説明

革巻きステアリングホイール

【課題】皮革の両端部を簡単な縫い構造で結合して、縫製による高い意匠性を発揮させることできる革巻きステアリングホイール。
【解決手段】革巻きステアリングホイールは、グリップ部の芯金を被覆した被覆層に皮革7を被せ、被覆層の内周面側で皮革7の突き合わせた両端部8(8a,8b)を糸により縫い合わせる。詳細には、皮革7の表側において、両端部8に突き合わせ部13に平行な第1、第2の糸11,12による縫い目10Aを対向して配列し、皮革の裏側において、両端部8に表側の縫い目10Aに渡る縫い目10B(10B1,10B2)を配列するようにして、2本の糸11,12により両端部8が縫い合わされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングホイールのグリップ部を皮革で覆った革巻きステアリングホイールに関する。本発明において、皮革とは、動物の皮を加工した天然物の皮革のみならず、人造皮革や毛皮を含み、さらには布を含む概念である。
【背景技術】
【0002】
従来より、グリップ部の芯金を被覆した被覆層に皮革を巻き付けた革巻きステアリングホイールが知られており、巻き付けた皮革の被覆層周方向の端部同士を突き合わせて手縫いするか、被覆層に接着剤を塗布して皮革を接着することでグリップ部に取り付けられている。
【0003】
この接着剤による取り付けでは、車室内温度の熱負荷の変化で皮革の収縮劣化が生じると、皮革の突き合わせた端部が口開きして、商品性を損なう問題があることから、グリップ部の被覆層の内周面に凹状の溝をステアリングホイールの周方向に形成し、該凹溝内に接着剤を塗布して接着剤溜り部を設け、この接着剤溜り部で皮革の端部を被覆層に接着することが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【特許文献1】実開平6−21500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記提案の技術によれば、接着剤溜り部により接着剤量を増やして皮革の両端部をグリップ部の被覆層に接着するので、皮革の両端部の接合強度が向上する。
【0005】
しかしながら、上記提案では、皮革の両端部を接着剤で接合するので、皮革の両端部を縫製により結合したときのような高い意匠性は生じうべくもない。
【0006】
本発明の目的は、上記現状に鑑み、皮革の両端部を縫い合わせる縫い構造が簡単で、縫製による高い意匠性を発揮させることが可能な革巻きステアリングホイールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、グリップ部の芯金を被覆した被覆層に皮革を被せ、前記被覆層の内周面側で該皮革の両端部を突き合わせて結合する革巻きステアリングホイールにおいて、前記皮革の表側において、前記突き合わせた両端部に該両端部の突き合わせ部に平行な糸の縫い目を対向して配列するとともに、前記皮革の裏側において、前記突き合わせた両端部に前記表側の縫い目に渡る糸の縫い目を配列するようにして、該突き合わせた両端部を縫い合わせることを特徴とする。
【0008】
第1の発明によれば、皮革の突き合わせた両端部の表側に突き合わせ部に平行な対向する縫い目を配列し、両端部の裏側に表側の縫い目に渡る縫い目を配列するようにして、糸により両端部を縫い合わせるので、両端部を結合する縫い構造が簡単である。また両端部の表側に突き合わせ部に平行な縫い目が対向するように配列されるので、両端部の意匠性も高く、革巻きステアリングホイールに縫製による高い意匠性を発揮させることができる。
【0009】
第2の発明は、前記突き合わせた両端部のうちの一方の端部の表側に第1の糸を前記突き合わせ部に平行に這わせた後、裏側に潜らせることにより、該第1の糸により該一方の端部に前記表側の縫い目を1つ形成し、ついで前記一方の端部から裏側に潜らせた第1の糸を前記両端部のうちの他方の端部まで直角に這わせた後、該他方の端部の表側に出すことにより、該第1の糸により前記両端部に前記裏側の縫い目を1つ形成し、ついで前記他方の端部の表側に出した第1の糸を前記突き合わせ部に平行に這わせた後、裏側に潜らせることにより、該第1の糸により該他方の端部に前記表側の縫い目を1つ形成する一方、前記他方の端部の表側に第2の糸を前記第1の糸による