくは他の生体における選択された血中代謝物もしくは成分の、in vivo光学検査および監視に関するものである。より詳細には、本開示は、選択された波長の光を患者の任意の領域へと送信するステップ、その光が患者を離れるときに結果として生じる光を受信するステップ、および光吸収に基づいて所望のデータを決定するために受信された光を解析するステップによる、上記のような検査および監視に関するものである。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、脳もしくは組織オキシメータなどの患者監視装置における患者インターフェイスとしてin vivoで使用するために特に適した、光学センサアセンブリにおける改善を提供する。本発明は、概して、ヒトおよび/もしくは他の生体において、選択された血中代謝物もしくは成分の、in vivo光学検査および監視に関するものである。本発明は、選択された波長の光を患者の任意の領域へと送信するステップ、その光が患者を離れるときに結果として生じる光を受信するステップ、および血液酸素飽和度などの情報が判定されうる所望の成分データを決定するために受信された光を解析するステップによるものである。
【0004】
本発明の一適用および使用分野としては、組織酸素化の非侵襲的判定がある。本技術のさらなる拡張は、非侵襲的脳オキシメータに関連し、それによって、患者の前頭部に適用された発光体および検出器を有する光学センサの使用を介して、脳内の血液酸素飽和度は非侵襲的に判定される可能性がある。
【0005】
本発明の一実施例は、新規光学センサアセンブリの適用を介した、患者の異なる複数領域のいずれかにおけるヘモグロビン酸素濃度などの血液代謝物のin vivo監視のための装置を提供する。光学センサアセンブリは、モニタなどの制御および処理デバイスに結合され、制御および処理デバイスは、センサアセンブリを操作してセンサアセンブリに関連付けられた患者内の特定領域を照射し、その照射から結果として生じる光エネルギーを検出、受信し、受信された光エネルギーに対応する信号を伝送し、前もって選択された血液代謝物データを決定するために伝送された信号を解析し、獲得されたデータを表示する。
【0006】
本発明の一実施形態に従う装置は、柔軟性のある(フレキシブルな)支持体もしくは構成担体を有し、患者の大脳もしくは他の解剖学上の領域の形状に対して、容易に適合するように適応した光プローブを提供する。
【0007】
前記の記述は、以下の詳細な説明がより理解されるように、本発明の特徴および技術的利点についてどちらかといえば概略を述べたものである。さらなる特徴および利点は、本発明の請求項を形成する以下に記述される。開示された概念および具体的実施形態は、同一の目的を実施するために、改変するか、または他の構造を設計するための基礎として容易に使用されてもよいことを当業者には理解されたい。このような同等の構造は、添付の請求項に説明されるような本発明の趣旨および範囲から逸脱しないことも、当業者には理解されたい。構成および動作方法の両方に関して本発明に特徴的であると考えられる新規の特性は、さらなる目的および利点とともに、添付の図面と関連して考えられたとき、以下の記述からよく理解されるであろう。しかしながら、各々の図面は、例示および説明の目的のためにのみ提供されるものであって、本発明を限定する定義を意図するものではないことが明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
より完全な理解のために、添付の図面と併せてなされる以下の説明に対して、参照がなされる。
【図1A】本発明に従うセンサアセンブリの適用の斜視図である。
【図1B】本発明に従うセンサアセンブリのブロック図である。
【図2】センサアセンブリの分解斜視図である。
【図3】図2のセンサアセンブリを上から見た平面図である。
【図4】図2のセンサアセンブリの電気回路図である。
【図5】平面光検出器の斜視図である。
【図6】直線6−6に沿って描かれた、図5の光検出器の断面図である。
【図7】光検出器40を通して描かれた、図2のセンサアセンブリの断面図である。
【図8】図7の図の拡大部分である。
【図9】組織部位に適用された、本発明の一実施形態の白色化構造を示す。
【図10】本発明の別の実施形態を上から見た平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
脳センサのアセンブリが、以下の説明の一部において例示の目的のために使用される。しかしながら、本発明の他の実施形態も同様に、例えばヒトおよび他の生体患者での他の位置における使用のための他のタイプの組織オキシメトリセンサなどの、他のタイプの生理的センサに対して適用される可能性があることを理解されたい。図1Aは、本発明に従うセンサアセンブリを使用することができる状況を図表示し、患者の血液酸素飽和度を監視もしくは検査する稼働システムの一部として示される。本開示の目的のために、図1Aは、オキシメトリモニタ14によって監視されるべきヒト患者12におけるセンサアセンブリ10を有するシステム8Aを示す。センサアセンブリ10は、患者12の前頭部に適用され、脳内の内部組織容量もしくは局所領域に光学的にアクセスする。脳内の内部組織容量もしくは局所領域は、センサ10が位置する地点に直接隣接するが、頭皮、頭蓋骨、および隣接硬膜の内側、すなわち脳組織自体の内部にはない。センサ10は柔軟性を有し、患者12の前頭部表面に適合する。
