説明

頭痛を治療するための漢方薬組成物、製剤及びそれを製造する方法。

頭痛治療のための漢方薬組成物及びそれを含有する製剤、並びに当該組成物及びそれを含有する製剤を製造する方法。本発明の漢方薬組成物は、トウキ(当帰)(Angelica Scnensis)、センキュウ(川弓)(Ligusticum Chunziong)、シャクヤク(白芍)(Paeoniae alba)等から製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漢方薬の分野に関する。より詳細には、本発明は、頭痛を治療するための漢方薬組成物、製剤及びそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中国特許第ZL93100050.5号は、漢方薬理論に基づく長期にわたる臨床試験の成果であり、内部障害に起因する頭痛に治療効果を有する、トウキ(当帰)及び センキュウ(川弓)等を包含する医薬組成物を開示した。臨床的に、これは血管神経性頭痛、片頭痛、及び高血圧に起因する目まい及び頭痛のようないくつかの症状を含む、様々な頭痛疾患の治療に適用することができる。この処方の割合に応じて、この組成物をいくつかのタイプの薬学的に許容される投与形態に調製することができ、顆粒剤は、「Tianjin Tasly Pharmaceutical Co. Ltd.」によって、「Yang Xue Qing Nao Granule(顆粒)」という名称で製造されている。当局によって承認された作用及び適応症は、血液の滋養及び肝臓の鎮静、血液の活性化及び脈管内閉塞の除去、血液欠乏及び肝臓の活動過剰によって誘発される多様なタイプの頭痛、外傷性脳神経症候群、目まい、刺激、並びに不眠及び多夢睡眠への使用である。病院では、血液欠乏、うっ血、陰(Yin)の欠乏及び陽(Yang)の過活性によって引き起こされる頭痛の治療に、これが通常用いられている。市場に参入以来、その安心感を与える治療効果により、Yang Xue Qing Nao顆粒は、患者の間から幅広い人気を得ている。
【0003】
Yang Xue Qing Nao顆粒は、臨床的に一般認識を得てきている一方、それに入っているサイシン(細辛:Herba Asari)の用法が、更なる検討を必要とされている。
以前から、処方中のサイシンが、広く論争されている問題である。古い諺にあるように、サイシンの用量が「Qian(中国の古い重量単位)」より少ないことは、サイシンの用量に注意を払うべきであるということを証明するのに十分である。
【0004】
サイシンは、神農本草経(ShenNong BenCao jing;Shen Nong's Classic of Chinese Medicine)に最初に記録されている、非常によく用いられる漢方薬の1つである。これは本来刺激があってホカホカしており、少しの毒性を有し、肺、腎臓及び心臓に治療効果を示し、そして外因性症候群の軽減及びかぜの消散、痛みの軽減、そして経路の見通しをよくする作用を有し、そして肺を温め、痰を減少させる。臨床的に、これは、風邪の型の感冒、頭痛、歯痛、リウマチ関節痛疾患(Bi疾患)等のような、多くの疾患の治療に適している。
【0005】
最近の薬学研究は、サイシンの毒性が主にその揮発性油性分に存在していることを示した。大量の揮発性油は動物を興奮させ、更に自発運動を麻痺させ、呼吸運動を徐々に弱め、生理学的反射を消去し、そして呼吸麻痺のために死に至る(Ding Tao, The adverse reaction of Chinese medicine and its prevention [M], China Press of Chinese Medicine, Beijing 1992, p85)。
【0006】
顆粒剤は、Chongji(投与前に水に溶解するインスタント投与形態)から開発された新規な投与形態である。ここ十年間に急速な進歩が認められている。顆粒剤が、便利な投与、保管及び輸送というChongjiの特徴を保持しているばかりでなく、糖が高含量含まれるChongjiの欠点を克服して、老人及び糖尿病患者に適するようにした。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、顆粒剤中のアジュバントの量を減少させたことによって、そのサイズが非常に小さく、そしてその活性成分が、Chongjiのそれより高い。しかしながら、顆粒剤は多くのエキス及びより少ない添加剤を含有しているので、顆粒剤は容易に湿気を吸収し、凝集し、そしてその色等を変えたりする。その一方で、顆粒剤は、味が非常に苦く、そしてあるものは胃に強い刺激作用をもたらすか、又は胃に障害をもたらす傾向がある。顆粒剤のこれらの全ての問題点を、解決する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
長期の検討の結果、本発明者らは、新しい種類の濃縮丸薬を見出した。この濃縮丸薬は、次のような工程、つまり漢方薬を適切に抽出すること、適切なアジュバントを加えて丸薬に調製すること、そして丸薬をフィルムコーティング技術によってコーティングされた濃縮丸薬に調製される。濃縮丸薬は、1回での大用量の摂取、湿気の吸収、水での摂取時の苦味、そして酸味及び渋味のような不快な味のような、問題を避けることができる。
【0009】
本発明の目的は、先行技術の処方を最適化すること及びサイシンを含有しない頭痛治療用の組成物を提供することである。
頭痛治療用の本発明の組成物は、次の重量割合の医薬原料、5〜15w%のトウキ(当帰)、5〜15w%のセンキュウ(川弓)、2〜10w%のシャクヤク(白芍)、2〜10w%のジュクジオウ(熟地黄)、7〜17%のチョウトウコウ(釣藤鉤)、7〜17%のケイケットウ(鶏血藤)、7〜17%のカゴソウ(夏枯草)、7〜17%のケツメイシ(決明子)、7〜17%の真珠粉(珍珠粉)及び3〜10%のエンゴサク(延胡索)で製造される。
【0010】
好ましくは、本発明の組成物は、次の重量割合の医薬原料、5〜8w%のトウキ、5〜8w%のセンキュウ、3〜7w%のシャクヤク、3〜7w%のジュクジオウ、10〜15%のチョウトウコウ、10〜15%のケイケットウ、10〜15%のカゴソウ、10〜15%のケツメイシ、10〜15%の真珠粉、及び3〜10%のエンゴサクによって製造される。
最も好ましくは、本発明の組成物は、次の重量割合の医薬原料、6.85w%のトウキ、6.85w%のセンキュウ、5.5w%のシャクヤク、5.5w%のジュクジオウ、13.69%のチョウトウコウ、13.69%のケイケットウ、13.69%のカゴソウ、13.69%のケツメイシ、13.69%の真珠粉、及び6.85%のエンゴサクによって製造される。
【0011】
本発明の組成物によれば、漢方薬の方法によって煎じ薬に調製して直接摂取することができるか、又は医薬原料を抽出して抽出物を得る工程及び適当なアジュバントと混合する工程によって薬学的に許容される製剤の何れかに調製することができる。
【0012】
従って、本発明のその他の目的は、この組成物を含む伝統的な医薬製剤を提供することであり、そしてこの医薬製剤は製薬分野での伝統的な製薬方法で生産され、そして上記割合の医薬原料及び通常の薬学的に許容される担体から製造される。
【0013】
本発明の組成物を含む医薬製剤は、経口投与するのに適した固体及び液体の製剤、更に徐放性及び放出制御製剤などであってよい。経口投与するのに適した固体製剤は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸薬、粉末及び各種の放出遅延及び制御製剤その他であってよい。好ましい製剤は、濃縮丸薬であり、より好ましくはフィルムコーティングされた丸薬であり、そして最も好ましくは胃溶解性フィルムでコーティングされた丸薬である。
【0014】
本発明の組成物を含む、胃溶解性フィルムでコーティングされた丸薬は、高含量のエキス、(湿気の吸収、凝集の塊及び変色し易い等の)貯蔵及び輸送時の幾つかの問題、及び強烈な苦味、強い刺激効果、そしてその活性成分が胃内で損傷しやすい、のような顆粒剤の欠点を有していない。実験の結果は、本発明の濃縮丸薬、特に胃溶解性のフィルムでコーティングされた丸薬(以下、「Yang Xue Qing Nao Pill(丸薬)」とも称する)の溶解曲線が、先行技術で公知の顆粒剤(以下、「Yang Xue Qing Nao顆粒」とも称する)のそれと同じであることを示し、2つの薬剤のインビトロにおける溶解性が同じであるということを示唆している。
【0015】
本発明の丸薬は、通常の製薬用アジュバント及び結合剤を含有していてもよい。アジュバントは、デキストリン、澱粉、低置換ヒドロキシプロピルセルロース及び微結晶性セルロースよりなる群から選ぶことができ、微結晶性セルロースが好ましい。アジュバントの量は、乾燥医薬原料粉末の重量の25%以上、好ましくは28〜35%の割合を占める。結合剤は水、25〜30%(v/v)のエタノール水溶液、及び蜂蜜水溶液よりなる群から選ばれ、好ましくは結合剤が水である。結合剤の量は、適切な結合効果が得られる場合が適量である。
