説明

顔料としての使用するための微細なイプシロン銅フタロシアニン組成物(ピグメントブルー15:6)

顔料としての使用するための微細なイプシロン銅フタロシアニン組成物(ピグメントブルー15:6)
本発明は、顔料の重量を基準にして以下の式(1)の添加剤0.5〜15重量%含む、C.I.ピグメントブルー15:6の顔料組成物に関する。


但し、前記式中、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に、水素; C−C22アルキル又はC−C22アルケニル(それらの各々の炭素鎖には、−O−、−S−、−NR−、−CO−若しくはSO−基が一つ若しくは二つ以上挿入されていても良く、並びに/又は、それらの各々の炭素鎖は、ヒドロキシル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルコキシ、及び/若しくは、アセチルの一つ若しくは二つ以上で置換されていても良い);
−Cシクロアルキル(その炭素骨格には、−O−、−S−、−NR10−、−CO−若しくはSO−基が一つ若しくは二つ以上挿入されていても良く、並びに/又は、その炭素骨格は、ヒドロキシル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルコキシ、及び/若しくは、アセチルの一つ若しくは二つ以上で置換されていても良い);
デヒドロアビエチル、又はアリール若しくはへテロアリールを意味し;
ここで、
及びR10は、互いに独立に、水素又はC−C22アルキルを意味する。
本発明の顔料組成物は、湿式粉砕、特にソルトニーディングを使用して製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イプシロン変態の微細な銅フタロシアニンからなる顔料組成物(ピグメントブルー15:6、CI74160)、及びアルファ若しくはガンマ相からイプシロン相への相転移の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商業的に重要な銅フタロシアニンの3つの結晶変態、すなわち、アルファ相(ピグメントブルー15:1及び15:2)、ベータ相(ピグメントブルー15:3及び15:4)、並びにイプシロン相(ピグメントブルー15:6)の中でも、イプシロン変態は最も赤みの強い青色を示す結晶相である。さらに、イプシロン変態は非常に色強度が高く、特に純粋な色相を示す。これらの特性ゆえに、C.I.ピグメントブルー15:6は、特定の用途、例えばワニス、印刷、若しくは合成樹脂に、並びに、光学ディスプレイ向けのカラーフィルター分野で、若しくは、顔料着色されたフォトレジストとして特に重要である。
【0003】
熱力学的には、イプシロン相の安定性は、アルファ相とベータ相の安定性の間であり、これにより、イプシロン相の純粋な相の製造が妨げられる。
【0004】
銅フタロシアニンの相安定性はアルファ≒ガンマ<イプシロン<ベータである。
【0005】
イプシロン変態の製造は、粗製銅フタロシアニンの合成の間に(米国特許第3051721号明細書及び米国特許第4135944号明細書)、有機溶媒または有機溶媒と水との混合物中での銅フタロシアニンの処理によって(独国特許発明第2210072号明細書及び欧州特許第1580239号明細書)、又はソルトニーディング(Salzknetung)(欧州特許第1130065号明細書)によって行うことができる。
【0006】
これらの方法は全て、特定の製造パラメータの維持と、添加剤の添加によってイプシロン変態を安定化させて、そうして熱力学的により安定なベータ変態に転移することを防止するという点で共通している。
【0007】
特に相の安定化のために添加剤を使用する方法の場合は、溶媒処理及びソルトニーディングの両方において相安定化作用を有する添加剤が求められている。しかし、これまで開示された上記のような幅広く使用可能な作用を有するものはフタロシアニンベースの添加剤だけである。しかしながら、これらは、多くの場合に、色相を緑方向にシフトさせるという欠点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第3051721号明細書
【特許文献2】米国特許第4135944号明細書
【特許文献3】独国特許発明第2210072号明細書
【特許文献4】欧州特許第1580239号明細書
【特許文献5】欧州特許第1130065号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、できる限り純相のイプシロン変態を有しかつできる限り赤みの強い色相を有する銅フタロシアニン組成物を製造できる添加剤を提供することであった。さらには、目的の添加剤は、フタロシアニン合成の際の様々な段階において相安定化効果を有するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚くべきことに、上記の目的設定は、式(1)のナフチル添加剤によって達成できることが見出された。
【化1】

ここで、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に、水素; C−C22アルキル又はC−C22アルケニル(それらの各々の炭素鎖には、−O−、−S−、−NR−、−CO−若しくはSO−基が一つ若しくは二つ以上挿入されていても良く、並びに/又はそれらの各々の炭素鎖は、ヒドロキシル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルコキシ、及び/若しくは、アセチルで一つ若しくは二つ以上置換されていても良い);
