説明

顎運動の測定装置とこれに使用されるセンサコイルの製造方法

【課題】能率よくセンサコイルを多量生産しながら、X軸コイルとY軸コイルとZ軸コイルを互いに直角な姿勢に配置して上顎と下顎の相対位置を正確に検出する。
【解決手段】顎運動の測定装置は、交流電源3に接続される励磁コイル1から誘導される交流をセンサコイル2で検出して歯の相対位置を検出する。励磁コイル1とセンサコイル2は、互いに直交する方向に巻かれているX軸コイル1a、2aとY軸コイル1b、2bとZ軸コイル1c、2cとを備える。測定装置は、励磁コイル1を交流電源3で励磁し、センサコイル2に誘導される交流信号を演算回路4が演算して、センサコイル2を固定する歯の位置を立体的に演算する。さらに、X軸コイル2aとY軸コイル2bとZ軸コイル2cからなるセンサコイル2は、コイル状に巻かれたループコイル8を、互いに直交する3つの平面を有するコアー材7の直交する平面7Aに固定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顎の動きを測定する装置と、この装置に使用されるセンサコイルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、励磁コイルからセンサコイルに交流を誘導して顎運動を測定する装置を開発した(特許文献1参照)。
【0003】
この装置は、図1に示すように、上顎又は下顎のいずれかの顎の歯に剛体結合される励磁コイル91と、励磁コイル91を剛体結合している顎と反対側の顎の歯に剛体結合されるセンサコイル92と、励磁コイル91に交流電流を流す交流電源93と、交流で励起される励磁コイル91からセンサコイル92に誘導される信号を演算して、励磁コイル91に対するセンサコイル92の相対的な位置から上顎と下顎の相対位置を検出する演算回路94とを備える。励磁コイル91とセンサコイル92は、互いに離して配設している。励磁コイル91とセンサコイル92は、図2に示すように、互いに直交する方向に巻かれている3組のコイル91a、91b、91c、(92a、92b、92c)を備える。この顎運動の測定装置は、励磁コイル91の各々のコイル91a、91b、91cに交流電源93を接続し、センサコイル92の各々のコイル92a、92b、92cに誘導される交流を演算回路94で演算して、下顎と上顎の相対位置を検出する。
【特許文献1】2004−229943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者が先に開発した特許文献1の顎運動の測定装置は、励磁コイルやセンサコイル、とくにセンサコイルの製造が極めて難しい。それは、図2に示すように、球体である特定立体の表面に、互いに直角となるように3組のコイルを巻くのに手間がかかるからである。また、この構造のセンサコイル92は、3組のコイル92a、92b、92cをその中心軸がX軸、Y軸、Z軸に位置するように、互いに直交する姿勢で巻くのが極めて難しい欠点もある。3組のコイルの直交する姿勢からのずれは、検出誤差の原因となる。それは、互いに直交する姿勢に巻いている3組のコイルでもって、下顎と上顎のX軸、Y軸、Z軸における相対的な位置を立体的に検出するからである。さらに、図3の励磁コイル91は、直方体の1つの頂点に集まる3面の外周縁に沿って、3面の外側を囲むように3組のコイル91a、91b、91cを巻いているが、この構造のコイルも製造に極めて手間がかかる。とくに、3面の外側を囲むようにコイルを巻くのに極めて手間がかかる欠点があった。
【0005】
さらに、励磁コイルやセンサコイル等のコイルは、小さく軽くすることで直接に歯に固定でき、この構造によって測定精度を高くできる。ただ、コイルを小さくするとインダクタンスが小さくなる。巻き径が小さくなるとインダクタンスが小さくなるからである。コイルのインダクタンスが小さくなると、高い測定精度を実現することを難しくする。それは、コイルのインダクタンスが小さくなると、センサコイルに誘導される交流信号のレベルがインダクタンスに比例して小さくなるからである。また、コイルを小さくすることは、3組のコイルを正確にX軸、Y軸、Z軸に直交する姿勢で配置するのも難しくする。
【0006】
本発明は、このような欠点を解決することを目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、簡単かつ容易に、しかも能率よく安価にセンサコイルを多量生産しながら、X軸コイルと、Y軸コイルと、Z軸コイルを互いに直角な姿勢に配置して、上顎と下顎の相対位置を正確に検出できる顎運動の測定装置とこの装置に使用するセンサコイルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の顎運動の測定装置は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
