説明

頭髪化粧料用基剤

【課題】従来の頭髪化粧料用基剤に比べ、耐湿性、セット保持力及び弾力性に優れ、フレーキングを生じず、且つ毛髪に塗布した際の仕上がり具合に優れた新規な頭髪化粧料用基剤、並びにこれに用いる共重合体の提供。
【解決手段】アゾ基含有ポリシロキサンの存在下、エチレン性不飽和カルボン酸、及び要すればエチレン性不飽和カルボン酸エステルを(共)重合させ、シロキサンセグメントとエチレン性不飽和カルボン酸単位、及び要すればエチレン性不飽和カルボン酸エステル単位とを構成成分として含んで成る頭髪化粧料用基剤用ブロック共重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばセット剤、トリートメント剤等に使用し得る頭髪化粧料用基剤、並びにこれに用いる共重合体に関する。
【背景技術】
【0002】
頭髪化粧料用基剤としては、現在、耐湿性、セット保持力及び弾力性に優れ、フレーキングを生じず、且つ毛髪に塗布した際の仕上がり具合が良好なものが要望されている。
頭髪化粧料用基剤としては、例えばN−ビニルピロリドンの重合体、共重合体等を用いるノニオン性基剤及びカチオン性基剤(特公昭56-4533号公報、特開昭59-75911号公報等)や、例えばシリコーン系共重合体等を用いるアニオン性基剤 (特開平4-359912号公報、特開平2-25411号公報、特開平5-924号公報等)等が知られている。
しかしながら、ノニオン性基剤及びカチオン性基剤は、一般に耐湿性が悪いという問題点を有している。また、アニオン性基剤は、ノニオン性基剤に比べ耐湿性は良好であるが、仕上がり具合が自然でない等の問題点を有している。そのため、これらの問題点を補うために、各種基剤を混合して用いている状況にあるが、未だ充分満足のいく頭髪化粧料用基剤は得られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記した如き状況に鑑みなされたもので、従来の頭髪化粧料用基剤に比べ、耐湿性、セット保持力及び弾力性に優れ、フレーキングを生じず、且つ毛髪に塗布した際の仕上がり具合に優れた新規な頭髪化粧料用基剤、並びにこれに用いる共重合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ブロック共重合体の構成率が、一般式[1a]

(式中、R1は同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはシアノ基を表し、R2は同一または異なって、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基またはアリール基を表し、AはNHまたはOを表し、Bは酸素原子を介していてもよい低級アルキレン基を表し、pは0または1〜6の整数を表し、mは0または1〜200の整数を表す。)で示される繰り返し単位を有するポリシロキサンセグメント、又は上記一般式[1a]で示される繰り返し単位と一般式[2]

(式中、−CO−Y−CO−は二塩基酸残基を表し、R2,A,B及びmは前記に同じ。)で示される繰り返し単位の組み合わせからなるポリシロキサンセグメント5〜90重量%と、一般式[3a]

(式中、R3は水素原子、低級アルキル基、カルボキシル基またはカルボキシ低 級アルキル基を表し、R4は水素原子、低級アルキル基またはカルボキシ低級アルキル基を表す。)で示されるエチレン性不飽和カルボン酸単位10〜95重量%であり、数平均分子量が6万〜15万である、溶液重合により得られるブロック共重合体、の発明である。
【0005】
また、本発明は、ブロック共重合体の構成率が、
一般式[1a]

(式中、R1、R2、A、B、p及びmは前記に同じ)で示される繰り返し単位を有するポリシロキサンセグメント、又は上記一般式[1a]で示される繰り返し単位と一般式[2]

(式中、−CO−Y−CO−は二塩基酸残基を表し、R2,A,B及びmは前記に同じ。)で示される繰り返し単位の組み合わせからなるポリシロキサンセグメント5〜85重量%、一般式[3a]

(式中、R3、R4は前記に同じ)で示されるエチレン性不飽和カルボン酸単位10〜90重量%並びに一般式[4a]

(式中、R5は水素原子、低級アルキル基、アルキルオキシカルボニル基、カル ボキシ低級アルキル基またはアルキルオキシカルボニルアルキル基を表し、R6 は水素原子、低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基またはアルキルオキシカルボニルアルキル基を表し、R7はアルキル基またはアラルキル基を表す。)で示されるエチレン性不飽和カルボン酸エステル単位5〜85重量%であり、数平均分子量が6万〜15万である、溶液重合により得られるブロック共重合体、の発明である。
【0006】
また、本発明は、一般式[1]

(式中、R1、R2、A、B、p及びmは前記に同じ)で示される繰り返し単位を有するアゾ基含有ポリシロキサン化合物、または上記一般式[1]で示される繰り返し単位と下記一般式[2]

(式中、−CO−Y−CO−、R2,A,B及びmは前記に同じ。)で示される繰り返し単位の組み合わせからなるアゾ基含有ポリシロキサン化合物の存在下に、一般式[3a]

(式中、R3、R4は前記に同じ)で示されるエチレン性不飽和カルボン酸を溶液重合反応に付して得られる、ブロック共重合体の構成率がポリシロキサン化合物5〜90重量%及びエチレン性不飽和カルボン酸10〜95重量%であり且つ数平均分子量が6万〜15万であるブロック共重合体、の発明である。
【0007】
更に、本発明は、一般式[1]

(式中、R1、R2、A、B、p及びmは前記に同じ)で示される繰り返し単位を有するアゾ基含有ポリシロキサン化合物、または上記一般式[1]で示される繰り返し単位と下記一般式[2]

(式中、−CO−Y−CO−は二塩基酸残基を表し、R2,A,B及びmは前記に同じ。)で示される繰り返し単位の組み合わせからなるアゾ基含有ポリシロキサン化合物の存在下に、一般式[3a]

(式中、R3、R4は前記に同じ)で示されるエチレン性不飽和カルボン酸と一般式[4a]

(式中、R5、R6、R7は前記に同じ)で示されるエチレン性不飽和カルボン酸エステルとを溶液重合反応に付して得られる、ブロック共重合体の構成率がポリシロキサン化合物5〜85重量%、エチレン性不飽和カルボン酸10〜90重量%、及びエチレン性不飽和カルボン酸エステル5〜85重量%であり且つ数平均分子量が6万〜15万であるブロック共重合体、の発明である。
【0008】
即ち、本発明者らは、従来の頭髪化粧料用基剤に比べ、耐湿性、セット保持力及び弾力性に優れ、フレーキングを生じず、且つ毛髪に塗布した際の仕上がり具合に優れた頭髪化粧料用基剤を求めて鋭意研究を重ねた結果、アゾ基含有ポリシロキサン化合物の存在下に、エチレン性不飽和カルボン酸、更に要すればエチレン性不飽和カルボン酸エステルとを重合反応に付して得られるブロック共重合体を頭髪化粧料用基剤として用いることにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
【発明の効果】
【0009】
本発明の頭髪化粧料用基剤は、従来の頭髪化粧料用基剤に比べ耐湿性、セット保持力及び弾力性に優れ、フレーキングを生じず、また、毛髪に使用した際の仕上がり具合が自然で、しなやか、且つ手触りが滑らかであり、櫛通りも滑らかである等の作用効果を奏するものなので、これまでにない効果的な頭髪化粧料用基剤として大いに期待できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の頭髪化粧料用基剤に用いられるブロック共重合体(以下、本発明に係る共重合体と略記することもある。)のポリシロキサンセグメントとしては、例えば一般式[1a]
【0011】

