説明

音声出力遊具

【課題】幼児に対して遊びの中で自然に生活習慣をトレーニングさせる。
【解決手段】音声出力遊具10は、抱き人形と併用される水洗洋式トイレ遊具2と、水洗洋式トイレ遊具2に設けられ生活習慣に関する幼児の遊び動作に対応して作動するように構成されたスイッチ部7と、水洗洋式トイレ遊具2に設けられスイッチ部7が作動したときに当該スイッチ部7に対応する音声を出力する音声出力部8と、を備えている。この音声出力遊具10では、幼児が抱き人形を用いて遊ぶ際、生活習慣に関する幼児の遊び動作に対応した音声が出力されることから、幼児は、遊んでいる抱き人形とあたかも会話をしているかの如き感を得ることができると共に、抱き人形との間で深いスキンシップを図ることが可能となり、その結果、抱き人形を通じて、身に付けるべき生活習慣を訓練としてではなく遊びの中で自然にイメージすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声出力遊具に関し、特に、幼児が抱き人形と遊ぶ際に使用される生活習慣トレーニング用の音声出力遊具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の音声出力遊具としては、縫いぐるみと併用される装置本体と、縫いぐるみを保持する保持部と、保持部で保持した縫いぐるみを動作させる作動機構と、音声を出力する音声装置と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この音声出力遊具では、作動機構及び音声装置を縫いぐるみ内部に設けるのではなく装置本体に設けることで、例えば縫いぐるみの感触が不自然、持ち歩き難い、屋外に持ち出した場合故障の原因となる、及びクリーニングが困難等の問題を解決することが図られている。
【0003】
また、この引用文献1に記載された音声出力遊具では、注射器遊具の先端に設けられたスイッチ部を縫いぐるみに押しつける等してスイッチ部を作動させると、作動機構が一定時間作動すると共に音声装置から音声が出力される。これにより、音声と縫いぐるみの動作とを組み合わせ、よりリアル感のある縫いぐるみを実現することが図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−165656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年の音声出力遊具としては、考える又は表現することを通じて幼児の知能発達を促すことができる知育用のものが要求されている。かかる要求の中、上述したような音声出力遊具としては、単に「お世話行為」を体得させ得るものではなく、躾によって嫌々に身に付けるような生活習慣を、成長過程にある幼児に対し訓練ではなく遊びの中で自然にトレーニングさせて体得させ得るものが特に求められている。
【0006】
そこで、本発明は、幼児に対して遊びの中で自然に生活習慣をトレーニングさせることができる音声出力遊具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る音声出力遊具は、幼児が抱き人形と遊ぶ際に使用され、生活習慣のトレーニング用の音声出力遊具において、抱き人形と併用される遊具本体部と、遊具本体部に設けられ、生活習慣に関する幼児の遊び動作に対応して作動するように構成されたスイッチ部と、遊具本体部に設けられ、スイッチ部が作動したときに当該スイッチ部に対応する音声を出力する音声出力部と、を備えたことを特徴とする。なお、「抱き人形」とは、例えば2〜3歳の幼児(特に、女児)が親になりきって抱っこしたりお世話したりする人形(人間の形に作ったもの)を意味し、その大きさは、親と赤ちゃんとの間のバランスと同程度のバランスを幼児に対して有するものである。
【0008】
この本発明の音声出力遊具では、幼児が抱き人形を用いて遊ぶ際、生活習慣に関する幼児の遊び動作に対応して、音声出力部から音声が出力される。よって、幼児は、遊んでいる抱き人形とあたかも会話をしているかの如き感を得ることができると共に、抱き人形との間で深いスキンシップを図ることが可能となり、その結果、抱き人形を通じて、身に付けるべき生活習慣を訓練としてではなく遊びの中で自然にイメージすることができる。従って、本発明によれば、幼児に対して遊びの中で自然に生活習慣をトレーニングさせることが可能となる。
【0009】
