説明

音低減放熱板およびモータ筐体

遠心分離機は、試料容器を受容するように構成されたロータと、該ロータに動作可能に結合された駆動軸と、モータとを含む。該モータは、筐体と、該筐体と一体となった複数の実質的に平行なフィンであって、各フィンが該筐体から離間する自由端を有し、該複数のフィンの自由端が共通の円筒面内に配置される、フィンと、複数の実質的に平行な溝であって、各溝が1対の隣接するフィンの間に配置され、共通の円筒面と筐体との間の距離によって規定される溝の深さを有する、溝とを含む。複数の溝は、共通の溝の深さを有する第1の群の溝と、該共通の溝の深さと同一ではない溝の深さを有する第2の群の溝とを含み、第1および第2の群の溝は交互配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への参照)
本願は、2009年10月1日に出願された米国仮出願第61/247,842号の利益を主張し、この米国仮出願は本明細書においてその全体が参照により援用される。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、複数の冷却フィンを含む放熱板に関し、より具体的には、冷却フィンに伝達される振動から発生する音を低減するように配置および構成された冷却フィンを有する放熱板に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
従来の放熱板は基板、および該基板から延在し複数の溝によって離間する複数の冷却フィンを含むように配置および構成される。使用中、基板は電子装置、モータ、またはその他のシステムから生じる熱を分散し、空気は該溝を通じて冷却フィン上へ流される。通常は、各冷却フィンおよび溝は均一の大きさでいかなる適用に対しても冷却を最適化するように設計される。特定の適用において、しかしながら、システムから生じる振動は冷却フィンに伝わり不快な音を生じ得る。
【0004】
放熱板の1つの公知の用途において、遠心分離機はロータおよび駆動軸を通じて該ロータを駆動するように適合された可変速度電気モータを含む。該モータはアルミニウムで構築されたほぼ円筒形の部材を含むモータ筐体を含み、それは固定子および該モータの巻線コイルを収容する。使用中モータは熱を生じ、したがってモータ筐体は放熱板として機能し、複数の冷却フィンを備え、空気はシステムを冷却するように該冷却フィンを横切って送られる。該フィンは概して均一の寸法で、概して均一の寸法の溝によって隔てられる。このような構造は効果的にモータを冷却するが、特定の速度において不快な音を生じ得る。このことは、該フィンの全てが同一の大きさおよび形状で、したがって、それら全てが共通の共振、基本、および/または調和振動数を共有することに起因する。より具体的には、特定の速度においてシステム内の振動はフィンの基本、共振、および/または調和振動数を同時に励起し、このことが大きく不快な音を生み出す。実験は、前述の遠心分離機のモータが約83,000RPMの速度付近で加速および減速したとき、高音のうなりが生じることを例証している。このうなりは83,000RPM付近の定常状態運転においても生じるが、若干小さい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(概要)
本開示の1つの局面は、試料容器を受容するように構成されたロータと、ロータに動作可能に結合された駆動軸と、遠心分離操作中に駆動軸およびロータを回転させるために駆動軸に動作可能に結合されたモータと、を含む遠心分離機を提供する。モータは、(i)筐体と、(ii)筐体と一体となった複数の実質的に平行なフィンであって、各フィンが筐体から離間する自由端を有し、複数のフィンの自由端が共通の円筒面内に配置される、フィンと、(iii)複数の実質的に平行な溝であって、各溝は1対の隣接するフィンの間に配置され、共通の円筒面と筐体との間の距離によって規定される溝の深さを有する、溝と、を含む。複数の溝は、共通の溝の深さを有する第1の群の溝と、共通の溝の深さと同一ではない溝の深さを有する第2の群の溝とを含み、第1および第2の群の溝は交互配置される。
【0006】
いくつかの局面において、第2の群の溝のうちの少なくとも2つは異なる溝の深さを有する。
【0007】
いくつかの局面において、第2の群の溝の各々は異なる溝の深さを有する。
【0008】
いくつかの局面において、1つおきの溝は共通の溝の深さを有する。
【0009】
いくつかの局面において、共通の溝の深さは第2の群の溝の各々の溝の深さより大きい。
【0010】
本開示の別の局面は、試料容器を受容するように構成されたロータと、ロータに動作可能に結合された駆動軸と、遠心分離操作中に駆動軸およびロータを回転させるために駆動軸に動作可能に結合されたモータとを伴う遠心分離機を提供する。モータは、(i)筐体と、(ii)筐体と一体となった実質的に平行な複数のフィンであって、各フィンは筐体から離間する自由端を有し、複数のフィンの自由端が共通の円筒面内に配置される、フィンと、(iii)複数の実質的に平行な溝であって、各溝は1対の隣接するフィンの間に配置され、共通の円筒面と筐体の間との距離によって規定される溝の深さを有する、溝と、を含む。各溝は、隣接する溝の溝の深さと異なる溝の深さを有する。
【0011】
いくつかの局面において、複数の溝のうちの少なくとも3つの溝の深さは異なる。
【0012】
いくつかの局面において、異なる溝の深さの深さはランダムに選択される。
【0013】
いくつかの局面において、溝の深さのうちの少なくとも2つは同一である。
【0014】
いくつかの局面において、溝の深さのうちの少なくとも2つは異なり、同一の溝の深さを有する溝と異なる溝の深さを有する溝とは交互配置される。
【0015】
いくつかの局面において、同一の溝の深さを有する溝は1つおきの溝である。
【0016】
いくつかの局面において、複数のフィンの各々はフィン厚を有し、フィンのうちの少なくとも2つは同一ではないフィン厚を有する。
【0017】