−Cシクロアルキル(その炭素骨格には、−O−、−S−、−NR10−、−CO−若しくはSO−基が一つ若しくは二つ以上挿入されていても良く、並びに/又はその炭素骨格は、ヒドロキシル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルコキシ、及び/若しくは、アセチルで一つ若しくは二つ以上置換されていても良い);
デヒドロアビエチル(dehydroabietyl)、又はアリール若しくはへテロアリールを意味し、
ここで、
及びR10は、各々独立に、水素又はC−C22アルキルを意味し、
又は、
、R、R及びRは、末端がアルキル化された又はアルキル化されていないポリオキシアルキレン鎖である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
アリールは、好ましくは、C−C10アリールであり、特に、フェニル又はナフチルである。好ましくは、ヘテロアリールは、N、O、及びSからなる群から選択される1、2、3、若しくは4のヘテロ原子を有する5又は6員環の複素環式芳香環であり、任意に、その環はベンゾ縮合(benzoanneliert)していても良い。
、R、R及びRは、好ましくは水素である。
及びRは、好ましくは(C−C−アルキレン)−O−(C−C16−アルキル)である。
【0012】
本発明の目的に好ましい添加剤の一つは以下の一般式(2)の化合物である。
【化2】

ここで、
及びRは、各々独立に、水素; C−C19アルキル又はC−C19アルケニル(それらの各々の炭素鎖には、−O−、−S−、−NR−、−CO−若しくはSO−基が一つ若しくは二つ以上挿入されていても良く、並びに/又はそれらの各々の炭素鎖は、ヒドロキシル、ハロゲン、C−Cアルコキシ、及び/若しくは、アセチルで一つ若しくは二つ以上置換されていても良い)、又は、−(AO)−Zで表される基(ここでAはエチレン若しくはプロピレンであり、Zは水素若しくはC−C16アルキルであり、nは1〜200、好ましくは10〜100の数である);
−Cシクロアルキル(その炭素骨格には、−O−、−S−、−NR10−、−CO−若しくはSO−基が一つ若しくは二つ以上挿入されていても良く、並びに/又はその炭素骨格は、ヒドロキシル、ハロゲン、C−Cアルコキシ、及び/若しくは、アセチルで一つ若しくは二つ以上置換されていても良い)を意味し、
ここで、
及びR10は、互いに独立に、水素、又は、C−C22アルキルである。
【0013】
本発明の目的に特に好ましい添加剤は以下の一般式(3)の添加剤である。
【化3】

式(1)、(2)及び(3)の添加剤は、それ自体既知の方法で、ナフチルジイソシアネートと、対応するアミンとを反応させることによって製造することができる。
【0014】
本発明の対象は、イプシロン変態の銅フタロシアニンを製造する方法であって、アルファ変態の銅フタロシアニン、ガンマ変態の銅フタロシアニン、又はアルファ及びガンマ変態からなる混合物を、銅フタロシアニンの全量に基づいて1〜50重量%、好ましくは5〜15重量%の結晶性イプシロン変態の存在下および銅フタロシアニンの全量に基づいて0.5〜15重量%、好ましくは2〜5重量%の式(1)、好ましくは式(2)、特に好ましくは式(3)の添加剤の存在下に、30〜250℃の温度で湿式粉砕および/または有機溶媒中で溶媒処理に付すことを特徴とする前記方法である。
【0015】
湿式粉砕とは、ビーズミル又は攪拌ボールミル中での通例の粉砕方法であると理解されたい。粉砕媒体としては、文献公知の全てのものを使用でき、例えば球体を使用でき、素材としては、鋼、磁器、ステアタイト、酸化物、例えば、酸化アルミニウム、若しくは場合より安定化された酸化ジルコニウム、混合酸化物、例えば、ジルコニウム混合酸化物、又はガラス、例えば石英ガラスなどが挙げられる。粉砕は150℃までの温度で行うことができるが、通常は100℃より低い温度が使用される。滞留時間は相転移の速度に依存する。
【0016】
湿式粉砕の特に好ましい形態の一つは、有機溶媒の存在下での結晶性無機塩を用いたソルトニーディングである。結晶性無機塩としては、例えば、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、又は、塩化ナトリウムが使用でき、好ましくは硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、及び塩化カリウムである。有機溶媒としては、例えば、ケトン、エステル、アミド、スルホン、スルホキシド、ニトロ化合物、モノ−、ビス−若しくは、トリス−ヒドロキシC−C12−アルカンが挙げられ、これらは、C−C−アルキル及び一若しくは二以上のヒドロキシル基で置換されても良い。特に好ましいものは、モノマー性、オリゴマー性及びポリマー性C−C−アルキレングリコールに基づく水と混和可能な高沸点有機溶媒であり、例えば、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、液状ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、N−メチルピロリドン、さらに、トリアセチン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチル−メチル−ケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、ブチルアセテート、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド並びにスルホランである。