【0016】
本発明の「ブランクの丸薬」という用語は、製薬技術分野における通常の丸薬を意味しており、特にコーティングされていない丸薬を示す。
本発明の「丸薬」又は「濃縮丸薬」という用語は、一般に医薬原料の濃縮抽出物をアジュバントと混合して調製された丸薬を意味する。
本発明の「相対密度」という用語は、4℃の水の1g/cmを基準密度とした密度の値を意味する。
【0017】
本発明のその他の目的は、組成物の調製方法を提供することである。
本発明によれば、組成物は漢方薬の方法によって煎じ薬に調製して直接摂取するか、又は医薬原料を抽出して抽出物を得る工程及び適当なアジュバントと混合する工程によって何れかの薬学的に許容される製剤に調製することができる。
【0018】
本発明の組成物によれば、トウキ、センキュウ及びシャクヤクを単独で又は何れかの組み合わせで、これらに限定されないが、水で抽出してエタノールで沈殿させること、超音波抽出すること、又は超臨界で抽出することなどの工程によって、抽出して医薬原料物を得ることができる。
【0019】
4つの医薬原料、すなわちトウキ、センキュウ 、エンゴサク及びシャクヤクの抽出方法の態様が、理解のために以下に記載されている。しかし、本発明を限定するためのものではない。
【0020】
超音波抽出によるシャクヤクを抽出する方法:シャクヤクを取って粉末に粉砕し、そこに水を加えて超音波で抽出するとシャクヤクの抽出物が得られる。
【0021】
シャクヤク、センキュウ、エンゴサク及びトウキをエタノールで抽出する方法:医薬原料を取って粉末に粉砕し、そこにエタノールを加えて還流する。得られる抽出物を、エタノールを回収して濃縮し、そして更に濃縮して抽出物を得る。
【0022】
超臨界抽出によるトウキの抽出方法:トウキを取って適切な条件下で、CO超臨界抽出によって抽出する。ろ過した後、トウキの抽出物が得られる。
【0023】
水及び樹脂によるトウキの抽出方法:トウキを水で抽出し、次いでエタノールで沈殿させて生成した沈殿物を、加熱して水に溶解する、そしてそのpH値を飽和水酸化カルシウム溶液で調節して、一晩放置してろ過する。ろ液のpHを硫酸でpH5〜6に調節し、氷浴槽中で一晩放置してろ過する。次いでろ液をカチオン及びアニオン混合樹脂で処理してイオン交換し、交換した流体をある特定の容量まで濃縮する。エタノールを加えて沈殿させ、氷浴槽中で一晩放置し、そしてろ過する。沈殿物からエタノールを蒸発して、濃縮すると、トウキの抽出物が得られる。
【0024】
蒸留によるトウキの抽出方法:トウキの粉末を秤量してフラスコに入れ、蒸留水で乾留によって抽出する。ある特定の条件下で、原料及び抽出物を減圧下で蒸留して、留出物を得る。NaClの適量を加えて放置し、二層に分離させ、分液漏斗でトウキの揮発性油層を分離して、残余を濃縮すると、トウキの抽出物が得られる。
【0025】
エタノール及び樹脂によるセンキュウの抽出方法:センキュウを取り、粉砕して、ソックスレー抽出器に入れ、エタノールで還流及び抽出し、そしてろ過する。ろ液を減圧下で濃縮して乾固する。適量の水を加え、加熱して固体を溶解し、そしてろ過する。ろ液を前もって活性化した多孔性樹脂のカラムで処理するが、最初に水で溶出し、その溶出液を捨て、次いでエタノールで溶出し、溶出液を合わせて、エタノールを回収して濃縮し、更に濃縮するとセンキュウの抽出物が得られる。
【0026】
エタノールでセンキュウを抽出する方法:センキュウの医薬原料を取り、ある程度まで粉砕して、エタノールで数回抽出する。抽出物を合わせて、ろ過し、エタノールを回収するとセンキュウの抽出物が得られる。
【0027】
漢方薬を単独で抽出することに加え、トウキ、センキュウ及びシャクヤクを組み合わせて抽出することができる。例えば、トウキ、センキュウ及びシャクヤクを沸騰水で抽出して、ろ過する。ろ液を合わせて、適当に濃縮し、そこにエタノールを加えて沈殿させ、放置し、そしてこの上澄液を、エタノールを回収して濃縮すると、医薬原料の抽出物が得られる。
【0028】
特に、本発明は組成物を製造する方法を提供し、その操作は次の工程を含んでいる。
a.上記の医薬原料の割合の何れかによる医薬原料を用意すること、
b.トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、それぞれエタノール還流によって抽出し、それらの抽出液を合わせて使用するまで保管するか、又はトウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクの混合物にエタノールを加え、加熱還流して抽出し、そして還流液を使用するまで保管すること、
c.工程(b)の残渣及びチョウトウコウを除くその他の5つの医薬原料を、水で数回煮出し、最後の煮出し時にチョウトウコウを加え、それらの煮出し液を合わせて濃縮すること、
d.濃縮した煮出し液にエタノールを加えて沈殿させ、得られた上澄液及び上記で得られた還流溶液を合わせて、エタノールを回収して濃縮し、エキスの形態で組成物を得ること、
e.工程(d)のエキスを、適当なアジュバントと混合して、所望の医薬製剤を得ること。
【0029】
好ましくは、工程(b)で、 エタノールをトウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクの混合物に加え、加熱還流して抽出し、還流液を使用するまで保管する。その残渣及びチョウトウコウを除くその他の5つの医薬原料を、水で3回煮出すが、3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせて、抽出物の相対密度が55℃で約1.09〜1.13になるまで濃縮し、エタノールを加えて沈殿させる。得られる上澄液及び還流溶液を合わせ、エタノールを回収して、医薬原料の抽出物を得る。
【0030】
上記の工程において、工程(b)のエタノール濃度は、約60〜80%(v/v)、好ましくは70%(v/v)であり、そしてそれぞれの還流時間は、0.5〜1.5時間、好ましくは約1.0時間であり、残渣及び他の医薬原料の煮出し時間は、0.5〜1.5時間、好ましくは約1.0時間であり、濃縮後の抽出物の相対密度は、55℃で約1.10であり、工程(c)では、煮出しするときの水の重量は医薬原料の5倍であることが好ましく、工程(d)でエタノールの添加によって沈殿させるときに、エタノールの最終濃度は約60〜70%(v/v)で、好ましくは65%(v/v)であり、そして濃縮エキスの相対密度は、55℃で約1.15である。
【0031】
上記の工程に従って得られるエキス形態の抽出物を、先行技術で公知の工程によって乾燥して、乾燥エキス又は粉末エキスを得ることができる。そして約165〜205℃、好ましくは約185℃の吸気温度で行うスプレードライ工程が選択される。
【0032】
本発明の方法は、得られるエキス、乾燥エキス又は粉末エキスと、薬学的に許容される担体を混合することによる所望の医薬製剤を製造する工程も含んでおり、好ましい製剤は、丸薬であり、より好ましくはコーティングされている丸薬であり、そして最も好ましいものは胃溶解性のフィルムでコーティングされている丸薬である。
【0033】
従って、本発明の方法は、更にコーティング工程を含んでいる。コーティング工程は、先行技術において公知のフィルムコーティング工程又は通常のコーティング工程であってよく、そして胃溶解性のフィルムでコーティングする工程が、好ましい。
【0034】
特に、フィルムコーティング物質は、胃溶解性のコーティング物質、例えば 「Shanghai COLORCON Coating Technology Co. Ltd」で製造されるOpadry(登録商標)を使用することができる。コーティング条件は、以下の通りであり、溶媒として水を選び、コーティング溶液の濃度が14〜20%(w/w)、好ましくは18%(w/w)であり、コーティング後の丸薬重量の増加が2%〜6%、好ましくは4%であり、吸気温度が40〜90℃、好ましくは65℃であり、錠剤床の温度が40〜70℃、好ましくは43℃であり、噴射圧が1.5〜2.5bar、好ましくは2.0barであり、コーティング容器の回転速度が15〜20rpm、好ましくは17rpmであり、そして吸気量が2〜4g/分、好ましくは3g/分である。
【0035】
その一方で、通常のコーティングは、適量のタルク粉末及び着色剤を添加し、次いでワックスでつやを出す工程を含んでいる。詳細の条件は、次の通りである。適量の1%のタルク粉末を取って、ブランクの丸薬を湿らす水で希釈する。タルク粉末を塗布してよく分散させると、1%の着色剤を添加する。着色剤がよく分散したら、10%のワックスを加えて磨く。コーティング容器の回転速度は、5〜30rpmである。
【0036】
本発明の方法では、エタノールで抽出する、水で煮出す、そしてエタノールで沈殿させる工程を、溶媒の通常の量及び中国薬局方に記録されている方法に従って実施する。エキスの生産率、すなわち医薬原料の乾燥重量に基づく、得られる乾燥エキスの重量百分率は、約16%である。
【0037】
