説明

非定常流量計

本発明は、非圧縮性であるが非定常的な流れを持つ流体の流量をリアルタイムで測定することができる。圧力測定システムは、主に、流れの中に配置され且つ2つの壁圧力タップ(A,B)を備える負圧部材(1)から成る。圧力タップ(A,B)に接続された圧力差を測定するための手段(2)により、以下の式、すなわち、流体力学の基本方程式から直接に生じるdq(t)/dt+α(q(t))=β×Δp(t)を解くことができる。Δp(t)は、センサによって測定された瞬間の圧力差を表わし、q(t)は、求められる体積流量を表わし、αは、負圧部材の幾何学的性質、流体の幾何学的性質、流量q(t)の幾何学的性質の関数を表わし、この式の特徴は、式の左辺の2番目の項中に流れ方向が考慮されているという点である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この本発明は、非定常的な動きの流体の瞬間流量を測定する分野に関する。
【0002】
この本発明は、プロセス工学および自動車産業の分野において特定の限定的ではない有利な用途を見出す。
【0003】
特に、この本発明は、内燃機関の制御および調整、試験センター、研究所、従来技術の流量計の全ての現在の用途において有利な用途を見出す。
【0004】
また、特に、この本発明は、流れが非定常的(不安定)であり、流量の知識が速度の空間および時間での積分を要する全ての状況において有利な用途を見出す。
【背景技術】
【0005】
流量測定は工業プロセスの最適化において不可欠な要素である。
【0006】
現在のところ、所定の瞬間における非定常的な動きの流体の流量を確定するためには、一般に、この流体の速度を決定できる測定技術を使用することが必要である。異なる時刻において速度の組を決定すると、この速度の組が空間的に積分されて、経時的な流量の変化が確定される。
【0007】
非定常的な動きの流体の流量をこの流体の速度を決定することにより得るための手段として、多くのシステムおよび方法が既に提案されてきている。
【0008】
一例として、LVD方法、PIV方法、および、これらに関連するシステムについて述べることができる。
【0009】
PIV方法すなわち粒子画像速度測定法は、小さな粒子の動きの測定に基づいている。以下の方法で所定の瞬間における流体の速度が決定される。動流体が粒子と共に散布され、その後、この動流体がレーザによって照明される。レーザは短い時間間隔により2つのパルスオフセットを発する。レーザに同期されるCCDカメラは、レーザから各パルス毎に1つの画像を記録する。その後、得られた2つの画像が処理される。第1の画像と第2の画像との間での粒子の動きが相関技術を使用して測定される。2つの画像間での粒子の動きを、これらの画像のそれぞれの記録を分ける間隔で割ることにより、動流体の速度が得られる。流体速度のこの決定は、その後、この流体の流量を演繹するために使用される。
【0010】
LDV方法、すなわち、レーザドップラー速度測定法は、ドップラー周波数の測定に基づいている。動流体が粒子と共に散布され、その後、この動流体は、そのビームが交差する2つのレーザによって照明される。その後、2つのレーザビームの交差部を通過する粒子から来る分散光は、粒子の速度に比例するドップラー周波数を生成する。この速度の計算により、動流体の流量を求めることができる。流れの観察はPIVの場合と同じ方法で行なわれる。
【0011】
しかしながら、これらの方法およびシステムは以下の欠点を有している。
PIV方法およびLDV方法は、流体の流量をリアルタイムで決定するために使用することができない。実際に、これらの技術は、流体の速度を得るために所得画像の後処理を必要とする。
そのような技術の使用は面倒であり高価である。
これらの方法は、時間的分解能が低く、したがって、通過域が狭い(一般に、PIV方法では10Hz未満である)
流体を粒子と共に散布しなければならない。
流体および管路が透明でなければならない。
【0012】
非定常動流体の流量をその速度から得るために使用される他の方法はピトー管を使用する。
【0013】
ピトー管は、圧力差を測定することにより動流体の速度を決定するために使用される器具である。管路内の動流体の速度を決定するためには、流れ方向を確定することが必要である。ピトー管は、当該ピトー管が流れ方向と平行になるように且つピトー管の前部が流れに対向するように管路内に挿入される。ピトー管の側壁で第1の圧力読み取り値を取得することにより第1の圧力が得られる。この第1の測定された圧力は静圧である。第2の圧力は、管の前部で圧力を読み取ることにより得られる。この圧力は流体の全圧である。これらの2つの圧力の差を測定することにより、動流体の速度を計算することができる。この速度の計算から、動流体の流量を得ることができる。
【0014】
しかしながら、この方法およびこのシステムは以下の欠点を有している。
ピトー管を位置決めするために、流れ方向を知らなければならず、流れ方向が一定でなければならない。
流れ方向が変化すると、全圧測定が悪影響を受け、これにより、速度測定値の取得に誤差が生じる。
このタイプのシステムは侵害的であり、したがって、流れが乱れる。
【0015】