【0012】
(式中、R1は同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはシアノ基を表し、R2は同一または異なって、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基またはアリール基を表し、AはNHまたはOを表し、Bは酸素原子を介していてもよい低級アルキレン基を表し、pは0または1〜6の整数を表し、mは0または1〜200の整数を表す。)で示される繰り返し単位を有するポリシロキサンセグメント、または上記一般式[1a]で示される繰り返し単位と例えば一般式[2]
【0013】

【0014】
(式中、−CO−Y−CO−は二塩基酸残基を表し、R2,A,B及びmは前記に同じ。)で示される繰り返し単位の組み合わせから成る。
【0015】
本発明に係る共重合体のエチレン性不飽和カルボン酸単位としては、例えば一般式[3a]
【0016】

【0017】
(式中、R3は水素原子、低級アルキル基、カルボキシル基またはカルボキシ低 級アルキル基を表し、R4は水素原子、低級アルキル基またはカルボキシ低級ア ルキル基を表す。)で示される。
【0018】
また、本発明に係る共重合体のエチレン性不飽和カルボン酸エステル単位としては、例えば例えば一般式[4a]
【0019】

【0020】
(式中、R5は水素原子、低級アルキル基、アルキルオキシカルボニル基、カル ボキシ低級アルキル基またはアルキルオキシカルボニルアルキル基を表し、R6は水素原子、低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基またはアルキルオキシカルボニルアルキル基を表し、R7はアルキル基またはアラルキル基を表す。)で示される。
【0021】
本発明の頭髪化粧料用基剤に用いられるブロック共重合体は、例えば一般式[1]
【0022】

【0023】
(式中、R1,R2,A,B,p及びmは前記に同じ。)で示される繰り返し単位を有するアゾ基含有ポリシロキサン化合物、または上記一般式[1]で示される繰り返し単位と例えば一般式[2]
【0024】

【0025】
(式中、−CO−Y−CO−,R2,A,B及びmは前記に同じ。)で示される繰り返し単位の組み合わせから成るアゾ基含有ポリシロキサン化合物の存在下に、例えば一般式[3]
【0026】

【0027】
(式中、R3及びR4は前記に同じ。)で示されるエチレン性不飽和カルボン酸を共重合することにより得られる。
【0028】
また、本発明のブロック共重合体は、上記一般式[1]で示される繰り返し単位を有するアゾ基含有ポリシロキサン化合物、または上記一般式[1]で示される繰り返し単位と上記一般式[2]で示される繰り返し単位の組み合わせから成るアゾ基含有ポリシロキサン化合物の存在下に、上記一般式[3]で示されるエチレン性不飽和カルボン酸と、例えば一般式[4]
【0029】

