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非接触型データ受送信体およびその製造方法、非接触型データ受送信体を備えた樹脂成形体およびその製造方法
説明

非接触型データ受送信体およびその製造方法、非接触型データ受送信体を備えた樹脂成形体およびその製造方法

【課題】対象となる物品に埋設して用いた場合、物品の伸縮によってアンテナが断線することを防止するとともに、アンテナの機械的強度に優れた非接触型データ受送信体およびその製造方法、非接触型データ受送信体を備えた樹脂成形体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の非接触型データ受送信体10は、基材11と、基材11の一方の面11a上に設けられ、互いに電気的に接続されたICチップ12および第一アンテナ部13と、ICチップ12およびその近傍を覆う絶縁性樹脂からなる絶縁部14と、第一アンテナ部13の一部に重なるように配設され、導電性樹脂からなる第二アンテナ部15,16と、を備え、導電性樹脂および絶縁性樹脂は、主鎖が同一の構造をなすゴムを主材として含み、加硫剤を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型データ受送信体およびその製造方法、非接触型データ受送信体を備えた樹脂成形体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ICタグやICラベルなどの非接触型データ受送信体は、例えば、物品管理の用途などに用いられる。
ICタグとしては、一般的に、ポリイミドフィルムやガラスエポキシ樹脂などからなる基材の一方の面に、互いに電気的に接続されたICチップおよびアンテナが設けられたものが用いられている。
このようなICタグを、タイヤの管理(使用期間(年数)の管理、走行距離の管理など)に適用することが検討されている。
ところが、一般的なICタグをタイヤの外側面などに貼着して用いた場合、使用時におけるタイヤの伸び縮みや、温度変化などに伴って、ICタグの基材が伸び縮みすることにより、基材上に設けられたアンテナが断線することがあった。
【0003】
そこで、従来、アンテナが少なくとも部分的に導電性ゴムなどの可撓性導電材からなり、その可撓性導電材が対象となる物品のゴムベースの部分と同等の組成をなすICタグが開示されている(例えば、特許文献1参照)。このICタグは、対象となる物品に貼着するか、あるいは、対象となる物品に埋設されて用いられる。そして、このICタグでは、アンテナが導電性ゴムなどの可撓性導電材で形成されているので、物品とともに伸縮を繰り返しても容易に断線することがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−97586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、成形加工後の可撓性導電材からなるアンテナを、その可撓性導電材と同等の材料組成をなす物品本体中に埋設した場合、アンテナと物品本体との界面において両者の密着性が悪くなることがあった。そのため、物品本体の伸縮に伴って、アンテナが伸縮しなくなって、アンテナに予期せぬ力が加わり、その力によってアンテナが断線することがあった。また、アンテナの伸縮性(可撓性)は優れているものの、アンテナの機械的強度が不足しているため、伸縮(屈曲)を繰り返すと、アンテナが断線することがあった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、対象となる物品に埋設して用いた場合、物品の伸縮によってアンテナが断線することを防止するとともに、アンテナの機械的強度に優れた非接触型データ受送信体およびその製造方法、非接触型データ受送信体を備えた樹脂成形体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の非接触型データ受送信体は、基材と、該基材の一方の面上に設けられ、互いに電気的に接続されたICチップおよび第一アンテナ部と、前記ICチップおよびその近傍を覆う絶縁性樹脂からなる絶縁部と、前記第一アンテナ部の一部に重なるように配設され、導電性樹脂からなる第二アンテナ部と、を備え、前記導電性樹脂および前記絶縁性樹脂は、主鎖が同一の構造をなすゴムを主材とし、加硫剤を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の非接触型データ受送信体において、前記第一アンテナ部と前記第二アンテナ部の接続部において、前記基材を厚み方向に貫通し、前記第一アンテナ部に至る貫通孔が設けられ、該貫通孔内に前記導電性樹脂が充填されて形成された導電部を介して、前記第一アンテナ部と前記第二アンテナ部が電気的に接続されたことが好ましい。