非定常的な動きの流体の流量をその速度から確定するために使用される最後の方法は、いわゆる熱線方法である。
【0016】
熱線方法は、電気回路によって加熱されるワイヤにわたる熱伝導に基づいている。渦電流作用により動流体の温度を上回る温度まで上昇されるワイヤを動流体中に配置する。その後、伝達により熱のやりとりが行なわれる。この場合、ワイヤは動流体によって冷却される。その後、ワイヤを一定の温度に維持するためにワイヤに対して供給しなければならない電力を計算することにより、動流体の速度を決定することができる。流体の速度が分かっている場合には、非定常的な動きの流体の流量を演繹することができる。
【0017】
しかしながら、この方法およびこのシステムは以下の欠点を有している。
方法は、自動化されないとともに、流体の流れ方向に対して感度がない。
殆ど常に行なっている液体の測定には、加熱されたワイヤ(電気回路によって加熱される)が電気的に絶縁される必要がある。
システムが較正されなければならない。
ワイヤがかなり急速に劣化し、これにより、高価なメンテナンスが求められる。
ワイヤの配置、特に寸法により、システムがかなり脆弱になる。
侵害的な方法であるため、流れが乱れ易い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
この本発明の1つの目的は、非定常的な動きの流体の移動をリアルタイムで測定するための方法およびシステムであって、前述した殆どの欠点を解消する方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、管路内の定常的または非定常的な動きの流体の瞬間流量をリアルタイムで測定するための測定システムにおいて、
管路内に配置され、2つの圧力取り出し部がその壁に設けられた流速測定装置と、
前記2つの圧力取り出し部に対して接続されるように構成された圧力差を測定するための手段と、
瞬間流量を圧力差に関連付ける方程式を解くことによって流量をリアルタイムで計算するように構成された計算手段であって、前記圧力差が、前記方程式では、管路内の流体の流速の変化および/または流体の流れ方向の変化に応じてプラスまたはマイナスになる計算手段と、
を有していることを特徴とする測定システムに関する。
【0020】
後述するように、この本発明の流量測定システムによれば、低コストで、実施が容易な、信頼性が高い、高パルス状流体の工業的監視が可能になる。この流量測定は、リアルタイムで行なわれるとともに、流れ方向を考慮に入れている。また、この本発明の流量測定システムは、非侵害的であり、較正を必要としない。
【0021】
本発明に係る流量測定システムの好ましいが限定的ではない態様は以下のとおりである。
前記方程式は、圧力差を表す項と、瞬間流量を表わす項と、瞬間流量の時間に関する導関数を表わす項とを含み、これらの3つの項のそれぞれがプラスまたはマイナスとなり得る。
流れ方向を考慮に入れる前記方程式は、
dq(t)/dt+α(q(t))=β×Δp(t)
の形を成す微分方程式であり、
q(t)は、求める瞬間流量を表わし、dq(t)/dtは、求める瞬間流量の時間に関する導関数を表わし、α(q(t))は、システムの幾何学的性質、流体の幾何学的性質、流量q(t)の幾何学的性質によって決まる関数を表わし、βは、装置の幾何学的性質によって決まる係数を表わしており、Δp(t)は、測定された瞬間の圧力差を表わしている。
システムは温度測定プローブも有している。
前記計算手段は、前記温度測定プロ−ブによって測定された温度を有することによって、また、流体の瞬間の質量流量を計算することによって、流体の密度を確定するように構成されている。
システムは絶対静圧を測定するためのプローブも有している。
前記計算手段は、絶対静圧を測定することにより、温度を測定することにより、瞬間流量を圧力差に関連付ける方程式を解くことにより、リアルタイムで圧縮できる流体の瞬間の質量流量をリアルタイムで計算するように構成され、前記方程式が流体の流れ方向を考慮に入れている。
前記流速測定装置が先細りチューブである。
前記流速測定装置がダイヤフラムである。
前記流速測定装置がベンチュリである。
圧力差を測定する手段は、前記2つの圧力取り出し部に対して接続される差圧センサである。
圧力差を測定するための手段は、前記2つの圧力取り出し部に接続された2つの相対圧力センサの組である。
前記計算手段が電子計算機である。
流量の変動にかかわらずリアルタイムで瞬間流量を計算するために使用される電子計算機がアナログまたはデジタル計算機である。
前記計算手段は、減算器の第1の入力に接続された第1の増幅器と、前記減算器の出力に接続された積分器と、前記積分器の出力と前記減算器の第2の入力との間に接続されたフィードバックループとを有し、前記フィードバックループは、絶対値関数を生成し且つ前記積分器の出力に接続されたモジュールと、第1の入力によって前記モジュールの出力に接続され且つ第2の入力によって前記積分器の出力に接続された乗算器とを有している。
【0022】
また、この本発明は、管路内の定常的または非定常的な動きの流体の瞬間流量を測定するための方法において、
流量の変動にかかわらず、2つの圧力間の差を測定するステップと、