【0017】
無機塩と銅フタロシアニンの重量比は、好ましくは(2〜8):1であり、特に(5〜6):1である。
有機溶媒と無機塩の重量比は、好ましくは(1ml:6g)〜(3ml:7g)である。
有機溶媒と、無機塩及び銅フタロシアニンからなる総量との重量比は、好ましくは(1ml:2.5g)〜(1ml:7.5g)である。
【0018】
混錬中の温度は40〜140℃、好ましくは、60〜120℃であることができる。混錬時間は、合目的的には、4〜32時間、好ましくは8〜20時間である。
【0019】
ソルトニーディングの後、合目的的には、無機塩及び有機溶媒を水で洗浄して除き、その後、そうして得られた顔料組成物を通常の方法で乾燥する。
【0020】
湿式粉砕、特にソルトニーディングに続いて、場合により、溶媒仕上げ(Loesemittelfinish)を行う。溶媒処理は、有機溶媒中で行うことができ、好ましくは炭素数1〜10のアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール類、例えば、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール類、例えば、n−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、ヘキサノール類、例えば、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、3−エチル−3−ペンタノール、オクタノール類、例えば、2,4,4−トリメチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール; またはグリコール類、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール又はグリセリン;
ポリグリコール類、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール;
エーテル、例えばメチルイソブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン又はジオキサン;
グリコールエーテル、例えばエチレングリコールのモノアルキルエーテル、プロピレングリコールのモノアルキルエーテル又はジエチレングリコール−モノアルキルエーテル(ここで、アルキルはメチル、エチル、プロピル及びブチルであって良く、例えば、ブチルグリコール類及びメトキシブタノールである); ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、
特に平均分子量が350〜550g/molのポリエチレングリコールモノメチルエーテル、及びポリエチレングリコールジメチルエーテル、特に特に平均分子量が250〜500g/molのポリエチレングリコールジメチルエーテル;
ケトン類、例えばアセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン;
一又は二のケト基を有するモノ、ビス、若しくはトリスヒドロキシ−C−C12−アルカン化合物(ここで、その一又は二以上のヒドロキシル基はC−C−アルキル基でエーテル化されているか又はC−C−アルキルカルボニル基でエステル化されていることができる);
脂肪族酸アミド、例えば、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、又は、N,N−ジメチルアセトアミド;
テトラメチル尿酸などの尿酸誘導体; 又は
環状カルボン酸アミド、例えばN−メチルピロリドン、バレロラクタム、又は、カプロラクタム;
例えばアセトニトリルなどのニトリル、例えばn−ブチルアミンなどの脂肪族又は芳香族アミン、脂肪族又は芳香族炭化水素(場合によってはハロゲン化されていても良い)、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチレンクロライド、四塩化炭素、ジ−、トリ−若しくはテトラクロロエチレン、ジ−若しくはテトラクロロエタン、又はベンゼン、或いはアルキル、アルコキシ、ニトロ、シアノ若しくはハロゲンによって置換されたベンゼン、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、アニゾール、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ベンゾニトリル又はブロモベンゼン;
またはフェノール類、クレゾール類、ニトロフェノール類などの他の置換芳香族類、例えばo−ニトロフェノール、フェノキシエタノール、又は2−フェニルエタノール;
ピリジン、モルフォリン、ピコリン、又はキノリンなどの芳香族複素環;
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;
例えばジメチルスルホキシド及びスルホランなどのスルホン及びスルホキシド;
並びに
これらの有機溶媒の混合物からなる群から選択される有機溶媒中で行うことができる。
【0021】
好ましい溶媒は、C−C−アルコール、特に、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、又は、tert−アミルアルコール;