本開示の別の局面は遠心分離機を提供する。遠心分離機は、試料容器を受容するように構成されたロータ、ロータに動作可能に結合された駆動軸および、遠心分離操作中に駆動軸およびロータを回転させるために駆動軸に動作可能に結合されたモータ、を含み、モータは筐体および筐体から延在する複数の実質的に平行なフィンを備える。筐体は、本体部分と、本体部分と一体となった複数の突起とを含み、複数の突起は隣接するフィン対の間に配置され、各突起は、突起が本体部分から離れて延在する距離によって規定される半径方向寸法を有する。各突起は隣接する突起の半径方向寸法とは同一ではない半径方向寸法を有する。
【0018】
いくつかの局面において、複数の突起の各々は異なる半径方向寸法を有する。
【0019】
いくつかの局面において、異なる半径方向寸法の突起は、筐体に沿ってランダムに分布される。
【0020】
いくつかの局面において、複数の突起は隣接するフィン対の間に規則的に配置される。
【0021】
いくつかの局面において、複数の突起は1つおきの隣接するフィン対の間に配置される。
【0022】
いくつかの局面において、複数のフィンの各々は筐体から離間する自由端を有し、複数のフィンの自由端は共通の円筒面内に配置される。
【0023】
いくつかの局面において、複数の突起は第1、第2および第3の連続した突起を備え、第2の連続した突起は第1の連続した突起と第3の連続した突起との間にあり、第2の連続した突起の半径方向寸法は第1および第3の連続した突起の半径方法寸法より大きい。
【0024】
いくつかの局面において、複数の突起は第1、第2および第3の連続した突起を備え、第2の連続した突起は第1の連続した突起と第3の連続した突起との間にあり、第2の連続した突起の半径方向寸法は第1および第3の連続した突起の半径方向寸法より小さい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本開示の原理に従って構築された遠心分離機の部分切り欠き側面図である。
【図2】図2は、図1の遠心分離機のモータ筐体の透視図であり、本開示の原理に従って構築された放熱板を構成する。
【図3】図3は、図2の線III‐IIIを通って取った図2のモータ筐体の断面図である。
【図4】図4は、図3の境界線IVから取った図3の断面図の詳細図である。
【図5】図5は、図4と同一であるが、図4には含まれない付加的な寸法記入を含む。
【図6】図6は、従来の遠心分離機モータ筐体および本開示の遠心分離機モータ筐体によって生じる音レベルを比較するグラフである。
【図7】図7は、本開示の代替的な実施形態に従って構築された放熱板の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(詳細な説明)
図1は、ロータ12、回転軸14および、軸14とロータ12を従来の方法で回転させるためのモータ16を含む、本開示の原理に従って構築された遠心分離機10を描写する。加えて、図1に描写された遠心分離機10は、軸14がモータ16からロータ12までそれを通じて延在するダンパー18を含む。遠心分離機10がその危険速度で作動しているときは、従来理解されているようにダンパー18が作動させる。モータ16は、例えば当技術分野において通常理解されるように、固定子およびモータ筐体22内に配置された巻線コイル配列20を含む可変速度電気モータを含むことができる。さらに、図に示すように、モータ16は冷却用の覆い24内に配置される。使用中、モータ16を冷却するために、例えば扇風機または他のブロワー(bower)によって、空気を冷却用の覆い24の中へ取り込むことができる。この冷却を促進するために、モータ筐体22は放熱板26を構成し、遠心分離機10の操作に伴う振動によって生じる音を低減するとともにモータ16の冷却性能を最適化するように設計された複数の実質的に平行なフィン28を含む。
【0027】
図2〜5は、図1の遠心分離機10の残余から除去されたモータ筐体22を描写する。図示されるように、モータ筐体22はワンピース構造であり円筒形の本体部分30および複数のフィン28を有するほぼ中空円筒形の基板23を含む。図3および4に示されるように、複数のフィン28は第1〜第18のフィン28a〜28rを含む。フィン28は円筒形本体部分30と一体となっており、すなわち、フィン28および円筒形本体部分30は、例えばアルミニウムまたは一般に任意の他の材料といった単一の材料から旋盤上での旋削工程中に形成される。代替的な実施形態において、モータ筐体22は第1〜第18のフィン28a〜28rより多いまたは少ないフィンを有することができる。
【0028】
本実施形態のフィン28a〜28rは、ほぼ円盤形で、円筒形本体部分30から外側へ放射状に延在する。すなわち、複数のフィン28の各々は、基板23の円筒形本体部分30における固定端32aおよび基板23の円筒形本体部分30から離間する自由端32bを含む。説明のため、本実施形態の円盤形フィン28は、従来の座金に類似したほぼ環状板を含む。したがって、各フィン28は固定端32aにおける内径IDおよび、自由端32bにおける外径ODを含む。開示された実施形態において、フィン28a〜28rの全ての自由端32bが共通の面P1内に配置されることによって、フィン28a〜28rの全ては同一の外径ODを有し、該P1は本実施形態において円筒形の面を構成する。したがって、本実施形態のモータ筐体22は、円筒形状で円筒形の面P1によって規定される外殻を有する。
【0029】
さらに、複数のフィン28a〜28rの各々はフィン厚t、実フィン長L、および有効フィン長LLを有する。第2〜第18のフィン28b〜28rは共通のフィン厚tを有し、第1のフィン28aは第2〜第18のフィン28a〜28rの厚さtより大きい厚さt1を有する。他の実施形態は、一貫した厚さを有するフィン、または、例えば1〜xまで厚さが増大し、続いてx+1〜yまでフィン厚の増大の周期を繰り返す等、といった多くの方法で異なる厚さを有するフィンを含んでもよい。該フィンはまた、他の定型的な様式またはよりランダムな様式で、厚さが変化してもよい。
【0030】