【0010】
センサアセンブリ10は、ケーブル19を介してオキシメトリモニタ14へと結合される。ケーブル19は、センサアセンブリ10に包含される発光体へと電圧を印加し、かつ、関連する光検出器を操作するための個々の導線を含む。本実施例においては、オキシメトリモニタ14は、画像表示が認識される可能性のあるモニタである。種々の異なる制御および処理ユニットは、本発明のセンサアセンブリを使用する異なるシステムに実装される可能性があり、オキシメトリもしくは他の生理的情報を提供する。モニタ14は、一実施例においては、データ格納のためのメモリを含むことができる。一実施例においては、モニタ14は、画像表示を含まない。モニタ14に格納されるデータは、その後の格納もしくは処理のために、別のデバイスまたはプロセッサへと転送することができる。データは、有線リンクもしくはワイヤレスリンクによって通信することができる。
【0011】
図1Bは、中継ポッド110を有するシステム8Bを示す。ポッド110は、本文書の他の部分でも説明されるように、ケーブル19によってセンサアセンブリ10へと結合される。一実施例においては、ケーブル19は、低レベル信号を伝送する。図示された実施例においては、ポッド110は、プロセッサ120、メモリ115および通信モジュール125を含むが、他の実施例においては、それ以上もしくはそれ以下の数のモジュールを含むことができる。ポッド110に対して考えられた他のモジュールもまた、とりわけ、アナログからデジタルへの変換器(ADC)、デジタルからアナログへの変換器(DAC)、フィルタ、増幅器および電源を含み、そのうちのいくつかは、個別部品の形式であるか、または、プロセッサ120によって実装することができる。電源は、電池を含む可能性がある。図示された実施例においては、プロセッサ120は、センサアセンブリ10から受信されたデータを評価または処理するためのアルゴリズムを実行する(メモリ115に格納された)プログラミングを含む。一実施例においては、メモリ115は、(プロセッサ120によって使用するための)プログラミングもしくは命令およびセンサアセンブリ10に対応するデータのためのストレージを含む。一実施例においては、ポッド110は、モニタの14のコンポーネントとして構成される。
【0012】
一実施例においては、通信モジュール125は、通信リンク130を使用してモニタ14と通信するための有線もしくはワイヤレスの遠隔測定モジュールを含む。例えば、通信モジュール125は、Bluetoothワイヤレスモジュールを含むことができ、この場合、通信リンク130は、無線周波数通信チャネルを含む。通信モジュール125および通信リンク130は、双方向性もしくは単方向性である可能性がある。一実施例においては、通信モジュール125はインターフェイスを含み、有線通信チャネルを使用して高レベル信号の変換を可能にする。
【0013】
概して、センサアセンブリ10は、曲線的な角部を有する細長い部材を含み、ケーブル19はそこから外側へと伸長する。図2に示されるセンサアセンブリ10の具体的実施形態においては、薄板状“サンドイッチ”構造を備え、例えば、発泡材料などの柔らかいフレキシブルシートを有する被覆層30と前部層32を含む。前部層32は、両面接着層であってもよいし、または、遮光層と両面接着層の組み合わせであってもよい。被覆層30は、黒色PVCもしくはポリエチレン発泡層を含んでもよい。電気回路ボード34は、層30と層32の間に配置される。二つの層30、32は、例えば接着剤を介して、回路ボード34へと固定される。
【0014】
光検出器40および発光デバイス42を含む電気光学デバイスは、回路ボード34へと接続される。光検出器40および発光デバイス42は、適切なアパーチャ50との設定に基づいて配置される。適切なアパーチャ50は、(頭皮、頭蓋骨およびその領域の脳組織を通って伝導する光を放射し、その後、その領域から発生して頭蓋骨および頭皮などを通って患者の外へと伝送した後に結果として生じる光を検出することによって)光学コンポーネントがそこを通って患者12にアクセスするように回路ボード34と前部層32を通って伸長する。
【0015】
センサアセンブリ10の図示された実施形態は、一組の発光デバイス42および一組の光検出器40を含む。センサアセンブリ10およびモニタ14は、P. Bernreuterによる、米国特許出願整理番号11/078,399、表題In Vivo Blood Spectrometryに開示された主題を含む可能性があり、前記出願は、事実上本明細書に参照によって組み入れられる。
【0016】
図示された実施形態においては、電気回路ボード34は、被覆層30および前部層32の外形寸法とほぼ同一のサイズであり、それによって、センサアセンブリ10の外見上見られるような形状を提供する。別の実施形態においては、ボード34は、被覆層30もしくは前部層32とは異なるサイズであってもよい。
【0017】
図3に関連して、回路ボード34は、片面に固定された支持基板およびプリントされた導体トレース52を有するプリント回路基板を含む可能性がある。発光デバイス42と同様に光検出器40も、各々の導体トレース52へと電気的に接続される。一実施形態においては、回路ボード34は、フレキシブルタイプであってもよく、ときには、フレックス回路と称される。