顎運動の測定装置は、交流電源3に接続される励磁コイル1と、歯に剛体結合されて励磁コイル1から誘導される交流を検出するセンサコイル2と、このセンサコイル2に誘導される交流信号から、センサコイル2の励磁コイル1に対する相対位置を演算して、センサコイル2を剛体結合している歯の相対位置を検出する演算回路4とを備える。励磁コイル1は、互いに直交する方向に巻かれているX軸コイル1aと、Y軸コイル1bと、Z軸コイル1cとを備え、センサコイル2も、互いに直交する方向に巻かれているX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cとを備える。測定装置は、X軸コイル1aと、Y軸コイル1bと、Z軸コイル1cからなる励磁コイル1を交流電源3で励磁し、センサコイル2のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流信号を演算回路4が演算して、センサコイル2を固定する歯のX軸、Y軸、Z軸における位置を立体的に演算する。さらに、測定装置は、X軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cからなるセンサコイル2が、あらかじめコイル状に巻かれたループコイル8を、互いに直交する3つの平面を有するコアー材7の直交する平面7Aに固定している。
なお、本明細書において、歯とは、義歯を含む広い意味で使用する。
【0008】
本発明の請求項2の顎運動の測定装置は、X軸コイル1aと、Y軸コイル1bと、Z軸コイル1cからなる励磁コイル1が、あらかじめコイル状に巻かれたループコイル8を、互いに直交する3つの平面を有するコアー材7の直交する平面7Aに固定している。
【0009】
本発明の請求項3の顎運動の測定装置は、ループコイル8を、平面状に巻かれた平面コイルとしている。さらに、本発明の請求項4の顎運動の測定装置は、コアー材7を直方体としている。さらにまた、本発明の請求項5の顎運動の測定装置は、ループコイル8を円形としている。
【0010】
本発明の請求項6の顎運動の測定装置は、励磁コイル1を上顎11に剛体結合し、センサコイル2を下顎12に剛体結合して、上顎11と下顎12の相対位置を検出している。さらに、本発明の請求項7の顎運動の測定装置は、センサコイルを上顎に剛体結合し、励磁コイルを下顎に剛体結合して、上顎と下顎の相対位置を検出している。
【0011】
本発明の請求項8の顎運動の測定装置は、励磁コイル1を固定する固定台20を有し、この固定台20の定位置に、センサコイル2を歯に剛体結合してなる被験者を配置して、固定台20に対する歯の相対位置を検出して歯の位置を検出する。さらに、本発明の請求項9の顎運動の測定装置は、固定台20が、被験者の頭部を固定する頭部固定機構21を有し、センサコイル2を被験者の下顎12に剛体結合している。
【0012】
本発明の請求項10の顎運動の測定装置は、センサコイル2を直接に歯に固定している。また、本発明の請求項11の顎運動の測定装置は、励磁コイル1を直接に歯に固定している。
【0013】
本発明の請求項12のセンサコイルの製造方法は、交流電源3に接続される励磁コイル1と、歯に剛体結合されて励磁コイル1から誘導される交流を検出するセンサコイル2と、このセンサコイル2に誘導される交流信号から、センサコイル2の励磁コイル1に対する相対位置を演算して、センサコイル2を剛体結合している歯の相対位置を検出する演算回路4とを備える顎運動の測定装置に使用されるセンサコイルの製造方法である。この測定装置は、励磁コイル1が、互いに直交する方向に巻かれているX軸コイル1aと、Y軸コイル1bと、Z軸コイル1cからなり、センサコイル2も、互いに直交する方向に巻かれているX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cからなる。さらに、測定装置は、X軸コイル1aと、Y軸コイル1bと、Z軸コイル1cからなる励磁コイル1を交流電源3で励磁し、センサコイル2のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流信号を演算回路4が演算して、センサコイル2を固定する歯のX軸、Y軸、Z軸における位置を立体的に演算する。さらに、センサコイルの製造方法は、導電性の線材をコイル状に巻いて3組のループコイル8とし、3組のループコイル8を、互いに直交する3つの直交面を有するコアー材7の直交面の表面に固定して、コアー材7でもって、3組のループコイル8を互いに直交する姿勢に固定する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、簡単かつ容易に、しかも能率よく安価にセンサコイルを多量生産しながら、X軸コイルと、Y軸コイルと、Z軸コイルの中心軸を、互いに直角な姿勢に配置して、上顎と下顎の相対位置を正確に検出できる特徴がある。