説明

面状発熱体及び面状発熱体の製造方法

【課題】シートの上にニクロム線を蛇行配線した面状発熱体は、熱効率が悪く屈曲性に乏しいという欠点があった。また、指向性のない導電性カーボンチョップドファイバーを構造部材に練り込んだ面状発熱体では、一の面状発熱体で種々の抵抗値を設定することができなかった。また、一様に加熱するためには複数の種類の導電性カーボンチョップドファイバーを多量に混入させる必要があり、結果として必要な消費電力が高くなっていた。
【解決手段】以上の課題を解決するため、本発明は、長手方向の目をそろえた導電性カーボンチョップドファイバーを面内に均質に含有する面状発熱体を提案するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向の目をそろえた導電性カーボンチョップドファイバーを面内に均質に含有した面状発熱体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から床暖房装置として、面状の発熱体が用いられてきた。この面状発熱体としては、ニクロム線をシートの上に蛇行配列したものや、抵抗金属箔をシートの上に印刷配線したものなどが一般的に知られている。これらの面状発熱体は、導電性金属に電流が流れた際に発生する熱によって近接した物体を温めるものである。また、特許文献1に開示されているように構成部材に対して指向性がない導電性カーボンチョップドファイバーを練り込んだ面状発熱体も存在する。導電性カーボンチョップドファイバーとは、導電性の炭素(カーボン)繊維を所定の長さ(例えば、5mm)に分断したものである。当該導電性カーボンチョップドファイバーを含有する面状発熱体に電流を流すと導電性カーボンチョップドファイバーが発熱し、物体を温めることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−147183
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、シートの上にニクロム線を蛇行配線したものや金属箔を印刷配線したものは、熱源が線状であるため配線間に隙間が生じ、熱効率が悪いという欠点があった。また、導電部が連続的な金属体であることから、屈曲性に乏しいという欠点があった。
また、指向性のない導電性カーボンチョップドファイバーを構成部材に練り込んだものは、含有されるカーボンチョップドファイバーがランダムな方向を向いているため、所望の抵抗値を有する面状発熱体を得るためには面状発熱体のサイズや導電性カーボンチョップドファイバーの含有率を変更しなければならなかった。また、導電性カーボンチョップドファイバー同士の隙間もばらばらになるため、一様に加熱するためには複数の種類の導電性カーボンチョップドファイバー(繊維の長さなどが異なるもの)を多量に混入させる必要があり、結果として電力密度が高くなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明は、長手方向の目をそろえた導電性カーボンチョップドファイバーを面内に均質に含有する面状発熱体を提案する。
【発明の効果】
【0006】
上記の構成をとる本発明によって、面状発熱体のサイズや導電性カーボンチョップドファイバーの含有率を変更しなくても、導電性カーボンチョップドファイバーの目に対して電流を流す方向によって面状発熱体の抵抗値を変更することが可能になる。また、導電性カーボンチョップドファイバーの目がそろっているため、一定方向に対して屈曲性が優れており、より多様な用途に用いることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1に係る面状発熱体の電流の向きの異なる例を示した図。
【図2】実施例1に係る面状発熱体のサイズの異なる例を示した図。
【図3】実施例4に係る面状発熱体の製造方法の工程を示した図。
【図4】実施例4に係る面状発熱体の製造方法で利用するフィルタを説明する図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施しうる。実施例と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。実施例1は主に請求項1などに関し、実施例2は主に請求項2などに関し、実施例3は主に請求項3などに関し、実施例4は主に請求項4などに関する。
