非接触型データ受送信体およびその製造方法
【課題】構成部材の界面における剥離を防止した非接触型データ受送信体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の非接触型データ受送信体10は、インレット11と、少なくともインレット11の一方の面11aおよび他方の面11b、並びに、対向する一対の端面11c,11dを被覆する被覆材12と、を備えてなり、被覆材12は2液硬化型ウレタン系接着剤からなることを特徴とする。
【解決手段】本発明の非接触型データ受送信体10は、インレット11と、少なくともインレット11の一方の面11aおよび他方の面11b、並びに、対向する一対の端面11c,11dを被覆する被覆材12と、を備えてなり、被覆材12は2液硬化型ウレタン系接着剤からなることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification)用途の情報記録メディアのように、電磁波または電波を媒体として外部から情報を受信し、また、外部に情報を送信できるようにした非接触型データ受送信体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触型データ受送信体の一例であるICタグは、基材と、その一方の面に設けられ互いに接続されたアンテナおよびICチップとから構成されるインレットを備えている。ICタグでは、情報書込/読出装置からの電磁波または電波を受信すると共振作用によりアンテナに起電力が発生する。そして、この起電力によりICタグ内のICチップが起動し、このICチップ内の情報を信号化して、この信号がICタグのアンテナから発信される。
【0003】
このようなICタグを耐熱性、耐候性および柔軟性に優れたものとするために、種々のパッケージ化されたICタグが検討されている。
例えば、接着剤を介して、薄いシート状の回路部を、シリコーン膜でコーティングされたウレタン樹脂からなる表面基材で挟み込んで、これらを一体化してなるICタグが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−056362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、接着剤を介して、シート状の回路部を表面基材で挟み込んだICタグの場合、この積層体の端面において、回路部と表面基材が剥離するという問題があった。回路部と表面基材が剥離すると、ICタグ内部に水分が侵入したりするなどして、回路部やICチップが損傷し、ICタグが正常に機能しなくなる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、構成部材の界面における剥離を防止した非接触型データ受送信体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の非接触型データ受送信体は、インレットと、少なくとも該インレットの両面および対向する一対の端面を被覆する被覆材と、を備えてなり、前記被覆材は2液硬化型ウレタン系接着剤からなることを特徴とする。
【0008】
本発明の非接触型データ受送信体の製造方法は、インレットと、少なくとも該インレットの両面および対向する一対の端面を被覆する被覆材と、を備えてなり、前記被覆材は2液硬化型ウレタン系接着剤からなる非接触型データ受送信体の製造方法であって、第一の剥離基材の一方の面をなす剥離層の上に、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる第一の接着剤を塗布する工程Aと、前記第一の剥離基材に塗布した第一の接着剤を介して、前記第一の剥離基材の一方の面上に、少なくとも前記非接触型データ受送信体の対向する一対の端面に対応する位置に、その厚さ方向に貫通する貫通部が形成されたインレットシートにおけるICチップが設けられた面を重ね合わせて、前記第一の剥離基材に対して前記インレットシートを押圧することにより、前記第一の剥離基材と前記インレットシートの間に、前記第一の接着剤を展開させるとともに、前記貫通部に、前記第一の接着剤を流入させる工程Bと、前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面に、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる第二の接着剤を塗布する工程Cと、前記インレットシートに塗布した第二の接着剤を介して、前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面上に、第二の剥離基材を、その一方の面をなす剥離層を対向させて重ね合わせ、前記インレットシートに対して前記第二の剥離基材を押圧することにより、前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面と、前記第二の剥離基材との間に、前記第二の接着剤を展開させるとともに、前記貫通部に、前記第二の接着剤を流入させる工程Dと、前記貫通部の外郭線に沿って、かつ、前記インレットシートに設けられたアンテナの形状に応じて、前記第一の接着剤、前記インレットシートおよび前記第二の接着剤を含む積層体を裁断する工程Eと、前記第一の剥離基材と前記第二の剥離基材を剥離する工程Fと、を有し、前記工程Eと前記工程Fを順不同に行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の非接触型データ受送信体によれば、少なくともインレットの両面および対向する一対の端面を被覆する被覆材が設けられているので、被覆材がインレットを構成するICチップやアンテナに基因する凹凸形状、および、インレットの端面の形状に追従して形成されているから、インレットと被覆材の密着性に優れ、インレットと被覆材の界面において剥離するのを防止することができる。特に、非接触型データ受送信体の端面において、インレットと被覆材が、これらの界面で剥離するのを防止することができる。
【0010】
本発明の非接触型データ受送信体の製造方法によれば、少なくとも目的とする非接触型データ受送信体の対向する一対の端面に対応する位置に、その厚さ方向に貫通する貫通部が形成されたインレットシートを用い、インレットシートにおけるICチップが設けられた面に第一の接着剤を塗布し、インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面に第二の接着剤を塗布することにより、インレットシートの貫通部内に第一の接着剤および第二の接着剤を充填するので、少なくともインレットの両面および対向する一対の端面が被覆材で直接、被覆された非接触型データ受送信体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の非接触型データ受送信体の第一の実施形態を示す概略構成図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Aを示す概略斜視図である。
【図3】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Bを示す概略斜視図である。
【図4】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Bを示し、図3のB−B線に沿う概略断面図である。
【図5】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Cおよび工程Dを示す概略斜視図である。
【図6】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Dを示し、図5のC−C線に沿う概略断面図である。
【図7】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Eを示す概略断面図である。
【図8】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Eを示す概略断面図である。
【図9】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Fを示す概略断面図である。
【図10】本発明の非接触型データ受送信体の第二の実施形態を示す概略斜視図である。
【図11】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第二の実施形態で用いられるインレットシートを示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の非接触型データ受送信体およびその製造方法の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0013】
(1)第一の実施形態
「非接触型データ受送信体」
図1は、本発明の非接触型データ受送信体の第一の実施形態を示す概略構成図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体10は、平面視略長方形状のインレット11と、インレット11の両面(一方の面11a、他方の面11b)および端面(端面11c、端面11d)を被覆する被覆材12とから概略構成されている。
すなわち、非接触型データ受送信体10は、インレット11の一方の面11aおよび他方の面11bが、被覆材12で直接、被覆されて、被覆材12とインレット11が、その厚さ方向において積層された構造をなしている。これにより、非接触型データ受送信体10は、平面視略長方形状をなしている。
【0014】
インレット11は、基材13と、基材13の一方の面13aに設けられ、互いに電気的に接続されたICチップ14およびアンテナ15とから概略構成されている。
アンテナ15は、各種導電体からなり、互いに対向し、その対向する側にそれぞれ給電点(ICチップ14と接続している部分)を有する一対の面状の放射素子16,17からなるダイポールアンテナである。