【0030】
(式中、R5,R6及びR7は前記に同じ。)で示されるエチレン性不飽和カルボ ン酸エステルとを共重合させることにより得られる。
【0031】
一般式[1]及び[1a]に於いて、R1で示される低級アルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも何れにても良く、例えば炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,1-ジ メチルブチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙 げられる。一般式[1],[1a]及び[2]に於いて、R2で示されるアルキ ル基としては、直鎖状でも分枝状でも何れにても良く、例えば炭素数1〜20のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、3,3-ジメチルブ チル基、1,1-ジメチルブチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。ハロアルキル基としては、例えば上記アルキル基がハロゲン化(例えばフッ素化、塩素化、臭素化、沃素化等。)された炭素数1〜20のハロアルキル基が挙げられ、具体的にはクロロメチル基、ブロモメチル基、トリフルオロメチル基、2-クロロエチル基、3-クロロプロピル基、3-ブロモプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2-パーフルオロオクチルエチル基、パーフルオロオクチル基、1-クロロデシル基、1-クロロオクタデシル基等が挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。Bで示される酸素原子を介していても良い低級アルキレン基としては、直鎖状でも分枝状でも何れにても良く、例えば炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられ、また、酸素原子を介している場合としては、該アルキレン基の末端または鎖中の任意の位置に−O−基を1個以上、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個有しているものが挙げられ、具体的にはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、2-メチルプロピレン基、2,2-ジメチルプロピレン基、2-エチルプロピレン基、-O-CH2-基、-O-CH2CH2- 基、-CH2-O-CH2-基、-CH2CH2-O-CH2-基、-CH2CH2-O-CH2CH2-基、-CH2CH2-O-CH2CH2-O-CH2CH2-基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。−CO−Y−CO−で示される二塩基酸残基としては、例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、リンゴ酸、シトラコン酸、メサコン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4'-ビフ ェニルジカルボン酸等の酸残基が挙げられる。
【0032】
尚、一般式[1]で示される繰り返し単位と一般式[2]で示される繰り返し単位の組み合わせから成るアゾ基含有ポリシロキサン化合物を用いる場合、一般式[1]と一般式[2]で示される繰り返し単位の割合としては、アゾ基含有ポリシロキサンのラジカル重合活性が失活しない範囲であれば特に限定されないが、一般式[1]/一般式[2]として、70重量%/30重量%〜50重量%/50重量%の範囲から適宜選択される。
【0033】
一般式[3]及び[3a]に於いて、R3及びR4で示される低級アルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも何れにても良く、例えば炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル 基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基 等が挙げられる。カルボキシ低級アルキル基としては、上記した如き低級アルキル基の水素原子がカルボキシル基に置換されたものが挙げられ、具体的にはカルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基、カルボキシペンチル基、カルボキシヘキシル基等が挙げられる。
【0034】
一般式[3]で示されるエチレン性不飽和カルボン酸の具体例としては、例えばアクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸,フマル酸,クロトン酸,シトラコン酸,メサコン酸等(これらカルボン酸類は、例えばナトリウム,カリウム等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等、塩の形になっているものでも良い。)が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0035】
一般式[4]及び[4a]に於いて、R5及びR6で示される低級アルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも何れにても良く、例えば炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル 基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基 等が挙げられる。カルボキシ低級アルキル基としては、上記した如き低級アルキル基の水素原子がカルボキシル基に置換されたものが挙げられ、具体的にはカルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基、カルボキシペンチル基、カルボキシヘキシル基等が挙げられる。アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、上記した如きカルボキシ低級アルキル基のカルボキシル基がアルキル基でエステル化されたものが挙げられ、具体的にはメチルオキシカルボニルメチル基、メチルオキシカルボニルエチル基、メチルオキシカルボニルプロピル基、エチルオキシカルボニルメチル基、エチルオキシカルボニルエチル基、プロピルオキシカルボニルメチル基、プロピルオキシカルボニルエチル基、ブチルオキシカルボニルメチル基、ブチルオキシカルボニルエチル基、ペンチルオキシカルボニルメチル基、ペンチルオキシカルボニルエチル基、ヘキシルオキシカルボニルメチル基、ヘキシルオキシカルボニルエチル基等が挙げられる。R5で示されるアルキルオキシカルボニル基としては、例えば炭素 数2〜7のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。R7で示されるアルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも或いは環状でも何れにても良く、例えば炭素数1〜20のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル 基、tert-ペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アラルキル基としては、例えば炭素数7〜15のアラルキル基が挙げられ、具体的にはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0036】
一般式[4]で示されるエチレン性不飽和カルボン酸エステルの具体例としては、例えばメタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸tert-ブチル,メタクリル酸n-ブチル,メタクリル酸イソブチル,メタクリル酸2-エチルヘキシル,メタクリル酸ラウリル,メタクリル酸ステアリル,イタコン酸メチル,イタコン酸エチル,マレイン酸メチル,マレイン酸エチル,フマル酸メチル,フマル酸エチル,クロトン酸メチル,クロトン酸エチル,シトラコン酸メチル,シトラコン酸エチル,メサコン酸メチル,メサコン酸エチル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0037】
本発明に係る共重合体を含んで成る頭髪化粧料用基剤は、夫々例えばセットタイプ、トリートメントタイプ等の整髪料や、ボリュームダウン効果やハリを与える効果を有するトリートメント剤等に好ましく用いられる。
【0038】
本発明に係る共重合体の分子量は、特に限定されるものではないが、分子量が小さ過ぎると耐湿性に問題を生じるため通常数平均分子量が1万以上のものが好ましく用いられる。尚、セットタイプの整髪料として使用する場合は、数平均分子量6万〜15万、より好ましくは7万〜12万のものが好適である。
【0039】
本発明に係る共重合体を製造する際に用いられるアゾ基含有ポリシロキサン化合物としては、一般式[1]で示される繰り返し単位、又は一般式[1]で示される繰り返し単位と一般式[2]で示される繰り返し単位の組み合わせから成るものであって、1分子中に1個以上のアゾ基を有していればよく、該ポリシロキサン化合物の重合反応時の平均分子量としては、平均分子量が小さいとアゾ基を含有しない分子がかなり存在するためブロック共重合体の生成効率が低下し、本来の機能を示さなくなり、また、平均分子量が大きいと、製造に時間を有するばかりでなく、溶解性が低下し、溶液の粘性も増加するため低濃度でブロック共重合を行う必要があり、エチレン性不飽和カルボン酸及びエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの重合率が低下する等の欠点を生じるため、数平均分子量として通常1,500〜20万、好ましくは3,000〜15万の範囲から適宜選択される。
【0040】
本発明に係る、シロキサンセグメントとエチレン性不飽和カルボン酸単位とを構成成分として含んで成るブロック共重合体に於けるシロキサンセグメントの構成率としては、特に限定されるものではないが、通常5〜90重量%が好ましく挙げられる。尚、セットタイプの整髪料等として使用する場合は少なすぎると風合いが悪くなり、また多すぎると溶解性が悪くなるため、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜70重量%の範囲から適宜選択される。
【0041】
エチレン性不飽和カルボン酸の構成率としては、通常10〜95重量%が好ましく挙げられるが、これに限定されるものではない。尚、セットタイプの整髪料等として使用する場合は少なすぎると耐湿性が悪く、相溶性や毛髪に対する接着性が低下し、また、水やアルコール等の溶剤に対する溶解性が低下するために除去しにくくなる等の問題点を生じ、一方、多すぎると相対的にアゾ基含有ポリシロキサンの含有量が低下するためシロキサンの撥水作用が低下する等の問題点を生じるので、好ましくは20〜90重量%、より好ましくは30〜80重量%の範囲から適宜選択される。
【0042】
また、構成成分としてエチレン性不飽和カルボン酸エステル単位を更に含んで成る場合のシロキサンセグメントの構成率としては、通常5〜85重量%が好ましく挙げられる。尚、セットタイプの整髪料等として使用する場合は少なすぎると風合いが悪くなり、また多すぎると溶解性が悪くなるため、好ましくは10〜75重量%、より好ましくは15〜60重量%の範囲から適宜選択される。エチレン性不飽和カルボン酸単位の構成率としては、通常10〜90重量%が好ましく挙げられるが、これに限定されるものではない。尚、セットタイプの整髪料等として使用する場合は少なすぎると耐湿性が悪く、相溶性や毛髪に対する接着性が低下し、また、水やアルコール等の溶剤に対する溶解性が低下するために除去しにくくなる等の問題点を生じ、一方、多すぎると相対的にアゾ基含有ポリシロキサンの含有量が低下するためシロキサンの撥水作用が低下する等の問題点を生じるので、好ましくは15〜80重量%、より好ましくは25〜70重量%の範囲から適宜選択される。また、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単位の構成率も特に限定されるものではないが、通常5〜85重量%が好ましく挙げられる。尚、セットタイプの整髪料として使用する場合は少なすぎるとセットされた毛髪表面のすべりが悪くなり、また多すぎると相対的にアゾ基含有ポリシロキサン化合物及びエチレン性不飽和カルボン酸の構成率が減少するため、耐湿性が悪くなることから好ましくは10〜75重量%、より好ましくは15〜60重量%の範囲から適宜選択される。
【0043】
本発明に係る一般式[1]で示される繰り返し単位から成るアゾ基含有ポリシロキサン化合物は、例えば特開平4-372675号公報等に記載の製造法に従って容易に製造することができる。
即ち、例えば一般式[5]
【0044】

【0045】
(式中、DはNH2又はOHを表し、R2,B及びmは前記に同じ。)で示されるポリシロキサンセグメントを含有するジアミン又はジオール化合物と、例えば一般式[6]
【0046】

【0047】
(式中、Xはハロゲン原子を表し、R1及びpは前記に同じ。)で示されるアゾ基含有二塩基酸ジハライドとを適当な溶媒中、要すれば塩基性触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。
【0048】
本発明に係る一般式[1]で示される繰り返し単位から成るアゾ基含有ポリシロキサン化合物は、また、例えば特開平6-93100号公報或いは特開平6-322089号 公報等に記載の製造法に従って製造したものを用いても良い。
即ち、例えば一般式[5]で示されるポリシロキサンセグメントを含有するジアミン又はジオール化合物と例えば一般式[7]
【0049】

