説明

非接触式水位制御装置

水位制御装置は、水を貯蔵するタンク側壁の外側面に取り付けられた少なくと1つの静電容量センサを含み、前記タンク内に貯蔵された水の水位が、前記静電容量センサが取り付けられた位置にあるか否かにより、静電容量の変化を検出しており、さらに、前記静電容量センサにより検出された静電容量の変化によって前記タンクに供給される水量を制御するコントローラとを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水位制御装置に関するもので、さらに詳しくは、水と直接接触しない状態で浄水器内部の浄水貯蔵タンクの水位を測定し、これによって浄水貯蔵タンク内に供給される水の量を制御することができる非接触式水位制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に浄水器は、各種のフィルタを通して水を浄水した後、浄水貯蔵タンクに浄水された水を一定の水位以上に貯蔵する。使用者が浄水された水を多量に利用して水位が下降すると、これを感知して再び水を浄水して貯蔵する。浄水貯蔵タンクの容量に対して適切な水位に水が貯蔵されると、浄水貯蔵タンクに供給される水を遮断しなければならない。すなわち、浄水器が安定して浄水された水を供給するためには浄水貯蔵タンクのレベルを一定に維持することが重要である。
【0003】
図1は、従来の水位制御装置を図示した概略図である。図1に図示するように、従来の水位制御装置は、水と直接接触する水位センサ12を浄水貯蔵タンク11内に配置させて使用した。図1に図示した従来の水位制御装置に使用された水位センサは、通常リードレベルセンサと知られている水位センサとして浮き袋の浮上を通して水位を検出する方式のセンサである。
【0004】
すなわち、このリードレベルセンサを利用した水位制御装置は、使用者により浄水貯蔵タンクに貯蔵された水が出水されて水位が下降すると、リードレベルセンサの浮き袋が、共に下降することになり、水がタンクに給水されるように作動し、逆に、給水される水により水位が上昇すると、これによって上昇する浮き袋の位置を検出して浮き袋の位置が所定のレベルに到達すると、給水される水を遮断するように作動する。
【0005】
しかし、このようなリードレベルセンサは、衝撃に弱いために内部が破損されやすく、これによって水位検出の動作が不可能になる確率が高いという問題点がある。また、浄水貯蔵タンクに貯蔵された水から発生した気泡や貯蔵された水の傾斜により、浮き袋が浮上できなくなり、動作不良が発生し得るという問題点がある。特に、従来の水位制御装置に使用された上記リードレベルセンサは、水と直接接触することになるため、浄水された水を汚染させる可能性が強くなり、貯蔵タンクを掃除するとき、リードレベルセンサが貯蔵タンクの内部に突出した形態で配置されるため、タンク内の掃除が容易ではないという問題点がある。
【0006】
また、上記リードレベルセンサの他にも従来の水位制御装置に使用される水位検出センサとしては、機械的な浮き袋を利用して水位が上昇すると、浄水貯蔵タンクの給水口を塞ぐ浮き袋方式の水位センサがあり、非接触センサモジュールをタンク内に挿入して水と直接接触させる方式の水位センサがある。このような従来の水位制御装置に使用される水位検出センサも浄水タンク内で直接水と接触する方式を採択しているため、浄水された水を汚染させる確率が高く、タンクの掃除が容易ではないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、浄水器内の浄水貯蔵タンクの水位を直接水と接触しない状態で検出することによって、浄水された水の汚染を防ぐことができ、浄水貯蔵タンクの掃除を容易にすることができる水位制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の構成によれば、本発明の水位制御装置は、水を貯蔵するタンク側壁の外側面に取り付けられた少なくとも1つの静電容量センサを含み、前記タンク内に貯蔵された水の水位が、前記静電容量センサが取り付けられた位置にあるか否かにより、静電容量の変化を検出しており、さらに、前記静電容量センサにより検出された静電容量の変化によって前記タンクに供給される水量を制御するコントローラを含むことを特徴とする。
【0009】
この水位制御装置は、さらに、前記静電容量センサにより検出された静電容量の変化が、水位の変化により生じたものであるか否かを判断する水位判断部を含み、前記コントローラが、前記水位判断部によって水位の変化により生じると判断される静電容量に従ってタンクに供給される水量を制御することを特徴としている。
【0010】
前記水位判断部は、静電容量センサによって検出された静電容量の変化に従って変わる発振周波数を発振させる発振器と、前記発振器の発振周波数を直流電圧に整流しかつ変換する整流器と、前記整流器によって変換された直流電圧を基準電圧と比較し、そして、前記コントローラに対して比較結果を出力する比較器とを含んでいる。
少なくとも1つの静電容量センサと水位判断部は、単一のプリント回路基板上に取り付けられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、水を貯蔵するタンクの外壁にセンサを取り付けてタンクの水位を検出することにより、センサとの直接接触による浄水器の浄水された水の汚染を防ぐことができる。
【0012】
また、タンク内の構造を単純化することによりタンク内部の掃除を容易にする。
さらに、タンク外壁の乾燥した環境にセンサが取り付けられるために、センサの誤作動を減少させ、センサの寿命を半永久に延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来の水位制御装置を図示した概略図である。
【図2】本発明に係る例示的な実施形態による水位制御装置を図示した概略図である。