【0009】
本発明の樹脂成形体は、成形体本体と、該成形体本体に埋設された本発明の非接触型データ受送信体と、を備えてなることを特徴とする。
【0010】
本発明の非接触型データ受送信体の製造方法は、基材の一方の面に、第一アンテナ部を形成する工程Aと、前記基材の一方の面に、前記第一アンテナ部と電気的に接続するように、ICチップを実装する工程Bと、前記ICチップおよびその近傍を覆うように、絶縁性樹脂からなる絶縁部を設ける工程Cと、前記第一アンテナ部の一部に重なるように、第二アンテナ部を設ける工程Dと、を備え、前記導電性樹脂および前記絶縁性樹脂は、主鎖が同一の構造をなすゴムを主材とし、加硫剤を含み、前記工程Cと前記工程Dを同時に、または、順不同に行うことを特徴とする。
【0011】
本発明の樹脂成形体の製造方法は、本発明の非接触型データ受送信体の製造方法によって非接触型データ受送信体を製造した後、該非接触型データ受送信体を、前記導電性樹脂および前記絶縁性樹脂に含まれるゴムを主材とし、加硫剤を含む樹脂内に埋設する工程Eと、前記樹脂と、前記非接触型データ受送信体を構成する前記導電性樹脂および前記絶縁性樹脂とを同時に加硫する工程Fと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、対象となる物品に埋設して用いた場合、物品の伸縮によってアンテナが断線することがない非接触型データ受送信体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の非接触型データ受送信体の第一実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】本発明の非接触型データ受送信体の第二実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の非接触型データ受送信体およびその製造方法、非接触型データ受送信体を備えた樹脂成形体およびその製造方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0015】
「非接触型データ受送信体」
(1)第一実施形態
図1は、本発明の非接触型データ受送信体の第一実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
本実施形態の非接触型データ受送信体10は、平面視略長方形状の基材11と、基材11の一方の面11aに設けられ、互いに電気的に接続されたICチップ12およびループ状の第一アンテナ部13と、ICチップ12およびその近傍を覆う絶縁部14と、第一アンテナ部13の一部に重なるとともに、第一アンテナ部13および絶縁部14を介して対向するように配設された一対の第二アンテナ部15,16とから概略構成されている。
【0016】
第二アンテナ部15は、その一端部側にて、第一アンテナ部13の一端部および基材11の一端部を挟持し、接着層17を介して接着、積層された一対の樹脂シート18,19から構成されている。
第二アンテナ部16は、その一端部側にて、第一アンテナ部13の他端部および基材11の他端部を挟持し、接着層20を介して接着、積層された一対の樹脂シート21,22から構成されている。
【0017】
第一アンテナ部13の一部に、第二アンテナ部15,16が重なっている状態とは、(1)第一アンテナ部13の一部(両端部)に、第二アンテナ部15,16の一端部が対向するのみで、電気的に接続していない状態、(2)第一アンテナ部13の一部(両端部)に、第二アンテナ部15,16の一端部が接触し、互いに電気的に接続している状態のことである。このように、第一アンテナ部13の一部に、第二アンテナ部15,16が重なることにより、第一アンテナ部13と第二アンテナ部15,16によって、1つのアンテナが形成され、そのアンテナを介して、ICチップ12に対して、情報の読み出しおよび書き込みが行われる。
なお、(1)第一アンテナ部13の一部(両端部)に、第二アンテナ部15,16の一端部が対向するのみで、電気的に接続していない状態では、第一アンテナ部13と、第二アンテナ部15,16との間で静電誘導が生じ、結果として、1つのアンテナとして機能する。
【0018】
また、基材11の一方の面11a側において、ICチップ12およびその近傍は、強化樹脂23で覆われている。さらに、その強化樹脂23を介して、ICチップ12およびその近傍が絶縁部14で覆われている。
【0019】