【0050】
(式中、R1,pは前記に同じ。)で示されるアゾ基含有二塩基酸を適当な溶媒中、要すれば塩基性触媒の存在下、脱水剤を用いて反応させることによっても得ることができる。
【0051】
上記製造法は、何れも塩基性触媒の存在下で行うのが好ましいが、塩基性触媒の具体例としては、例えばトリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、ピペリジン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、トリ-n-ブチルアミン等の有機アミン類、例えば水素化ナトリウム等の金属水素化物類、例えばn-ブチル リチウム等の塩基性アルカリ金属化合物類等が挙げられる。
【0052】
塩基性触媒の使用量としては一般式[6]又は[7]で示される原料化合物或いは脱水剤に対して通常0.5〜5倍モル、好ましくは0.5〜1.5倍モルの範囲から適宜選択される。
【0053】
また、後者の方法では脱水剤が用いられるが、脱水剤の具体例としては、脱水縮合剤として用いられるものであれば特に限定されないが、例えば濃硫酸、五酸化二リン、無水塩化亜鉛等の無機脱水剤類、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド)塩酸塩等のカルボジイミド類、ポリリン酸、無水酢酸、カルボ ニルジイミダゾール、p-トルエンスルホニルクロライド等が挙げられる。
【0054】
脱水剤の使用量としては特に限定されるものではないが、少ないと反応が遅くなり、且つ到達分子量も小さくなり、多すぎると短時間で高分子量になるが分子量の制御が困難となり、且つ、経済的でないため、相当するジアミン又はジオール化合物に対して通常1〜5倍モル、好ましくは2〜3倍モルの範囲から適宜選択される。
【0055】
反応溶媒としては、どちらの方法に於いても例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、例えば四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、二塩化エチレン、トリクレン等のハロゲン化炭化水素類、例えばn-ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらは夫々単独で用いても、二種以上適宜組み合わせて用いても何れにても良い。
【0056】
一般式[5]で示されるジアミン又はジオール化合物と、一般式[6]で示されるアゾ基含有二塩基酸ジハライド或いは一般式[7]で示されるアゾ基含有二塩基酸との使用割合は特に限定されず適宜決定されるが、高分子量のアゾ基含有ポリシロキサンを得るには両者をほぼ等モル量用いることが好ましい。
【0057】
反応温度は、特に限定されないが、あまり高いとアゾ基が分解し、低すぎると反応速度が遅くなり製造に時間を要し、且つ高分子量のアゾ基含有ポリシロキサン化合物が得られにくくなるため、通常−10〜60℃の範囲から適宜選択される。また、反応温度は低温から段階的に反応温度を上昇させる方法をとっても良い。
【0058】
反応時間は製造方法により異なるが、通常1〜60時間の範囲から適宜選択される。
【0059】
目的物の単離は、用いた原料、塩基性触媒、脱水剤、溶媒等の種類や量並びに反応液の状態等に応じて適宜行えばよく、例えば粘稠な反応液の場合には、反応液を適当な溶媒で希釈した後、濾過或いは水洗等の操作により副生する四級アンモニウム塩等の不純物を除いた後、溶媒を除去することにより目的のアゾ基含有ポリシロキサン化合物を得ることができる。
【0060】
尚、一般式[1]で示される繰り返し単位と一般式[2]で示される繰り返し単位の組み合わせから成るアゾ基含有ポリシロキサン化合物を製造するには、前記一般式[6]で示されるアゾ基含有二塩基酸ジハライドの一部をX−OC−Y−CO−X(Xは前記に同じ。)で示される二塩基酸ジハライドに置きかえた混合物を用いて同様に反応させるか、或いは上記一般式[7]で示されるアゾ基含有二塩基酸の一部をHOOC−Y−COOHで示される二塩基酸に置きかえた混合物を用いて同様に反応させれば良い。
【0061】
本発明に係る共重合体を製造するには、例えば下記の如くして行えば良い。
即ち、上記の如くして得たアゾ基含有ポリシロキサン化合物と、前記した如きエチレン性不飽和カルボン酸、更に要すればエチレン性不飽和カルボン酸エステルとを適当な溶媒中、要すれば不活性ガス雰囲気下で常法に従って重合反応を行えば良い。
反応後の後処理等はこの分野に於いて通常行われる後処理法に準じてこれを行うことで足りる。
【0062】
尚、重合反応を行う際に、必要に応じて連鎖移動剤(例えばラウリルメルカプタン、オクチルメルカオプタン、ブチルメルカプタン、2-メルカプトエタノール、チオグリコール酸ブチル等。)を添加し、分子量の調節を行っても良い。
【0063】
上記重合反応の方法としては、例えば懸濁重合、溶液重合又は乳化重合等が挙げられる。この際アゾ基含有ポリシロキサン化合物と通常のラジカル重合開始剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル,2,2'-アゾビスイソ酪酸ジメチル等)を 併用して用いても良い。
【0064】
アゾ基含有ポリシロキサン化合物の重合反応時の使用量としては、通常2〜97重量%、好ましくは10〜85重量%の範囲から適宜選択される。
【0065】
エチレン性不飽和カルボン酸の重合反応時の使用量としては、通常3〜98重量%、好ましくは15〜90重量%の範囲から適宜選択される。
【0066】
また、エチレン性不飽和カルボン酸エステルを用いる場合のアゾ基含有ポリシロキサン化合物の重合反応時の使用量としては、通常5〜90重量%、好ましくは5〜75重量%の範囲から適宜選択される。エチレン性不飽和カルボン酸の重合反応時の使用量としては、通常5〜90重量%、好ましくは15〜85重量%の範囲から適宜選択される。エチレン性不飽和カルボン酸エステルの重合反応時の使用量としては、通常5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%の範囲から適宜選択される。
【0067】
重合反応は、有機溶媒存在下で行うのが好ましい。有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン、シクロヘキサン、n-ヘキサン、n-オクタン等の炭化水素類、例えば二塩化エチレン、トリクレン等のハロゲン化炭化水素類、例えば酢酸エチル、酢酸n-ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類類、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール等のアルコール類、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは夫々単独で用いても、二種以上適宜組み合わせて用いても何れにても良い。尚、本発明のブロック共重合体を頭髪化粧料用基剤として用いる場合にはエタノール、イソプロパノール等のアルコール類を溶媒として用いると、残存溶媒の人体への影響や反応後にそのまま基剤として使用できる等の点で好ましい。
【0068】
重合反応は、また、不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。不活性ガスとしては、例えば窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
【0069】
重合温度は特に限定されないが、低すぎるとアゾ基の分解が少ないため重合の進行が遅くなり、高すぎるとアゾ基の分解が多くなりすぎ重合の制御が困難となるため通常20〜150℃、好ましくは40〜120℃の範囲から適宜選択される。反応時間としては、反応温度や反応させるアゾ基含有ポリシロキサン化合物、エチレン性不飽和カルボン酸及びエチレン性不飽和カルボン酸エステルの種類、或いは濃度等の反応条件により異なるが、通常2〜24時間の範囲から適宜選択される。
【0070】
かくして得られた本発明に係る共重合体は、高分子化合物は一般に複雑な構造を有するため必ずしも一義的ではないが、敢えてこれを構造式で表すと、例えば下記一般式[8]〜[10]の何れかの構造或いは、これらの内の任意の2種或いは3種の組み合わせから成る構造式等で表わされるが、勿論、これらに限定されるものではない。
【0071】

