説明

非水電解質二次電池及びそれを用いた電源装置

【課題】過放電による正極の劣化を抑制するとともに、その効果を繰り返し得るための技術を提供する。
【解決手段】非水電解質二次電池100は、正極10、負極20セパレータ30及び電解質(典型的には電解液31)を備えている。正極10は、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる第一活物質と、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる第二活物質とを含む。負極20は、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる負極活物質を含む。電解質は、リチウムイオンとアニオンとの塩を含む。正極活物質としての第二活物質は、非水電解質二次電池100の放電下限電圧における正極10の電位よりも低い還元電位を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水電解質二次電池及びそれを用いた電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯オーディオデバイス、携帯電話、ラップトップコンピュータといった携帯型電子機器が広く普及している。また、省エネルギーの観点、あるいは、二酸化炭素の排出量を低減する観点から、内燃機関と電気による駆動力とを併用するハイブリッド自動車が普及し始めている。これらの普及に伴い、電源として用いられる非水電解質二次電池に対する高性能化への要求が高まっている。特に、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池に対する研究開発が盛んに行われている。リチウムイオン二次電池の電圧は3V以上と高く、また、エネルギー密度も大きいことが特徴である。
【0003】
リチウムイオン二次電池が、外部端子の短絡、過剰な放電などにより、可逆に充放電を行える容量以上の放電(以下、「過放電」と記載する)を行った場合、様々な要因によって電極が劣化する。電極の劣化は、リチウムイオン二次電池の容量の減少を招く。
【0004】
過放電による容量の減少を抑制するために、様々な取り組みが検討されている。過放電状態になると、電池の電圧が低下する。電池の容量を負極の容量で規制した電池では、負極の電位が上昇し、集電体として用いられた銅などが溶出し、容量の減少を引き起こす。過放電状態での負極の電位上昇を抑制することを目的として、例えば、酸化還元電位の異なる複数の正極活物質を使用することが提案されている。具体的には、リチウム及びコバルトを主成分とし、層状構造を有する第1のリチウム遷移金属複合酸化物と、層状構造を有し、0.2C(5時間率)の電流値で4.25Vから3.00Vまで放電した際の平均放電電圧が第1のリチウム遷移金属複合酸化物よりも0.05V以上低い第2のリチウム遷移金属複合酸化物とを含有したリチウムイオン非水電解質二次電池用の正極活物質が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、過充電状態及び過放電状態においては、それぞれの電極上で余剰のリチウムが電析する場合がある。リチウムの電析を防止するために、電解液に添加物を加える取り組みが検討されている。例えば、ブロモベンゼンと、ブタジエン又はスチレンとを電解液に添加した非水電解質二次電池が提案されている(特許文献2参照)。ブロムベンゼンは、過充電及び過放電で電析したリチウムと反応し、フェニルリチウムを生成する。フェニルリチウムは、ブタジエン又はスチレンと反応し、重合膜を形成する。これにより、シャットダウン機能が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−134207号公報
【特許文献2】特開平11−97059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
過放電が起こると、正極では、主に、正極活物質が不可逆な反応を起こし、正極容量が減少する。しかし、過放電による正極容量の減少に対する取り組みは不十分であった。また、正極の劣化を抑制する効果を繰り返し得ることができない問題もあった。
【0008】
本発明の目的は、過放電による正極の劣化を抑制するとともに、その効果を繰り返し得るための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は、
リチウムイオンを吸蔵及び放出できる第一活物質と、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる第二活物質とを含む正極と、
リチウムイオンを吸蔵及び放出できる負極活物質を含む負極と、
リチウムイオンとアニオンとの塩を含む電解質と、を備え、
前記第二活物質は、当該非水電解質二次電池の放電下限電圧における前記正極の電位よりも低い還元電位を有する、非水電解質二次電池を提供する。
【0010】
別の側面において、本発明は、
非水電解質二次電池と、
前記非水電解質二次電池の端子間電圧が所定の放電下限電圧まで低下した場合に、前記非水電解質二次電池から負荷への給電を遮断する保護回路と、を備え、