とくに、本発明は、センサコイルを極めて小さくしながら、X軸コイルと、Y軸コイルと、Z軸コイルを互いに正確に直交する姿勢に配置して、安価に多量生産できる特徴がある。それは、本発明が、あらかじめコイル状に巻かれたループコイルを、互いに直交する3つの平面を有するコアー材の直交する平面に固定して、X軸コイルと、Y軸コイルと、Z軸コイルからなるセンサコイルとしているからである。この構造のセンサコイルは、巻線機で多量生産される3組のループコイルを、成形などの方法で別に製作してなるコアー材の平面に固定して、安価に多量生産できる。とくに、この構造のセンサコイルは、X軸コイルと、Y軸コイルと、Z軸コイルとをコアー材の互いに直交する平面に固定して、互いに直交する姿勢とするので、コイルを巻く工程で、各々のコイルを互いに直交する姿勢に巻く必要がない。互いに直交する平面を有するコアー材の平面にコイルを固定して、コイルの中心線をX軸、Y軸、Z軸に配置できるからである。従来は、コイルを巻く工程で各々のコイルの中心線をX軸、Y軸、Z軸に配置するので、各々のコイルを互いに正確に直交する姿勢に配置するのが難しかった。これに対して、本発明は、コアー材の平面でコイルの直角姿勢が特定されることから、コアー材の平面を正確に直交する姿勢として、X軸コイルと、Y軸コイルと、Z軸コイルの中心線を正確に直交する姿勢にできる。コアー材は、成形や切削加工でもって、平面を正確に直交する姿勢にできる。また、ループコイルは、コアー材とは別に巻線機で安価に多量生産できるので、これを成形などの方法で安価に多量生産できるコアー材の表面に固定することで、X軸コイルと、Y軸コイルと、Z軸コイルとを正確に直交する姿勢に配置するセンサコイルを安価に多量生産できる特徴がある。
【0015】
また、巻線機でループコイルを製作し、これをコアー材の平面に固定してセンサコイルを製造できることから、センサコイルを極めて小さくできる特徴がある。また、巻いたループコイルをコアー材の表面に固定することから、必要ならば、X軸コイルと、Y軸コイルと、Z軸コイルのインダクタンスを均等に揃えることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための顎運動の測定装置とこれに使用されるセンサコイルの製造方法を例示するものであって、本発明は顎運動の測定装置とセンサコイルの製造方法を以下のものに特定しない。
【0017】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0018】
図4に示す顎運動の測定装置は、上下顎の歯に剛体結合される励磁コイル1及びセンサコイル2と、励磁コイル1に交流を流す交流電源3と、交流で励起される励磁コイル1からセンサコイル2に誘導される信号を演算して、励磁コイル1に対するセンサコイル2の相対的な位置から上顎11と下顎12の相対位置を検出する演算回路4とを備えている。図の測定装置は、上顎11の歯に励磁コイル1を剛体結合し、下顎12の歯にセンサコイル2を剛体結合している。ただし、顎運動の測定装置は、上顎の歯にセンサコイルを剛体結合して、下顎の歯に励磁コイルを剛体結合することもできる。励磁コイル1とセンサコイル2は、取付部材5、6を介して顎の歯に剛体結合している。ただ、励磁コイルとセンサコイルは、取付部材を介して歯茎に固定することもできる。
【0019】
図5は、図4に示す測定装置を被験者に装着する状態を示している。この図に示す測定装置は、励磁コイル1を、上顎11の取付部材5を介して上顎11の前方に配設し、センサコイル2を、下顎12の取付部材6を介して頬の外側に配設している。ただし、測定装置は、励磁コイルを頬の外側に配設し、センサコイルを上顎の前方に配設することもできる。さらに、本発明の測定装置は、必ずしも励磁コイルとセンサコイルをこれらの位置に配置する必要はなく、上記の位置から多少ずれた位置に配置することも、あるいは、互いに対向する位置に配置することもできる。たとえば、本発明の測定装置は、図6に示すように、励磁コイル1とセンサコイル2の両方を口腔内に配置することもできる。口腔内に配置される励磁コイル1とセンサコイル2は、直接に歯に固定して上顎11や下顎12に剛体結合することができる。図6の励磁コイル1とセンサコイル2は、歯の表面に直接に接着して剛体結合している。とくに、口腔内に配置される励磁コイル1とセンサコイル2は、好ましくは、上下の顎の運動を測定しやすくするために、前歯の内側もしくは外側に配置される。図6に示す測定装置は、励磁コイル1を上顎11の前歯の外側に直接に剛体結合し、センサコイル2を下顎12の前歯の内側に直接に剛体結合している。図6の測定装置は、励磁コイル1とセンサコイル2の両方を口腔内に配置しているが、測定装置は、励磁コイルとセンサコイルのいずれか一方のみを口腔内に配置することもできる。