【0072】

【0073】

【0074】
[式中、Uはシロキサンセグメントを表し、Vはエチレン性不飽和カルボン酸単位を表し、Tはエチレン性不飽和カルボン酸エステル単位を表し、a,c及びdは自然数を表し、b及びeは0または自然数を表す。尚、{}内はランダム構造であり、例えばグラフト型,ブロック型等の共重合体等種々の構造を含む。]
【0075】
このようにして得られたブロック共重合体を頭髪化粧料用基剤として用いる際には、通常共重合体を水又は/及び親水性有機溶媒に溶解し、溶液状態で使用に供せられるが、該共重合体を水溶性とするためには塩基性物質により中和するのが好ましい。
【0076】
中和に用いる塩基性物質としては、例えばアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニア水、有機アミン類(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプ ロパノール、3-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、モルホリン等。)等が挙げられる。
【0077】
また、中和率としては通常30〜100%、好ましくは50〜100%の範囲から適宜選択される。
【0078】
共重合体を親水性有機溶媒に溶解して頭髪化粧料用基剤として用いる際の親水性有機溶媒としては、各種低級アルコール類やグライム類等が挙げられるが、人体への影響等を考慮すると例えばエタノール、イソプロパノール等がより好ましいものとして挙げられる。
【0079】
本発明に係る共重合体を含んで成る頭髪化粧料用基剤は、水及びエタノールに対する溶解性に優れ、また、セット保持力、耐湿性、弾力性、フレーキング性、風合い等頭髪化粧料用基剤として必要な各種機能に優れ、且つ、毛髪に塗布した際の仕上がり具合も甚だ良好なため、例えばセット剤、トリートメント剤等に極めて有用であり、フォーム、ジェル、ローション、スプレー、クリーム等の商品形態で好ましく用いられる。
【0080】
本発明に係る共重合体を頭髪化粧料用基剤として用いる場合、その機能を損なわない範囲で他の化粧品成分を添加しても良い。添加可能な成分としては、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤、例えば油脂、エステル油、炭化水素、ワックス、ワックスエステル、シリコーン及びその誘導体、フッ素化合物及びその誘導体、高級脂肪酸、高級アルコール等の油性成分、例えばアニオン性高分子、カチオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子等の高分子類、糖及び多糖類とそれらの誘導体、無機及び有機の酸、塩基、緩衝剤、塩類、例えば水、低級アルコール等の溶剤類、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、フロン等の液化ガスや炭酸ガス、窒素等の圧縮ガス等の噴射剤、その他、蛋白質誘導体、生薬等の植物抽出液及び精油、防腐殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、酸化剤、還元剤、色素、香料等が挙げられる。
【0081】
以下に参考例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
【実施例】
【0082】
参考例1. アゾ基含有ポリシロキサン化合物(以下、MAIと略記する。)−1の合成
4-ジメチルアミノピリジン(以下、DMAPと略記する。) 3.5g及び4,4'- アゾビス(4-シアノペンタン酸) 8.0gを塩化メチレン 160mlに溶解し、これにアミノ変性シリコーンKF-8012[前記一般式[5]においてR2がメチル基、Dがアミノ基、Bが(CH2)3、mが平均で約56のもの。信越シリコーン(株)商品名。] 125gとジシクロヘキシルカルボジイミド(以下、DCCと略記する。) 13.0gを順次加え、20〜30℃で4時間撹拌反応させた。次いで塩化メチレン 160ml で希釈し、水、メタノールを加えて反応を停止させた後、析出した結晶を濾去し、濾液を多量のメタノール中に注いで目的物を析出させた。上澄み液を除去後、残渣を室温で減圧乾燥して目的生成物 103gを得た。この生成物は1H-NMRスペクトル及び赤外スペクトルよりポリシロキサンセグメントを有するアゾ基含有ポリシロキサンアミドであることを確認した。このアゾ基含有ポリシロキサンアミドの数平均分子量は、GPC分析の結果より20,000であり、平均アゾ基結合数が4.3個からなるものであった。以下これをMAI−1と略記する。
【0083】
参考例2. MAI−2の合成
DMAP 33.7g及び4,4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸) 77.3gを塩化メチ レン 2500mlに溶解し、これにアミノ変性シリコーンKF-8012[前記一般式[5]においてR2がメチル基、Dがアミノ基、Bが(CH23、mが平均で約56のも の。信越シリコーン(株)商品名。] 1214gとDCC 125gを順次加え、20〜30 ℃で7時間撹拌反応させた。次いで水、メタノールを加えて反応を停止させた後、析出した結晶を濾去し、濾液を多量のメタノール中に注いで目的物を析出させた。上澄み液を除去し、残渣を室温で減圧乾燥して目的生成物 1070gを得た。 この生成物は1H-NMRスペクトル及び赤外スペクトルよりポリシロキサンセグメントを有するアゾ基含有ポリシロキサンアミドであることを確認した。このアゾ基含有ポリシロキサンアミドの数平均分子量は、GPC分析の結果より30,000であり、平均アゾ基結合数が6.5個からなるものであった。以下これをMAI− 2と略記する。
【0084】
参考例3. MAI−3の合成
DMAP 3.5g及び4,4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸) 8.0gを塩化メチレン 160mlに溶解し、これにアミノ変性シリコーンKF-8012[前記一般式[5]においてR2がメチル基、Dがアミノ基、Bが(CH23、mが平均で約56のもの。信越シリコーン(株)商品名。] 125gとDCC 13.0gを順次加え、20〜30℃ で8時間撹拌反応させた。一夜放置後、塩化メチレン 160mlで希釈し、水、メタノールを加えて反応を停止させ、析出した結晶を濾去し、濾液を多量のメタノール中に注いで目的物を析出させた。上澄み液を除去し、残渣を室温で減圧乾燥して目的生成物 114gを得た。この生成物は1H-NMRスペクトル及び赤外スペクトルよりポリシロキサンセグメントを有するアゾ基含有ポリシロキサンアミドであることを確認した。このアゾ基含有ポリシロキサンアミドの数平均分子量は、GPC分析の結果より45,000であり、平均アゾ基結合数が9.7個からなるもので あった。以下これをMAI−3と略記する。
【0085】
参考例4. MAI−4の合成
