面状発光装置およびシートスイッチモジュール
【課題】導光体を薄くした場合でも、光の損失を抑え、目的とする方向に十分量の光を伝搬させ得る面状発光装置を提供する。
【解決手段】光源2と、光源2からの光が一方の面3aから導入されるシート状の導光体3とを備えた面状発光装置1A。導光体3の光の導入領域5に、光の一部を導光体3の面方向X1に散乱させる散乱部8が形成されている。導入領域3に対向する対向領域7には、光を導光体3内に反射させる反射手段9が形成されている。
【解決手段】光源2と、光源2からの光が一方の面3aから導入されるシート状の導光体3とを備えた面状発光装置1A。導光体3の光の導入領域5に、光の一部を導光体3の面方向X1に散乱させる散乱部8が形成されている。導入領域3に対向する対向領域7には、光を導光体3内に反射させる反射手段9が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等の操作ボタン、キーボタン等に好適に用いられる面状発光装置およびシートスイッチモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話等には、キーボタン部等を明るく表示する照明機能を有するシートスイッチモジュールが用いられている(特許文献1を参照)。
図36は、特許文献1に開示されたシートスイッチモジュールを示すもので、このシートスイッチモジュールは、面状発光装置110と、シートスイッチ120とを備えている。
面状発光装置110は、基板112上に設けられた側面発光型の発光素子(LEDなど)からなる光源113と、光源113の上面側に設けられたシート状の導光体115とを備えている。
シートスイッチ120は、基板112上に設けられた固定接点111と、これを囲んで設けられたドーム型の可動接点114と、その上面に形成されたシート材117とを備えている。
面状発光装置110の導光体115は、シート材117の上面側に設けられている。導光体115の端部には、端面115aに向かって徐々に厚みを増す立上がり部115bが形成されている。
【0003】
このシートスイッチモジュールでは、導光体115を押圧し可動接点114を下方に変形させることによって、可動接点114を固定接点111に接触させ、これらを導通させることができる。
光源113からの光は、端面115aから立上がり部115bに入射して導光体115内を面方向に伝搬し、その一部は導光体115表面の凹凸等(光取出部)(図示略)から外部に漏出する。これによって、キーボタン部等を明るく表示することができる。
【0004】
図37および図38は、液晶表示装置のバックライト等に用いられる発光装置を示している。
この発光装置は、板状の導光体121と、導光体121の下面側に設けられた上面発光型の発光素子(LED等)からなる光源122とを備えている(特許文献2を参照)。導光体121は、十分な剛性をもたせるため厚く形成されている。
図38に示すように、導光体121端縁部の上面は、断面円弧状の反射部124となっている。光源122からの光は、下面121aから導光体121に入射した後、反射部124で反射して導光体121の面方向(図38における右方)に導かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−53063号公報
【特許文献2】特許第4134222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年では、機器の薄型化が要望されており、シートスイッチモジュールにおいても、より薄い導光体を使用することが検討されている。
しかしながら、図36に示すシートスイッチモジュールでは、導光体115を薄型化すると光の結合効率が低下しやすく、損失が大きくなるという問題があった。
【0007】
図37および図38に示す発光装置では、光源122として上面発光型の発光素子を用いるため、導光体の端面に対する位置合わせの問題はないが、次に示すように、導光体121を薄型化すると光の損失が大きくなるという問題があった。
図39は、反射部124がない部分の導光体121に入射した光について説明する図である。
導光体121をアクリル樹脂(屈折率:1.5)によって形成した場合、入射角45°で導光体121に入射した光は、スネルの法則に従って、約28°で屈折する。導光体121と空気(屈折率:1)との界面での臨界角は約42°であるから、この光は導光体121を上面側に通過してしまう。
図40に示すように、光は反射部124に当たれば面方向に導かれるが、式(1)に示すように、反射部124の面積は導光体121の厚さに比例するため、導光体121を薄型化すると、反射部124に達する光量が少なくなり、面方向に導かれる光量は少なくなってしまう。
反射部124の面積=π×t×W/2 ・・・(1)
式(1)において、tは導光体121の厚さ、Wは導光体121の奥行き(図40における紙面奥行き)である(反射部124の断面形状は4分円形と想定している)。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、導光体を薄型化した場合でも、光の損失を抑え、目的とする方向に十分量の光を伝搬させ得る面状発光装置およびシートスイッチモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の面状発光装置は、光源と、前記光源からの光が一方の面から導入されて面方向に導かれるシート状の導光体とを備え、前記導光体の前記光の導入領域に、前記光の一部を前記導光体の面方向に散乱させる散乱部が形成され、前記導光体の他方の面における、前記導入領域に対向する対向領域に、前記光を前記導光体内に反射させる反射手段が形成されている面状発光装置である。
前記反射手段は、前記光を乱反射させる乱反射部、または前記光を前記導光体内に全反射させる反射膜であることが好ましい。
前記対向領域には、前記光の一部を前記導光体の面方向に散乱させる散乱層を形成することができる。
前記導光体には、前記散乱部または前記反射手段で散乱または反射した前記導光体内の光の一部を、反射により前記面方向のうち特定の方向に向ける1または2以上のスリット状の反射部を形成することができる。
前記2以上の反射部は、互いに間隔をおいて並列して形成することができる。
本発明の面状発光装置は、光源と、前記光源からの光が一方の面から導入されて面方向に導かれるシート状の導光体とを備え、前記導光体の前記光の導入領域に、光路変換面を有する多面形の凹凸であるプリズム構造を備えたプリズム部が形成され、前記光路変換面は、前記導入された光の一部を、光路の傾きを小さくして前記導光体の面方向に導くことができ、前記導光体の他方の面には、前記導入領域に対向する対向領域に、前記光を前記導光体内に反射させる反射手段が形成されている構成としてもよい。
本発明のシートスイッチモジュールは、前記面状発光装置と、シートスイッチとを有するシートスイッチモジュールである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の面状発光装置によれば、光源からの光を散乱部および反射手段で散乱させ、その一部を面方向に向けることができる。
従って、導光体を薄型化しても、光の損失を抑制することができ、十分量の光を導光体の面方向に伝搬させることが可能となる。
本発明のシートスイッチモジュールによれば、前記面状発光装置が用いられるため、スイッチ素子面と対向した面から照光することができ、かつ薄型化が可能となる。
また、光源が導光体の一方の面に対面して設置されるため、光源を導光体の端部に設置する場合に比べ、導光体と光源との相対位置のずれが生じた場合でも入射光量の変動を防ぎ、光学特性への悪影響を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の面状発光装置の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】前図におけるA1−A1線断面図である。
【図3】本発明の面状発光装置の第2実施形態を示す下面図である。
【図4】前図におけるA2−A2線断面図である。
【図5】本発明の面状発光装置の第3実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明の面状発光装置の第4実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明の面状発光装置の第5実施形態を示す平面図である。
【図8】本発明の面状発光装置の第6実施形態を示す平面図である。
【図9】前図のA3−A3線断面図である。
【図10】本発明の面状発光装置の第7実施形態を示す平面図である。
【図11】前図のA4−A4線断面図である。
【図12】本発明の面状発光装置の第8実施形態を示す平面図である。
【図13】本発明の面状発光装置の第9実施形態を示す平面図である。
【図14】本発明の面状発光装置の第10実施形態を示す平面図である。
【図15】本発明の面状発光装置の第11実施形態を示す平面図である。
【図16】鋸歯状の反射部における光の挙動を説明する平面図である。
【図17】鋸歯状の反射部における光の挙動を説明する平面図である。
【図18】鋸歯状の反射部における光の挙動を説明する平面図である。
【図19】第11実施形態の面状発光装置における光の挙動を示す平面図である。
【図20】前図のA5−A5線断面図である。
【図21】本発明の面状発光装置の第12実施形態を示す断面図である。
【図22】図21の面状発光装置の主要部での光の挙動を説明する模式図である。
【図23】図21の面状発光装置の全体を模式的に示す側面図である。
【図24】図21の面状発光装置の全体を模式的に示す斜視図である。
【図25】図21の面状発光装置を用いたシートスイッチモジュールの一例を示す模式図である。
【図26】シートスイッチモジュールの従来例を示す模式図である。
【図27】プリズム部の他の例を示す模式図である。
【図28】プリズム部のさらに他の例を示す模式図である。
【図29】本発明の面状発光装置の第13実施形態を示す断面図である。
【図30】試験に用いた面状発光装置を示す平面図である。
【図31】試験に用いた面状発光装置を示す平面図である。
【図32】シミュレーション結果を示すグラフである。
【図33】面状発光装置の輝度分布を示す平面図である。
【図34】面状発光装置の輝度分布を示す平面図である。
【図35】本発明のシートスイッチモジュールの一実施形態を示す断面図である。
【図36】従来のシートスイッチモジュールの一例を示す断面図である。
【図37】従来のバックライト用の発光装置を示す斜視図である。
【図38】従来のバックライト用の発光装置を示す断面図である。
【図39】面状発光装置における光の挙動を説明する説明図である。
【図40】面状発光装置における別の部位での光の挙動を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の面状発光装置の実施形態について説明する。
図1は、本発明の面状発光装置の第1実施形態の平面図(上面図)であり、図2は、図1のA1−A1線断面図である。ここに示す面状発光装置1Aは、光源2と、光源2からの光が導入される導光体3とを備えている。
【0012】
図1および図2に示すように、導光体3は、シート状(または板状)に形成することができる。図示例の導光体3は平面視矩形状(長方形状)とされている。
導光体3は、透明な光透過性樹脂からなり、可撓性を有することが好ましい。
光透過性樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のエラストマー、ウレタンアクリレート等を用いることができる。
光透過性樹脂としては、紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂、ウレタン樹脂等)を使用してもよい。
導光体3の厚さは、例えば0.1〜1mm(好ましくは0.1〜0.2mm)とすることができる。
【0013】
光源2としては、発光ダイオード(以下、LEDという)(発光素子)を使用できる。
本実施形態では、光源2として、上面発光型のLED(例えば白色LED)が用いられている。
光源2は、配線基板(図示略)に実装された状態で導光体3の下面3a側に配置することができる。光源2は、光を下面3aから導光体3に入射させることができるように設置される。
図示例では、光源2は、導光体3の長さ方向(図1における左右方向)において中央部よりも一端部3c(図1における左端部)に近い位置に設けられている。
なお、光源2として使用される発光素子は、LEDに限らず、冷陰極管などでもよい。
【0014】
図2に示すように、導光体3は、光源2からの光が導入される導入領域5と、導入領域5に対向する対向領域7とを有している。
導入領域5は、導光体3の一方の面である下面3aにおける光源2に臨んだ領域である。
