説明

非破壊検査装置および非破壊検査方法

【課題】
試料の電流経路に限定されること無く欠陥を検出すること。
【解決手段】
加熱源により試料の裏面側から当該試料を加熱した後、所定時間放置し、観測部により前記試料の表面側から前記試料上に形成される温度分布を観測することで、前記試料の欠陥の有無を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の非破壊検査装置および非破壊検査方法に関し、特に、半導体装置の配線系の欠陥を検査するのに適した非破壊検査装置および非破壊検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体チップ等の電子部品(試料)の非破壊検査方法として、OBIRCH(Optical Beam Induced Resistance Change)法が知られている。OBIRCH法では、レーザ光で半導体チップ上を走査しながら配線を加熱した際の配線抵抗の変化を画像にする(非特許文献1参照)。この方法によれば、配線中にボイド等の欠陥がある箇所と欠陥の無い箇所とでは温度上昇の程度が異なるため、欠陥を画像の上で識別できるというものである。
【0003】
また、従来の非破壊検査装置として、半導体装置表面に温度変化により相転移する液晶膜を塗布し、上記半導体装置の表面に赤外線を照射して加熱することにより、上記液晶の相転移を光学顕微鏡で観察し、上記半導体装置の動作時の微小発熱をともなう故障を検出する半導体装置の故障解析装置において、赤外線の照射範囲を調節する可変スリットを有するものが開示されている(特許文献1参照)。この装置によれば、半導体装置の発熱をともなう故障箇所を検出する場合において、可変スリットを併用して赤外線で局所加熱を行うことにより、周囲からの熱伝導や熱容量の影響を受けずに、正確に発熱分布を検出することができるというものである。
【0004】
【特許文献1】特開2000−46772号公報
【非特許文献1】二川 清、「OBIRCH (Optical Beam Induced Resistance CHange)法の発展経緯・現状・将来展望」、REAJ誌、vol.25, no.8, pp.853-856 (2003).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のOBIRCH法を用いたOBIRCH装置で検出できる欠陥は、半導体チップの外部から抵抗の変化が検出できる配線に限定される。すなわち、従来のOBIRCH装置では、例えば、図6に示すように、半導体チップの2端子間に電圧を印加し、レーザ光を照射した際の電流の変化を輝度値として走査箇所に対応した画像が得られるが、この2端子間に存在する配線の欠陥のみしか検査の対象となり得ない。
【0006】
本発明の主な課題は、試料の電流経路に限定されること無く欠陥を検出できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の視点においては、非破壊検査方法において、加熱源により試料を加熱した後、所定時間を放置し、観測部により前記試料上に形成される温度分布を観測することで、前記試料の欠陥の有無を検出することを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の視点においては、非破壊検査装置において、試料を加熱する加熱源と、前記試料上に形成される温度分布を観測する観測部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明(請求項1−14)によれば、試料に対して外部から電流の供給が不要のため、欠陥検出の対象となる配線が限定されることがない。また、配線欠陥に限定されることなく、配線以外の層間絶縁膜などの欠陥も検出することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る非破壊検査装置および非破壊検査方法について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る非破壊検査方法を説明するための図面であり、(A)は非破壊検査装置の概略図、(B)は非破壊検査装置で取得した温度分布画像である。図2は、本発明の実施形態1に係る非破壊検査装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0011】
実施形態1に係る非破壊検査方法においては、検査対象となる半導体装置等の電子部品(試料)、及びレファレンスとなる良品の電子部品(良品試料)を、その裏面側から加熱源(例えば、赤外線ランプ、赤外レーザ光等)によって加熱した後、試料及び良品試料の表面温度を観測部(例えば、エミッション顕微鏡、MCT(水銀カドミウムテルライド)型エミッション顕微鏡等)で検出し(図1(A)参照)、試料と良品試料との温度分布の画像の差を取得する(図1(B)参照)。取得した画像を比較することにより、試料と良品試料について温度分布画像に差がみられた箇所が欠陥となる(図1(B)参照)。