アンテナ15の長手方向における長さは、非接触ICカードなどの非接触ICモジュールに利用できる極超短波帯〈UHF〉やマイクロ波帯の電波帯の周波数(300MHz〜30GHz)の1/2波長に相当する長さとなっている。すなわち、放射素子16,17の長手方向における長さは、1/4波長に相当する長さとなっている。
【0015】
なお、インレット11の一方の面11aは、基材13の一方の面13aに相当する。
ゆえに、インレット11の一方の面11aでは、ICチップ14およびアンテナ15が被覆材12によって被覆されている。
【0016】
被覆材12の厚さは、特に限定されないが、インレット11の一方の面11aにおいては、少なくともインレット11のICチップ14およびアンテナ15に起因する凹凸が、非接触型データ受送信体10の一方の面(外面)10aに現れない程度、かつ、インレット11が外部からの衝撃により破損しない程度であり、例えば、10μm〜2000μmの範囲内である。また、被覆材12の厚さは、インレット11の他方の面11bにおいては、インレット11が外部からの衝撃により破損しない程度であり、例えば、10μm〜2000μmの範囲内である。
【0017】
また、非接触型データ受送信体10の柔軟性(可撓性)を十分なものとし、非接触型データ受送信体10を曲げた場合に、インレット11に対して、インレット11の一方の面11a側と、インレット11の他方の面11b側との間で、被覆材12の厚さの差に起因する応力が生じないようにするためには、インレット11の一方の面11a側と他方の面11b側で、被覆材12の厚さが等しいことが好ましい。
【0018】
さらに、被覆材12の厚さは、インレット11の端面11c,11dにおいては、非接触型データ受送信体10を曲げることにより、その端面10b,10cにおいて、インレット11が露出しない程度であり、例えば、10μm〜2000μmの範囲内である。
【0019】
被覆材12は、使用前は液状であり、加熱、紫外線照射、電子線照射などの外的条件を加えなくても、主剤と硬化剤の反応によって硬化する2液混合型ウレタン系接着剤からなるものである。
【0020】
2液混合型ウレタン系接着剤としては、第一液としてのイソシアネートと、第二液としての水酸基が1級水酸基であるポリオールとを含む混合液に、さらに、エポキシ基を有するシランカップリング剤を添加したものが用いられる。
この2液混合型ウレタン系接着剤では、イソシアネートのイソシアネート基と、ポリオールの水酸基とのモル比(−NCO/−OH)が0.8以上、1.1以下となる配合比で、イソシアネートとポリオールが混合されている。また、この2液混合型ウレタン系接着剤の全量に対するエポキシ基を有するシランカップリング剤の配合量は、0.1質量%以上、2.0質量%以下である。
【0021】
また、2液混合型ウレタン系接着剤としては、第一液としてのイソシアネートと、第二液としての水酸基が1級水酸基であるポリオールとを含む混合液に、さらに、アスペクト比が10以上、100以下の無機微粒子を添加したものが用いられる。
この2液混合型ウレタン系接着剤では、イソシアネートのイソシアネート基と、ポリオールの水酸基とのモル比(−NCO/−OH)が0.8以上、1.1以下となる配合比で、イソシアネートとポリオールが混合されている。また、この2液混合型ウレタン系接着剤の全量に対するアスペクト比が10以上、100以下の無機微粒子の配合量は、5質量%以上、40質量%以下である。
【0022】
このような2液硬化型ウレタン系接着剤の具体例としては、主剤(商品名:MLT2900、イーテック社製)と硬化剤(商品名:G3021−B174、イーテック社製)からなる接着剤が挙げられる。
【0023】
また、被覆材12を形成する接着剤には、必要に応じて、公知の無機顔料、有機顔料、染料などの着色剤が含まれていてもよい。この着色剤により、被覆材12は任意の色に着色される。
【0024】
基材13としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂からなる基材;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂からなる基材;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレンなどのポリフッ化エチレン系樹脂からなる基材;ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂からなる基材;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロンなどのビニル重合体からなる基材;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂からなる基材;ポリスチレンからなる基材;ポリカーボネート(PC)からなる基材;ポリアリレートからなる基材;ポリイミドからなる基材;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙などの紙からなる基材などが用いられる。
【0025】
ICチップ14としては、特に限定されず、アンテナ15を介して非接触状態にて情報の書き込みおよび読み出しが可能であり、非接触型ICタグや非接触型ICラベル、あるいは、非接触型ICカードなどのRFIDメディアに適用可能なものであればいかなるものでも用いられる。
【0026】
アンテナ15は、基材13の一方の面13aに、ポリマー型導電インクを用いて所定のパターンにスクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷法により形成されてなるものか、もしくは、導電性箔をエッチングしてなるもの、金属メッキしてなるものである。
【0027】
ポリマー型導電インクとしては、例えば、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などの導電微粒子が樹脂組成物に配合されたものが挙げられる。
【0028】
樹脂組成物として熱硬化型樹脂を用いれば、ポリマー型導電インクは、200℃以下、例えば、100〜150℃程度でアンテナ15をなす塗膜を形成することができる熱硬化型となる。アンテナ15をなす塗膜の電気の流れる経路は、塗膜を構成する導電微粒子が互いに接触することにより形成され、この塗膜の抵抗値は10-5Ω・cmオーダーである。
また、本発明におけるポリマー型導電インクとしては、熱硬化型の他にも、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
【0029】
光硬化型のポリマー型導電インクは、光硬化性樹脂を樹脂組成物に含むものであり、硬化時間が短いので、製造効率を向上させることができる。光硬化型のポリマー型導電インクとしては、例えば、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特に、ポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、導電微粒子が60質量%以上配合され、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、溶剤揮発型あるいは架橋/熱可塑併用型(ただし、熱可塑型が50質量%以上である)のものや、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特に、ポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、架橋型あるいは架橋/熱可塑併用型のものなどが好適に用いられる。
【0030】
また、アンテナ15をなす導電性箔としては、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、アルミニウム箔などが挙げられる。
さらに、アンテナ15をなす金属メッキとしては、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキなどが挙げられる。
【0031】
この非接触型データ受送信体10は、インレット11の一方の面11aおよび他方の面11b、並びに、端面11c,11dが、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる被覆材12で直接、被覆されているので、被覆材12がインレット11を構成するICチップ14やアンテナ15に基因する凹凸形状、および、インレット11の端面11c,11dの形状に追従して形成されているから、インレット11と被覆材12の密着性に優れ、インレット11と被覆材12の界面において剥離するのを防止することができる。特に、非接触型データ受送信体10の端面10b,10cにおいて、インレット11と被覆材12が、これらの界面で剥離するのを防止することができる。したがって、非接触型データ受送信体10は、インレット11に耐熱性および耐候性を付与しながら、薄型で柔軟性に優れている。
【0032】
さらに、非接触型データ受送信体10は、インレット11の一方の面11aおよび他方の面11b、並びに、端面11c,11dが、被覆材12で直接、被覆された単純な構成をなしているので、容易に製造することができる。
【0033】
なお、この実施形態では、非接触型データ受送信体10が平面視略長方形状をなしている場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、非接触型データ受送信体は、平面視した場合、任意のカード形状、タグ形状をなしていてもよい。
また、この実施形態では、一対の面状の放射素子16,17から構成されるダイポールアンテナからなるアンテナ15を有するインレット11を備えた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、アンテナは一対の枠状の放射素子から構成されるダイポールアンテナ、メアンダ状のダイポールアンテナ、モノポールアンテナなどであってもよい。
【0034】
「非接触型データ受送信体の製造方法」
次に、図2〜図9を参照して、この実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法を説明する。