【図3】本発明に係る例示的な実施形態による水位制御装置の水位判断部の一例を詳しく図示したブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照して本発明の多様な実施形態をより詳しく説明する。しかし、本発明の実施形態は、様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下で説明される実施形態により限定されるものではない。
むしろ、本発明の実施形態は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0015】
従って、図面に図示された構成要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のため拡張することがあり、図面上において実質的に同一な構成と機能を有した構成要素は同一な参照符号を使用する。
【0016】
また、本発明の記載において、定義される用語は、本発明における機能を考えて定義したものであり、これは当分野に従事する技術者の意図或いは慣例に従って変わることがあるため、本発明の技術的な構成要素を限定する意味として理解されてはならない。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態による水位制御装置を図示した概略図である。
図2に図示した通り、本発明の一実施形態による水位制御装置は、大きく、水を貯蔵する浄水貯蔵タンク(以下‘タンク’)21の側壁の外側面に取り付けられる少なくとも1つの静電容量センサ22と、この静電容量センサ22により検出された静電容量の変化によってタンク21に供給される水の量を制御するコントローラ23を含んでいる。
【0018】
図2に図示していないが、水位制御装置は、さらに、静電容量センサ22によって検出された静電容量の変化が、水位の変化によって生じるか否かを決定する水位判断部を含む。
【0019】
上記静電容量センサ22は、静電容量近接センサまたは静電センサ、或いは近接センサなどと呼ばれるもので、電荷量を有する物体、或いは物質が接触したり、近接する場合に、これらの電荷量を検出するセンサである。すなわち、静電容量センサ22は、接触するか近接した物体または物質の電荷量により、発生する静電容量の変化を検出するセンサである。
【0020】
この静電容量センサ22は、タンク21側壁の外側面に取り付けられる。タンク21の内部に水が存在しない場合、あるいは静電容量センサ22が取り付けられた位置まで水位が上昇しない場合、静電容量センサ22に感知される電荷量が存在しない。タンク21に水が供給されて静電容量センサ22が取り付けられた位置まで水位が上昇すると、静電容量センサ22と水が、タンク21の側壁を介して隣接した状態になる。この場合、静電容量センサ22は、水の電荷量による静電容量の変化を検出する。
【0021】
上記静電容量センサ22は、タンク内に許容できる最高水位に対応して1つだけ設置することができ、また、複数の水位を測定する必要がある場合、タンクのそれぞれの水位に対応して複数の静電容量センサ22を設けることができる。
【0022】
コントローラ23は、静電容量センサ22により感知される静電容量の変化から水位を判断し、これによってタンク21に供給される水の量を制御する。例えば、図2に図示するように、外部から供給される水の量を調節する弁25と、この弁25を通して供給される水を浄水してタンク21に浄水された水を供給するフィルタ24を備えた浄水器において、コントローラ23は、弁25の開度量を制御することにより供給される水の量を制御することができる。例えば、コントローラ23は、タンク21内に貯蔵された水が所望の水位に到達して該当水位に位置した静電容量センサ22から静電容量の変化を検出する場合、上記弁25を制御して、水の供給路を完全に閉鎖する。逆に、水位が下降する場合には、コントローラ23は、上記弁25を制御して、水の供給路を完全に開放することができる。
【0023】
図2に示されていない水位判断部は、静電容量センサ22によって検出される静電容量の変化が、水位の変化によって発生するかどうかを判断する。たとえば、水位判断部は、静電容量センサ22の多機能の1つによって発生した静電容量の変化、またはタンク21に供給される水による水位の上昇によって発生した静電容量の変化からタンク内の水のラッピングを識別するために設けられている。
【0024】
図3は、本発明の一実施形態による水位制御装置の水位判断部の一例を詳しく図示したブロック構成図である。
図3を参照すると、水位判断部26は、発振器261、整流器262、及び比較器263を含んでいる。
【0025】
発振器261は、静電容量センサ22から検出された静電容量Cの変化に従って変わる発振周波数を発生する。上記整流器262は、発振器261の発振周波数による交流電圧を直流電圧に変換する。例えば、交流電圧の大きさがより大きいほど、変換された直流電圧の大きさがより大きくなる。
【0026】
比較器263は、整流器262から出力される直流電圧の大きさと既に設定された基準電圧Vrefの大きさを比較して、その結果を出力する。比較器263の比較結果は、コントローラ23に伝達される。
【0027】
コントローラ23は、上記比較器263から出力される比較結果によって水位を判断して、タンク21に供給される水の量を制御する。例えば、コントローラ23は、比較器263から出力される比較結果、整流器262の直流電圧がより大きい場合、静電容量センサ22が取り付けられた高さまで水位が上昇したと判断して水の供給が遮断されるように制御することができる。
【0028】
また、コントローラ23は、比較器263から出力される比較結果、整流器262の直流電圧がより小さい場合、その差が一定以上になると、静電容量センサ22が取り付けられた高さの下に水位が下降したと判断して、タンク21に水が供給されるように制御することができる。
