説明

非接触電圧測定装置および非接触電圧測定方法

【課題】装置コストの上昇を回避しつつ、良好な精度で測定対象体の電圧を非接触で測定する。
【解決手段】測定対象体11に近接して配設された対向電極2と基準電位Vrefに規定された基準電極3との間に中間電極4が配設されると共に、対向電極2と中間電極4との間に容量回路7が接続され、処理部8が、容量回路7の静電容量Cvの変更前において電圧測定部5および電圧測定部6で測定された電圧Va1,Vb1、容量回路7の静電容量Cvの変更後において電圧測定部5および電圧測定部6で測定された電圧Va2,Vb2、並びに下記式(a)に基づいて、測定対象体の電圧V1を測定する。
V1=(Va2×Vb1−Va1×Vb2)/(Vb1−Vb2) ・・・(a)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基準電位を基準とした測定対象体の電圧を非接触で測定する非接触電圧測定装置および非接触電圧測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の非接触電圧測定装置として、下記特許文献1に記載された非接触電圧測定装置が知られている。この非接触電圧測定装置は、導体(測定対象体)との間に結合容量が形成されるように配置された検出プローブと、容量値が異なる少なくとも2個のコンデンサと、これらのコンデンサを選択的に検出プローブと共通電位点との間に接続する選択手段と、検出プローブとコンデンサとの接続点の電圧が入力される高入力インピーダンス増幅器とを有し、選択手段によってコンデンサの1つを選択的に検出プローブと共通電位点との間に接続し、高入力インピーダンス増幅器の出力電圧の値および2つのコンデンサの容量値から結合容量の値を求め、この結合容量値を用いて導体に印加された電圧を演算するように構成されている。これにより、この非接触電圧測定装置では、導体を覆う絶縁を破ることなく非接触でその電圧を測定することが可能となっている。
【特許文献1】特開2003−28900号公報(第2−5頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記の非接触電圧測定装置には、以下の解決すべき課題がある。すなわち、この非接触電圧測定装置では、2つのコンデンサの容量値を用いて結合容量値を求め、この結合容量値を用いて導体に印加された電圧を演算している。しかしながら、コンデンサの容量値には必ず誤差が存在している。したがって、この非接触電圧測定装置には、コンデンサにおける容量値の誤差に起因して、測定対象体の電圧を十分な精度で測定できないという課題が存在している。また、この課題を解決するために、誤差の少ないコンデンサを使用することも考えられるが、このようなコンデンサは一般的に高価であるため、装置コストが上昇するという新たな課題が生じることになる。
【0004】
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、装置コストの上昇を回避しつつ、良好な精度で測定対象体の電圧を非接触で測定し得る非接触電圧測定装置および非接触電圧測定方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成すべく請求項1記載の非接触電圧測定装置は、基準電位を基準とした測定対象体の電圧を非接触で測定する非接触電圧測定装置であって、前記測定対象体に近接して非接触の状態で配設される対向電極と、前記基準電位に規定されると共に前記対向電極を基準として前記測定対象体と反対側に配設される基準電極と、前記対向電極と前記基準電極との間に当該両電極に対して非接触状態となるように配設された中間電極と、静電容量を有して前記対向電極と前記中間電極との間に接続されると共に外部から当該静電容量を変更可能に構成された容量回路と、前記中間電極と前記基準電極との間の静電容量よりも小さい入力容量を有して前記基準電位に対する当該対向電極の第1電圧を測定する第1電圧測定部と、前記中間電極と前記基準電極との間の静電容量よりも小さい入力容量を有して前記基準電位に対する当該中間電極の第2電圧を測定する第2電圧測定部と、前記容量回路の前記静電容量の変更前における前記第1電圧Va1および前記第2電圧Vb1を前記第1電圧測定部および前記第2電圧測定部に対して測定させると共に、当該容量回路の当該静電容量の変更後における前記第1電圧Va2および前記第2電圧Vb2を当該第1電圧測定部および当該第2電圧測定部に対して測定させ、下記式(a)に基づいて前記測定対象体の電圧V1を算出する処理部とを備えている。
V1=(Va2×Vb1−Va1×Vb2)/(Vb1−Vb2) ・・・(a)
【0006】