【0020】
さらに、図7に示すように、励磁コイル1を被験者の外側に配設して、センサコイル2を上顎11と下顎12の両方に剛体結合し、あるいは、図8に示すように、被験者を励磁コイル1に対して相対的に移動しないように固定して、下顎12にセンサコイル2を剛体結合して下顎12と上顎11との、X軸、Y軸、Z軸における相対位置を検出することもできる。図7の測定装置は、被験者の外側に励磁コイル1を固定する固定台20を備えており、センサコイル2を上顎11と下顎12の歯に剛体結合してなる被験者を固定台20の内部の定位置に配置して、固定台20に対する上顎11と下顎12の歯の相対位置を演算回路4で検出して、歯の位置を検出している。さらに、図8の測定装置は、固定台20が、被験者の頭部を定位置に固定する頭部固定機構21を備えている。この測定装置は、励磁コイル1を固定している固定台20の定位置に、頭部固定機構21を介して被験者の頭部を固定し、被験者の下顎12にセンサコイル2を剛体結合している。この測定装置は、被験者の頭部が固定される固定台20に対する下顎12の歯の相対位置を検出している。
【0021】
さらに、励磁コイル1は、図9と図10に示すように、被験者の外側であって、その中心軸がX軸、Y軸、Z軸に位置するように、互いに直交する姿勢で配置することもできる。これらの図の励磁コイル1は、円形の空芯コイルを、被験者の後方の面と、右側の面と、上方の面とに配置して、X軸コイル1aとY軸コイル1bとZ軸コイル1cとしている。図9の励磁コイル1は、X軸コイル1aとY軸コイル1bとZ軸コイル1cとを、固定台20である直方体のボックスの背面と側面と天井面とに固定して、その中心軸がX軸、Y軸、Z軸に位置するようにしている。また、図10の励磁コイル1は、X軸コイル1aとY軸コイル1bとZ軸コイル1cとを、固定台20である被験者の後方の壁面20Aと右側の壁面20Bと上方の天板20Cの表面に固定して、その中心軸がX軸、Y軸、Z軸に位置するようにしている。この構造は、励磁コイル1の巻き径を大きくして、インダクタンスを大きくし、励磁コイル1から発生する磁界の強度を強くできる特徴がある。図10の励磁コイル1は、被験者の後方と右側と上方とに3枚の固定プレートを互いに直交する姿勢で配置して固定台20としている。この励磁コイル1は、大きな固定台20を、固定プレートごとに分解、運搬して移動できる。ただ、励磁コイルは、測定する室内の壁面や天井を固定台として、その表面にX軸コイルとY軸コイルとZ軸コイルとを固定することもできる。
【0022】
図9と図10に示す測定装置は、センサコイル2を上顎11と下顎12の歯に剛体結合してなる被験者を固定台20の内部の定位置に配置して、固定台20に対する上顎11と下顎12の歯の相対位置を演算回路4で検出して歯の位置を検出している。ただ、測定装置は、下顎の歯にセンサコイルを剛体結合している被験者を固定台の内部の定位置に配置すると共に、頭部固定機構を介して被験者の頭部を固定台に固定して、固定台に対する下顎の歯の相対位置を検出することもできる。
【0023】
図7ないし図10に示す測定装置は、X軸コイル1aとY軸コイル1bとZ軸コイル1cとを、その中心軸が互いに直交する姿勢となるように励磁コイル1を配置している。ただ、測定装置は、励磁コイルのX軸コイルとY軸コイルとZ軸コイルの中心軸が、互いに直交する姿勢から多少ずれる姿勢であっても、被験者の顎運動を測定できる。また、図7ないし図10に示す測定装置は、X軸コイル1aとY軸コイル1bとZ軸コイル1cの中心軸が、1点で交差するように励磁コイル1を配置している。これらの測定装置は、励磁コイル1の中心軸の交差点の近傍にセンサコイル2が位置するように、固定台20の内部に被験者を配置して、最も理想的に顎運動を測定できる。ただ、測定装置は、被験者に固定されたセンサコイルの位置が、励磁コイルの中心軸の交差点から多少ずれる位置であっても、被験者の顎運動を測定できる。
【0024】
