説明

顕微鏡システム、観察画像の表示方法、プログラム

【課題】 生体試料の微弱光画像をライブ画像中で視認することができる顕微鏡システム等を提供する。
【解決手段】 顕微鏡システム11は、生体試料12の微弱光画像を取得可能な第1の顕微鏡13と、第1の顕微鏡13に接続されるとともに、微弱光画像を記憶する第1の制御装置14と、生体試料12の明視野のライブ画像22を取得可能な第2の顕微鏡15と、第2の顕微鏡15に接続されるとともに、微弱光画像を明視野のライブ画像22と同等の倍率になるように縮小して、明視野のライブ画像22の一部に重ね合わせて表示できる表示部を有した第2の制御装置16と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微弱光を発生する生体試料に関する観察等を行う顕微鏡とこれを制御する制御装置とを有した顕微鏡システム、画像取得手段とこれを制御する制御手段とを有した観察画像の表示方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
微弱光である生物発光等の自己発光を発生する生体試料の発光画像や蛍光画像を撮影可能な発光顕微鏡が開示されている。この発光顕微鏡は、微弱光を撮像するための遮光状態を得るための暗箱を有しており、発光する性質が付与された生体試料をこの暗箱内に保持して、この生体試料の暗視野における発光画像を取得することができる。生体試料から出る光は極めて微弱であるため、鮮明な発光画像を取得するためには、発光画像の撮影には30分程度の露光時間を要する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−108154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年ES細胞やiPS細胞の分化プロセスのような長期間の観察等を必要とする研究が盛んであるが、それらをさらに詳細に検討するには、分化マーカーや未分化マーカーと呼ばれる各種レポーター遺伝子を発現している細胞のコロニーをピックアップしてセレクションする必要がある。分化マーカーや未分化マーカーの発現を検出する方法は、マーカーの種類に応じて種々の方法をとることができる。
【0005】
例えば、レポーター遺伝子としてGFP等の蛍光を発するタンパク質を利用する場合には、ES細胞やiPS細胞に励起光を照射して蛍光画像を取得する必要がある。しかしながら、励起光は、コロニー化した細胞群を充分に励起するためにエネルギーレベルの高い光が必要であることから、ES細胞やiPS細胞に励起光を長時間照射したまま、ピックアップ作業を行うことは好ましくない。したがって、過去に取得した蛍光画像をもとに目的のコロニーをピックアップすることになる。
【0006】
一方、レポーター遺伝子として自己発光性のタンパク質を利用する場合には、個々の細胞から発生される遺伝子発現由来の発光は極めて微弱であるため、上記発光顕微鏡のように微弱光の撮像が可能な検出手段を必要とし、さらに、明視野で観察できる実体顕微鏡または正立/倒立顕微鏡といった、計2種類の顕微鏡を用いる必要がある。これは、発光顕微鏡下では、暗箱が作業の邪魔になるため、ピックアップ作業を行うことが困難だからである。よって、レポーター遺伝子として自己発光性のタンパク質を利用する場合には、発光顕微鏡において発光画像を取得しておき、シャーレ内において分化マーカーまたは未分化マーカーを発現しているコロニーの位置を確認する。その画像をもとに実体顕微鏡または正立/倒立顕微鏡下で目的のコロニーをピックアップする。しかしながら、このような従来のやり方では、分化マーカーまたは未分化マーカーを発現しているコロニーと、実際にピックアップを行なったコロニーとが正確に対応しているとは言い切れず、改良の余地があった。
【0007】
本発明の目的は、生体試料の微弱光画像をライブ画像中で視認することができる顕微鏡システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る顕微鏡システムは、生体試料の微弱光画像を取得可能な第1の顕微鏡と、前記第1の顕微鏡に接続されるとともに、前記微弱光画像を記憶する第1の制御装置と、前記生体試料の明視野のライブ画像を前記微弱光画像と異なる倍率で取得可能な第2の顕微鏡と、前記第2の顕微鏡に接続されるとともに、前記微弱光画像を前記明視野のライブ画像と同等の倍率になるようにして、前記明視野のライブ画像の一部に重ね合わせて表示できる表示部を有した第2の制御装置と、を具備する。