図1に示すように、導入領域5とは、少なくとも光源2に対面する部分領域(対面部分6)を含む下面3aの一部領域である。導入領域5は、対面部分6のみからなる領域であってもよいし、対面部分6を含みかつ対面部分6より広い領域であってもよい。なお、対面部分6は、平面視したときに光源2の発光面2aに一致する下面3aの部分領域である。
図示例では、導入領域5は光源2に対面する部分領域(対面部分6)を含んで形成されており、その平面視形状は、光源2の中央部を中心とした円形とされ、その面積は光源2の面積(対面部分6の面積)よりも大きくされている。
【0015】
図1および図2に示すように、対向領域7(他方面側領域)は、導光体3の他方の面である上面3bの一部領域であり、上面3bにおける導入領域5と対向した領域である。
対向領域7とは、平面視したときに対面部分6に一致する部分領域(光源部分4)を含む上面3bの一部領域である。対向領域7は、光源部分4のみからなる領域であってもよいし、光源部分4を含みかつ光源部分4より広い領域であってもよい。
対向領域7は、導入領域5に対する位置関係については、平面視したときに導入領域5と一致する領域であることが好ましいが、導入領域5より小さい領域、または導入領域5を含みかつ導入領域5より広い領域であってもよい。
【0016】
図示例の対向領域7は、平面視したときに対面部分6(光源部分4)を含むように形成されており(図1参照)、その平面視形状は、光源2の中央部を中心とした円形とされ、その面積は光源2の面積(対面部分6の面積)よりも大きくされている。図示例の対向領域7は、導入領域5とほぼ同じ直径の円形とされている。
なお、導入領域5および対向領域7の平面視形状および大きさは図示例に限定されない。例えば、導入領域5および対向領域7の平面視形状は、円形に限らず、多角形(矩形等)、楕円形、その他、任意の形状としてよい。
【0017】
図1および図2に示すように、導入領域5には散乱部8が形成されている。
散乱部8は、光源2からの光を散乱させるものであって、例えば導光体3の下面3aを粗面化することにより形成された微小の凹凸部によって構成することができる。
散乱部8は、導入領域5の全面にわたって形成することができる。
【0018】
散乱部8は、ある程度の光透過性が確保されることが好ましい。
散乱部8は、例えば表面粗さ(算術平均粗さRa:JIS B0601−2001)が0.2〜0.8μmRaとなるよう形成するのが好ましい。表面粗さをこの範囲とすることによって、光の損失を抑え、かつ十分な光散乱を得ることができる。
散乱部8は、導入領域5へのサンドブラスト加工やレーザ加工により形成してもよいし、シボ加工、すなわち導光体3を成型する金型に微小な凹凸部を形成しておき、これを転写する方法により形成することもできる。
また、マット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、パッド印刷などを用いて、インクからなる凸部を形成することで前記凹凸部を形成することもできる。
【0019】
図2に示すように、散乱部8においては、凹凸部における光の散乱により、一部の光の進行角度(導光体3に対し垂直な方向に対する角度)が、導光体3の臨界角よりも大きな角度となる。
進行角度が臨界角よりも大きな角度となった光(図1および図2に符号Lで示す)は、導光体3の外面(上面3b、下面3a、側縁3e等)で全反射しつつ導光体3内を面方向に伝搬する。
【0020】
符号X1は、面方向のうち、他端部3dに近づく方向(以下、導光方向X1という)である。
導光方向X1は他端部3dに近づく方向の総称であり、必ずしも導光体3の他端方向(図1および図2において右方)のみを意味するものではなく、例えば図1および図2において導光体3の上面3b、下面3a、側縁3e等に反射しつつ他端部3dに近づく光Lの方向はすべて導光方向X1に該当する。
なお、本実施形態では特定の方向(導光方向X1)に光を向けることを想定しているが、本発明では、散乱部により光を向けるべき方向は前記特定方向に限らず、面方向の全方向であってもよい。
【0021】
図1および図2に示すように、対向領域7には、乱反射部9が形成されている。
乱反射部9は、光源2からの光を主として導光体3内に反射させ、反射された光がランダムな方向成分を生成することを目的とする部位であって、例えば導光体3の上面3bを粗面化することにより形成された微小の凹凸部によって構成することができる。乱反射部9は、対向領域7の全面にわたって形成することができる。
【0022】
乱反射部9は、例えば表面粗さ(算術平均粗さRa:JIS B0601−2001)が0.2〜0.8μmRaとなるよう形成するのが好ましい。表面粗さをこの範囲とすることによって、光の損失を抑え、かつ十分な光散乱を得ることができる。
乱反射部9は、対向領域7へのサンドブラスト加工やレーザ加工により形成してもよいし、シボ加工、すなわち導光体3を成型する金型に微小な凹凸部を形成しておき、これを転写する方法により形成することもできる。
また、マット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、パッド印刷などを用いて、インクからなる凸部を形成することで前記凹凸部を形成することもできる。
【0023】
乱反射部9では、光をランダムな方向に反射させるものであるので、散乱部8を経ても進行角度(導光体3に対し垂直な方向に対する角度)が臨界角よりも小さな角度となっている光は、乱反射部9で反射する際にランダムな方向に反射し、その一部は導光体3の臨界角よりも大きな進行角度となって導光体3内を導光方向X1に進む。
【0024】
このように、面状発光装置1Aによれば、光源2からの光を導入領域5の散乱部8で散乱させ、その一部を面方向に向けることができる。
さらに、散乱部8を通過した光を対向領域7の乱反射部9によって乱反射させ、その一部を面方向に向けることができる。
従って、導光体3を薄型化しても、光の損失を抑制することができ、十分量の光を導光体3の面方向に伝搬させることが可能となる。
【0025】
導光体3内を面方向(導光方向X1)に進行した光は、導光体3表面の凹凸等(光取出部)(図示略)から外部に漏出させることができる。
このため、面状発光装置1Aを携帯電話等に用いられるシートスイッチモジュールに採用すれば、目的とする構成(キーボタン部等)を明るく表示することが可能となる。
【0026】
また、面状発光装置1Aでは、光源2が導光体3の下面3aに対面して設置されるため、光源2を導光体3の端部に設置する場合に比べ、導光体3と光源2の相対位置のずれが生じた場合でも入射光量の変動を防ぎ、光学特性への悪影響を小さくできる。
なお、面状発光装置1Aでは、対向領域7に、乱反射部9に代えて上述の散乱部8を形成することもできる。
【0027】
図3は、本発明の面状発光装置の第2実施形態の平面図であり、図4は、図3のA2−A2線断面図である。
ここに示す面状発光装置1Bは、対向領域7に、乱反射部9に代えて反射膜10を形成した点で、第1実施形態の面状発光装置1Aと異なる。
以下の説明において、既出の構成については同一符号を付して説明を省略することがある。
【0028】
反射膜10は、光源2からの光を導光体3内部に反射(好ましくは全反射)できるものであって、粘着剤付きアルミニウムシート等の金属シート、ミラーインク、あるいは多層膜光学フィルタ等により形成することができる。反射膜10は、光反射テープであってもよいし、PETなどの樹脂からなるテープ材または板材であってもよい。反射膜10は、導光体3表面に容易に形成でき、任意の厚さの導光体3に適用可能であるため、モジュールの薄型化には好適である。
反射膜10は、対向領域7の全体を覆うように形成されている。反射膜10の平面視形状は特に限定されず、例えば円形、楕円形、多角形(矩形等)とすることができる。
反射膜10は、光源部分4を含みかつ光源部分4よりも広い領域に形成することによって、導光体3に対する光源2の位置合わせが容易となり、導光体3の端面から光を入射させる場合に比べて、導光体3と光源2の相対位置のずれによる光学特性の低下が起こりにくくなる(図3等を参照)。
【0029】
面状発光装置1Bでは、対向領域7に達した光は反射膜10で導光体3内部に向けて反射し、その一部は面方向に向かう。また、反射光の一部は散乱部8において散乱して面方向に向かう。
従って、導光体3を薄型化しても、光の損失を抑制し、十分量の光を導光体3の面方向に伝搬させることが可能となる。
【0030】
図5は、本発明の面状発光装置の第3実施形態の断面図である。
ここに示す面状発光装置1Cは、対向領域7に反射膜10を形成した点で、第1実施形態の面状発光装置1Aと異なる。
面状発光装置1Cでは、対向領域7に達した光は反射膜10で反射して導光体3内部に向かい、乱反射部9で乱反射し、その一部は面方向に向かう。
また、散乱部8に達した反射光は散乱部8において散乱し、その一部は面方向に向かう。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0031】
図6は、本発明の面状発光装置の第4実施形態の断面図である。
ここに示す面状発光装置1Dは、対向領域7の乱反射部9の表面に、白色インク層からなる散乱層11が形成されている点で、第1実施形態の面状発光装置1Aと異なる。
白色インクとしては、例えば顔料として酸化チタンを用いたインクが好ましく、散乱層11は印刷などにより形成することができる。散乱層11は、対向領域7の全面にわたって形成することができる。
【0032】
散乱層11は、光を散乱させつつ反射するため、進行角度(導光体3に対し垂直な方向に対する角度)が臨界角よりも小さな角度となっている光は、この散乱層11で反射する際に散乱し、その一部は導光体3の臨界角よりも大きな進行角度となって導光体3内を導光方向X1に進む。
また、散乱層11で反射した光の一部は、乱反射部9で乱反射し、その一部は面方向に向かう。
また、散乱層11からの反射光のうち散乱部8に達した光は散乱部8において散乱し、その一部は面方向に向かう。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0033】
図7は、本発明の面状発光装置の第5実施形態の断面図である。
ここに示す面状発光装置1Eでは、対向領域7に散乱層11を形成し、その上に反射膜10を積層した点で、第2実施形態の面状発光装置1Bと異なる。
反射膜10は、散乱層11の全体を覆うように形成されている。
面状発光装置1Eでは、散乱層11を透過した光を反射膜10で反射させ、反射光を散乱層11で散乱させ、その一部を面方向に向けることができる。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0034】
図8は、本発明の面状発光装置の第6実施形態の下面図であり、図9は、図8のA3−A3線断面図である。
ここに示す面状発光装置1Fは、導入領域5に形成される散乱部13が、導光体3の内部に形成された多数の粒子部13aから構成されている点で、第1実施形態の面状発光装置1Aと異なる。
粒子部13aは、例えば導光体3の屈折率とは異なる屈折率を有する透明粒子からなり、導光体3の下面3aから所定の深さ領域に分散状態で形成されている。
粒子部13aは、例えば導光体3内に形成された気泡(空気)とすることができる。粒子部13aは、ガラス、樹脂等の透明材料からなる粒子であってもよい。
【0035】
粒子部13aは、例えばレーザ光の局所的な照射による加熱によって導光体3の所定の深さ領域に気泡を生じさせることによって形成することができる。
また、粒子部13aは、レーザ加工などにより導光体3の下面3a側に形成した凹部内にガラスフィラー等の透明粒子を入れた後、凹部内に導光体3の材料を充填して前記透明粒子を埋設することにより形成することもできる。
【0036】
面状発光装置1Fでは、光源2からの光を導入領域5の散乱部13で散乱させてその一部を面方向に向けることができる。また、散乱部13を通過した光を対向領域7の乱反射部9によって乱反射させて、その光の一部を面方向に向けることができる。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0037】
なお、面状発光装置1A〜1Fでは、散乱部8、13として凹凸部および粒子部を例示したが、散乱部の構成はこれに限らず、十分な光散乱および光透過性が得られれば、他の構成、例えば白色インク層で構成してもよい。
【0038】
図10は、本発明の面状発光装置の第7実施形態の平面図、図11は図10のA4−A4線断面図である。
ここに示す面状発光装置1Gは、導光体3に反射部12が形成されている点で、第1実施形態の面状発光装置1Aと異なる。
反射部12は、対向領域7よりも、導光方向X1とは異なる方向側、具体的には導光方向X1と反対の方向X2側に形成されている。
この方向X2は、導光体3の面方向のうち導光方向X1とは反対の方向(図10および図11における左方向)であり、以下、反導光方向X2という。
【0039】
図10に示すように、反射部12は、反導光方向X2に進んだ光を反射して導光方向X1に向けるためのもので、導光体3の上面3bに形成された所定深さのスリット状の溝である。