図4ないし図6に示す顎運動の測定装置は、センサコイル2と励磁コイル1に同じものを使用している。これらの測定装置は、同じコイルを製作して励磁コイル1とセンサコイル2に使用できる。このため、能率よく安価に多量生産できる。また、センサコイルと励磁コイルは、線径や巻き数を変えることで最適化することもできる。たとえば、励磁コイルには、強い電流を流すために太い線材を使用し、センサコイルには、細い線材を使用して、巻き数を多くして感度を上げることもできる。これらのセンサコイル2と励磁コイル1は、図11と図12に示すように、互いに直交する方向に巻かれているX軸コイル2a、1aと、Y軸コイル2b、1bと、Z軸コイル2c、1cを備える。X軸コイル2a、1aと、Y軸コイル2b、1bと、Z軸コイル2c、1cは、巻線機で円形に巻かれたループコイル8からなり、このループコイル8をコアー材7の表面に固定して、センサコイル2と励磁コイル1としている。図7ないし図10に示すセンサコイル2も、図11と図12に示すセンサコイル2と同じ構造としている。ただ、測定装置は、励磁コイルやセンサコイルのX軸コイルとY軸コイルとZ軸コイルが、互いに直交する姿勢から多少ずれる姿勢であっても、被験者の顎運動を測定できる。ループコイル8は、表面を絶縁している導電線を円形に複数回巻いて接着剤で固定して製作される。ただし、ループコイルは、必ずしも円形に巻く必要はなく、たとえば、線材を多角形に複数回巻いて接着剤で固定することもできる。さらに、ループコイル8は、図13に示すように、磁性材からなるコア9の外周に巻いて製作することもできる。
【0025】
X軸コイル2a、1aと、Y軸コイル2b、1bと、Z軸コイル2c、1cは、ループコイル8の巻き数と巻き径でインダクタンスが特定される。X軸コイル2a、1aと、Y軸コイル2b、1bと、Z軸コイル2c、1cは、ループコイル8の巻き数を多く、また巻き径を大きくしてインダクタンスを大きくできる。励磁コイル1のループコイル8は、インダクタンスで発生させる磁界の強度を決定し、インダクタンスが大きくなるほど、X軸コイル1aと、Y軸コイル1bと、Z軸コイル1cから発生する磁界強度は強くなる。インダクタンスの大きい励磁コイル1は、磁界強度を強くして、センサコイル2に誘導される交流電圧を大きくする。センサコイル2のループコイル8は、インダクタンスを大きくしてX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流信号の電圧レベルを大きくする。センサコイル2に誘導される交流信号の電圧レベルが高くなると、センサコイル2の位置を検出する測定精度を高くできる。したがって、X軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cとなるループコイル8のインダクタンスを大きくすることは、測定精度を高くすることに有効である。
【0026】
ただ、ループコイルのインダクタンスを大きくすることは、ループコイルを大きく、重くする。センサコイルと励磁コイルは、小さくして軽いのが良い。患者に簡単に装着できると共に、装着した状態で、患者が自由に顎を運動できるからである。とくに、図6に示すように、被験者の口腔内で歯の表面に直接に接着して、上顎11や下顎12に剛体結合されるセンサコイル2や励磁コイル1は、とくに小さくすることが大切である。したがって、ループコイルのインダクタンス、すなわち巻き数と巻き径は、センサコイルと励磁コイルを剛体結合する位置、測定精度等を考慮して最適値に設定される。たとえば、ループコイル8は、口腔内に固定するセンサコイル2や励磁コイル1にあっては、たとえば巻き径を10mm以下、好ましくは5mm以下として、インダクタンスを約200μH以上、好ましくは500μH以上とする。
【0027】
コアー材7は、互いに直交する3つの平面を有し、3つの平面7Aにループコイル8を固定して、互いに直交するX軸コイル2a、1aと、Y軸コイル2b、1bと、Z軸コイル2c、1cを設けている。図11のコアー材7は直方体で、直方体の互いに直交する3つの平面7Aにループコイル8を固定している。ループコイル8を定位置に固定するために、コアー材7は、図12の断面図に示すように、平面にループコイル8を入れる凹部7Bを設けている。凹部7Bは、その内形をループコイル8の外形として、ループコイル8を嵌着して定位置に固定する。また、凹部の深さをループコイルの厚さよりも深くして、ループコイルを凹部に入れてループコイルがコアー材から突出しない構造とすることもできる。突出しないようにループコイルを凹部に入れているコアー材は、ループコイルを入れる状態で表面をコーティングしてループコイルを保護できる構造にできる。
【0028】
直方体のコアー材7にX軸コイル2a、1aと、Y軸コイル2b、1bと、Z軸コイル2c、1cとなるループコイル8を固定するセンサコイル2と励磁コイル1は、コアー材7を磁性材として、コアー材7でもってループコイル8のインダクタンスを大きくできる。ただし、コアー材は、必ずしも磁性材とする必要はなく、プラスチック等の非磁性材として、ループコイルを空芯コイルとして使用することもできる。
【0029】