【実施例1】
【0009】
<概要>
本実施例の面状発熱体は、目のそろった導電性カーボンチョップドファイバーを非導電性の構造部材中に均質に分散しているため、いずれの方向に電流を流すかによって抵抗値を変化させることができる。例えば図1に示すように、導電性カーボンチョップドファイバーの目の方向と平行に電流を流した場合は8.5オームの抵抗値を示すのに対して、目の方向と垂直に電流を流すと30オームの抵抗値を示すことになる。また、目の方向に対して斜めに電流を流すことにより、8.5オームから30オームの間の任意の抵抗値を一の面状発熱体で得ることが可能になる。以上のように本実施例の面状発熱体は、導電性カーボンチョップドファイバーの含有率等を変更することなしに多様な抵抗値を設定することができるため、被加熱物の温度コントロールをより容易に行うことが可能になる。
【0010】
以下、導電性カーボンチョップドファイバーをその長手方向の目をそろえて非導電性の構造部材中に面内で均質に分散し導電性をもたせた面状発熱体について説明する。
【0011】
<構成>
導電性カーボンチョップドファイバーとは、導電性の炭素繊維を所定の長さに分断したものである。炭素繊維は、実質的に炭素元素のみからなる繊維状の炭素材料であり、耐熱性や電気伝導性の良さなど炭素材料に固有の特性を有している。また、温度に関して自己制御を行うことが可能な物質である。さらに、各導電性カーボンチョップドファイバーはその長さや太さによってその抵抗値を変更することができる。
【0012】
本実施例の面状発熱体は、導電性カーボンチョップドファイバーをその長手方向の目をそろえるように構成されている。導電性カーボンチョップドファイバーは強度が高く、固い繊維であるため、例えばランダムな方向を向いた繊維を特定の方向を向くように透過させるフィルタを使用すれば、ほぼ一定方向を向いた状態の導電性カーボンチョップドファイバーを配列させることが可能になる。目がそろえられた導電性カーボンチョップドファイバーは互いに接触することで面状発熱体に電流を流すことが可能である。
【0013】
本実施例の面状発熱体では、上記のように導電性カーボンチョップドファイバーが一定方向に整列しているため、導電性カーボンチョップドファイバー同士の間に余分な隙間が生じにくく、単一の種類の導電性カーボンチョップドファイバーのみでも繊維同士を電気的に結合させることが可能である。つまり、本実施例の面状発熱体では必ずしも複数の導電性カーボンチョップドファイバー(繊維の長さ等が異なるもの)を混入させる必要はない。
【0014】
また、余分な隙間が少なくすることができるため、多量の導電性カーボンチョップドファイバーを用いる必要はなく、少数の導電性カーボンチョップドファイバーで効率的に加熱することが可能になる。つまり、導電性カーボンチョップドファイバーがランダムな面状発熱体と比較して、所定の温度まで加熱するのに必要な電力を減らすことが可能になる。
【0015】
さらに、少数の導電性カーボンチョップドファイバーで効率的に加熱可能なことに起因して、面状発熱体の厚さを薄くすることが可能になる。これにより、面状発熱体の屈曲性や携帯性等を向上させることが可能になる。
【0016】
また、本実施例の面状発熱体は含有する導電性カーボンチョップドファイバーの目に対する電流の方向によってシート抵抗値が変わる。ここで、シート抵抗値Rsは、体積抵抗値ρと、シートの厚さaにより、Rs=ρ/aと表わされる。体積抵抗値は、導電性カーボンチョップドファイバーの含有率等によって決まるものである。
【0017】
シート抵抗値は導電性カーボンチョップドファイバーの目に対して電流を流す方向によって変化する。目の方向と平行に電流を流した場合はシート抵抗値が最小値となり、目の方向と垂直に電流を流した場合はシート抵抗値が最大値となる。また、目に対して電流を流す方向を斜めにすると、最小値と最大値の間の種々のシート抵抗値を取ることができる。