前記非水電解質二次電池が、(i)リチウムイオンを吸蔵及び放出できる第一活物質と、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる第二活物質とを含む正極と、(ii)リチウムイオンを吸蔵及び放出できる負極活物質を含む負極と、(iii)リチウムイオンとアニオンとの塩を含む電解質と、を有し、
前記第二活物質は、前記所定の放電下限電圧における前記正極の電位よりも低い還元電位を有する、電源装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、正極活物質として、第一活物質及び第二活物質が用いられている。リチウムイオンを吸蔵及び放出できる第一活物質を用いることにより、十分なエネルギー密度を確保できる。第二活物質は、電池の放電下限電圧における正極電位よりも低い還元電位を有する。そのため、過放電時には第二活物質がリチウムイオンを吸蔵できる。すなわち、過放電時には第二活物質の還元反応が起こる。これにより、正極電位の低下が防止され、正極の劣化を抑制できる。また、第二活物質はリチウムイオンを吸蔵及び放出できるので、過放電時に吸蔵したリチウムイオンを充電時に放出し、過放電前の状態に戻る。そのため、過放電による正極の劣化を抑制する効果を繰り返し得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による非水電解質二次電池の一実施形態であるコイン型電池の模式的な断面図
【図2】本実施形態の非水電解質二次電池の過放電時における正極電位の推移を示す模式図
【図3】従来の非水電解質二次電池の過放電時における正極電位の推移を示す模式図
【図4】非水電解質二次電池を用いた電源装置のブロック図
【図5】図4に示す電源装置を用いた電子機器を示すブロック図
【図6】充放電試験で得られた、実施例1の電池の充放電曲線
【図7】過放電試験で得られた、実施例1の電池の充放電曲線
【図8】充放電試験で得られた、比較例1の電池の充放電曲線
【図9】過放電試験で得られた、比較例1の電池の充放電曲線
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の非水電解質二次電池100(以下、単に「電池100」と記載する)は、コイン型ケース50、封口板51、及びガスケット52によって内部が密閉された構造を有する。コイン型ケース50の内部には、正極10、負極20及びセパレータ30が収められている。正極10は、正極活物質層11及び正極集電体12を備えている。負極20は、負極活物質層21及び負極集電体22を備えている。正極10及び負極20は、セパレータ30を挟んで対向し、正極活物質層11及び負極活物質層21がセパレータ30と接するように配置されている。正極10、負極20及びセパレータ30からなる電極群には、電解液31が含浸されている。
【0015】
正極活物質層11は、正極活物質として、第一活物質と第二活物質とを含んでいる。第一活物質は、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる主たる活物質である。「主たる活物質」とは、正極容量の50%を超える容量を担う活物質を意味する。第二活物質は、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる活物質であって、電池100の放電下限電圧における正極電位よりも低い還元電位を有する。過放電時には第二活物質にリチウムイオンが吸蔵される。すなわち、過放電時には第二活物質の還元反応が起こる。これにより、正極電位の低下が防止され、正極10の劣化を抑制できる。なお、過放電が想定されるモードとしては、端子の短絡、保護回路の不具合など、様々な予期せぬモードが挙げられる。
【0016】
過放電による正極10の劣化を抑制でき、その効果を繰り返し得ることができる理由について、図2及び図3を参照して説明する。
【0017】
まず、一般的な非水電解質二次電池では、通常の充放電電圧の範囲内で酸化還元反応を行う正極活物質が1種類だけ使用されている。このような電池で過放電が起こると、図3に示すように、正極電位は極端に低下する。正極電位が極端に低下すると、正極活物質の分解などの不可逆な反応が起こり、正極の容量が減少する。過放電による容量の減少を抑制するためには、正極電位を正極活物質の分解又は不可逆な反応の起こる電位まで低下させないことが重要である。
【0018】
具体的に、過放電時の正極10の劣化を抑制するためのポイントの1つは、正極10に含まれた第二活物質が、電池100の放電下限電圧における正極電位よりも低い還元電位を有することである。他の1つは、第二活物質が、過放電時に第一活物質の不可逆反応が起こる電位より高い電位に電位の平坦領域を有していることである。具体的に「第一活物質の不可逆反応が起こる電位」とは、放電時における過剰なリチウムの吸蔵により、第一活物質がリチウムを可逆に吸蔵および放出することができない構造に変化する電位、又は、第一活物質の表面上にリチウムが析出することより、第一活物質のリチウムの吸蔵および放出を妨げる物質が生成される電位を意味する。