DMAP 3.5g及び4,4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸) 8.0gを塩化メチレ ン 160mlに溶解し、これにアミノ変性シリコーンKF-8008[前記一般式[5]においてR2がメチル基、Dがアミノ基、Bが(CH23、mが平均で150のもの。信越シリコーン(株)商品名。] 325gとDCC 13.0gを順次加え、20〜30℃で 5時間撹拌反応させた。次いで塩化メチレン 160mlで希釈し、水、メタノールを加えて反応を停止させた後、析出した結晶を濾去し、濾液を多量のメタノール中に注いで目的物を析出させた。上澄み液を除去し、残渣を室温で減圧乾燥して目的生成物 275gを得た。この生成物は1H-NMRスペクトル及び赤外スペクトルよりポリシロキサンセグメントを有するアゾ基含有ポリシロキサンアミドであることを確認した。このアゾ基含有ポリシロキサンアミドの数平均分子量は、GPC分析の結果より47,000であり、平均アゾ基結合数が4.0個からなるものであった。以下これをMAI−4と略記する。
【0086】
参考例5. MAI−5の合成
DMAP 13.2g及び4,4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸) 30.3gを塩化メチ レン 540mlに溶解し、これにアミノ変性シリコーンKF-8008[前記一般式[5]においてR2がメチル基、Dがアミノ基、Bが(CH2)3、mが平均で150のもの。信越シリコーン(株)商品名。] 1230gとDCC 49.8gを順次加え、20〜30℃で8時間撹拌反応させた。一夜放置後、塩化メチレン 2400mlで希釈し、水、メタノールを加えて反応を停止させた後、析出した結晶を濾去し、濾液を多量のメタノール中に注いで目的物を析出させた。上澄み液を除去し、残渣を室温で減圧乾燥して目的生成物 1050gを得た。この生成物は1H-NMRスペクトル及び赤 外スペクトルよりポリシロキサンセグメントを有するアゾ基含有ポリシロキサンアミドであることを確認した。このアゾ基含有ポリシロキサンアミドの数平均分子量は、GPC分析の結果より86,000であり、平均アゾ基結合数が7.4個からな るものであった。以下これをMAI−5と略記する。
【0087】
参考例6. MAI−6の合成
DMAP 3.5g及び4,4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸) 8.0gを塩化メチレ ン 160mlに溶解し、これにアミノ変性シリコーンKF-8008[前記一般式[5]に おいてR2がメチル基、Dがアミノ基、Bが(CH23、mが平均で150のもの。信越シリコーン(株)商品名。] 325gとDCC 13.0gを順次加え、20〜30℃で12時間撹拌反応させた。次いで塩化メチレン160mlで希釈し、水、メタノール を加えて反応を停止させた後、析出した結晶を濾去し、濾液を多量のメタノール中に注いで目的物を析出させた。上澄み液を除去し、残渣を室温で減圧乾燥して目的生成物 275gを得た。この生成物は1H-NMRスペクトル及び赤外スペクトルよりポリシロキサンセグメントを有するアゾ基含有ポリシロキサンアミドであることを確認した。このアゾ基含有ポリシロキサンアミドの数平均分子量は、GPC分析の結果より125,000であり、平均アゾ基結合数が10.7個からなるもので あった。以下これをMAI−6と略記する。
【0088】
参考例7. MAI−7の合成
DMAP 3.5g及び4,4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸) 8.0gを塩化メチレ ン 160mlに溶解し、これにアミノ変性シリコーンKF-8012[前記一般式[5]に おいてR2がメチル基、Dがアミノ基、Bが(CH23、mが平均で約56のもの。信越シリコーン(株)商品名。] 125gとDCC 13.0gを順次加え、20〜30℃ で7.5時間撹拌反応させた。一夜放置後、塩化メチレン 160mlで希釈し、水、メタノールを加えて反応を停止させ、析出した結晶を濾去し、濾液を多量のメタノール中に注いで目的物を析出させた。上澄み液を除去し、残渣を室温で減圧乾燥して目的生成物 110gを得た。この生成物は1H-NMRスペクトル及び赤外スペクトルよりポリシロキサンセグメントを有するアゾ基含有ポリシロキサンアミドであることを確認した。このアゾ基含有ポリシロキサンアミドの数平均分子量は
、GPC分析の結果より37,200であり、平均アゾ基結合数が9.5個からなるもの であった。以下これをMAI−7と略記する。
【0089】
参考例8. MAI−8の合成
DMAP 4.4g及び4,4'-アゾビス(4-シアノペンタン酸) 10.0gを塩化メチレン 200mlに溶解し、これにアルコール変性シリコーンBX16-004[前記一般式[5]においてR2がメチル基、Dが水酸基、mが平均で約90のもの。東レダウコーニング(株)商品名。] 222gとDCC 16.0gを順次加え、20〜30℃で8時間撹 拌反応させた。次いで塩化メチレン 200mlで希釈し、水、メタノールを加えて反応を停止させた後、析出した結晶を濾去し、濾液を多量のメタノール中に注いで目的物を析出させた。上澄み液を除去し、残渣を室温で減圧乾燥して目的生成物 185gを得た。この生成物は1H-NMRスペクトル及び赤外スペクトルよりポリシロキサンセグメントを有するアゾ基含有ポリシロキサンエステルであることを確認した。このものの数平均分子量は、GPC分析の結果より20,000であり、平均アゾ基結合数が2.7個からなるものであった。以下これをMAI−8と略記する。
【0090】
実施例1.
参考例2で得られたMAI−2 7.5g、メタクリル酸(以下、MAAと略記する。) 90.0g、メタクリル酸tert-ブチル(以下、BMAと略記する。) 35.7g及びn-プロパノール 540gを混合し、窒素気流下、80℃で6時間重合反応させた。反応終了後、反応液をn-ヘキサン中に注いでブロック共重合体を析出さ せた。これを濾取し、洗浄した後、80℃で6時間減圧乾燥してブロック共重合体 64g(収率47%)を得た。NMRの分析結果から、このものの共重合組成は重 量比で、ジメチルシロキサンセグメント(以下、DMSと略記する。):MAA:BMA=5.7:63.7:30.6、又、GPCから数平均分子量は84,000、重量平均 分子量は129,900のビニル−シリコーンブロック共重合体であった。結果を表1 に示す。
【0091】
実施例2〜16.
実施例1において、使用するMAIの種類と量、MAA、BMAの量および溶媒の種類と量を表で示されるようにした以外は、実施例1と同様にして、目的とするビニル−シリコーン系ブロック共重合体を得た。結果を表1に示す。
【0092】
実施例17.
参考例5で得られたMAI−5 20g、MAA 48g、BMA 20g及びエタノール 352gを混合し、窒素気流下、77℃で3時間重合反応させた。次いでこれに2,2'-アゾビスイソ酪酸ジメチル[和光純薬工業(株),商品名:V-601] 0.5gを添加し更に4時間重合反応させた。反応終了後、反応液をn-ヘキサン中に注い でブロック共重合体を析出させた。これを濾取し洗浄した後、80℃で6時間減圧乾燥してブロック共重合体 62.4g(収率70.9%)を得た。NMRの分析結果か ら、このものの共重合組成は重量比で、DMS:MAA:BMA=16.0:53.7:30.3、又、GPCから数平均分子量は30,000、重量平均分子量は94,000のビニル−シリコーンブロック共重合体であった。結果を表1に示す。
【0093】
実施例18.
実施例17において、エタノール 352gに代えてエタノール 282gとした以外は、実施例17と同様にして、目的とするビニル−シリコーン系ブロック共重合体を得た。結果を表1に示す。
【0094】
【表1】