原料医薬の量に基づいて計算された、本発明の濃縮丸薬の成人投与量は、12〜20g、好ましくは15〜17gの原料医薬に等しい。投与回数は、病気の状態によって決まり、投与回数は、通常2〜3回/日である。
【0038】
本発明の組成物は、より合理的で安全な処方を提供する。先行技術(中国特許第ZL93100050.5、以下「YXQN−01」と示す)と比べると、本発明は、毒性を生じやすいサイシンを処方から除き、そして頭痛治療の治療効果を減少させないで、処方をより合理的且つ安全にした。
【0039】
中国特許第ZL93100050.5の製剤は、顆粒剤であり、これはChongjiから開発された新しい投与形態である。ここ十年間に急速な進歩が認められている。顆粒剤が、便利な投与、保管及び輸送というChongjiの特徴を保持しているばかりでなく、糖が高含量含まれるChongjiの欠点を克服して、老人及び糖尿病患者に適するようにもした。
一方、顆粒剤中のアジュバントの量を減少させることによって、そのサイズが非常に小さくなり、そしてその活性成分の量が、Chongj.のそれより高くなった。しかしながら、顆粒剤は、より多くのエキスを、そしてより少ない添加剤を含有するので、顆粒剤は、容易に湿気を吸収し、凝集し、そしてその色等が変わる。その一方で、顆粒剤は、味が非常に苦く、そしてあるものは胃に強い刺激作用をもたらすか又は胃に障害をもたらす傾向がある。顆粒剤のこれらの全ての問題点を解決する必要がある。
【0040】
本発明の好ましい態様は、次の通りであり、エキスをスプレードライして濃縮丸薬を得ること、そしてフィルムコーティングのようないくつかのその他の方法を組み合わせて新しい投与形態を得ることである。実際に、先行技術の顆粒剤の公知の問題点を克服することができる。溶解速度を測定すると、本発明の濃縮丸薬(CP)(以下、「Yang Xue Qing Nao丸薬」と表す)の溶解曲線が、Yang Xue Qing Nao顆粒のそれと同じであることが示され、Yang Xue Qing Nao丸薬(CP)のインビトロにおける溶解性が、Yang Xue Qing Nao顆粒と同じであるということを示唆している。
【0041】
酢酸によって引き起こされるもがき反応に対する2つの組成物の有意な阻害効果が、本発明の組成物の優れた効果を更に立証し、そして本発明の進歩性を証明する。
【0042】
マウスにおける漢方薬組成物の鎮痛及び抗低酸素効果
1.目的
2つの組成物、本発明組成物のXYQN−02及び先行技術のXYQN−01の、マウスにおける鎮痛及び抗低酸素効果を評価するために実験を行った。
【0043】
2.材料
2.1.1 テスト薬剤
中国特許第ZL93100050.5の薬剤である、XYQN−01は、Tianjin Tasly Groupの研究所によりバッチ番号20041101で調製された。調製方法については、比較実施例を参照されたい。実験の前に、マウスに胃内投与するために、薬剤を蒸留水で希釈して、1.4gの原料医薬/ml、0.7gの原料医薬/ml及び0.35gの原料医薬/mlの溶液を得た。
【0044】
XYQN−02は、実施例5の方法に従って、Tianjin Tasly Groupの研究所によりバッチ番号20041201で調製された。実験の前に、マウスに胃内投与するために、薬剤を蒸留水で希釈し、1.4gの原料医薬/ml、0.7gの原料医薬/ml及び0.35gの原料医薬/mlの溶液を得た。
【0045】
2.1.2 陽性対照薬剤
アスピリン腸溶錠(1錠当たり25mg)は、「Shijiazhuang Kangli Pharmaceutical Co. Ltd.」によってバッチ番号041219で調製された。実験の前に、マウスに胃内投与するために、薬剤を0.5%のCMC−Naで希釈し、10mg/mlの懸濁液を得た。
【0046】
プロプラノロール(1錠当たり10mg)は、「Tianjin Lisheng Pharmaceutical Co. Ltd.」によってバッチ番号0411015で調製された。マウスに胃内投与するために、薬剤を蒸留水で希釈して、5mg/mlの溶液を得た。
【0047】
2.2 試薬
氷酢酸:Tianjin No.1 Chemistry Factory、バッチ番号:890508。
ワセリン:Tianjin Petroleum Chemistry Experimental Factory、バッチ番号:860404。
ソーダライム:Shanghai Nahui Desiccation Reagent Factory、バッチ番号:20040724。
【0048】
2.3 器具
AE−200電子てんびん(Mettler Toledo Instruments (Shanghai) Co. Ltd)、
TF2−熱放射痛覚閾値検出器(lamp-house 12V/50W)、「Institute of Materia Medica, Chinese Academy of Medical Sciences & Peking Union Medical College」によって製造、
ストップウオッチ、250mlの広口瓶及びはさみ。
【0049】
2.4 動物
雌雄半々で、体重が20±2gの、ICRマウス(証明書番号:SCXK(Beijing)2002-0003)が、「Beijing Weitonglihua Experimental Animal Technology Co., Ltd. (Beijing, P.R. China)」によって提供された。
【0050】
3.統計分析
統計分析を行うためにSPSS10.0ソフトウェアパッケージを用いる。全てのデータを、(平均値±s)で表し、そして群間比較に、t検定を使用する。
【0051】
4.方法及び結果
4.1 マウスにおける酢酸による疼痛に対するXYQN−01及びXYQN−02の効果
4.1.1 方法
雌雄半々の、112匹のマウスを、体重及び性に従って、8群(1群14マウス)に無作為に分けて、対照群、YXQN−01の高、中及び低用量群(それぞれ28,14及び7gの医薬原料/kg)、YXQN−02の高、中及び低用量群(それぞれ28,14及び7gの医薬原料/kg)及び陽性対照としてのアスピリン腸溶錠群(200mg/kg)とする。YXQN−01及びYXQN−02の両方を、体重10g当たり0.2mlの用量で胃内に、1日1回、5日間続けて投与する。アスピリン腸溶錠は、1回だけ投与する。対照群に、等容量の蒸留水を投与する。最終投与の1時間後、それぞれのマウスに、0.6%の酢酸を、0.1ml/10gの用量で腹腔内投与する。酢酸誘因性のもがき頻度を記録して、疼痛緩和の効果を評価するために、もがき反応に対する薬剤の抑制率を計算する。方程式は次の通りである。
抑制率(%)=(対照群のもがき回数−投与群のもがき回数)/対照群のもがき回数×100%
【0052】
4.1.2 結果
テスト薬剤の5日間連続の胃内投与後の、28、14及び7gの医薬原料/kg用量でのYXQN−01投与の抑制率は、それぞれ49.88%(P<0.001)、45.99%(P<0.01)及び33.58%(P<0.05)であり、そして28,14及び7gの医薬原料/kg用量でのYXQN−02投与の抑制率は、それぞれ44.53%(P<0.01)、62.29%(P<0.001)及び43.07%(P<0.05)である。結果が示すように、YXQN−01及びYXQN−02の両方は酢酸に起因するもがき反応に対して有意な阻害効果を有している。対照群と比較すると、アスピリン腸溶錠群(0.2g/kg)の抑制率は69.83%(P<0.001)であって、これも有意な阻害効果を有している。結果を表1に挙げる。
【0053】
【表1】

【0054】
4.2 マウスにおける、光照射熱誘因テールフリックに対するYXQN−01及びYXQN−02の効果
4.2.1 方法
4.2.1.1 実験の原理
TF−2熱放射疼痛閾値の検出器は、12V/50Wのミニ焦点ランプを用いる。このランプハウス(lamp-house)は、レンズによってマウスの尾に疼痛を引き起こすように焦点を合わせられる、ある特定の強度の光を生成することができる。
【0055】
4.2.1.2 適格なマウスの選択
健常で、同程度の体重のマウスを用い、マウスの尾を熱照射で刺激してからテールフリック(tail-flick)反応までのテールフリック所要時間(tail-flick latency;TFL)を、疼痛閾値として測定した。疼痛閾値が2秒以上で5秒以内のマウスを実験で用いて、測定された疼痛閾値を基礎疼痛閾値とみなす。
【0056】
4.2.1.3 動物の群分け及び投与