【0018】
銅分離シールド素子55は、光検出デバイス40上に配置される。接着性テープなどの絶縁体56は、光検出器40からシールド素子55を電気的に分離する。回路ボード34もまた、導電性トレース52と同一の平面上に、シールド導体57を画定する。図示された実施形態においては、シールド導体57は、概して、回路ボード34を横切って伸長する。アパーチャ50は、シールド導体57を通って伸長する。銅テープを含みうるホイルシールド素子55は、複数位置58において、シールド導体57に対して電気的に接続される。シールド素子55とシールド導体57の間の電気的接続は、はんだ付け、導電性エポキシなどを含む技術を介したものであってもよいが、そのいずれにも限定はされない。
【0019】
図4は、センサ10の一実施形態の電気回路図を示す。ケーブル19は、一組の同軸ライン61、62ならびに、図3に示される位置63A、63B、63Cおよび63Dにおいてトレース52に接続された一組の制御ラインを含む。同軸ライン61、62のシールドは、シールド導体57へと接続する。同軸ライン61、62の中心導体は、カソード端子T1へと接続し、シールド素子55によってシールドされる。ケーブル19の導線束はシールドされたケーブルの形状である可能性がある。すなわち、(お互いから相対的に絶縁された)電気的導体の周辺を包囲する金属ブレード(編組)もしくはメッシュスリーブ65を有する。メッシュスリーブ65は、位置67においてリングトレース66へと接続される。一実施例においては、位置67はシールドコンポーネントを含む。シールドコンポーネントは、金属筐体、導電性筐体、もしくは、電磁干渉の望ましくない効果を制限するための他の構造を含む可能性がある。
【0020】
図5は、光検出器40の斜視図である。一実施形態においては、光検出器40は、はんだ付け可能な平面フォトダイオードである。光検出器40は、アノード端子T2およびカソード端子T1を含む。一実施例においては、アクティブ(検出)領域51は、アノード端子T2と同一面上に画定される。
【0021】
図6は、直線6−6に沿って描かれた、図5の光検出器40の断面図である。図7は、センサアセンブリ10を通して描かれた断面図を示す。図8は、(破線の円によって示される)図7の部分85の詳細を示す。図示されるように、光検出器40は、端子T2において、シールド57へと直接接続される。電気的接続は、はんだ、導電性エポキシ、もしくは他の技術を介したものである可能性がある。図2、図6、および図7に示されるように、光検出器40は、回路ボード34のアパーチャ50よりも大きいサイズである。一実施形態においては、アパーチャ50は、光検出器40のアクティブ領域51によって全体が覆われる。一実施形態においては、光検出器40は、端子T2においてシールド導体57へと直接はんだ付けされ、被覆シールド素子55もまた、図3で示されるように、シールド導体57へとはんだ付けされる。他の実施形態においては、光検出器40は、導電性エポキシなどの技術を介して、シールド導体57へと動作可能なように結合されてもよい。
【0022】
図9は、センサアセンブリ10の別の断面図を示し、光学的に透過性を有するバンプフィーチャ80は、センサ10のより低い表面から伸長し、発光デバイスおよび/もしくは光検出器と組織部位81の間に配置される。センサアセンブリ10が組織部位81において適用されると、バンプフィーチャ80は、組織に対して加圧することによって、バンプフィーチャ直下の組織を白色化するように機能する。血液が白色化された組織は、近隣の光吸収を減少させ、信号品質を向上させる。バンプフィーチャ80は、さらに、発光デバイス42および光検出器40とやり取りした(組織へと入力する、および/もしくは組織から発する)光に対する有効領域を増加させるよう機能し、さらに信号品質を向上させる。バンプフィーチャ80は、組織表面に対してより確実かつ信頼性の高い接触を提供してもよい。バンプフィーチャ80は、透明な成形プラスチックもしくは透明エポキシ、カプセル化材、または接着剤によって形成される。バンプフィーチャ80は、一実施例においては、興味ある領域における組織を白色化させるために、センサアセンブリ10の表面から十分に突出する。
【0023】
一実施形態においては、発光デバイス42は、発光ダイオード(LED)である。このようなLEDには、数種の異なるものが存在し、その各々は、特に選択された異なる波長の光を生成するためのものである。本発明を(例えば、遠隔に設置された光生成素子、光ファイバー導体およびエミッターを有する)他の構成で実装することが可能であるが、図示された構成は、特に現今のLEDと組み合わせた場合に、ある利点を提供する。現今のLEDは、比較的低い励起を伴う非常に微細なコンポーネントから高い光強度を提供することが可能である。
【0024】
発光デバイス42と光検出器40(間)の相対的分離(距離)は、センサアセンブリ10が使用されるべきシステムの、具体的な目的、機能および適用に関連する。一実施例においては、相対的分離(距離)は、問い合わせ光の波長によって選択可能に検査される具体的な内部領域の位置およびサイズを事実上決定する。一実施形態においては、エミッターと検出器間の距離は、ほぼ等価である。光検出器40を基準とした発光デバイス42のスペーシングに関するさらなる詳細は、上記で参照された出願である米国特許整理番号11/078,399に見出される可能性がある。しかしながら、根本的発明のより広い態様においては、装置および方法論の全体的な本質を変更することなく、このような種々の距離が決定され、指定されてもよい。