ここでは、図3に示すような、基材13Aと、その一方の面13aに、RFID用のアンテナ15と、このアンテナ15を通じて通信するICチップ14とが等間隔に多数設けられ、アンテナ15の両端と間隔を置いて、短手方向に延在する帯状をなすとともに、その厚さ方向に貫通する貫通部22aが形成された長尺のインレットシート22を用いて、連続的に、上述の非接触型データ受送信体10を製造する場合を例示する。
すなわち、インレットシート22には、目的とする非接触型データ受送信体10の対向する一対の端面(非接触型データ受送信体10の短辺側の端面11c,11d)に対応する位置に貫通部22aが形成されている。
また、インレットシート22の貫通部22aの大きさは、非接触型データ受送信体10の端面において、被覆材12に必要とされる厚さに応じて、適宜調整される。
【0035】
まず、図2に示すように、図中の矢印方向に搬送されている長尺の第一の剥離基材21の一方の面21aの中央部に、第一の剥離基材21の搬送方向に沿って、接着剤塗布装置のノズル31から吐出される第一の接着剤12Aを線状に塗布する(工程A)。
【0036】
第一の接着剤12Aとしては、上記の被覆材12を形成する接着剤と同様のものが用いられる。
また、第一の剥離基材21の一方の面21aに第一の接着剤12Aを塗布する幅、すなわち、第一の剥離基材21の一方の面21aに対する第一の接着剤12Aの塗布量は、特に限定されないが、この第一の接着剤12Aによって被覆される、インレットシート22に設けられたICチップ14およびアンテナ15の大きさや数、貫通部22aの大きさや深さ、第一の接着剤12Aを硬化することにより形成される被覆材12に必要とされる厚さなどに応じて、適宜調整される。
【0037】
第一の剥離基材21としては、剥離フィルムまたは剥離紙が用いられる。
剥離フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのプラスチックからなる厚さ30μm〜160μmの基材フィルムの一方の面および/または他方に面に、シリコンからなる厚さ1μm〜50μmの剥離層が設けられたものが用いられる。すなわち、第一の剥離基材21の一方の面21aは、シリコーンからなる剥離層から構成されている。
このような剥離フィルムの具体例としては、例えば、東セロ株式会社製のトーセロセパレータSP−PET−01−BU(商品名)などが挙げられる。
【0038】
剥離紙としては、グラシン紙や上質紙からなる厚さ30μm〜160μmの基材の一方の面および/または他方に面に、目止め剤が塗布され、その目止め剤からなる層の上に、シリコンからなる厚さ1μm〜50μmの剥離層が設けられたものが用いられる。すなわち、第一の剥離基材21の一方の面21aは、シリコーンからなる剥離層から構成されている。
このような剥離紙の具体例としては、例えば、王子タック株式会社製のL11C(商品名)などが挙げられる。
【0039】
この第一の剥離基材21の剥離力は、0.05〜1.0N/50mmである。
【0040】
このように、工程Aでは、第一の剥離基材21として、上記の剥離フィルムまたは剥離紙を用いているので、第一の剥離基材21の一方の面21aをなす剥離層(図示略)の上に、第一の接着剤12Aを塗布する。
【0041】
次いで、図3に示すように、図中の矢印方向に搬送されているインレットシート22を、図中の矢印方向に回転する一対のローラー32,33の対向する部分にて、第一の剥離基材21の一方の面21aに塗布した第一の接着剤12Aを介して、図中の矢印方向に搬送されている剥離基材21の一方の面21a上に重ね合わせ、第一の剥離基材21とインレットシート22をローラー32,33で挟み込むことにより、図4に示すように、第一の剥離基材21とインレットシート22の間のほぼ全域にわたって、第一の剥離基材21の一方の面21aに塗布した第一の接着剤12Aを展開させるとともに、貫通部22aに、第一の接着剤12Aを流入させる(工程B)。
なお、一般的に、インレットシート22の厚さが50μmであることを考えると、剥離基材21の一方の面21aと、インレットシート22におけるICチップ14およびアンテナ15が設けられた面(以下、「一方の面」という。)22bとの間に第一の接着剤12Aを展開しつつ、貫通部22aから第一の接着剤12Aが溢れ出ない程度に、第一の接着剤12Aの吐出量を制御することは、非常に精密な制御を必要とされる。したがって、貫通部22aから第一の接着剤12Aが溢れ出た場合、その第一の接着剤12Aと直接、接触するローラー33の表面は、第一の剥離基材21の一方の面21aをなす剥離層と同じ材質であることが好ましい。このようにすれば、インレットシート22の貫通部22aから第一の接着剤12Aが溢れ出た場合、その第一の接着剤12Aは、ローラー33によって、インレットシート22の一方の面22bとは反対側の面(以下、「他方の面」という。)22c上に展開される。
【0042】
この工程Bでは、第一の剥離基材21の一方の面21aに、基材13Aの一方の面13a、すなわち、インレットシート22の一方の面22bが対向するように、第一の剥離基材21の一方の面21a上にインレットシート22を重ね合わせる。
【0043】
また、工程Bでは、上記のように、外的条件を加えなくても主剤と硬化剤の反応によって硬化する2液硬化型ウレタン系接着剤からなる第一の接着剤12Aを用いる。したがって、第一の接着剤12Aは、第一の剥離基材21とインレットシート22の間に展開させるまでの間、流動性を有しているが、反応の進行に伴って、次第に流動性がなくなり、最終的には硬化する。これにより、インレットシート22の一方の面22b、並びに、その一方の面22bに設けられたICチップ14およびアンテナ15が第一の接着剤12Aによって被覆されるとともに、第一の剥離基材21の一方の面21a上に、インレットシート22が仮留めされる。なお、第一の接着剤12Aは硬化すると、上記の被覆材12となる。
【0044】
また、工程Bでは、第一の剥離基材21とインレットシート22の間に展開させた後の第一の接着剤12Aの厚さを、少なくともインレットシート22のICチップ14およびアンテナ15に起因する凹凸が、第一の接着剤12Aのインレットシート22に接している面とは反対側の面12aに現れない程度、かつ、ICチップ14およびアンテナ15が外部からの衝撃により破損しない程度とし、例えば、10μm〜2000μmの範囲内とする。
【0045】
また、工程Bにおいて、第一の剥離基材21とインレットシート22を一対のローラー32,33で挟み込む力、すなわち、第一の剥離基材21に対してインレットシート22を厚さ方向に押圧する力(圧力)は、特に限定されず、第一の剥離基材21およびインレットシート22の厚さや大きさ、第一の接着剤12Aの塗布量などに応じて、適宜調整されるが、1kg/cm2〜20kg/cm2であることが好ましく、より好ましくは5kg/cm2〜10kg/cm2である。
【0046】
この工程Bにより、第一の接着剤12Aによって、ICチップ14およびアンテナ15が完全に被覆され、第一の剥離基材21とインレットシート22の間に、ほぼ隙間無く第一の接着剤12Aが充填される。
【0047】
次いで、図5に示すように、図中の矢印方向に、第一の剥離基材21とインレットシート22からなる積層体αを搬送しながら、インレットシート22の他方の面22c、すなわち、基材13Aの他方の面13bの中央部に、積層体αの搬送方向に沿って、接着剤塗布装置のノズル34から吐出される第二の接着剤12Bを線状に塗布する(工程C)。
【0048】
第二の接着剤12Bとしては、上記の被覆材12を形成する接着剤と同様のものが用いられる。
また、インレットシート22の他方の面22cに第二の接着剤12Bを塗布する幅、すなわち、基材13Aの他方の面13bに対する第二の接着剤12Bの塗布量は、特に限定されないが、インレットシート22の貫通部22aの大きさや深さ、第二の接着剤12Bを硬化することにより形成される被覆材12に必要とされる厚さなどに応じて、適宜調整される。
【0049】
次いで、図5に示すように、図中の矢印方向に搬送されている第二の剥離基材23を、図中の矢印方向に回転する一対のローラー35,36の対向する部分にて、インレットシート22の他方の面22cに塗布した第二の接着剤12Bを介して、図中の矢印方向に搬送されている積層体αを構成するインレットシート22の他方の面22c上に重ね合わせるとともに、積層体αと第二の剥離基材23をローラー35,36で挟み込むことにより、図6に示すように、積層体αと第二の剥離基材23の間のほぼ全域にわたって、インレットシート22の他方の面22cに塗布した第二の接着剤12Bを展開させるとともに、貫通部22aに、第二の接着剤12Bを流入させて(工程D)、第一の剥離基材21と第二の剥離基材23の間に、第一の接着剤12A、インレットシート22および第二の接着剤12Bが、この順に積層、一体化された積層体βを形成する。
【0050】
第二の剥離基材23としては、上記の第一の剥離基材21と同様のものが用いられる。すなわち、第二の剥離基材23の一方の面23aは、シリコーンからなる剥離層から構成されている。
【0051】
この工程Dでは、第二の剥離基材23として、上記の剥離フィルムまたは剥離紙を用いているので、インレットシート22の他方の面22cに、第二の剥離基材23の一方の面23aをなす剥離層(図示略)が対向するように、インレットシート22の他方の面22c上に第二の剥離基材23を重ね合わせる。
【0052】
また、工程Dでは、上記のように、外的条件を加えなくても主剤と硬化剤の反応によって硬化する2液硬化型ウレタン系接着剤からなる第二の接着剤12Bを用いる。したがって、第二の接着剤12Bは、積層体αと第二の剥離基材23の間に展開させるまでの間、流動性を有しているが、反応の進行に伴って、次第に流動性がなくなり、最終的には硬化する。これにより、インレットシート22の他方の面22cが第二の接着剤12Bによって被覆されるとともに、積層体αの上に、第二の剥離基材23が仮留めされる。なお、第二の接着剤12Bは硬化すると、上記の被覆材12となる。
【0053】