【0009】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る観察画像の表示方法は、予め第1の画像取得手段で生体試料の微弱光画像を取得し、第2の画像取得手段で生体試料の明視野のライブ画像を前記微弱光画像と異なる倍率で取得し、制御手段によって前記微弱光画像を前記ライブ画像と同等の倍率になるようにするとともに、前記ライブ画像の一部に重ね合わせて表示手段上に表示する。
【0010】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係るプログラムは、生体試料の微弱光画像を取得する第1の画像取得手段、前記生体試料の明視野のライブ画像を取得する第2の画像取得手段、これらを制御する制御手段、前記制御手段に設けられた表示手段、を具備した観察画像の表示システムに、前記第1の画像取得手段により前記生体試料の微弱光画像を取得する機能と、前記第2の画像取得手段により生体試料の明視野のライブ画像を前記微弱光画像と異なる倍率で取得する機能と、前記制御手段によって前記微弱光画像を前記ライブ画像と同等の倍率になるようにするとともに、前記ライブ画像の一部に重ね合わせて前記表示手段上に表示する機能と、を実現させる。
【0011】
前記目的を達成するため、本発明の他の形態に係るプログラムは、生体試料の微弱光画像を取得する第1の画像取得手段、前記生体試料の明視野のライブ画像を取得する第2の画像取得手段、これらを制御する制御手段、前記制御手段に設けられた表示手段および表示切替手段、を具備した観察画像の表示システムに、前記第1の画像取得手段により前記生体試料の微弱光画像を高倍率で取得する機能と、前記第2の画像取得手段により生体試料の明視野のライブ画像を低倍率で取得する機能と、前記制御手段によって前記微弱光画像を前記ライブ画像と同等の倍率になるように縮小するとともに、前記ライブ画像の一部に重ね合わせて前記表示手段上に表示する機能と、表示切替手段により前記ライブ画像に重ねて表示された前記微弱光画像の表示、非表示を切り換える機能と、を実現させる。
【0012】
前記目的を達成するため、本発明の他の形態に係るプログラムは、生体試料の微弱光画像を取得する第1の画像取得手段、前記生体試料の明視野のライブ画像を取得する第2の画像取得手段、これらを制御する制御手段、前記制御手段に設けられた表示手段および非表示手段、を具備した観察画像の表示システムに、前記第1の画像取得手段により前記生体試料の微弱光画像を高倍率で取得する機能と、前記第2の画像取得手段により生体試料の明視野のライブ画像を低倍率で取得する機能と、前記制御手段によって前記微弱光画像を前記ライブ画像と同等の倍率になるように縮小するとともに、前記ライブ画像の一部に重ね合わせて前記表示手段上に表示する機能と、一定時間内に前記ライブ画像の一部の領域の画素値に変化があった場合に、前記非表示手段により前記ライブ画像の一部の領域に対応する前記微弱光画像の一部の領域の画素値をゼロにする機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0013】
上記の構成によれば、生体試料の微弱光画像をライブ画像中で視認することができる顕微鏡システム等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態にかかる顕微鏡システムを示した斜視図。
【図2】図1に示す顕微鏡システムの第1の顕微鏡を模式的に示したブロック図。
【図3】図1に示す顕微鏡システムの第2の顕微鏡を模式的に示したブロック図。
【図4】第1の実施形態の顕微鏡システムを用いたピックアップ作業の流れを示したフローチャート。
【図5】図1に示す顕微鏡システムで得られたライブ画像と発光画像とを第2の表示部の画面上で重ね合わせた状態を示した図。
【図6】第2の実施形態にかかる顕微鏡システムの第2の顕微鏡を模式的に示したブロック図。
【図7】第2の実施形態に係る顕微鏡システムで得られたライブ画像の表示箇所に隣接した箇所に、ライブ画像と発光画像とを重ね合わせ表示したものを拡大した拡大画像を第2の表示部の画面上に表示した状態を示した図。
【図8】第2の実施形態にかかる顕微鏡システムで得られたライブ画像の表示箇所に隣接した箇所に、ライブ画像中の指定箇所を拡大した拡大画像を第2の表示部の画面上に表示した状態を示した図。
【図9】第3の実施形態にかかる顕微鏡システムで得られたライブ画像を移動させる前の状態を示した図。