【0025】
図10は、センサアセンブリ10の別の実施形態を示す。レリーフフィーチャ70は、センサ本体の外周の周囲に設けられ、前額部などのより小さい、もしくは“球状”な形状の表面に対してより高い適合性を可能にする。レリーフフィーチャ70は、周辺光に対する耐性を改善するために、光検出器40から離れて配置することができる。レリーフフィーチャ70は、スリット、スロット、切り抜きなどを含んでもよい。
【0026】
センサアセンブリ10のさらに一般的な態様は以下を含む。前部層32は、光検出器から周囲光をより効率的に分離し、かつ、発光デバイス42と光検出器40の間の表面からの光漏れの可能性を最小限化するために、黒色で、光吸収材料であってもよい。これによって、検出器によって受信された光子が患者の組織を実際に透過し、それによって所望の情報を伝送することを保証するのに役立つ。センサアセンブリ10の被覆層30は、周囲光に対して不透明である可能性がある。すなわち、被覆層30は、発砲ポリマー材料のシートなどの濃黒色の材料で形成される。
【0027】
センサアセンブリ10の実際の使用においては、センサアセンブリ10は身体の表面に対して適用される。身体の表面が完全に平坦であることは稀であり、それとは逆に、少なくともある程度湾曲している。実際には、このような湾曲は、性質という観点から複合的(すなわち単純な円筒ではない)であり、この湾曲の特性および程度は、個々人においては大きなばらつきがあり、患者によって異なる。
【0028】
本発明の光学センサアセンブリ10は、シールド導体57に直接接続された光検出器40を有する。一実施例においては、光検出器40は、シールド導体のアパーチャ50に隣接するシールド導体57に対して直接はんだ付けされる。光検出器のアクティブ領域51は、シールド導体アパーチャ50よりも大きいサイズである可能性がある。シールド導体57は、フレキシブル回路ボード34の導電性層として画定されてもよい。別の実施形態においては、シールド導体57は、中空導電性ボックスなどの閉構造の一側面であってもよい。光検出器40のアクティブ側面51をシールド導体57へと直接取り付けることによって、患者の体もしくは隣接する物体に対する容量結合の悪影響を、減少させるか、または排除することができる。
【0029】
一実施形態においては、システム8Aもしくはシステム8Bのサンプリングレートは、18.75Hzなど、50/60Hzの分数調波周波数において生じる。このような周波数におけるサンプリングは、改善されたデジタルフィルタの性能および混信阻止を提供する。
【0030】
一実施形態においては、センサアセンブリ10は、センサの使用、製造もしくは状態に関連する情報が格納される可能性のあるメモリを含む。例えば、センサアセンブリ10は、遠隔モニタもしくは他の制御装置にアクセスすることが可能なセンサ特有スペクトルおよび/もしくはキャリブレーション情報を格納してもよい。センサアセンブリ10、ポッド110もしくは、センサアセンブリ10とポッド110の両方は、事実上本明細書に参照によって組み入れられた米国特許整理番号11/039,760、表題Sensor System with Memory and Method of Using Sameに開示された、センサ上のデータストレージに関連する発明を組み入れることができる。
【0031】
別の実施形態においては、センサ本体は、図示された層状構造ではなく、モノリシック形式で設けられてもよく、さらには、一片の一体的に成形された部品として設けられてもよい。このような一片の構造は製造を単純化し、また、他の経済性を達成する可能性がある。一実施例においては、電気光学的コンポーネントは、所定の位置に密閉されて周囲に露出されず、一体的に成形された積層(ラミネート)体構造、または、取り外せないように連結され、かつ完全に密閉された積層体構造のいずれかの内部に(接続配線、シールドなどを有して)一体化して組み込まれてもよい。
【0032】
<補注>
センサアセンブリの一実施形態においては、組織領域へと光を放射する発光デバイス、概ね平面のアクティブ領域を有し、放射された光のうちのいくらかを受信するフォトダイオード、ならびに、シールド素子のアパーチャを包含するフォトダイオードおよびフォトダイオードアクティブ領域よりも小さいアパーチャ領域を有し、前記の組織領域表面に適合するフレキシブル導電性シールド素子が含まれる。
【0033】
一実施形態におけるセンサアセンブリ10は、フレックス回路として形成される導電性シールド素子を有する。センサアセンブリ10は、アクティブ領域に隣接するフォトダイオード端子を有し、その端子は、シールド素子の導体に電気的に接続されている。フォトダイオードは、はんだ付け可能なフォトダイオードであってもよい。導電性シールド素子は、アパーチャに隣接する導電性シールド素子へと直接はんだ付けされたフォトダイオードの端子を有するフレックス回路である。第一の実施形態のセンサアセンブリは、アクティブ領域とは反対のフォトダイオード面上の第二の端子を含む。本実施形態における第二の端子は、フォトダイオードのカソード端子である。センサアセンブリ10は、フォトダイオード上に固定され、かつ、シールド素子に導電性を有するように接続されたフレキシブル導電性ホイル状シールドを有する。センサアセンブリは、フォトダイオードのカソード端子と導電性カバーの間の電気的結合を防ぐための絶縁体をも含む。センサアセンブリ10は、組織領域に対してセンサアセンブリを固定するための接着性層を有する。