また、トイレトレーニング用の音声出力遊具であって、遊具本体部は、便座部及びタンク部を有する水洗洋式トイレ遊具であり、スイッチ部は、便座部に設けられ、該便座部に抱き人形を座らせた際に作動する第1スイッチ部と、タンク部に設けられ、押圧操作により作動する第2スイッチ部と、を有し、音声出力部は、第1スイッチ部が作動したとき、用便行為に関する複数の音声のうちの1つを第1音声として出力し、第2スイッチ部が作動したとき、トイレの排水音を有する音声を第2音声として常に最後まで出力し、第1音声の出力中に第2スイッチ部が作動したとき、第1音声を停止して第2音声を出力することが好ましい。
【0010】
この音声出力遊具においては、幼児は、抱き人形と対話しつつ該抱き人形のトイレの世話をするように遊ぶことができる。このとき、トイレで用を足す際の適正なイメージを、抱き人形を通じて幼児が好適に得ることができるため、幼児に体得させるのに親が苦労するようなトイレ習慣を、幼児に対して遊びの中で自然にトレーニングさせることが可能となる。
【0011】
また、遊具本体部としてのブラシ遊具と、歯磨剤容器遊具とを備えた歯磨きトレーニング用の音声出力遊具であって、遊具本体部は、ブラシ遊具を有しており、スイッチ部は、ブラシ遊具に設けられ、押圧操作により作動し、音声出力部は、スイッチ部が作動したとき、歯磨き行為に関する複数の音声のうちの1つを出力し、歯磨剤容器遊具の内部には、歯磨剤を模した歯磨剤パーツが歯磨剤容器遊具の外部へ出没可能に設けられていることが好ましい。
【0012】
この音声出力遊具では、抱き人形と対話しつつ該抱き人形の歯磨きの世話をするように遊ぶことができる。このとき、歯磨きをする際の適正なイメージを、抱き人形を通じて幼児が好適に得ることができるため、幼児に体得させるのに親が苦労するような歯磨き習慣を、幼児に対して遊びの中で自然にトレーニングさせることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、幼児に対して遊びの中で自然に生活習慣をトレーニングさせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る音声出力遊具を示す斜視図である。
【図2】(a)は図1の音声出力遊具を示すブロック図であり、(b)は図1の音声出力遊具の使用時を説明するための図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る音声出力遊具を示す斜視図である。
【図4】(a)は図3の音声出力遊具の使用時を説明する図であり、(b)は図4(a)の続きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、「上」「下」「前」「後」の語は、音声出力遊具の上下方向、前後方向にそれぞれ対応するものである。
【0016】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る音声出力遊具を示す斜視図であり、図2(a)は図1の音声出力遊具を示すブロック図であり、図2(b)は図1の音声出力遊具の使用時を説明するための図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の音声出力遊具10は、幼児が抱き人形P(図2(b)参照)と遊ぶ際に使用される知育用のものであって、幼児が身に付けるべき生活習慣をイメージトレーニングさせる生活習慣トレーニング用遊具である。この音声出力遊具10は、抱き人形Pを用いた幼児の生活習慣に関する遊び動作に対応して音声を出力し、当該生活習慣の適正なイメージを幼児に対し自然に与える。ここでの音声出力遊具10は、抱き人形Pと併用される遊具本体部として水洗洋式トイレ遊具2を備えたトイレトレーニング用のものである。
【0018】
「抱き人形」とは、対象幼児を2〜3歳の幼児(特に、女児)とする人形(人間の形に作ったもの)であり、幼児が親になりきって抱っこしたりお世話したりするものである。つまり、抱き人形は、幼児にとっての妹や弟(赤ちゃん)を想定する。抱き人形の大きさは、親と赤ちゃんとの間の大きさバランスと同程度の大きさバランスを幼児に対して有しており、約30cm程度となっている。例えば、抱き人形としては、ぽぽちゃん(商品名、ピープル株式会社製、登録商標)が用いられる。
【0019】