流量と測定された圧力差とを関連付ける方程式を解くことによって流体の流量を計算するステップであって、前記圧力差が、前記方程式では、管路内の流体の流速の変化および/または流体の流れ方向の変化に応じてプラスまたはマイナスになるステップと、
を含むことを特徴とするプロセスに関する。
【0023】
本発明に係る流量測定プロセスの好ましいが限定的ではない態様は以下のとおりである。
プロセスの2番目のステップは、流量と測定された圧力差とを関連付ける以下の微分方程式を解くことにより、非定常的な動きの流体の流量を計算することから成り、
dq(t)/dt+α(q(t))=β×Δp(t)
q(t)は、求める瞬間流量を表わし、dq(t)/dtは、求める瞬間流量の時間に関する導関数を表わし、α(q(t))は、システムの幾何学的性質、流体の幾何学的性質、瞬間流量q(t)の幾何学的性質によって決まる関数を表わし、βは、装置の幾何学的性質によって決まる係数を表わしており、Δp(t)は、測定された瞬間の圧力差を表わしている。
流れの方向は、システムの幾何学的性質および流量q(t)によって決まる項α(q(t))中に含まれている。
方法は流体温度を取得するステップも含んでいる。
方法は流体の絶対静圧を取得するステップも含んでいる。
流体温度および流体の絶対静圧は、流れ方向を考慮に入れる方程式中に含まれている。
方法は、管路内の非定常的な動きの圧縮性流体の瞬間流量をリアルタイムで計算でき、前記流量計算は、流量を圧力差、流体の絶対静圧、流体温度に関連付ける方程式を解くことによって行なわれる。
【0024】
この本発明の他の特徴、目的、利点は、添付図面を参照して読まなければならない単なる例示であり限定的でない以下の説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(本発明の説明)
この本発明の目的は、流れ方向が経時的に変化する場合であっても管路内の非定常的な動きの流体の流量を測定することができるとともに、流量測定が流れ方向を考慮に入れているプロセスおよびシステムを確立することである。
【0026】
この目的のため、本発明者らは、管路内の非定常的な動きの流体の瞬間流量と圧力との間の関係を明らかにし、それにより、流量をリアルタイムで計算できるようにした。この場合、この流量の値は、計算された流量の符号が流体の流れ方向を示すようにプラスまたはマイナスとなり得る。
【0027】
この点を考慮して、本発明者らは空気力学的な方程式から始めた。最初に管路内の流れに関する通常の近似式を全運動エネルギに関する方程式に対して適用し、その後、全運動エネルギ方程式におい各流速項を流量の関数としてのその式に取って代えることにより、本発明者らは、管路内の半一方向性の非定常的動きの流体における瞬間流量と圧力とを関係付ける方程式に到達した。
【0028】
この方程式は、以下の形を成す微分方程式である。
dq(t)/dt+α(q(t))=β×Δp(t)
ここで、
q(t)は、求める体積流量を表わしており、
dq(t)/dtは、求める流量の時間に関する導関数を表わしており、
α(q(t))は、システムの幾何学的性質、流体の幾何学的性質、流量q(t)の幾何学的性質によって決まる関数を表わしており、
βは、装置の幾何学的性質に関連する係数を表わしており、
Δp(t)は、測定された圧力差を表わしている。
【0029】
前述した方程式が微分方程式であるという事実により体積流量をリアルタイムで確定することができ、また、これを代数方程式を用いて正確に行なうことはできなかった。
【0030】
この微分方程式は流体力学方程式によって直接にもたらされる。この方程式は、それが流れ方向を考慮に入れているという特定の特徴を有している。左辺の2番目の項α(q(t))は、装置の幾何学的性質および流れ方向によって設定される流量の関数である。この特性により、流れ方向が逆になる場合であっても流量を測定することができる。
【0031】
管路内の流体の流速および/または流れ方向の変動にしたがってその符号が変化する項(項Δp(t))、および、管路内の流体の流れ方向にしたがってその符号が変化する項(項dq(t)/dtおよび項α(q(t)))が方程式中に存在することにより、その符号が流体の流れ方向を示すプラスまたはマイナスの流量を計算することができる。
【0032】
特に、前述した方程式では、絶対値を伴うことなく項Δp(t)がそのまま使用されている。圧力差Δp(t)に起因する符号は、特に、流体の流速の変動に応じておよび/または流体の流れ方向にしたがって変化する。したがって、圧力差Δp(t)は、例えば管路内を流れる流体が加速または減速するとき、および/または、流体が管路内を一方向に或いは反対方向に流れるときなどにおいて、プラスまたはマイナスになる。
【0033】
また、前述した方程式では、絶対値を伴うことなく項dq(t)/dtおよび項α(q(t))もそのまま使用されている。
【0034】
これにより、プラスの流量だけを計算できマイナスの流量を計算できない従来技術の装置とは異なり、その値がプラスまたはマイナスとなり得る流量を計算することができる。
【0035】
計算された流量の符号により流れ方向を考慮することができ、また、計算された流量の符号の反転により、流体の流れ方向の逆転を考慮することができる。
【0036】