【0012】
図1(A)の非破壊検査装置の動作について説明する。
【0013】
まず、第1シャッタが開、かつ、第2シャッタが閉の状態(加熱のみの状態)で、電子部品(例えば、ICチップ)の裏面側に配された加熱源から、赤外光または赤外レーザ光を照射し、電子部品の表面(主面)側を所定時間(図2のτ)加熱する(図2のステップS1)。ここで、赤外レーザ光を用いれば、例えば、赤外レーザ光がICチップの裏面側からSi基板を透過してICチップの表面付近に集光し、当該表面付近を集中的に加熱することが可能である。
【0014】
次に、第1シャッタが閉、かつ、第2シャッタが閉の状態(加熱および観測しない状態)で、所定時間τho放置する(図2のステップS2)。ここで、赤外照射により電子部品の表面側が加熱されると、電子部品の表面側に配置された配線および層間絶縁膜の構成、並びに、配線および層間絶縁膜の欠陥の状態に応じて、電子部品の表面付近の温度分布が決まる。そして、この温度分布は加熱時間(図2のτ)とその後の時間の経過とともに変化するので、ステップS2では所定時間τho放置している。なお、加熱を停止した後では、加熱した熱そのものを観測することになり、配線や層間絶縁膜およびそれらの欠陥の状態の観測は困難である。所定時間τho放置することにより、配線や層間絶縁膜およびそれらの欠陥の状態によって熱の伝導状態が異なるため、特有の温度分布を観測できるようになる。所定時間τhoは、μs(マイクロ秒)から100μs程度とすることができるが、加熱時間や加熱温度、観測する電子部品の構造や表面状態などによってns(ナノ秒)オーダーからms(ミリ秒)オーダーとすることも可能である。
【0015】
次に、第1シャッタが閉、かつ、第2シャッタが開の状態(観測のみする状態)で、電子部品の温度分布を所定時間(図2のτ)観測する(図2のステップS3)。ここで、観測部は、電子部品(試料)の主面側に配置され、例えば、MCT型エミッション顕微鏡などの熱センサ、エミッション顕微鏡などの光センサ等が用いられる。最も普及しているエミッション顕微鏡の感度波長域は可視光部が主であるが赤外部にもわずかに延びており、200℃程度以上の温度は可視化できる。また、近年普及してきたMCT型エミッション顕微鏡を用いれば、1℃以下の感度での温度分布の観測が可能である。観測時間(図2のτ)はセンサの感度などにより決める。
【0016】
次に、第1シャッタが閉、かつ、第2シャッタが閉の状態(加熱および観測しない状態)で、所定時間(図2のτoh)放置する(図2のステップS4)。
【0017】
その後、第1シャッタが開、かつ、第2シャッタが閉の状態(加熱のみの状態)で、ステップS1と同様に加熱を開始し(図2のステップS5)、以降、必要な箇所の観測が必要なS/N(信号対ノイズ比)で得られるまでステップS1〜ステップS4を繰り返すことになる。
【0018】
なお、加熱するステップ(ステップS1等)においてレーザ光で照射する場合には、観測が必要な箇所を一度に照射することはできないので、電子部品上を走査する必要がある。その場合、加熱は被観測箇所の一部で行われ、観測は被観測箇所全体で行われることになるが、観測画像を記憶積算すれば、不都合は生じない。このような記憶積算機能は、通常のエミッション顕微鏡やMCT型エミッション顕微鏡に備わっている。
【0019】
また、加熱と観測のタイミングは、図2に示したように第1シャッタおよび第2シャッタの開閉により調整し、加熱時(図2ステップS1、第1シャッタは開)にはセンサに加熱源からの熱が伝わらないように第2シャッタを閉じている。一方、観測時(図2のステップS3、第2シャッタは開)には加熱源からの熱が電子部品およびセンサに伝わらないように第1シャッタを閉じている。シャッタ機能を加熱源やセンサと別に設けずに、シャッタ機能を内蔵した加熱源やセンサを用いてもいいことは、勿論である。
【0020】
電子部品の裏面からレーザ光などの光を照射するのは、センサ(熱センサ、光センサ等)との物理的配置を容易にするためであり、また、電子部品が多層配線のICの場合は直接加熱可能な配線の面積を多くとるためでもある。ウェハ又はチップで検査する場合、ウェハ又はチップの裏面を鏡面研磨(仕上げ)しておくことが好ましい。また、物理的配置の制約や多層配線による加熱の不利がない場合は表面側から照射加熱していいことは、勿論である。さらに、表面側から加熱し、裏面側から温度分布を観測してもいいことも、勿論である。
【実施例】
【0021】
次に、本発明の一実施例に係る非破壊検査方法について図面を用いて説明する。図3は、本発明の一実施例に係る非破壊検査方法によるICチップの画像を説明するための模式図であり、(A)は光学画像、(B)は温度分布画像である。図4は、本発明の一実施例に係る非破壊検査方法による電子部品の欠陥検出過程を示した模式図である。
【0022】