また、請求項2記載の非接触電圧測定装置は、基準電位を基準とした測定対象体の電圧を非接触で測定する非接触電圧測定装置であって、前記測定対象体に近接して非接触の状態で配設される対向電極と、前記基準電位に規定されると共に前記対向電極を基準として前記測定対象体と反対側に配設される基準電極と、前記対向電極と前記基準電極との間に当該両電極に対して非接触状態となるように配設された中間電極と、静電容量を有して前記中間電極と前記基準電極との間に接続されると共に外部から当該静電容量を変更可能に構成された容量回路と、前記対向電極と前記中間電極との間の静電容量よりも小さい入力容量を有して前記基準電位に対する当該対向電極の第1電圧を測定する第1電圧測定部と、前記中間電極の第2電圧を測定する第2電圧測定部と、前記容量回路の前記静電容量の変更前における前記第1電圧Va1および前記第2電圧Vb1を前記第1電圧測定部および前記第2電圧測定部に対して測定させると共に、当該容量回路の当該静電容量の変更後における前記第1電圧Va2および前記第2電圧Vb2を当該第1電圧測定部および当該第2電圧測定部に対して測定させ、下記式(b)に基づいて前記測定対象体の電圧V1を算出する処理部とを備えている。
V1=(Va1×Vb2−Va2×Vb1)/((Vb1−Vb2)−(Va1−Va2)) ・・・(b)
【0007】
請求項3記載の非接触電圧測定方法は、基準電位を基準とした測定対象体の電圧を非接触で測定する非接触電圧測定方法であって、前記測定対象体に近接して非接触の状態で対向電極が配設されると共に前記基準電位に規定された基準電極が当該対向電極を基準として当該測定対象体と反対側に配設され、かつ当該対向電極と当該基準電極との間に当該両電極に対して非接触状態となるように中間電極が配設されると共に静電容量を有して外部から当該静電容量を変更可能な容量回路が当該対向電極と当該中間電極との間に接続された状態において、前記中間電極と前記基準電極との間の静電容量よりも小さい入力容量を有する電圧測定部を用いて前記容量回路の前記静電容量の変更前における前記基準電位に対する前記対向電極の第1電圧Va1および前記基準電位に対する前記中間電極の第2電圧Vb1を測定し、前記容量回路の前記静電容量の変更後における前記基準電位に対する前記対向電極の第1電圧Va2および前記基準電位に対する前記中間電極の第2電圧Vb2を前記電圧測定部を用いて測定し、前記測定した各電圧Va1,Vb1,Va2,Vb2と下記式(a)とに基づいて前記測定対象体の電圧V1を算出する。
V1=(Va2×Vb1−Va1×Vb2)/(Vb1−Vb2) ・・・(a)
【0008】
また、請求項4記載の非接触電圧測定方法は、基準電位を基準とした測定対象体の電圧を非接触で測定する非接触電圧測定方法であって、前記測定対象体に近接して非接触の状態で対向電極が配設されると共に前記基準電位に規定された基準電極が当該対向電極を基準として当該測定対象体と反対側に配設され、かつ当該対向電極と当該基準電極との間に当該両電極に対して非接触状態となるように中間電極が配設されると共に静電容量を有して外部から当該静電容量を変更可能な容量回路が当該中間電極と当該基準電位との間に接続された状態において、前記対向電極と前記中間電極との間の静電容量よりも小さい入力容量を有する電圧測定部を用いて前記容量回路の前記静電容量の変更前における前記基準電位に対する前記対向電極の第1電圧Va1および前記基準電位に対する前記中間電極の第2電圧Vb1を測定し、前記容量回路の前記静電容量の変更後における前記基準電位に対する前記対向電極の第1電圧Va2および前記基準電位に対する前記中間電極の第2電圧Vb2を前記電圧測定部を用いて測定し、前記測定した各電圧Va1,Vb1,Va2,Vb2と下記式(b)とに基づいて前記測定対象体の電圧V1を算出する。
V1=(Va1×Vb2−Va2×Vb1)/((Vb1−Vb2)−(Va1−Va2)) ・・・(b)
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の非接触電圧測定装置では、測定対象体に近接して配設された対向電極と基準電位に規定された基準電極との間に中間電極が配設されると共に、対向電極と中間電極との間に容量回路が接続され、処理部が、容量回路の静電容量の変更前において第1および第2電圧測定部で測定された第1電圧Va1,第2電圧Vb1、容量回路の静電容量の変更後において第1および第2電圧測定部で測定された第1電圧Va2,第2電圧Vb2、並びに上記式(a)に基づいて、測定対象体の電圧V1を測定する。
【0010】
また、請求項3記載の非接触電圧測定方法では、測定対象体に近接して配設された対向電極と基準電位に規定された基準電極との間に中間電極が配設されると共に、対向電極と中間電極との間に容量回路が接続された状態において、中間電極と基準電極との間の静電容量よりも小さい入力容量を有する電圧測定部を用いて容量回路の静電容量の変更前における基準電位に対する対向電極の第1電圧Va1および基準電位に対する中間電極の第2電圧Vb1を測定し、この電圧測定部を用いて容量回路の静電容量の変更後における基準電位に対する対向電極の第1電圧Va2および基準電位に対する中間電極4の電圧Vb2を測定し、測定した各電圧Va1,Vb1,Va2,Vb2、並びに上記式(a)に基づいて、測定対象体の電圧V1を算出する。