例えば、t=tにおいて、計算された流量が(−20m/s)に等しい場合、このことは、流体が管路内を左から右へ流れていることを意味している。t=tにおいて、計算された流量が(+5m/s)に等しい場合、このことは、t=tとt=tとの間で流れ方向が逆転したこと、および、t=tにおいて流体が管路内を右から左へ流れていることを意味している。
【0037】
読者であれば分かるように、「絶対値」とは数値の平方の平方根のことである。そして、この値は、プラスまたはゼロとなり得るが、決してマイナスにはならない。
【0038】
この微分方程式は、求められるべき流量の大きさ程度の初期条件が正しく選択される状態に常に収束するという特性を有する原形を成している。
【0039】
初期条件は、流れが方向を変える瞬間にq(t=0)=0となるように選択されることが好ましい。
【0040】
(本発明の一実施方法の説明)
図1に示されるように、本発明者らは、圧力差に基づいて管路内の流体の流量をリアルタイムで測定するように構成されたシステムを作成した。このシステムは、流量計であり、主に、管路内に挿入された流速測定装置1と、圧力差測定手段2と、流量をリアルタイムで計算するように構成された計算手段3とを備えている。
【0041】
図1に示される流速測定装置1は先細りチューブである。流速測定装置は、断面S1を有する円筒状の第1の部分4を有する異形管路である。この第1の部分4は、S1よりも小さい断面を有する第3の円筒部分6に至る第2の先細部分5で終端している。円筒状の第1の部分4の壁上および断面が小さい第3の円筒部分6の壁上にはそれぞれ、2つの静圧取り出し部A,Bが配置されている。
【0042】
図1に示される圧力差測定手段2は差圧センサである。圧力差測定手段は、流速測定装置1の2つの静圧取り出し部A,Bに対して接続されている。圧力差測定手段2により2つの静圧間の差を測定することができる。
【0043】
計算手段3は電子計算機である。この計算手段3は、流量を計算するための方程式を解くアルゴリズムを実行するようにプログラムされており、また、この流量の符号は、流れの方向を考慮に入れている。計算手段は、瞬間流量を圧力差に関連付ける方程式を解くことにより流量をリアルタイムで計算するように構成されており、前記圧力差は、前記方程式では、管路内の流体流れの速度変化および/または流体の流れ方向の変化に応じてプラスまたはマイナスになる。瞬間流量を圧力差に関連付ける方程式は、流れの方向にかかわらず計算手段が流量を計算でき、流体流れの方向を検出でき、流体流れの方向の変化を検出できるという利点を有している。この計算手段は、図2および図3に示されるように、デジタルであっても良く或いはアナログであっても構わない。
【0044】
図1の測定システムの動作原理は以下のとおりである。
【0045】
流体は、管路内を流れるとともに、流速測定装置1を通過する。
【0046】
圧力差測定手段2は、圧力取り出し部Aで取得された静圧P1と圧力取り出し部Bで取得された静圧P2との間の差を測定する。測定手段2によって測定された圧力差は、電気信号の形態を成して計算手段3の入力へ送られる。
【0047】
計算手段3は、入力として受けられた圧力差から、流体の流量をリアルタイムで計算する。実際には、計算手段3は、流量を圧力差に関連付ける方程式を解くように構成されている。この方程式は、リアルタイムな流量の計算を可能にするとともに、流体の流れ方向を与える。
【0048】
計算手段3の出力では、非定常的な動きで流量が得られる。
【0049】
したがって、図1の装置によれば、管路内の流体の流量をリアルタイムで測定することができる。この流量の測定には静圧の2つの測定値だけが必要であり、また、これは1つの差圧センサによって達成される。したがって、この本発明の装置の製作が簡略化され、また、装置内に存在する差圧センサが1つであることにより、前記装置のコストが低減される。
【0050】
また、従来技術のシステムとは異なり、この本発明の装置は、流れの方向を逆にすることができるとともに、流れの方向を考慮に入れている。
【0051】
更に、図1の装置は流量較正を必要とせず、また、プローブが管路内に直接に挿入される例えば熱線またはピトー管による測定システムとは異なり、壁中に2つの圧力取り出し部しか存在しないため、流れを乱さない。
【0052】
図2のブロック図は、基本的には、流量を計算するために使用される微分方程式の積分、および、クローズドループ回路による流れ方向の考慮を示している。この図は、積分形式の微分方程式すなわちリアルタイムで流量を計算し且つ流れ方向を与えるための方程式の漸近的安定性を与える負のフィードバックによって閉じられる積分器を構成している。
【0053】
計算手段3はアナログであっても良い。図2に示されるように、計算手段は、全くの受動であっても良い第1の増幅器7と、減算器8と、積分器9と、フィードバックループとから成り、フィードバックループは、絶対値関数を生成する回路10(またはモジュール)と、2つの入力を有する乗算器11と、第2の増幅器12とを有している。フィードバックループにより、計算手段の出力(すなわち、積分器9の出力)で得られる計算された流量の関数である値を減算器8の入力へ送ることができる。
【0054】