−C−ケトン、特に、アセトン、メチルエチルケトン、又は、ジエチルケトン;
テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、又は、エチレングリコール−C−C−アルキルエーテル、特に、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ブチルグリコール、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、シクロヘキサン、ジアセトンアルコール、又は、メチルシクロヘキサンである。
特に好ましい溶媒は、テトラヒドロフランである。
【0022】
前記溶媒は、又、水、酸又はアルカリを含んでいても良い。特に好適なものは、1:1〜1:3の比率のテトラヒドロフランと0.1〜20重量%濃度の硫酸水溶液である。
【0023】
溶媒処理は、合目的的には、30〜200℃、好ましくは50〜120℃の温度で1〜8時間行われる。
【0024】
本発明の添加剤は、湿式粉砕の前及び/若しくはその最中に、又は溶媒処理の前及び/若しくはその最中に、一回で又は二回以上に分けて、0.5〜15重量%、好ましくは2〜5重量%の量で銅フタロシアニンに添加することができる。添加剤の量がこれより多い場合(15重量%より多い場合)、アルファ相からイプシロン相への転移が著しく遅くなり、本方法がもはや経済的ではなくなることが判明した。
【0025】
本発明の製造方法において、該添加剤は、その多くがピグメントブルー15:6表面上に留まる。使用するアルファ銅フタロシアニンは、既知の方法によって、例えば60〜100重量%濃度の硫酸中での膨張又は溶解工程から始めて製造することができる。ガンマ銅フタロシアニン、又はアルファ/ガンマ相の混合物の使用も同様に可能である。アルファ及び/又はガンマ相へのイプシロン種結晶の添加は、事前に粉砕してまたは事前の粉砕無しで行うことができるが、このような混合物は、好ましくは、振動、ロール、ボール、遊星ボール又はビーズ粉砕によって製造される。
【0026】
本発明のナフチル添加剤は、簡単な溶媒処理のときだけではなく、湿式粉砕工程、例えばソルトニーディングにおいても、それの相安定化作用を発揮することが見出された。その利点は、同じ添加剤を、微細で透明の銅フタロシアニン(粒度20〜90nm、湿式研削によって製造可能)の製造にだけではなく、隠蔽性の銅フタロシアニン(粒子径90〜300nmで、湿式粉砕なしに溶媒処理によって製造可能)の製造にも適しているという点にある。
【0027】
本発明に従い製造された顔料組成物は、好ましくは一次粒度が20〜300nmであり、一次粒子の長さ/幅比が(1.0〜6.0):1、好ましくは(1.0〜3.0):1である。比表面積(BET)は、好ましくは50〜100m/gである。
【0028】
本発明の更に別の対象は、式(1)の添加剤を顔料の重量を基準として0.5〜15重量%、好ましくは2〜5重量%含むC.I.ピグメントブルー15:6からなる顔料組成物である。
【0029】
銅フタロシアニン顔料及び式(1)の添加剤に加えて、本発明の顔料組成物はさらに慣用の助剤及び添加剤、例えば、界面活性剤、非顔料系分散剤、フィラー、希釈剤 (Stellmittel)、樹脂、ワックス、消泡剤、防塵剤(Antistaubmittel)、エクステンダー、静電防止剤、防腐剤、乾燥遅延剤、レオロジー制御剤、湿潤剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び光安定剤などを、顔料組成物の総重量を基準として、好ましくは0.1〜25重量%、特に0.5〜15重量%の量で含むことができる。
【0030】
界面活性剤としては、アニオン性若しくはアニオン活性、カチオン性若しくはカチオン活性、及び非イオン性または両性イオン物質、又は、これらの物質の混合物が挙げられる。
【0031】
アニオン活性物質としては、例えば脂肪酸タウリド、脂肪酸N−メチルタウリド、脂肪酸イセチオネート、アルキルフェニルスルホネート、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホネート、アルキルフェノールポリグリコールエーテル−スルフェート、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、脂肪酸アミド−ポリグリコールエーテルスルフェート、アルキルスルホスクシネート、アルケニルコハク酸モノエステル、脂肪アルコールポリグリコール−エーテルスルホスクシネート、アルカンスルホネート、脂肪酸グルタメート、アルキルスルホスクシネート、脂肪酸サルコシド;
脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、及びオレイン酸;
これらのアニオン性物質の塩及び石鹸(例えば、脂肪酸のアルカリ塩)、ナフテン酸、及び樹脂酸(例えば、アビエチン酸)、アルカリ可溶性樹脂、例えばロジン変性マレエート樹脂、および塩化シアヌルをベースとした縮合生成物、タウリン、N,N’−ジエチルアミノ−プロピルアミン、並びに、p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。樹脂石鹸、すなわち樹脂酸のアルカリ塩が好ましい。
【0032】