【0011】
請求項2記載の非接触電圧測定装置では、測定対象体に近接して配設された対向電極と基準電位に規定された基準電極との間に中間電極が配設されると共に、中間電極と基準電極との間に容量回路が接続され、処理部が、容量回路の静電容量の変更前において第1および第2電圧測定部で測定された第1電圧Va1,第2電圧Vb1、容量回路の静電容量の変更後において第1および第2電圧測定部で測定された第1電圧Va2,第2電圧Vb2、並びに上記式(b)に基づいて、測定対象体の電圧V1を測定する。
【0012】
また、請求項4記載の非接触電圧測定方法では、測定対象体に近接して配設された対向電極と基準電位に規定された基準電極との間に中間電極が配設されると共に、中間電極と基準電極との間に容量回路が接続された状態において、対向電極と中間電極との間の静電容量よりも小さい入力容量を有する電圧測定部を用いて容量回路の静電容量の変更前における基準電位に対する対向電極の第1電圧Va1および基準電位に対する中間電極の第2電圧Vb1を測定し、この電圧測定部を用いて容量回路の静電容量の変更後における基準電位に対する対向電極の第1電圧Va2および基準電位に対する中間電極4の電圧Vb2を測定し、測定した各電圧Va1,Vb1,Va2,Vb2、並びに上記式(b)に基づいて、測定対象体の電圧V1を算出する。
【0013】
したがって、これらの各非接触電圧測定装置および各非接触電圧測定方法によれば、測定対象体と対向電極との間の静電容量、対向電極と中間電極との間の静電容量、基準電極と中間電極との間の静電容量、および容量回路の静電容量が未知であっても、測定対象体の電圧V1を非接触で測定できるため、容量回路への高価な高精度のコンデンサの使用を回避できる結果、装置コストの上昇を防止することができる。また、コンデンサの精度に影響を受けずに測定対象体の電圧V1を非接触で測定できるため、良好な測定精度を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る非接触電圧測定装置および非接触電圧測定方法の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0015】
最初に、非接触電圧測定装置(以下、「電圧測定装置」ともいう)1の構成について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1に示す電圧測定装置1は、対向電極2、基準電極3、中間電極4、第1電圧測定部5(以下、「電圧測定部5」ともいう)、第2電圧測定部6(以下、「電圧測定部6」ともいう)、容量回路7、処理部8、記憶部9および出力部10を備え、基準電位(電圧値Vref。本例では一例としてグランド電位)を基準とした(基準電位に対する)測定対象体11の電圧V1を非接触で測定可能に構成されている。また、本例では、一例として、対向電極2、基準電極3、中間電極4、電圧測定部5、電圧測定部6、容量回路7、処理部8、記憶部9および出力部10は、1つのケース12に収容されている。なお、1つのケース12に収容される構成に代えて、図示はしないが、例えば、対向電極2、基準電極3および中間電極4をセンサユニットとして1つのケースに収容し、かつこれ以外の構成要素を本体ユニットとして他の1つのケースに収容する構成(2つのケースとする構成)を採用することもできる。
【0017】
対向電極2は、例えば平板状(平面形状は円形、多角形、楕円形など種々の形状から選択し得る)に形成されて、ケース12を構成する壁部の外面、内面または壁部の内部に配設されている。基準電極3は、基準電位の電圧値Vrefに規定されると共に、図1に示すように、一例として平板状(平面形状は円形、多角形、楕円形など種々の形状から選択し得る)に形成されて、対向電極2と離間した状態でケース12の内部に配設されている。また、本例では基準電極3は、対向電極2と対向し、かつ平行となるように配設されている。中間電極4は、図1に示すように、一例として平板状(平面形状は円形、多角形、楕円形など種々の形状から選択し得る)に形成されて、ケース12の内部における対向電極2と基準電極3との間に、両電極2,3に対して非接触状態となるように配設されている。また、本例では中間電極4は、各電極2,3と平行に配設されている。以上のように配設された各電極2,3,4については、図1に示すように、対向電極2が測定対象体11に非接触で、かつ近接している状態において、基準電極3が対向電極2を基準として測定対象体11と反対側に位置すると共に、中間電極4が両電極2,3の間に位置して、測定対象体11と対向電極2との間に静電容量C1が形成され、対向電極2と中間電極4との間に静電容量C2が形成され、中間電極4と基準電極3との間に静電容量C3が形成される。