図示例の反射部12は断面矩形状とされた空間部である。反射部12の断面形状は特に限定されず、例えば断面V字状、断面U字状等であってもよい。
反射部12の導光方向X1側の内面12aは、上面3bに対し垂直であることが好ましい。内面12aは、反射部12内の空気と、これより屈折率が高い導光体3との間の界面となる。
反射部12は、溝状に限らず、導光体3を貫通するスリット状の貫通口であってもよい。
【0040】
図10に示すように、反射部12は平面視直線状に形成されている。図示例の反射部12は、導光体3の長さ方向(図10における左右方向)に対し垂直な方向に沿って形成され、その両端はそれぞれ導光体3の両側縁3e、3e近傍に達している。
反射部12は、公知の方法、例えばレーザ加工等により形成できる。
反射部12には、何も充填しなくてもよいが、導光体3の材料に比べ低屈折率の材料を充填してもよい。また、多層膜反射フィルタや金属フィルムを挿入してもよい。
【0041】
面状発光装置1Gでは、散乱部8で散乱(または乱反射部9で反射)して反導光方向X2に進んだ光を反射部12(主に内面12a)で反射させ、反射光(図10および図11に符号L2で示す)を導光方向X1に伝搬させることができる。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0042】
図12は、本発明の面状発光装置の第8実施形態の平面図である。
ここに示す面状発光装置1Hは、反射部が2つ形成されている点で、第7実施形態の面状発光装置1Gと異なる。その他の構成は面状発光装置1Gと同様である。
面状発光装置1Hは、対向領域7よりも反導光方向X2側(図12における左側)に、第1反射部22および第2反射部23が形成されている。
第1反射部22および第2反射部23の平面視形状は、導光体3の長さ方向(図12における左右方向)に対し垂直な直線状とされている。
第1反射部22および第2反射部23は、導光体3の長さ方向に間隔をおいて並列して形成されている。
なお、反射部は、2つだけでなく、3つ以上形成することができる。
【0043】
面状発光装置1Hでは、2つの反射部22、23を有するので、光が第1反射部22を透過した場合でも、この透過光を第2反射部23で反射することができ、反射光を導光方向X1に伝搬させることができる。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0044】
図13は、本発明の面状発光装置の第9実施形態の平面図である。
ここに示す面状発光装置1Iは、反射部22、23が平面視屈曲形状である点で、第8実施形態の面状発光装置1Hと異なる。その他の構成は面状発光装置1Hと同様である。
第1反射部22は、導光体3の長さ方向(図13における左右方向)に対し垂直な中央直線部22aと、その両端から側方(図13における上下方向)に向けて他端部3d側に傾斜しつつ延出する傾斜部22b、22cとを有する。
第2反射部23は、中央直線部23aと、その両端から延出する傾斜部23b、23cとを有する。中央直線部23aおよび傾斜部23b、23cはそれぞれ第1反射部22の中央直線部22aおよび傾斜部22b、22cに並列させて形成することができる。
【0045】
面状発光装置1Iでは、反射部22、23が、それぞれ傾斜部22b、22cおよび傾斜部23b、23cを有するので、散乱部8の散乱光および乱反射部9の反射光のうち、導光方向X1以外の方向に向かう光を効率よく導光方向X1に向かわせることができる。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0046】
図14は、本発明の面状発光装置の第10実施形態の平面図である。
ここに示す面状発光装置1Jは、反射部22、23の平面視形状がそれぞれ円弧形状である点で、第9実施形態の面状発光装置1Iと異なる。その他の構成は面状発光装置1Iと同様である。
第1反射部22および第2反射部23は、対向領域7(乱反射部9)および導入領域5(散乱部8)に対し、同心の円弧形状であることが好ましい。
面状発光装置1Jでは、反射部22、23が、円弧形状であるので、散乱部8の散乱光および乱反射部9の反射光のうち、導光方向X1以外の方向に向かう光を効率よく導光方向X1に向かわせることができる。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0047】
図15は、本発明の面状発光装置の第11実施形態の平面図である。
ここに示す面状発光装置1Kは、反射部22、23の平面視形状がそれぞれ鋸歯状である点で、第10実施形態の面状発光装置1Jと異なる。その他の構成は面状発光装置1Jと同様である。
第1反射部22は、互いに連結された複数の繰り返し単位22cからなる。繰り返し単位22cは、短い直線状の第1部分22aと、これに対し傾斜する短い直線状の第2部分22bとからなる。
第2反射部23は、互いに連結された複数の繰り返し単位23cからなる。繰り返し単位23cは、短い直線状の第1部分23aと、これに対し傾斜する短い直線状の第2部分23bとからなる。
第1反射部22および第2反射部23は、概略、対向領域7および乱反射部9の外周縁に沿って形成することができる。
【0048】
図16〜図18により鋸歯状の反射部22における光の反射について説明する。
図示例の反射部22の第1部分22aと第2部分22bとがなす角度は90°となっている。
図16に示すように、第1部分22aに対し入射角45°で当たった光(入射光17)は、反射して第2部分22bに向かう。例えば屈折率が1.5の導光体3を用いた場合、反射部22内の空気層に対する臨界角は約42°であるため、入射光17は第1部分22aで全反射する。
第2部分22bに向かった光は入射角45°で第2部分22bに当たり全反射する。反射光18の方向は入射光17の反対の方向となる。
【0049】
図17および図18は、入射光17の入射角が45°からずれた場合を示す。
図17に示すように、第1部分22aに対する入射角が小さい場合(この例では入射角35°)には、入射光17の一部(符号19)は第1部分22aを透過する。
図18に示すように、第1部分22aへの入射角が大きい場合(この例では入射角55°)には、入射光17は第1部分22aで反射した後、第2部分22bに向かうが、第2部分22bへの入射角が小さくなるため、一部(符号20)が第2部分22bを透過する。
【0050】
入射光17を第1部分22aおよび第2部分22bにより全反射させる条件は、導光体3の屈折率と、反射部22、23内の空気層との関係で決定することができる。例えば、導光体3が屈折率1.5の材料の場合、入射光17を全反射させることが可能な入射角は42°〜48°となる。
導光体3の屈折率が1.56の場合は、全反射が可能となる入射角の範囲は40°〜50°となる。
このため、導光体3の屈折率に応じて繰り返し単位22c、23cの広がり角度(例えば図15に示す乱反射部9の中心9aに対する角度α)を調整することにより多くの光を反射することができる。
例えば、屈折率が1.56の導光体3の場合には、繰り返し単位22c、23cの広がり角度を5〜10°とすることにより反射率を高めることができる。
【0051】
図19は、面状発光装置1Kの平面図であり、図20は、図19のA5−A5線断面図である。
図示例では、第1反射部22の繰り返し単位22cの広がり角度(図15参照)を5.625°とし、第2反射部23の繰り返し単位23cの広がり角度を11.25°とした。
第1反射部22に対し、臨界角よりも小さな角度で入射した散乱光21は、第1部分22aで一部が透過し、一部が反射する。反射した光は、第2部分22bに当たって反射し、反射光(符号L3で示す)は、導光体3の導光方向X1に向かって伝搬する。
一方、第1反射部22を透過した光は、第2反射部23で反射され、反射光(符号L4で示す)は導光体3の導光方向X1に向かって伝搬する。
【0052】
図21は、本発明の面状発光装置の第12実施形態である面状発光装置1Mの断面図である。図22は、面状発光装置1Mの主要部を示す模式図である。図23は、面状発光装置1Mの全体を模式的に示す側面図である。図24は、面状発光装置1Mの全体を模式的に示す斜視図である。
ここに示す面状発光装置1Mは、導入領域5に、散乱部8に代えてプリズム部28が形成されている点で図3および図4に示す第2実施形態の面状発光装置1Bと異なる。その他の構成は面状発光装置1Bと同様である。
【0053】
図22に示すように、プリズム部28は、1または複数のプリズム構造29からなる。プリズム構造29は、光の方向を変換する複数の光路変換面29a、29bを有する多面形の凹凸(凹状および/または凸状の構造)である。
図示例のプリズム構造29は、光源2に臨む下面3a(一方の面)の凹部であり、光路変換面29a、29bを有する断面V字形に形成されている。光路変換面29a、29bは、下面3aに対し傾斜している。なお、プリズム構造29は、光路変換面29a、29bを有する多面形の凸部であってもよい。
【0054】
プリズム構造29を構成する2つの光路変換面のうち、一方の光路変換面29aは図22の左方に向かって徐々に下降する方向に傾斜し、他方の光路変換面29bは図22の右方に向かって徐々に下降する方向に傾斜している。光路変換面29a、29bは一定角度で傾斜していることが望ましい。図示例のプリズム構造29の断面形状は、光路変換面29aの傾斜角度β1と光路変換面29bの傾斜角度β2が互いに等しいV字形(二等辺三角形)である。
【0055】
光路変換面29a、29bは、平滑に形成されていることが好ましい。光路変換面29a、29bの表面粗さ(算術平均粗さRa:JIS B0601−2001)は例えば、0.2μmRa未満(好ましくは0.1μmRa以下)とすることができる。光路変換面29a、29bを平滑に形成することによって、導光体3への入射光量を多くできる。光路変換面29a、29bは、平坦面でも曲面でもよいが、平坦面が好ましい。
【0056】
図23および図24に示すように、プリズム構造29の立体形状は、例えば溝状とすることができる。この例のプリズム部28は、複数の溝状のプリズム構造29が連なって形成された構成である。
具体的には、図24に示すように、プリズム構造29は、紙面手前の側縁3eから奥側に向けて直線的に延在する断面V字形の溝状とされており、同じ方向に延在する複数の溝状のプリズム構造29が図23の左右に並んでプリズム部28が構成されている。この例のプリズム構造29の光路変換面29a、29bは平坦面である。
【0057】
図22に示すように、光路変換面29a、29bでは、導入された光の一部を、光路の傾きを小さくして導光体3の面方向に導くことができる。図示例の光路変換面29a、29bでは、出射光L5より傾き(下面3aに対する傾き)が小さい導入光(入射光L6)が得られる。例えば、入射光L61は、出射光L51に比べ傾斜角度(下面3aに対する傾斜角度)が小さくなる。
入射光L6の方向は、光路変換面29a、29bの傾斜方向に応じた方向となる。光路変換面29a、29bの傾斜方向は、入射光L6を向けるべき方向に応じて設定できる。
プリズム部28は、散乱面等に比べて表面反射を低減できるため、導光体3内への入射光量を多くできる。
【0058】
光路変換面29a、29bの下面3aに対する傾斜角度β1、β2は20〜60°が好ましい。特に、20〜40°とすると、損失を小さくできる。
傾斜角度β1、β2は、小さすぎても大きすぎても導光体3への入射光量が少なくなるが、傾斜角度β1、β2を上記範囲とすることによって、導光体3への入射光量を多くできるため、損失を抑えて光学特性を良好にできる。
【0059】
プリズム構造29の下面3aからの深さは、例えば0.01mm以上(好ましくは0.02mm以上)とすることができる。プリズム構造29の深さは例えば0.1mm以下とすることができる。プリズム構造29の深さは、例えば導光体3の厚さの50%以下とすることができる。
プリズム構造の断面形状は図示例に限らず、台形、五角形等の多角形であってもよい。断面が台形の場合にはプリズム構造は3つの光路変換面を有する多面形となり、断面が五角形の場合にはプリズム構造は4つの光路変換面からなる多面形となる。
【0060】
プリズム部28の形成方法は、特に限定されないが、レーザー加工などを採用できる。また、紫外線硬化型樹脂等により導光体3を作製するにあたり、凹凸部分を有する型の転写によってプリズム構造29を形成することもできる。
【0061】
図22に示すように、光源2からの出射光L5は、プリズム部28の光路変換面29a、29bで出射光L5とは異なる方向の入射光L6となって、その一部は面方向(例えば導光方向X1)に伝搬する。
対向領域7に達した光は反射膜10で導光体3内部に向けて反射し(反射光L7)、その一部は面方向に導かれる。また、反射光の一部はプリズム部28において反射して面方向に導かれる。
図23および図24に示すように、導光体3内を伝搬して一端部3cおよび他端部3dに達した光Lは、端部3c、3dから出射する。