基材11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂からなる基材;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂からなる基材;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレンなどのポリフッ化エチレン系樹脂からなる基材;ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂からなる基材;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロンなどのビニル重合体からなる基材;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂からなる基材;ポリスチレンからなる基材;ポリカーボネート(PC)からなる基材;ポリアリレートからなる基材;ポリイミドからなる基材;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙などの紙からなる基材などが用いられる。
【0020】
ICチップ12としては、特に限定されず、第一アンテナ部13と第二アンテナ部15,16からなるアンテナを介して非接触状態にて情報の書き込みおよび読み出しが可能であり、非接触型ICタグや非接触型ICラベル、あるいは、非接触型ICカードなどのRFIDメディアに適用可能なものであればいかなるものでも用いられる。
【0021】
第一アンテナ部13は、基材11の一方の面11aに、ポリマー型導電インクを用いて所定のパターンにスクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷法により形成されてなるものか、もしくは、導電性箔をエッチングしてなるもの、金属メッキしてなるものである。
【0022】
ポリマー型導電インクとしては、例えば、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などの導電微粒子が樹脂組成物に配合されたものが挙げられる。
【0023】
樹脂組成物として熱硬化型樹脂を用いれば、ポリマー型導電インクは、200℃以下、例えば、100〜150℃程度で第一アンテナ部13をなす塗膜を形成することができる熱硬化型となる。第一アンテナ部13をなす塗膜の電気の流れる経路は、塗膜を構成する導電微粒子が互いに接触することにより形成され、この塗膜の抵抗値は10−5Ω・cmオーダーである。
また、本発明におけるポリマー型導電インクとしては、熱硬化型の他にも、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
【0024】
光硬化型のポリマー型導電インクは、光硬化性樹脂を樹脂組成物に含むものであり、硬化時間が短いので、製造効率を向上させることができる。光硬化型のポリマー型導電インクとしては、例えば、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特に、ポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、導電微粒子が60質量%以上配合され、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、溶剤揮発型あるいは架橋/熱可塑併用型(ただし、熱可塑型が50質量%以上である)のものや、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特に、ポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、架橋型あるいは架橋/熱可塑併用型のものなどが好適に用いられる。
【0025】
また、第一アンテナ部13をなす導電性箔としては、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、アルミニウム箔などが挙げられる。
さらに、第一アンテナ部13をなす金属メッキとしては、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキなどが挙げられる。
【0026】
絶縁部14の材料としては、加硫剤を含む絶縁性樹脂が用いられる。
絶縁性樹脂としては、例えば、シリコーンゴム、アクリロニトリルと1,3−ブタジエンの共重合体からなるニトリルゴム(NBR)、エチレンとプロピレンの共重合体からなるエチレンプロピレンゴム(EPDM)などの未加硫ゴムや、これらの未加硫ゴムの加硫が極一部進んだ状態のものを主材とするものが挙げられる。