【図10】第3の実施形態にかかる顕微鏡システムで得られたライブ画像を移動させた後の状態を示した図。
【図11】第4の実施形態にかかる顕微鏡システムに用いられる生体試料であって、シャーレの底部に基準位置となるマーカーが付されたものを示した上面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1から図5を参照して、顕微鏡システムの第1の実施形態について説明する。この顕微鏡システム11は、例えば、分化マーカーとしてルシフェラーゼの発光ベクターやGFP等の蛍光タンパクや蛍光色素を導入したES細胞やiPS細胞などの生体試料をシャーレ等の収容部内で培養しながら経時的に微弱光画像を取得し、数日経過後に、この発光画像およびライブ画像に基づいて生体試料中の培養細胞のコロニーをピックアップする作業等に用いられる。
【0016】
図1に示すように、顕微鏡システム11は、主として生体試料12の微弱光画像21を取得する第1の顕微鏡13(第1の画像取得手段)と、第1の顕微鏡13を制御するとともに、第1の顕微鏡13で取得した微弱光画像21を記憶する第1の制御装置14(制御手段)と、主として生体試料12のライブ画像22を取得する第2の顕微鏡15(第2の画像取得手段)と、第2の顕微鏡15を制御するとともに微弱光画像21と第2の顕微鏡15で取得したライブ画像22とを重ね合わせ表示する第2の制御装置16(制御手段)と、を備えている。
【0017】
図1、図2に示すように、第1の顕微鏡13は、いわゆる発光顕微鏡と呼ばれるものであり、主として細胞等の生体試料から発せられる微弱光である発光に基づいて発光画像21を取得するために利用でき、例えば発光を十分な時間(1分以上)露光する撮像素子(CCD、CMOS等)や高NAの結像光学系(対物レンズ、結像レンズ等)を具備している。なお、本発明にいう微弱光画像は、タンパク質等の自己発光性によって得られる発光画像と、励起光を照射して得られる蛍光画像とを含んだ概念である。
【0018】
また、第1の顕微鏡13は、光源23を利用して生体試料12の明視野画像を取得することもできる。ここで、発光画像21とともに取得される明視野画像は、主に発光画像21を取得した撮像期間の前後に取得され、発光画像21に対応する生体試料全体の観察像を提供する。発光画像21は、生体試料の活性を時系列に評価するために所望の時間ごとに複数枚取得するのが好ましく、その都度、明視野画像も取得するのがさらに好ましい。
【0019】
第1の顕微鏡13は、本体24と、本体24の一部に設けられた暗箱25と、暗箱25の上部を覆う蓋26と、暗箱25内に設けられたインキュベータ27および第1のステージ28と、を有している。また、第1の顕微鏡13は、インキュベータ27および第1のステージ28には、図示しない観察用の孔が設けられている。
【0020】
第1の顕微鏡13は、暗箱25の下部に、さらに、第1のステージ28の下方に設けられた対物光学系32と、対物光学系32を通る不要な光を遮断する第1のフィルタ33と、対物光学系32および第1のフィルタ33の下方に設けられて対物光学系32を通った光を検出できる第1のCCDカメラ34と、を有している。なお、単色の発光観察のみを行なう場合には、第1のフィルタ33を省略することもできる。また、対物光学系には図示しないズーム機構を備えていてもよい。
【0021】
第1の顕微鏡13は、明視野画像や蛍光画像を取得する際に利用される光源23と、光源23からの光を調整するための第2のフィルタ35と、を有している。光源23は、明視野画像を取得する際に利用される白色光を照射可能なランプやLED等を有している。第1の顕微鏡13は、蛍光観察時に利用する励起光を照射可能な蛍光ユニットをさらに備えていても良い。発光画像、明視野画像および蛍光画像を取得する顕微鏡には、例えばオリンパス株式会社製の発光イメージングシステムLUMINOVIEW LV200(LUMINOVIEW:商標登録)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0022】