【0019】
本実施形態の電池100によれば、過放電時に正極電位が図2のようなプロファイルを示す。そのため、正極電位が活物質の分解電位まで低下することを防止できる。さらに、第二活物質は、リチウムイオンを吸蔵及び放出できるので、過放電後の充電時にリチウムイオンを放出し、過放電前の状態(酸化状態)に戻る。そのため、過放電時の正極の劣化を抑制する効果を繰り返し得ることができる。
【0020】
第一活物質として、リチウムイオン二次電池の正極材料として公知のものを使用できる。具体的には、第一活物質として、リチウムを含んでいてもよい遷移金属酸化物を使用できる。言い換えれば、遷移金属酸化物、リチウム含有遷移金属酸化物などを使用できる。例えば、コバルトの酸化物、ニッケルの酸化物、マンガンの酸化物、及び、これらの混合物又は複合酸化物などを第一活物質として使用できる。コバルト酸リチウム(LiCoO2)などの、リチウムと遷移金属とを含む複合酸化物が正極活物質として最もよく知られている。また、遷移金属のケイ酸塩、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)に代表される遷移金属のリン酸塩などを、第一活物質として用いることもできる。リチウムを含む遷移金属酸化物は、高電圧及び高容量を達成しやすいので、第一活物質として好ましい。
【0021】
電池100のエネルギー密度の観点から、第一活物質は電池100の組み立て完了時に還元状態であり、第二活物質は電池100の組み立て完了時に酸化状態であることが好ましい。また、電池100の組み立て完了時において、電池100の開回路電圧が電池100の放電下限電圧よりも高いことが好ましい。
【0022】
仮に、電池100の組み立て完了時に第二活物質が放電状態(つまり還元状態)である場合、電池100の組み立て後の最初の充電において、まず第二活物質が充電され、その後に第一活物質が充電される。そのため、負極20は、通常時に充放電を行う第一活物質に起因する容量に加えて、第二活物質に起因する容量を有している必要がある。しかし、第二活物質は通常の充放電時には充放電を行わない。すなわち、通常の充放電時には利用されない容量を負極20が有している必要がある。このことは、電池100のエネルギー密度の向上の妨げになる。よって、第一活物質は電池100の組み立て完了時に還元状態であり、第二活物質は電池100の組み立て完了時に酸化状態であることが好ましい。なお、「電池の組み立て完了時」とは、電池を組み立てた後で充放電処理を1度も行っていない状態を意味する。
【0023】
次に、第一活物質と第二活物質との間の好適な関係について説明する。
【0024】
第二活物質は、第一活物質の還元電位よりも0.1V以上、特に0.3V以上低い還元電位を有していることが好ましい。なぜなら、第二活物質の還元電位が第一活物質の還元電位から離れていると、放電下限電圧の制御が容易になるからである。また、第二活物質は、リチウムに対して(金属リチウムを基準として)、2.0〜3.0Vの範囲に還元電位を有していることが好ましい。本実施形態の電池100によれば、過放電状態において正極10の電位は第二活物質の還元電位に等しい。第一活物質の種類にもよるが、第二活物質の還元電位が3.0Vを越える場合、放電下限電圧の制御が困難になる可能性がある。また、第二活物質の還元電位が2.0Vを下回る場合、集電体の腐食などの正極活物質以外の劣化要因を引き起こす可能性がある。
【0025】
前述したように、第一活物質としては、遷移金属酸化物を好適に使用できる。リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用できる遷移金属酸化物は、一般的に、リチウムに対して3.5〜4.2Vの範囲に還元電位を有している。そのため、第二活物質は、リチウムに対して3.4V以下の還元電位を有していることが好ましく、3.2V以下の還元電位を有していることがより好ましい。最も好ましくは、上記した範囲(2.0〜3.0V)である。
【0026】
具体的に、第二活物質としては、五酸化バナジウム(V25)に代表されるバナジウムの酸化物、キノン化合物などが挙げられる。特に、還元電位及び可逆性の観点から、キノン化合物が好ましい。キノン化合物としては、下記式(1)に示す構造を含むパラキノン化合物、及び、下記式(2)に示す構造を含むオルトキノン化合物が挙げられる。パラキノン化合物は、反応部位であるケトン部位をベンゼン環のパラ位に有する。オルトキノン化合物は、ケトン部位をベンゼン環のオルト位に有する。リチウムイオンの吸蔵及び放出の可逆性から、オルトキノン化合物が好ましい。特に、下記式(3)に示す構造を含むフェナントレンキノン化合物、下記式(4)に示す構造を含むトリケトン化合物、下記式(5)に示す構造を含むテトラケトン化合物が好ましい。
【0027】