加硫剤としては、硫黄、一般的に加硫に用いられる過酸化物などが挙げられる。
【0027】
絶縁部14を形成するには、予め絶縁性樹脂をシート状に形成したものを用いても、絶縁性樹脂を溶媒に溶解してペースト状にしたものを用いても、あるいは、絶縁性樹脂を溶融したものを用いてもよい。
【0028】
また、絶縁部14を形成する絶縁性樹脂には、必要に応じて、公知の無機顔料、有機顔料、染料などの着色剤が含まれていてもよい。この着色剤により、絶縁部14は任意の色に着色される。
【0029】
接着層17,20を構成する接着剤としては、特に限定されるものではないが、耐熱性に優れることから、例えば、液状シリコーンゴムが用いられる。
【0030】
樹脂シート18,19,21,22の材料としては、導電性微粒子および加硫剤を含んでなる導電性樹脂が用いられる。
導電性樹脂を構成する樹脂としては、例えば、シリコーンゴム、アクリロニトリルと1,3−ブタジエンの共重合体からなるニトリルゴム(NBR)、エチレンとプロピレンの共重合体からなるエチレンプロピレンゴム(EPDM)などの未加硫ゴムや、これらの未加硫ゴムの加硫が極一部進んだ状態のものを主材とするものが挙げられる。
導電性微粒子としては、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などが挙げられる。
加硫剤としては、硫黄、一般的に加硫に用いられる過酸化物などが挙げられる。
【0031】
また、樹脂シート18,19,21,22を形成する導電性樹脂には、必要に応じて、公知の無機顔料、有機顔料、染料などの着色剤が含まれていてもよい。この着色剤により、樹脂シート18,19,21,22は任意の色に着色される。
【0032】
また、絶縁部14を形成する絶縁性樹脂の主材と、樹脂シート18,19,21,22を形成する導電性樹脂の主材とは、同一の組成をなしている。この絶縁性樹脂と導電性樹脂は、主鎖が同一の構造をなすゴムを主材とするものであり、その主材としては、例えば、上記の未加硫ゴムや、その未加硫ゴムの加硫が極一部進んだ状態のものが挙げられる。また、この絶縁性樹脂と導電性樹脂は、加硫剤を含むので、非接触型データ受送信体10の製造過程、あるいは、製造後において、加熱して、絶縁性樹脂と導電性樹脂を加硫することによって、絶縁部14と、樹脂シート18,19,21,22との接触面(界面)において、絶縁性樹脂と導電性樹脂を化学的に結合させて、絶縁部14と、樹脂シート18,19,21,22とを一体化することができる。このように、絶縁部14を形成する絶縁性樹脂の主材と、樹脂シート18,19,21,22を形成する導電性樹脂の主材とが、同一の組成をなしているので、絶縁性樹脂と導電性樹脂を、より強固に化学的に結合させることができる。これにより、絶縁部14と第二アンテナ部15,16が伸縮しても、これらの界面で剥離することがなくなり、結果として、第二アンテナ部15,16が、第一アンテナ部13に重なった状態を維持することができるので、第一アンテナ部13と第二アンテナ部15,16から構成されるアンテナの通信距離などの通信特性が劣化することを防止し、長期間に渡ってアンテナの通信特性を維持することができる。
【0033】
また、絶縁部14を形成する絶縁性樹脂と樹脂シート18,19,21,22を形成する導電性樹脂を加硫した場合、これら絶縁性樹脂と導電性樹脂の組成の変化や収縮などにより、第一アンテナ部13と第二アンテナ部15,16から構成されるアンテナは、未加硫時とは通信距離が変化することがある。そこで、加硫後もアンテナが所定の通信距離を維持するように、予め樹脂シート18,19,21,22の大きさ(面積)を調整しておくことが好ましい。
【0034】
強化樹脂23は、絶縁部14の材料よりも硬質の材料から構成されている。強化樹脂23としては、例えば、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの耐熱性樹脂が挙げられる。
【0035】
非接触型データ受送信体10によれば、絶縁部14を形成する絶縁性樹脂と導電性樹脂シート18,19,21,22を形成する導電性樹脂は、主鎖が同一の構造をなすゴムを主材とし、加硫剤を含むので、非接触型データ受送信体10の製造過程、あるいは、製造後において、加熱して、絶縁性樹脂と導電性樹脂を加硫することによって、絶縁部14と樹脂シート18,19,21,22を化学的に結合させて、絶縁部14と、樹脂シート18,19,21,22とを一体化することができる。すなわち、加硫により、絶縁部14と、樹脂シート18,19,21,22との接続強度が高くなるとともに、絶縁部14自体の機械的強度、および、樹脂シート18,19,21,22自体の機械的強度を高くすることができる。これにより、絶縁部14と第二アンテナ部15,16が伸縮しても、これらの界面で剥離することがなくなり、結果として、第二アンテナ部15,16が、第一アンテナ部13に重なった状態を維持することができる。さらに、第二アンテナ部15,16の伸縮によって、第二アンテナ部15,16自体が断線することを防止できる。