水洗洋式トイレ遊具2は、その概略外形寸法が縦175mm、横120mm、高さ100mmとされている。この水洗洋式トイレ遊具2は、抱き人形Pとの接触で該抱き人形Pに悪影響を及ぼさない素材の樹脂で形成されており、ここでは、PCVに対し耐性を有する樹脂が採用されている。水洗洋式トイレ遊具2は、便座部3及びタンク部4を有している。
【0020】
便座部3は、抱き人形Pを座らせる部位であり、水洗洋式トイレの便座を模した形状を呈している。この便座部3上には、補助便座を模した環状形状を呈する補助便座パーツ5が設けられている。補助便座パーツ5の前側中央は、上方に曲面状に隆起する膨出部5xを有している。また、便座部3には、該便座部3を開閉可能とする蓋6が取り付けられている。タンク部4は、便座部3の後側に設けられ、水洗洋式トイレの貯水タンクを模した形状を呈している。
【0021】
また、図1,2(a)に示すように、音声出力遊具10は、音声を出力させる構成として、スイッチ部7及び音声出力部8を備えている。スイッチ部7は、生活習慣に関する幼児の遊び動作に対応して作動するよう水洗洋式トイレ遊具2に設けられており、便座スイッチ(第1スイッチ部)7x及び水洗レバースイッチ(第2スイッチ部)7yを含んでいる。
【0022】
便座スイッチ7xは、便座部3に設けられている。具体的には、便座スイッチ7xは、便座部3と補助便座パーツ5との間において前側中央位置に設けられている。この便座スイッチ7xは、通常時には、非作動状態(OFF)とされていると共に、抱き人形Pの重さ(例えば、246g)以上の重さに相当する荷重が上方から負荷されたときに作動する(ONとなる)。すなわち、便座スイッチ7xは、抱き人形Pを便座部3に座らせないときにはOFFである一方、座らせたときにONとなる。
【0023】
水洗レバースイッチ7yは、タンク部4の側面に設けられている。この水洗レバースイッチ7yは、押圧操作によりONとなる。具体的には、水洗レバースイッチ7yは、通常時にはOFFとされていると共に、下方へ移動するように押圧することによってONとなる。
【0024】
音声出力部8は、水洗洋式トイレ遊具2に設けられており、音声IC8x、メモリ8y及びスピーカ8zを備えている。この音声出力部8は、作動状態のスイッチ部7に対応して音声(IC音)を出力する。具体的には、音声出力部8においては、便座スイッチ7x又は水洗レバースイッチ7yの何れか一方がONとなったとき、このONとなった一方に対応する音声データを音声IC8xがメモリ8yから呼び出して増幅し、スピーカ8zから外部へ出力する(より詳しくは後述する)。
【0025】
メモリ8yには、出力するべき音声に関する複数の音声データが、スイッチ部7と関連付けられて予め記憶されている。ここでは、下表1に示すように、便座スイッチ7xについては、用便行為に関する複数(3つ)の音声に関する音声データが記憶され、水洗レバースイッチ7yについては、トイレの排水音を有する音声に関する音声データが記憶されている。このメモリ8yとしては、例えば半導体記憶装置が用いられている。
【表1】

【0026】
スピーカ8zは、タンク部4内にて後方へ音声出力可能に配置されている。なお、音声出力部8では、スピーカ8zから出力する音声の音量が、好ましいとして75dB±5dbの範囲とされている。
【0027】
以上のように構成された音声出力遊具10では、図2(a),(b)に示すように、幼児50が抱き人形Pと共に遊ぶ場合、抱き人形Pがあたかも水洗洋式トイレ遊具2で用を足すように幼児50に使用される。
【0028】
すなわち、まず蓋6が開けられ、便座部3の補助便座パーツ5上に抱き人形Pが座らせられる。これにより、抱き人形Pの重さによって補助便座パーツ5が下方へと押圧され、便座スイッチ7xがONとなる。
【0029】
そして、便座スイッチ7xがONとなったとき、音声IC8xにより、メモリに8yに記憶された用便行為に関する複数の音声データのうち何れか1つがランダム又は順番に選択され、選択された音声データに相当する音声がスピーカ8zから外部へ第1音声として出力される。この第1音声の出力によって、幼児50は、トイレ中の抱き人形Pが話しているような想像をし、その会話内容に応じて抱き人形Pと会話し合ったり等の行動がなされることとなる。
【0030】