【0062】
なお、プリズム構造29の形状は図示例に限定されない。例えば、溝状のプリズム構造29の平面視形状は直線状に限らず、1または複数の屈曲部を有していてもよいし、曲線状であってもよい。例えば、ジグザグ状に屈曲した平面視形状をもつ溝状のプリズム構造29を採用してもよいし、平面視したときに同心円をなす複数の環状溝であるプリズム構造29によってプリズム部28を構成してもよい。
また、プリズム構造29の立体形状は溝状に限らず、例えば多角錐形、多角錐台形等としてもよい。
【0063】
図25は、面状発光装置1Mを用いたシートスイッチモジュールの一例であり、このシートスイッチモジュールは、スイッチ素子46を有するシートスイッチ41と、面状発光装置1Mとを有する。
このシートスイッチモジュールでは、導光体3内を伝搬する光Lの一部は導光体3に形成された光取出部30から上面3b側に取り出される(光L8)。
【0064】
面状発光装置1Mは、導入領域5に、光路変換面29a、29bを有するプリズム部28が形成されているので、導光体3への入射時における損失を抑えることができる。従って、導光体3を薄型化した場合でも十分量の光を導光体3の面方向に伝搬させることが可能となる。
また、光路変換面29a、29bの形成方向等の設定によって光の伝搬方向を選択できるため、設計の自由度を高めることができる。
【0065】
図22等に示すプリズム構造29は、光路変換面29aの傾斜角度β1と光路変換面29bの傾斜角度β2が互いに等しいV字形(二等辺三角形)の断面形状を有するが、傾斜角度β1、β2はこれに限定されない。
例えば、図27に示すように、光路変換面29aの傾斜角度β1を光路変換面29bの傾斜角度β2より大きく設定してもよい。また、図28に示すように、光路変換面29aを下面3aにほぼ垂直(傾斜角度β1は約90°)としてもよい。
図27に示す構造のプリズム部28では、2つの光路変換面のうち光路変換面29bに照射される光の量がより多くなるため、図22に示す角度β1、β2が等しい形状のプリズム部28に比べ、図27における右方向に伝搬する光の量が多くなると考えられる。また、図28に示す構造のプリズム部28では、右方向に伝搬する光の量をさらに多くできると考えられる。
このように、面状発光装置1Mでは、光路変換面29a、29bの傾斜角度等の設定によって、光を所望の方向に向けることができるため、目的に応じた光学特性が得られるという利点がある。
【0066】
図29は、本発明の面状発光装置の第13実施形態である面状発光装置1Nの断面図である。
ここに示す面状発光装置1Nは、導入領域5にプリズム部28が形成され、対向領域7に散乱部8が形成されている点で図1および図2に示す第1実施形態の面状発光装置1Aと異なる。その他の構成は面状発光装置1Aと同様である。
【実施例】
【0067】
以下、光の損失抑制効果を確認する試験の結果を説明する。
(実施例1)
図19および図20に示す面状発光装置1Kを次のようにして作製した。
屈折率1.5のウレタンフィルムからなる導光体3(長さ50mm、幅10mm、厚さ0.2mm)の下面3aの導光領域5に粗面化により散乱部8を形成し、導光体3の上面3bの対向領域7に粗面化により乱反射部9を形成した。散乱部8と乱反射部9の表面粗さ(算術平均粗さRa:JIS B0601−2001)はそれぞれ0.5μmRaとした。反射部22、23の溝幅は0.1mmとした。
【0068】
図30に示す面状発光装置1Kについて、導光体3の他端部3dに到達した光量を測定した。結果を表1に示す。
面状発光装置1Kに反射膜10(図4参照)を加えた構成の面状発光装置についても同様の測定を行った。
反射膜10としては、粘着剤付き反射シート(アルミニウムシート)を使用した。
【0069】
(実施例2)
図31に示すように、第1反射部22および第2反射部23を形成しないこと以外は実施例1と同様の構成とされた面状発光装置1Lを作製し、導光体3の他端部3dに到達した光量を測定した。結果を表1に示す。
また、面状発光装置1Lに反射膜10を加えた構成の面状発光装置についても同様の測定を行った。
【0070】
【表1】
【0071】
表1に示すように、第1反射部22および第2反射部23を形成した実施例1では、形成しない実施例2に比べて光量が約20〜30%増加している。
また、いずれの実施例においても、反射膜10を設けた場合には光量が増加したことが確認された。
【0072】
(実施例3)
図21〜図24に示す面状発光装置1M(対向領域7には反射膜10を形成)について、プリズム構造29の光路変換面29a、29bの傾斜角度β1、β2を表2に示す値として、導光体3の他端部3dに到達した光量を求めるシミュレーションを行った。
ポリウレタンからなる導光体3(長さ50mm、幅10mm、厚さ0.2mm)(屈折率1.49)の長手方向の中央に、短手方向に沿って導光体3の全幅にわたるプリズム部28を形成することを想定した。プリズム部28の形成領域は、光源2に対面する部分領域(対面部分6)を含む領域とした。
プリズム部28は、複数の溝状のプリズム構造29が連なった構造とした(図24参照)。プリズム構造29の断面形状は光路変換面29a傾斜角度β1と光路変換面29bの傾斜角度β2が互いに等しいV字形(二等辺三角形)とした。1つのプリズム構造29の幅(溝幅)は0.1mmとし、プリズム部28の全幅は2mmとした。
反射膜10は、平面視においてプリズム部28と一致する領域に形成した。反射膜10の反射率は100%とした。
結果を表2および図32に示す。表2には「反射加工」と表示した。
【0073】
(実施例4)
図29に示す面状発光装置1N(対向領域7には反射膜10に代えて散乱部8(0.5μmRa)を形成)について、実施例3と同様のシミュレーションを行った。その他の条件は実施例3と同様とした。結果を表2および図32に示す。表2には「散乱加工」と表示した。
【0074】
(実施例5)
対向領域7には何も加工を施さないこと以外は実施例3と同様の面状発光装置について、実施例3と同様のシミュレーションを行った。その他の条件は実施例3と同様とした。結果を表2および図32に示す。表2には「加工なし」と表示した。
【0075】
【表2】
【0076】
表2および図32に示すように、光路変換面29a、29bの傾斜角度β1、β2は20〜60°が好ましく、特に20〜40°が好ましい。
なかでも、対向領域7に反射加工(反射膜10)を施し、光路変換面29a、29bの傾斜角度β1、β2を20〜60°とした実施例3では優れた光学特性が得られた。
対向領域7に散乱加工(散乱部8)を施す場合には、傾斜角度β1、β2は20〜40°としたときに光学特性が良好になった。また、対向領域7に散乱加工(散乱部8)を施す場合には、導入領域5にプリズム加工(プリズム部28)がない場合でも良好な光学特性が得られた。
【0077】
(実施例6)
図25に示すように、本発明の構造を採用した面状発光装置1Mを用いたシートスイッチモジュールを作製した。同心円をなす複数の環状溝であるプリズム構造29からなるプリズム部28(直径2mm)を、光源2(発光面2aの寸法は1.1mm×0.8mm)に対面する部分を含む領域に形成した。
図33は、実施例6の面状発光装置1Mの輝度分布を示す写真であり、(a)はプリズム部28が形成された導入領域5の中央に相当する位置に光源2が設置されている場合の輝度分布である。(b)は導光体3の位置が(a)に比べ右(面方向)に0.2mmずれた場合の輝度分布である。
図33より、導光体3の位置ずれが生じた場合においても輝度の変化はほとんどないことがわかる。
【0078】
(比較例1)
図26に示すように、従来構造の面状発光装置を用いたシートスイッチモジュールを作製した。このシートスイッチモジュールに用いた面状発光装置は、プリズム部28が形成されていない点、および光源2が導光体3の端部(図26における導光体3の上端部付近)の端面に対面して設けられている点で、実施例6で用いた面状発光装置1Mと異なる。
【0079】
図34は、比較例1の面状発光装置の輝度分布を示す写真であり、(a)は光源2が導光体3の端部から標準的な距離をおいて設置されている場合の輝度分布である。(b)は導光体3の位置が(a)に比べて光源2に0.2mm接近する方向(図34の上方)にずれた場合の輝度分布である。
図34より、導光体3の位置ずれが生じた場合には、輝度が大きく変化したことがわかる。
【0080】
実施例6および比較例1の結果より、本発明の構造を採用した実施例6では、導光体と光源の相対位置のずれが生じた場合でも光学特性への影響が小さくなることがわかる。
【0081】
図35は、本発明のシートスイッチモジュールの一実施形態を示す断面図である。
ここに示すシートスイッチモジュールは、面状発光装置1A〜1Nのいずれかと、この面状発光装置の導光体3の下面3a側に設けられたシートスイッチ31とを備えている。
【0082】
シートスイッチ31は、基板32の上面32a(一方の面)に、複数の中央接点部33と、各中央接点部33を囲む環状接点部35と、各接点部33、35を覆うドーム形状のメタルプレート34が設けられ、これらの上に、前記面状発光装置の導光体3が設けられている。
基板32としては、PCB(Printed Circuit Board)、FPC(Flexible Printed Circuit)などのプリント配線基板を使用できる。
メタルプレート34は、操作者による押圧によって中央部が下方に変形して中央接点部33に当接し、中央接点部33と環状接点部35とを導通させることができる。
中央接点部33と、これを囲む環状接点部35と、メタルプレート34とは、感圧型のスイッチ素子36を構成している。
なお、シートスイッチ31は導光体3の上面3b側に設けることもできる。
【0083】
このシートスイッチモジュールでは、導光体3として、上述した面状発光装置1A〜1Iの導光体3が用いられる。
面状発光装置1A〜1Iでは、損失を増大させることなく導光体3を薄型にできることから、このシートスイッチモジュールでは、スイッチ素子36面と対向した面から照光することができ、かつ薄型化が可能となる。
【符号の説明】
【0084】
1A〜1N・・・面状発光装置、2・・・光源、3・・・導光体、3a・・・下面(一方の面)、3b・・・上面(他方の面)、5・・・導入領域、7・・・対向領域、8・・・散乱部、9・・・乱反射部、10・・・反射膜、11・・・散乱層、12・・・反射部、22・・・第1反射部、23・・・第2反射部、31・・・シートスイッチ、X1・・・導光方向(面方向、特定の方向)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等の操作ボタン、キーボタン等に好適に用いられる面状発光装置およびシートスイッチモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話等には、キーボタン部等を明るく表示する照明機能を有するシートスイッチモジュールが用いられている(特許文献1を参照)。
図36は、特許文献1に開示されたシートスイッチモジュールを示すもので、このシートスイッチモジュールは、面状発光装置110と、シートスイッチ120とを備えている。
面状発光装置110は、基板112上に設けられた側面発光型の発光素子(LEDなど)からなる光源113と、光源113の上面側に設けられたシート状の導光体115とを備えている。
シートスイッチ120は、基板112上に設けられた固定接点111と、これを囲んで設けられたドーム型の可動接点114と、その上面に形成されたシート材117とを備えている。
面状発光装置110の導光体115は、シート材117の上面側に設けられている。導光体115の端部には、端面115aに向かって徐々に厚みを増す立上がり部115bが形成されている。
【0003】
このシートスイッチモジュールでは、導光体115を押圧し可動接点114を下方に変形させることによって、可動接点114を固定接点111に接触させ、これらを導通させることができる。
光源113からの光は、端面115aから立上がり部115bに入射して導光体115内を面方向に伝搬し、その一部は導光体115表面の凹凸等(光取出部)(図示略)から外部に漏出する。これによって、キーボタン部等を明るく表示することができる。
【0004】
図37および図38は、液晶表示装置のバックライト等に用いられる発光装置を示している。
この発光装置は、板状の導光体121と、導光体121の下面側に設けられた上面発光型の発光素子(LED等)からなる光源122とを備えている(特許文献2を参照)。導光体121は、十分な剛性をもたせるため厚く形成されている。
図38に示すように、導光体121端縁部の上面は、断面円弧状の反射部124となっている。光源122からの光は、下面121aから導光体121に入射した後、反射部124で反射して導光体121の面方向(図38における右方)に導かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−53063号公報