本実施形態において、フィン28がほぼ円盤形フィンを備えるので、実フィン長Lおよび有効フィン長LLはそれぞれ代替的にフィン28の半径方向寸法および有効半径方向寸法として特徴付けることができる。該実フィン長Lは、フィン28の固定端32aと自由端32bとの間の距離として規定され、したがって、フィン28の外径ODと内径IDとの間の距離に等しい。本実施形態において、各フィン28は共通の実フィン長Lを共有する。各フィン28の有効フィン長LLは、遠心分離機10の作動中に振動の影響を受けやすいフィン28の部分の長さとして特徴付けることができる。本実施形態において、述べられるように、フィン28のうちの少なくともいくつかは異なる有効フィン長LLを有する。
【0031】
図2〜5をさらに参照して、本実施形態のモータ筐体22は実質的に平行な複数の溝34と複数の突起36とをさらに含む。複数の溝34は、複数のフィン28の間に交互配置され、すなわち、各溝34は、複数のフィン28の隣接する1対の間に配置される。複数の突起36は、円筒形本体部分30、およびモータ筐体22の複数のフィン28と一体となっており、すなわち、突起36、本体部分30、およびフィン28は単一の材料から形成される。さらに、複数の突起36は複数のフィン28の隣接する対の間へ延在する。したがって、複数のフィン28の隣接する対は共通の有効フィン長LLを共有し、以下でより詳細に述べられるように、各フィン28の有効フィン長LLは、フィン28の自由端32bと、フィン28とその隣接するフィン28との間に配置される突起36との間の距離として特徴付けることができる。
【0032】
描写された実施形態において、複数の溝34は第1〜第17の溝34a〜34qを含み、複数の突起36は第1〜第10の突起36a〜36jを含む。複数の突起36a〜36jの各々はほぼ円盤形の部材を含み、複数の溝34のうちの1つに隣接するモータ筐体22の円筒形本体部分30から延在するが、ただし第10の突起36jは除く。第10の突起36jは、第1〜第17のフィン28a〜28qから見て第18のフィン28rの反対側のモータ筐体22の末端上に配置される。複数の溝34aの〜34qの各々は共通の幅w、および図5に示されまた以下に述べられるように、フィン28a〜28rの自由端32bと、基板23の円筒形本体部分30かまたは基板23の第1〜第9の突起36a〜36iのうちの1つのどちらか、との間の距離によって規定される溝の深さd1〜d17を有する。
【0033】
例えば、図4および5は、第1の突起36aが第1と第2のフィン28aと28bとの間へ延在し、第1の溝34aの溝の深さd1を規定することを示す。第2の突起36bは、第2と第3のフィン28bと28cとの間へ延在し、第2の溝34bの溝の深さd2を規定し、それは第1の溝34aにすぐ隣接する。残りの第3〜第9の突起36c〜36iは、しかしながら、1つおきの溝、すなわち、第4〜第17の溝34d〜34iのうちの1つおきの溝34の溝の深さdを規定するように配置される。具体的には、第3の突起36cは、第4と第5のフィン28dと28eとの間へ延在し、第4の溝34dの溝の深さd4を規定する。第4の突起36dは、第6と第7のフィン28fと28gとの間へ延在し、第6の溝34fの溝の深さd6を規定する。第5の突起36eは、第8と第9のフィン28hと28iとの間へ延在し、第8の溝34hの溝の深さd8を規定する。第6の突起36fは、第10と第11のフィン28jと28kとの間へ延在し、第10の溝34jの溝の深さd10を規定する。第7の突起36gは、第12と第13のフィン28lと28mとの間へ延在し、第12の溝34lの溝の深さd12を規定する。第8の突起36hは、第14と第15のフィン28nと28oとの間へ延在し、第14の溝34nの溝の深さd14を規定する。第9の突起36iは、第16と第17のフィン28pと28qとの間へ延在し、第16の溝34pの溝の深さd16を規定する。
【0034】
図4および5はまた、第2および第3のフィン28b、28cが、第2の突起36bによって隔てられ、共通の有効フィン長LL2を共有することを示す。第4および第5のフィン28d、28eは、第3の突起36cによって隔てられ、共通の有効フィン長LL3を共有する。第6および第7のフィン28f、28gは、第4の突起36dによって隔てられ、共通の有効フィン長LL4を共有する。第8および第9のフィン28h、28iは、第5の突起36eによって隔てられ、共通の有効フィン長LL5を共有する。第10および第11のフィン28j、28kは、第6の突起36fによって隔てられ、共通の有効フィン長LL6を共有する。第12および第13のフィン28l、28mは、第7の突起36gによって隔てられ、共通の有効フィン長LL7を共有する。第14および第15のフィン28n、28oは、第8の突起36hによって隔てられ、共通の有効フィン長LL8を共有する。第16および第17のフィン28p、28qは、第9の突起36iによって隔てられ、共通の有効フィン長LL9を共有する。
【0035】
なおその上に、図4および5に示されるように、本実施形態の突起36a〜36jは、モータ筐体22の円筒形本体部分30から異なる距離を離れて延在する。すなわち、第1〜第10の突起36a〜36jは、第1〜第10の突起高h1〜h10を含み、それらは各突起36a〜36jがモータ筐体22の基板23の円筒形本体部分30から離れて延在する距離によって規定される。放熱板26の本実施形態がほぼ円筒形で、突起36がほぼ円盤形であるので、突起高h1〜h10はまた突起36の半径方向寸法として特徴付けることができる。
【0036】
本実施形態の第1〜第10の突起高h1〜h10の各々は、他の突起高h1〜h10から互いに異なる。そのように構成されるので、第1、第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14、第16の溝34a、34b、34d、34f、34h、34j、34l、34n、34pの各々は、それぞれ別個の溝の深さd1、d2、d4、d6、d8、d10、d12、d14、d16を有する。溝の深さd1、d2、d4、d6、d8、d10、d12、d14、d16の各々は、各溝34が、自由端32bと、フィン28a〜28rおよび第1〜第9の突起36a〜36iのうちの対応する1つとの間へ延在する距離によって規定される。本実施形態のモータ筐体22は、残りの第3、第5、第7、第9、第11、第13および第15の溝34c、34e、34g、34i、34k、34m、34o、34qに隣接する突起36を含まないので、第3、第5、第7、第9、第11、第13および第15の溝34c、34e、34g、34i、34k、34m、34o、34qは、概して等しく、フィン28の自由端32bとモータ筐体22の基板23の円筒形本体部分30との間の距離によって規定される溝の深さd3、d5、d7、d9、d11、d13およびd15を含む。