その後、トイレで用を足した後に排水するのと同様にして、水洗レバースイッチ7yが下方側へと押圧され、水洗レバースイッチ7yがONとなる。水洗レバースイッチ7yがONとなったとき、音声IC8xにより、メモリ8yに記憶されたトイレの排水音に関する音声データが選択され、選択された音声データに相当する音声がスピーカ8zから外部へ第2音声として出力される。
【0031】
ここで、水洗レバースイッチ7yが作動されて第2音声が出力中のときには、抱き人形Pが補助便座パーツ5に座らせられて便座スイッチ7xが作動されても、出力されている第2音声は停止されることなくそのまま最後まで出力される。また、第2音声の出力中に水洗レバースイッチ7yが再び作動されても(押圧され直されても)、出力されている第2音声は停止されることなくそのまま最後まで出力される。つまり、水洗レバースイッチ7yが一旦ONとなったとき、第2音声が常に最後まで(途切れることなく)出力される。
【0032】
一方、便座スイッチ7xが作動されて第1音声が出力中のときには、水洗レバースイッチ7yが押圧されて水洗レバースイッチ7yが作動されると、出力されている第1音声が停止されて第2音声が出力される。また、第1音声の出力中にて、例えば抱き人形Pが補助便座パーツ5に座り直され便座スイッチ7xが再作動されると、出力されている第1音声が停止され(途切れ)、第1音声がまた最初から出力される。
【0033】
以上、本実施形態の音声出力遊具10では、生活習慣に関し幼児50が遊んでいる抱き人形Pとあたかも会話をしているかの如き感を与えることができ、成長過程にある幼児50に対しあらゆる想像力を与えることが可能となる。そして、幼児50と抱き人形Pとの間で深いスキンシップが可能となる。
【0034】
その結果、本実施形態では、抱き人形Pを通じて、「世話をする行為(お世話行為)を覚える」等の知育効果を幼児50に好適に与えることができるのに加え、身に付けるべき生活習慣を訓練としてではなく遊びの中で自然にイメージすることができるのである。従って、本実施形態によれば、幼児50に対して遊びの中で自然に且つ好適に生活習慣をトレーニングさせることが可能となる。ひいては、幼児50は、通常は躾によって嫌々に身に付ける生活習慣を、遊びながらにして自ずと体得することができる。
【0035】
なお、近年、脳科学分野では、幼い頃から赤ちゃんに接する場合、親性行動促進(プロラクチン)ホルモンの分泌が促されることが研究されている。この親性行動促進ホルモンによれば、可愛がったり愛しいと思ったりすることができる大脳の形成が促され、将来、良き親となる心(いわゆる、幼い母性)が形成されるのである。この点において、本実施形態では、上述したように、抱き人形Pが赤ちゃんとして世話するように遊ばれ、世話をする行為を覚える知育効果が発揮されるため、特に有効なものといえる。
【0036】
また、特に本実施形態では、抱き人形Pと対話しつつ該抱き人形Pのトイレの世話をするような生活習慣に係る遊び動作でもって幼児50が遊ぶことができる。よって、「トイレのお世話をするのを覚える」という知育効果を幼児50に好適に与えることができるのに加え、トイレで用を足す際の適正なイメージを幼児50が好適に得ることができ、体得させるのに親が苦労するようなトイレ習慣を、幼児50に対して遊びの中で自然にイメージさせトレーニングさせることが可能となる。
【0037】
また、本実施形態では、上述したように、便座スイッチ7xが便座部3と補助便座パーツ5との間において前側中央位置に設けられている。このように前側中央位置に便座スイッチ7xが設けることにより、座位状態の抱き人形Pの重心位置を考慮し、座位状態の抱き人形Pの重量を便座スイッチ7xへ確実に負荷させることができる。つまり、便座スイッチ7xは、抱き人形Pを座位状態で補助便座パーツ5上に載せたときに作動し易く、それ以外では作動し難く構成されているといえる。
【0038】
また、本実施形態では、上述したように、第1音声が出力中のときには、水洗レバースイッチ7yが作動されると第1音声が停止されて第2音声が出力される一方、第2音声が出力中のときには、便座スイッチ7xが作動されたとしても第2音声が常に最後まで出力される。このように、第1及び第2音声の出力に優先度を設けることで、より実際に近いトイレ状況をシミュレートでき、幼児50に対しトイレ習慣を適切にイメージさせることが可能となる。
【0039】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明においては、上記第1実施形態と異なる点について主に説明する。