112匹の適格マウスを、性及び疼痛閾値に従って、8群(1群14マウス)に無作為に分けて、対照群、YXQN−01の高、中及び低用量群(それぞれ28,14及び7gの医薬原料/kg)、YXQN−02の高、中及び低用量群(それぞれ28,14及び7gの医薬原料/kg)及び陽性対照としてのアスピリン腸溶錠群(200mg/kg)とする。YXQN−01及びYXQN−02の両方を、体重10g当たり0.2mlの用量で胃内に、1日1回、5日間続けて投与する。アスピリン腸溶錠は、1回だけ投与する。対照群に、等容量の蒸留水を投与する。最終投与の1時間後に、マウスをTF−2熱放射疼痛閾値の検出器の固定バレルの中に入れて、尾を外に置く(実験前に尾を75%のエタノールで洗浄する)。尾の先まで1.5cmでの、内側の皮膚をレンズの焦点に合わせる。マウスが落ち着いてから、疼痛導入実験を開始する。皮膚が火傷するのを避けるために、照射時間を16秒内に制限する。テスト薬剤の疼痛緩和効果を評価するために、次のように疼痛閾値増大率を計算する。
疼痛閾値増大率(%)=(投与後TFL−基礎TFL)/基礎TFL×100%
【0057】
4.2.2 結果
テスト薬の5日間連続胃内投与後の、28及び14gの医薬原料/kg用量での本発明組成物のYXQN−01投与の疼痛閾値増大率は、それぞれ100.98%(P<0.01)及び130.30%(P<0.01)であり;そして28gの医薬原料/kg用量の先行技術のYXQN−02は、それぞれ160.70%(P<0.05)である。結果が示すように、対照群と比較すると、YXQN−01群及びYXQN−02群の両方共、有意差を有している。対照群と比較したアスピリン腸溶錠(0.2g/kg)の疼痛閾値増大率は、176.89%(P<0.01)であって、有意差を有している。結果を表2に挙げる。
【0058】
【表2】

【0059】
5.結論
YXQN−01及びYXQN−02の両方共、酢酸誘因性もがきの頻度を有意に減少し、そして光照射によって引き起こされるTFLを延長することができ、実質的に同等の疼痛緩和効果を実証している。
【0060】
本発明の丸薬及び先行技術の公知顆粒剤についての溶解速度の比較
中国薬局方の付属書類XC(編集2000年、第II巻)中に記載の溶解度測定方法に従って実験を行う。
測定方法として回転かご法(rotating basket method)を用い、ここで溶解媒体は、37±0.5℃における900mlの脱気水であり、回転速度は100rpmである。
【0061】
1.溶解度の測定
4gのYang Xue Qing Nao顆粒(比較実施例の方法で調製)及び2.5gのYang Xue Qing Nao丸薬(実施例5の方法で調製)を秤量して、それぞれ回転かごに入れる。試料を電気モーター上で6時間回転した後、直ちにろ過して、一連のろ液を集める。10μlの逐次ろ液を正確に測って、それぞれHPLC中に注入して測定する。
【0062】
2.溶解速度の測定
4gのYang Xue Qing Nao顆粒の4つの試料を秤量し、4つのかごに入れて、それぞれ「試料1」、「試料2」、「試料3」及び「試料4」と表示する。直ちに電気モーターのスイッチを入れ、試料をスイッチ後の5、10、25、40、60、80及び100分時の所定時間にサンプリングする。5mlをサンプリングし、次いで37℃の水5mlを直ちに加え、試料を直ぐにろ過して、一連のろ液を集め、その10μlを正確に計ってHPLCに注入して測定する。2.5gのYang Xue Qing Nao丸薬の4つの試料を秤量し、4つのかごに入れて、それぞれ「試料1」、「試料2」、「試料3」及び「試料4」と表示する。直ちに電気モーターのスイッチを入れ、試料をスイッチ後の5、10、25、40、60、80及び100分時の所定時間にサンプリングする。これ以降の工程は、顆粒のそれと同じである。結果に従って、顆粒と丸薬の累積放出率を計算した(表3及び表4を参照)。
【0063】
【表3】

【0064】
【表4】

【0065】
3.統計分析
変数としてlnt、ln[−ln(1−F)]を取り、顆粒及び丸薬の回帰方程式を立てて、溶解パラメーターT50及びTを得る。結果が示すように、Yang Xue Qing Nao丸薬のインビトロにおける溶解度は、顆粒のそれと実質的に同じである。
【0066】
【表5】

【0067】
3.2 類似性因子(f)の計算
2つの薬剤の10、25、40、60、80及び100分における累積放出率を、類似性因子方程式に適用すると、結果は次の通りである。
=50×log{[1+(1/n)Σt=1(R−S−0.5×100}=68.77 >50
【0068】
米国食品医薬局(FDA)によって発行された、「Guidance for industry bioavailability and bioequivalence studies for orally administered drug products」によると、類似性因子が、>50であることは、両者が類似の溶解曲線を有し、Yang Xue Qing Nao顆粒とYang Xue Qing Nao丸薬がインビトロで同じ溶解度を有していることを示している。
(発明を実施するための最良の形態)
【0069】
以下に、実施例を参照して本発明をより詳細に記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
(比較実施例)
【0070】
公知YXQN−01顆粒の調製
この実施例は、中国特許第ZL93100050.5号の方法に従って実施される。
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、405.6gのトウキ、405.6gのセンキュウ、324.3gのシャクヤク、324.3gのジュクジオウ、810.8gのチョウトウコウ、810.8gのケイケットウ、810.8gのカゴソウ、810.8gのケツメイシ、810.8gの真珠粉、405.6gのエンゴサク及び80.8gのサイシンを受け入れる。
【0071】
上記11種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、70%のエタノールと混合し、1時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の6種の漢方薬と共に、各々1時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.10になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を65%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過し、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に約185℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0072】
2.顆粒の調製
上記で得られた細粉をデキストリンと混合して、スプレードライ方法で顆粒を製造する。
【実施例1】
【0073】
本発明の漢方薬組成物の顆粒の調製
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、68.5gのトウキ、68.5gのセンキュウ、55gのシャクヤク、55gのジュクジオウ、136.9gのチョウトウコウ、136.9gのケイケットウ、136.9gのカゴソウ、136.9gのケツメイシ、136.9gの真珠粉及び68.5gのエンゴサクを受け入れる。
【0074】
上記10種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、70%のエタノールと混合し、1時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の5種の漢方薬と共に、各々1時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.10になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を65%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過し、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に約185℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0075】
2.顆粒の調製
上記で得られた細粉をデキストリンと混合して、スプレードライ方法で顆粒を製造する。
【実施例2】
【0076】
本発明の漢方薬組成物の丸薬の調製
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、68.5gのトウキ、68.5gのセンキュウ、55gのシャクヤク、55gのジュクジオウ、136.9gのチョウトウコウ、136.9gのケイケットウ、136.9gのカゴソウ、136.9gのケツメイシ、136.9gの真珠粉及び68.5gのエンゴサクを受け入れる。
【0077】
