説明

頂壁と側壁が紙基材で底部が熱可塑性材料からなる液体食品用容器の製造方法、製造装置、及びその製造方法による液体食品用容器

【課題】底部の下フラップ近傍におけるシール不良やピンホール、ひび割れ等をなくし漏れが発生しない液体食品容器の製法、装置、容器を提供することを目的とする。
【解決手段】「液体食品容器の製造装置」29は、熱可塑性材料30の底部31と紙基材4の包材2の側壁32及び頂部33とからなる液体食品容器34を形成して内容液Qが充填される。クリース線20を形成した包材2を連続的に繰出す繰出工程35と、包材2をシート36に横切断する切断工程37と、シート36を縦シール36bして短筒39にする縦シール工程40と、短筒39の開口部39bを熱可塑性材料30でモールド加工して底部31を形成するモールド工程41と、短筒39の開口部39bから内容液Qを充填する充填工程44と、内容液Qが充填された短筒39をクリース線20に沿って折り畳み密封して側壁32及び頂部33が形成される成型工程43とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体食品容器とその製造方法に関し、詳しくは、頂部と底部と側壁とからなる液体食品用容器の頂部と側壁が紙基材で形成され底部が射出成形により樹脂成型される液体食品用容器の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙基材からなる包材を成形した液体食品容器に牛乳やジュース等の液体飲料(以下適宜に内容液と述べる)を封入する構成に関しては、例えば特許文献1の内容が知られている。
【0003】
図11、図12に示すように、レンガ形状の液体食品容器1(以下適宜に容器と述べる)の包材2は容器1の外側から内側にかけて順に形成された、外側層3、紙基材4、内側層5(接着層6、バリヤ層7、接着層8及び最内層9)を備える。
【0004】
通常、外側層3、接着層8及び最内層9はポリエチレン(PE)、エチレン共重合体等の樹脂によって形成され、外側層3及び最内層9は低密度ポリエチレン(LDPE)によって形成され、バリヤ層7はアルミ箔(はく)等によって形成される。
【0005】
包材2の紙基材4には成形しやすいように折り目線(クリース)20が形成されている。容器1の頂面10には紙基材4を例えば直径6mmで刳り貫いたストロー孔12が形成され、内容液を飲用するときにストローを挿入して飲用することができる。
【0006】
ここで、図13(a)、(b)に示すように、内容液Qが充填された液体食品容器1を製造する工程において、帯状の包材2は図示しない充填機内に搬送されながら連続的にチューブ状に形成されそのチューブ内に内容液Qが充填されて包材チューブ15が形成される。
【0007】
そして包材チューブ15は図示しない横シール装置において所定の間隔毎に横方向に横シール16され、さらに図示しない切断装置によって包材チューブが分離切断されてな枕状の原型容器17が形成される。
【0008】
図14(a)、(b)に示すように、枕状の原型容器17は図示しない成形装置によって折り目線(クリース)20に沿って成形されているので、上フラップ18と下フラップ19は矢印の方向に容易に折畳まれて容器側面22と容器底面21にシールされてレンガ形状の液体食品容器1が完成する。
【0009】
そして、ストローを容器1の頂面10に形成されたストロー孔12に突き刺すことによって使用者が内容液Qを吸い出して飲用することができる。
【特許文献1】特開2002−179049号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、上フラップ18と下フラップ19がそれぞれ折畳まれて容器側面22と容器底面21にシールされる際に、上フラップ18は容器側面22に対して角度90度に折畳まれるが、下フラップ19は容器底面21に対して角度180度に折畳まれる。
【0011】
このため、下フラップ19は上フラップ18に比べて折畳み角度が大きい分だけ無理な力がかかるので下フラップ19近傍に応力集中が発生する可能性が高まり、きわめて稀であるが下フラップ19を含む容器底面21にシール不良やピンホール、ひび割れ等が発生することがあり、その結果、内容液Qの漏れが発生する恐れがあった。
【0012】