【0040】
図3(a),(b)は本発明の第2実施形態に係る音声出力遊具のブラシ遊具、歯磨剤容器遊具を示す各斜視図であり、図3(b)は図3の音声出力遊具の使用時を説明する図であり、図4(b)は図4(a)の続きを示す図である。図3(a)に示すように、本実施形態の音声出力遊具20は、抱き人形Pと併用される遊具本体部としてブラシ遊具21を備えた歯磨きトレーニング用のものである。ブラシ遊具21は、歯ブラシを模した形状を呈しており、その先端部にブラシ部21xを有している。
【0041】
この音声出力遊具20は、図3(b)に示すように、ブラシ遊具21と併用されるものとして歯磨剤容器遊具22をさらに備えている。歯磨剤容器遊具22は、チューブ型の歯磨剤容器を模した形状を呈しており、容器本体22xに蓋部22yが着脱可能に固定されている。
【0042】
この歯磨剤容器遊具22は、図4(a)に示すように、蓋部22yが外された状態で吐出口23が下方側に(逆さまに)されたとき、歯磨剤を模した円柱状の樹脂からなる歯磨剤パーツ24が吐出口23から出没可能に構成されている。つまり、歯磨剤容器遊具22は、あたかも容器本体22x内から歯磨剤から出てくるかのようになっている。
【0043】
また、音声出力遊具20は、スイッチ部7として、ボタンスイッチ25を備えている。ボタンスイッチ25は、押圧操作により作動する(ONとなる)ものであり、ブラシ遊具21の長手方向中央に設けられている。ここでのボタンスイッチ25は、ブラシ遊具21の基端側を右手で把持したときに該右手の親指に対応する位置に設けられている。このボタンスイッチ25は、通常時にはOFFとされていると共に、内部へ埋入するよう押圧することによってONとなる。
【0044】
メモリ8yには、下表2に示すように、ボタンスイッチ25ついて、歯磨き行為に関する複数(2つ)の音声に関する音声データが記憶されている。
【表2】

【0045】
以上のように構成された音声出力遊具20では、図4(a),(b)に示すように、幼児50が抱き人形Pと共に遊ぶ場合、抱き人形Pの歯をブラシ遊具21で磨くように幼児に使用される。
【0046】
すなわち、図4(a)に示すように、まず、歯磨剤を歯ブラシに付けるかのように、歯磨剤容器遊具22の歯磨剤パーツ24がブラシ遊具21に当てられる。具体的には、蓋部22yが開けられ、歯磨剤容器遊具22の吐出口23が下方側にされて歯磨剤パーツ24が出没され、この状態で、出没された歯磨剤パーツ24がブラシ遊具21のブラシ部21xに当てられる。
【0047】
続いて、図4(b)に示すように、ブラシ遊具21のブラシ部21xが抱き人形Pの歯(口)に当てられると共に、ボタンスイッチ25(図3(a)参照)が押圧され、ボタンスイッチ25がONとなる。ボタンスイッチ25がONとなったとき、音声IC8xにより、メモリに8yに記憶された歯磨き行為に関する複数の音声データが交互又はランダムに選択され、選択された音声データに相当する音声がスピーカ8zから外部へ出力される。この音声出力によって、幼児50は、歯磨きされた抱き人形Pが話しているような想像をし、その会話内容に応じて抱き人形Pと会話し合ったり等の行動がなされることとなる。
【0048】
ここで、ボタンスイッチ25が一旦ONとなると、その後にボタンスイッチ25から手を放しても、音声が常に最後まで出力される。また、音声出力中のときには、ボタンスイッチ25が再度ONとされても、出力中の音声は停止されることなくそのまま最後まで出力される。
【0049】
以上、本実施形態の音声出力遊具20においても、幼児50に対して、遊びの中で自然に且つ好適に生活習慣をトレーニングさせることが可能となる。
【0050】
また、特に本実施形態では、抱き人形Pと対話しつつ該抱き人形Pの歯磨きの世話をするような生活習慣に係る遊び動作でもって幼児50が遊ぶことができる。よって、「歯磨きの世話をするのを覚える」という知育効果を幼児50に好適に与えることができるのに加え、歯磨きをする際の適正なイメージを幼児50が好適に得ることができ、体得させるのに親が苦労するような歯磨き習慣を、幼児50に対して遊びの中で自然にイメージさせトレーニングさせることが可能となる。
【0051】
また、本実施形態では、上述したように、歯磨剤容器遊具22の吐出口23が下方側にされたときに歯磨剤パーツ24が吐出口23から出没可能に構成されており、幼児50が遊ぶ際、歯磨剤を歯ブラシに付けるかのように歯磨剤パーツ24がブラシ部21xに当てられる。よって、より実際に近い歯磨き状況をシミュレートでき、幼児50に対し歯磨き習慣を適切にイメージさせることが可能となる。