【特許文献2】特許第4134222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年では、機器の薄型化が要望されており、シートスイッチモジュールにおいても、より薄い導光体を使用することが検討されている。
しかしながら、図36に示すシートスイッチモジュールでは、導光体115を薄型化すると光の結合効率が低下しやすく、損失が大きくなるという問題があった。
【0007】
図37および図38に示す発光装置では、光源122として上面発光型の発光素子を用いるため、導光体の端面に対する位置合わせの問題はないが、次に示すように、導光体121を薄型化すると光の損失が大きくなるという問題があった。
図39は、反射部124がない部分の導光体121に入射した光について説明する図である。
導光体121をアクリル樹脂(屈折率:1.5)によって形成した場合、入射角45°で導光体121に入射した光は、スネルの法則に従って、約28°で屈折する。導光体121と空気(屈折率:1)との界面での臨界角は約42°であるから、この光は導光体121を上面側に通過してしまう。
図40に示すように、光は反射部124に当たれば面方向に導かれるが、式(1)に示すように、反射部124の面積は導光体121の厚さに比例するため、導光体121を薄型化すると、反射部124に達する光量が少なくなり、面方向に導かれる光量は少なくなってしまう。
反射部124の面積=π×t×W/2 ・・・(1)
式(1)において、tは導光体121の厚さ、Wは導光体121の奥行き(図40における紙面奥行き)である(反射部124の断面形状は4分円形と想定している)。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、導光体を薄型化した場合でも、光の損失を抑え、目的とする方向に十分量の光を伝搬させ得る面状発光装置およびシートスイッチモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の面状発光装置は、光源と、前記光源からの光が一方の面から導入されて面方向に導かれるシート状の導光体とを備え、前記導光体の前記光の導入領域に、前記光の一部を前記導光体の面方向に散乱させる散乱部が形成され、前記導光体の他方の面における、前記導入領域に対向する対向領域に、前記光を前記導光体内に反射させる反射手段が形成されている面状発光装置である。
前記反射手段は、前記光を乱反射させる乱反射部、または前記光を前記導光体内に全反射させる反射膜であることが好ましい。
前記対向領域には、前記光の一部を前記導光体の面方向に散乱させる散乱層を形成することができる。
前記導光体には、前記散乱部または前記反射手段で散乱または反射した前記導光体内の光の一部を、反射により前記面方向のうち特定の方向に向ける1または2以上のスリット状の反射部を形成することができる。
前記2以上の反射部は、互いに間隔をおいて並列して形成することができる。
本発明の面状発光装置は、光源と、前記光源からの光が一方の面から導入されて面方向に導かれるシート状の導光体とを備え、前記導光体の前記光の導入領域に、光路変換面を有する多面形の凹凸であるプリズム構造を備えたプリズム部が形成され、前記光路変換面は、前記導入された光の一部を、光路の傾きを小さくして前記導光体の面方向に導くことができ、前記導光体の他方の面には、前記導入領域に対向する対向領域に、前記光を前記導光体内に反射させる反射手段が形成されている構成としてもよい。
本発明のシートスイッチモジュールは、前記面状発光装置と、シートスイッチとを有するシートスイッチモジュールである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の面状発光装置によれば、光源からの光を散乱部および反射手段で散乱させ、その一部を面方向に向けることができる。
従って、導光体を薄型化しても、光の損失を抑制することができ、十分量の光を導光体の面方向に伝搬させることが可能となる。
本発明のシートスイッチモジュールによれば、前記面状発光装置が用いられるため、スイッチ素子面と対向した面から照光することができ、かつ薄型化が可能となる。
また、光源が導光体の一方の面に対面して設置されるため、光源を導光体の端部に設置する場合に比べ、導光体と光源との相対位置のずれが生じた場合でも入射光量の変動を防ぎ、光学特性への悪影響を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の面状発光装置の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】前図におけるA1−A1線断面図である。
【図3】本発明の面状発光装置の第2実施形態を示す下面図である。
【図4】前図におけるA2−A2線断面図である。
【図5】本発明の面状発光装置の第3実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明の面状発光装置の第4実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明の面状発光装置の第5実施形態を示す平面図である。
【図8】本発明の面状発光装置の第6実施形態を示す平面図である。
【図9】前図のA3−A3線断面図である。
【図10】本発明の面状発光装置の第7実施形態を示す平面図である。
【図11】前図のA4−A4線断面図である。
【図12】本発明の面状発光装置の第8実施形態を示す平面図である。
【図13】本発明の面状発光装置の第9実施形態を示す平面図である。
【図14】本発明の面状発光装置の第10実施形態を示す平面図である。
【図15】本発明の面状発光装置の第11実施形態を示す平面図である。
【図16】鋸歯状の反射部における光の挙動を説明する平面図である。
【図17】鋸歯状の反射部における光の挙動を説明する平面図である。
【図18】鋸歯状の反射部における光の挙動を説明する平面図である。
【図19】第11実施形態の面状発光装置における光の挙動を示す平面図である。
【図20】前図のA5−A5線断面図である。
【図21】本発明の面状発光装置の第12実施形態を示す断面図である。
【図22】図21の面状発光装置の主要部での光の挙動を説明する模式図である。
【図23】図21の面状発光装置の全体を模式的に示す側面図である。
【図24】図21の面状発光装置の全体を模式的に示す斜視図である。
【図25】図21の面状発光装置を用いたシートスイッチモジュールの一例を示す模式図である。
【図26】シートスイッチモジュールの従来例を示す模式図である。
【図27】プリズム部の他の例を示す模式図である。
【図28】プリズム部のさらに他の例を示す模式図である。
【図29】本発明の面状発光装置の第13実施形態を示す断面図である。
【図30】試験に用いた面状発光装置を示す平面図である。
【図31】試験に用いた面状発光装置を示す平面図である。
【図32】シミュレーション結果を示すグラフである。
【図33】面状発光装置の輝度分布を示す平面図である。
【図34】面状発光装置の輝度分布を示す平面図である。
【図35】本発明のシートスイッチモジュールの一実施形態を示す断面図である。
【図36】従来のシートスイッチモジュールの一例を示す断面図である。
【図37】従来のバックライト用の発光装置を示す斜視図である。
【図38】従来のバックライト用の発光装置を示す断面図である。
【図39】面状発光装置における光の挙動を説明する説明図である。
【図40】面状発光装置における別の部位での光の挙動を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の面状発光装置の実施形態について説明する。
図1は、本発明の面状発光装置の第1実施形態の平面図(上面図)であり、図2は、図1のA1−A1線断面図である。ここに示す面状発光装置1Aは、光源2と、光源2からの光が導入される導光体3とを備えている。
【0012】
図1および図2に示すように、導光体3は、シート状(または板状)に形成することができる。図示例の導光体3は平面視矩形状(長方形状)とされている。
導光体3は、透明な光透過性樹脂からなり、可撓性を有することが好ましい。
光透過性樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のエラストマー、ウレタンアクリレート等を用いることができる。
光透過性樹脂としては、紫外線硬化型樹脂(アクリル樹脂、ウレタン樹脂等)を使用してもよい。
導光体3の厚さは、例えば0.1〜1mm(好ましくは0.1〜0.2mm)とすることができる。
【0013】
光源2としては、発光ダイオード(以下、LEDという)(発光素子)を使用できる。
本実施形態では、光源2として、上面発光型のLED(例えば白色LED)が用いられている。
光源2は、配線基板(図示略)に実装された状態で導光体3の下面3a側に配置することができる。光源2は、光を下面3aから導光体3に入射させることができるように設置される。
図示例では、光源2は、導光体3の長さ方向(図1における左右方向)において中央部よりも一端部3c(図1における左端部)に近い位置に設けられている。
なお、光源2として使用される発光素子は、LEDに限らず、冷陰極管などでもよい。
【0014】
図2に示すように、導光体3は、光源2からの光が導入される導入領域5と、導入領域5に対向する対向領域7とを有している。
導入領域5は、導光体3の一方の面である下面3aにおける光源2に臨んだ領域である。
図1に示すように、導入領域5とは、少なくとも光源2に対面する部分領域(対面部分6)を含む下面3aの一部領域である。導入領域5は、対面部分6のみからなる領域であってもよいし、対面部分6を含みかつ対面部分6より広い領域であってもよい。なお、対面部分6は、平面視したときに光源2の発光面2aに一致する下面3aの部分領域である。
図示例では、導入領域5は光源2に対面する部分領域(対面部分6)を含んで形成されており、その平面視形状は、光源2の中央部を中心とした円形とされ、その面積は光源2の面積(対面部分6の面積)よりも大きくされている。
【0015】
図1および図2に示すように、対向領域7(他方面側領域)は、導光体3の他方の面である上面3bの一部領域であり、上面3bにおける導入領域5と対向した領域である。
対向領域7とは、平面視したときに対面部分6に一致する部分領域(光源部分4)を含む上面3bの一部領域である。対向領域7は、光源部分4のみからなる領域であってもよいし、光源部分4を含みかつ光源部分4より広い領域であってもよい。
対向領域7は、導入領域5に対する位置関係については、平面視したときに導入領域5と一致する領域であることが好ましいが、導入領域5より小さい領域、または導入領域5を含みかつ導入領域5より広い領域であってもよい。
【0016】
図示例の対向領域7は、平面視したときに対面部分6(光源部分4)を含むように形成されており(図1参照)、その平面視形状は、光源2の中央部を中心とした円形とされ、その面積は光源2の面積(対面部分6の面積)よりも大きくされている。図示例の対向領域7は、導入領域5とほぼ同じ直径の円形とされている。
なお、導入領域5および対向領域7の平面視形状および大きさは図示例に限定されない。例えば、導入領域5および対向領域7の平面視形状は、円形に限らず、多角形(矩形等)、楕円形、その他、任意の形状としてよい。
【0017】
図1および図2に示すように、導入領域5には散乱部8が形成されている。
散乱部8は、光源2からの光を散乱させるものであって、例えば導光体3の下面3aを粗面化することにより形成された微小の凹凸部によって構成することができる。
散乱部8は、導入領域5の全面にわたって形成することができる。
【0018】
散乱部8は、ある程度の光透過性が確保されることが好ましい。
散乱部8は、例えば表面粗さ(算術平均粗さRa:JIS B0601−2001)が0.2〜0.8μmRaとなるよう形成するのが好ましい。表面粗さをこの範囲とすることによって、光の損失を抑え、かつ十分な光散乱を得ることができる。
散乱部8は、導入領域5へのサンドブラスト加工やレーザ加工により形成してもよいし、シボ加工、すなわち導光体3を成型する金型に微小な凹凸部を形成しておき、これを転写する方法により形成することもできる。
また、マット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、パッド印刷などを用いて、インクからなる凸部を形成することで前記凹凸部を形成することもできる。
【0019】
図2に示すように、散乱部8においては、凹凸部における光の散乱により、一部の光の進行角度(導光体3に対し垂直な方向に対する角度)が、導光体3の臨界角よりも大きな角度となる。
進行角度が臨界角よりも大きな角度となった光(図1および図2に符号Lで示す)は、導光体3の外面(上面3b、下面3a、側縁3e等)で全反射しつつ導光体3内を面方向に伝搬する。
【0020】