上記10種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、70%のエタノールと混合し、1時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の5種の漢方薬と共に、各々1時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.10になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を65%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過し、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に約185℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0078】
2.錠剤の調製
上記で得られた細粉を澱粉と混合して、錠剤に打錠した。
【実施例3】
【0079】
本発明の漢方薬組成物のカプセルの調製
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、68.5gのトウキ、68.5gのセンキュウ、55gのシャクヤク、55gのジュクジオウ、136.9gのチョウトウコウ、136.9gのケイケットウ、136.9gのカゴソウ、136.9gのケツメイシ、136.9gの真珠粉及び68.5gのエンゴサクを受け入れる。
【0080】
上記10種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、70%のエタノールと混合し、1時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の5種の漢方薬と共に、各々1時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.10になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を65%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過し、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に約185℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0081】
3.カプセルの調製
上記で得られた細粉を澱粉と混合して、No.1カプセルに充填する。
【実施例4】
【0082】
本発明の漢方薬組成物のコーティング丸薬の調製
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、405.6gのトウキ、405.6gのセンキュウ、324.3gのシャクヤク、324.3gのジュクジオウ、810.8gのチョウトウコウ、810.8gのケイケットウ、810.8gのカゴソウ、810.8gのケツメイシ、810.8gの真珠粉及び405.6gのエンゴサクを受け入れる。
【0083】
上記10種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、70%のエタノールと混合し、1時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の5種の漢方薬と共に、各々1時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.10になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を65%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過し、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に約185℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0084】
2.濃縮丸薬の調製
得られるエキス粉末を微結晶性セルロースと混合するが、微結晶性セルロースの量をエキス粉末重量の35%とする。結合剤として水を加えて、ブランクの丸薬を製造する。
【0085】
3.丸薬のコーティング
得られたブランクの丸薬を、「Shanghai COLORCON Coating Technology Co. Ltd.」で製造された胃溶性Opadry(登録商標)をコーティング物質として用い、コーティングして本発明の胃溶性コーティング濃縮丸薬を得る。
【0086】
コーティング条件は次の通りであり、溶媒として水を選び、コーティング溶液の濃度が18%(w/w)であり、コーティングの丸薬の重量増加が4%であり、吸気温度が65℃であり、錠剤床の温度が43℃であり、スプレー圧が2.0barであり、コーティング容器の回転数が17rpmであり、そして吸気量が3g/分である。
【実施例5】
【0087】
本発明の漢方薬組成物のコーティング丸薬の調製
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、405.6gのトウキ、405.6gのセンキュウ、324.3gのシャクヤク、324.3gのジュクジオウ、810.8gのチョウトウコウ、810.8gのケイケットウ、810.8gのカゴソウ、810.8gのケツメイシ、810.8gの真珠粉及び405.6gのエンゴサクを受け入れる。
【0088】
上記10種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、60%のエタノールと混合し、0.5時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の5種の漢方薬と共に、各々0.5時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.10になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を60%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過して、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に165℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0089】
2.濃縮丸薬の調製
得られたエキス粉末をデキストリンと混合するが、デキストリンの量をエキス粉末重量の25%とする。結合剤として水を加えて、ブランクの丸薬を製造する。
【0090】
3.濃縮丸薬のコーティング
得られたブランクの丸薬を、「Shanghai COLORCON Coating Technology Co. Ltd.」で製造された胃溶性Opadry(登録商標)をコーティング物質として用い、コーティングして本発明の胃溶性コーティング濃縮丸薬を得る。
【0091】
コーティング条件は次の通りであり、溶媒として水を選び、コーティング溶液の濃度が14%(w/w)であり、コーティングの丸薬の重量増加が2%であり、吸気温度が85℃であり、錠剤床の温度が40℃であり、スプレー圧が2.0barであり、コーティング容器の回転数が17rpmであり、そして吸気量が3g/分である。
【実施例6】
【0092】
本発明の漢方薬組成物のコーティング丸薬の調製
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、405.6gのトウキ、405.6gのセンキュウ、324.3gのシャクヤク、324.3gのジュクジオウ、810.8gのチョウトウコウ、810.8gのケイケットウ、810.8gのカゴソウ、810.8gのケツメイシ、810.8gの真珠粉及び405.6gのエンゴサクを受け入れる。
【0093】
上記10種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、80%のエタノールと混合し、1.5時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の5種の漢方薬と共に、各々1.5時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.10になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を70%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過して、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に205℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0094】
2.濃縮丸薬の調製
得られた粉末を微結晶性セルロースと混合するが、微結晶性セルロースの量をエキス粉末重量の25%とする。結合剤として水を加えて、ブランクの丸薬を製造する。
【0095】
3.濃縮丸薬のコーティング