【0036】
また、非接触型データ受送信体10を、未加硫ゴムを主材とし、加硫剤を含む樹脂に埋設して、その樹脂と、前記の絶縁性樹脂および前記の導電性樹脂とを同時に加硫することにより、絶縁部14と樹脂シート18,19,21,22を化学的に結合させるとともに、絶縁部14および樹脂シート18,19,21,22と樹脂とを化学的に結合させて、絶縁部14と、樹脂シート18,19,21,22とを一体化するとともに、絶縁部14および樹脂シート18,19,21,22と樹脂とを一体化して、非接触型データ受送信体10を、樹脂製の成形体本体に埋設した樹脂成形体を得ることができる。これにより、非接触型データ受送信体10と成形体本体との界面において両者の密着性が高くなり、成形体本体の伸縮に伴って、アンテナも伸縮しやすくなり、第一アンテナ部13と第二アンテナ部15,16が重なった状態を維持することができる。
【0037】
なお、本実施形態では、第一アンテナ部13の一部に、第二アンテナ部15,16が重なっている状態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明にあっては、第一アンテナ部と第二アンテナ部の接続部において、基材を厚み方向に貫通し、第一アンテナ部に至る貫通孔が設けられ、その貫通孔内に導電性樹脂が充填されて形成された導電部を介して、第一アンテナ部と第二アンテナ部が電気的に接続されていてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、第二アンテナ部15,16を形成するために、樹脂シート18,19,21,22を用いた場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明にあっては、第二アンテナ部を形成するには、導電性樹脂を溶媒に溶解してペースト状にしたものを用いても、導電性樹脂を溶融したものを用いてもよい。
また、本実施形態では、樹脂シート18,19,21,22が、導電性樹脂からなる場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明にあっては、2つの第二アンテナ部をなす樹脂シートのうち少なくとも1つが導電性樹脂で形成されていればよい。すなわち、第二アンテナ部をなす樹脂シートは全て、未加硫ゴムや、その未加硫ゴムの加硫が極一部進んだ状態のものを主材とする樹脂から構成されるが、そのうちの少なくとも1つの樹脂シートが導電性微粒子を含んでいればよく、これにより、第二アンテナ部の少なくとも一方がアンテナとして機能する。
【0039】
また、本実施形態では、第一アンテナ部13がループ形状をなし、その第一アンテナ部13を介して対向するように、一対の第二アンテナ部15,16が配設されて、第一アンテナ部13と第二アンテナ部15,16がダイポールアンテナを形成している場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明にあっては、第一アンテナ部が直線形状(ポール形状)をなし、その一方の端部の一部に重なるように第二アンテナ部が配設されて、第一アンテナ部と第二アンテナ部がモノポールアンテナを形成していてもよい。
【0040】
次に、図1を参照して、非接触型データ受送信体10の製造方法を説明する。
まず、基材11の一方の面11aに、印刷法、エッチングまたは金属メッキにより、所定のループ形状の第一アンテナ部13を形成する(工程A)。
工程Aにおいて、印刷法を用いる場合、基材11の一方の面11aに、ポリマー型導電インクを用いて、スクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷法により、所定のループ形状を形成する。
工程Aにおいて、エッチングを用いる場合、基材11の一方の面11aに導電性箔を貼着した後、その導電性箔をエッチングして、所定のループ形状を形成する。
工程Aにおいて、金属メッキを用いる場合、基材11の一方の面11aに、所定のループ形状となるようにメッキを施す。
【0041】
次いで、基材11の一方の面11aに、導電性接着剤を用いて、第一アンテナ部13と電気的に接続するようにICチップ12を実装する(工程B)。