【0018】
電圧測定部5は、例えば、低容量プローブを備えた電圧計で構成されて、基準電位(電圧値Vref)を基準とした(基準電位に対する)対向電極2の電圧(本発明における第1電圧)Vaを測定する。この場合、電圧測定部5における信号の入力端子としての低容量プローブの静電容量(入力容量)Cxは、対向電極2と中間電極4との間の静電容量C2、および中間電極4と基準電極3との間の静電容量C3よりも十分に小さい値となっている。電圧測定部6も電圧測定部5と同様にして、低容量プローブを備えた電圧計で構成されている。また、電圧測定部6は、基準電位(電圧値Vref)を基準とした(基準電位に対する)中間電極4の電圧(本発明における第2電圧)Vbを測定する。この場合、電圧測定部6における信号の入力端子としての低容量プローブの静電容量(入力容量)Cyも、対向電極2と中間電極4との間の静電容量C2、および中間電極4と基準電極3との間の静電容量C3よりも十分に小さい値となっている。
【0019】
容量回路7は、静電容量Cvを有し、図1に示すように、処理部8から入力した制御信号S1に従い、その静電容量Cvを変更可能に構成されている。つまり、容量回路7は、外部から静電容量Cvを変更可能に構成されている。また、容量回路7は、対向電極2と中間電極4との間に接続されている。また、容量回路7は、図示はしないが、例えば、可変容量コンデンサや、切換スイッチによって選択可能に構成された容量値の異なる複数のコンデンサなどで構成されている。本例では、一例として、容量回路7は、その静電容量Cvを、静電容量Cv1および静電容量Cv2のいずれか一方に変更可能に構成されている。
【0020】
処理部8は、一例としてCPUで構成されて、記憶部9に記憶されている動作プログラムに従い、測定対象体11の電圧V1を算出する電圧算出処理を実行する。また、処理部8は、容量回路7を制御して、その静電容量Cvを変更させる。記憶部9はROMやRAMなどの半導体メモリで構成されて、記憶部9にはCPUの動作プログラムが予め記憶されている。また、記憶部9は、CPUのワークメモリとしても機能する。出力部10は、一例としてディスプレイ装置などの表示装置で構成されて、測定された測定対象体11の電圧V1を表示する。
【0021】
次いで、電圧測定装置1による測定対象体11の電圧V1についての測定動作について、図1,2を参照して説明すると共に、本発明に係る非接触電圧測定方法について説明する。
【0022】
まず、対向電極2が測定対象体11に近接して非接触な状態で位置するように、電圧測定装置1を測定対象体11に対して配置する。これにより、上記したように測定対象体11と対向電極2との間に静電容量C1が形成され、かつ対向電極2と中間電極4との間に静電容量C2が形成され、かつ中間電極4と基準電極3との間に静電容量C3が形成された状態となる(図1参照)。
【0023】
この状態において、作動中の電圧測定装置1では、電圧測定部5が基準電位(電圧値Vref)を基準とした対向電極2の電圧Vaを測定して出力する処理を実行すると共に、電圧測定部6が基準電位(電圧値Vref)を基準とした中間電極4の電圧Vbを測定して出力する処理を実行する。この各電圧測定部5,6による各電圧Va,Vbの測定状態において、処理部8は、まず、制御信号S1を出力することにより、容量回路7の静電容量CvをCv1に変更させる。次いで、処理部8は、各電圧測定部5,6から出力される各電圧Va,Vbを取得して、容量回路7の静電容量がCv1のときの電圧Va1,Vb1として記憶部9に記憶させる。続いて、処理部8は、制御信号S1を出力することにより、容量回路7の静電容量CvをCv2に変更させ、このときに各電圧測定部5,6から出力される各電圧Va,Vbを取得して、容量回路7の静電容量がCv2のときの電圧Va2,Vb2として記憶部9に記憶させる。
【0024】
次いで、処理部8は電圧算出処理を実行する。この電圧算出処理では、処理部8は、記憶部9に記憶させた各電圧Va1,Vb1,Va2,Vb2を読み出すと共に、下記式(a)に代入することにより、電圧V1を算出して、記憶部9に記憶させる。
V1=(Va2×Vb1−Va1×Vb2)/(Vb1−Vb2) ・・・(a)
【0025】
この式(a)の導出過程についての概略を説明する。まず、図1における各静電容量C1,C2,C3、容量回路7の静電容量Cv、および各電圧測定部5,6の入力容量(静電容量)Cx,Cyについての接続関係は、図2に示すような等価回路で表される。このため、測定対象体11からみた対基準電位合成容量をCg1、対向電極2からみた対基準電位合成容量をCga、中間電極4からみた対基準電位合成容量をCgbとすると、これらは、以下の式(1),(2),(3)で表される。
Cg1=(((Cy+C3)×(C2+Cv)+(Cy+C3+C2+Cv)×Cx)×C1)/((Cy+C3)×(C2+Cv)+(Cy+C3+C2+Cv)×(Cx+C1)) ・・・(1)