また、工程Dでは、積層体αと第二の剥離基材23の間に展開させた後の第二の接着剤12Bの厚さを、上述の工程Bにおいて、第一の剥離基材21とインレットシート22の間に展開させた後の第一の接着剤12Aの厚さと同程度とし、例えば、10μm〜1000μmの範囲内とする。
【0054】
また、工程Dにおいて、積層体αと第二の剥離基材23を一対のローラー35,36で挟み込む力、すなわち、インレットシート22に対して第二の剥離基材23を厚さ方向に押圧する力(圧力)は、特に限定されず、積層体αおよび第二の剥離基材23の厚さや大きさ、第二の接着剤12Bの塗布量などに応じて、適宜調整されるが、1kg/cm2〜20kg/cm2であることが好ましく、より好ましくは5kg/cm2〜10kg/cm2である。
【0055】
この工程Dにより、積層体αと第二の剥離基材23の間に、ほぼ隙間無く第二の接着剤12Bが充填されるとともに、インレットシート22の貫通部22a内に第二の接着剤12Bが充填される。
【0056】
次いで、図7に示すように、裁断装置の切断刃(図示略)により、第一の剥離基材21、第一の接着剤12A、インレットシート22、第二の接着剤12Bおよび第二の剥離基材23からなる積層体γを、その厚さ方向に(図7の一点鎖線に沿って)、貫通部22aの外郭線に沿って、かつ、アンテナ15の形状に応じて裁断し、図8に示すように、積層体γを個片化する(工程E)。
ここで、積層体γを貫通部22aの外郭線に沿って裁断するとは、目的とする非接触型データ受送信体10の端面を形成する被覆材12の形状に合わせて裁断することを言う。また、積層体γをアンテナ15の形状に応じて裁断するとは、アンテナ15を損傷することなく、目的とする非接触型データ受送信体10の形状に合わせて裁断することを言う。
【0057】
次いで、第一の接着剤12Aが完全に硬化し、かつ、第二の接着剤12Bが完全に硬化して被覆材12となった後、図9に示すように、積層体γから、第一の剥離基材21と第二の剥離基材23を剥離して(工程F)、図1に示す非接触型データ受送信体10を得る。
【0058】
この実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法によれば、アンテナ15の両端と間隔を置いて貫通部22aが形成されたインレットシート22を用い、その一方の面22bに第一の接着剤12Aを塗布し、その他方の面22cに第二の接着剤12Bを塗布することにより、貫通部22a内に第一の接着剤12Aおよび第二の接着剤12Bを充填するので、インレット11の一方の面11aおよび他方の面11b、並びに、端面11c,11dが被覆材12で直接、被覆された非接触型データ受送信体10を得ることができる。
【0059】
なお、この実施形態では、長尺の第一の剥離基材21、インレットシート22および第二の剥離基材23を用いて、連続的に、上述の非接触型データ受送信体10を製造する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、予め個片化されたインレットシートを用いて、個別に非接触型データ受送信体を製造してもよい。
【0060】
また、この実施形態では、工程Dの後に、第一の剥離基材21、第一の接着剤12A、インレットシート22、第二の接着剤12Bおよび第二の剥離基材23からなる積層体γを、アンテナ15の形状に応じて裁断する工程Eと、この裁断した積層体γから、第一の剥離基材21と第二の剥離基材23を剥離する工程Fとを、この順に行う場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、工程Dの後に、工程Eと工程Fを順不同に行ってよい。すなわち、本発明にあっては、工程Fにて、第一の剥離基材、第一の接着剤、インレットシート、第二の接着剤および第二の剥離基材からなる積層体から、第一の剥離基材と第二の剥離基材を剥離した後、工程Eにて、第一の接着剤、インレットシートおよび第二の接着剤からなる積層体を、アンテナの形状に応じて裁断してもよい。
【0061】
(2)第二の実施形態
「非接触型データ受送信体」
図10は、本発明の非接触型データ受送信体の第二の実施形態を示す概略斜視図である。
図10の非接触型データ受送信体において、図1に示した非接触型データ受送信体と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
この実施形態の非接触型データ受送信体50が、上述の非接触型データ受送信体10と異なる点は、被覆材51が、インレット11の一方の面11aおよび他方の面11b、端面11c,11d、並びに、側面11e,11fの一部を被覆している点である。
すなわち、被覆材12が、インレット11の端面11c,11dから側面11e,11fに延在するように設けられている。
【0062】
被覆材51は、使用前は液状であり、加熱、紫外線照射、電子線照射などの外的条件を加えなくても主剤と硬化剤の反応によって硬化する2液硬化型ウレタン系接着剤からなるものである。
2液硬化型ウレタン系接着剤としては、上述の第一の実施形態と同様のものが用いられる。
【0063】
この非接触型データ受送信体50は、インレット11の一方の面11aおよび他方の面11b、端面11c,11d、並びに、側面11e,11fの一部が、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる被覆材12で直接、被覆されているので、被覆材12がインレット11を構成するICチップ14やアンテナ15に基因する凹凸形状、インレット11の端面11c,11dの形状、および、インレット11の側面11e,11fの形状に追従して形成されているから、インレット11と被覆材12の密着性に優れ、インレット11と被覆材12の界面において剥離するのを防止することができる。特に、インレット11の端面11c,11dから側面11e,11fに延在するように、被覆材12が設けられているので、非接触型データ受送信体50の端面50a,50bにおいて、インレット11と被覆材12が、これらの界面で剥離するのを防止することができる。したがって、非接触型データ受送信体50は、インレット11に耐熱性および耐候性を付与しながら、薄型で柔軟性に優れている。
【0064】
「非接触型データ受送信体の製造方法」
次に、図11を参照して、この実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法を説明する。
ここの実施形態では、図11に示すような、基材61と、その一方の面61aに、RFID用のアンテナ15と、このアンテナ15を通じて通信するICチップ14とが等間隔に多数設けられ、アンテナ15の両端と間隔を置いて、短手方向および長手方向に延在し、平面視コ字状をなすとともに、その厚さ方向に貫通する貫通部61bが形成された長尺のインレットシート62を用いる。
すなわち、インレットシート62には、目的とする非接触型データ受送信体50の対向する一対の端面(非接触型データ受送信体50の短辺側の端面11c,11d)および両側面11e,11fに対応する位置に貫通部61bが形成されている。
また、インレットシート62の貫通部61bの大きさは、非接触型データ受送信体50の端面および側面において、被覆材12に必要とされる厚さに応じて、適宜調整される。
以下、第一の実施形態と同様にして、非接触型データ受送信体50を得る。
【符号の説明】
【0065】
10・・・非接触型データ受送信体、11・・・インレット、12・・・被覆材、12A・・第一の接着剤、12B・・・第二の接着剤、13,13A・・・基材、14・・・ICチップ、15・・・アンテナ、16,17・・・放射素子、21・・・第一の剥離基材、22・・・インレットシート、23・・・第二の剥離基材、31,34・・・ノズル、32,33,35,36・・・ローラー、50・・・非接触型データ受送信体、51・・・被覆材、61・・・基材、62・・・インレットシート。
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification)用途の情報記録メディアのように、電磁波または電波を媒体として外部から情報を受信し、また、外部に情報を送信できるようにした非接触型データ受送信体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触型データ受送信体の一例であるICタグは、基材と、その一方の面に設けられ互いに接続されたアンテナおよびICチップとから構成されるインレットを備えている。ICタグでは、情報書込/読出装置からの電磁波または電波を受信すると共振作用によりアンテナに起電力が発生する。そして、この起電力によりICタグ内のICチップが起動し、このICチップ内の情報を信号化して、この信号がICタグのアンテナから発信される。
【0003】
このようなICタグを耐熱性、耐候性および柔軟性に優れたものとするために、種々のパッケージ化されたICタグが検討されている。
例えば、接着剤を介して、薄いシート状の回路部を、シリコーン膜でコーティングされたウレタン樹脂からなる表面基材で挟み込んで、これらを一体化してなるICタグが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−056362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、接着剤を介して、シート状の回路部を表面基材で挟み込んだICタグの場合、この積層体の端面において、回路部と表面基材が剥離するという問題があった。回路部と表面基材が剥離すると、ICタグ内部に水分が侵入したりするなどして、回路部やICチップが損傷し、ICタグが正常に機能しなくなる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、構成部材の界面における剥離を防止した非接触型データ受送信体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の非接触型データ受送信体は、インレットと、少なくとも該インレットの両面および対向する一対の端面を被覆する被覆材と、を備えてなり、前記被覆材は2液硬化型ウレタン系接着剤からなることを特徴とする。