【0037】
突起36a〜36jおよび溝34a〜34qはこれまで、それぞれ突起高h1〜h10および溝の深さd1〜d18を含むように説明されてきたが、これらの特徴は本実施形態の放熱板26すなわちモータ筐体22が円筒形であるため、半径/直径寸法の観点からもまた説明されることができる。したがって、第1〜第10の突起36a〜36jは、互いに異なる第1〜第10の突起直径D1〜D10を含むように説明されることができる。さらに、第1〜第10の突起36a〜36jは、第1、第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14および第16の溝34a、34b、34d、34f、34h、34j、34l、34n、34pの深さd1、d2、d4、d6、d8、d10、d12、d14およびd16をそれぞれ規定するので、第1、第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14および第16の溝34a、34b、34d、34f、34h、34j、34l、34n、34pは、対応する第1〜第10の突起直径D1〜D10に直接対応する内径と、複数のフィン28の外径ODと等しい外径とを有するように説明されることができる。さらに、残りの溝34c、34e、34g、34i、34k、34m、34o、34qの各々は、本実施形態のモータ筐体22がそれに隣接する突起36を含まないので、フィン28の内径IDと等しい共通の内径を含む。
【0038】
前述を考慮して、本開示の実施形態の放熱板26、すなわちモータ筐体22は、複数の溝34によって隔てられる複数のフィン28を含み、1つおきの溝34は、フィン28の自由端32bと基板23の円筒形の本体部分30との間で測定される共通の溝の深さを有する。残りの溝34は、溝34に隣接するに隣接する基板23の円筒形本体部分30から延在する突起36の突起高hによって決まる、異なる溝の深さを有する。
【0039】
溝34のこの構成は、共通の溝の深さを有する第1の群の溝および、異なる溝の深さを有する第2の群の溝を含むように説明されることができ、該第1および第2の群の溝は、冷却および音低減を最適化するように交互配置される。例えば、開示された実施形態において、第1の群の溝は、第3、第5、第7、第9、第11、第13、第15および第17の溝34c、34e、34g、34i、34k、34m、34oおよび34qを含み、第2の群の溝は、第2、第4、第6、第8、第10、第12、第14および第16の溝34b、34d、34f、34h、34j、34l、34nおよび34pを含む。この構成の1つの利益は、第1の群の溝の各溝の深さが第2の群の溝の各溝の深さより大きいことである。この構成は放熱板26を冷却する能力と音を低減する能力とを有利に釣り合わせる。したがって、より深い第1の群の溝は、基板23に隣接し隣接するフィン28に沿った表面積を増大することによって冷却を最大化し、より浅い第2の群の溝は、隣接するフィンの有効フィン長を短くし、不快な音を効果的に低減するようにそのそれぞれの共振振動数を変化させる。
【0040】
より具体的には、各突起36の反対側に配置されるフィン28は共通の有効長LLを有し、したがって、概して同一の力学的特性を有し、概して同一の音響特性、すなわち共振振動数をもたらす。しかしながら、各突起36が別個の突起高hを有するので、本開示の実施形態のモータ筐体22上には、そのそれぞれの共振振動数において同時に振動するフィン28は2つしかなく、それは従来の遠心分離機の作動中に生じる不快な音の原因をもたらしている。例えば、本開示の背景技術の項において言及されたように、実験は、従来の遠心分離機のモータ16が約83,000RPMの速度付近で加速および減速すると、不快な高音のうなりが生じることを例証している。このうなりは83,000RPM付近の定常状態運転においても生じるが、若干小さい。このうなりの原因は、従来の遠心分離機において使用される従来のモータ筐体である。すなわち、従来のモータ筐体は、モータを冷却するための複数の溝によって隔てられる複数のフィンを備える。該フィンの各々は概して同一の長さおよび厚さであり、該溝の各々は概して同一の深さおよび幅である。そのように構成されるので、該フィンの各々は共通の有効長と、共振、基本、および/または調和振動数とを共有し、該フィンの全てが共鳴し合い高音のうなりを生じる。
【0041】
従来の遠心分離機の従来のモータ筐体と対照的に、本開示の放熱板26、すなわちモータ筐体22、の異なる溝の深さdおよび突起高hは、ただ2つのフィン28しか共通の共振、基本、および/または調和振動数を共有しないように、フィン28が異なる有効フィン長LLを有することに備える。このことは、本開示のフィン28により生じる不快な音の大きさを、従来のモータ筐体により生じる不快な音以下に低減する。
【0042】
図6は、モータが約0RPMから約100,000RPMの間で作動しているときの、従来の遠心分離機に対する従来のモータ筐体によって生じる音レベル(細い点線)および、本開示のモータ筐体22によって生じる音レベル(太い実線)を示すグラフである。該グラフは、モータが約80,000RPM〜約90,000RPMの間で作動するときに、従来のモータ筐体が音レベルの著しい増加を見せることを示す。対照的に、該グラフは、本開示のモータ筐体22がこれと同様の範囲において音レベルのいかなる著しい変化も示さず、むしろ、許容範囲内で概して一貫した音レベルを維持することを示す。
【0043】