本発明は、このような従来の問題点を解決して、底部の下フラップ19近傍におけるシール不良やピンホール、ひび割れ等をなくし漏れが発生しない液体食品容器の製法、装置、容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、熱可塑性材料の底部と、紙基材の側壁及び頂壁とからなる液体食品容器の製造方法であって、クリース線を形成した帯状の前記紙基材を連続して所定の長さに横切断するとともに縦シールで短筒にし、この短筒部の一方の開口部を熱可塑性材料でモールド加工して底部を形成し、他方の開口部から内容液を充填した後に、前記底部を除く前記短筒部を前記クリース線に沿って折り畳み密封して前記側壁及び頂壁が形成されることを特徴としている。
【0014】
この液体食品容器の製造方法であれば、短筒部の一方の開口部を熱可塑性材料でモールド加工して底部が容易に形成され、前記クリース線に沿って折り畳み密封して前記側壁及び頂壁が容易に形成される。
【0015】
請求項2の発明は、 請求項1に記載の液体食品容器の製造方法であって、前記モールド加工はノズルによる金型内への射出成形であり、この金型により前記短筒部の一方の開口部の開口端部及びその近傍を閉囲してキャビティーを形成し、前記ノズルから前記キャビティー内へ溶融熱可塑性材料を射出し、且つ直ちに射出された前記溶融熱可塑性材料を冷却し、前記金型の前記開口部近傍からの離脱により、前記短筒部の一方の開口部を覆う熱可塑性材料による前記底部を形成することを特徴としている。
【0016】
液体食品容器の製造方法であれば、この金型により前記短筒部の一方の開口部の開口端部及びその近傍を閉囲してキャビティーを形成するので溶融熱可塑性材料を射出金型内への射出して前記底部を成形できる。
【0017】
さらに、直ちに射出された前記溶融熱可塑性材料を冷却できるので確実に迅速に前記底部を成形できる。
【0018】
請求項3の発明は、熱可塑性材料の底部と、紙基材の側壁及び頂壁とからなる液体食品容器であって、クリース線を形成した帯状の前記紙基材を連続して所定の長さに横切断するとともに縦シールで短筒にし、この短筒部の一方の開口部を熱可塑性材料でモールド加工して底部を形成し、他方の開口部から内容液を充填した後に、前記底部を除く前記短筒部を前記クリース線に沿って折り畳み密封して側壁及び頂壁が形成されることを特徴としている。
【0019】
この液体食品容器であれば、短筒部の一方の開口部を熱可塑性材料でモールド加工して底部を形成し、前記クリース線に沿って容易に折り畳み密封されるので側壁及び頂壁が確実に形成できる。
【0020】
請求項4の発明は、請求項3に記載の液体食品容器であって、前記モールド加工はノズルによる金型内への射出成形であり、この金型は前記短筒部の一方の開口部の開口端部及びその近傍を閉囲してキャビティーを形成し、前記ノズルから前記キャビティー内へ溶融熱可塑性材料を射出し、且つ直ちに射出された前記溶融熱可塑性材料を冷却し、前記金型の前記開口部近傍からの離脱により、前記短筒部の一方の開口部を覆う熱可塑性材料による前記底部を形成することを特徴としている。
【0021】
この液体食品容器であれば、金型により前記短筒部の一方の開口部の開口端部及びその近傍を閉囲してキャビティーを形成するので溶融熱可塑性材料を射出金型内への射出して前記底部を容易に成形される。
【0022】
さらに、直ちに射出された前記溶融熱可塑性材料を冷却できるので確実に迅速に前記底部が成形される。
【0023】
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載の液体食品容器であって、前記液体食品容器の外形形状は、前記底部の開口端部の断面が略矩形形状(4隅が弧状も含む)又は略長円形状(略円形も含む)で、前記側壁及び頂壁がレンガ形状、屋根型形状、前記頂壁が線状密封された略楔形状のいずれかであることを特徴としている。
【0024】
この液体食品容器であれば、様々な形状の容器形状が得られる。
【0025】
請求項6の発明は、熱可塑性材料の底部と、紙基材の側壁及び頂壁とからなる液体食品容器の製造装置であって、クリース線を形成した帯状の前記紙基材を連続的に繰出す繰出工程と、前記紙基材を所定の長さのシートに横切断する切断工程と、切断した前記シートを縦シールして短筒にする縦シール工程と、この短筒部の一方の開口部を熱可塑性材料でモールド加工して底部を形成するモールド工程と、前記短筒部を搬送しながら他方の開口部から内容液を充填する充填工程と、内容液が充填された前記短筒部を前記クリース線に沿って折り畳み密封して側壁及び頂壁が形成される成型工程とからなることを特徴としている。