つまり、導電性カーボンチョップドファイバーがランダムな面状発熱体では、面積や含有率等を固定すると抵抗値を変更することができなかったが、本実施例の面状発熱体では用途に合わせて電流の流す方向を変更し、抵抗値を変更させることが可能になる。
例えばそれ程高温にしたくない場合は低抵抗値に設定し、高温にしたい場合は高抵抗値に設定する、といったものである。
【0018】
さらに、面状発熱体は、その面の長さ及び幅により抵抗値を変えることが可能である。これは、面状発熱体の抵抗値Rが、面状発熱体のシート抵抗値Rs、電流方向の長さL、電流方向と垂直な方向の幅Wにより、R=Rs×(L/W)と表わされるからである。つまり、面状発熱体の電流方向の長さが大きくなると抵抗値が大きくなり、面状発熱体の電流方向と垂直な方向の幅が大きくなると抵抗値が小さくなる。例えば図2に示すように、8オームの抵抗値を有する面状発熱体の幅を2倍にすると、抵抗値が4オームになる。また、面状発熱体の長さを2倍にすると、抵抗値が16オームになる、といったものである。
【0019】
面状発熱体が消費する電力Wは電流I、電圧V、抵抗Rによって、W=I×V=(V^2)/Rの式で表わされる。この式から電圧Vを一定値にした場合、面状発熱体の抵抗値が小さいほどより多くの電力を消費し、大きな熱を発生させることになる。
また、面状発熱体の電力密度Wsは、消費電力Wと面状発熱体の発熱部分の面積Sを用いて、Ws=W/Sと表わされる。本実施例の面状発熱体では導電性カーボンチョップドファイバーが面内に均質に分散しているため電力密度が小さくなり、一様に熱を発生させることが可能である。
【0020】
被加熱物を加熱するプロセスとしては、面状発熱体と接触することで熱を伝える方法の他に、面状発熱体が発する遠赤外線による輻射加熱が考えられる。遠赤外線は、水の分子を効率的に加熱することが可能であるため、水分が含まれる物質を加熱する場合に効果的である。特に、導電性カーボンチョップドファイバーは金属と比較して発熱速度や発熱効率、遠赤外線の発生効率が高いため、被加熱物を効率的に短時間で加熱することが可能である。
【0021】
また、一定の場所に外圧がかかるような状況が生じても、外圧がかかった部分を迂回する電流ルートが新たに形成され、圧力のかかった部分で異常発熱を起こす事態が生じにくい。また、導電性カーボンチョップドファイバーを均質に含有させているためカーボン繊維間の距離が一定以上離れることがなく、断線が生じにくい。
【0022】
さらに、本実施例の面状発熱体は導電性カーボンチョップドファイバーの目がそろえられているため、各導電性カーボンチョップドファイバーを切断することなく、目の方向と垂直な方向に容易に屈曲させることができる。
【0023】
本実施例の面状発熱体は、上記で説明したように、所定の抵抗値を設定することにより、一定の温度まで上昇させることが可能である。本実施例の面状発熱体を使う用途としては、床やトイレ、お風呂などの家庭内暖房器具や、道路や屋根などの雪を融かすための融雪用器具、食品や人間などを加熱・保温するための器具や衣服類(サポーター等も含む)などが考えられる。また、導電性カーボンチョップドファイバーが電磁波を吸収する性質に着目して、電磁波シールドとして用いることも可能である。
【0024】
<効果>
本実施例の面状発熱体では、目のそろった導電性カーボンチョップドファイバーを面内に均質に含有しているため、目の方向に対して電流を流す方向を変えることにより種々の抵抗値を得ることができる。また、面内で一様な熱を発生させることが可能であるため被加熱物を均質に加熱することが可能になる。
【実施例2】
【0025】
<概要>
本実施例の面状発熱体は実施例1の面状発熱体と基本的な構成は同じであるが、構造部材を和紙とする点が特徴的である。構造部材を和紙とすることにより、耐熱性及び柔軟性、発熱性のより高い面状発熱体を形成することが可能になる。以下、特徴点である構造部材を和紙とする点について説明する。
【0026】
<構成>
本実施例の面状発熱体は、実施例1の面状発熱体と基本的な構成を同じくするが、さらに非導電性の構造部材を和紙としている点を特徴とする。
和紙を構成する紙パルプは導電性カーボンチョップドファイバーよりも柔軟性のある繊維であり、かつ他の構造部材(天然ゴム等)よりも比較的耐熱性が高く、軽量な物質である。