【0095】
実施例19〜22.
実施例1において、MAI−2に代えてMAI−5を用い、また、BMAに代えて、それぞれ順に、メタクリル酸メチル(実施例19)、メタクリル酸エチル(実施例20)、メタクリル酸2-エチルヘキシル(実施例21)、メタクリル酸ステアリル(実施例22)とした以外は、実施例1と同様にして目的とするビニル−シリコーンブロック共重合体を得た。結果を表2に示す。
【0096】
実施例23.
実施例1において、MAA及びMAI−2に代えて、アクリル酸及びMAI−5を用いた以外は、実施例1と同様にして目的とするビニル−シリコーンブロック共重合体を得た。結果を表2に示す。
【0097】
実施例24〜29.
実施例1において、MAI,エチレン性不飽和カルボン酸及びエチレン性不飽和カルボン酸エステルの種類及び使用量を代えて、実施例1と同様にして目的とするビニル−シリコーンブロック共重合体を得た。結果を表2に示す。
【0098】
【表2】

【0099】
実施例30.
上記実施例で得られた各ブロック共重合体をエタノールに溶解して20%溶液とした後、2-アミノ-2-メチルプロパノールの水/エタノール(50w/w/50w/w)溶 液を加えてカルボン酸の中和率を70%とした。次に、得られた溶液に樹脂固形分が1%又は2%の溶液となるように精製水を加えて、本発明に係る頭髪化粧料用基剤の評価試料を調製した。
得られた試料と従来の頭髪化粧料用基剤についてのセット保持力、耐湿性及びフレーキング評価試験の比較データを表3に示す。
また、本発明の頭髪化粧料用基剤を用いた処方について、各種評価試験によりその適性を調べた結果を表4及び表5に夫々示す。
尚、評価試料の配合成分組成及び評価方法は、夫々下記の通りである。
【0100】
<処方例1>ハードセットジェルローション
実施例11で得られたブロック共重合体 2.0
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
プロピレングリコール 1.0
2-アミノ-2-メチルプロパノール 0.7
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.3
香料 0.1
精製水 残部
―――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0
【0101】
<処方例2>ソフトセットフォーム
(原液)
実施例11で得られたブロック共重合体 1.0
エタノール 5.0
メチルパラベン 0.1
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.2
グリセリン 1.0
2-アミノ-2-メチルプロパノール 0.4
シリコーンエマルション 1.0
香料 0.1
精製水 残部
―――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0
(噴霧液)
原液 92.0
液化石油ガス 8.0
―――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0
【0102】
<処方例3>ハードセットジェル
実施例4で得られたブロック共重合体 2.0
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.4
2-アミノ-2-メチルプロパノール 1.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.2
香料 0.1
エデト酸4ナトリウム 0.02
精製水 残部
―――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0
【0103】
<処方例4>ソフトセットフォーム
実施例8で得られたブロック共重合体 1.0
エタノール 5.0
メチルパラベン 0.1
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.3
POE変性シロキサン 0.1
2-アミノ-2-メチルプロパノール 0.27
香料 0.1
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
精製水 残部
―――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0
【0104】
<処方例5>ハードセットフォーム
(原液)
実施例9で得られたブロック共重合体 2.0
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
2-アミノ-2-メチルプロパノール 0.46
POE(50)硬化ヒマシ油 0.3
香料 0.1
精製水 残部
―――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0
(噴霧液)
原液 92.0
液化石油ガス 8.0
―――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0
【0105】
<処方例6>ハードセットフォーム
(原液)
実施例1で得られたブロック共重合体 2.0
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
2-アミノ-2-メチルプロパノール 0.4
POE(50)硬化ヒマシ油 0.3
香料 0.1
精製水 残部
―――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0
(噴霧液)
原液 92.0
液化石油ガス 8.0
―――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0
【0106】
<処方例7>ハードセットローション
実施例14で得られたブロック共重合体 2.0
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
1,3-ブチレングリコール 1.0
2-アミノ-2-メチルプロパノール 0.3
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.3
プロピレングリコール 1.0
香料 0.1
精製水 残部
―――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0
【0107】
<処方例8>洗い流さないトリートメント
実施例15で得られたブロック共重合体 2.0
エタノール 15.0
メチルパラベン 0.1
グリセリン 5.0
シリコーンエマルション 2.0
2-アミノ-2-メチルプロパノール 0.33
POE(50)硬化ヒマシ油 0.3
香料 0.1
精製水 残部
―――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0
【0108】
<処方例9>トリートメント
実施例15で得られたブロック共重合体 10.0
メチルポリシロキサン 5.0
セタノール 3.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
メチルパラベン 0.2
プロピルパラベン 0.1
グリセリン 5.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.0
2-アミノ-2-メチルプロパノール 0.33
精製水 残部
―――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100.0
尚、従来の頭髪化粧料用基剤については、樹脂固形分が1%又は2%となる水/エタノール(10w/w/90w/w)溶液を夫々調製し、評価試験を行った。
【0109】
[評価試験方法]
1.セット保持力試験
処方例1〜7で得た試料を、処方例1,3,4及び7については2倍に、処方例2,5及び6については原液を3倍に原液夫々水で希釈し、毛束に塗布した。塗布した毛束について純曲げ試験機により1回目及び10回目の曲げ剛性を測定し、その比を算出し、得られた値を以下の基準に基づいて評価した。
評価基準
○・・・>70%
△・・・50〜70%
×・・・<50%
【0110】
2.耐湿性試験
各試料(処方例2,5及び6については原液)を1mlとり、約2g、30cmの毛束に塗布し、1cmのガラス管に巻き、乾燥させた。乾燥後、ガラス管を外して長さを測定した(L0)。次に、この毛束を35℃、80RH%の恒温恒湿下に2時間置 いた後、カールの伸びを測定した(L2)。測定した値を下記式に代入してカール リテンション値を求め、得られた値を以下の基準に基づいて評価した。
カールリテンション値(%)=(30−L2)/(30−L0)× 100
評価基準
○・・・>80%
△・・・60〜80%
×・・・<60%
【0111】
3.フレーキング試験
各試料を毛束に塗布或いは噴霧し、完全に乾燥させた後、櫛を通してフレーキングの状態を観察した。評価基準は以下の通りである。
評価基準
○・・・フレーキングはみられない。
△・・・若干のフレーキングがみられる。
×・・・フレーキングが多くみられる。
【0112】
4.官能評価試験
各試料溶液及び処方例8で得た試料を夫々約2g、30cmの毛束に塗布或いは噴霧して乾燥させた。次にこの毛束を、専門パネラー5人で5段階評価(a:表面 の滑らかさ、b:つや、c:ごわつき、d:べたつき)し、そのスコアーの平均値 を求めた(小数点以下、四捨五入)。評価基準は以下の通りである。
評価基準
4−a.表面の滑らかさ
評価5・・・非常に滑らかである
評価4・・・滑らかである
評価3・・・普通
評価2・・・ざらつく
評価1・・・非常にざらつく
4−b.つや
評価5・・・非常につやがある
評価4・・・つやがある
評価3・・・普通
評価2・・・つやがない
評価1・・・甚だしくつやがない
4−c.ごわつき
評価5・・・全くごわつきを感じない
評価4・・・ごわつきを殆ど感じない
評価3・・・少しごわつきを感じるが、気にならない
評価2・・・ごわつきを感じ、気になる
評価1・・・非常にごわつきを感じる
4−d.べたつき
評価5・・・全くべたつきを感じない
評価4・・・べたつきを殆ど感じない
評価3・・・少しべたつきを感じるが、気にならない
評価2・・・べたつきを感じ、気になる
評価1・・・非常にべたつきを感じる
【0113】
5.トリートメント評価試験
40℃の湯に浸した長さ30cm、重さ約2gの毛束に、1.0wt%ラウリル硫酸ナト リウム水溶液 1mlを塗布し、シャンプーした後、40℃の湯で3分間すすいだ。 (1)得られた毛束に処方例9で得た試料溶液を1g塗布し、髪への塗布のしやすさを評価した。(2)次に、この毛束を40℃の湯で30秒間すすぎ、すすぎ時の髪のすべりを評価した。(3)更に、この毛束を乾燥させた後、つや及びなめらかさを評価した。これら評価を夫々専門パネラー5人で5段階評価(a:表面の 滑らかさ、b:つや、c:ごわつき、d:べたつき)し、そのスコアーの平均値を 求めた(小数点以下、四捨五入)。評価基準は以下の通りである。
評価基準
5−(1).髪への塗布のしやすさ
評価5・・・非常に塗布しやすい
評価4・・・塗布しやすい
評価3・・・普通
評価2・・・塗布しにくい
評価1・・・非常に塗布しにくい
5−(2).すすぎ時の髪のすべり
評価5・・・非常にすべりが良い
評価4・・・すべりが良い
評価3・・・普通
評価2・・・すべりが悪い
評価1・・・甚だしくすべりが悪い
5−(3)−1.乾燥後のつや
評価5・・・非常につやがある
評価4・・・つやがある
評価3・・・普通
評価2・・・つやがない
評価1・・・甚だしくつやがない
5−(3)−2.乾燥後の滑らかさ
評価5・・・非常に滑らかである
評価4・・・滑らかである
評価3・・・普通
評価2・・・ざらつく
評価1・・・非常にざらつく
【0114】
【表3】