ここまでに述べられたモータ筐体22の1つの好ましい実施形態において、複数のフィン28の内径IDは約3.878”で、該複数のフィンの外径ODは約5.95”である。したがって、複数のフィン28の各々の実長Lであり、また第3、第5、第7、第9、第11、第13、第15および第17の溝34c、34e、34g、34i、34k、34m、34oおよび34qの深さd3、d5、d7、d9、d11、d13、d15およびd17に対応するものは、約1.036”である。さらに、第2〜第18のフィン28b〜28rの各々は、約0.090”の厚さを有し、第1のフィン28aは、約0.190”の厚さt1を有する。さらに、複数の溝34の各々は約0.190”の幅wを有する。
【0044】
好ましい実施形態において、第1の突起36aの突起直径D1は約4.278”であり、約0.2”の突起高h1、約0.836”に相当する第1の溝34aの溝の深さd1、および約0.836”に相当する第1のフィン28aの有効フィン長LL1、を規定する。第2の突起36bの直径D2は約4.478”であり、約0.3”の突起高h2、約0.736”に相当する第2の溝34bの溝の深さd2、および約0.736”に相当する第2と第3のフィン28bと28cの有効フィン長LL2、を規定する。第3の突起36cの直径D3は約4.878”であり、約0.5”の突起高h3、約0.536”に相当する第4の溝34dの溝の深さd4、および約0.536”に相当する第4と第5のフィン28dと28eの有効フィン長LL3、を規定する。第4の突起36dの直径D4は約4.228”であり、約0.175”の突起高h4、約0.861”に相当する第6の溝34fの溝の深さd6、および約0.861”に相当する第6と第7のフィン28fと28gの有効フィン長LL4、を規定する。第5の突起36eの直径D5は約4.428”であり、約0.275”の突起高h5、約0.761”に相当する第8の溝34hの溝の深さd8、および約0.761”に相当する第8と第9のフィン28hと28iの有効フィン長LL5、を規定する。第6の突起36fの直径D6は約4.338”であり、約0.23”の突起高h6、約0.806”に相当する第10の溝34jの溝の深さd10、および約0.806”に相当する第10と第11のフィン28jと28kの有効フィン長LL6、を規定する。第7の突起36gの直径D7は約4.378”であり、約0.25”の突起高h7、約0.786”に相当する第12の溝34lの溝の深さd12、および約0.786”に相当する第12と第13のフィン28lと28mの有効フィン長LL7、を規定する。第8の突起36hの直径D8は約4.278”であり、約0.2”の突起高h8、約0.836”に相当する第14の溝34nの溝の深さd14、および約0.836”に相当する第14と第15のフィン28nと28oの有効フィン長LL8、を規定する。第9の突起36iの直径D9は約4.388”であり、約0.255”の突起高h9、約0.781”に相当する第16の溝34pの溝の深さd16、および約0.781”に相当する第16と第17のフィン28pと28qの有効フィン長LL9、を規定する。最後に、第10の突起36jの直径D10は約4.5”であり、約0.311”の突起高h10、および約0.725”に相当する第18のフィン28rの有効フィン長LL10、を規定する。
【0045】
したがって、前述より、本開示の実施形態の放熱板26、すなわちモータ筐体22は、複数の溝34を有し、各溝は突起36が存在するときは約0.536”〜約0.861”の範囲の溝の深さを有し、突起36が存在しないときは約1.036”の深さを有すると説明されることができる。さらに、本実施形態のフィン28は、約0.536”〜約0.861”の範囲の有効フィン長LLを有すると説明されることができる。さらに、本実施形態の突起36は、約0.175”〜約0.5”の範囲の突起高h、および約4.228”〜約4.878”の範囲の突起直径Dを有すると説明されることができる。本明細書中に明記されたこれらの具体的な寸法および範囲は単なる一実施例に過ぎず、他の寸法および範囲は本開示の原理に従って適切な放熱板を獲得するために使用されることができるであろう。
【0046】
さらに、前述より、放熱板26の本開示の実施形態の突起直径D1〜D10および突起高h1〜h10はランダムに選択され、突起36の主要な特徴は、フィン28のうちの少なくともいくつかが異なる有効フィン長LLを有し、したがって異なる力学的特性および音響特性を有するように、突起直径D1〜D10および突起高h1〜h10のうちの少なくともいくつかが他と異なるということである、と説明されることができる。代替的な実施形態において、突起直径D1〜D1および突起高h1〜h10はランダムである必要はなく、むしろ、例えば方程式および/または関数といった何らかの数学的関係に従って決定されることができる。他の実施形態は、不規則なパターンで構成された有効フィン長を含んでもよい。
【0047】
本開示はこれまで、円筒形モータ筐体22の形で放熱板26に焦点を合わせてきたが、本明細書に開示された原理は、異なる形状を有する放熱板に同様に適用することができる。例えば、図7は、本開示の原理に従って構成され、実質的に平らな形状を有する放熱板126を示す。このような平らな放熱板126は、半導体、トランジスタ、ダイオード、もしくは冷却が望ましく、および/または必要である他の任意の装置といった、様々な型の電子装置の冷却に使用されることができる。実質的に平らである以外に、図7に示された放熱板126は、図1〜5を参照して前述された放熱板26と全く等しく、前述の様々な代替的な変化を含むことができる。
【0048】
放熱板126は、本体部分130と、複数のフィン128と、複数の溝134と、複数の突起136とを有する基板123を含む。本体部分130は、放熱板126の実質的に平らな板部分を備える。複数のフィン128および複数の突起136は、平らな本体部分130と一体となっており、すなわち、平らな本体部分130、複数のフィン128、および複数の突起136は、例えばアルミニウム等の1つの材料からフライス加工を通じて構築される。