図3(A)を参照すると、ICチップに係る光学画像の被観測領域には層間絶縁膜上に配線が配されている。ここでは、便宜上、一層の配線が一本だけ配されている場合を示す。光学画像では、ICチップの欠陥は光学的に見えない。
【0023】
一方、図3(B)を参照すると、赤外ランプ照射加熱を行いMCT型エミッション顕微鏡により温度分布画像を観測した場合、温度分布画像ではS/Nの関係で必ずしも最初から層間絶縁膜の欠陥、配線、および配線の欠陥の全てが見えるわけではないが、画像積算を重ねるうちに少しずつクリアになって層間絶縁膜の欠陥、配線、および配線の欠陥も同時に見えてくる。なお、温度分布画像で見えてきた欠陥は、配線や層間絶縁膜の内部に埋もれていたか、あるいは、小さかったために光学画像では見えなかったものである。
【0024】
図4(A)〜(C)は、図3(A)のICチップに関して、赤外レーザ光走査で加熱を行い、MCT型エミッション顕微鏡で温度分布を観測した場合を示している。図4(A)は、走査途中であり、163本目の走査線に相当する箇所までレーザ光の走査が進んだ時の、MCT型エミッション顕微鏡でとらえた積算画像である。この段階では、絶縁膜中の欠陥2箇所が検出されている。図4(B)は、さらに走査が進んで、279本目まで走査された時の、MCT積算画像である。この段階ではさらに配線がみえてきているが配線中の欠陥までは見えていない。図4(C)は走査が512本目まで進んだ段階であり、ここでは図3(B)と同じように全ての欠陥が見えている。
【0025】
このように、ランプで一括照射する場合は全貌がすぐに見えてくるが、レーザ光で走査した場合には全貌はすぐには見えないという欠点がある。一方、レーザ光の利点は、表面付近に焦点を絞り局所的に加熱できるため、効率および感度がいいという点である。ここで用いるレーザ光の波長はOBIRCH法で用いられる1300nm近辺の波長でも、裏面OBIC(Optical Beam Induced Current)法で用いられる1064nm付近の波長でも、どちらでもよい。OBIRCH法で加熱する際は、OBICの発生がノイズとなるため1065nm近辺の波長を用いることはできなかったが、実施例による方法では、OBICはノイズとならないので、そのような制限が無い。
【0026】
現実には、この例に示したように全ての欠陥がきれいに見えるわけではない。そのような場合には適当に閾値を設定して、ノイズとの識別を行い、また、良品と比較するなどして検査することは、勿論である。また、必要に応じて、図2のτ、τho、τ、τohを適切に調整することで、熱伝導の時間と観測にかける時間の関係から、温度分布像の空間分解能の向上などを図ることも、勿論である。
【0027】
このように、本実施例によれば、従来の非破壊検査手法では著しく困難とされていた電流経路を設定できない箇所の配線や絶縁膜中の欠陥を検出できる。すなわち、ボイドや高抵抗箇所の特定等、半導体デバイスの検査、不良解析、故障解析に適用できる。
【0028】
次に、本発明の一実施例に係る非破壊検査装置について図面を用いて説明する。図5は、本発明の一実施例に係る非破壊検査装置の構成を模式的に示した概略図である。
【0029】
非破壊検査装置100は、レーザ光生成部10と、観測部20と、システム制御部40と、表示部50と、試料台71と、を有する。なお、試料70は、検査対象となる半導体装置等の電子部品である。
【0030】
レーザ光生成部10は、試料70の裏面側から当該試料70を加熱する加熱源であり、加熱・検出タイミング制御部11から出力されたレーザ光制御信号2により、試料70に向けてオン・オフされるレーザ光61を出力する。レーザ光生成部10は、加熱・検出タイミング制御部11と、赤外レーザ光発生器12と、光学系ユニット13と、光ファイバ14と、を有する。
【0031】
加熱・検出タイミング制御部11は、システム制御部40からの加熱・検出タイミング信号1に基づいて、赤外レーザ光発生器12から出力されるレーザ光のオン・オフのタイミングを制御し、そのためのレーザ光制御信号2を赤外レーザ光発生器12に向けて出力する。また、加熱・検出タイミング制御部11は、システム制御部40からの加熱・検出タイミング信号1に基づいて、観測部20のシャッタ21の開閉のタイミングを制御し、そのためのシャッタ制御信号3をシャッタ21に向けて出力する。
【0032】
赤外レーザ光発生器12は、加熱・検出タイミング制御部11からのレーザ光制御信号2により、オン・オフされるレーザ光を発生し、発生したレーザ光を光ファイバ14を介して光学系ユニット13に向けて出力する。光学系ユニット13は、光ファイバ14で導波されたレーザ光を収束してレーザ光61を生成し、生成されたレーザ光61を試料台71上に搭載された試料70に向けて出力する。光ファイバ14は、赤外レーザ光発生器12から出力されたレーザ光を光学系ユニット13に導波する。
【0033】