導電性接着剤としては、ACP(Anisotropic Conductive Paste:異方性導電ペースト)、NCP(Non Conductive ResinPaste:無導電粒子ペースト)などが用いられる。
【0042】
次いで、ICチップおよびその近傍を覆うように、強化樹脂23を塗布する。
さらに、強化樹脂23を介して、ICチップ12およびその近傍を覆うように、上記の未加硫ゴムや、その未加硫ゴムの加硫が極一部進んだ状態のものを主材とし、加硫剤を含む絶縁性樹脂からなる絶縁部14を設ける(工程C)。
【0043】
次いで、第一アンテナ部13の一部に重なるとともに、第一アンテナ部13および絶縁部14を介して対向するように、一対の第二アンテナ部15,16を設ける(工程D)。
すなわち、工程Dでは、一対の樹脂シート18,19によって、第一アンテナ部13の一端部および基材11の一端部を挟持するとともに、接着層17を介して、樹脂シート18,19を接着、積層する。
同様に、工程Dでは、一対の樹脂シート21,22によって、第一アンテナ部13の他端部および基材11の他端部を挟持するとともに、接着層20を介して、樹脂シート21,22を接着、積層する。
【0044】
以上、工程A〜Dを経ることにより、非接触型データ受送信体10が得られる。
【0045】
なお、本実施形態では、工程Cの後に、工程Dを行う場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明にあっては、工程Dの後に、工程Cを行っても、あるいは、工程Cと工程Dを同時に行ってもよい。
【0046】
本実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法によれば、第二アンテナ部15,16が、第一アンテナ部13に重なった状態を長期間に渡って維持することが可能な非接触型データ受送信体10を製造することができる。
【0047】
(2)第二実施形態
図2は、本発明の非接触型データ受送信体の第二実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。図2において、図1に示した非接触型データ受送信体10と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の非接触型データ受送信体30は、平面視略長方形状の基材11と、基材11の一方の面11aに設けられ、互いに電気的に接続されたICチップ12およびループ状の第一アンテナ部13と、ICチップ12およびその近傍を覆う絶縁部14と、第一アンテナ部13の一部に重なるとともに、第一アンテナ部13および絶縁部14を介して対向するように配設された一対の第二アンテナ部31,32とから概略構成されている。
【0048】
第二アンテナ部31は、その一端部側にて、第一アンテナ部13の一端部および基材11の一端部を全面的に被覆する導電性樹脂から構成されている。
第二アンテナ部32は、その一端部側にて、第一アンテナ部13の他端部および基材11の他端部を全面的に被覆する導電性樹脂から構成されている。
【0049】
第一アンテナ部13の一部に、第二アンテナ部31,32が重なっている状態とは、第一アンテナ部13の一部(両端部)に、第二アンテナ部31,32の一端部が接触し、互いに電気的に接続している状態のことである。
詳細には、第一アンテナ部13と第二アンテナ部31の接続部において、基材11を厚み方向に貫通し、第一アンテナ部13に至る貫通孔33が設けられ、その貫通孔33内に第二アンテナ部31を形成する導電性樹脂が充填されて形成された導電部34を介して、第一アンテナ部13と第二アンテナ部31が電気的に接続されている。
同様に、第一アンテナ部13と第二アンテナ部32の接続部において、基材11を厚み方向に貫通し、第一アンテナ部13に至る貫通孔35が設けられ、その貫通孔35内に第二アンテナ部32を形成する導電性樹脂が充填されて形成された導電部36を介して、第一アンテナ部13と第二アンテナ部32が電気的に接続されている。
【0050】
このように、第一アンテナ部13の一部に、第二アンテナ部31,32が電気的に接続されることにより、第一アンテナ部13と第二アンテナ部31,32によって、1つのアンテナが形成され、そのアンテナを介して、ICチップ12に対して、情報の読み出しおよび書き込みが行われる。
【0051】
また、基材11の一方の面11a側において、ICチップ12およびその近傍は、強化樹脂23で覆われている。さらに、その強化樹脂23を介して、ICチップ12およびその近傍が絶縁部14で覆われている。
【0052】
第二アンテナ部31,32の材料としては、導電性微粒子および加硫剤を含んでなる導電性樹脂が用いられる。