第1の増幅器7への入力は計算手段への入力である。第1の増幅器7は、計算手段の入力信号を係数βだけ増幅する。この係数は微分方程式の係数βの値である。この係数は、装置の幾何学的性質、特に流速測定装置の幾何学的性質の関数である。この係数の値は1回だけ決定される。このプロセスは、
例えば比較較正により、
一定の或いは周期的な期間Tの実際の流体またはシミュレーション流体の流量を直接に評価することにより(シミュレーションの場合、これは、差動センサの圧力較正の知識を必要とする)、あるいは
計算により、
などのように、様々な方法で行なうことができる。
【0055】
第1の増幅器7は、計算手段から入力信号を入力として受ける。計算手段からのこの入力信号は、圧力差を表わす信号である。この信号は圧力差測定手段2から得られる。この第1の増幅器7の出力は減算器8に送られる。
【0056】
減算器8は、第1の増幅器7からの出力信号とフィードバックループから得られた信号との間の差を得るために使用される。フィードバックループから得られたこの信号は、微分方程式の項α(q(t))に対応している(ここで、α(q(t))=α×q(t)×|q(t)|)。
【0057】
減算器8からの出力は積分器9への入力として使用される。その後、この積分器9は、減算器8からの出力信号をリアルタイムで積分するために使用される。減算器8からの出力信号は、望まれる流量の時間に関する導関数に対応している(実際には、方程式から、dq(t)/dt=β×Δp(t)−α(q(t)))。積分器9の出力に現れる信号は、望まれる流量(9)に対応している。これが、計算手段からの出力である。
【0058】
積分器9の出力に現れる信号は、乗算器11の入力へ送られる。また、この信号は、絶対値関数を生成する回路10の入力にも送られる。絶対値関数を生成する回路10からの出力は、乗算器11への第2の入力として使用される。
【0059】
乗算器11は、積分器9からの出力信号と、絶対値関数を生成する回路10からの出力信号とを掛け合わせる。その後、乗算器11の出力は第2の増幅器12への入力として使用される。
【0060】
全くの受動であっても良い第2の増幅器12は、出力信号を係数αだけ増幅する。この係数は、装置の幾何学的性質、特に流速測定装置1の幾何学的性質の関数である。また、当該係数は流体の特性の関数でもある。この係数の値は1回だけ決定される。この決定は、例えば、
比較較正により、
期間Tの実際の流体またはシミュレートされた周期的な流体における流量を直接に評価することにより(シミュレーションの場合、これは、差動センサの圧力較正の知識を必要とする)、あるいは
計算により、
などのように様々な方法で行なうことができる。
【0061】
実際には、演算におけるパラメータαおよびβの決定は、互いに依存する調整を必要とする。
【0062】
図2の計算手段の演算の原理は以下のとおりである。
【0063】
前述したように、非定常的な動きの流体の流量を圧力差に関連付ける微分方程式は、平均流量(例えば、流れが方向を変えるときには、q(t=0)=0)の大きさ程度の初期条件が正しく選択される状態に常に収束するという特性を有する原形を成している。このことは、積分器からの出力信号に関する初期条件が与えられると、この出力信号が望まれる流量を表わす値に収束することを意味している。
【0064】
まず初めに、例えば積分器の出力にゼロ信号が存在する(q(t=0)=0)。計算手段は、2つの圧力取り出し部間の圧力差を表わす信号を入力として受ける。この信号は第1の増幅器7によって増幅される。この第1の増幅器からの出力信号は、微分方程式の項β×Δp(t)に対応している。
【0065】
第1の増幅器7からの出力信号は、減算器8の第1の入力に対して送られる。フィードバックループから得られる信号は減算器8の第2の入力に到達する(初めは、選択される初期条件がq(t=0)=0であるため、ゼロに等しい)。減算器8はこれらの2つの信号の減算を行なう。減算器からの出力信号は、微分方程式における項dq/dtに対応している。
【0066】
減算器8からの出力信号は積分器9へ送られる。この信号は、望まれる流量(q)を表わす信号を出力として供給する積分器9によって積分される。
【0067】
積分器9からの出力信号は、計算手段の出力へ送られるとともに、フィードバックループへ入力として送られる。フィードバックループへの入力信号は、乗算器11の一方の入力へ送られるとともに、絶対値関数を生成する回路10の入力へも送られる。積分器9からの出力信号および絶対値を生成する回路10からの出力信号は乗算器11によって乗算される。
【0068】
その後、乗算器11の出力は、当該出力を増幅する第2の増幅器12へ送られる。第2の増幅器12の出力は微分方程式の項α(q(t))に対応している。
【0069】
第2の増幅器からの出力信号は減算器の第2の入力へ送られる。この信号は流れ方向を考慮に入れている。
【0070】
減算器は、第1の増幅器からの出力信号および第2の増幅器からの出力信号の減算を行なう。減算器の出力は、流量q(t)を表わす信号を出力として供給する積分器によって積分される。経時的に、計算手段からの出力信号に対応する積分器からの出力信号は、微分方程式の瞬間の解に対応する値へと収束する。
【0071】