符号X1は、面方向のうち、他端部3dに近づく方向(以下、導光方向X1という)である。
導光方向X1は他端部3dに近づく方向の総称であり、必ずしも導光体3の他端方向(図1および図2において右方)のみを意味するものではなく、例えば図1および図2において導光体3の上面3b、下面3a、側縁3e等に反射しつつ他端部3dに近づく光Lの方向はすべて導光方向X1に該当する。
なお、本実施形態では特定の方向(導光方向X1)に光を向けることを想定しているが、本発明では、散乱部により光を向けるべき方向は前記特定方向に限らず、面方向の全方向であってもよい。
【0021】
図1および図2に示すように、対向領域7には、乱反射部9が形成されている。
乱反射部9は、光源2からの光を主として導光体3内に反射させ、反射された光がランダムな方向成分を生成することを目的とする部位であって、例えば導光体3の上面3bを粗面化することにより形成された微小の凹凸部によって構成することができる。乱反射部9は、対向領域7の全面にわたって形成することができる。
【0022】
乱反射部9は、例えば表面粗さ(算術平均粗さRa:JIS B0601−2001)が0.2〜0.8μmRaとなるよう形成するのが好ましい。表面粗さをこの範囲とすることによって、光の損失を抑え、かつ十分な光散乱を得ることができる。
乱反射部9は、対向領域7へのサンドブラスト加工やレーザ加工により形成してもよいし、シボ加工、すなわち導光体3を成型する金型に微小な凹凸部を形成しておき、これを転写する方法により形成することもできる。
また、マット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、パッド印刷などを用いて、インクからなる凸部を形成することで前記凹凸部を形成することもできる。
【0023】
乱反射部9では、光をランダムな方向に反射させるものであるので、散乱部8を経ても進行角度(導光体3に対し垂直な方向に対する角度)が臨界角よりも小さな角度となっている光は、乱反射部9で反射する際にランダムな方向に反射し、その一部は導光体3の臨界角よりも大きな進行角度となって導光体3内を導光方向X1に進む。
【0024】
このように、面状発光装置1Aによれば、光源2からの光を導入領域5の散乱部8で散乱させ、その一部を面方向に向けることができる。
さらに、散乱部8を通過した光を対向領域7の乱反射部9によって乱反射させ、その一部を面方向に向けることができる。
従って、導光体3を薄型化しても、光の損失を抑制することができ、十分量の光を導光体3の面方向に伝搬させることが可能となる。
【0025】
導光体3内を面方向(導光方向X1)に進行した光は、導光体3表面の凹凸等(光取出部)(図示略)から外部に漏出させることができる。
このため、面状発光装置1Aを携帯電話等に用いられるシートスイッチモジュールに採用すれば、目的とする構成(キーボタン部等)を明るく表示することが可能となる。
【0026】
また、面状発光装置1Aでは、光源2が導光体3の下面3aに対面して設置されるため、光源2を導光体3の端部に設置する場合に比べ、導光体3と光源2の相対位置のずれが生じた場合でも入射光量の変動を防ぎ、光学特性への悪影響を小さくできる。
なお、面状発光装置1Aでは、対向領域7に、乱反射部9に代えて上述の散乱部8を形成することもできる。
【0027】
図3は、本発明の面状発光装置の第2実施形態の平面図であり、図4は、図3のA2−A2線断面図である。
ここに示す面状発光装置1Bは、対向領域7に、乱反射部9に代えて反射膜10を形成した点で、第1実施形態の面状発光装置1Aと異なる。
以下の説明において、既出の構成については同一符号を付して説明を省略することがある。
【0028】
反射膜10は、光源2からの光を導光体3内部に反射(好ましくは全反射)できるものであって、粘着剤付きアルミニウムシート等の金属シート、ミラーインク、あるいは多層膜光学フィルタ等により形成することができる。反射膜10は、光反射テープであってもよいし、PETなどの樹脂からなるテープ材または板材であってもよい。反射膜10は、導光体3表面に容易に形成でき、任意の厚さの導光体3に適用可能であるため、モジュールの薄型化には好適である。
反射膜10は、対向領域7の全体を覆うように形成されている。反射膜10の平面視形状は特に限定されず、例えば円形、楕円形、多角形(矩形等)とすることができる。
反射膜10は、光源部分4を含みかつ光源部分4よりも広い領域に形成することによって、導光体3に対する光源2の位置合わせが容易となり、導光体3の端面から光を入射させる場合に比べて、導光体3と光源2の相対位置のずれによる光学特性の低下が起こりにくくなる(図3等を参照)。
【0029】
面状発光装置1Bでは、対向領域7に達した光は反射膜10で導光体3内部に向けて反射し、その一部は面方向に向かう。また、反射光の一部は散乱部8において散乱して面方向に向かう。
従って、導光体3を薄型化しても、光の損失を抑制し、十分量の光を導光体3の面方向に伝搬させることが可能となる。
【0030】
図5は、本発明の面状発光装置の第3実施形態の断面図である。
ここに示す面状発光装置1Cは、対向領域7に反射膜10を形成した点で、第1実施形態の面状発光装置1Aと異なる。
面状発光装置1Cでは、対向領域7に達した光は反射膜10で反射して導光体3内部に向かい、乱反射部9で乱反射し、その一部は面方向に向かう。
また、散乱部8に達した反射光は散乱部8において散乱し、その一部は面方向に向かう。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0031】
図6は、本発明の面状発光装置の第4実施形態の断面図である。
ここに示す面状発光装置1Dは、対向領域7の乱反射部9の表面に、白色インク層からなる散乱層11が形成されている点で、第1実施形態の面状発光装置1Aと異なる。
白色インクとしては、例えば顔料として酸化チタンを用いたインクが好ましく、散乱層11は印刷などにより形成することができる。散乱層11は、対向領域7の全面にわたって形成することができる。
【0032】
散乱層11は、光を散乱させつつ反射するため、進行角度(導光体3に対し垂直な方向に対する角度)が臨界角よりも小さな角度となっている光は、この散乱層11で反射する際に散乱し、その一部は導光体3の臨界角よりも大きな進行角度となって導光体3内を導光方向X1に進む。
また、散乱層11で反射した光の一部は、乱反射部9で乱反射し、その一部は面方向に向かう。
また、散乱層11からの反射光のうち散乱部8に達した光は散乱部8において散乱し、その一部は面方向に向かう。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0033】
図7は、本発明の面状発光装置の第5実施形態の断面図である。
ここに示す面状発光装置1Eでは、対向領域7に散乱層11を形成し、その上に反射膜10を積層した点で、第2実施形態の面状発光装置1Bと異なる。
反射膜10は、散乱層11の全体を覆うように形成されている。
面状発光装置1Eでは、散乱層11を透過した光を反射膜10で反射させ、反射光を散乱層11で散乱させ、その一部を面方向に向けることができる。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0034】
図8は、本発明の面状発光装置の第6実施形態の下面図であり、図9は、図8のA3−A3線断面図である。
ここに示す面状発光装置1Fは、導入領域5に形成される散乱部13が、導光体3の内部に形成された多数の粒子部13aから構成されている点で、第1実施形態の面状発光装置1Aと異なる。
粒子部13aは、例えば導光体3の屈折率とは異なる屈折率を有する透明粒子からなり、導光体3の下面3aから所定の深さ領域に分散状態で形成されている。
粒子部13aは、例えば導光体3内に形成された気泡(空気)とすることができる。粒子部13aは、ガラス、樹脂等の透明材料からなる粒子であってもよい。
【0035】
粒子部13aは、例えばレーザ光の局所的な照射による加熱によって導光体3の所定の深さ領域に気泡を生じさせることによって形成することができる。
また、粒子部13aは、レーザ加工などにより導光体3の下面3a側に形成した凹部内にガラスフィラー等の透明粒子を入れた後、凹部内に導光体3の材料を充填して前記透明粒子を埋設することにより形成することもできる。
【0036】
面状発光装置1Fでは、光源2からの光を導入領域5の散乱部13で散乱させてその一部を面方向に向けることができる。また、散乱部13を通過した光を対向領域7の乱反射部9によって乱反射させて、その光の一部を面方向に向けることができる。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0037】
なお、面状発光装置1A〜1Fでは、散乱部8、13として凹凸部および粒子部を例示したが、散乱部の構成はこれに限らず、十分な光散乱および光透過性が得られれば、他の構成、例えば白色インク層で構成してもよい。
【0038】
図10は、本発明の面状発光装置の第7実施形態の平面図、図11は図10のA4−A4線断面図である。
ここに示す面状発光装置1Gは、導光体3に反射部12が形成されている点で、第1実施形態の面状発光装置1Aと異なる。
反射部12は、対向領域7よりも、導光方向X1とは異なる方向側、具体的には導光方向X1と反対の方向X2側に形成されている。
この方向X2は、導光体3の面方向のうち導光方向X1とは反対の方向(図10および図11における左方向)であり、以下、反導光方向X2という。
【0039】
図10に示すように、反射部12は、反導光方向X2に進んだ光を反射して導光方向X1に向けるためのもので、導光体3の上面3bに形成された所定深さのスリット状の溝である。
図示例の反射部12は断面矩形状とされた空間部である。反射部12の断面形状は特に限定されず、例えば断面V字状、断面U字状等であってもよい。
反射部12の導光方向X1側の内面12aは、上面3bに対し垂直であることが好ましい。内面12aは、反射部12内の空気と、これより屈折率が高い導光体3との間の界面となる。
反射部12は、溝状に限らず、導光体3を貫通するスリット状の貫通口であってもよい。
【0040】
図10に示すように、反射部12は平面視直線状に形成されている。図示例の反射部12は、導光体3の長さ方向(図10における左右方向)に対し垂直な方向に沿って形成され、その両端はそれぞれ導光体3の両側縁3e、3e近傍に達している。
反射部12は、公知の方法、例えばレーザ加工等により形成できる。
反射部12には、何も充填しなくてもよいが、導光体3の材料に比べ低屈折率の材料を充填してもよい。また、多層膜反射フィルタや金属フィルムを挿入してもよい。
【0041】
面状発光装置1Gでは、散乱部8で散乱(または乱反射部9で反射)して反導光方向X2に進んだ光を反射部12(主に内面12a)で反射させ、反射光(図10および図11に符号L2で示す)を導光方向X1に伝搬させることができる。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0042】
図12は、本発明の面状発光装置の第8実施形態の平面図である。
ここに示す面状発光装置1Hは、反射部が2つ形成されている点で、第7実施形態の面状発光装置1Gと異なる。その他の構成は面状発光装置1Gと同様である。
面状発光装置1Hは、対向領域7よりも反導光方向X2側(図12における左側)に、第1反射部22および第2反射部23が形成されている。
第1反射部22および第2反射部23の平面視形状は、導光体3の長さ方向(図12における左右方向)に対し垂直な直線状とされている。
第1反射部22および第2反射部23は、導光体3の長さ方向に間隔をおいて並列して形成されている。
なお、反射部は、2つだけでなく、3つ以上形成することができる。
【0043】
面状発光装置1Hでは、2つの反射部22、23を有するので、光が第1反射部22を透過した場合でも、この透過光を第2反射部23で反射することができ、反射光を導光方向X1に伝搬させることができる。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0044】
図13は、本発明の面状発光装置の第9実施形態の平面図である。
ここに示す面状発光装置1Iは、反射部22、23が平面視屈曲形状である点で、第8実施形態の面状発光装置1Hと異なる。その他の構成は面状発光装置1Hと同様である。
第1反射部22は、導光体3の長さ方向(図13における左右方向)に対し垂直な中央直線部22aと、その両端から側方(図13における上下方向)に向けて他端部3d側に傾斜しつつ延出する傾斜部22b、22cとを有する。
第2反射部23は、中央直線部23aと、その両端から延出する傾斜部23b、23cとを有する。中央直線部23aおよび傾斜部23b、23cはそれぞれ第1反射部22の中央直線部22aおよび傾斜部22b、22cに並列させて形成することができる。
【0045】