得られたブランクの丸薬を、「Shanghai COLORCON Coating Technology Co. Ltd.」で製造された胃溶性Opadry(登録商標)をコーティング物質として用い、コーティングして本発明の胃溶性コーティング濃縮丸薬を得る。
【0096】
コーティング条件は次の通りであり、溶媒として水を選び、コーティング溶液の濃度が20%(w/w)であり、コーティングの丸薬の重量増加が6%であり、吸気温度が90℃であり、錠剤床の温度が45℃であり、スプレー圧が2.50barであり、コーティング容器の回転数が20rpmであり、そして吸気量が4g/分である。
【実施例7】
【0097】
本発明の漢方薬組成物のコーティング丸薬の調製
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、240.1gのトウキ、240.1gのセンキュウ、120.0gのシャクヤク、120.0gのジュクジオウ、600.0gのチョウトウコウ、600.0gのケイケットウ、600.0gのカゴソウ、600.0gのケツメイシ、600.0gの真珠粉及び240.0gのエンゴサクを受け入れる。
【0098】
上記10種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、70%のエタノールと混合し、1時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の5種の漢方薬と共に、各々1時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.10になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を65%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過して、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に185℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0099】
2.濃縮丸薬の調製
得られた粉末を微結晶性セルロースと混合するが、微結晶性セルロースの量をエキス粉末重量の35%とする。結合剤として水を加えて、ブランクの丸薬を製造する。
【0100】
3.濃縮丸薬のコーティング
得られたブランクの丸薬を、「Shanghai COLORCON Coating Technology Co. Ltd.」で製造された胃溶性Opadry(登録商標)をコーティング物質として用い、コーティングして本発明の胃溶性コーティング濃縮丸薬を得る。
【0101】
コーティング条件は次の通りであり、溶媒として水を選び、コーティング溶液の濃度が18%(w/w)であり、コーティングの丸薬の重量増加が4%であり、吸気温度が87℃であり、錠剤床の温度が43℃であり、スプレー圧が2.0barであり、コーティング容器の回転数が17rpmであり、そして吸気量が3g/分である。
【実施例8】
【0102】
本発明の漢方薬組成物のコーティング丸薬の調製
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、540.2gのトウキ、540.0gのセンキュウ、480.0gのシャクヤク、480.0gのジュクジオウ、900.0gのチョウトウコウ、900.0gのケイケットウ、900.0gのカゴソウ、900.0gのケツメイシ、900.0gの真珠粉及び540.0gのエンゴサクを受け入れる。
【0103】
上記10種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、70%のエタノールと混合し、1時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の5種の漢方薬と共に、各々1時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.10になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を65%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過して、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に185℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0104】
2.濃縮丸薬の調製
得られた粉末を微結晶性セルロースと混合するが、微結晶性セルロースの量をエキス粉末重量の35%とする。結合剤として水を加えて、ブランクの丸薬を製造する。
【0105】
3.濃縮丸薬のコーティング
得られたブランクの丸薬を、「Shanghai COLORCON Coating Technology Co. Ltd.」で製造された胃溶性Opadry(登録商標)をコーティング物質として用い、コーティングして本発明の胃溶性コーティング濃縮丸薬を得る。
【0106】
コーティング条件は次の通りであり、溶媒として水を選び、コーティング溶液の濃度が18%(w/w)であり、コーティングの丸薬の重量増加が4%であり、吸気温度が87℃であり、錠剤床の温度が43℃であり、スプレー圧が2.0barであり、コーティング容器の回転数が17rpmであり、そして吸気量が3g/分である。
【実施例9】
【0107】
本発明の漢方薬組成物のコーティング丸薬の調製
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、240.1gのトウキ、240.1gのセンキュウ、120.0gのシャクヤク、120.0gのジュクジオウ、600.0gのチョウトウコウ、600.0gのケイケットウ、600.0gのカゴソウ、600.0gのケツメイシ、600.0gの真珠粉及び240.0gのエンゴサクを受け入れる。
【0108】
上記10種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、60%のエタノールと混合し、0.5時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の5種の漢方薬と共に、各々0.5時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.09になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を60%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過して、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に165℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0109】
2.濃縮丸薬の調製
得られた粉末を微結晶性セルロースと混合するが、微結晶性セルロースの量をエキス粉末重量の35%とする。結合剤として水を加えて、ブランクの丸薬を製造する。
【0110】
3.濃縮丸薬のコーティング
得られたブランクの丸薬を、「Shanghai COLORCON Coating Technology Co. Ltd.」で製造された胃溶性Opadry(登録商標)をコーティング物質として用い、コーティングして本発明の胃溶性コーティング濃縮丸薬を得る。
【0111】
コーティング条件は次の通りであり、溶媒として水を選び、コーティング溶液の濃度が16%(w/w)であり、コーティングの丸薬の重量増加が2%であり、吸気温度が85℃であり、錠剤床の温度が40℃であり、スプレー圧が1.5barであり、コーティング容器の回転数が15rpmであり、そして吸気量が2g/分である。
【実施例10】
【0112】
本発明の漢方薬組成物のコーティング丸薬の調製
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、540.2gのトウキ、540.0gのセンキュウ、480.0gのシャクヤク、480.0gのジュクジオウ、900.0gのチョウトウコウ、900.0gのケイケットウ、900.0gのカゴソウ、900.0gのケツメイシ、900.0gの真珠粉及び540.0gのエンゴサクを受け入れる。
【0113】
上記10種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、70%のエタノールと混合し、1.5時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の5種の漢方薬と共に、各々1.5時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.10になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を70%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過して、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に205℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0114】