カチオン活性物質としては、例えば第4級アンモニウム塩、脂肪アミンオキシアルキレート、ポリオキシアルキレンアミン、オキシアルキル化されたポリアミン、脂肪アミンポリグリコールエーテル、第1級、第2級若しくは第3級アミン、例えばアルキル−、シクロアルキル若しくは環化アルキルアミン、特に、脂肪アミン、及び脂肪アミン若しくは脂肪アルコールから誘導されたジアミン又はポリアミン及びそれらのオキシアルキレート、及び脂肪酸から誘導されたイミダゾリン、アミンインデックスがポリアミノアミド化合物若しくはポリアミン化合物1g当たり100〜800mgKOHであるポリアミノアミド−若しくはポリアミン化合物又は樹脂、並びに、酢酸塩若しくは塩化物などのこれらのカチオン活性物質の塩などが挙げられる。
【0033】
非イオン性若しくは両性イオン物質としては、例えば、脂肪アミンカルボキシグリシネート、アミンオキシド、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミド−N−プロピル−ベタインなどのベタイン、脂肪族及び芳香族アルコールのリン酸エステル、脂肪アルコールのリン酸エステル若しくは脂肪アルコールポリグリコールエーテルのリン酸エステル、脂肪酸アミドエトキシレート、脂肪アルコール−アルキレンオキシド−付加物、並びにアルキルフェノールポリグリコールエーテルなどが挙げられる。
【0034】
非顔料系分散剤とは、構造的に有機顔料由来ではない物質を指す。これらは分散剤として顔料の製造過程において既に添加されるが、しばしば、着色する適用媒体に顔料を導入する際に、例えば、然るべき結合剤中へ顔料を分散することによって塗料又は印刷インキを製造する過程においても添加される。これらはポリマー性物質であることができ、例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミン、ポリアクリレート、ポリイソシアネート、これらからなるブロック共重合体、これらの対応するモノマーからなるコポリマー、あるいは別の部類の幾つかのモノマーにより変性された部類のポリマーなどである。これらのポリマー性物質は極性アンカー基、例えば、ヒドロキシル、アミノ、イミノ若しくはアンモニウム基、カルボン酸若しくはカルボキシレート基、スルホン酸若しくはスルホネート基、またはホスホン酸若しくはホスホネート基を有し、そして芳香族非顔料系物質で変性されていても良い。さらには、非顔料分散剤は、有機顔料に由来するものではなくかつ官能基で化学的に変性された芳香族物質であることもできる。このような非顔料系分散剤は当業者に公知であり、その一部は、商業的に入手可能である(例えば、Solsperse(登録商標)、Avecia社; Disperbyk(登録商標)、Byk−Chemie社; Efka(登録商標)、Efka社)。以下に、代表的に幾つかものを挙げるが、原則的には任意の他の記載の物質も使用することができ、例としては、イソシアネート及びアルコール、ジ−若しくはポリオール、アミノアルコール又はジ−若しくはポリアミンからなる縮合生成物、ヒドロキシカルボン酸からなるポリマー、オレフィンモノマー若しくはビニルモノマー並びにエチレン性不飽和カルボン酸及びエステルからなるコポリマー、エチレン性不飽和モノマーからなるウレタン含有ポリマー、ウレタン変性ポリエステル、シアヌル酸ハロゲン化物に基づく縮合生成物、ニトロキシル化合物含有ポリマー、ポリエステルアミド、変性ポリアミド、変性アクリルポリマー、ポリエステルとアクリルポリマーからなる櫛様構造を有する分散剤、リン酸エステル、トリアジンから誘導されるポリマー、変性ポリエーテル、又は芳香族非顔料系物質から誘導される分散剤である。これらの基本構造は、例えば官能基を有する別の物質との化学反応又は塩形成により、さらに変性されることが多い。
【0035】
助剤として使用可能な非顔料分散剤、界面活性剤又は樹脂のアニオン性基は、例えば、Ca、Mg、Ba、Sr、Mn若しくはAlイオン又は第4級アンモニウムイオンを使用してレーキ化しても良い。
【0036】
フィラー及びエクステンダーは、DIN 55943およびDIN EN 971−1による様々な物質、例えば、様々なタイプのタルク、カオリン、雲母、ドロマイト、石灰、硫酸バリウム若しくは二酸化チタンなどである。ここで、特に、乾燥顔料調合物の粉末化の前にこれらを添加することが有効であることが判明した。
【0037】
本発明の顔料組成物は、天然由来又は合成由来の高分子有機材料の着色、例えば、プラスチック、樹脂、塗料、ペイント、電子写真トナー及び現像剤、エレクトレット材料、カラーフィルター、液体インキ、印刷インキ、並びに種の着色に使用することができる。
【0038】
本発明の顔料組成物で着色できる高分子有機材料は、例えば、セルロース化合物、例えば、セルロースエーテル及びセルロースエステル、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース若しくは酪酸セルロース、天然結合剤、例えば、脂肪酸、脂肪油、樹脂及びこれらの変換生成物、又は、合成樹脂、例えば、重縮合体、重付加物、ポリマー及びコポリマー、例えば、アミノプラスト、特には、尿素−及びメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、フェノプラスト及びフェノール樹脂、例えば、ノボラック若しくはレゾール、尿素樹脂、ポリビニル、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセテート若しくはポリビニルエーテル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン若しくはポリプロピレン、ポリ(メタ)アクリレート及びこれらの共重合体、例えば、ポリアクリル酸エステル若しくはポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、クマロン−インデン及び炭化水素樹脂、エポキシ樹脂、様々な硬化機構を有する不飽和合成樹脂(ポリエステル、アクリレート)、ワックス、アルデヒド及びケトン樹脂、ゴム、生ゴム及びその誘導体並びにラテックス、カゼイン、シリコーン及びシリコーン樹脂の個々のもの並びに混合物である。