観測部20は、レーザ光61が照射された試料70の表面側から当該試料70上に形成される温度分布を観測する。観測部20は、シャッタ21と、MCT型(水銀カドミウムテルライド型)エミッション顕微鏡22と、を有する。シャッタ21は、加熱・検出タイミング制御部11からのシャッタ制御信号3に基づいて開閉することにより、試料70などからMCT型エミッション顕微鏡22への放射熱の到達を制御する。MCT型エミッション顕微鏡22は、試料70上に形成される温度分布を観測する赤外検出器であり、温度分布信号4をシステム制御部40に向けて出力する。
【0034】
システム制御部40は、試料台71のステージ走査や、光学系ユニット13のレーザ走査を制御するとともに、加熱・検出タイミング制御部11の加熱・検出タイミングの制御指示等を行う。
【0035】
システム制御部40は、試料台71上に搭載された試料70の位置を制御するためのステージ走査信号5を試料台71に向けて出力し、試料台71を図4のように走査させる。図4のような走査は、必要に応じてレーザ走査信号6により光学系ユニット13を制御し、レーザ光61を試料70上で走査させながら、試料70に照射してもよい。
【0036】
また、システム制御部40は、図示されていないが、レーザ光61による試料70からの反射光をフォトダイオード(図示せず)で検出した信号を、ステージ走査、レーザ走査、レーザ光照射位置、と同期させて、図3(A)の光学画像に相当するレーザ走査顕微鏡画像として表示するための制御も行う。システム制御部40は、得られたレーザ走査顕微鏡画像と、温度分布信号4により取り込まれた温度分布画像と、の対応表示の制御を行い、そのための画像表示信号8をコンピュータ51に向けて出力する。
【0037】
表示部50は、システム制御部40からの画像表示信号8に基づいて温度分布画像81を表示する。表示部50は、コンピュータ51と、ディスプレイ52と、を有する。コンピュータ51は、システム制御部40からの画像表示信号8に基づいて、温度分布画像81や、さらにはそれとの場所の対応をとるためのレーザ走査顕微鏡画像等をディスプレイ52に表示させる。なお、出力装置として、ディスプレイ52以外にも、プリンタあるいはファイル装置等を用いてよいことは勿論である。
【0038】
試料台71は、試料70が搭載されるステージであり、試料70の所定の照射位置にレーザ光61が照射されるように移動させる機能を有する。
【0039】
なお、図示されていないが、レーザ照射による反射信号をフォトダイオードで検出し、レーザ走査顕微鏡像として温度分布画像と対応した箇所を表示できることも、勿論である。また、試料70として、ICチップ、Siウェハ等が用いられる。化合物半導体ウェハ、TFT基板等であってもよいことは勿論である。
【0040】
次に、本発明の一実施例に係る非破壊検査装置の動作について説明する。
【0041】
図5に示した非破壊検査装置において、試料70を試料台71に搭載した状態で、加熱・検出タイミング制御部11でレーザ光制御信号2とこれに同期したシャッタ制御信号3を生成し、シャッタ制御信号3を観測部20に出力し、レーザ光制御信号2をファイバレーザ(例えば波長は1065nm)で構成した赤外レーザ光発生器12に出力し、レーザ光を発生させ、光ファイバ14で光学系ユニット13に導き試料70上にレーザ光を絞り込む。
【0042】
加熱・検出タイミング制御部11でのレーザ光制御信号2と、当該レーザ光制御信号2に同期したシャッタ制御信号3と、の制御タイミングの例は、図2を用いて前述したとおりである。なお、図1および図2の第1シャッタの開・閉が図5のレーザ光制御信号2でのレーザのオン・オフに対応し、図1および図2の第2シャッタの開・閉が図5のシャッタ制御信号3でのシャッタ21の開・閉に対応する。
【0043】
その後、MCT型エミッション顕微鏡22にてレーザ光61が照射された試料70上に形成される温度分布を観測し、システム制御部40にて温度分布画像を生成し、表示部50にて温度分布画像を表示することになる。
【0044】
ここで、本実施例では、波長1065nmのレーザ光を用いているので、試料70がSiウェハの場合、その裏面からレーザ光を照射し、Si基板を透過し、Siウェハ表面近傍の配線へレーザ光を到達させることができる。Siウェハ裏面を鏡面研磨しておくことが好ましい。Siウェハの裏面から照射されたレーザ光61を効率よく配線に到達させることができる。
【0045】
以上、本発明を上記実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例の構成にのみ限定されるものでなく、本発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態1に係る非破壊検査方法を説明するための図面であり、(A)は非破壊検査装置の概略図、(B)は非破壊検査装置で取得した温度分布画像である。