【0026】
この液体食品容器の製造装置であれば、短筒部の一方の開口部を熱可塑性材料でモールド加工して底部が容易に形成され、前記クリース線に沿って折り畳み密封して前記側壁及び頂壁が容易に形成される。
【0027】
請求項7の発明は、請求項6に記載の液体食品容器の製造装置であって、前記モールド工程は、前記短筒の一方の開口部の開口端部及びその近傍を閉囲してキャビティーを形成する金型と、前記キャビティー内部に連通する流路を有するノズルとを備える射出成形装置で構成され、前記短筒部をモールド位置に搬送する搬送手段と、前記ノズルから前記キャビティー内へ溶融熱可塑性材料を射出する射出手段と、前記金型を介してキャビティー内に射出された熱可塑性材料を冷却する冷却手段と、前記ノズル及び金型を前記短筒部の一方の開口端部及びその近傍を閉囲してキャビティーを形成し且つ離脱させる駆動手段とを有することを特徴としている。
【0028】
この液体食品容器の製造装置であれば、金型により前記短筒部の一方の開口部の開口端部及びその近傍を閉囲してキャビティーを形成するので溶融熱可塑性材料を射出金型内への射出して前記底部を成形できる。
【0029】
さらに、直ちに射出された前記溶融熱可塑性材料を冷却できるので確実に迅速に前記底部を成形できる。
【発明の効果】
【0030】
請求項1記載の発明によれば、短筒部の一方の開口部を熱可塑性材料でモールド加工して底部が容易に形成されるので、底部の下フラップ近傍におけるシール不良やピンホール、ひび割れ等が防止できるので底部からの漏れがなくなる。
【0031】
請求項2記載の発明によれば、金型によりキャビティーを形成して溶融熱可塑性材料を金型内へ射出するとともに冷却できるので確実に迅速に前記底部を成形できるため、容器の製造スピードが低下することがないという効果に加えて請求項1記載の発明の効果と同じ効果が得られる。
【0032】
請求項3記載の発明によれば、前記クリース線に沿って容易に折り畳み密封されるので側壁及び頂壁が確実に形成できるので成形性が向上するという効果に加えて請求項1記載の発明の効果と同じ効果が得られる。
【0033】
請求項4記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果と同じ効果が得られる。
【0034】
請求項5記載の発明によれば、様々な形状の液体食品容器の容器形状が得られるので、商品価値を高めることができる。
【0035】
請求項6記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果と同じ効果が得られる。
【0036】
請求項7記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果と同じ効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
<本発明の第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図8を用いて詳細に説明する。尚、図11〜図13に示した構成と同等部分には適宜に同一符号を付して説明する。
【0038】
<液体食品容器の製造装置の構成>
図1に示すように、本発明の「液体食品容器の製造装置」29は、熱可塑性材料30の底部31と、紙基材4からなる包材2によって側壁32及び頂部33が形成される液体食品容器34に内容液Qが充填された液体食品容器34の製造装置である。
【0039】
ここで、前記「液体食品容器の製造装置」29は次の6工程で構成される。
【0040】
(1) クリース線20を形成した帯状の前記包材2を連続的に繰出す繰出工程35。
【0041】
(2) 前記包材2を所定の長さのシート36に横切断する切断工程37。
【0042】
(3) 切断した前記シート36を縦シール36bして短筒39にする縦シール工程40。
【0043】
(4) この短筒39の一方の開口部39bを熱可塑性材料30でモールド加工して底部31を形成するモールド工程41。短筒39は回転する2列のマンドレル42に装着されて角度90度毎に移動する。