この際、上記の高分子量有機化合物が、塑性材料もしくは溶融物として、あるいは紡糸液、分散物、塗料、ペイントまたは印刷インキのどの形で存在するかは重要ではない。使用目的に応じて、本発明の顔料組成物を調合物(Praeparation)もしくは分散物の形で使用することが有利であることが判明した。
【0039】
それ故、本発明の更に別の対象は、本発明の顔料調合物を着色有効量で含む高分子有機材料である。着色しようとする高分子有機材料を基準として、本発明の顔料組成物は、通常、0.01重量%〜30重量%、好ましくは0.1重量%〜15重量%の量で用いられる。
【0040】
本発明の顔料組成物は、電子写真トナー及び現像剤中の着色剤、例えば、1もしくは2成分粉末トナー(又は、1もしくは2成分現像剤とも言う)、磁気トナー、液体トナー、重合トナー、及び特殊トナー中の着色剤としても適している。
【0041】
本発明の顔料調製物は、さらに、物品の表面被覆、例えば金属、木材、プラスチック、ガラス、セラミック、コンクリート、テキスタイル材料、紙又はゴム製の物品の表面被覆に使用される粉体及び粉体塗料、特に摩擦電気的又は動電学的に吹き付け可能な粉体塗料中の着色剤としても適している。
【0042】
本発明の顔料調製物は、水性及び非水性系の両方のインクジェットインキにおいて、並びにホットメルト法に従い機能する液体インキにおいても、着色剤としても適している。インクジェットインキは、一般には、(乾質で計算して)合計で0.5〜15重量%、好ましくは1.5〜8重量%の一又は二以上の本発明の顔料組成物を含む。マイクロエマルジョンインキは有機溶媒、水、場合によっては及び追加のハイドロトロープ物質(相溶化剤)に基づく。マイクロエマルジョンインキは、一般には、0.5〜15重量%、好ましくは、1.5〜8重量%の一又は二以上の本発明の顔料組成物、5〜99重量%の水、並びに、0.5〜94.5重量%の有機溶媒及び/又はハイドロトロープ化合物を含む。
【0043】
「溶媒ベース」のインクジェットインキは、好ましくは、0.5〜15重量%の一又は二以上の本発明の顔料組成物、85〜99.5重量%の有機溶媒及び/又はハイドロトロープ化合物を含む。ホットメルトインキは、通常、室温で固体であり、加熱により液体になるワックス、脂肪酸、脂肪アルコール、又は、スルホンアミドに基づき、溶融範囲は約60〜約140℃が好ましい。ホットメルトインクジェットインキは、例えば、20〜90重量%のワックス及び1〜10重量%の一又は二以上の本発明の顔料組成物から本質的になる。さらに、0〜20重量%の(「染料溶解剤」としての)追加ポリマー、0〜5重量%の分散助剤、0〜20重量%の粘度調整剤、0〜20重量%の可塑剤、0〜10重量%の粘着性付与剤、0〜10重量%の(例えば、ワックスの結晶化を防止する)透明性安定化剤及び0〜2重量%の酸化防止剤を含むことができる。
【0044】
本発明の顔料組成物は、さらに、加法及び減法発色のためのカラーフィルター用着色剤として、例えば電子光学システム、例えばテレビ画面、LCD(液晶ディスプレイ)、電荷結合素子、プラズマディスプレイ、又は電界発光ディスプレイ(なお、これらは、アクティブ(捻れネマチック)またはパッシブ(超捻れネマチック)強誘電ディスプレーまたは発光ダイオードであることができる)などにおいて、並びに電子インキ(「e−インキ」)又は電子ペーパー(「e−ペーパー」)用の着色剤としても適している。
【0045】
反射型及び透過型カラーフィルターの両方のカラーフィルターを製造するには、顔料をペーストの形態で、又は、適切な結合剤(アクリレート、アクリルエステル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、エポキシド、ポリエステル、メラミン類、ゼラチン、カゼイン類)中の着色フォトレジストとして、各々のLCD構成要素(例えば、TFT−LCD=薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ、又は、例えば、(S)TN−LCD=(超)捻れネマティック−LCD)上に塗布する。高い熱安定性に加えて、高い顔料純度も又、安定なペースト、すなわち着色フォトレジストの必要条件となる。さらに、着色カラーフィルターはインクジェット印刷法もしくは他の適切な印刷法によって塗布することもできる。
【0046】
本発明の顔料組成物の赤みを帯びた青色の色相は、特に、カラーフィルターの赤、緑、青(R.G.B)の色セットに好適である。これらの三つの色は、相並んで孤立画素として存在し、そして後方から透過されてフルカラー画像を形成する。
【0047】
赤色の画素の典型的な顔料は、ピロロピロール顔料、キナクリドン顔料及びアゾ顔料であり、例えば、P.R.254、P.R.209、P.R.175、及び、P.O.38の個々のものまたは混合物である。カラーテストによれば、本発明の顔料調製物は明るい色相を有し、又、マストーンでは高い透明性を達成できることが分かった。
【実施例】
【0048】