【0027】
和紙の繊維は、導電性カーボンチョップドファイバーと比較して柔軟であり、ランダムな方向を向きやすいため、導電性カーボンチョップドファイバーに絡まりやすく、導電性カーボンチョップドファイバーを固定する機能を有する。
さらに、和紙の繊維は導電性カーボンチョップドファイバーよりも平均長が長く、ある程度の屈曲がなされても導電性カーボンチョップドファイバーを絡めた状態を保ち、上記構造部材としての機能を高い状態で維持する。つまり、面状発熱体を変形させるような外力が働いたとしても、導電性カーボンチョップドファイバーが面状発熱体から抜け落ちて電気的な結合が断たれる事態を防止することができる。
また、本実施例の面状発熱体は曲面からなる立体物等の表面に貼り付けることも可能であり、より多様な用途に用いることが可能である。
【0028】
また、ナイロン系の繊維の耐熱温度が100度程度なのに対して、和紙の繊維は240度程度であり、耐熱性が高い。また、和紙の繊維は他の構造部材と比して軽量であるため、面状発熱体全体を軽くすることが可能になる。
【0029】
さらに、和紙は天然ゴム等の他の構造部材と比較して液体の吸収性が高いことから、電極部材の基礎として使われる銀ペースト等の導電性物質を容易に含浸させることができる。導電性物質を十分含浸させた和紙は導電性カーボンチョップドファイバーに対して均等に電流を流し、面状発熱体としての発熱効率をさらに向上させることができる。
【0030】
<効果>
本実施例の面状発熱体では、実施例1の効果に加えて、構造部材を和紙とすることによって柔軟性、耐熱性、発熱効率等の機能の向上を図ることが可能になる。
【実施例3】
【0031】
<概要>
本実施例の面状発熱体は、基本的に実施例1で説明した面状発熱体と同様のものであるが、導電性カーボンチョップドファイバーを分散させた構造部材の少なくとも一部を絶縁材料で被覆することで、導電性カーボンチョップドファイバーを密閉した状態で保持することが可能になる。また、構造部材として和紙を用いている場合でも防水性を向上させることが可能になる。
【0032】
<構成>
本実施例の面状発熱体は、実施例1の面状発熱体と同様に目がそろった導電性カーボンチョップドファイバーと構造部材から構成される。以下、特徴点である構造部材の少なくとも一部を絶縁部材で被覆するという点について説明する。
【0033】
本実施例の面状発熱体は、少なくとも導電性カーボンチョップドファイバーを分散させた構造部材の一部を絶縁材料で被覆したことを特徴とする。構造部材を絶縁材料で被覆すると、導電性カーボンチョップドファイバーを面状発熱体の面から浮き立たせることなく長期間保持することが可能になり、断線等を防止きる。
また、和紙などのように湿度変化に弱い材料を構造部材として使用している場合であっても、耐水性の高い絶縁材料で被覆することによって防水性を向上させることができる。
また、真空状態で構造部材を密閉させた場合は、絶縁部材が高温に耐えられるものであればさらに耐熱性を向上させることも可能である。
【0034】
具体的な構成としては、例えば塩化ビニル等を用いてラミネート加工することが考えられる。なお、構造部材の全面を被覆する必要は必ずしもなく、一部を被覆する構成とすることも可能である。例えば、電極などを配置する場合は、電極配置予定箇所には絶縁部材を被覆しないとすることも考えられる。
【0035】
<効果>
本実施例の面状発熱体では、実施例1の効果に加えて、構造部材の少なくとも一部を絶縁材料で被覆するため、面状発熱体の耐久性及び耐水性、耐熱性等を向上させることが可能になる。
【実施例4】
【0036】
<概要>
本実施例の面状発熱体の製造方法は、和紙の製造工程を利用して目がそろった導電性カーボンチョップドファイバーを均質に含有する面状発熱体を製造方法に関する。
【0037】
<構成>
本実施例の面状発熱体の製造方法は、図3に示すように混液ステップ(S0301)と、薄状化ステップ(S0302)と、乾燥ステップ(S0303)とからなる。
【0038】