【0044】
(5) 前記短筒39を2列搬送しながら他方の開口部39bから内容液Qをタンク42aから充填パイプ42bを介して充填する充填工程44。
【0045】
(6) 内容液Qが充填された前記短筒39を前記クリース線20に沿って図示しない成形装置によって折り畳み密封して側壁32及び頂部33が形成される成型工程43。
【0046】
図2、図3(a)、(b)に示すように、レンガ形状の液体食品容器34の包材2は容器1の外側から内側にかけて順に形成された、外側層3、紙基材4、内側層5(接着層6、バリヤ層7、接着層8及び最内層9)を備える。
【0047】
通常、外側層3、接着層8及び最内層9はポリエチレン(PE)、エチレン共重合体等の樹脂によって形成され、外側層3及び最内層9は低密度ポリエチレン(LDPE)によって形成するのが好ましい。バリヤ層7はアルミ箔(はく)等の酸素バリア材が用いられる。さらに、外側層3の外側表面又は紙基材4の外側表面には必要に応じて図示しないデザイン等の印刷が施される。
【0048】
容器1の頂面10には紙基材4を例えば直径6mmで刳り貫いたストロー孔12が形成され、内容液を飲用するときにストローを挿入して飲用することができる。
【0049】
帯状の包材2の紙基材4には成形しやすいように折り目線(クリース)20が形成されるが、クリース線20のパターンは所定の容器形状に合わせて選定される。図においては、クリース線20aは頂部33を矩形筒形状に形成するパターンであり、他のクリース線20bは頂部33近傍の側壁32を矩形筒形状に形成するために形成されるが側壁32の途中までしか形成されない。
【0050】
このようにクリース線20を形成した帯状の包材2がロール状に巻かれた状態から連続して巻き出されてローラを介して「液体食品容器の製造装置」29内を搬送される。
【0051】
前記切断工程37において、前記包材2を横切断部で切断して容器1パック分に相当する長さのシート36にする。そして、縦シール工程40で前記シート36を包材2の両端部36aを折り重ねて縦シール36bすることにより図4に示すような縦シール部38が形成された矩形筒状の短筒39が形成される。このとき、縦シール部38からの内容液の漏れを防ぐために短筒39の内面39a側の接合部38aを覆う図示しないストリップテープが同時にシールされる。
【0052】
ここで、短筒39の頂部側近傍の側面32aはクリース線20に沿って容易に折り曲げられるのでシャープな矩形断面形状に形成されるが、底部側近傍の側面32bは上記のようにクリース線20が形成されていないのでシャープに折り曲げられることがないので「略」矩形形状に形成される。
【0053】
図5に示すように、短筒39は搬送手段としてのマンドレル42に頂部側から挿入されてマンドレル42の回転に伴って矢印の方向に90度回転してモールド工程41に送られる。
【0054】
モールド工程41は前記短筒39の一方の開口部39bの開口端部39c及びその近傍を閉囲してキャビティー45aを形成する金型45と、前記キャビティー45a内部に連通する流路を有するノズル46とを備える射出成形装置47で構成される。
【0055】
より詳しくは、モールド工程41は前記ノズル46から前記キャビティー45a内へ溶融熱可塑性材料を射出する図示しない射出手段と、前記金型45を介してキャビティー45a内に射出された熱可塑性材料を冷却する図示しない冷却手段と、前記ノズル46及び金型45を上方、下方に移動するとともに前記短筒39の一方の開口端部及びその近傍を閉囲してキャビティー45aを形成し且つ離脱させる図示しない駆動手段が設けられる。
【0056】
マンドレル42の先端部には前記短筒39の一方の開口部39bの開口端部39c及びその近傍を短筒39の内面39a側から保持するキャビティー45aの一部として(キャビティー45aを遮蔽するための)受け部48が形成されており、前記受け部48はキャビティー45a内に射出された熱可塑性材料を冷却する図示しない冷却手段も備えている。
【0057】
図6に示すように、射出成形装置47を上方に移動して前記短筒39の一方の開口部39bの開口端部39c及びその近傍39eを前記金型45と前記受け部48によって挟みこみ、閉鎖されたキャビティー45a内に熱可塑性材料49を前記ノズル46から射出すると同時に冷却することで短筒39の開口部39bを熱可塑性材料49でモールド加工された底部31が形成される。