前記一方の端部の前記表側の縫い目の始端から終端に対応する位置まで前記突き合わせ部に平行に這わせた後、裏側に潜らせることにより、該第2の糸により該他方の端部に前記表側の縫い目を1つ形成し、ついで前記他方の端部から裏側に潜らせた第2の糸を前記一方の端部まで直角に這わせた後、表側に出すことにより、該第2の糸により前記両端部に前記裏側の縫い目を1つ形成し、ついで前記一方の端部から表側に出した第2の糸を前記第1の糸による前記他方の端部の前記表側の縫い目の始端から終端に対応する位置まで前記突き合わせ部に平行に這わせた後、裏側に潜らせることにより、該第2の糸により該一方の端部の表側に前記表側の縫い目を1つ形成し、以上を繰り返すことにより2本の糸で該両端部に前記表側の縫い目及び前記裏側の縫い目を形成して、該両端部を縫い合わせることを特徴とする。
【0010】
第2の発明によれば、皮革の突き合わせた両端部に2本の糸により表側及び裏側の縫い目を形成して、簡単な縫い構造で両端部を縫い合わせることができる。
【0011】
第3の発明は、前記突き合わせた両端部のうちの一方の端部の表側に1本の糸を前記突き合わせ部に平行に這わせた後、裏側に潜らせることにより、該糸により該一方の端部に前記表側の縫い目を1つ形成し、ついで前記一方の端部から該裏側に潜らせた糸を前記両端部のうちの他方の端部における前記表側の縫い目の始端に対応する位置まで斜めに這わせた後、表側に出すことにより、該糸により該両端部に前記裏側の縫い目を斜めに1つ形成し、ついで前記他方の端部から表側に出した糸を前記一方の端部の前記表側の縫い目の終端に対応する位置まで前記突き合わせ部に平行に這わせた後、裏側に潜らせることにより、該糸により該他方の端部に前記表側の縫い目を1つ形成し、ついで前記他方の端部から裏側に潜らせた糸を前記一方の端部まで直角に這わせた後、表側に出すことにより、該糸により該両端部に前記裏側の縫い目を直角に1つ形成し、以上を繰り返すことにより1本の糸で該両端部に前記表側の縫い目及び前記裏側の縫い目を形成して、該両端部を縫い合わせることを特徴とする。
【0012】
第3の発明によれば、皮革の突き合わせた両端部に1本の糸により表側及び裏側の縫い目を形成して、簡単な縫い構造で両端部を縫い合わせることができる。
【0013】
第4の発明は、前記突き合わせた両端部に糸を通すための対向する孔を前記突き合わせ部に平行に予め設けたことを特徴とする。
【0014】
第4の発明によれば、皮革の突き合わせた両端部に孔を通って糸を容易に通して、表側の縫目と裏側の縫い目を形成し、両端部を縫い合わせることができる。
【0015】
第5の発明は、前記孔に前記糸を2回通すことを特徴とする。
【0016】
第5の発明によれば、皮革の突き合わせた両端部に設ける孔の数を、孔に糸を1回通す場合に比べ半減することができる。
【0017】
第6の発明は、前記被覆層の内周面にステアリングホイールの周方向に沿って、前記皮革の裏側の縫い目を形成する糸を収容するための凹溝を設けたことを特徴とする。
【0018】
第6の発明によれば、皮革の裏側の縫い目が被覆層の凹溝に収容されるので、縫合された端部が皮革の裏側の縫い目によって膨らむのを防止でき、この面からも革巻きステアリングホイールの縫製による高い意匠性を向上することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、革巻きステアリングホイールの皮革の両端部を簡単な縫い構造で縫合して、革巻きステアリングホイールに縫製による高い意匠性を発揮させることできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の革巻きステアリングホイールの一実施形態を一部破断して示す正面図である。
【0021】
この図1において、革巻きステアリングホイール1は、円環状のグリップ部(リム部)2、該グリップ部2の半径方向内側の中央に配置されたパッド部3、及びグリップ部2とパッド部3との間を繋ぐ半径方向のスポーク部4にわたって設けられた芯金5Aを備え、その少なくともグリップ部2の芯金5に樹脂製の被覆層6を設け、被覆層6の周囲に皮革7を被覆してなっている。以下、皮革7には、動物の皮を加工した天然物のものを使用した場合を示すが、人造皮革や毛皮、さらには布を使用する場合についても同様である。
【0022】