Cga=((Cy+C3)×(C2+Cv)+(Cy+C3+C2+Cv)×Cx)/(Cy+C3+C2+Cv) ・・・(2)
Cgb=Cy+C3 ・・・(3)
【0026】
このため、対向電極2の電圧Vaは、下記式(4)で表される。
Va=V1×jω×Cg1/jω×Cga
=V1×(Cy+C3+C2+Cv)×C1/((Cy+C3)×(C2+Cv)+(Cy+C3+C2+Cv)×(Cx+C1)) ・・・(4)
また、対向電極2および中間電極4間に流れる電流Iabは、V1×(jω×Cg1−jω×Cx)となるため、中間電極4の電極Vbは、下記式(5)で表される。
Vb=Iab/(jω×Cgb)
=V1×(jω×Cg1−jω×Cx)/(jω×Cgb)
=V1×(C2+Cv)×C1/((Cy+C3)×(C2+Cv)+(Cy+C3+C2+Cv)×(Cx+C1)) ・・・(5)
【0027】
また、両電圧Va,Vbの比率Va/Vbは、下記式(6)で表される。
Va/Vb=(Cy+C3+C2+Cv)/(C2+Cv) ・・・(6)
また、式(6)を変形することにより、下記式(7)が導出される。
C2+Cv=Vb×(C3+Cy)/(Va−Vb) ・・・(7)
また、式(7)の両辺に(C3+Cy)を加算して、変形することにより、下記式(8)が導出される。
C2+Cv+C3+Cy=(C3+Cy)×Va/(Va−Vb) ・・・(8)
また、上記各式(7),(8)を上記式(5)に代入して整理することにより、下記式(9)が導出される。
(Va−V1)×C1=−V1×Cx−(Cy+C3)×Vb ・・・(9)
【0028】
この式(9)の電圧Va,Vbに、異なる時間において測定された電圧Va,Vbである(Va1,Vb1)、(Va2,Vb2)を代入すると、下記の2つの式(10),(11)が得られる。
(Va1−V1)×C1=−V1×Cx−(Cy+C3)×Vb1 ・・・(10)
(Va2−V1)×C1=−V1×Cx−(Cy+C3)×Vb2 ・・・(11)
次いで、これらの各式(10),(11)の両辺の比をとり、式を整理すると、電圧V1についての下記式(12)が導出される。
V1=(C3+Cy)×(Va2×Vb1−Va1×Vb2)/(Cx×(Va1−Va2)+(Cy+C3)×(Vb1−Vb2)) ・・・(12)
最後に、この式(12)の右辺の分母および分子をそれぞれ(C3+Cy)で除算し、かつ上記したように各静電容量Cx,Cyが静電容量C3と比較して十分に小さいことを考慮して、この式(12)の右辺を整理すると、下記式(13)、つまり上記式(a)が導出される。
V1=(Va2×Vb1−Va1×Vb2)/(Vb1−Vb2) ・・・(13)
【0029】
最後に、処理部8は、上記の電圧算出処理において算出した電圧V1を記憶部9から読み出して、出力部10に表示させる。これにより、電圧測定装置1による電圧V1の測定が完了する。
【0030】
このように、この電圧測定装置1では、測定対象体11に近接して配設された対向電極2と基準電位(電圧値Vref)に規定された基準電極3との間に中間電極4が配設されると共に、対向電極2と中間電極4との間に容量回路7が接続され、処理部8が、容量回路7の静電容量Cvの変更前において各電圧測定部5,6で測定された電圧Va1,Vb1、容量回路7の静電容量Cvの変更後において各電圧測定部5,6で測定された電圧Va2,Vb2、および上記式(a)に基づいて、測定対象体11の電圧V1を測定する。また、この非接触電圧測定方法では、測定対象体11に対して上記のように対向電極2、基準電極3、中間電極4および容量回路7を配設して、電圧測定部5を用いて容量回路7の静電容量Cvの変更前における基準電位に対する対向電極2の電圧Va1および基準電位に対する中間電極4の電圧Vb1を測定し、電圧測定部6を用いて容量回路7の静電容量Cvの変更後における基準電位に対する対向電極2の電圧Va2および基準電位に対する中間電極4の電圧Vb2を測定し、測定した各電圧Va1,Vb1,Va2,Vb2、および上記式(a)に基づいて、測定対象体11の電圧V1を算出する。
【0031】
したがって、この電圧測定装置1および非接触電圧測定方法によれば、各静電容量C1,C2,C3,Cv,Cx,Cyの容量値が未知であっても、測定対象体11の電圧V1を非接触で測定できるため、容量回路7への高価な高精度のコンデンサの使用を回避できる結果、装置コストの上昇を防止することができる。また、コンデンサの精度に影響を受けずに測定対象体11の電圧V1を非接触で測定できるため、良好な測定精度を確保することができる。
【0032】
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、上記の電圧測定装置1では、対向電極2と中間電極4との間に容量回路7を接続する構成を採用したが、図3に示す電圧測定装置1Aのように、中間電極4と基準電位(電圧値Vref)との間に容量回路7を接続する構成を採用することもできる。以下、この電圧測定装置1Aについて説明する。