2.濃縮丸薬の調製
得られた粉末を微結晶性セルロースと混合するが、微結晶性セルロースの量をエキス粉末重量の35%とする。結合剤として蜂蜜水溶液を加えて、ブランクの丸薬を製造する。
【0115】
3.濃縮丸薬のコーティング
得られたブランクの丸薬を、「Shanghai COLORCON Coating Technology Co. Ltd.」で製造された胃溶性Opadry(登録商標)をコーティング物質として用い、コーティングして本発明の胃溶性コーティング濃縮丸薬を得る。
【0116】
コーティング条件は次の通りであり、溶媒として水を選び、コーティング溶液の濃度が20%(w/w)であり、コーティングの丸薬の重量増加が6%であり、吸気温度が90℃であり、錠剤床の温度が45℃であり、スプレー圧が2.5barであり、コーティング容器の回転数が20rpmであり、そして吸気量が4g/分である。
【実施例11】
【0117】
本発明の漢方薬組成物のコーティング丸薬の調製
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、405.6gのトウキ、405.6gのセンキュウ、324.3gのシャクヤク、324.3gのジュクジオウ、810.8gのチョウトウコウ、810.8gのケイケットウ、810.8gのカゴソウ、810.8gのケツメイシ、810.8gの真珠粉及び405.6gのエンゴサクを受け入れる。
【0118】
上記10種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、80%のエタノールと混合し、1.5時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の5種の漢方薬と共に、各々1.5時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.10になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を70%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過して、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に205℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0119】
2.濃縮丸薬の調製
得られた粉末を澱粉と混合するが、澱粉の量をエキス粉末重量の25%とする。結合剤として蜂蜜水溶液を加えて、ブランクの丸薬を製造する。
【0120】
3.濃縮丸薬のコーティング
得られたブランクの丸薬を、「Shanghai COLORCON Coating Technology Co. Ltd.」で製造された胃溶性Opadry(登録商標)をコーティング物質として用い、コーティングして本発明の胃溶性コーティング濃縮丸薬を得る。
【0121】
コーティング条件は次の通りであり、溶媒として水を選び、コーティング溶液の濃度が20%(w/w)であり、コーティングの丸薬の重量増加が6%であり、吸気温度が90℃であり、錠剤床の温度が45℃であり、スプレー圧が2.50barであり、コーティング容器の回転数が20rpmであり、そして吸気量が4g/分である。
【実施例12】
【0122】
本発明の漢方薬組成物のコーティング丸薬の調製
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、405.6gのトウキ、405.6gのセンキュウ、324.3gのシャクヤク、324.3gのジュクジオウ、810.8gのチョウトウコウ、810.8gのケイケットウ、810.8gのカゴソウ、810.8gのケツメイシ、810.8gの真珠粉及び405.6gのエンゴサクを受け入れる。
【0123】
上記10種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、80%のエタノールと混合し、1.5時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の5種の漢方薬と共に、各々1.5時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.10になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を70%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過して、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に205℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0124】
2.濃縮丸薬の調製
得られた粉末を低置換ヒドロキシプロピルセルロースと混合するが、低置換ヒドロキシプロピルセルロースの量をエキス粉末重量の25%とする。結合剤として30%(v/v)のエタノール水溶液を加えて、ブランクの丸薬を製造する。
【0125】
3.濃縮丸薬のコーティング
得られたブランクの丸薬を、「Shanghai COLORCON Coating Technology Co. Ltd.」で製造された胃溶性Opadry(登録商標)をコーティング物質として用い、コーティングして本発明の胃溶性コーティング濃縮丸薬を得る。
【0126】
コーティング条件は次の通りであり、溶媒として水を選び、コーティング溶液の濃度が20%(w/w)であり、コーティングの丸薬の重量増加が6%であり、吸気温度が90℃であり、錠剤床の温度が45℃であり、スプレー圧が2.50barであり、コーティング容器の回転数が20rpmであり、そして吸気量が4g/分である。
【実施例13】
【0127】
本発明の漢方薬組成物のコーティング丸薬の調製
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、405.6gのトウキ、405.6gのセンキュウ、324.3gのシャクヤク、324.3gのジュクジオウ、810.8gのチョウトウコウ、810.8gのケイケットウ、810.8gのカゴソウ、810.8gのケツメイシ、810.8gの真珠粉及び405.6gのエンゴサクを受け入れる。
【0128】
上記10種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、80%のエタノールと混合し、1.5時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の5種の漢方薬と共に、各々1.5時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.10になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を70%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過して、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に205℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0129】
2.濃縮丸薬の調製
得られた粉末を低置換ヒドロキシプロピルセルロースと混合するが、低置換ヒドロキシプロピルセルロースの量をエキス粉末重量の25%とする。結合剤として20%(v/v)のエタノール水溶液を加えて、ブランクの丸薬を製造する。
【0130】
3.濃縮丸薬のコーティング
得られたブランクの丸薬を、「Shanghai COLORCON Coating Technology Co. Ltd.」で製造された胃溶性Opadry(登録商標)をコーティング物質として用い、コーティングして本発明の胃溶性コーティング濃縮丸薬を得る。
【0131】
コーティング条件は次の通りであり、溶媒として水を選び、コーティング溶液の濃度が20%(w/w)であり、コーティングの丸薬の重量増加が6%であり、吸気温度が40℃であり、錠剤床の温度が70℃であり、スプレー圧が2.50barであり、コーティング容器の回転数が20rpmであり、そして吸気量が4g/分である。
【実施例14】
【0132】
本発明の漢方薬組成物のコーティング丸薬の調製
1.漢方薬の抽出
以下の医薬原料、405.6gのトウキ、405.6gのセンキュウ、324.3gのシャクヤク、324.3gのジュクジオウ、810.8gのチョウトウコウ、810.8gのケイケットウ、810.8gのカゴソウ、810.8gのケツメイシ、810.8gの真珠粉及び405.6gのエンゴサクを受け入れる。
【0133】