図1に示すように、第1の制御装置14は、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)等のコンピュータである。第1の制御装置14は、液晶ディスプレイ等で構成される第1の表示部36と、入力手段としてのキーボード37およびマウス38など、を有している。第1の制御装置14は、第1のCCDカメラ34の撮影条件の制御、取得像の画像化と第1の表示部36への表示、および光源23の光量を制御することができる。また、第1の制御装置14は、第1の顕微鏡13で取得した発光画像21、蛍光画像および明視野画像の記憶のほか、これら発光画像21、蛍光画像および明視野画像の画像処理や画像解析も可能である。第1の制御装置14は、これら画像解析の結果データを観察条件とともに記憶しておくこともできる。第1の制御装置14は、第1のフィルタ33、第2のフィルタ35の切り替えの制御も行うことができる。さらに第1の制御装置14は、対物光学系32のズーム制御を行うことができる。
【0023】
第1の顕微鏡13および第1の制御装置14で発光観察をする場合、生体試料12から発せられた光は、対物光学系32に進み、第1のフィルタ33で不要な光が遮断されて第1のCCDカメラ34で検出される。第1のCCDカメラ34で検出された光は、第1の制御装置14に送られて画像化される。
【0024】
明視野画像を取得する場合は、第2のフィルタ35で白色の照明光が照射されるようにして標本12を照明し、透過した光が、対物光学系32を進み、第1のフィルタ33は光が遮断されないようにして、光がそのまま進み、CCDカメラ34で検出される。CCDカメラ34で検出された光は、第1の制御装置14に送られて画像化される。
【0025】
蛍光画像を取得する場合は、光源23から射出された光は、第2のフィルタ35で蛍光タンパク等を励起する波長の光のみを透過され、標本12に照射される。標本12で発せられた光は、対物光学系32を進み、第1のフィルタ33で不要な光が遮断されて、CCDカメラ34で検出される。CCDカメラ34で検出された光は、第1の制御装置14に送られて画像化される。
【0026】
第2の顕微鏡15は、明視野で生体試料12のライブ画像22を取得して、生体試料12中の培養細胞のコロニー41をピックアップする作業に用いられるいわゆる正立型顕微鏡である。第2の顕微鏡15は、生体試料に細菌などが進入することがない、例えばクリーンベンチの内部に設置されている。図3に示すように、第2の顕微鏡15は、第2の本体40と、第2の本体40上部に設けられた接眼ユニット42と、接眼ユニット42の上部に設けられた第2のCCDカメラ43と、レボルバ44を介して第2の本体40に対して回転可能に固定された複数の対物レンズ45と、接眼ユニット42と対物レンズ45との間に設けられたキューブユニット46と、を有している。
【0027】
接眼ユニット42は、図示しない結像レンズ、および接眼レンズで構成されている。接眼ユニット42は、光路分岐をするためのフィルタやミラーを内蔵しており、接眼レンズでの観察光路と、第2のCCDカメラ43での観察光路とを分岐している。
【0028】
対物レンズ45は、互いに倍率の異なるものが着脱自在にレボルバ44に取り付けられている。キューブユニット46は、図示しない複数のミラー、ハーフミラー、フィルタ等を保持しており、照明ユニット47で照明する照明光路と、接眼ユニット42および第2のCCDカメラ43での観察光路とを分岐している。
【0029】
第2の顕微鏡15は、さらに、第2の本体40下部に設けられた第2のステージ31と、第2のステージ31上に載置される標本(生体試料12)と、第2の本体40に設けられる制御ユニット51と、標本(生体試料12)に投光するための照明ユニット47と、を有している。制御ユニット51は、第2の顕微鏡15の各部の駆動制御を行なう駆動制御回路を備えている。第2のステージ31は、X軸方向およびY軸方向(水平方向)のほか、Z軸方向(鉛直方向)にも、例えば手動で移動できる。本実施形態のレボルバ44は、電動のもので構成されている。照明ユニット47は、図示しない複数の光源、コレクタレンズ、リレーレンズ、開口絞りユニット、視野絞りユニット等により構成されている。
【0030】
照明ユニット47からの光は、キューブユニット46を介して対物レンズ45を通して生体試料12に投光される。
【0031】
生体試料12の接眼ユニット42による観察は、生体試料12から発せられる蛍光や反射光等の光が、対物レンズ45、キューブユニット46を通過して接眼ユニット42に伝わり、接眼ユニット42に設けられた結像レンズに集光される。この光は、所定の結像面上に結像されて、接眼レンズを介して目視で観察することができる。
【0032】
第2のCCDカメラ43による観察は、接眼ユニット42内のミラー等により第2のCCDカメラ43方向に分岐された光が、第2のCCDカメラ43のCCD面に結像され、生体試料12の観察像は第2のCCDカメラ43に接続している第2の制御装置16の第2の表示部48へ表示することが可能となる。