「混液ステップ」(S0301)とは、導電性カーボンチョップドファイバーとパルプ材料とを一定配分で液中で混ぜ合わせて混液とする工程である。ここで、パルプ材料とは、既にパルプ繊維にする工程(離解工程)を経たものである。また、必要ならば繊維表面を毛羽立たせるための工程(叩解工程)を経たものとすることも可能である。
導電性カーボンチョップドファイバーとパルプ材料を混ぜ合わせる際には、はっ水性を高めて水の浸透を抑える働きがあるサイズ剤や助剤等を含めることも可能である。
ここで、導電性カーボンチョップドファイバーとパルプ材料の配分率によって、製造される面状発熱体の体積抵抗値が変化する。例えば、導電性カーボンチョップドファイバーの配分率を多くすると、面状発熱体の体積抵抗値が下がることになり、逆に配分率を少なくすると面状発熱体の体積抵抗値が上がることになる、といったものである。なお、混液とするための溶液としては、水が一般的に考えられる。
【0039】
「薄状化ステップ」(S0302)とは、混液ステップにて得られた混液をフィルタに通して、目のそろった導電性カーボンチョップドファイバーを均一に含有する薄状部材を得る工程である。混液をフィルタに通す工程は繊維と導電性チョップドカーボンをバラバラにほぐしながら目をそろえるための特徴的な工程であり、本実施例の面状発熱体ではこの工程を利用することで導電性カーボンチョップドファイバーの目を一定にそろえることができる。フィルタの一例としては、例えば図4に示すようなものが考えられる。この図に示すように、当該フィルタには縦のスリットが複数設けられており、当該スリットから縦方向に向きが制限された各繊維が混液と共に排出されることになる。
【0040】
上記フィルタを通過した導電性カーボンチョップドファイバー及びパルプ材料は、和紙をすくことで薄状化される。和紙をすく工程としては、網状の器具に目がそろった繊維を乗せて脱水する方法が考えられる。和紙をすく工程を何回か経ると、薄膜状の物質が形成される。当該薄膜物質は長手方向の目がそろった導電性カーボンチョップドファイバーとパルプ材料と液体成分から構成される。
【0041】
「乾燥ステップ」(S0303)とは、薄状化ステップにて得られた薄状部材を乾燥させる工程である。上述のように薄状部材には液体成分が含まれているため、当該成分を除くために薄状部材を乾燥させる必要がある。乾燥させる具体的な手段としては、強制的に水分をバキュームで吸引し、乾燥機によって乾燥させる方法が考えられる。また、吸着剤を押しあてることによって水分を吸収させた後に、乾燥機によって乾燥させる方法が考えられる。また、自然乾燥によるものも同様に考えられる。
【0042】
以上の工程を経ることによって、所望の面状発熱体を製造することができる。
【0043】
<効果>
本実施例の面状発熱体の製造方法により、目がそろった導電性カーボンチョップドファイバーを面内に均質に含む面状発熱体を製造することが可能になる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性カーボンチョップドファイバーをその長手方向の目をそろえて非導電性の構造部材中に面内で均質に分散し導電性をもたせた面状発熱体。
【請求項2】
非導電性の構造部材は、和紙である請求項1に記載の面状発熱体。
【請求項3】
少なくとも導電性カーボンチョップドファイバーを分散させた構造部材の一部を絶縁材料で被覆した請求項1又は2に記載の面状発熱体。
【請求項4】
導電性カーボンチョップドファイバーとパルプ材料とを一定配分で液中で混ぜ合わせて混液とする混液ステップと、
混液ステップにて得られた混液をフィルタに通して、目のそろった導電性カーボンチョップドファイバーを均一に含有する薄状部材を得る薄状化ステップと、
薄状化ステップにて得られた薄状部材を乾燥させる乾燥ステップと、
を有する面状発熱体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−182650(P2010−182650A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27833(P2009−27833)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(509039792)
【Fターム(参考)】