上記10種の医薬原料のうち、トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、70%のエタノールと混合し、1時間加熱還流し、そして還流溶液を使用するまで保管する。残渣を、チョウトウコウを除くジュクジオウ等を含むその他の5種の漢方薬と共に、各々1時間で3回抽出する。3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加える。煮出し液を合わせ、相対密度が55℃で1.10になるまで減圧下で濃縮する。得られる残渣にエタノールを加えて最終エタノール濃度を65%にし、24時間放置し、沈殿物をろ過して、ろ液及び上記で得た還流溶液を合わせ、相対密度が55℃で1.15になるまでエタノールを回収して減圧下で蒸留し、そして乾燥して乾燥エキスを得る。そして更に185℃の吸気温度でスプレードライして、エキス粉末を得る。
【0134】
2.濃縮丸薬の調製
得られた粉末を微結晶性セルロースと混合するが、微結晶性セルロースの量をエキス粉末重量の35%とする。結合剤として25%(v/v)のエタノール水溶液を加えて、ブランクの丸薬を製造する。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】図1は、本発明のYang Xue Qing Nao丸薬及びYang Xue Qing Nao顆粒の累積放出率−時間曲線である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物が、以下の重量割合の医薬原料、5〜15w%のトウキ(当帰)、5〜15w%のセンキュウ(川弓)、2〜10w%のシャクヤク(白芍)、2〜10w%のジュクジオウ(熟地黄)、7〜17%のチョウトウコウ(釣藤鉤)、7〜17%のケイケットウ(鶏血藤)、7〜17%のカゴソウ(夏枯草)、7〜17%のケツメイシ(決明子)、7〜17%の真珠粉(珍珠粉)及び3〜10%のエンゴサク(延胡索)で製造される、頭痛を治療するための漢方薬組成物。
【請求項2】
組成物が、以下の重量割合の医薬原料、5〜8w%のトウキ、5〜8w%のセンキュウ、3〜7w%のシャクヤク、3〜7w%のジュクジオウ、10〜15%のチョウトウコウ、10〜15%のケイケットウ、10〜15%のカゴソウ、10〜15%のケツメイシ、10〜15%の真珠粉、及び3〜10%のエンゴサクで製造される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
組成物が、以下の重量割合の医薬原料、6.85w%のトウキ、6.85w%のセンキュウ、5.5w%のシャクヤク、5.5w%のジュクジオウ、13.69%のチョウトウコウ、13.69%のケイケットウ、13.69%のカゴソウ、13.69%のケツメイシ、13.69%の真珠粉及び6.85%のエンゴサクで製造される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、経口投与に適した製剤に製造される、請求項1〜3の何れか一項に記載の組成物。
【請求項5】
経口投与に適した製剤が、経口投与に適した固形製剤である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
経口投与に適した固形製剤が、丸薬である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記丸薬が、フィルムコーティングされた丸薬である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
フィルムコーティングされた丸薬が、胃溶性コーティング丸薬である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記丸薬が、アジュバント及び結合剤を含有し、アジュバントが、デキストリン、澱粉、低置換ヒドロキシプロピルセルロース及び微結晶性セルロースよりなる群から選ばれ、アジュバントの量が、乾燥医薬原料粉末の25重量%以上を占め、そして結合剤が、水、20〜30%(v/v)のエタノール水溶液及び蜂蜜水溶液よりなる群から選ばれる、請求項6〜8の何れか一項に記載の組成物。
【請求項10】
丸薬中のアジュバントが、微結晶性セルロースであり、アジュバントの量が、乾燥医薬原料粉末の28〜35%を占め、そして結合剤が水である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
a.請求項1〜3の何れか一項に記載の割合による医薬原料を用意すること、
b.トウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクを、それぞれエタノール還流によって抽出し、それらの抽出液を合わせて使用するまで保管するか、又はトウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクの混合物にエタノールを加え、加熱還流して抽出し、そして還流液を使用するまで保管すること、
c.工程(b)の残渣及びチョウトウコウを除くその他の5つの医薬原料を、水で数回煮出し、最後の煮出し時にチョウトウコウを加え、それらの煮出し液を合わせて濃縮すること、
d.濃縮した煮出し液にエタノールを加えて沈殿させ、得られた上澄液及び上記で得られた還流溶液を合わせて、エタノールを回収して濃縮し、エキスの形態で組成物を得ること、
e.工程(d)のエキスを、適当なアジュバントと混合して、所望の医薬製剤を得ること、
を含んでなる、請求項1〜10の何れか一項に記載の組成物の製造方法。
【請求項12】
工程(b)において、エタノールをトウキ、センキュウ、シャクヤク及びエンゴサクの混合物に加えて、加熱還流して抽出し、工程(c)において、工程(b)の残渣及びチョウトウコウを除くその他の5つの医薬原料を水で3回煮出すが、3回目の煮出し時に、チョウトウコウを加えて一緒に煮出し、それぞれの煮出し時間が0.5〜1.5時間であり、そして煮出し液を合わせて濃縮し、55℃での相対密度が1.09〜1.13である濃縮エキスを得る、請求項11に記載の組成物の製造方法。
【請求項13】
工程(b)におけるエタノールの濃度が、60%〜80%(v/v)であり、それぞれの還流時間が0.5〜1.5時間であり、工程(d)における最終エタノール濃度が60%〜70%(v/v)であり、そして濃縮エキスの相対密度が、55℃で約1.15である、請求項12に記載の組成物の製造方法。
【請求項14】
工程(b)におけるエタノールの濃度が、約70%(v/v)であり、そして工程(d)における最終エタノール濃度が約65%(v/v)である、請求項13に記載の組成物の製造方法。
【請求項15】
得られたエキスを、スプレードライ工程で乾燥してエキス粉末を得ることができる、請求項11に記載の組成物の製造方法。
【請求項16】
医薬製剤が、丸薬である、請求項11〜15の何れか一項に記載の組成物の製造方法。
【請求項17】
前記丸薬が、フィルムコーティングされた丸薬である、請求項16に記載の組成物の製造方法。
【請求項18】
フィルムコーティングされた丸薬のフィルムコーティング物質が、胃溶解性のフィルムコーティング物質であり、コーティング条件が、溶媒として水が選ばれ、コーティング溶液の濃度が14〜20%(w/w)であり、コーティング後の丸薬の重量増が2%〜6%であり、吸気温度が40〜90℃であり、錠剤床の温度が40〜70℃であり、噴霧圧力が1.5〜2.5barであり、コーティング容器の回転速度が15〜20rpmであり、そして吸気量が2〜4g/分である、請求項17に記載の組成物の製造方法。
【請求項19】
コーティング条件が、溶媒として水が選ばれ、コーティング溶液の濃度が18%(w/w)であり、コーティング後の丸薬の重量増が4%であり、吸気温度が65℃であり、錠剤床の温度が43℃であり、噴霧圧力が2.0barであり、コーティング容器の回転速度が17rpmであり、そして吸気量が3g/分である、請求項18に記載の組成物の製造方法。
【請求項20】
頭痛治療のための薬剤の製造における、請求項1〜10の何れか一項に記載の組成物の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2009−505991(P2009−505991A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527290(P2008−527290)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【国際出願番号】PCT/CN2006/002135
【国際公開番号】WO2007/022710
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(508057210)ティエンジン タスリー ファーマシューティカル カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】