【0034】
本発明および幾つかの利点が詳細に説明されてきたが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、本明細書に種々の変更、置換および改変がなされてもよいことを理解されたい。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記述された事象、手段、方法および手順のプロセス、機械、製造、構成の具体的実施形態に限定されることを意図するものではない。当業者が本発明の開示から容易に理解するように、本明細書に記述された対応する実施形態とほぼ同一の機能を実施するか、または、ほぼ同一の結果を達成する、既存、または後に開発されるべき事象、手段、方法もしくは手順のプロセス、機械、製造、構成は、本発明に従って使用されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタと、
ケーブルによって前記モニタへと結合されたセンサアセンブリと、
を含み、
前記センサアセンブリは、少なくとも一つの発光デバイスおよび少なくとも一つの光検出器へと電気的に結合された回路ボードを含み、前記少なくとも一つの発光デバイスは、組織へと光を放射するよう構成され、前記少なくとも一つの光検出器は、前記少なくとも一つの光検出器の平面アクティブ領域によって検出された光に基づいた出力信号を提供するよう構成され、前記平面アクティブ領域は前記回路ボードのアパーチャと整列し、
前記モニタは、前記出力信号に対応し、前記組織に対するオキシメトリ情報および前記組織に対する生理的情報のうちの少なくとも一つに対応するデータを受信するよう構成される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記センサアセンブリは、外周および前記外周の周辺に分布した複数のレリーフフィーチャを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記センサアセンブリは、球形状の表面と結合するよう構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記センサアセンブリは、表面上のバンプフィーチャを含み、前記バンプフィーチャは、前記組織の領域を白色化するよう構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも一つの発光デバイスは、光ファイバー素子を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも一つの発光デバイスは、発光ダイオード(LED)を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記回路ボードはフレキシブル回路ボードを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも一つの光検出器は、前記回路ボードにはんだ付けされる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも一つの光検出器は、接着剤によって前記回路ボードに貼付される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記モニタは画像表示を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記ケーブルに結合されたポッドをさらに含み、前記ポッドは、前記センサアセンブリに対応するデータを格納するよう構成されたメモリを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ポッドはプロセッサを含み、前記メモリは、前記プロセッサに対する実行可能な複数の命令を格納するよう構成される、
ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ポッドは、前記モニタと通信するよう構成された通信モジュールを含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記通信モジュールは、ワイヤレス通信のために構成される、
ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
センサ本体と、
前記センサ本体内に包含され、少なくとも一つの導電性トレースおよび少なくとも一つのアパーチャを有する回路ボードと、
前記少なくとも一つの導電性トレースに結合され、シールド導体および信号導体を有するケーブルと、
前記回路ボードに結合され、組織内へと光を放射するよう構成された少なくとも一つの発光デバイスと、
前記回路ボードに結合された平面アクティブ領域を有し、前記アクティブ領域によって検出された光に基づいて出力信号を提供するよう構成された少なくとも一つの光検出器と、
を含み、