【0008】
本発明の非接触型データ受送信体の製造方法は、インレットと、少なくとも該インレットの両面および対向する一対の端面を被覆する被覆材と、を備えてなり、前記被覆材は2液硬化型ウレタン系接着剤からなる非接触型データ受送信体の製造方法であって、第一の剥離基材の一方の面をなす剥離層の上に、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる第一の接着剤を塗布する工程Aと、前記第一の剥離基材に塗布した第一の接着剤を介して、前記第一の剥離基材の一方の面上に、少なくとも前記非接触型データ受送信体の対向する一対の端面に対応する位置に、その厚さ方向に貫通する貫通部が形成されたインレットシートにおけるICチップが設けられた面を重ね合わせて、前記第一の剥離基材に対して前記インレットシートを押圧することにより、前記第一の剥離基材と前記インレットシートの間に、前記第一の接着剤を展開させるとともに、前記貫通部に、前記第一の接着剤を流入させる工程Bと、前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面に、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる第二の接着剤を塗布する工程Cと、前記インレットシートに塗布した第二の接着剤を介して、前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面上に、第二の剥離基材を、その一方の面をなす剥離層を対向させて重ね合わせ、前記インレットシートに対して前記第二の剥離基材を押圧することにより、前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面と、前記第二の剥離基材との間に、前記第二の接着剤を展開させるとともに、前記貫通部に、前記第二の接着剤を流入させる工程Dと、前記貫通部の外郭線に沿って、かつ、前記インレットシートに設けられたアンテナの形状に応じて、前記第一の接着剤、前記インレットシートおよび前記第二の接着剤を含む積層体を裁断する工程Eと、前記第一の剥離基材と前記第二の剥離基材を剥離する工程Fと、を有し、前記工程Eと前記工程Fを順不同に行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の非接触型データ受送信体によれば、少なくともインレットの両面および対向する一対の端面を被覆する被覆材が設けられているので、被覆材がインレットを構成するICチップやアンテナに基因する凹凸形状、および、インレットの端面の形状に追従して形成されているから、インレットと被覆材の密着性に優れ、インレットと被覆材の界面において剥離するのを防止することができる。特に、非接触型データ受送信体の端面において、インレットと被覆材が、これらの界面で剥離するのを防止することができる。
【0010】
本発明の非接触型データ受送信体の製造方法によれば、少なくとも目的とする非接触型データ受送信体の対向する一対の端面に対応する位置に、その厚さ方向に貫通する貫通部が形成されたインレットシートを用い、インレットシートにおけるICチップが設けられた面に第一の接着剤を塗布し、インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面に第二の接着剤を塗布することにより、インレットシートの貫通部内に第一の接着剤および第二の接着剤を充填するので、少なくともインレットの両面および対向する一対の端面が被覆材で直接、被覆された非接触型データ受送信体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の非接触型データ受送信体の第一の実施形態を示す概略構成図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Aを示す概略斜視図である。
【図3】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Bを示す概略斜視図である。
【図4】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Bを示し、図3のB−B線に沿う概略断面図である。
【図5】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Cおよび工程Dを示す概略斜視図である。
【図6】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Dを示し、図5のC−C線に沿う概略断面図である。
【図7】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Eを示す概略断面図である。
【図8】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Eを示す概略断面図である。
【図9】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第一の実施形態において、工程Fを示す概略断面図である。
【図10】本発明の非接触型データ受送信体の第二の実施形態を示す概略斜視図である。
【図11】本発明の非接触型データ受送信体の製造方法の第二の実施形態で用いられるインレットシートを示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の非接触型データ受送信体およびその製造方法の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0013】
(1)第一の実施形態
「非接触型データ受送信体」
図1は、本発明の非接触型データ受送信体の第一の実施形態を示す概略構成図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体10は、平面視略長方形状のインレット11と、インレット11の両面(一方の面11a、他方の面11b)および端面(端面11c、端面11d)を被覆する被覆材12とから概略構成されている。
すなわち、非接触型データ受送信体10は、インレット11の一方の面11aおよび他方の面11bが、被覆材12で直接、被覆されて、被覆材12とインレット11が、その厚さ方向において積層された構造をなしている。これにより、非接触型データ受送信体10は、平面視略長方形状をなしている。
【0014】
インレット11は、基材13と、基材13の一方の面13aに設けられ、互いに電気的に接続されたICチップ14およびアンテナ15とから概略構成されている。
アンテナ15は、各種導電体からなり、互いに対向し、その対向する側にそれぞれ給電点(ICチップ14と接続している部分)を有する一対の面状の放射素子16,17からなるダイポールアンテナである。
アンテナ15の長手方向における長さは、非接触ICカードなどの非接触ICモジュールに利用できる極超短波帯〈UHF〉やマイクロ波帯の電波帯の周波数(300MHz〜30GHz)の1/2波長に相当する長さとなっている。すなわち、放射素子16,17の長手方向における長さは、1/4波長に相当する長さとなっている。
【0015】
なお、インレット11の一方の面11aは、基材13の一方の面13aに相当する。
ゆえに、インレット11の一方の面11aでは、ICチップ14およびアンテナ15が被覆材12によって被覆されている。
【0016】
被覆材12の厚さは、特に限定されないが、インレット11の一方の面11aにおいては、少なくともインレット11のICチップ14およびアンテナ15に起因する凹凸が、非接触型データ受送信体10の一方の面(外面)10aに現れない程度、かつ、インレット11が外部からの衝撃により破損しない程度であり、例えば、10μm〜2000μmの範囲内である。また、被覆材12の厚さは、インレット11の他方の面11bにおいては、インレット11が外部からの衝撃により破損しない程度であり、例えば、10μm〜2000μmの範囲内である。
【0017】
また、非接触型データ受送信体10の柔軟性(可撓性)を十分なものとし、非接触型データ受送信体10を曲げた場合に、インレット11に対して、インレット11の一方の面11a側と、インレット11の他方の面11b側との間で、被覆材12の厚さの差に起因する応力が生じないようにするためには、インレット11の一方の面11a側と他方の面11b側で、被覆材12の厚さが等しいことが好ましい。
【0018】
さらに、被覆材12の厚さは、インレット11の端面11c,11dにおいては、非接触型データ受送信体10を曲げることにより、その端面10b,10cにおいて、インレット11が露出しない程度であり、例えば、10μm〜2000μmの範囲内である。
【0019】
被覆材12は、使用前は液状であり、加熱、紫外線照射、電子線照射などの外的条件を加えなくても、主剤と硬化剤の反応によって硬化する2液混合型ウレタン系接着剤からなるものである。
【0020】
2液混合型ウレタン系接着剤としては、第一液としてのイソシアネートと、第二液としての水酸基が1級水酸基であるポリオールとを含む混合液に、さらに、エポキシ基を有するシランカップリング剤を添加したものが用いられる。
この2液混合型ウレタン系接着剤では、イソシアネートのイソシアネート基と、ポリオールの水酸基とのモル比(−NCO/−OH)が0.8以上、1.1以下となる配合比で、イソシアネートとポリオールが混合されている。また、この2液混合型ウレタン系接着剤の全量に対するエポキシ基を有するシランカップリング剤の配合量は、0.1質量%以上、2.0質量%以下である。
【0021】
また、2液混合型ウレタン系接着剤としては、第一液としてのイソシアネートと、第二液としての水酸基が1級水酸基であるポリオールとを含む混合液に、さらに、アスペクト比が10以上、100以下の無機微粒子を添加したものが用いられる。
この2液混合型ウレタン系接着剤では、イソシアネートのイソシアネート基と、ポリオールの水酸基とのモル比(−NCO/−OH)が0.8以上、1.1以下となる配合比で、イソシアネートとポリオールが混合されている。また、この2液混合型ウレタン系接着剤の全量に対するアスペクト比が10以上、100以下の無機微粒子の配合量は、5質量%以上、40質量%以下である。