製造したイプシロン相の該顔料の相純度はIR分光器及び粉末X線回折により実証した。
【0049】
例1:式(3)の添加剤の存在下での溶媒処理
2Lのフラスコ中において、粉末状アルファ/イプシロン銅フタロシアニンからなる7/3混合物50g(振動ミル中で乾式前粉砕、未仕上げ)、式(3)の添加剤2g、テトロヒドロフラン420ml及び水630mlを攪拌しながら均質に混合した。その後、この混合物を還流下に8時間沸騰させた。この溶媒処理の後、懸濁液をろ過し、プレスケーキを50℃で水で洗浄し、80℃で16時間、熱対流炉で乾燥し、そしてIKA粉砕機で粉末化した。その結果、51.3gのピグメントブルー15:6の組成物を得た。
【0050】
例2:式(3)の添加剤の存在下での溶媒処理
1Lのフラスコ中において、粉末状アルファ/イプシロン銅フタロシアニンからなる9/1混合物24g(振動ミル中で乾式前粉砕、未仕上げ)、式(3)の添加剤1g、テトロヒドロフラン217g及び希硫酸(5重量%濃度)256gを攪拌しながら均質に混合した。その後、この混合物を6時間還流下に沸騰させた。この溶媒処理の後、懸濁液をろ過し、プレスケーキを50℃で水で洗浄し、60℃で18時間、熱対流炉で乾燥させ、そしてIKA粉砕機で粉末化した。その結果、22.4gのピグメントブルー15:6の組成物を得た。
【0051】
例3:R=R=(CH(CH(CH))(CHCH(CH))CH)の式(2)の添加剤1gの存在下での溶媒処理
例2と同様に行った。23.1gの対応するピグメントブルー15:6の組成物を得た。
【0052】
例4:R=R=(CHCH(CHの式(2)の添加剤1gの存在下での溶媒処理
例2と同様に行った。22.8gの対応するピグメントブルー15:6の組成物を得た。
【0053】
例5:R=R=[CHCHO]44CH(=MPEG2000)の式(2)の添加剤0.25g及び式(3)の添加剤0.5gの存在下での溶媒処理
例2と同様に行った。21.9gの対応するピグメントブルー15:6の組成物を得た。
【0054】
実施例6:式(3)の添加剤の存在下でのソルトニーディング
1Lの実験室用混錬機(Werner & Pfleiderer)に、アルファ銅フタロシアニン67.5g、種としてのイプシロン銅フタロシアニン7.5g、式(3)の添加剤3g、NaCl450g、及びジエチレングリコール120mlを充填した。混錬時間は16時間であり、混練温度は約95℃であった。混錬終了後、混錬物を6Lのフラスコに移し、4000mlの希塩化酸(5重量%濃度)と2時間、室温で攪拌した。この溶媒処理の後、懸濁液をろ過し、プレスケーキを50℃で水で洗浄し、80℃で16時間、熱対流炉で乾燥し、IKA粉砕機で粉末化した。その結果、76gのピグメントブルー15:6の組成物を得た。
【0055】
物理データ及び色調テストの結果は以下の通りである。
【表1】

透過率測定における粉末X線図
透過型電子顕微鏡による測定
アルキド−メラニン塗料を、独国特許発明第2210072号明細書(実施例4)に従い製造したPB15:6サンプルに対して試験した。色相はDataColor(CIELAB System社製)で測定した。dHがプラスの時は、赤みを帯びた青色であり、dHがマイナスの時は、緑がかった青色である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イプシロン変態の銅フタロシアニンの製造方法であって、アルファ変態の銅フタロシアニン、ガンマ変態の銅フタロシアニン、又はアルファ及びガンマ変態からなる混合物を、それぞれ銅フタロシアニンの総量を基準として、結晶性イプシロン変態1〜50重量%の存在下及び以下の式(1)の添加剤0.5〜15重量%の存在下に、30〜250℃の温度で湿式粉砕に及び/または有機溶媒中での溶媒処理に付すことを特徴とする、前記方法。
【化1】

但し、前記式中、R、R、R、R、R及びRは、互いに独立に、水素; C−C22アルキル又はC−C22アルケニル(これらの各々の炭素鎖には、−O−、−S−、−NR−、−CO−若しくはSO−基が一つ若しくは二つ以上挿入されていても良く、並びに/又は、これらの各々の炭素鎖は、ヒドロキシル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルコキシ、及び/若しくは、アセチルの一つ若しくは二つ以上で置換されていても良い);
−Cシクロアルキル(その炭素骨格には、−O−、−S−、−NR10−、−CO−若しくはSO−基が一つ若しくは二つ以上挿入されていても良く、並びに/又は、その炭素骨格は、ヒドロキシル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルコキシ及び/若しくはアセチルの一つ若しくは二つ以上で置換されていても良い);
デヒドロアビエチル、又はアリール若しくはへテロアリールを意味し、
ここで、
及びR10は、互いに独立に、水素又はC−C22アルキルを意味し、
又は、
、R、R及びRは、末端がアルキル化された又はアルキル化されていないポリオキシアルキレン鎖を意味する。
【請求項2】
式(1)の添加剤を2〜5重量%の量で使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
湿式粉砕が、有機溶媒の存在下での結晶性無機塩を用いたソルトニーディングであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