また、図13に示すように、コア9に巻いているループコイル8は、平面に設ける凹部7Bの内形をコア9を嵌着できる形状として、ループコイル8を定位置に固定できる。
【0030】
さらに、図14に示すコアー材7は、互いに直交する平面7AをX軸方向に並べて、この平面にループコイル8を固定している。この図のコアー材7は、3枚の板材10を互いに直交するように連結している。このコアー材7は、図において左から右に向かって、Z軸コイル2c、1c、X軸コイル2a、1a、Y軸コイル2b、1bとなるループコイル8をコアー材7に固定している。このコアー材7も、ループコイル8を固定する部分に凹部7Bを設け、この凹部7Bにループコイル8を入れて定位置に固定できる。
【0031】
交流電源3は、励磁コイル1のX軸コイル1aと、Y軸コイル1bと、Z軸コイル1cを異なる周波数の交流で励磁する。交流電源3は、X軸コイル1aを角速度ω1、Y軸コイル1bをω2、Z軸コイル1cをω3の周波数で励起する発振手段を内蔵している。交流電源3は、複数の発振回路で周波数の異なる交流を発生させることもできるが、マイクロコンピュータとD/Aコンバータとを使用して、周波数が異なるサイン波を作ることもできる。この交流電源は、マイクロコンピュータでデジタル量のサイン波を作り、これをD/Aコンバータでアナログ量に変換する。
【0032】
演算回路4は、センサコイル2のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流から、励磁コイル1とセンサコイル2の相対位置と相対姿勢、すなわち、励磁コイル1とセンサコイル2を剛体結合している上顎11と下顎12の相対位置と相対姿勢とを演算する。演算回路4は、センサコイル2のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流信号の振幅から、センサコイル2の励磁コイル1に対する距離と姿勢を演算する。センサコイル2が励磁コイル1から離れる程、センサコイル2のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流の振幅が小さくなり、センサコイル2の励磁コイル1に対する姿勢により、各々のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流の振幅の比率が変化するからである。したがって、演算回路4は、センサコイル2の各々のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流信号の振幅の大きさから、センサコイル2の励磁コイル1に対する相対位置と相対姿勢とを演算できる。
【0033】
演算回路4は、センサコイル2と励磁コイル1の相対位置と相対姿勢をキャリブレーションし、キャリブレーションした結果を記憶回路に記憶して、記憶されるキャリブレーションデーターから、センサコイル2と励磁コイル1の位置を演算する。この演算回路4は、センサコイル2を励磁コイル1から次第に離して相対位置を変更し、さらに各々の相対位置においてセンサコイル2の励磁コイル1に対する相対姿勢を変更して、各々の相対位置と相対姿勢において、センサコイル2の各々のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流の振幅を記憶回路にキャリブレーションデータとして記憶させる。このキャリブレーションデータに基づいて、センサコイル2の各々のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流信号の振幅から、センサコイル2と励磁コイル1の相対位置と相対姿勢とを演算する。さらに、演算回路4は、キャリブレーションデータに記憶されない交流の振幅が検出されるときは、記憶しているキャリブレーションデータを補間して、センサコイル2の励磁コイル1に対する相対位置と相対姿勢とを検出する。
【0034】
この演算回路4は、図示しないが、センサコイル2の各々のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流信号を一定の増幅率で増幅するアンプと、アンプから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータと、A/Dコンバータでデジタル値に変換された信号を演算する演算器と、キャリブレーションデーターを記憶している記憶回路とを備える。記憶回路は、励磁コイル1とセンサコイル2の相対位置を変更し、さらに各々の相対位置における相対姿勢を変更して、X軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流の振幅を検出して、検出した結果をキャリブレーションデータとして記憶している。