【0052】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明に係る音声出力遊具は、実施形態に係る上記音声出力遊具10,20に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0053】
例えば、上記第1実施形態では、2つのスイッチ部7が設けれ、上記第2実施形態では、1つのスイッチ部7が設けられているが、スイッチ部の数は3つ以上でもよい。この場合、音声出力部では、3つ以上のスイッチ部のそれぞれに対応した音声が出力されればよい。なお、出力する音声の内容は上記のものに限定されず、種々の内容の音声であってもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、トイレトレーニング用及び歯磨きトレーニング用の遊具に本発明が適用されているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、例えば抱き人形と併用される生活習慣トレーニング用の様々な遊具(例えばベッド遊具、ベビーカー遊具、スプーン遊具等)に適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
2…水洗洋式トイレ遊具(遊具本体部)、7…スイッチ部、7x…便座スイッチ(第1スイッチ部)、7y…水洗レバースイッチ(第2スイッチ部)、8…音声出力部、8x…音声IC(音声出力部)、8y…メモリ(音声出力部)、8z…スピーカ(音声出力部)、10,20…音声出力遊具、21…ブラシ遊具(遊具本体部)、22…歯磨剤容器遊具、24…歯磨剤パーツ、25…ボタンスイッチ(スイッチ部)、50…幼児、P…抱き人形。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幼児が抱き人形と遊ぶ際に使用され、生活習慣のトレーニング用の音声出力遊具において、
前記抱き人形と併用される遊具本体部と、
前記遊具本体部に設けられ、生活習慣に関する前記幼児の遊び動作に対応して作動するように構成されたスイッチ部と、
前記遊具本体部に設けられ、前記スイッチ部が作動したときに当該スイッチ部に対応する音声を出力する音声出力部と、を備えたことを特徴とする音声出力遊具。
【請求項2】
トイレトレーニング用の音声出力遊具であって、
前記遊具本体部は、便座部及びタンク部を有する水洗洋式トイレ遊具であり、
前記スイッチ部は、
前記便座部に設けられ、該便座部に前記抱き人形を座らせた際に作動する第1スイッチ部と、
前記タンク部に設けられ、押圧操作により作動する第2スイッチ部と、を有し、
前記音声出力部は、
前記第1スイッチ部が作動したとき、用便行為に関する複数の音声のうちの1つを第1音声として出力し、
前記第2スイッチ部が作動したとき、トイレの排水音を有する音声を第2音声として常に最後まで出力し、
前記第1音声の出力中に前記第2スイッチ部が作動したとき、前記第1音声を停止して前記第2音声を出力することを特徴とする請求項1記載の音声出力遊具。
【請求項3】
前記遊具本体部としてのブラシ遊具と、歯磨剤容器遊具と、を備えた歯磨きトレーニング用の音声出力遊具であって、
前記スイッチ部は、前記ブラシ遊具に設けられ、押圧操作により作動し、
前記音声出力部は、前記スイッチ部が作動したとき、歯磨き行為に関する複数の音声のうちの1つを出力し、
前記歯磨剤容器遊具の内部には、歯磨剤を模した歯磨剤パーツが前記歯磨剤容器遊具の外部へ出没可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の音声出力遊具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−254993(P2011−254993A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132216(P2010−132216)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(591185401)ピープル株式会社 (9)
【Fターム(参考)】