なお、本明細書において「キノン化合物」とは、環状骨格を有する化合物であって、環状骨格を構成する炭素原子のうち、少なくとも2つの炭素原子がそれぞれケトン基を形成しており、環状骨格が2つのケトン基とともに共役系を構成している化合物を意味する。このような化合物は、可逆な酸化還元反応を行うことができ、かつ、2電子反応を行うことができるため、高エネルギー密度を有する第二活物質として用いることができる。従って、フェナントレンキノンのようなジケトンだけでなく、下記式(4)に示す1,2,3-インダントリオンなどのトリケトン、下記式(5)に示すピレン-4,5,9,10-テトラオンなどのテトラケトン、及びこれらの誘導体も本明細書では「キノン化合物」に含まれる。
【0028】
【化1】

【0029】
【化2】

【0030】
【化3】

【0031】
【化4】

【0032】
【化5】

【0033】
オルトキノンの酸化還元反応は、下記式(6)で表される。式(6)の酸化還元反応が起きるとき、第二活物質としてのオルトキノンは、リチウムに対して、2.0〜3.0Vの範囲に還元電位を有している。
【0034】
【化6】

【0035】
また、キノン化合物は有機化合物であるため、無機酸化物に比べ、その形状を容易に変化させることができる。つまり、第二活物質としてキノン化合物を使用すれば、本来的に存在する隙間、すなわち、第一活物質の粒子の隙間にキノン化合物を充填することができる。そのため、正極活物質層11における第一活物質の含有量を実質的に減らすことなく、第二活物質であるキノン化合物を正極活物質層11に添加することができる。もちろん、第二活物質の形状は限定されない。第二活物質は、粒子、薄片、繊維などの形状を有していてもよいし、不定形であってもよい。例えば第二活物質が電解液に対して適度な膨潤性を有する場合、第二活物質は、正極活物質層11において、必ずしも特定の形状を保持しない。
【0036】
第二活物質としてキノン化合物が正極10に含まれている場合、電解液31への溶解を抑制する観点から、キノン化合物は重合体であることが好ましい。キノン化合物が重合体である場合、その分子量は大きいことが好ましい。具体的には、重合体は、キノン部位を含む繰り返し構造を4個以上有することが好ましい。すなわち、重合体の重合度は4以上であることが好ましい。より好ましくは、重合体の重合度は10以上であり、さらに好ましくは20以上である。重合体の重合度の上限は特に存在しないが、合成の容易性の観点から、4000程度を上限値として例示できる。
【0037】
なお、本明細書において、「重合体」には、分子量1万(例えば、数平均分子量)を超えるような化合物だけでなく、二量体、三量体などのオリゴマーも含まれる。
【0038】
キノン化合物の具体例としては、酸化還元反応部位がフェナントレンキノンである場合、表1〜4に示す化合物(1a)〜(1k)、(2a)〜(2e)及び(3a)〜(3d)が挙げられる。充放電反応に寄与するキノン部位は、表3に示すように重合体の主鎖に存在していてもよいし、表4に示すように重合体の側鎖に存在していてもよい。なお、これらのキノン化合物の合成方法は、本発明者らによる特許4445583号公報に詳細に記載されている。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【0042】
【表4】

【0043】
また、パルス放電などの瞬間的な大電流を必要とする場合のみ、放電下限電圧を下げて、放電下限電位を第2の放電下限電圧に設定することも可能である。第2の放電下限電圧まで放電したときの正極の電位は、第二活物質の還元電位よりも低い。そうすれば、第二活物質であるキノン化合物が反応し、瞬間的に大電流を取り出すことが可能である。つまり、第二活物質としてキノン化合物が正極10に含まれている場合、電池100の高出力化を期待できる。大電流放電後、第二活物質は還元状態でリチウムイオンを吸蔵しており、第一活物質は酸化状態でリチウムイオンを吸蔵しておらず、第一活物質の電位は第二活物質の電位より高い状態にある。そのため、大電流放電後は、第二活物質から第一活物質へとリチウムイオンが移動する。すなわち、第二活物質が放電した容量分のリチウムイオンが第一活物質へ移動し、第二活物質が酸化状態に戻り、第一活物質が大電流放電容量分だけ酸化した状態になる。第二活物質は、大電流放電時に反応するものの、大電流放電後は酸化状態に戻り、正極10の劣化を抑制する効果を得られる状態に戻る。
【0044】
上記した各効果は、第二活物質が複数の還元電位を有する場合、複数の還元電位の少なくとも一つが電池100の放電下限電圧における正極電位よりも低い場合に得られる。
【0045】
正極10における第二活物質の含有量は、第一活物質及び第二活物質の合計含有量に対して、例えば1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%である。第二活物質の含有量が多すぎる場合、通常の充放電に寄与する第一活物質の含有量を減らさざるを得なくなり、電池100のエネルギー密度の低下を招く可能性がある。第二活物質の含有量が少なすぎる場合、正極10の劣化を抑制する効果を十分に確保できない可能性がある。
【0046】