有機溶媒が、C−C−アルキレングリコール又はテトラヒドロフランであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ソルトニーディングを、式(1)の添加剤0.5〜15重量%の存在下に行うことを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
添加剤が下記の式(2)の化合物であることを特徴とする、請求項1〜4の一つまたはそれ以上に記載の方法。
【化2】

但し、前記式中、
及びRは、互いに独立に、水素; C−C22アルキル又はC−C22アルケニル(それらの各々の炭素鎖には、−O−、−S−、−NR−、−CO−若しくはSO−基が一つ若しくは二つ以上挿入されていても良く、並びに/又は、その各々の炭素鎖は、ヒドロキシル、ハロゲン、C−Cアルコキシ、及び/若しくは、アセチルの一つ若しくは二つ以上で置換されていても良い)、又は、式−(AO)−Zで表される基(ここでAはエチレン若しくはプロピレンであり、Zは水素若しくはC−C16アルキルであり、nは1〜200の数である);
−Cシクロアルキル(その炭素骨格には、−O−、−S−、−NR10−、−CO−若しくはSO−基が一つ若しくは二つ以上挿入されていても良く、並びに/又は、その炭素骨格は、ヒドロキシル、ハロゲン、C−Cアルコキシ、及び/若しくは、アセチルの一つ若しくは二つ以上で置換されていても良い)を意味し;
ここで、
及びR10は、互いに独立に、水素又はC−C22アルキルを意味する。
【請求項7】
添加剤が下記の式(3)
【化3】

の化合物であることを特徴とする、請求項1〜5の一つまたはそれ以上に記載の方法。
【請求項8】
顔料の重量を基準にして下記の式(1)の添加剤0.5〜15重量%を含む、C.I.ピグメントブルー15:6の顔料組成物。
【化4】

但し、前記式中、R、R、R、R、R及びRは、互いに独立に、水素; C−C22アルキル又はC−C22アルケニル(それらの各々の炭素鎖には、−O−、−S−、−NR−、−CO−若しくはSO−基が一つ若しくは二つ以上挿入されていても良く、並びに/又は、それらの各々の炭素鎖は、ヒドロキシル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルコキシ及び/若しくはアセチルの一つ若しくは二つ以上で置換されていても良い);
−Cシクロアルキル(その炭素骨格には、−O−、−S−、−NR10−、−CO−若しくはSO−基が一つ若しくは二つ以上挿入されていても良く、並びに/又は、その炭素骨格は、ヒドロキシル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルコキシ及び/若しくはアセチルの一つ若しくは二つ以上で置換されていても良い);
デヒドロアビエチル、又はアリール若しくはへテロアリールを意味し、
ここで、
及びR10は、互いに独立に、水素又はC−C22アルキルを意味し、
又は、
、R、R及びRは、末端がアルキル化された又はアルキル化されていないポリオキシアルキレン鎖を意味する。
【請求項9】
添加剤が下記の式(2)の化合物であることを特徴とする、請求項8に記載の顔料組成物。
【化5】

但し、前記式中、
及びRは、互いに独立に、水素; C−C22アルキル又はC−C22アルケニル(それらの各々の炭素鎖には、−O−、−S−、−NR−、−CO−若しくはSO−基が一つ若しくは二つ以上挿入されていても良く、並びに/又は、それらの各々の炭素鎖は、ヒドロキシル、ハロゲン、C−Cアルコキシ及び/若しくはアセチルの一つ若しくは二つ以上で置換されていても良い); 又は式−(AO)−Zで表される基(ここでAはエチレン若しくはプロピレンであり、Zは水素若しくはC−C16アルキルであり、nは1〜200の数である);
−Cシクロアルキル(その炭素骨格には、−O−、−S−、−NR10−、−CO−若しくはSO−基が一つ若しくは二つ以上挿入されていても良く、並びに/又は、その炭素骨格は、ヒドロキシル、ハロゲン、C−Cアルコキシ、及び/若しくは、アセチルの一つ若しくは二つ以上で置換されていても良い)を意味し;
ここで、
及びR10は、互いに独立に、水素又はC−C22アルキルを意味する。
【請求項10】
添加剤が下記の式(3)
【化6】

の化合物であることを特徴とする、請求項8に記載の顔料組成物。
【請求項11】
一次粒度が20〜300nmであり、一次粒子の長さ/幅の比が1.0〜6.0:1であることを特徴とする、請求項8、9又は10の何れか一項に記載の顔料組成物。
【請求項12】
請求項8〜11の一つもしくはそれ以上に記載の顔料組成物の高分子有機材料の着色への使用。
【請求項13】
プラスチック、樹脂、塗料、ペイント、電子写真トナー及び現像剤、エレクトレット材料、カラーフィルター、液体インキ、印刷インキ、並びに種の着色への請求項12に記載の使用。

【公表番号】特表2010−515789(P2010−515789A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545090(P2009−545090)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010642
【国際公開番号】WO2008/083799
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(398056207)クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド (182)
【Fターム(参考)】