【0058】
その後、射出成形装置47の金型45を下方に移動した後に、短筒39が搬送手段としてのマンドレル42の回転に伴って矢印の方向にさらに90度回転後、図示しない装置によって垂直に自立した状態で充填コンベヤーによって充填工程44に送られる。そのとき短筒39は図7に示すように前記底部31が形成される。
【0059】
前記底部31が形成された短筒39はさらに充填コンベヤーで搬送されながら充填工程44で充填パイプ42bを介して他方の開口部39dから所定の内容液Qが充填される。
【0060】
最終的に、成型工程43によって内容液Qが充填された前記短筒39を図示しない成形機によって前記クリース線20に沿って折り畳み密封して側壁32及び頂部33が形成される。
【0061】
上記のように、クリース線20aは頂部33を容易に矩形筒形状に形成するためのパターンであり、クリース線20bは頂部33近傍の側壁32を矩形筒形状に形成するためであるが側壁32の途中までしか形成されない。このため、内容液Qが充填された完成状態の容器34は頂部33が確実に矩形形状に形成され、底部31は「略」矩形形状の筒状形状である。
【0062】
なお、上記液体食品容器の製造装置によれば様々な形状の液体食品容器1が製造可能であり、図8(a)、(b)に示すように、上記と同じ形状の熱可塑性材料49による底部31を形成し頂部33が一直線状に横シールされて楔形に形成された容器1や、同じく頂部33が屋根型に形成された容器1が形成できる。
【0063】
<液体食品容器の製造装置の作用>
上記のように、射出成形装置47を上方に移動して前記短筒39の一方の開口部39bの開口端部39c及びその近傍39eを前記金型45と前記受け部48によって挟みこみ、閉鎖されたキャビティー45a内に熱可塑性材料49を前記ノズル46から射出すると同時に冷却することで短筒39の開口部39bを熱可塑性材料49でモールド加工された底部31が形成される。
【0064】
このため、液体食品容器1の底部31は折畳む構成がなくなるのでシール不良がなくなるとともに応力集中が発生することもないので、容器1の底部31にピンホールが発生することがなくなり底部31からの漏れを防止できる。
【0065】
そして、歩留まりが向上するので製造コストを低く抑えることができる。
【0066】
<本発明の第2の実施形態>
図9(a)は山部Sと谷部Tを配置した熱可塑性材料49による底部31で頂部33がレンガ形状の容器1、図9(b)は山部Sと谷部Tを配置した熱可塑性材料49による底部31で頂部33が一直線状に横シールされて楔形に形成された容器1であり、図9(c)は山部Sと谷部Tを配置した熱可塑性材料49による底部31で頂部33が屋根型に形成された容器1である。
【0067】
このため、液体食品容器1の底部31のバリエーションが選べるので、商品の差別化が可能になる。
【0068】
前記本発明の第1の実施形態における作用と同じ効果が得られる。
【0069】
<本発明の第3の実施形態>
図10(a)は中央部が容器内部に窪んだ熱可塑性材料49による底部31で頂部33がレンガ形状の容器1、図10(b)は中央部が容器内部に窪んだ熱可塑性材料49による底部31で頂部33が一直線状に横シールされて楔形に形成された容器1であり、図10(c)は中央部が容器内部に窪んだ熱可塑性材料49による底部31で頂部33が屋根型に形成された容器1である。
【0070】
このため、液体食品容器1の底部31のバリエーションが選べるので、商品の差別化が可能になる。
【0071】
前記本発明の第1の実施形態における作用と同じ効果が得られる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて説明したが、上記の実施例はいずれも本発明の一例を示したものであり、本発明はこれらに限定されるべきでないということはいうまでもない。
【0073】
例えば、包材2は容器1の外側から内側にかけて、LDPE/印刷インキ層/紙基材/LDPE/LDPE、又は印刷インキ層/LDPE/紙基材/LDPE/LDPE、或いはLDPE/印刷インキ層/紙基材/LDPE/アルミ箔/ポリエステル(PET)等の構成も可能である。
【0074】