正極活物質層11は、第一活物質及び第二活物質の他にも、必要に応じて、電極内の電子伝導性を補助する導電助剤、及び/又は、正極活物質層11の形状保持のための結着剤を含んでいてもよい。導電助剤は、例えば、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などの炭素材料、金属繊維、金属粉末類、導電性ウィスカー類、導電性金属酸化物などであり、これらの混合物を用いてもよい。結着剤は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。結着剤は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン樹脂;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)に代表されるフッ素系樹脂及びそれらの共重合体樹脂;スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸及びその共重合体樹脂などであり、これらの混合物を用いてもよい。
【0047】
正極集電体12としては、非水電解質二次電池の正極集電体として公知の材料を用いることができる。正極集電体12は、例えば、アルミニウム、カーボン、ステンレスなどの金属でできた金属箔又は金属メッシュである。正極集電体12として、金属箔又は金属メッシュを用いる場合、正極集電体12をケース50に溶接することによって、良好な電気的接触を保つことができる。正極活物質層11がペレット及びフィルムなどのように自立した形状を保っている場合、正極集電体12を用いずに、正極活物質層11を直接、ケース50上に接触させた構成を採用してもよい。
【0048】
負極活物質層21は、負極活物質を含む。負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出することができる公知の負極活物質を用いることができる。負極活物質は、例えば、天然黒鉛及び人造黒鉛に代表される黒鉛材料、非晶質炭素材料、リチウム金属、リチウム−アルミニウム合金、リチウム含有複合窒化物、リチウム含有チタン酸化物、珪素、珪素を含む合金、珪素酸化物、錫、錫を含む合金、及び錫酸化物などであり、これらの混合物であってもよい。
【0049】
負極集電体22としては、非水電解質二次電池の負極集電体として公知の材料を用いることができる。負極集電体22は、例えば、銅、ニッケル、ステンレスなどの金属でできた金属箔又はメッシュである。負極活物質層21がペレット及びフィルムなどのように自立した形状を保っている場合、負極集電体22を用いずに、負極活物質層21を直接、封口板51上に接触させた構成を採用してもよい。
【0050】
負極活物質層21は、負極活物質の他にも、必要に応じて、導電助剤及び/又は結着剤を含んでいてもよい。導電助剤及び結着剤としては、正極活物質層11において用いることのできる導電助剤及び結着剤と同様の材料を用いることができる。
【0051】
セパレータ30は、電子伝導性を有しない樹脂によって構成された樹脂層であり、大きなイオン透過度を有し、十分な機械的強度及び電気的絶縁性を備えた微多孔膜である。有機溶剤に対する耐久性及び疎水性に優れるという観点から、セパレータ30は、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はこれらを組み合わせたポリオレフィン樹脂でできていることが好ましい。セパレータ30の代わりに、電解液を含んで膨潤し、ゲル電解質として機能するイオン伝導性を有する樹脂層を設けてもよい。
【0052】
電解液31は、リチウムイオンとアニオンとの塩を含む電解質を含有している。リチウムイオンとアニオンとの塩は、リチウム電池において用いることができる塩であれば特に限定されず、例えば、リチウムイオンと以下に挙げるアニオンとの塩が挙げられる。すなわち、アニオンとしては、ハロゲン化物アニオン、過塩素酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、4フッ化ホウ酸アニオン(BF4-)、6フッ化リン酸アニオン(PF6-)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミドアニオンなどが挙げられる。リチウムイオンとアニオンとの塩として、これらの二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0053】
電解質として、リチウムイオンとアニオンとの塩の他にも、固体電解質を含んでいてもよい。固体電解質としては、Li2S−SiS2、Li2S−B25、Li2S−P25−GeS2、ナトリウム/アルミナ(Al23)、無定形又は低相転移温度(Tg)のポリエーテル、無定形フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレンコポリマー、異種高分子ブレンド体ポリエチレンオキサイドなどが挙げられる。
【0054】
電解質が液体である場合、電解質自身を電解液31として用いても、電解質を溶媒に溶解させて電解液31として用いてもよい。電解質が固体である場合、これを溶媒に溶解させて電解液31とすることが必要である。
【0055】