【0049】
複数のフィン28はほぼ長方形の形状で、基板132の本体部分130における固定端132aおよび、基板132の本体部分130から離間する自由端132bを含む。開示された実施形態において、複数のフィン128の自由端132bは、共通の平面P10内に配置される。図6において、面P10は実施的に平らで2次元面である。複数の溝134は、図1〜4を参照して前述された放熱板26の溝34およびフィン28と同一の方法で、複数のフィン128の間に交互配置される。さらに、放熱板126の複数の突起136は、図1〜4を参照して前述された放熱板26の突起36と同一の方法で、隣接するフィン128の対の間へ平らな本体部分130から離れて延在する。この実施形態の複数の突起136の各々は、前述の突起36と同じく、またはそうでなければ複数のフィン128のうちの少なくともいくつかのフィン128が異なる有効フィン長を有するような別の方法で、配置、設計、寸法形成および構成されることができる。すなわち、図7における放熱板126の突起136は、前述の同一の突起高h1〜h10を有することができ、または、ランダムに選択されるか、不規則なパターンを有するかまたは数学的関係、方程式、関数その他を通じて決定される、他の突起高を有してもよい。
【0050】
そのように構成されるので、放熱板126は、前述の放熱板26と同様の利点を提供することができる。具体的には、フィン128のうちの少なくともいくつかが異なる有効フィン長を有し、したがって異なる共振振動数を有することを実現することによって、放熱板26は効果的に音を低減するとともに熱を分散することができる。
【0051】
前述を考慮して、本開示はいかなる一般形状の放熱板にも限定されるものではなく、むしろ、円筒形放熱板、平らな放熱板、または一般的に任意の他の形状の放熱板を含むことができることが理解されるべきである。
【0052】
さらに、様々に開示された放熱板の突起は交互のフィン対の間に配置されるように説明されてきたが、代替的な実施形態は、2つおきのフィン対、3つおきのフィン対、または冷却および音低減の意図された目的に対して適切である一般的に任意の他の構成の間に配置される突起を有することができる。
【0053】
本明細書に記載された放熱板の1つの利点は効果的な音低減および冷却を提供することであるが、少なくとも図1〜4を参照して前述された円筒形放熱板26の別の利点は、放熱板26、すなわちモータ筐体22の外殻が円筒形であることである。この円筒形状は、遠心分離機に対する従来のモータ筐体と寸法および構成のどちらにおいても概して同一であり、したがって、放熱板26、すなわちモータ筐体22を収容するために遠心分離機の他のどの局面も再設計されなくてよい。例えば、図1を参照して前述したように、モータ筐体22は冷却用の覆い24内に収容され、それは円筒形の形状である。モータ筐体22の外殻を従来のモータ筐体の外殻と同様に維持することによって、冷却用の覆い24の大きさおよび形状は変更される必要がない。
【0054】
開示された放熱板26、126の他の利点は、容易に製造されることである。例えば図1〜4を参照して述べられた円筒形放熱板26、すなわちモータ筐体22は、例えば旋盤上材料の円筒形の金属材料から容易に機械加工されることができる。該円筒形の金属材料は、フィン28の外径OD、および異なる溝の深さdにおける溝34を正確に機械加工するように旋盤上で加工されることができる。代替として、図7を参照して前述された放熱板126は、立方体の形の材料の標準的な金属材料から従来のフライス盤上で用意に製造されることができる。該金属材料はフライス盤の中へ固定され、望ましい外寸法まで正確に圧延されることができ、溝134は該金属材料に溝134の異なる深さを規定するように異なる深さにおいて適切なフライス工具を通すことによって、圧延されることができる。
【0055】
したがって、前述を考慮して、本開示は不快な音を望ましく低減すると同時に対象装置を効果的に冷却することができる、新規で発明的な放熱板、モータ筐体、および遠心分離機を提供することが理解されるべきである。
【0056】
本開示は、本明細書中に記載された特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、むしろ、当業者によって理解される全ての変化、変更および代替を含むことを意図する。
【0057】
したがって、本開示は通常以下の「局面」を含むと定義することができる。
【0058】
局面1
遠心分離機であって、
試料容器を受容するように構成されたロータと、
該ロータに動作可能に結合された駆動軸と、
遠心分離操作中に該駆動軸および該ロータを回転させるために、該駆動軸に動作可能に結合されたモータであって、
(i)筐体と、
(ii)該筐体と一体となった複数の実質的に平行なフィンであって、各フィンが該筐体から離間する自由端を有し、該複数のフィンの該自由端が共通の円筒面内に配置される、フィンと、
(iii)複数の実質的に平行な溝であって、各溝は1対の隣接するフィンの間に配置され、該共通の円筒面と該筐体との間の距離によって規定される溝の深さを有する、溝と
を備えるモータと
を備え、
該複数の溝は、共通の溝の深さを有する第1の群の溝と、該共通の溝の深さと同一ではない溝の深さを有する第2の群の溝とを含み、該第1および第2の群の溝は交互配置される、遠心分離機。
【0059】
局面2
該第2の群の溝のうちの少なくとも2つが異なる溝の深さを有する、局面1に記載の遠心分離機。
【0060】
局面3
該第2の群の溝の各々が異なる溝の深さを有する、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0061】
局面4
溝が1つおきに該共通の溝の深さを有する、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0062】
局面5
該共通の溝の深さが、該第2の群の溝の各々の溝の深さより大きい、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0063】
局面6
遠心分離機であって、