図2に図1のA−A断面を示すように、皮革7の両端部8は、グリップ部2の被覆層6の内周面側で突き合わされ、突き合わされた端部8同士がステアリングホイール1の周方向に糸で縫い合わされることによって結合されている。皮革7の両端部8の結合部の位置には、被覆層6に凹溝9が設けられており、皮革7の両端部8を縫合した糸の裏側の縫い目10B(後述の図3及び図4を参照)が凹溝9に収容されている。
【0023】
図3は図1に矢印Bで示すように、図1の革巻きステアリングホイールのグリップ部を内周側から見た正面図である。図3に示すように、皮革7の突き合わせた両端部8a,8bには、糸を通すための孔(糸孔すなわち針孔)14が対向するように、予め突き合わせ部13に沿って平行に設けられている。そして突き合わせた両端部8(8a,8b)の表側に突き合わせ部13に平行な縫い目10Aが対向して配列され、裏側に表側の縫い目10Aに渡る直角方向の縫い目10Bが配列されて、表側の縫い目10Aと裏側の縫い目10Bとにより両端部8が縫い合わされている。
【0024】
本実施形態では、図4に示すように、第1、第2の2本の糸11,12により表側の縫い目10A及び裏側の縫い目10Bを形成するようにして両端部8を縫合した。
【0025】
まず、皮革7の突き合わせた両端部8(8a,8b)のうちの一方、図では上側の端部8aの表側に、第1の糸11を突き合わせ部13に平行に這わせた後、孔14を通って裏側に潜らせることにより、第1の糸11により上側の端部8aに表側の縫い目10Aを1つ形成する。そしてその上側の端部8aから裏側に潜らせた第1の糸11を他方の下側の端部8bまで直角に這わせた後、孔14を通って下側の端部8bの表側に出すことにより、第1の糸11により両端部8に渡る裏側の縫い目10B1を1つ形成する。その後、下側の端部8bの表側に出した第1の糸11を突き合わせ部13に平行に這わせた後、孔14を通って裏側に潜らせることにより、第1の糸11により下側の端部8bに表側の縫い目10Aを1つ形成する。
【0026】
一方、第2の糸12を用い、第1の糸11と対称に下側の端部8bから縫い目を形成して行く。すなわち、下側の端部8bの表側に第2の糸12を、第1の糸11による上側の端部8aの表側の縫い目10Aの始端から終端に対応する位置まで突き合わせ部13に平行に這わせた後、孔14を通って裏側に潜らせることにより、第2の糸12により下側の端部8bに表側の縫い目10Aを1つ形成し、その下側の端部8bから裏側に潜らせた第2の糸12を上側の端部8aまで直角に這わせた後、孔14を通って表側に出すことにより、第2の糸12により両端部8に渡る裏側の縫い目10B2を第1の糸11による裏側の縫い目10B1の他に1つ形成する。この第1、第2の糸11,12による裏側の縫い目10B1,10B2同士は交差する。ついで上側の端部8aから表側に出した第2の糸12を第1の糸11による下側の端部8bの表側の縫い目10Bの始端から終端に対応する位置まで突き合わせ部13に平行に這わせた後、孔14を通って下側に潜らせることにより、第2の糸12により上側の端部8aに表側の縫い目10Aを1つ形成する。
【0027】
以上の第1、第2の糸11,12による両端部8(8a,8b)の表側の縫い目10Aと、両端部8の表側の縫い目10Aに渡る裏側の縫い目10B(10B1,10B2)との形成を繰り返すことにより、2本の糸11,12で皮革7の突き合わせた両端部8が縫い合わされる。
【0028】
本実施形態は以上のように構成され、2本の糸11,12を用いて、皮革7の突き合わせた両端部8(8a,8b)の表側に対向するように突き合わせ部13に平行に縫い目10A配列し、該両端部8の裏側に表側の縫い目10Aに渡るように縫い目10B(10B1,10B2)を配列するようにして、両端部8を縫い合わせるので、両端部8を結合する縫い構造が簡単である。また皮革7の両端部8の表側に突き合わせ部13に平行な縫い目10Aが対向するように配列されるので、両端部8の意匠性も高く、革巻きステアリングホイール1に縫製による高い意匠性を発揮させることができる。
【0029】
本発明の他の実施形態について説明する。図5は、図3と同様な図1の革巻きステアリングホイールのグリップ部を内周側から見た正面図である。革巻きステアリングホイール1の皮革7の突き合わせた両端部8a,8bには、前の実施形態と同様、表側に突き合わせ部13に平行な縫い目10Cが対向して配列され、裏側に表側の縫い目10Cに渡る縫い目10Dが斜め方向と直角方向とに配列され、表側の縫目10Cと裏側の縫目10Dとにより両端部8が縫い合わされている。