溶媒としては、非水電解質二次電池又は非水系電気二重層キャパシタにおいて用いることのできる公知の非水溶媒を用いることができる。非水溶媒としては、例えば、環状炭酸エステルを含む溶媒を好適に用いることができる。なぜなら、環状炭酸エステルは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートに代表されるように、非常に高い比誘電率を有するからである。環状炭酸エステルの中では、プロピレンカーボネートが好ましい。なぜなら、プロピレンカーボネートは、凝固点が−49℃とエチレンカーボネートよりも低いため、低温でも非水電解質二次電池を作動させることができるからである。
【0056】
また、非水溶媒としては、環状エステルを含む溶媒も好適に用いることができる。なぜなら、環状エステルは、γ−ブチロラクトンに代表されるように、非常に高い比誘電率を有するからである。
【0057】
非水溶媒の成分としてこれらの溶媒を含むことにより、電解液31における非水溶媒全体として非常に高い誘電率を有することができる。非水溶媒として、これらの溶媒のうちの一種のみを用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。非水溶媒の成分としては、上記に挙げた以外にも、鎖状炭酸エステル、鎖状エステル、環状又は鎖状のエーテルなどが挙げられる。具体的には、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジオキソラン、スルホランなどが挙げられる。
【0058】
次に、電池100を備えた電源装置の実施形態について説明する。
【0059】
図4に示すように、電源装置200は、電池100及び保護回路102を備えている。電源装置200は、典型的には、電池パックとして構成されている。保護回路102は、制御部104、放電制御スイッチ106a、充電制御スイッチ106b、サーミスタ108及び温度ヒューズ110を有する。
【0060】
制御スイッチ106a及び106bは、通常、MOSFET(metal-oxide semiconductor field-effect transistor)のような半導体スイッチで構成されている。双方向に流れる電流を遮断するために、2つの制御スイッチ106a及び106bが直列に接続されている。サーミスタ108により、電源装置200の内部の温度を外部より検出できる。温度ヒューズ110は、制御スイッチ106a及び106bに異常発熱が生じたとき、電流を遮断する役割を担う。
【0061】
制御部104は、電池100の特性に適合するように設計された論理回路で構成されており、電池100(例えば1セルの電池100)の端子間電圧及び保護回路102に流れる電流(電池100の電流)を測定する。制御部104は、PLC(programmable logic controller)で構成されていてもよいし、プログラムで制御可能なマイクロコンピュータで構成されていてもよい。充電時において、測定された電圧が所定の充電上限電圧に達したら、制御部104は、充電制御スイッチ106bを切る。放電時において、測定された電圧が所定の放電下限電圧に達したら、制御部104は、放電制御スイッチ106aを切る。
【0062】
電池100の正極10に用いられた第二活物質は、制御部104に設定された放電下限電圧における正極10の電位よりも低い還元電位を有する。また、電池100の正極10に用いられた第一活物質は、制御部104に設定された放電下限電圧における正極10の電位よりも高い還元電位を有する。つまり、電池100の端子間電圧が放電下限電圧まで低下したときの正極10の電位が、第一活物質の還元電位と第二活物質の還元電位との間に存在するように、制御部104に放電下限電圧が設定されている。このようにすれば、通常の放電で第二活物質は殆ど還元されない。例えば、正極活物質として第一活物質を100重量部、第二活物質を10重量部含む電池を1時間率の電流で6分間以下放電した場合、第二活物質は殆ど還元されない。そのため、過放電による正極10の劣化を抑制する効果を常時得ることができる。
【0063】
また、制御部104は、電源装置200に接続された負荷(詳細には、負荷の消費電流)が相対的に小さい場合に放電下限電圧以下の端子間電圧での放電を禁止し、負荷が相対的に大きい場合に一時的に放電下限電圧を無効化して放電下限電圧以下の端子間電圧での放電を許容する。例えば、2時間率の電流値よりも大きい電流が保護回路104に流れる場合に、負荷が相対的に大きいと判断できる。
【0064】
例えば、図5に示すように、電源装置200が電子機器202に用いられていると仮定する。電子機器202は、電源装置200から供給された電力によってその機能を発揮する。電子機器202が、互いに異なる大きさの消費電力を有する負荷、例えば、LED204(light-emitting diode)とブザー206とを有しているものとする。LED204の消費電力は相対的に小さく、ブザー206の消費電力は相対的に大きい。電子機器202においてLED204が使用された場合、電源装置200の制御部104は、放電下限電圧を有効なものとして取り扱う。すなわち、LED204を使用中に電池100の端子間電圧が放電下限電圧まで低下したら、放電制御スイッチ106aを切ってそれ以上の放電を禁止する。他方、電子機器202においてブザー204が使用された場合、電源装置200の制御部104は、設定された放電下限電圧を一時的に無効化する。すなわち、一時的に、放電下限電圧以下の電圧での放電を許容する。本実施形態の電池100によれば、一時的に放電下限電圧で放電させたとしても、第二活物質が放電に寄与するので、正極10の劣化は防止される。