【0022】
このような2液硬化型ウレタン系接着剤の具体例としては、主剤(商品名:MLT2900、イーテック社製)と硬化剤(商品名:G3021−B174、イーテック社製)からなる接着剤が挙げられる。
【0023】
また、被覆材12を形成する接着剤には、必要に応じて、公知の無機顔料、有機顔料、染料などの着色剤が含まれていてもよい。この着色剤により、被覆材12は任意の色に着色される。
【0024】
基材13としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂からなる基材;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂からなる基材;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレンなどのポリフッ化エチレン系樹脂からなる基材;ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂からなる基材;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロンなどのビニル重合体からなる基材;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂からなる基材;ポリスチレンからなる基材;ポリカーボネート(PC)からなる基材;ポリアリレートからなる基材;ポリイミドからなる基材;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙などの紙からなる基材などが用いられる。
【0025】
ICチップ14としては、特に限定されず、アンテナ15を介して非接触状態にて情報の書き込みおよび読み出しが可能であり、非接触型ICタグや非接触型ICラベル、あるいは、非接触型ICカードなどのRFIDメディアに適用可能なものであればいかなるものでも用いられる。
【0026】
アンテナ15は、基材13の一方の面13aに、ポリマー型導電インクを用いて所定のパターンにスクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷法により形成されてなるものか、もしくは、導電性箔をエッチングしてなるもの、金属メッキしてなるものである。
【0027】
ポリマー型導電インクとしては、例えば、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などの導電微粒子が樹脂組成物に配合されたものが挙げられる。
【0028】
樹脂組成物として熱硬化型樹脂を用いれば、ポリマー型導電インクは、200℃以下、例えば、100〜150℃程度でアンテナ15をなす塗膜を形成することができる熱硬化型となる。アンテナ15をなす塗膜の電気の流れる経路は、塗膜を構成する導電微粒子が互いに接触することにより形成され、この塗膜の抵抗値は10-5Ω・cmオーダーである。
また、本発明におけるポリマー型導電インクとしては、熱硬化型の他にも、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
【0029】
光硬化型のポリマー型導電インクは、光硬化性樹脂を樹脂組成物に含むものであり、硬化時間が短いので、製造効率を向上させることができる。光硬化型のポリマー型導電インクとしては、例えば、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特に、ポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、導電微粒子が60質量%以上配合され、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、溶剤揮発型あるいは架橋/熱可塑併用型(ただし、熱可塑型が50質量%以上である)のものや、熱可塑性樹脂のみ、あるいは、熱可塑性樹脂と架橋性樹脂(特に、ポリエステルとイソシアネートによる架橋系樹脂など)とのブレンド樹脂組成物に、ポリエステル樹脂が10質量%以上配合されたもの、すなわち、架橋型あるいは架橋/熱可塑併用型のものなどが好適に用いられる。
【0030】
また、アンテナ15をなす導電性箔としては、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、アルミニウム箔などが挙げられる。
さらに、アンテナ15をなす金属メッキとしては、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキなどが挙げられる。
【0031】
この非接触型データ受送信体10は、インレット11の一方の面11aおよび他方の面11b、並びに、端面11c,11dが、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる被覆材12で直接、被覆されているので、被覆材12がインレット11を構成するICチップ14やアンテナ15に基因する凹凸形状、および、インレット11の端面11c,11dの形状に追従して形成されているから、インレット11と被覆材12の密着性に優れ、インレット11と被覆材12の界面において剥離するのを防止することができる。特に、非接触型データ受送信体10の端面10b,10cにおいて、インレット11と被覆材12が、これらの界面で剥離するのを防止することができる。したがって、非接触型データ受送信体10は、インレット11に耐熱性および耐候性を付与しながら、薄型で柔軟性に優れている。
【0032】
さらに、非接触型データ受送信体10は、インレット11の一方の面11aおよび他方の面11b、並びに、端面11c,11dが、被覆材12で直接、被覆された単純な構成をなしているので、容易に製造することができる。
【0033】
なお、この実施形態では、非接触型データ受送信体10が平面視略長方形状をなしている場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、非接触型データ受送信体は、平面視した場合、任意のカード形状、タグ形状をなしていてもよい。
また、この実施形態では、一対の面状の放射素子16,17から構成されるダイポールアンテナからなるアンテナ15を有するインレット11を備えた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、アンテナは一対の枠状の放射素子から構成されるダイポールアンテナ、メアンダ状のダイポールアンテナ、モノポールアンテナなどであってもよい。
【0034】
「非接触型データ受送信体の製造方法」
次に、図2〜図9を参照して、この実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法を説明する。
ここでは、図3に示すような、基材13Aと、その一方の面13aに、RFID用のアンテナ15と、このアンテナ15を通じて通信するICチップ14とが等間隔に多数設けられ、アンテナ15の両端と間隔を置いて、短手方向に延在する帯状をなすとともに、その厚さ方向に貫通する貫通部22aが形成された長尺のインレットシート22を用いて、連続的に、上述の非接触型データ受送信体10を製造する場合を例示する。
すなわち、インレットシート22には、目的とする非接触型データ受送信体10の対向する一対の端面(非接触型データ受送信体10の短辺側の端面11c,11d)に対応する位置に貫通部22aが形成されている。
また、インレットシート22の貫通部22aの大きさは、非接触型データ受送信体10の端面において、被覆材12に必要とされる厚さに応じて、適宜調整される。
【0035】
まず、図2に示すように、図中の矢印方向に搬送されている長尺の第一の剥離基材21の一方の面21aの中央部に、第一の剥離基材21の搬送方向に沿って、接着剤塗布装置のノズル31から吐出される第一の接着剤12Aを線状に塗布する(工程A)。
【0036】
第一の接着剤12Aとしては、上記の被覆材12を形成する接着剤と同様のものが用いられる。
また、第一の剥離基材21の一方の面21aに第一の接着剤12Aを塗布する幅、すなわち、第一の剥離基材21の一方の面21aに対する第一の接着剤12Aの塗布量は、特に限定されないが、この第一の接着剤12Aによって被覆される、インレットシート22に設けられたICチップ14およびアンテナ15の大きさや数、貫通部22aの大きさや深さ、第一の接着剤12Aを硬化することにより形成される被覆材12に必要とされる厚さなどに応じて、適宜調整される。
【0037】
第一の剥離基材21としては、剥離フィルムまたは剥離紙が用いられる。
剥離フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのプラスチックからなる厚さ30μm〜160μmの基材フィルムの一方の面および/または他方に面に、シリコンからなる厚さ1μm〜50μmの剥離層が設けられたものが用いられる。すなわち、第一の剥離基材21の一方の面21aは、シリコーンからなる剥離層から構成されている。
このような剥離フィルムの具体例としては、例えば、東セロ株式会社製のトーセロセパレータSP−PET−01−BU(商品名)などが挙げられる。
【0038】
剥離紙としては、グラシン紙や上質紙からなる厚さ30μm〜160μmの基材の一方の面および/または他方に面に、目止め剤が塗布され、その目止め剤からなる層の上に、シリコンからなる厚さ1μm〜50μmの剥離層が設けられたものが用いられる。すなわち、第一の剥離基材21の一方の面21aは、シリコーンからなる剥離層から構成されている。
このような剥離紙の具体例としては、例えば、王子タック株式会社製のL11C(商品名)などが挙げられる。
【0039】
この第一の剥離基材21の剥離力は、0.05〜1.0N/50mmである。
【0040】
このように、工程Aでは、第一の剥離基材21として、上記の剥離フィルムまたは剥離紙を用いているので、第一の剥離基材21の一方の面21aをなす剥離層(図示略)の上に、第一の接着剤12Aを塗布する。