【0029】
静電容量センサ22と、水位判断部26を構成する要素は、一つのプリント回路基板27に実装することができる。すなわち、一つのプリント回路基板27上に所望の数の静電容量センサ22と各静電容量センサ22別に備えられた水位判断部26を構成する部品が実装されて一つのモジュールを実現することができる。このモジュールは、タンク側壁の外側面に取り付けられることによりタンク内の水位を検出する。
【0030】
以下、図2及び図3を参照して本発明の動作を詳しく説明する。
タンク内に水が貯蔵されない場合、各静電容量センサ22は、電荷量が感知されないため、静電容量の変化が感知されない。従って、発振器261は発振周波数が生成されず、整流器262から出力される直流電圧の大きさは0Vである。この場合、比較器263は、基準電圧Vrefより小さい値の電圧が整流器から出力されるものと判断して、これをコントローラ23に伝達する。
【0031】
コントローラ23は、全ての静電容量センサ22から検出される電荷量が無いと判断して、弁25を完全に開放するように制御し、これにより、外部から水が供給されてフィルタ24を経て浄水された後、タンク内に貯蔵される。
【0032】
次に、図2に図示するように、タンクの上部から二番目の静電容量センサ22が取り付けられた高さまで水を貯蔵しようとする場合を例として説明する。
【0033】
弁25が開放された状態で水が持続的に浄水されてタンク21内に供給され、徐々に水位が上昇してタンク上部から二番目の静電容量センサ22が取り付けられた高さまで水が貯蔵されると、上記二番目の静電容量センサ22は、水による電荷量を感知して静電容量が増加するようになる。
【0034】
発振器261は、増加した静電容量による発振周波数を生成し、整流器262は、発振器261の発振周波数に対応する直流電圧を発生させる。発振器261で生成された直流電圧は、比較器263において、既定の基準電圧Vrefと比較される。この基準電圧Vrefは、水位の上昇により水の電荷量を静電容量センサ22が感知した場合、整流器262で生成される直流電圧よりやや小さく設定される。従って、水位上昇により水の電荷量を静電容量センサ22が感知した場合に、比較器263は、整流器262で生成された直流電圧が基準電圧Vrefより大きいという比較結果をコントローラ23に転送する。
【0035】
コントローラ23は、比較器263から伝達された情報から、水位が、二番目の静電容量センサが取り付けられた位置まで上昇したことを認識し、弁25を制御してタンク21に供給される水を遮断し、タンク21の水位を所望の高さに維持する。
【0036】
このように、本発明は、タンクの外壁に静電容量センサを設けて水位を検出することによりタンク内の構造を単純化することができる。これにより、タンク内の掃除が容易になり、水とセンサの接触による汚染を防ぐことができる。
【0037】
上述した本発明によれば、センサは、水を貯蔵するタンクの側壁の外側面に取り付けられ、タンク内の水位を検出する。これにより、センサと水との直接接触による浄水器の浄化された水の汚染を防止することができる。さらに、タンク内の構造が単純化され、タンク内をクリーンな状態にすることが容易である。
【0038】
さらに、センサが乾燥環境にあるタンクの側壁の外側面に取り付けられるので、センサは、誤動作を防止すると共に、半永久的に寿命を維持することができる。
【0039】
本発明は、例示的な実施形態に関連して図示しかつ記述してきたが、添付の請求項に記載のように本発明の精神及び範囲から逸脱しないで種々の修正及び変形が可能であることが当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯蔵するタンク側壁の外側面に取り付けられた少なくとも1つの静電容量センサを含み、前記タンク内に貯蔵された水の水位が、前記静電容量センサが取り付けられた位置にあるか否かにより、静電容量の変化を検出しており、
さらに、前記静電容量センサにより検出された静電容量の変化によって前記タンクに供給される水量を制御するコントローラを含むことを特徴とする水位制御装置。
【請求項2】
前記静電容量センサによって検出された静電容量の変化が、水位の変化によって生じるか否かを判断する水位判断部をさらに含み、
前記コントローラは、前記静電容量の変化に従って前記タンクに供給される水量を制御し、前記静電容量の変化が、前記水位判断部による水位の変化によって生じるように決定されることを特徴とする請求項1記載の水位制御装置。
【請求項3】
前記水位判断部は、
前記静電容量センサから検出された静電容量の変化に従って発振周波数で発振する発振器と、
前記発振器の発振周波数を直流電圧に整流して変換する整流器と、
前記整流器で変換された直流電圧と既定の基準電圧を比較し、その結果を前記コントローラに出力する比較器を含むことを特徴とする請求項2に記載の水位制御装置。
【請求項4】
前記静電容量センサと前記水位判断部の少なくとも1つは、単一のプリント回路基板に実装されることを特徴とする請求項3に記載の水位制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−545053(P2009−545053A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521692(P2009−521692)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003351
【国際公開番号】WO2008/013369
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(505414838)ウンジンコーウエイ カンパニイ リミテッド (18)
【Fターム(参考)】