また、最内層若しくは/及び最外層に、LDPE以外にシングルサイト触媒を用いて重合したエチレン-α-オレフィン共重合体(いわゆる、メタロセンPE)を使用することもできる。
【0075】
また、上記の酸素バリア材としての金属層(アルミニウム箔)に代えて無機酸化物の蒸着層を用いることもできる。上記の紙基材(繊維質)に代えてプラスチック材料に粉状若しくは粒状の無機物を混練したプラスチック基材等を用いることもできる。
【0076】
さらに、液体食品容器の形状は、6角柱状、8角柱状、容器頂面および底面が4角形で胴体部が8角形の柱状液体食品容器等々色んな形状の液体食品容器に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施形態における、液体食品容器の製造装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における、液体食品容器の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における、(a)は液体食品容器の包材の断面図、(b) 液体食品容器の包材に形成される折り目線(クリース)の配置図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における、液体食品容器になる前の矩形筒状の短筒を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における、モールド工程41でマンドレル42に挿入された短筒39と射出成形装置47の金型45とが離れている状態を示す側面図。
【図6】本発明の第1の実施形態における、モールド工程41でマンドレル42の前記受け部48と射出成形装置47の金型45によって短筒39の先端部を挟み込んだ状態を示す側面図。
【図7】本発明の第1の実施形態における、短筒39に底部31が形成された状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における、(a)は熱可塑性材料49による矩形筒状の底部31と頂部33が一直線状に横シールされて楔形に形成された容器で、図8(b)は熱可塑性材料49による矩形筒状の底部31と頂部33が屋根型に形成された容器を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における、(a)は山部Sと谷部Tを配置した熱可塑性材料49による底部31で頂部33がレンガ形状の容器、(b)は山部Sと谷部Tを配置した熱可塑性材料49による底部31で頂部33が一直線状に横シールされて楔形に形成された容器、(c)は山部Sと谷部Tを配置した熱可塑性材料49による底部31で頂部33が屋根型に形成された容器を示す斜視図である。
【図10】本発明の第3の実施形態における、(a)は中央部が容器内部に窪んだ熱可塑性材料49による底部31で頂部33がレンガ形状の容器、(b)は中央部が容器内部に窪んだ熱可塑性材料49による底部31で頂部33が一直線状に横シールされて楔形に形成された容器、(c)は中央部が容器内部に窪んだ熱可塑性材料49による底部31で頂部33が屋根型に形成された容器を示す斜視図である。
【図11】従来例における、液体食品容器の斜視図である。
【図12】従来例における、液体食品容器の包材の断面図である。
【図13】従来例における、(a)は枕状の原型容器17の平面図、(b)は図13(a)におけるA−A断面図である。
【図14】従来例における、(a)は成形装置によって折り目線(クリース)20に沿って成形され、上フラップ18と下フラップ19がそれぞれ折畳まれて液体食品容器1が完成する直前の平面図、(b)は図14(a)におけるB−B断面図である。
【符号の説明】
【0078】
2 包材
Q 内容液
20 クリース線
29 液体食品容器の製造装置
30 熱可塑性材料
31 底部
32 側壁
33 頂壁
34 液体食品容器
35 繰出工程
36 シート
37 切断工程
38 縦シール部
39 短筒
39a 開口部
39b 開口部
40 縦シール工程
41 モールド工程
42 充填工程
43 成型工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性材料の底部と、紙基材の側壁及び頂壁とからなる液体食品容器の製造方法であって、