【0041】
次いで、図3に示すように、図中の矢印方向に搬送されているインレットシート22を、図中の矢印方向に回転する一対のローラー32,33の対向する部分にて、第一の剥離基材21の一方の面21aに塗布した第一の接着剤12Aを介して、図中の矢印方向に搬送されている剥離基材21の一方の面21a上に重ね合わせ、第一の剥離基材21とインレットシート22をローラー32,33で挟み込むことにより、図4に示すように、第一の剥離基材21とインレットシート22の間のほぼ全域にわたって、第一の剥離基材21の一方の面21aに塗布した第一の接着剤12Aを展開させるとともに、貫通部22aに、第一の接着剤12Aを流入させる(工程B)。
なお、一般的に、インレットシート22の厚さが50μmであることを考えると、剥離基材21の一方の面21aと、インレットシート22におけるICチップ14およびアンテナ15が設けられた面(以下、「一方の面」という。)22bとの間に第一の接着剤12Aを展開しつつ、貫通部22aから第一の接着剤12Aが溢れ出ない程度に、第一の接着剤12Aの吐出量を制御することは、非常に精密な制御を必要とされる。したがって、貫通部22aから第一の接着剤12Aが溢れ出た場合、その第一の接着剤12Aと直接、接触するローラー33の表面は、第一の剥離基材21の一方の面21aをなす剥離層と同じ材質であることが好ましい。このようにすれば、インレットシート22の貫通部22aから第一の接着剤12Aが溢れ出た場合、その第一の接着剤12Aは、ローラー33によって、インレットシート22の一方の面22bとは反対側の面(以下、「他方の面」という。)22c上に展開される。
【0042】
この工程Bでは、第一の剥離基材21の一方の面21aに、基材13Aの一方の面13a、すなわち、インレットシート22の一方の面22bが対向するように、第一の剥離基材21の一方の面21a上にインレットシート22を重ね合わせる。
【0043】
また、工程Bでは、上記のように、外的条件を加えなくても主剤と硬化剤の反応によって硬化する2液硬化型ウレタン系接着剤からなる第一の接着剤12Aを用いる。したがって、第一の接着剤12Aは、第一の剥離基材21とインレットシート22の間に展開させるまでの間、流動性を有しているが、反応の進行に伴って、次第に流動性がなくなり、最終的には硬化する。これにより、インレットシート22の一方の面22b、並びに、その一方の面22bに設けられたICチップ14およびアンテナ15が第一の接着剤12Aによって被覆されるとともに、第一の剥離基材21の一方の面21a上に、インレットシート22が仮留めされる。なお、第一の接着剤12Aは硬化すると、上記の被覆材12となる。
【0044】
また、工程Bでは、第一の剥離基材21とインレットシート22の間に展開させた後の第一の接着剤12Aの厚さを、少なくともインレットシート22のICチップ14およびアンテナ15に起因する凹凸が、第一の接着剤12Aのインレットシート22に接している面とは反対側の面12aに現れない程度、かつ、ICチップ14およびアンテナ15が外部からの衝撃により破損しない程度とし、例えば、10μm〜2000μmの範囲内とする。
【0045】
また、工程Bにおいて、第一の剥離基材21とインレットシート22を一対のローラー32,33で挟み込む力、すなわち、第一の剥離基材21に対してインレットシート22を厚さ方向に押圧する力(圧力)は、特に限定されず、第一の剥離基材21およびインレットシート22の厚さや大きさ、第一の接着剤12Aの塗布量などに応じて、適宜調整されるが、1kg/cm2〜20kg/cm2であることが好ましく、より好ましくは5kg/cm2〜10kg/cm2である。
【0046】
この工程Bにより、第一の接着剤12Aによって、ICチップ14およびアンテナ15が完全に被覆され、第一の剥離基材21とインレットシート22の間に、ほぼ隙間無く第一の接着剤12Aが充填される。
【0047】
次いで、図5に示すように、図中の矢印方向に、第一の剥離基材21とインレットシート22からなる積層体αを搬送しながら、インレットシート22の他方の面22c、すなわち、基材13Aの他方の面13bの中央部に、積層体αの搬送方向に沿って、接着剤塗布装置のノズル34から吐出される第二の接着剤12Bを線状に塗布する(工程C)。
【0048】
第二の接着剤12Bとしては、上記の被覆材12を形成する接着剤と同様のものが用いられる。
また、インレットシート22の他方の面22cに第二の接着剤12Bを塗布する幅、すなわち、基材13Aの他方の面13bに対する第二の接着剤12Bの塗布量は、特に限定されないが、インレットシート22の貫通部22aの大きさや深さ、第二の接着剤12Bを硬化することにより形成される被覆材12に必要とされる厚さなどに応じて、適宜調整される。
【0049】
次いで、図5に示すように、図中の矢印方向に搬送されている第二の剥離基材23を、図中の矢印方向に回転する一対のローラー35,36の対向する部分にて、インレットシート22の他方の面22cに塗布した第二の接着剤12Bを介して、図中の矢印方向に搬送されている積層体αを構成するインレットシート22の他方の面22c上に重ね合わせるとともに、積層体αと第二の剥離基材23をローラー35,36で挟み込むことにより、図6に示すように、積層体αと第二の剥離基材23の間のほぼ全域にわたって、インレットシート22の他方の面22cに塗布した第二の接着剤12Bを展開させるとともに、貫通部22aに、第二の接着剤12Bを流入させて(工程D)、第一の剥離基材21と第二の剥離基材23の間に、第一の接着剤12A、インレットシート22および第二の接着剤12Bが、この順に積層、一体化された積層体βを形成する。
【0050】
第二の剥離基材23としては、上記の第一の剥離基材21と同様のものが用いられる。すなわち、第二の剥離基材23の一方の面23aは、シリコーンからなる剥離層から構成されている。
【0051】
この工程Dでは、第二の剥離基材23として、上記の剥離フィルムまたは剥離紙を用いているので、インレットシート22の他方の面22cに、第二の剥離基材23の一方の面23aをなす剥離層(図示略)が対向するように、インレットシート22の他方の面22c上に第二の剥離基材23を重ね合わせる。
【0052】
また、工程Dでは、上記のように、外的条件を加えなくても主剤と硬化剤の反応によって硬化する2液硬化型ウレタン系接着剤からなる第二の接着剤12Bを用いる。したがって、第二の接着剤12Bは、積層体αと第二の剥離基材23の間に展開させるまでの間、流動性を有しているが、反応の進行に伴って、次第に流動性がなくなり、最終的には硬化する。これにより、インレットシート22の他方の面22cが第二の接着剤12Bによって被覆されるとともに、積層体αの上に、第二の剥離基材23が仮留めされる。なお、第二の接着剤12Bは硬化すると、上記の被覆材12となる。
【0053】
また、工程Dでは、積層体αと第二の剥離基材23の間に展開させた後の第二の接着剤12Bの厚さを、上述の工程Bにおいて、第一の剥離基材21とインレットシート22の間に展開させた後の第一の接着剤12Aの厚さと同程度とし、例えば、10μm〜1000μmの範囲内とする。
【0054】
また、工程Dにおいて、積層体αと第二の剥離基材23を一対のローラー35,36で挟み込む力、すなわち、インレットシート22に対して第二の剥離基材23を厚さ方向に押圧する力(圧力)は、特に限定されず、積層体αおよび第二の剥離基材23の厚さや大きさ、第二の接着剤12Bの塗布量などに応じて、適宜調整されるが、1kg/cm2〜20kg/cm2であることが好ましく、より好ましくは5kg/cm2〜10kg/cm2である。
【0055】
この工程Dにより、積層体αと第二の剥離基材23の間に、ほぼ隙間無く第二の接着剤12Bが充填されるとともに、インレットシート22の貫通部22a内に第二の接着剤12Bが充填される。
【0056】
次いで、図7に示すように、裁断装置の切断刃(図示略)により、第一の剥離基材21、第一の接着剤12A、インレットシート22、第二の接着剤12Bおよび第二の剥離基材23からなる積層体γを、その厚さ方向に(図7の一点鎖線に沿って)、貫通部22aの外郭線に沿って、かつ、アンテナ15の形状に応じて裁断し、図8に示すように、積層体γを個片化する(工程E)。
ここで、積層体γを貫通部22aの外郭線に沿って裁断するとは、目的とする非接触型データ受送信体10の端面を形成する被覆材12の形状に合わせて裁断することを言う。また、積層体γをアンテナ15の形状に応じて裁断するとは、アンテナ15を損傷することなく、目的とする非接触型データ受送信体10の形状に合わせて裁断することを言う。
【0057】
次いで、第一の接着剤12Aが完全に硬化し、かつ、第二の接着剤12Bが完全に硬化して被覆材12となった後、図9に示すように、積層体γから、第一の剥離基材21と第二の剥離基材23を剥離して(工程F)、図1に示す非接触型データ受送信体10を得る。
【0058】
この実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法によれば、アンテナ15の両端と間隔を置いて貫通部22aが形成されたインレットシート22を用い、その一方の面22bに第一の接着剤12Aを塗布し、その他方の面22cに第二の接着剤12Bを塗布することにより、貫通部22a内に第一の接着剤12Aおよび第二の接着剤12Bを充填するので、インレット11の一方の面11aおよび他方の面11b、並びに、端面11c,11dが被覆材12で直接、被覆された非接触型データ受送信体10を得ることができる。
【0059】
なお、この実施形態では、長尺の第一の剥離基材21、インレットシート22および第二の剥離基材23を用いて、連続的に、上述の非接触型データ受送信体10を製造する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、予め個片化されたインレットシートを用いて、個別に非接触型データ受送信体を製造してもよい。
【0060】