したがって、図2のアナログ計算手段は、瞬間流量を計算し且つ非定常的な動きの流体の流れ方向を与えるために使用することができる。
【0072】
図3に示されるように、電子計算手段がデジタルであっても良い。図3は、デジタル計算手段にプログラムされた数値アルゴリズムであって、先細りチューブタイプの流速測定装置を有する測定システムの使用のために設計された数値アルゴリズムの一例を示している。圧力差から瞬間流量を決定するプロセスに関連するアルゴリズムは3つの段階を有している。計算手段は、これらの段階を実行するように構成された手段を含んでいる。
【0073】
Te秒毎に、圧力差を表わす信号が取得される。
【0074】
第1の段階13は、微分方程式を解くことができる初期条件を決定することから成る。選択される初期条件は、流れが方向を変えるときにq=q(t=0)=0となることが好ましい。
【0075】
第2の段階14では、圧力差Pが取得される。
【0076】
第3の段階15では、瞬間流量を圧力差に関連付ける微分方程式、例えば以下の方程式を解くことによって、望まれる流量に対応する値qn+1が計算される。
n+1=q×(1−α×|q|×Te)+β×P×Te
【0077】
第3の段階の出力15において、これはqおよびPから計算された値qn+1を与える。
【0078】
このようにして段階14,15を繰り返すことにより、その後、時間基準Teにしたがってサンプリングされた差圧信号Pから、デジタル計算手段の出力qが、微分方程式の瞬間の解へと収束する一連の計数値q,q,...,qを供給する。
【0079】
図4は、図1の装置を使用して得られる結果の一例を示している。管路内のパルス状の流れの進展が、本発明によって測定されるとともに、管路の中心に配置された熱線により決定される流体の速度から再構成される流量と比較される。
【0080】
図4の第1のグラフ17および第2のグラフ18は、管路内の流量の経時的な変化を示している。破線は、この本発明の装置を用いて得られる結果を示している。実線は、熱線測定装置を用いて得られる結果を示している。
【0081】
第1のグラフ17から分かるように、流れ方向を与えることが設計によりできない熱線測定装置は、流れ方向が逆になるときであっても常にプラスの流量を与える。これは、流れ方向の逆転に完全に適するこの本発明のシステムにおけるケースではない。これは、この本発明の測定システムが流れ方向を考慮に入れているという事実に起因している。
【0082】
第2のグラフ18から分かるように、この本発明の装置は、非常に良好な時間的分解能(幅広い通過域)を有している。これは、図4の第2のグラフにおいて得られるパルス繰返し数が90Hzに近いからである。
【0083】
したがって、この本発明の測定システムは、管路内の非定常的な動きの流体の流量を測定することができる。本測定システムは、2つの静的な圧力取り出し部のみを必要とし、方向の逆転を含む流れの任意の変動を許容することができる。これは、流量を圧力差に関連付け且つ流量をリアルタイムで計算するために使用される方程式を解くことにより可能ならしめられるとともに、流れ方向も与える。
【0084】
読者であれば理解できるように、この発明には多くの変形例が考えられる。
【0085】
例えば、流速測定装置1は、ベンチュリ、ダイヤフラム、あるいは、圧力降下を流れに引き起こす任意の装置であっても良い。
【0086】
また、計算手段は、図2および図3に示されるタイプ以外のタイプのものであっても良く、この計算手段の特定の特徴は、それが流量を圧力差に関連付ける方程式を解くように構成されているという点である。この場合、前記方程式は、流体の流量を計算するために使用されるとともに、流体の流れ方向を考慮に入れている。
【0087】
これ以外に、この本発明のシステムおよびプロセスに対して改良を成すことができる。
【0088】
ここでは、流量測定値は、管路内の非定常的な動きの非圧縮性流体の容積q(t)に関して測定されてきた。しかしながら、流量測定値と流体の密度ρとの積を求めることにより質量流量qを計算することができる。この密度は、主に、流体の温度および絶対静圧の関数である。
【0089】
そのため、温度測定プローブを図1の装置に加えるとともに、温度に応じた流体の密度を与える関数ρ(T)を計算手段において使用することにより、以下の方程式を用いて、体積流量測定値から質量流量を計算することができる。
(t)ρ(T)×q(t)
【0090】
温度測定プローブによって得られた温度測定値から流体の密度ρ(T)を確定するように構成された手段と、体積流量q(t)と密度ρ(T)との積を求めるように構成された手段とを計算手段に導入することにより、管路内の非定常的な動きの非圧縮性流体の質量流量を計算することができる。
【0091】
また、絶対静圧および温度を測定することにより、流体の圧縮性の影響を考慮に入れることができ、したがって、この本発明の用途を圧縮性流れへと広げることができる(この絶対静圧測定値は非圧縮性流体の密度ρを取得する際に考慮に入れることもでき、それにより、質量流量計算が更に正確となる)。
【0092】