導電性樹脂を構成する樹脂としては、例えば、シリコーンゴム、アクリロニトリルと1,3−ブタジエンの共重合体からなるニトリルゴム(NBR)、エチレンとプロピレンの共重合体からなるエチレンプロピレンゴム(EPDM)などの未加硫ゴムや、これらの未加硫ゴムの加硫が極一部進んだ状態のものを主材とするものが挙げられる。
導電性微粒子としては、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などが挙げられる。
加硫剤としては、硫黄、一般的に加硫に用いられる過酸化物などが挙げられる。
【0053】
第二アンテナ部31,32を形成するには、予め導電性樹脂をシート状に形成したものを用いても、導電性樹脂を溶媒に溶解してペースト状にしたものを用いても、あるいは、導電性樹脂を溶融したものを用いてもよい。
【0054】
また、第二アンテナ部31,32を形成する導電性樹脂には、必要に応じて、公知の無機顔料、有機顔料、染料などの着色剤が含まれていてもよい。この着色剤により、第二アンテナ部31,32は任意の色に着色される。
【0055】
非接触型データ受送信体30によれば、第一アンテナ部13と第二アンテナ部31,32の接続部において、基材11を厚み方向に貫通し、第一アンテナ部13に至る貫通孔33,34が設けられ、その貫通孔33,35内に第二アンテナ部31,32を形成する導電性樹脂が充填されて形成された導電部34,36を介して、第一アンテナ部13と第二アンテナ部31,32が電気的に接続されているので、第一実施形態よりも強固に、第一アンテナ部13と第二アンテナ部31,32を電気的に接続することができる。
【0056】
次に、図2を参照して、非接触型データ受送信体30の製造方法を説明する。
まず、基材11の一方の面11aに、印刷法、エッチングまたは金属メッキにより、所定のループ形状の第一アンテナ部13を形成する(工程A)。
【0057】
次いで、基材11の一方の面11aに、導電性接着剤を用いて、第一アンテナ部13と電気的に接続するようにICチップ12を実装する(工程B)。
【0058】
次いで、ICチップおよびその近傍を覆うように、強化樹脂23を塗布する。
さらに、強化樹脂23を介して、ICチップ12およびその近傍を覆うように、上記の未加硫ゴムや、その未加硫ゴムの加硫が極一部進んだ状態のものを主材とし、加硫剤を含む絶縁性樹脂からなる絶縁部14を設ける(工程C)。
【0059】
次いで、第一アンテナ部13の一部に重なるとともに、第一アンテナ部13および絶縁部14を介して対向するように、一対の第二アンテナ部31,32を設ける(工程D)。
【0060】
なお、工程Cおよび工程Dでは、プレス成形法などを用いて、絶縁部14と第二アンテナ部31,32を同時に成形してもよい。
プレス成形法を用いる場合、例えば、まず、一方の金型(下型)上に、絶縁部14となる絶縁性樹脂シートを配置するとともに、第二アンテナ部31,32となる導電性樹脂シートを配置し、これら絶縁性樹脂シートおよび導電性樹脂シート上に、ICチップ12、第一アンテナ部13および強化樹脂23が設けられた基材11を配置する。
さらに、ICチップ12、第一アンテナ部13および強化樹脂23を覆うように、前記の絶縁性樹脂シートと前記の導電性樹脂シートを配置した後、これら全ての部材の上に、他方の金型(上型)を載せて、プレス成形機により、加熱、加圧する。これにより、ICチップ12、第一アンテナ部13および強化樹脂23が設けられた基材11と、絶縁部14と、第二アンテナ部31,32とが一体化された非接触型データ受送信体30が得られる。
【0061】
以上、工程A〜Dを経ることにより、非接触型データ受送信体30が得られる。
【0062】
なお、本実施形態では、工程Cの後に、工程Dを行う場合と、工程Cと工程Dを同時に行う場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明にあっては、工程Dの後に、工程Cを行ってもよい。
【0063】
本実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法によれば、第二アンテナ部31,32が、第一アンテナ部13に重なった状態を長期間に渡って維持することが可能な非接触型データ受送信体30を製造することができる。
【0064】
「樹脂成形体」
本実施形態の樹脂成形体は、成形体本体と、その成形体本体に埋設された上述の非接触型データ受送信体とから概略構成されている。
【0065】
成形体本体は、特に限定されるものではなく、樹脂製の成形体であればいかなるものであってもよい。