【図2】本発明の実施形態1に係る非破壊検査装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】本発明の一実施例に係る非破壊検査方法によるICチップの画像を説明するための模式図であり、(A)は光学画像、(B)は温度分布画像である。
【図4】本発明の一実施例に係る非破壊検査方法による電子部品の欠陥検出過程を示した模式図である。
【図5】本発明の一実施例に係る非破壊検査装置の構成を模式的に示した概略図である。
【図6】従来のOBIRCH法を説明するための図面であり、(A)はOBIRCH装置の概略図、(B)はOBIRCH装置で取得した温度分布画像である。
【符号の説明】
【0047】
1 加熱・検出タイミング信号
2 レーザ光制御信号
3 シャッタ制御信号
4 温度分布信号
5 ステージ走査信号
6 レーザ走査信号
8 画像表示信号
10 レーザ光生成部
11 加熱・検出タイミング制御部
12 赤外レーザ光発生器
13 光学系ユニット
14 光ファイバ
20 観測部
21 シャッタ
22 MCT型エミッション顕微鏡
40 システム制御部
50 表示部
51 コンピュータ
52 ディスプレイ
61 レーザ光
70 試料
71 試料台
81 温度分布画像
100 非破壊検査装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱源により試料を加熱した後、所定時間放置し、観測部により前記試料上に形成される温度分布を観測することで、前記試料の欠陥の有無を検出することを特徴とする非破壊検査方法。
【請求項2】
前記加熱源は、前記試料の裏面側から当該試料を加熱し、
前記観測部は、前記試料の表面側から前記試料上に形成される温度分布を観測することを特徴とする請求項1記載の非破壊検査方法。
【請求項3】
前記加熱源は、前記試料に向けて出力するレーザ光であることを特徴とする請求項1又は2記載の非破壊検査方法。
【請求項4】
前記試料の温度分布の観測中において、前記加熱源からの熱が前記観測部および前記試料に伝わらないように、第1シャッタにより前記試料と前記加熱源の間を遮断することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の非破壊検査方法。
【請求項5】
前記試料の温度分布の観測中において、前記加熱源からの熱が前記観測部および前記試料に伝わらないように、レーザ光を出力しないようにすることを特徴とする請求項3記載の非破壊検査方法。
【請求項6】
前記試料の加熱中において、前記観測部に前記加熱源からの熱が伝わらないように、第2シャッタにより前記試料と前記観測部の間を遮断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の非破壊検査方法。
【請求項7】
前記観測部は、水銀カドミウムテルライド型エミッション顕微鏡を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の非破壊検査方法。
【請求項8】
試料を加熱する加熱源と、
前記試料上に形成される温度分布を観測する観測部と、
を備えることを特徴とする非破壊検査装置。
【請求項9】
前記加熱源は、試料の裏面側から当該試料を加熱し、
前記観測部は、前記試料の表面側から当該試料上に形成される温度分布を観測することを特徴とする請求項8記載の非破壊検査装置。
【請求項10】
前記加熱源は、前記試料に向けてレーザ光を出力することを特徴とする請求項8又は9記載の非破壊検査装置。
【請求項11】
前記試料の温度分布の観測中に、前記加熱源からの熱が前記観測部および前記試料に伝わらないように、前記試料と前記加熱源の間を遮断する第1シャッタを備えることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一に記載の非破壊検査装置。
【請求項12】
前記加熱源は、前記試料の温度分布の観測中において、前記加熱源からの熱が前記観測部および前記試料に伝わらないように、前記試料に向けてレーザビームを出力しないようにする機能を有することを特徴とする請求項10記載の非破壊検査装置。
【請求項13】
前記試料の加熱中に、前記加熱源からの熱が前記観測部に伝わらないように、前記試料と前記観測部の間を遮断する第2シャッタを備えることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一に記載の非破壊検査装置。
【請求項14】
前記観測部は、水銀カドミウムテルライド型エミッション顕微鏡を含むことを特徴とする請求項8乃至13のいずれか一に記載の非破壊検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−343190(P2006−343190A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−168275(P2005−168275)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】