面状発光装置1Iでは、反射部22、23が、それぞれ傾斜部22b、22cおよび傾斜部23b、23cを有するので、散乱部8の散乱光および乱反射部9の反射光のうち、導光方向X1以外の方向に向かう光を効率よく導光方向X1に向かわせることができる。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0046】
図14は、本発明の面状発光装置の第10実施形態の平面図である。
ここに示す面状発光装置1Jは、反射部22、23の平面視形状がそれぞれ円弧形状である点で、第9実施形態の面状発光装置1Iと異なる。その他の構成は面状発光装置1Iと同様である。
第1反射部22および第2反射部23は、対向領域7(乱反射部9)および導入領域5(散乱部8)に対し、同心の円弧形状であることが好ましい。
面状発光装置1Jでは、反射部22、23が、円弧形状であるので、散乱部8の散乱光および乱反射部9の反射光のうち、導光方向X1以外の方向に向かう光を効率よく導光方向X1に向かわせることができる。
従って、導光方向X1に伝搬する光の量を増加させることができる。
【0047】
図15は、本発明の面状発光装置の第11実施形態の平面図である。
ここに示す面状発光装置1Kは、反射部22、23の平面視形状がそれぞれ鋸歯状である点で、第10実施形態の面状発光装置1Jと異なる。その他の構成は面状発光装置1Jと同様である。
第1反射部22は、互いに連結された複数の繰り返し単位22cからなる。繰り返し単位22cは、短い直線状の第1部分22aと、これに対し傾斜する短い直線状の第2部分22bとからなる。
第2反射部23は、互いに連結された複数の繰り返し単位23cからなる。繰り返し単位23cは、短い直線状の第1部分23aと、これに対し傾斜する短い直線状の第2部分23bとからなる。
第1反射部22および第2反射部23は、概略、対向領域7および乱反射部9の外周縁に沿って形成することができる。
【0048】
図16〜図18により鋸歯状の反射部22における光の反射について説明する。
図示例の反射部22の第1部分22aと第2部分22bとがなす角度は90°となっている。
図16に示すように、第1部分22aに対し入射角45°で当たった光(入射光17)は、反射して第2部分22bに向かう。例えば屈折率が1.5の導光体3を用いた場合、反射部22内の空気層に対する臨界角は約42°であるため、入射光17は第1部分22aで全反射する。
第2部分22bに向かった光は入射角45°で第2部分22bに当たり全反射する。反射光18の方向は入射光17の反対の方向となる。
【0049】
図17および図18は、入射光17の入射角が45°からずれた場合を示す。
図17に示すように、第1部分22aに対する入射角が小さい場合(この例では入射角35°)には、入射光17の一部(符号19)は第1部分22aを透過する。
図18に示すように、第1部分22aへの入射角が大きい場合(この例では入射角55°)には、入射光17は第1部分22aで反射した後、第2部分22bに向かうが、第2部分22bへの入射角が小さくなるため、一部(符号20)が第2部分22bを透過する。
【0050】
入射光17を第1部分22aおよび第2部分22bにより全反射させる条件は、導光体3の屈折率と、反射部22、23内の空気層との関係で決定することができる。例えば、導光体3が屈折率1.5の材料の場合、入射光17を全反射させることが可能な入射角は42°〜48°となる。
導光体3の屈折率が1.56の場合は、全反射が可能となる入射角の範囲は40°〜50°となる。
このため、導光体3の屈折率に応じて繰り返し単位22c、23cの広がり角度(例えば図15に示す乱反射部9の中心9aに対する角度α)を調整することにより多くの光を反射することができる。
例えば、屈折率が1.56の導光体3の場合には、繰り返し単位22c、23cの広がり角度を5〜10°とすることにより反射率を高めることができる。
【0051】
図19は、面状発光装置1Kの平面図であり、図20は、図19のA5−A5線断面図である。
図示例では、第1反射部22の繰り返し単位22cの広がり角度(図15参照)を5.625°とし、第2反射部23の繰り返し単位23cの広がり角度を11.25°とした。
第1反射部22に対し、臨界角よりも小さな角度で入射した散乱光21は、第1部分22aで一部が透過し、一部が反射する。反射した光は、第2部分22bに当たって反射し、反射光(符号L3で示す)は、導光体3の導光方向X1に向かって伝搬する。
一方、第1反射部22を透過した光は、第2反射部23で反射され、反射光(符号L4で示す)は導光体3の導光方向X1に向かって伝搬する。
【0052】
図21は、本発明の面状発光装置の第12実施形態である面状発光装置1Mの断面図である。図22は、面状発光装置1Mの主要部を示す模式図である。図23は、面状発光装置1Mの全体を模式的に示す側面図である。図24は、面状発光装置1Mの全体を模式的に示す斜視図である。
ここに示す面状発光装置1Mは、導入領域5に、散乱部8に代えてプリズム部28が形成されている点で図3および図4に示す第2実施形態の面状発光装置1Bと異なる。その他の構成は面状発光装置1Bと同様である。
【0053】
図22に示すように、プリズム部28は、1または複数のプリズム構造29からなる。プリズム構造29は、光の方向を変換する複数の光路変換面29a、29bを有する多面形の凹凸(凹状および/または凸状の構造)である。
図示例のプリズム構造29は、光源2に臨む下面3a(一方の面)の凹部であり、光路変換面29a、29bを有する断面V字形に形成されている。光路変換面29a、29bは、下面3aに対し傾斜している。なお、プリズム構造29は、光路変換面29a、29bを有する多面形の凸部であってもよい。
【0054】
プリズム構造29を構成する2つの光路変換面のうち、一方の光路変換面29aは図22の左方に向かって徐々に下降する方向に傾斜し、他方の光路変換面29bは図22の右方に向かって徐々に下降する方向に傾斜している。光路変換面29a、29bは一定角度で傾斜していることが望ましい。図示例のプリズム構造29の断面形状は、光路変換面29aの傾斜角度β1と光路変換面29bの傾斜角度β2が互いに等しいV字形(二等辺三角形)である。
【0055】
光路変換面29a、29bは、平滑に形成されていることが好ましい。光路変換面29a、29bの表面粗さ(算術平均粗さRa:JIS B0601−2001)は例えば、0.2μmRa未満(好ましくは0.1μmRa以下)とすることができる。光路変換面29a、29bを平滑に形成することによって、導光体3への入射光量を多くできる。光路変換面29a、29bは、平坦面でも曲面でもよいが、平坦面が好ましい。
【0056】
図23および図24に示すように、プリズム構造29の立体形状は、例えば溝状とすることができる。この例のプリズム部28は、複数の溝状のプリズム構造29が連なって形成された構成である。
具体的には、図24に示すように、プリズム構造29は、紙面手前の側縁3eから奥側に向けて直線的に延在する断面V字形の溝状とされており、同じ方向に延在する複数の溝状のプリズム構造29が図23の左右に並んでプリズム部28が構成されている。この例のプリズム構造29の光路変換面29a、29bは平坦面である。
【0057】
図22に示すように、光路変換面29a、29bでは、導入された光の一部を、光路の傾きを小さくして導光体3の面方向に導くことができる。図示例の光路変換面29a、29bでは、出射光L5より傾き(下面3aに対する傾き)が小さい導入光(入射光L6)が得られる。例えば、入射光L61は、出射光L51に比べ傾斜角度(下面3aに対する傾斜角度)が小さくなる。
入射光L6の方向は、光路変換面29a、29bの傾斜方向に応じた方向となる。光路変換面29a、29bの傾斜方向は、入射光L6を向けるべき方向に応じて設定できる。
プリズム部28は、散乱面等に比べて表面反射を低減できるため、導光体3内への入射光量を多くできる。
【0058】
光路変換面29a、29bの下面3aに対する傾斜角度β1、β2は20〜60°が好ましい。特に、20〜40°とすると、損失を小さくできる。
傾斜角度β1、β2は、小さすぎても大きすぎても導光体3への入射光量が少なくなるが、傾斜角度β1、β2を上記範囲とすることによって、導光体3への入射光量を多くできるため、損失を抑えて光学特性を良好にできる。
【0059】
プリズム構造29の下面3aからの深さは、例えば0.01mm以上(好ましくは0.02mm以上)とすることができる。プリズム構造29の深さは例えば0.1mm以下とすることができる。プリズム構造29の深さは、例えば導光体3の厚さの50%以下とすることができる。
プリズム構造の断面形状は図示例に限らず、台形、五角形等の多角形であってもよい。断面が台形の場合にはプリズム構造は3つの光路変換面を有する多面形となり、断面が五角形の場合にはプリズム構造は4つの光路変換面からなる多面形となる。
【0060】
プリズム部28の形成方法は、特に限定されないが、レーザー加工などを採用できる。また、紫外線硬化型樹脂等により導光体3を作製するにあたり、凹凸部分を有する型の転写によってプリズム構造29を形成することもできる。
【0061】
図22に示すように、光源2からの出射光L5は、プリズム部28の光路変換面29a、29bで出射光L5とは異なる方向の入射光L6となって、その一部は面方向(例えば導光方向X1)に伝搬する。
対向領域7に達した光は反射膜10で導光体3内部に向けて反射し(反射光L7)、その一部は面方向に導かれる。また、反射光の一部はプリズム部28において反射して面方向に導かれる。
図23および図24に示すように、導光体3内を伝搬して一端部3cおよび他端部3dに達した光Lは、端部3c、3dから出射する。
【0062】
なお、プリズム構造29の形状は図示例に限定されない。例えば、溝状のプリズム構造29の平面視形状は直線状に限らず、1または複数の屈曲部を有していてもよいし、曲線状であってもよい。例えば、ジグザグ状に屈曲した平面視形状をもつ溝状のプリズム構造29を採用してもよいし、平面視したときに同心円をなす複数の環状溝であるプリズム構造29によってプリズム部28を構成してもよい。
また、プリズム構造29の立体形状は溝状に限らず、例えば多角錐形、多角錐台形等としてもよい。
【0063】
図25は、面状発光装置1Mを用いたシートスイッチモジュールの一例であり、このシートスイッチモジュールは、スイッチ素子46を有するシートスイッチ41と、面状発光装置1Mとを有する。
このシートスイッチモジュールでは、導光体3内を伝搬する光Lの一部は導光体3に形成された光取出部30から上面3b側に取り出される(光L8)。
【0064】
面状発光装置1Mは、導入領域5に、光路変換面29a、29bを有するプリズム部28が形成されているので、導光体3への入射時における損失を抑えることができる。従って、導光体3を薄型化した場合でも十分量の光を導光体3の面方向に伝搬させることが可能となる。
また、光路変換面29a、29bの形成方向等の設定によって光の伝搬方向を選択できるため、設計の自由度を高めることができる。
【0065】
図22等に示すプリズム構造29は、光路変換面29aの傾斜角度β1と光路変換面29bの傾斜角度β2が互いに等しいV字形(二等辺三角形)の断面形状を有するが、傾斜角度β1、β2はこれに限定されない。
例えば、図27に示すように、光路変換面29aの傾斜角度β1を光路変換面29bの傾斜角度β2より大きく設定してもよい。また、図28に示すように、光路変換面29aを下面3aにほぼ垂直(傾斜角度β1は約90°)としてもよい。
図27に示す構造のプリズム部28では、2つの光路変換面のうち光路変換面29bに照射される光の量がより多くなるため、図22に示す角度β1、β2が等しい形状のプリズム部28に比べ、図27における右方向に伝搬する光の量が多くなると考えられる。また、図28に示す構造のプリズム部28では、右方向に伝搬する光の量をさらに多くできると考えられる。
このように、面状発光装置1Mでは、光路変換面29a、29bの傾斜角度等の設定によって、光を所望の方向に向けることができるため、目的に応じた光学特性が得られるという利点がある。
【0066】
図29は、本発明の面状発光装置の第13実施形態である面状発光装置1Nの断面図である。
ここに示す面状発光装置1Nは、導入領域5にプリズム部28が形成され、対向領域7に散乱部8が形成されている点で図1および図2に示す第1実施形態の面状発光装置1Aと異なる。その他の構成は面状発光装置1Aと同様である。
【実施例】
【0067】
以下、光の損失抑制効果を確認する試験の結果を説明する。
(実施例1)
図19および図20に示す面状発光装置1Kを次のようにして作製した。
屈折率1.5のウレタンフィルムからなる導光体3(長さ50mm、幅10mm、厚さ0.2mm)の下面3aの導光領域5に粗面化により散乱部8を形成し、導光体3の上面3bの対向領域7に粗面化により乱反射部9を形成した。散乱部8と乱反射部9の表面粗さ(算術平均粗さRa:JIS B0601−2001)はそれぞれ0.5μmRaとした。反射部22、23の溝幅は0.1mmとした。