【実施例】
【0065】
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されない。
【0066】
(実施例1)
実施例1では、正極活物質として第一活物質及び第二活物質を用いて、図1に示すコイン型の非水電解質二次電池を作製した。第一活物質としては、表面にカーボンコーティング処理を施したりん酸鉄リチウム(LiFePO4、TATUNG FINE CHEMICALS社製、平均粒子径9μm、カーボン量2重量%)を用いた。第二活物質としては、下記化学式(7)に示すフェナントレンキノン化合物(重量平均分子量5700、数平均分子量2800、平均重合度20)を用いた。このフェナントレンキノン化合物の合成方法は公知であり、本発明者らによる特許4445583号公報に詳細に記載されている。
【0067】
【化7】

【0068】
りん酸鉄リチウムを40mg、フェナントレンキノン化合物を40mg、導電助剤としてアセチレンブラックを200mg、それぞれ秤量し、これらを乳鉢に入れて混練した。さらに、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン50mgを添加して乳鉢中で混錬した。こうして得られた合剤を、ステンレスメッシュ(ニラコ社製、30メッシュ)でできた集電体上に圧延ローラーで圧着し、真空乾燥を行い、直径16mmの円盤状に打ち抜くことによって、正極を作製した。
【0069】
電解質を溶解させる溶媒として、炭酸エチレン(EC)と炭酸エチルメチル(EMC)とを体積比1:3で混合した溶媒を用いた。この溶媒中に、電解質としての6フッ化リン酸リチウムを1.25mol/Lの濃度となるように溶解させることによって、電解液を作製した。
【0070】
上記で作製した正極と、負極としてのリチウム金属(厚み0.3mm)と、セパレータとしての多孔質ポリエチレンシート(厚み20μm)とを圧着して電極群を作製した。電極群には、電解液を含浸させた。図1に示すような構成となるように、電極群をコイン型電池のケースに収納した。ガスケットを装着した封口板でケースの開口を閉じ、プレス機にてケースをかしめて封口した。以上により、実施例1のコイン型非水電解質二次電池を得た。
【0071】
(比較例1)
比較例1では、第一活物質のみを用いて、図1に示すコイン型の非水電解質二次電池を作製した。
【0072】
りん酸鉄リチウムを800mg、導電助剤としてアセチレンブラックを40mg、それぞれ秤量し、これらを乳鉢で混練した。さらに、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン40mgを添加して乳鉢中で混錬した。こうして得られた合剤を、集電体であるステンレスメッシュ(ニラコ社製、30メッシュ)上に圧延ローラーで圧着し、真空乾燥を行い、直径16mmの円盤状に打ち抜くことによって、正極を作製した。
【0073】
上記の正極を用いた以外は、実施例1と同じ方法で、比較例1のコイン型非水電解質二次電池を得た。
【0074】
[充放電容量及び放電特性の評価]
実施例1及び比較例1の電池の充放電容量及び放電特性を評価した。これらの評価は、全て25℃の恒温槽内で行った。
【0075】
まず、充放電を3回繰り返すことによって、安定して充放電動作ができることを確認した後に、3回目の放電容量を測定した。測定された放電容量を第一活物質の重量で割った値を充放電容量として求めた。なお、充放電は、第一活物質のみを考慮した電池容量に対して10時間率(0.1CmA)となる電流値にて定電流で行った。また、充電上限電圧を3.8V、放電下限電圧を3.0Vに設定した。
【0076】
放電特性は、放電容量に対する充電容量の回復率で評価した。具体的には、第一活物質のみを考慮した容量の120%の容量まで定電流放電を行った後、定電流充電を行った。測定された充電容量を測定された放電容量で割った値を回復率として算出した。なお、充放電は、第一活物質のみを考慮した電池容量に対して10時間率(0.1CmA)となる電流値にて定電流で行った。
【0077】
実施例1及び比較例1の充放電容量及び放電特性の評価結果を表5に示す。また、実施例1及び比較例1の充放電曲線を図6〜図9に示す。
【0078】
【表5】

【0079】
表5に示すように、放電上限電圧(3.8V)と放電下限電圧(3.0V)との間で行った通常の充放電において、実施例1及び比較例1は概ね等しい充放電容量を示した。さらに、図6及び図8に示すように、通常の充放電において、実施例1の充放電曲線は、比較例1の充放電曲線に概ね一致していた。これらの結果は、通常の充放電では、実施例1及び比較例1のいずれも第一活物質(りん酸鉄リチウム)のみが酸化還元反応を行なったことを示している。つまり、実施例1の電池のように、第二活物質を添加したとしても、第一活物質は正常に酸化還元反応を行った。
【0080】