前記平面アクティブ領域は前記アパーチャと整列し、
前記出力信号は前記ケーブルへと結合される、
ことを特徴とする装置。
【請求項16】
前記センサ本体は、外周および前記外周の周辺に分布する複数のレリーフフィーチャを含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記センサ本体表面は、発泡体を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記発泡体は黒色である、
ことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記センサ本体の表面は接着剤を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記ケーブルの終端は、モニタと結合するよう構成される、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項21】
前記少なくとも一つの導電性トレースに対する、導電性接着性接続をさらに含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも一つの導電性トレースに対するはんだ接続をさらに含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項23】
前記回路ボードはフレキシブル回路ボードを含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項24】
前記センサ本体は、球形状表面と結合するよう構成される、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項25】
前記センサ本体は表面上にバンプフィーチャを含み、前記バンプフィーチャは、前記組織領域を白色化するよう構成される、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも一つの発光デバイスは光ファイバー素子を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項27】
前記少なくとも一つの発光デバイスは発光ダイオード(LED)を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも一つの光検出器は、前記回路ボードにはんだ付けされる、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項29】
前記少なくとも一つの光検出器は、接着剤によって前記回路ボードに貼付される、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項30】
回路ボードへと少なくとも一つの発光デバイスを結合するステップと、
前記回路ボードへとフォトダイオードを結合するステップであって、前記フォトダイオードは前記回路ボードのアパーチャと整列した平面表面を有する、ステップと、
前記回路ボードの少なくとも一つの導電性トレースへとケーブルを結合するステップと、
前記回路ボードをセンサ本体へと取り付けるステップであって、前記センサ本体は接着性表面を有する、ステップと、
を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項31】
前記センサ本体の外周における少なくとも一つのレリーフフィーチャを形成するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記センサ本体の表面上にバンプフィーチャを形成するステップをさらに含み、前記バンプフィーチャは、前記センサ本体が前記組織に貼付されると、組織領域を白色化するよう構成される、
ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも一つの発光ダイオードを結合するステップは、導電性接着性連結およびはんだ連結のうちの少なくとも一つを形成するステップを含む、
ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記少なくとも一つの光検出器を結合するステップは、導電性接着性連結およびはんだ連結のうちの少なくとも一つを形成するステップを含む、
ことを特徴とする請求項30に記載の方法。

【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1B】
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【公表番号】特表2011−519591(P2011−519591A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505020(P2011−505020)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/002345
【国際公開番号】WO2009/128914
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(507005296)ノニン・メディカル・インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】