【0033】
まず、電圧測定装置1Aの構成について説明する。なお、電圧測定装置1と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0034】
図3に示す電圧測定装置1Aは、対向電極2、基準電極3、中間電極4、電圧測定部5、電圧測定部6、容量回路7、処理部8、記憶部9および出力部10を備え、基準電位(電圧値Vref)を基準とした測定対象体11の電圧V1を非接触で測定可能に構成されている。また、電圧測定装置1Aでは、容量回路7は、同図に示すように、中間電極4と基準電位(電圧値Vref)との間に接続されている。
【0035】
次いで、電圧測定装置1Aによる測定対象体11の電圧V1の測定動作について、図3,4を参照して説明すると共に、本発明に係る他の非接触電圧測定方法について説明する。なお、電圧測定装置1と同一の動作についてはその概要を説明して、詳細な説明を省略する。
【0036】
対向電極2が測定対象体11に近接して非接触な状態で位置する状態において、電圧測定装置1Aでは、各電圧測定部5,6による各電圧Va,Vbの測定状態において、処理部8は、まず、制御信号S1を出力することにより、容量回路7の静電容量CvをCv1に変更させる。次いで、処理部8は、各電圧測定部5,6から出力される各電圧Va,Vbを取得して、容量回路7の静電容量がCv1のときの電圧Va1,Vb1として記憶部9に記憶させる。続いて、処理部8は、制御信号S1を出力することにより、容量回路7の静電容量CvをCv2に変更させ、このときに各電圧測定部5,6から出力される各電圧Va,Vbを取得して、容量回路7の静電容量がCv2のときの電圧Va2,Vb2として記憶部9に記憶させる。
【0037】
次いで、処理部8は電圧算出処理を実行する。この電圧算出処理では、処理部8は、記憶部9に記憶させた各電圧Va1,Vb1,Va2,Vb2を読み出すと共に、下記式(b)に代入することにより、電圧V1を算出して、記憶部9に記憶させる。
V1=(Va1×Vb2−Va2×Vb1)/((Vb1−Vb2)−(Va1−Va2)) ・・・(b)
【0038】
この式(b)の導出過程についての概略を説明する。まず、図3における各静電容量C1,C2,C3、容量回路7の静電容量Cv、および各電圧測定部5,6の入力容量(静電容量)Cx,Cyについての接続関係は、図4に示すような等価回路で表される。このため、測定対象体11からみた対基準電位合成容量をCg1、対向電極2からみた対基準電位合成容量をCga、中間電極4からみた対基準電位合成容量をCgbとすると、これらは、以下の式(21),(22),(23)で表される。
Cg1=((Cy+C3+Cv)×C2+(Cy+C3+C2+Cv)×Cx)×C1)/((Cy+C3+Cv)×C2)+(Cy+C3+C2+Cv)×(Cx+C1)) ・・・(21)
Cga=((Cy+C3+Cv)×C2+(Cy+C3+C2+Cv)×Cx)/(Cy+C3+C2+Cv) ・・・(22)
Cgb=Cy+C3+Cv ・・・(23)
【0039】
このため、対向電極2の電圧Vaは、下記式(24)で表される。
Va=V1×jω×Cg1/jω×Cga
=V1×(Cy+C3+C2+Cv)×C1/((Cy+C3+Cv)×C2+(Cy+C3+C2+Cv)×(Cx+C1)) ・・・(24)
また、対向電極2および中間電極4間に流れる電流Iabは、V1×(jω×Cg1−jω×Cx)となるため、中間電極4の電極Vbは、下記式(25)で表される。
Vb=Iab/(jω×Cgb)
=V1×(jω×Cg1−jω×Cx)/(jω×Cgb)
=V1×C2×C1/((Cy+C3+Cv)×C2+(Cy+C3+C2+Cv)×(Cx+C1)) ・・・(25)
【0040】
また、両電圧Va,Vbの比率Va/Vbは、下記式(26)で表される。
Va/Vb=(Cy+C3+C2+Cv)/C2 ・・・(26)
また、式(6)を変形することにより、下記式(27)が導出される。
Cy+C3+Cv=(Va−Vb)×C2/Vb ・・・(27)
また、式(27)の両辺にC2を加算して、変形することにより、下記式(28)が導出される。
Cy+C3+Cv+C2=(Va−Vb)×C2/Vb+C2
=Va×C2/Vb ・・・(28)
また、上記各式(27),(28)を上記式(25)に代入して整理すると、下記式(29)が導出される。
(Va−V1)×C1=Vb×C1−(Cx+C2)×Va ・・・(29)
【0041】
この式(29)の電圧Va,Vbに、異なる時間において測定された(Va1,Vb1)と、(Va1,Vb1)とを代入すると、下記の2つの式(30),(31)が得られる。
(Va1−V1)×C1=Vb1×C1−(Cx+C2)×Va1 ・・・(30)
(Va2−V1)×C1=Vb2×C1−(Cx+C2)×Va2 ・・・(31)