次に、図7に示すように、実施例1の電池は、過放電状態で2.8V付近に平坦領域を有していた。この平坦領域は、フェナントレンキノン化合物の還元反応に起因する。過放電後の充電時には、2.9V付近に第二活物質(フェナントレンキノン化合物)の酸化反応に起因する平坦領域が存在し、その後、3.5V付近に第一活物質(りん酸鉄リチウム)の酸化反応に起因する平坦領域が存在していた。このことから、第二活物質は過放電前の状態(酸化状態)に戻ったと考えられる。また、過放電後の充電容量は過放電容量に対して98%であった。このことは、第一活物質及び第二活物質が可逆に酸化還元反応を行ったことを示している。
【0081】
他方、図9に示すように、比較例1の電池は、過放電状態で0.8V付近に平坦領域を有していた。過放電後の充電時には、初期の容量の50%を越えた辺りで電圧が急上昇した。このことは、比較例1では、過放電状態で活物質の酸化還元反応以外の反応が起こり、正常な充放電が行えなかったことを示している。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の非水電解質二次電池は、ハイブリッド自動車のような車両、携帯オーディオデバイス、携帯電話、ラップトップコンピュータといった電子機器などに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0083】
10 正極
11 正極活物質層
12 正極集電体
20 負極
21 負極活物質層
22 負極集電体
30 セパレータ
31 電解液
50 コイン型ケース
51 封口板
52 ガスケット
100 非水電解質二次電池
102 保護回路
104 制御部
106a,106b 制御スイッチ
200 電源装置
202 電子機器
204 LED
206 ブザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオンを吸蔵及び放出できる第一活物質と、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる第二活物質とを含む正極と、
リチウムイオンを吸蔵及び放出できる負極活物質を含む負極と、
リチウムイオンとアニオンとの塩を含む電解質と、を備え、
前記第二活物質が、当該非水電解質二次電池の放電下限電圧における前記正極の電位よりも低い還元電位を有する、非水電解質二次電池。
【請求項2】
前記第二活物質がキノン化合物である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
【請求項3】
前記第二活物質がフェナントレンキノン化合物である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
【請求項4】
前記第二活物質が、リチウムに対して、2.0〜3.0Vの範囲に還元電位を有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
【請求項5】
前記第二活物質が当該非水電解質二次電池の組み立て完了時において酸化状態である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
【請求項6】
前記第一活物質がリチウムを含有していてもよい遷移金属化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
【請求項7】
前記第一活物質は、当該非水電解質二次電池における主たる正極活物質であり、前記放電下限電圧における前記正極の電位よりも高い還元電位を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
【請求項8】
非水電解質二次電池と、
前記非水電解質二次電池の端子間電圧が所定の放電下限電圧まで低下した場合に、前記非水電解質二次電池から負荷への給電を遮断する保護回路と、を備え、
前記非水電解質二次電池が、(i)リチウムイオンを吸蔵及び放出できる第一活物質と、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる第二活物質とを含む正極と、(ii)リチウムイオンを吸蔵及び放出できる負極活物質を含む負極と、(iii)リチウムイオンとアニオンとの塩を含む電解質と、を有し、
前記第二活物質は、前記所定の放電下限電圧における前記正極の電位よりも低い還元電位を有する、電源装置。
【請求項9】
前記保護回路は、前記負荷が相対的に小さい場合に前記所定の放電下限電圧以下の前記端子間電圧での放電を禁止し、前記負荷が相対的に大きい場合に一時的に前記所定の放電下限電圧を無効化して前記所定の放電下限電圧以下の前記端子間電圧での放電を許容する制御部を含む、請求項8に記載の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−113841(P2012−113841A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259404(P2010−259404)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】