また、成形体本体を構成する樹脂としては、上述の第一および第二実施形態の非接触型データ受送信体を構成する絶縁部を形成する絶縁性樹脂、上述の第一および第二実施形態の非接触型データ受送信体を構成する第二アンテナ部を形成する導電性樹脂と同一の組成のものを用いることが好ましい。このようにすれば、非接触型データ受送信体を、成形体本体を構成する樹脂に埋設して、その樹脂と、前記の絶縁性樹脂および前記の導電性樹脂とを同時に加硫することにより、絶縁部と第二アンテナ部を化学的に結合させるとともに、絶縁部および第二アンテナ部と樹脂とを化学的に結合させて、絶縁部と、第二アンテナ部とを一体化するとともに、絶縁部および第二アンテナ部と樹脂とを一体化して、非接触型データ受送信体を、樹脂製の成形体本体に埋設した樹脂成形体を得ることができる。
【0066】
次に、樹脂成形体の製造方法を説明する。
本実施形態の樹脂成形体を製造するには、上述の非接触型データ受送信体の製造方法によって非接触型データ受送信体を製造した後、その非接触型データ受送信体を、未加硫ゴムを主材とし、加硫剤を含む樹脂内に埋設する(工程E)。
【0067】
次いで、前記の樹脂と、非接触型データ受送信体を構成する前記の導電性樹脂および前記の絶縁性樹脂とを同時に加熱して、加硫する(工程F)。
【0068】
以上、工程A〜Fを経ることにより、樹脂成形体が得られる。
【0069】
本実施形態の樹脂成形体の製造方法によれば、成形体本体と、その成形体本体に埋設された非接触型データ受送信体とが化学的結合により一体化され、長期間に渡って通信特性を維持することが可能な樹脂成形体を製造することができる。
【符号の説明】
【0070】
10,30・・・非接触型データ受送信体、11・・・基材、12・・・ICチップ、13・・・第一アンテナ部、14・・・絶縁部、15,16,31,32・・・第二アンテナ部、17,20・・・接着層、18,19,21,22・・・樹脂シート、23・・・強化樹脂、33,35・・・貫通孔、34,36・・・導電部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、該基材の一方の面上に設けられ、互いに電気的に接続されたICチップおよび第一アンテナ部と、前記ICチップおよびその近傍を覆う絶縁性樹脂からなる絶縁部と、前記第一アンテナ部の一部に重なるように配設され、導電性樹脂からなる第二アンテナ部と、を備え、
前記導電性樹脂および前記絶縁性樹脂は、主鎖が同一の構造をなすゴムを主材とし、加硫剤を含むことを特徴とする非接触型データ受送信体。
【請求項2】
前記第一アンテナ部と前記第二アンテナ部の接続部において、前記基材を厚み方向に貫通し、前記第一アンテナ部に至る貫通孔が設けられ、該貫通孔内に前記導電性樹脂が充填されて形成された導電部を介して、前記第一アンテナ部と前記第二アンテナ部が電気的に接続されたことを特徴とする請求項1に記載の非接触型データ受送信体。
【請求項3】
成形体本体と、該成形体本体に埋設された請求項1または2に記載の非接触型データ受送信体と、を備えてなることを特徴とする樹脂成形体。
【請求項4】
基材の一方の面に、第一アンテナ部を形成する工程Aと、
前記基材の一方の面に、前記第一アンテナ部と電気的に接続するように、ICチップを実装する工程Bと、
前記ICチップおよびその近傍を覆うように、絶縁性樹脂からなる絶縁部を設ける工程Cと、
前記第一アンテナ部の一部に重なるように、導電性樹脂からなる第二アンテナ部を設ける工程Dと、を備え、
前記導電性樹脂および前記絶縁性樹脂は、主鎖が同一の構造をなすゴムを主材とし、加硫剤を含み、
前記工程Cと前記工程Dを同時に、または、順不同に行うことを特徴とする非接触型データ受送信体の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の非接触型データ受送信体の製造方法によって非接触型データ受送信体を製造した後、該非接触型データ受送信体を、前記導電性樹脂および前記絶縁性樹脂に含まれるゴムを主材とし、加硫剤を含む樹脂内に埋設する工程Eと、
前記樹脂と、前記非接触型データ受送信体を構成する前記導電性樹脂および前記絶縁性樹脂とを同時に加硫する工程Fと、を備えたことを特徴とする樹脂成形体の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−105380(P2013−105380A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249756(P2011−249756)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】