次いで、これらの各式(30),(31)の両辺の比をとり、式を整理すると、電圧V1についての下記式(32)が導出される。
V1=C2×(Va1×Vb2−Va2×Vb1)/(C2×(Vb1−Vb2)−(Cx+C2)×(Va1−Va2)) ・・・(32)
最後に、この式(32)の右辺の分母および分子をそれぞれC2で除算し、かつ上記したように各静電容量Cx,Cyが静電容量C2と比較して十分に小さいことを考慮して、この式(32)の右辺を整理すると、下記式(33)、つまり上記式(b)が導出される。
V1=(Va1×Vb2−Va2×Vb1)/((Vb1−Vb2)−(Va1−Va2)) ・・・(b)
【0042】
最後に、処理部8は、上記の電圧算出処理において算出した電圧V1を記憶部9から読み出して、出力部10に表示させる。これにより、電圧測定装置1Aによる電圧V1の測定が完了する。
【0043】
このように、この電圧測定装置1Aでは、測定対象体11に近接して配設された対向電極2と基準電位(電圧値Vref)に規定された基準電極3との間に中間電極4が配設されると共に、中間電極4と基準電位(電圧値Vref)との間に容量回路7が接続され、処理部8が、容量回路7の静電容量Cvの変更前において各電圧測定部5,6で測定された電圧Va1,Vb1、容量回路7の静電容量Cvの変更後において各電圧測定部5,6で測定された電圧Va2,Vb2、および上記式(b)に基づいて、測定対象体11の電圧V1を測定する。また、この非接触電圧測定方法では、測定対象体11に対して上記のように対向電極2、基準電極3、中間電極4および容量回路7を配設して、電圧測定部5を用いて容量回路7の静電容量Cvの変更前における基準電位に対する対向電極2の電圧Va1および基準電位に対する中間電極4の電圧Vb1を測定し、電圧測定部6を用いて容量回路7の静電容量Cvの変更後における基準電位に対する対向電極2の電圧Va2および基準電位に対する中間電極4の電圧Vb2を測定し、測定した各電圧Va1,Vb1,Va2,Vb2、および上記式(b)に基づいて、測定対象体11の電圧V1を算出する。
【0044】
したがって、この電圧測定装置1Aおよびこの非接触電圧測定方法によれば、各静電容量C1,C2,C3,Cv,Cx,Cyの容量値が未知であっても、測定対象体11の電圧V1を非接触で測定できるため、容量回路7への高価な高精度のコンデンサの使用を回避できる結果、装置コストの上昇を防止することができる。また、コンデンサの精度に影響を受けずに測定対象体11の電圧V1を非接触で測定できるため、良好な測定精度を確保することができる。
【0045】
なお、本発明は、上記の構成に限らず、適宜変更することができる。例えば、電圧測定装置1,1Aでは、2つの電圧測定部5,6を備えて構成されているが、1つの電圧測定部だけを用いた構成を採用することもできる。この構成では、1つの電圧測定部の入力部と対向電極2および中間電極4との接続を順次切り替えて、電圧Va,Vbを順次測定する。この構成によっても、上記の電圧測定装置1,1Aと同じ効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】電圧測定装置1の構成を示す構成図である。
【図2】図1の測定対象体11、対向電極2、基準電極3および中間電極4の各電極間に形成される静電容量C1,C2,C3,Cx,Cyと容量回路7との接続関係を示す等価回路図である。
【図3】電圧測定装置1Aの構成を示す構成図である。
【図4】図3の測定対象体11、対向電極2、基準電極3および中間電極4の各電極間に形成される静電容量C1,C2,C3,Cx,Cyと容量回路7との接続関係を示す等価回路図である。
【符号の説明】
【0047】
1,1A 電圧測定装置
2 対向電極
3 基準電極
4 中間電極
5,6 電圧測定部
7 容量回路
8 処理部
11 測定対象体
Cx,Cy 静電容量(入力容量)
V1 測定対象体の電圧
Va,Va1,Va2 対向電極の電圧
Vb,Vb1,Vb2 中間電極の電圧
Vref 基準電位の電圧値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電位を基準とした測定対象体の電圧を非接触で測定する非接触電圧測定装置であって、
前記測定対象体に近接して非接触の状態で配設される対向電極と、
前記基準電位に規定されると共に前記対向電極を基準として前記測定対象体と反対側に配設される基準電極と、
前記対向電極と前記基準電極との間に当該両電極に対して非接触状態となるように配設された中間電極と、
静電容量を有して前記対向電極と前記中間電極との間に接続されると共に外部から当該静電容量を変更可能に構成された容量回路と、
前記中間電極と前記基準電極との間の静電容量よりも小さい入力容量を有して前記基準電位に対する当該対向電極の第1電圧を測定する第1電圧測定部と、
前記中間電極と前記基準電極との間の静電容量よりも小さい入力容量を有して前記基準電位に対する当該中間電極の第2電圧を測定する第2電圧測定部と、