試料容器を受容するように構成されたロータと、
該ロータに動作可能に結合された駆動軸と、
遠心分離操作中に該駆動軸および該ロータを回転させるために、該駆動軸に動作可能に結合されたモータであって、
(i)筐体と、
(ii)該筐体と一体となった複数の実質的に平行なフィンであって、各フィンが該筐体から離間する自由端を有し、該複数のフィンの該自由端が共通の円筒面内に配置される、フィンと、
(iii)複数の実質的に平行な溝であって、各溝は1対の隣接するフィンの間に配置され、該共通の円筒面と該筐体との間の距離によって規定される溝の深さを有する、溝と、を備えるモータと
を備え、
各溝が隣接する溝の溝の深さと異なる溝の深さを有する、遠心分離機。
【0064】
局面7
該複数の溝のうちの少なくとも3つの溝の深さが異なる、局面6に記載の遠心分離機。
【0065】
局面8
該異なる溝の深さの深さがランダムに選択される、局面6または7に記載の遠心分離機。
【0066】
局面9
該溝の深さのうちの少なくとも2つが同一である、局面6〜8に記載の遠心分離機。
【0067】
局面10
該溝の深さのうちの少なくとも2つが異なり、該同一の溝の深さを有する溝と該異なる溝の深さを有する溝とが交互配置される、局面6〜9に記載の遠心分離機。
【0068】
局面11
該同一の溝の深さを有する溝は1つおきの溝である、局面9〜10に記載の遠心分離機。
【0069】
局面12
該複数のフィンの各々はフィン厚を有し、該フィンのうちの少なくとも2つは同一ではないフィン厚を有する、局面6〜11に記載の遠心分離機。
【0070】
局面13
遠心分離機であって、
試料容器を受容するように構成されたロータと、
該ロータに動作可能に結合された駆動軸と、
遠心分離操作中に該駆動軸および該ロータを回転させるために、該駆動軸に動作可能に結合されたモータであって、該モータが筐体および該筐体から延在する複数の実質的に平行なフィンを備えるモータと
を備え、
該筐体が、本体部分と、該本体部分と一体となった複数の突起とを備え、該複数の突起が隣接するフィン対の間に配置され、各突起は該突起が該本体部分から離れて延在する距離によって規定される半径方向寸法を有し、
各突起が、隣接する突起の半径方向寸法と同一ではない半径方向寸法を有する、遠心分離機。
【0071】
局面14
該複数の突起の各々が異なる半径方向寸法を有する、局面13に記載の遠心分離機。
【0072】
局面15
異なる半径方向寸法の突起が該筐体に沿ってランダムに分布される、局面14に記載の遠心分離機。
【0073】
局面16
該複数の突起が隣接するフィン対の間に規則的に配置される、局面13〜15に記載の遠心分離機。
【0074】
局面17
該複数の突起が1つおきの隣接するフィン対の間に配置される、局面13〜16に記載の遠心分離機。
【0075】
局面18
該複数のフィンの各々が該筐体から離間する自由端を有し、該複数のフィンの自由端が共通の円筒面内に配置される、局面13〜17に記載の遠心分離機。
【0076】
局面19
該複数の突起が第1、第2および第3の連続した突起を備え、該第2の連続した突起が該第1の連続した突起と該第3の連続した突起との間にあり、該第2の連続した突起の半径方向寸法が該第1および該第3の連続した突起の半径方法寸法より大きい、局面13〜18に記載の遠心分離機。
【0077】
局面20
該複数の突起が第1、第2および第3の連続した突起を備え、該第2の連続した突起が該第1の連続した突起と該第3の連続した突起との間にあり、該第2の連続した突起の半径方向寸法が該第1および該第3の連続した突起の半径方法寸法より小さい、局面13〜19に記載の遠心分離機。
【0078】
局面21
該共通の溝の深さが、該第2の群の溝のうちの最も小さい溝の深さより大きい、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0079】
局面22
該第1の群の溝が冷却を最大化するために増大した表面積を提供し、該第2の群の溝が音を低減するために隣接した該フィンの縮小された有効フィン長を提供する、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0080】
局面23
該複数のフィンの各々がほぼ円盤形のフィンを備える、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0081】
局面24
該複数のフィンの各々が該筐体から離間する自由端および、該フィンの自由端と、該フィンと隣接するフィンとの間の突起、との間の距離によって規定される有効フィン長を有し、該有効フィン長が該遠心分離機の作動中に振動の影響を受けやすい該フィンの部分を特徴付け、該複数のフィンのうちの2つしか同一の該有効フィン長を有しない、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0082】
局面25
該筐体が円筒形の筐体である、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0083】
局面26
該複数の突起が、第1と第2の隣接するフィンとの間に配置される第1の突起、および、第3と第4の隣接するフィンとの間に配置される第2の連続する突起を含む、局面13〜20のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0084】
局面27
該複数のフィンのうちの少なくともいくつかが共通のフィン厚を共有し、該複数の溝のうちの少なくともいくつかが共通の溝の深さを共有する、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0085】
局面28
該複数のフィンの各々がほぼ長方形のフィンを備える、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0086】
局面29
該複数のフィンが共通の外径を共有する、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0087】
局面30