【0035】
この演算回路4は、センサコイル2のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流を、アンプで所定の振幅に増幅し、増幅されたアナログ信号をA/Dコンバータでデジタル値に変換し、演算器が変換されたデジタル値を記憶回路に記憶しているキャリブレーションデータに比較して、最も近いキャリブレーションデータから励磁コイル1とセンサコイル2の相対位置と相対姿勢を特定し、あるいはキャリブレーションデータを補間して、相対位置と相対姿勢を演算する。キャリブレーションデータを記憶回路に記憶して、キャリブレーションデータに基づいて励磁コイル1とセンサコイル2の相対位置と相対姿勢とを演算する測定装置は、励磁コイル1とセンサコイル2による誤差を補正しながら、すなわち製造工程における励磁コイル1とセンサコイル2の寸法誤差、形状の誤差、位置の誤差等を補正して、励磁コイル1とセンサコイル2の相対位置と相対姿勢、すなわち上顎11と下顎12の相対位置と相対姿勢を極めて高い精度で検出できる。
【0036】
ただし、演算回路4は、キャリブレーションデータによらず、センサコイル2のX軸コイル2aと、Y軸コイル2bと、Z軸コイル2cに誘導される交流を、FFT等の数学的な手法を用いてフーリエ級数に展開し、フーリエ級数からセンサコイル2と励磁コイル1の相対位置と相対姿勢とを演算することもできる。この顎運動の測定装置は、キャリブレーションしないで、励磁コイル1とセンサコイル2の相対位置と相対姿勢を検出できる。さらに、キャリブレーションデータと数学的な手法の両方で励磁コイル1とセンサコイル2の相対位置と相対姿勢を演算してより高い精度で相対位置と相対姿勢を検出することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明者が先に開発した顎運動の測定装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す測定装置の励磁コイルの拡大斜視図である。
【図3】励磁コイルの他の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例にかかる顎運動の測定装置の概略構成図である。
【図5】図4に示す測定装置を被験者に装着する状態を示す概略斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例にかかる顎運動の測定装置の概略構成図である。
【図7】本発明の他の実施例にかかる顎運動の測定装置の概略構成図である。
【図8】本発明の他の実施例にかかる顎運動の測定装置の概略構成図である。
【図9】本発明の他の実施例にかかる顎運動の測定装置の概略構成図である。
【図10】本発明の他の実施例にかかる顎運動の測定装置の概略構成図である。
【図11】センサコイルの一例を示す拡大斜視図である。
【図12】図11に示すセンサコイルのA−A線断面図である。
【図13】センサコイルの他の一例を示す断面図である。
【図14】センサコイルの他の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
1…励磁コイル 1a…X軸コイル
1b…Y軸コイル
1c…Z軸コイル
2…センサコイル 2a…X軸コイル
2b…Y軸コイル
2c…Z軸コイル
3…交流電源
4…演算回路
5…取付部材
6…取付部材
7…コアー材 7A…平面
7B…凹部
8…ループコイル
9…コア
10…板材
11…上顎
12…下顎
20…固定台 20A…壁面
20B…壁面
20C…天板
21…頭部固定機構
91…励磁コイル 91a…コイル
91b…コイル
91c…コイル
92…センサコイル 92a…コイル
92b…コイル
92c…コイル
93…交流電源
94…演算回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源(3)に接続される励磁コイル(1)と、歯に剛体結合されて励磁コイル(1)から誘導される交流を検出するセンサコイル(2)と、このセンサコイル(2)に誘導される交流信号から、センサコイル(2)の励磁コイル(1)に対する相対位置を演算して、センサコイル(2)を剛体結合している歯の相対位置を検出する演算回路(4)とを備え、
前記励磁コイル(1)が、互いに直交する方向に巻かれているX軸コイル(1a)と、Y軸コイル(1b)と、Z軸コイル(1c)とを備え、前記センサコイル(2)も、互いに直交する方向に巻かれているX軸コイル(2a)と、Y軸コイル(2b)と、Z軸コイル(2c)とを備え、