また、この実施形態では、工程Dの後に、第一の剥離基材21、第一の接着剤12A、インレットシート22、第二の接着剤12Bおよび第二の剥離基材23からなる積層体γを、アンテナ15の形状に応じて裁断する工程Eと、この裁断した積層体γから、第一の剥離基材21と第二の剥離基材23を剥離する工程Fとを、この順に行う場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、工程Dの後に、工程Eと工程Fを順不同に行ってよい。すなわち、本発明にあっては、工程Fにて、第一の剥離基材、第一の接着剤、インレットシート、第二の接着剤および第二の剥離基材からなる積層体から、第一の剥離基材と第二の剥離基材を剥離した後、工程Eにて、第一の接着剤、インレットシートおよび第二の接着剤からなる積層体を、アンテナの形状に応じて裁断してもよい。
【0061】
(2)第二の実施形態
「非接触型データ受送信体」
図10は、本発明の非接触型データ受送信体の第二の実施形態を示す概略斜視図である。
図10の非接触型データ受送信体において、図1に示した非接触型データ受送信体と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
この実施形態の非接触型データ受送信体50が、上述の非接触型データ受送信体10と異なる点は、被覆材51が、インレット11の一方の面11aおよび他方の面11b、端面11c,11d、並びに、側面11e,11fの一部を被覆している点である。
すなわち、被覆材12が、インレット11の端面11c,11dから側面11e,11fに延在するように設けられている。
【0062】
被覆材51は、使用前は液状であり、加熱、紫外線照射、電子線照射などの外的条件を加えなくても主剤と硬化剤の反応によって硬化する2液硬化型ウレタン系接着剤からなるものである。
2液硬化型ウレタン系接着剤としては、上述の第一の実施形態と同様のものが用いられる。
【0063】
この非接触型データ受送信体50は、インレット11の一方の面11aおよび他方の面11b、端面11c,11d、並びに、側面11e,11fの一部が、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる被覆材12で直接、被覆されているので、被覆材12がインレット11を構成するICチップ14やアンテナ15に基因する凹凸形状、インレット11の端面11c,11dの形状、および、インレット11の側面11e,11fの形状に追従して形成されているから、インレット11と被覆材12の密着性に優れ、インレット11と被覆材12の界面において剥離するのを防止することができる。特に、インレット11の端面11c,11dから側面11e,11fに延在するように、被覆材12が設けられているので、非接触型データ受送信体50の端面50a,50bにおいて、インレット11と被覆材12が、これらの界面で剥離するのを防止することができる。したがって、非接触型データ受送信体50は、インレット11に耐熱性および耐候性を付与しながら、薄型で柔軟性に優れている。
【0064】
「非接触型データ受送信体の製造方法」
次に、図11を参照して、この実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法を説明する。
ここの実施形態では、図11に示すような、基材61と、その一方の面61aに、RFID用のアンテナ15と、このアンテナ15を通じて通信するICチップ14とが等間隔に多数設けられ、アンテナ15の両端と間隔を置いて、短手方向および長手方向に延在し、平面視コ字状をなすとともに、その厚さ方向に貫通する貫通部61bが形成された長尺のインレットシート62を用いる。
すなわち、インレットシート62には、目的とする非接触型データ受送信体50の対向する一対の端面(非接触型データ受送信体50の短辺側の端面11c,11d)および両側面11e,11fに対応する位置に貫通部61bが形成されている。
また、インレットシート62の貫通部61bの大きさは、非接触型データ受送信体50の端面および側面において、被覆材12に必要とされる厚さに応じて、適宜調整される。
以下、第一の実施形態と同様にして、非接触型データ受送信体50を得る。
【符号の説明】
【0065】
10・・・非接触型データ受送信体、11・・・インレット、12・・・被覆材、12A・・第一の接着剤、12B・・・第二の接着剤、13,13A・・・基材、14・・・ICチップ、15・・・アンテナ、16,17・・・放射素子、21・・・第一の剥離基材、22・・・インレットシート、23・・・第二の剥離基材、31,34・・・ノズル、32,33,35,36・・・ローラー、50・・・非接触型データ受送信体、51・・・被覆材、61・・・基材、62・・・インレットシート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インレットと、少なくとも該インレットの両面および対向する一対の端面を被覆する被覆材と、を備えてなり、
前記被覆材は2液硬化型ウレタン系接着剤からなることを特徴とする非接触型データ受送信体。
【請求項2】
インレットと、少なくとも該インレットの両面および対向する一対の端面を被覆する被覆材と、を備えてなり、前記被覆材は2液硬化型ウレタン系接着剤からなる非接触型データ受送信体の製造方法であって、
第一の剥離基材の一方の面をなす剥離層の上に、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる第一の接着剤を塗布する工程Aと、
前記第一の剥離基材に塗布した第一の接着剤を介して、前記第一の剥離基材の一方の面上に、少なくとも前記非接触型データ受送信体の対向する一対の端面に対応する位置に、その厚さ方向に貫通する貫通部が形成されたインレットシートにおけるICチップが設けられた面を重ね合わせて、前記第一の剥離基材に対して前記インレットシートを押圧することにより、前記第一の剥離基材と前記インレットシートの間に、前記第一の接着剤を展開させるとともに、前記貫通部に、前記第一の接着剤を流入させる工程Bと、
前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面に、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる第二の接着剤を塗布する工程Cと、
前記インレットシートに塗布した第二の接着剤を介して、前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面上に、第二の剥離基材を、その一方の面をなす剥離層を対向させて重ね合わせ、前記インレットシートに対して前記第二の剥離基材を押圧することにより、前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面と、前記第二の剥離基材との間に、前記第二の接着剤を展開させるとともに、前記貫通部に、前記第二の接着剤を流入させる工程Dと、
前記貫通部の外郭線に沿って、かつ、前記インレットシートに設けられたアンテナの形状に応じて、前記第一の接着剤、前記インレットシートおよび前記第二の接着剤を含む積層体を裁断する工程Eと、
前記第一の剥離基材と前記第二の剥離基材を剥離する工程Fと、を有し、
前記工程Eと前記工程Fを順不同に行うことを特徴とする非接触型データ受送信体の製造方法。
【請求項1】
インレットと、少なくとも該インレットの両面および対向する一対の端面を被覆する被覆材と、を備えてなり、
前記被覆材は2液硬化型ウレタン系接着剤からなることを特徴とする非接触型データ受送信体。
【請求項2】
インレットと、少なくとも該インレットの両面および対向する一対の端面を被覆する被覆材と、を備えてなり、前記被覆材は2液硬化型ウレタン系接着剤からなる非接触型データ受送信体の製造方法であって、
第一の剥離基材の一方の面をなす剥離層の上に、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる第一の接着剤を塗布する工程Aと、
前記第一の剥離基材に塗布した第一の接着剤を介して、前記第一の剥離基材の一方の面上に、少なくとも前記非接触型データ受送信体の対向する一対の端面に対応する位置に、その厚さ方向に貫通する貫通部が形成されたインレットシートにおけるICチップが設けられた面を重ね合わせて、前記第一の剥離基材に対して前記インレットシートを押圧することにより、前記第一の剥離基材と前記インレットシートの間に、前記第一の接着剤を展開させるとともに、前記貫通部に、前記第一の接着剤を流入させる工程Bと、
前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面に、2液硬化型ウレタン系接着剤からなる第二の接着剤を塗布する工程Cと、
前記インレットシートに塗布した第二の接着剤を介して、前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面上に、第二の剥離基材を、その一方の面をなす剥離層を対向させて重ね合わせ、前記インレットシートに対して前記第二の剥離基材を押圧することにより、前記インレットシートにおけるICチップが設けられた面とは反対側の面と、前記第二の剥離基材との間に、前記第二の接着剤を展開させるとともに、前記貫通部に、前記第二の接着剤を流入させる工程Dと、
前記貫通部の外郭線に沿って、かつ、前記インレットシートに設けられたアンテナの形状に応じて、前記第一の接着剤、前記インレットシートおよび前記第二の接着剤を含む積層体を裁断する工程Eと、
前記第一の剥離基材と前記第二の剥離基材を剥離する工程Fと、を有し、
前記工程Eと前記工程Fを順不同に行うことを特徴とする非接触型データ受送信体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−73967(P2012−73967A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220145(P2010−220145)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】
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