前記容量回路の前記静電容量の変更前における前記第1電圧Va1および前記第2電圧Vb1を前記第1電圧測定部および前記第2電圧測定部に対して測定させると共に、当該容量回路の当該静電容量の変更後における前記第1電圧Va2および前記第2電圧Vb2を当該第1電圧測定部および当該第2電圧測定部に対して測定させ、下記式(a)に基づいて前記測定対象体の電圧V1を算出する処理部とを備えている非接触電圧測定装置。
V1=(Va2×Vb1−Va1×Vb2)/(Vb1−Vb2) ・・・(a)
【請求項2】
基準電位を基準とした測定対象体の電圧を非接触で測定する非接触電圧測定装置であって、
前記測定対象体に近接して非接触の状態で配設される対向電極と、
前記基準電位に規定されると共に前記対向電極を基準として前記測定対象体と反対側に配設される基準電極と、
前記対向電極と前記基準電極との間に当該両電極に対して非接触状態となるように配設された中間電極と、
静電容量を有して前記中間電極と前記基準電極との間に接続されると共に外部から当該静電容量を変更可能に構成された容量回路と、
前記対向電極と前記中間電極との間の静電容量よりも小さい入力容量を有して前記基準電位に対する当該対向電極の第1電圧を測定する第1電圧測定部と、
前記中間電極の第2電圧を測定する第2電圧測定部と、
前記容量回路の前記静電容量の変更前における前記第1電圧Va1および前記第2電圧Vb1を前記第1電圧測定部および前記第2電圧測定部に対して測定させると共に、当該容量回路の当該静電容量の変更後における前記第1電圧Va2および前記第2電圧Vb2を当該第1電圧測定部および当該第2電圧測定部に対して測定させ、下記式(b)に基づいて前記測定対象体の電圧V1を算出する処理部とを備えている非接触電圧測定装置。
V1=(Va1×Vb2−Va2×Vb1)/((Vb1−Vb2)−(Va1−Va2)) ・・・(b)
【請求項3】
基準電位を基準とした測定対象体の電圧を非接触で測定する非接触電圧測定方法であって、
前記測定対象体に近接して非接触の状態で対向電極が配設されると共に前記基準電位に規定された基準電極が当該対向電極を基準として当該測定対象体と反対側に配設され、かつ当該対向電極と当該基準電極との間に当該両電極に対して非接触状態となるように中間電極が配設されると共に静電容量を有して外部から当該静電容量を変更可能な容量回路が当該対向電極と当該中間電極との間に接続された状態において、
前記中間電極と前記基準電極との間の静電容量よりも小さい入力容量を有する電圧測定部を用いて前記容量回路の前記静電容量の変更前における前記基準電位に対する前記対向電極の第1電圧Va1および前記基準電位に対する前記中間電極の第2電圧Vb1を測定し、
前記容量回路の前記静電容量の変更後における前記基準電位に対する前記対向電極の第1電圧Va2および前記基準電位に対する前記中間電極の第2電圧Vb2を前記電圧測定部を用いて測定し、
前記測定した各電圧Va1,Vb1,Va2,Vb2と下記式(a)とに基づいて前記測定対象体の電圧V1を算出する非接触電圧測定方法。
V1=(Va2×Vb1−Va1×Vb2)/(Vb1−Vb2) ・・・(a)
【請求項4】
基準電位を基準とした測定対象体の電圧を非接触で測定する非接触電圧測定方法であって、
前記測定対象体に近接して非接触の状態で対向電極が配設されると共に前記基準電位に規定された基準電極が当該対向電極を基準として当該測定対象体と反対側に配設され、かつ当該対向電極と当該基準電極との間に当該両電極に対して非接触状態となるように中間電極が配設されると共に静電容量を有して外部から当該静電容量を変更可能な容量回路が当該中間電極と当該基準電位との間に接続された状態において、
前記対向電極と前記中間電極との間の静電容量よりも小さい入力容量を有する電圧測定部を用いて前記容量回路の前記静電容量の変更前における前記基準電位に対する前記対向電極の第1電圧Va1および前記基準電位に対する前記中間電極の第2電圧Vb1を測定し、
前記容量回路の前記静電容量の変更後における前記基準電位に対する前記対向電極の第1電圧Va2および前記基準電位に対する前記中間電極の第2電圧Vb2を前記電圧測定部を用いて測定し、
前記測定した各電圧Va1,Vb1,Va2,Vb2と下記式(b)とに基づいて前記測定対象体の電圧V1を算出する非接触電圧測定方法。
V1=(Va1×Vb2−Va2×Vb1)/((Vb1−Vb2)−(Va1−Va2)) ・・・(b)

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−127725(P2010−127725A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−301816(P2008−301816)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】