該共通の溝の深さが約1.036インチで、該異なる溝の深さの各溝の深さが約0.536インチ〜約0.861インチの範囲である、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0088】
局面31
該第1の群の溝が冷却を最大化するために増大した表面積を提供し、該第2の群の溝が音を低減するために隣接した該フィンの縮小された有効フィン長を提供する、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0089】
局面32
該モータが、約0RPM〜約100,000RPMの範囲の速度で作動する、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0090】
局面33
該各フィンの有効フィン長が約0.536インチ〜約0.861インチの範囲である、先行する局面のいずれか1つに記載の遠心分離機。
【0091】
局面34
該複数の突起の突起高が約0.175インチ〜約0.5インチの範囲である、局面13〜20に記載に遠心分離機。
【0092】
局面35
該突起の各々が約4.228インチ〜約4.878インチの範囲の突起直径を有する、局面13〜20に記載の遠心分離機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心分離機であって、
試料容器を受容するように構成されたロータと、
該ロータに動作可能に結合された駆動軸と、
遠心分離操作中に該駆動軸および該ロータを回転させるために、該駆動軸に動作可能に結合されたモータと
を備え、該モータは、
(i)筐体と、
(ii)該筐体と一体となった複数の実質的に平行なフィンであって、各フィンが該筐体から離間された自由端を有し、該複数のフィンの該自由端が共通の円筒面内に配置される、フィンと、
(iii)複数の実質的に平行な溝であって、各溝は1対の隣接するフィンの間に配置され、該共通の円筒面と該筐体との間の距離によって規定される溝の深さを有する、複数の実質的に平行な溝と
を備え、該複数の溝は、共通の溝の深さを有する第1の群の溝と、該共通の溝の深さと同一ではない溝の深さを有する第2の群の溝とを含み、該第1の群の溝および該第2の群の溝は交互配置される、遠心分離機。
【請求項2】
前記第2の群の溝のうちの少なくとも2つが異なる溝の深さを有する、請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項3】
前記第2の群の溝の各々が異なる溝の深さを有する、請求項1または2に記載の遠心分離機。
【請求項4】
前記第1の群の溝が、複数の対の隣接するフィンの間に規則的に配置される、請求項1〜3のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項5】
溝が1つおきに前記共通の溝の深さを有する、請求項1〜4のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項6】
前記共通の溝の深さが、前記第2の群の溝のうちの少なくとも1つの溝の深さより大きい、請求項1〜5のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項7】
前記共通の溝の深さが、前記第2の群の溝の各々の溝の深さより大きい、請求項1〜6のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項8】
前記第2の群の溝の深さがランダムに選択される、請求項1〜7のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項9】
前記異なる溝の深さを有する溝が、前記複数のフィンの間にランダムに分布される、請求項2〜8のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項10】
前記複数のフィンの各々がフィン厚を有し、該複数のフィンのうちの少なくとも2つが同一ではないフィン厚を有する、請求項1〜9のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項11】
端部フィンが、前記複数のフィンのうちの少なくとも1つのフィン厚より大きいフィン厚を有する、請求項10に記載の遠心分離機。
【請求項12】
前記端部フィンが前記複数のフィンの中で最も大きいフィン厚を有する、請求項11に記載の遠心分離機。
【請求項13】
前記複数のフィンの各々がほぼ円盤形のフィンを備える、請求項1〜12のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項14】
前記筐体は、本体部分と該本体部分と一体化された複数の突起とを含み、該複数の突起は複数の対の隣接するフィンの間に配置され、各突起は、該突起が該本体部分から離れるように延在する距離によって規定される半径方向寸法を有し、各突起は隣接する突起の半径方向寸法と同一ではない半径方向寸法を有する、請求項1〜13のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項15】
前記複数の突起の各々が異なる半径方向寸法を有する、請求項14に記載の遠心分離機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−507099(P2013−507099A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532319(P2012−532319)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/050919
【国際公開番号】WO2011/041554
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(510005889)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (174)
【Fターム(参考)】