【0115】
【表4】

【0116】
【表5】

【0117】
以上の結果から、本発明の頭髪化粧料用基剤は、毛髪に使用した際につやがあり、手触り及び櫛通りも滑らかであり、また、ごわつき及びべたつきがなく、従来の頭髪化粧料用基剤に比べ耐湿性、セット保持力及びフレーキングにおいて明らかに有用であることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック共重合体の構成率が、一般式[1a]

(式中、R1は同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはシアノ基を表し、R2は同一または異なって、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基またはアリール基を表し、AはNHまたはOを表し、Bは酸素原子を介していてもよい低級アルキレン基を表し、pは0または1〜6の整数を表し、mは0または1〜200の整数を表す。)で示される繰り返し単位を有するポリシロキサンセグメント、又は上記一般式[1a]で示される繰り返し単位と一般式[2]

(式中、−CO−Y−CO−は二塩基酸残基を表し、R2,A,B及びmは前記に同じ。)で示される繰り返し単位の組み合わせからなるポリシロキサンセグメント5〜90重量%と、一般式[3a]

(式中、R3は水素原子、低級アルキル基、カルボキシル基またはカルボキシ低 級アルキル基を表し、R4は水素原子、低級アルキル基またはカルボキシ低級アルキル基を表す。)で示されるエチレン性不飽和カルボン酸単位10〜95重量%であり、数平均分子量が6万〜15万である、溶液重合により得られるブロック共重合体。
【請求項2】
ブロック共重合体の構成率が、
一般式[1a]

(式中、R1は同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはシアノ基を表し、R2は同一または異なって、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基ま たはアリール基を表し、AはNHまたはOを表し、Bは酸素原子を介していてもよい低級アルキレン基を表し、pは0または1〜6の整数を表し、mは0または1〜200の整数を表す。)で示される繰り返し単位を有するポリシロキサンセグメント、又は上記一般式[1a]で示される繰り返し単位と一般式[2]

(式中、−CO−Y−CO−は二塩基酸残基を表し、R2,A,B及びmは前記に同じ。)で示される繰り返し単位の組み合わせからなるポリシロキサンセグメント5〜85重量%、一般式[3a]

(式中、R3は水素原子、低級アルキル基、カルボキシル基またはカルボキシ低 級アルキル基を表し、R4は水素原子、低級アルキル基またはカルボキシ低級アルキル基を表す。)で示されるエチレン性不飽和カルボン酸単位10〜90重量%並びに一般式[4a]

(式中、R5は水素原子、低級アルキル基、アルキルオキシカルボニル基、カル ボキシ低級アルキル基またはアルキルオキシカルボニルアルキル基を表し、R6 は水素原子、低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基またはアルキルオキシカルボニルアルキル基を表し、R7はアルキル基またはアラルキル基を表す。)で示されるエチレン性不飽和カルボン酸エステル単位5〜85重量%であり、数平均分子量が6万〜15万である、溶液重合により得られるブロック共重合体。
【請求項3】
一般式[1]

(式中、R1は同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはシアノ基を表し、R2は同一または異なって、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基またはアリール基を表し、AはNHまたはOを表し、Bは酸素原子を介していてもよい低級アルキレン基を表し、pは0または1〜6の整数を表し、mは0または1〜200の整数を表す。)で示される繰り返し単位を有するアゾ基含有ポリシロキサン化合物、または上記一般式[1]で示される繰り返し単位と下記一般式[2]

(式中、−CO−Y−CO−は二塩基酸残基を表し、R2,A,B及びmは前記に同じ。)で示される繰り返し単位の組み合わせからなるアゾ基含有ポリシロキサン化合物の存在下に、一般式[3a]

(式中、R3は水素原子、低級アルキル基、カルボキシル基またはカルボキシ低 級アルキル基を表し、R4は水素原子、低級アルキル基またはカルボキシ低級アルキル基を表す。)で示されるエチレン性不飽和カルボン酸を溶液重合反応に付して得られる、ブロック共重合体の構成率がポリシロキサン化合物5〜90重量%及びエチレン性不飽和カルボン酸10〜95重量%であり且つ数平均分子量が6万〜15万であるブロック共重合体。
【請求項4】
一般式[1]

(式中、R1は同一または異なって、水素原子、低級アルキル基またはシアノ基を表し、R2は同一または異なって、水素原子、アルキル基、ハロアルキル基またはアリール基を表し、AはNHまたはOを表し、Bは酸素原子を介していてもよい低級アルキレン基を表し、pは0または1〜6の整数を表し、mは0または1〜200の整数を表す。)で示される繰り返し単位を有するアゾ基含有ポリシロキサン化合物、または上記一般式[1]で示される繰り返し単位と下記一般式[2]

(式中、−CO−Y−CO−は二塩基酸残基を表し、R2,A,B及びmは前記に同じ。)で示される繰り返し単位の組み合わせからなるアゾ基含有ポリシロキサン化合物の存在下に、一般式[3a]

(式中、R3は水素原子、低級アルキル基、カルボキシル基またはカルボキシ低級アルキル基を表し、R4は水素原子、低級アルキル基またはカルボキシ低級アルキル基を表す。)で示されるエチレン性不飽和カルボン酸と一般式[4a]

(式中、R5は水素原子、低級アルキル基、アルキルオキシカルボニル基、カル ボキシ低級アルキル基またはアルキルオキシカルボニルアルキル基を表し、R6 は水素原子、低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基またはアルキルオキシカルボニルアルキル基を表し、R7はアルキル基またはアラルキル基を表す。)で示されるエチレン性不飽和カルボン酸エステルとを溶液重合反応に付して得られる、ブロック共重合体の構成率がポリシロキサン化合物5〜85重量%、エチレン性不飽和カルボン酸10〜90重量%、及びエチレン性不飽和カルボン酸エステル5〜85重量%であり且つ数平均分子量が6万〜15万であるブロック共重合体。
【請求項5】
ブロック共重合体の構成率が、ポリシロキサン化合物10〜80重量%及びエチレン性不飽和カルボン酸20〜90重量%である、請求項1又は3記載のブロック共重合体。
【請求項6】
ブロック共重合体の構成率が、ポリシロキサン化合物10〜75重量%、エチレン性不飽和カルボン酸15〜80重量%、及びエチレン性不飽和カルボン酸エステル10〜75重量%である、請求項2又は4記載のブロック共重合体。

【公開番号】特開2006−45576(P2006−45576A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−240694(P2005−240694)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【分割の表示】特願平8−281676の分割
【原出願日】平成8年10月3日(1996.10.3)
【出願人】(000252300)和光純薬工業株式会社 (105)
【出願人】(390011442)株式会社マンダム (305)
【Fターム(参考)】