クリース線を形成した帯状の前記紙基材を連続して所定の長さに横切断するとともに縦シールで短筒にし、この短筒部の一方の開口部を熱可塑性材料でモールド加工して底部を形成し、他方の開口部から内容液を充填した後に、前記底部を除く前記短筒部を前記クリース線に沿って折り畳み密封して前記側壁及び頂壁が形成されることを特徴とする液体食品容器の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の液体食品容器の製造方法であって、前記モールド加工はノズルによる金型内への射出成形であり、
この金型により前記短筒部の一方の開口部の開口端部及びその近傍を閉囲してキャビティーを形成し、前記ノズルから前記キャビティー内へ溶融熱可塑性材料を射出し、且つ直ちに射出された前記溶融熱可塑性材料を冷却し、前記金型の前記開口部近傍からの離脱により、前記短筒部の一方の開口部を覆う熱可塑性材料による前記底部を形成することを特徴とする液体食品容器の製造方法。
【請求項3】
熱可塑性材料の底部と、紙基材の側壁及び頂壁とからなる液体食品容器であって、クリース線を形成した帯状の前記紙基材を連続して所定の長さに横切断するとともに縦シールで短筒にし、この短筒部の一方の開口部を熱可塑性材料でモールド加工して底部を形成し、他方の開口部から内容液を充填した後に、前記底部を除く前記短筒部を前記クリース線に沿って折り畳み密封して側壁及び頂壁が形成されることを特徴とする液体食品容器。
【請求項4】
請求項3に記載の液体食品容器であって、前記モールド加工はノズルによる金型内への射出成形であり、この金型は前記短筒部の一方の開口部の開口端部及びその近傍を閉囲してキャビティーを形成し、前記ノズルから前記キャビティー内へ溶融熱可塑性材料を射出し、且つ直ちに射出された前記溶融熱可塑性材料を冷却し、前記金型の前記開口部近傍からの離脱により、前記短筒部の一方の開口部を覆う熱可塑性材料による前記底部を形成することを特徴とする液体食品容器。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の液体食品容器であって、前記液体食品容器の外形形状は、前記底部の開口端部の断面が略矩形形状(4隅が弧状も含む)又は略長円形状(略円形も含む)で、前記側壁及び頂壁がレンガ形状、屋根型形状、前記頂壁が線状密封された略楔形状のいずれかであることを特徴とする液体食品容器。
【請求項6】
熱可塑性材料の底部と、紙基材の側壁及び頂壁とからなる液体食品容器の製造装置であって、
クリース線を形成した帯状の前記紙基材を連続的に繰出す繰出工程と、前記紙基材を所定の長さのシートに横切断する切断工程と、切断した前記シートを縦シールして短筒にする縦シール工程と、この短筒部の一方の開口部を熱可塑性材料でモールド加工して底部を形成するモールド工程と、前記短筒部を搬送しながら他方の開口部から内容液を充填する充填工程と、内容液が充填された前記短筒部を前記クリース線に沿って折り畳み密封して側壁及び頂壁が形成される成型工程とからなることを特徴とする液体食品容器の製造装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液体食品容器の製造装置であって、前記モールド工程は、前記短筒の一方の開口部の開口端部及びその近傍を閉囲してキャビティーを形成する金型と、前記キャビティー内部に連通する流路を有するノズルとを備える射出成形装置で構成され、
前記短筒部をモールド位置に搬送する搬送手段と、前記ノズルから前記キャビティー内へ溶融熱可塑性材料を射出する射出手段と、前記金型を介してキャビティー内に射出された熱可塑性材料を冷却する冷却手段と、前記ノズル及び金型を前記短筒部の一方の開口端部及びその近傍を閉囲してキャビティーを形成し且つ離脱させる駆動手段とを有することを特徴とする液体食品容器の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−298422(P2006−298422A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−121500(P2005−121500)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】