したがって、温度測定プローブと絶対静圧を測定するためのプローブとを図1装置に加えることにより、また、圧力差測定手段2によって測定された圧力差と、温度測定プローブによって取得された温度測定値と、静圧測定プローブによって取得された静圧測定値とを計算手段が入力として受けるようにすることにより、流量を圧力差に関連付け且つ流体の流れ方向を考慮に入れる方程式から、管路内の非定常的な動きの圧縮性流体の質量流量を計算することができる。
【0093】
更に、圧力差測定手段は差圧センサ以外のものであっても良い。例えば、2つの圧力取り出し部を2つの相対圧力測定プローブに対して接続することができ、それにより、その後にプローブの出力部で相対静圧P1,P2を得られるようにすることもできる。そして、これらの2つの相対静圧P1,P2間の差は、測定される2つの相対静圧間の差を求めるように構成され且つ2つの測定プローブと計算手段との間に配置された電子ユニットを用いて、あるいは、計算手段がこの差を確定するための手段を有している場合には計算手段3を用いて得ることができる。第1および第2の圧力取り出し部のそれぞれは、互いに接続され且つ管路の周辺に分布される多数の初歩的な圧力取り出し部から成ることもできる。
【0094】
この場合、第1の圧力取り出し部は、管路の軸と垂直な第1の面内に配置された幾つかの初歩的な圧力取り出し部を含んでいる。このとき、第1の圧力取り出し部によって測定された圧力は、第1の圧力取り出し部の初歩的な圧力取り出し部によって測定された圧力の平均に等しい。同様に、第2の圧力取り出し部は、管路の軸と垂直な第2の面内に配置された幾つかの初歩的な圧力取り出し部を含んでいる。この場合、第1の面と第2の面とは別個のものである。また、このとき、第2の圧力取り出し部によって測定された圧力は、第2の圧力取り出し部の初歩的な圧力取り出し部によって測定された圧力の平均に等しい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】この本発明の一実施方法の断面図を示している。
【図2】この本発明のプロセスにしたがって流体の流量を決定するために実施されるべきブロック図を示している。
【図3】この本発明のプロセスにしたがって流体の流量を決定するために実行されるべき数値アルゴリズムの一例を示している。
【図4】この本発明のプロセスによる流量測定値と熱線方法による流量測定値との間の比較を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路内の定常的または非定常的な動きの流体の瞬間流量をリアルタイムで測定するシステムにおいて、
管路内に配置され、2つの圧力取り出し部(A,B)が壁に設けられた流速測定装置(1)と、
前記2つの圧力取り出し部(A,B)に対して接続されるように構成された圧力差測定装置(2)と、
瞬間流量を圧力差に関連付ける方程式を解くことによって流量をリアルタイムで計算するように構成された計算手段(3)であって、前記圧力差が、前記方程式では、管路内の流体の流速の変化および/または流体の流れ方向の変化に応じてプラスまたはマイナスになる計算手段(3)と、
を備えていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記方程式は、瞬間流量を表わす項と、瞬間流量の時間に関する導関数を表わす項とを含み、これらの2つの項のそれぞれがプラスまたはマイナスとなり得ることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
流れ方向を考慮に入れる前記方程式は、
dq(t)/dt+α(q(t))=β×Δp(t)
の形を成す微分方程式であり、
q(t)は、求める瞬間流量を表わし、
dq(t)/dtは、求める瞬間流量の時間に関する導関数を表わし、
α(q(t))は、システムの幾何学的性質、流体の幾何学的性質、流量q(t)の幾何学的性質によって決まる関数を表わし、
βは、装置の幾何学的性質によって決まる係数を表わしており、
Δp(t)は、測定された瞬間の圧力差を表わしている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
温度測定プローブも有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記計算手段は、前記温度測定プロ−ブによって測定された温度を有することによって、また、流体の瞬間の質量流量を計算することによって、流体の密度を確定するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
絶対静圧を測定するためのプローブも有していることを特徴とする請求項3または4に記載のシステム。
【請求項7】
前記計算手段(3)は、絶対静圧測定値および温度測定値を用いて、瞬間流量を圧力差に関連付ける方程式を解くことにより、リアルタイムで圧縮できる流体の瞬間の質量流量をリアルタイムで計算するように構成され、前記方程式が流体の流れ方向を考慮に入れている請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記流速測定装置が先細りチューブであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記流速測定装置(1)がダイヤフラムであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記流速測定装置(1)がベンチュリであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記圧力差測定装置(2)は、前記2つの圧力取り出し部に対して接続される差圧センサであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