【0030】
本実施形態では、図6に示すように、1本の糸15により表側の縫い目10C及び裏側の縫い目10Dを形成して両端部8を縫合した。
【0031】
まず、皮革7の突き合わせた両端部8(8a,8b)のうちの一方の上側の端部8aの表側に1本の糸15を突き合わせ部13に平行に這わせた後、孔14を通って裏側に潜らせることにより、上側の端部8aに表側の縫い目10Cを1つ形成し、ついで上側の端部8aから裏側に潜らせた糸15を他方の下側の端部8bに向けて、表側の縫い目10Cの始端に対応する位置まで斜めに這わせた後、孔14を通って表側に出すことにより、両端部8に渡る裏側の縫い目10D1を斜めに1つ形成する。そして下側の端部8bから表側に出した糸15を上側の端部8aの表側の縫い目10Cの終端に対応する位置まで突き合わせ部13に平行に這わせた後、孔14を通って裏側に潜らせることにより、下側の端部8bに表側の縫い目10Cを1つ形成する。ついで下側の端部8bから裏側に潜らせた糸15を上側の端部8aまで直角に這わせた後、孔14を通って表側に出すことにより、両端部8に渡る裏側の縫い目10D2を直角に1つ形成する。
【0032】
以上の糸15による両端部8(8a,8b)の表側の縫い目10Cと、両端部8の表側の縫い目10Cに渡る裏側の縫い目10D(10D1,10D2)との形成を繰り返すことにより、1本の糸15で皮革7の突き合わせた両端部8が縫い合わされる。
【0033】
本実施形態によれば、以上のように、1本の糸15を用いて、皮革7の突き合わせた両端部8(8a,8b)の表側に対向するように突き合わせ部13に平行に縫い目10Cを配列し、該両端部8の裏側に表側の縫い目10Cに渡るように縫い目10D(10D1,10D2)を配列するようにして、両端部8を縫い合わせるので、両端部8を結合する縫い構造が簡単である。また皮革7の両端部8の表側に突き合わせ部13に平行な縫い目10Cが対向するように配列されるので、両端部8の意匠性も高く、革巻きステアリングホイール1に縫製による高い意匠性を発揮させることができる。
【0034】
以上の実施形態では、皮革7の両端部8は、突き合わせ端をエッジを立たせないように切断してはあるが、基本的には切断したままの切断端となっている。しかし、皮革7の両端部8はこれに限られず、図7に示すような構造に形成することもできる。図7の皮革7の両端部8は、先端側を内側に折り返えして、折り返し片18が接着剤で皮革7の裏面に接着されている。このようにすると、両端部8の突き合わせ端をエッジがまったく立たない丸まった形状にできるので、突き合わせ部13の密着性を高くでき、縫合した両端部8の見栄えがより向上する。
【0035】
以上の実施形態では、いずれも、皮革7には、動物の皮を加工した天然物の皮革を使用した場合を説明したが、本発明は、これに限られず、人造皮革や毛皮にも、さらには布にも適用することができ、上記したのと同様な作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態に係る革巻きステアリングホイールを一部破断して示す正面図である。
【図2】図1の革巻きステアリングホイールの横断面図である。
【図3】図1の革巻きステアリングホイールのグリップ部の内周側から見た正面図である。
【図4】図1の革巻きステアリングホイールの皮革の端部の結合法を示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る革巻きステアリングホイールのグリップ部の内周側から見た正面図である。
【図6】図5の革巻きステアリングホイールの皮革の端部の結合法を示す斜視図である。
【図7】皮革の両端部の構造の変形例を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 革巻きステアリングホイール
2 グリップ部
5 グリップ部の芯金
5A 芯金
6 被覆層
7 皮革
8 端部
9 凹溝
10A,10C 表側の縫い目
10B,10D 裏側の縫い目
11 第1の糸
12 第2の糸
13 突き合わせ部
14 孔
15 糸