X軸コイル(1a)と、Y軸コイル(1b)と、Z軸コイル(1c)からなる前記励磁コイル(1)を交流電源(3)で励磁し、前記演算回路(4)が、センサコイル(2)のX軸コイル(2a)と、Y軸コイル(2b)と、Z軸コイル(2c)に誘導される交流信号を演算して、センサコイル(2)を固定する歯のX軸、Y軸、Z軸における位置を立体的に演算するようにしてなる顎運動の測定装置において、
X軸コイル(2a) と、Y軸コイル(2b)と、Z軸コイル(2c)からなる前記センサコイル(2)が、あらかじめコイル状に巻かれたループコイル(8)を、互いに直交する3つの平面を有するコアー材(7)の直交する平面(7A)に固定してなることを特徴とする顎運動の測定装置。
【請求項2】
X軸コイル(1a)と、Y軸コイル(1b)と、Z軸コイル(1c)からなる前記励磁コイル(1)が、あらかじめコイル状に巻かれたループコイル(8)を、互いに直交する3つの平面を有するコアー材(7)の直交する平面(7A)に固定してなることを特徴とする請求項1に記載される顎運動の測定装置。
【請求項3】
前記ループコイル(8)が、平面状に巻かれた平面コイルである請求項1または2に記載される顎運動の測定装置。
【請求項4】
前記コアー材(7)が直方体である請求項1または2に記載される顎運動の測定装置。
【請求項5】
前記ループコイル(8)が円形である請求項1または2に記載される顎運動の測定装置。
【請求項6】
前記励磁コイル(1)が上顎(11)に剛体結合されて、センサコイル(2)が下顎(12)に剛体結合されて、上顎(11)と下顎(12)の相対位置を検出するようにしている請求項1に記載される顎運動の測定装置。
【請求項7】
前記センサコイルが上顎に剛体結合されて、励磁コイルが下顎に剛体結合されて、上顎と下顎の相対位置を検出するようにしている請求項1に記載される顎運動の測定装置。
【請求項8】
前記励磁コイル(1)を固定する固定台(20)を有し、この固定台(20)の定位置に、センサコイル(2)を歯に剛体結合してなる被験者を配置して、固定台(20)に対する歯の相対位置を検出して歯の位置を検出する請求項1に記載される顎運動の測定装置。
【請求項9】
前記固定台(20)が、被験者の頭部を固定する頭部固定機構(21)を有し、センサコイル(2)が被験者の下顎(12)に剛体結合される請求項8に記載される顎運動の測定装置。
【請求項10】
前記センサコイル(2)が直接に歯に固定される請求項1に記載される顎運動の測定装置。
【請求項11】
前記励磁コイル(1)が直接に歯に固定される請求項1又は10に記載される顎運動の測定装置。
【請求項12】
交流電源(3)に接続される励磁コイル(1)と、歯に剛体結合されて励磁コイル(1)から誘導される交流を検出するセンサコイル(2)と、このセンサコイル(2)に誘導される交流信号から、センサコイル(2)の励磁コイル(1)に対する相対位置を演算して、センサコイル(2)を剛体結合している歯の相対位置を検出する演算回路(4)とを備え、前記励磁コイル(1)が、互いに直交する方向に巻かれているX軸コイル(1a)と、Y軸コイル(1b)と、Z軸コイル(1c)からなり、前記センサコイル(2)も、互いに直交する方向に巻かれているX軸コイル(2a)と、Y軸コイル(2b)と、Z軸コイル(2c)からなり、X軸コイル(1a)と、Y軸コイル(1b)と、Z軸コイル(1c)からなる前記励磁コイル(1)を交流電源(3)で励磁し、前記演算回路(4)が、センサコイル(2)のX軸コイル(2a)と、Y軸コイル(2b)と、Z軸コイル(2c)に誘導される交流信号を演算して、センサコイル(2)を固定する歯のX軸、Y軸、Z軸における位置を立体的に演算するようにしてなる顎運動の測定装置に使用されるセンサコイルの製造方法であって、
導電性の線材をコイル状に巻いて3組のループコイル(8)とし、3組のループコイル(8)を、互いに直交する3つの直交面を有するコアー材(7)の直交面の表面に固定して、コアー材(7)でもって、3組のループコイル(8)を互いに直交する姿勢に固定することを特徴とする顎運動の測定装置に使用されるセンサコイルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−187708(P2010−187708A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−3328(P2008−3328)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、独立行政法人科学技術振興機構、「研究成果実用化検討(FS):日常の診療で簡便に使える6自由度顎運動診断装置の実用化研究」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(304020292)国立大学法人徳島大学 (307)
【Fターム(参考)】