圧力差を測定するための手段は、前記2つの圧力取り出し部に接続された2つの相対圧力センサの組であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記計算手段(3)がアナログまたはデジタル電子計算機であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記計算手段は、減算器(8)の第1の入力に接続された第1の増幅器(7)と、前記減算器の出力に接続された積分器(9)と、前記積分器(9)の出力と前記減算器(8)の第2の入力との間に接続されたフィードバックループとを有し、前記フィードバックループは、絶対値関数を生成し且つ前記積分器(9)の出力に接続されたモジュール(10)と、第1の入力によって前記モジュール(10)の出力に接続され且つ第2の入力によって前記積分器(9)の出力に接続された乗算器(11)とを有していることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
管路内の定常的または非定常的な動きの流体の瞬間流量を測定するための方法において、
流量の変動にかかわらず、2つの圧力間の差を測定するステップと、
流量と圧力差とを関連付ける方程式を解くことによって流体の流量を計算するステップであって、前記圧力差が、前記方程式では、管路内の流体の流速の変化および/または流体の流れ方向の変化に応じてプラスまたはマイナスになるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記方程式は、圧力差を表わす項と、瞬間流量を表わす項と、瞬間流量の時間に関する導関数を表わす項とを含み、これらの3つの項のそれぞれがプラスまたはマイナスとなり得ることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
方法の2番目のステップは、流量と測定された圧力差とを関連付ける以下の微分方程式を解くことにより、非定常的な動きの流体の流量を計算することから成り、
dq(t)/dt+α(q(t))=β×Δp(t)
q(t)は、求める瞬間流量を表わし、
dq(t)/dtは、求める瞬間流量の時間に関する導関数を表わし、
α(q(t))は、システムの幾何学的性質、流体の幾何学的性質、瞬間流量q(t)の幾何学的性質によって決まる関数を表わし、
βは、装置の幾何学的性質によって決まる係数を表わしており、
Δp(t)は、測定された瞬間の圧力差を表わしている、
ことを特徴とする請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
流れの方向は、システムの幾何学的性質および流量q(t)によって決まる項α(q(t))中に含まれていることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
流体温度を取得する段階も含んでいることを特徴とする請求項15乃至18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
流体の絶対静圧を取得する段階も含んでいることを特徴とする請求項15乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
流体温度および流体の絶対静圧は、流れ方向を考慮に入れる方程式中に含まれていることを特徴とする請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
管路内の非定常的な動きの圧縮性流体の瞬間流量をリアルタイムで計算でき、前記流量計算は、流量を圧力差、流体の絶対静圧、流体温度に関連付ける方程式を解くことによって行なわれることを特徴とする請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−522479(P2007−522479A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553613(P2006−553613)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【国際出願番号】PCT/FR2005/000352
【国際公開番号】WO2005/080924
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(594016872)サントル、ナショナール、ド、ラ、ルシェルシュ、シアンティフィク、(セーエヌエルエス) (83)
【出願人】(506279528)ユニベルシテ、ド、ポワティエ (2)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE DE POITIERS
【Fターム(参考)】