18 折り返し片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップ部の芯金を被覆した被覆層に皮革を被せ、前記被覆層の内周面側で該皮革の両端部を突き合わせて結合する革巻きステアリングホイールにおいて、
前記皮革の表側において、前記突き合わせた両端部に該両端部の突き合わせ部に平行な糸の縫い目を対向して配列するとともに、
前記皮革の裏側において、前記突き合わせた両端部に前記表側の縫い目に渡る糸の縫い目を配列するようにして、該突き合わせた両端部を縫い合わせることを特徴とする革巻きステアリングホイール。
【請求項2】
前記突き合わせた両端部のうちの一方の端部の表側に第1の糸を前記突き合わせ部に平行に這わせた後、裏側に潜らせることにより、該第1の糸により該一方の端部に前記表側の縫い目を1つ形成し、
ついで前記一方の端部から裏側に潜らせた第1の糸を前記両端部のうちの他方の端部まで直角に這わせた後、該他方の端部の表側に出すことにより、該第1の糸により前記両端部に前記裏側の縫い目を1つ形成し、
ついで前記他方の端部の表側に出した第1の糸を前記突き合わせ部に平行に這わせた後、裏側に潜らせることにより、該第1の糸により該他方の端部に前記表側の縫い目を1つ形成する一方、
前記他方の端部の表側に第2の糸を前記第1の糸による前記一方の端部の前記表側の縫い目の始端から終端に対応する位置まで前記突き合わせ部に平行に這わせた後、裏側に潜らせることにより、該第2の糸により該他方の端部に前記表側の縫い目を1つ形成し、
ついで前記他方の端部から裏側に潜らせた第2の糸を前記一方の端部まで直角に這わせた後、表側に出すことにより、該第2の糸により前記両端部に前記裏側の縫い目を1つ形成し、
ついで前記一方の端部から表側に出した第2の糸を前記第1の糸による前記他方の端部の前記表側の縫い目の始端から終端に対応する位置まで前記突き合わせ部に平行に這わせた後、裏側に潜らせることにより、該第2の糸により該一方の端部の表側に前記表側の縫い目を1つ形成し、
以上を繰り返すことにより2本の糸で該両端部に前記表側の縫い目及び前記裏側の縫い目を形成して、該両端部を縫い合わせることを特徴とする請求項1記載の革巻きステアリングホイール。
【請求項3】
前記突き合わせた両端部のうちの一方の端部の表側に1本の糸を前記突き合わせ部に平行に這わせた後、裏側に潜らせることにより、該糸により該一方の端部に前記表側の縫い目を1つ形成し、
ついで前記一方の端部から該裏側に潜らせた糸を前記両端部のうちの他方の端部における前記表側の縫い目の始端に対応する位置まで斜めに這わせた後、表側に出すことにより、該糸により該両端部に前記裏側の縫い目を斜めに1つ形成し、
ついで前記他方の端部から表側に出した糸を前記一方の端部の前記表側の縫い目の終端に対応する位置まで前記突き合わせ部に平行に這わせた後、裏側に潜らせることにより、該糸により該他方の端部に前記表側の縫い目を1つ形成し、
ついで前記他方の端部から裏側に潜らせた糸を前記一方の端部まで直角に這わせた後、表側に出すことにより、該糸により該両端部に前記裏側の縫い目を直角に1つ形成し、
以上を繰り返すことにより1本の糸で該両端部に前記表側の縫い目及び前記裏側の縫い目を形成して、該両端部を縫い合わせることを特徴とする請求項1記載の革巻きステアリングホイール。
【請求項4】
前記突き合わせた両端部に糸を通すための対向する孔を予め前記突き合わせ部に平行に設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の革巻きステアリングホイール。
【請求項5】
前記孔に前記糸を2回通すことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の革巻きステアリングホイール。
【請求項6】
前記被覆層の内周面にステアリングホイールの周方向に沿って、前記皮革の裏側の縫い目を形成する糸を収容するための凹溝を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の革巻きステアリングホイール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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