【0068】
図30に示す面状発光装置1Kについて、導光体3の他端部3dに到達した光量を測定した。結果を表1に示す。
面状発光装置1Kに反射膜10(図4参照)を加えた構成の面状発光装置についても同様の測定を行った。
反射膜10としては、粘着剤付き反射シート(アルミニウムシート)を使用した。
【0069】
(実施例2)
図31に示すように、第1反射部22および第2反射部23を形成しないこと以外は実施例1と同様の構成とされた面状発光装置1Lを作製し、導光体3の他端部3dに到達した光量を測定した。結果を表1に示す。
また、面状発光装置1Lに反射膜10を加えた構成の面状発光装置についても同様の測定を行った。
【0070】
【表1】
【0071】
表1に示すように、第1反射部22および第2反射部23を形成した実施例1では、形成しない実施例2に比べて光量が約20〜30%増加している。
また、いずれの実施例においても、反射膜10を設けた場合には光量が増加したことが確認された。
【0072】
(実施例3)
図21〜図24に示す面状発光装置1M(対向領域7には反射膜10を形成)について、プリズム構造29の光路変換面29a、29bの傾斜角度β1、β2を表2に示す値として、導光体3の他端部3dに到達した光量を求めるシミュレーションを行った。
ポリウレタンからなる導光体3(長さ50mm、幅10mm、厚さ0.2mm)(屈折率1.49)の長手方向の中央に、短手方向に沿って導光体3の全幅にわたるプリズム部28を形成することを想定した。プリズム部28の形成領域は、光源2に対面する部分領域(対面部分6)を含む領域とした。
プリズム部28は、複数の溝状のプリズム構造29が連なった構造とした(図24参照)。プリズム構造29の断面形状は光路変換面29a傾斜角度β1と光路変換面29bの傾斜角度β2が互いに等しいV字形(二等辺三角形)とした。1つのプリズム構造29の幅(溝幅)は0.1mmとし、プリズム部28の全幅は2mmとした。
反射膜10は、平面視においてプリズム部28と一致する領域に形成した。反射膜10の反射率は100%とした。
結果を表2および図32に示す。表2には「反射加工」と表示した。
【0073】
(実施例4)
図29に示す面状発光装置1N(対向領域7には反射膜10に代えて散乱部8(0.5μmRa)を形成)について、実施例3と同様のシミュレーションを行った。その他の条件は実施例3と同様とした。結果を表2および図32に示す。表2には「散乱加工」と表示した。
【0074】
(実施例5)
対向領域7には何も加工を施さないこと以外は実施例3と同様の面状発光装置について、実施例3と同様のシミュレーションを行った。その他の条件は実施例3と同様とした。結果を表2および図32に示す。表2には「加工なし」と表示した。
【0075】
【表2】
【0076】
表2および図32に示すように、光路変換面29a、29bの傾斜角度β1、β2は20〜60°が好ましく、特に20〜40°が好ましい。
なかでも、対向領域7に反射加工(反射膜10)を施し、光路変換面29a、29bの傾斜角度β1、β2を20〜60°とした実施例3では優れた光学特性が得られた。
対向領域7に散乱加工(散乱部8)を施す場合には、傾斜角度β1、β2は20〜40°としたときに光学特性が良好になった。また、対向領域7に散乱加工(散乱部8)を施す場合には、導入領域5にプリズム加工(プリズム部28)がない場合でも良好な光学特性が得られた。
【0077】
(実施例6)
図25に示すように、本発明の構造を採用した面状発光装置1Mを用いたシートスイッチモジュールを作製した。同心円をなす複数の環状溝であるプリズム構造29からなるプリズム部28(直径2mm)を、光源2(発光面2aの寸法は1.1mm×0.8mm)に対面する部分を含む領域に形成した。
図33は、実施例6の面状発光装置1Mの輝度分布を示す写真であり、(a)はプリズム部28が形成された導入領域5の中央に相当する位置に光源2が設置されている場合の輝度分布である。(b)は導光体3の位置が(a)に比べ右(面方向)に0.2mmずれた場合の輝度分布である。
図33より、導光体3の位置ずれが生じた場合においても輝度の変化はほとんどないことがわかる。
【0078】
(比較例1)
図26に示すように、従来構造の面状発光装置を用いたシートスイッチモジュールを作製した。このシートスイッチモジュールに用いた面状発光装置は、プリズム部28が形成されていない点、および光源2が導光体3の端部(図26における導光体3の上端部付近)の端面に対面して設けられている点で、実施例6で用いた面状発光装置1Mと異なる。
【0079】
図34は、比較例1の面状発光装置の輝度分布を示す写真であり、(a)は光源2が導光体3の端部から標準的な距離をおいて設置されている場合の輝度分布である。(b)は導光体3の位置が(a)に比べて光源2に0.2mm接近する方向(図34の上方)にずれた場合の輝度分布である。
図34より、導光体3の位置ずれが生じた場合には、輝度が大きく変化したことがわかる。
【0080】
実施例6および比較例1の結果より、本発明の構造を採用した実施例6では、導光体と光源の相対位置のずれが生じた場合でも光学特性への影響が小さくなることがわかる。
【0081】
図35は、本発明のシートスイッチモジュールの一実施形態を示す断面図である。
ここに示すシートスイッチモジュールは、面状発光装置1A〜1Nのいずれかと、この面状発光装置の導光体3の下面3a側に設けられたシートスイッチ31とを備えている。
【0082】
シートスイッチ31は、基板32の上面32a(一方の面)に、複数の中央接点部33と、各中央接点部33を囲む環状接点部35と、各接点部33、35を覆うドーム形状のメタルプレート34が設けられ、これらの上に、前記面状発光装置の導光体3が設けられている。
基板32としては、PCB(Printed Circuit Board)、FPC(Flexible Printed Circuit)などのプリント配線基板を使用できる。
メタルプレート34は、操作者による押圧によって中央部が下方に変形して中央接点部33に当接し、中央接点部33と環状接点部35とを導通させることができる。
中央接点部33と、これを囲む環状接点部35と、メタルプレート34とは、感圧型のスイッチ素子36を構成している。
なお、シートスイッチ31は導光体3の上面3b側に設けることもできる。
【0083】
このシートスイッチモジュールでは、導光体3として、上述した面状発光装置1A〜1Iの導光体3が用いられる。
面状発光装置1A〜1Iでは、損失を増大させることなく導光体3を薄型にできることから、このシートスイッチモジュールでは、スイッチ素子36面と対向した面から照光することができ、かつ薄型化が可能となる。
【符号の説明】
【0084】
1A〜1N・・・面状発光装置、2・・・光源、3・・・導光体、3a・・・下面(一方の面)、3b・・・上面(他方の面)、5・・・導入領域、7・・・対向領域、8・・・散乱部、9・・・乱反射部、10・・・反射膜、11・・・散乱層、12・・・反射部、22・・・第1反射部、23・・・第2反射部、31・・・シートスイッチ、X1・・・導光方向(面方向、特定の方向)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源(2)と、
前記光源からの光が一方の面(3a)から導入されて面方向(X1)に導かれるシート状の導光体(3)とを備え、
前記導光体の前記光の導入領域(5)に、前記光の一部を前記導光体の面方向に散乱させる散乱部(8)が形成され、
前記導光体の他方の面(3b)には、前記導入領域に対向する対向領域(7)に、前記光を前記導光体内に反射させる反射手段(9、10)が形成されていることを特徴とする面状発光装置(1A)。
【請求項2】
前記反射手段が、前記光を乱反射させる乱反射部(9)、または前記光を前記導光体内に全反射させる反射膜(10)であることを特徴とする請求項1に記載の面状発光装置。
【請求項3】
前記対向領域に、前記光の一部を前記導光体の面方向に散乱させる散乱層(11)が形成されている請求項1または2に記載の面状発光装置。
【請求項4】
前記導光体には、前記散乱部または前記反射手段で散乱または反射した前記導光体内の光の一部を、反射により前記面方向のうち特定の方向(X1)に向ける1または2以上のスリット状の反射部(12、22、23)が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の面状発光装置。
【請求項5】
前記2以上の反射部は、互いに間隔をおいて並列して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の面状発光装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の面状発光装置と、シートスイッチ(31)とを有することを特徴とするシートスイッチモジュール。
【請求項7】
光源(2)と、
前記光源からの光が一方の面(3a)から導入されて面方向(X1)に導かれるシート状の導光体(3)とを備え、
前記導光体の前記光の導入領域(5)に、光路変換面(29a、29b)を有する多面形の凹凸であるプリズム構造(29)を備えたプリズム部(28)が形成され、前記光路変換面は、前記導入された光の一部を、光路の傾きを小さくして前記導光体の面方向に導くことができ、
前記導光体の他方の面(3b)には、前記導入領域に対向する対向領域(7)に、前記光を前記導光体内に反射させる反射手段(9、10)が形成されていることを特徴とする面状発光装置(1M)。
【請求項1】
光源(2)と、
前記光源からの光が一方の面(3a)から導入されて面方向(X1)に導かれるシート状の導光体(3)とを備え、
前記導光体の前記光の導入領域(5)に、前記光の一部を前記導光体の面方向に散乱させる散乱部(8)が形成され、
前記導光体の他方の面(3b)には、前記導入領域に対向する対向領域(7)に、前記光を前記導光体内に反射させる反射手段(9、10)が形成されていることを特徴とする面状発光装置(1A)。
【請求項2】
前記反射手段が、前記光を乱反射させる乱反射部(9)、または前記光を前記導光体内に全反射させる反射膜(10)であることを特徴とする請求項1に記載の面状発光装置。
【請求項3】
前記対向領域に、前記光の一部を前記導光体の面方向に散乱させる散乱層(11)が形成されている請求項1または2に記載の面状発光装置。
【請求項4】
前記導光体には、前記散乱部または前記反射手段で散乱または反射した前記導光体内の光の一部を、反射により前記面方向のうち特定の方向(X1)に向ける1または2以上のスリット状の反射部(12、22、23)が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の面状発光装置。
【請求項5】
前記2以上の反射部は、互いに間隔をおいて並列して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の面状発光装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の面状発光装置と、シートスイッチ(31)とを有することを特徴とするシートスイッチモジュール。
【請求項7】
光源(2)と、
前記光源からの光が一方の面(3a)から導入されて面方向(X1)に導かれるシート状の導光体(3)とを備え、
前記導光体の前記光の導入領域(5)に、光路変換面(29a、29b)を有する多面形の凹凸であるプリズム構造(29)を備えたプリズム部(28)が形成され、前記光路変換面は、前記導入された光の一部を、光路の傾きを小さくして前記導光体の面方向に導くことができ、
前記導光体の他方の面(3b)には、前記導入領域に対向する対向領域(7)に、前記光を前記導光体内に反射させる反射手段(9、10)が形成されていることを特徴とする面状発光装置(1M)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
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【図11】
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【図19】
【図20】
【図21】
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【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2012−18917(P2012−18917A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123253(P2011−123253)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
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