【0033】
図1に示すように、第2の制御装置16は、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)等のコンピュータで構成される。第2の制御装置16は、液晶ディスプレイ等で構成される第2の表示部48(表示手段)と、入力手段としてのキーボード49およびマウス50など、を有している。第2の制御装置16は、第2のCCDカメラ43の撮影条件の制御、取得像の画像化と第2の表示部48への表示、および照明ユニット47の光量を制御することができる。また、第2の制御装置16は、第2の顕微鏡15で取得したライブ画像22の記憶のほか、発光画像21およびライブ画像22の画像処理や画像解析も可能である。第2の制御装置16は、これら画像解析の結果データを観察条件とともに記憶しておくこともできる。図3に示すように、第2の制御装置16は、複数のキューブの制御や、レボルバ44の回転の制御を行うことができる。
【0034】
このように構成された第1の顕微鏡13、第1の制御装置14、第2の顕微鏡15、および第2の制御装置16を用いた発光観察および生体試料12中の培養細胞のコロニー41のピックアップ作業について、図4を参照しながら説明する。
【0035】
まず、数日間発光観察をするときの手順は次の通りである。
【0036】
生体試料12を第1の顕微鏡13に設置した後、生体試料12の種類や培養の条件に応じて、観察条件を設定する。生体試料12からの発光量は極めて少ないため、露出時間を十分に確保して鮮明な画像を取得(撮影)する。第1の制御装置14から第1のCCDカメラ34を操作して画像を取得し、第1の制御装置14に内蔵される記憶装置にこの画像を保存する。発光画像21の取得は、例えば、1日に数回から数十回の程度で行なわれる(S11)。発光画像21は、微弱な自己発光を発生する細胞等を個々に識別できるような十分な高倍率(例えば40〜150倍)の総合倍率を得るための対物レンズ(例えば20倍対物レンズ)を用いて、高倍率で取得する。ここで対物レンズの倍率等の光学条件は、顕微鏡13の他の結像光学系(結像レンズ、リレーレンズ等)に応じて決定される。このとき発光画像21や蛍光画像を取得する際に、併せて生体試料12の明視野画像を撮影し、明視野画像を一緒に保存しておいてもよい。
【0037】
続いて、数日間観察を続けた後、生体試料12の培養細胞中にコロニー41が形成されたところで、コロニー41をピックアップする作業の手順は次の通りである。
【0038】
細胞(生体試料12)を培養していたシャーレを、第1の顕微鏡13から第2の顕微鏡15に移動する。このとき、過去に第1の顕微鏡13で取得した各種の画像を、第2の顕微鏡15に接続されている第2の制御装置16にコピーしておく(S12)。
【0039】
そして、接眼ユニット42から目視で明視野観察を行なう(S13)。続いて、個々の細胞の全体を観察視野にするために十分な低倍率(例えば0.5〜30倍)総合倍率を得るための対物レンズ(例えば10倍の対物レンズ45)などを用いて、第2のステージ31を移動して生体試料12に焦点を合わせて低倍率の像を得る。
【0040】
この状態で、第2のCCDカメラ43での観察に切り替えて、明視野像のリアルタイム表示(プレビュー表示、ライブ表示)を開始して、低倍率のライブ画像22の取得を開始する。
【0041】
続いて、重ね合わせ表示を表示する設定にして(S14)、ユーザがライブ画像22に含まれているコロニー41と同じコロニー41を含んだ過去の発光画像21の表示を指示すると、第2の制御装置16が発光画像21を読み出す(S15)。第2の制御装置16では、発光画像21がライブ画像22の一部に重ねて表示され(S16)、この発光画像21は、表示位置をマウス50等を介して手動で変更できるように第2の表示部48に表示される。この時、例えば、明視野のライブ画像22は例えば10倍対物レンズ45を用いて取得されており、それ以前に予め撮影された発光画像21は、20倍対物レンズを用いて撮影されている。このため、発光画像21は、表示されているライブ画像22の倍率に合わせて縮小して表示される。なお、明視野のライブ画像22の倍率を変更した場合は、それに合わせて発光画像21の縮小率も適宜に変更してライブ画像22に重ね合わせて表示される。
【0042】
第1の実施形態では、発光画像21内のコロニー像がライブ画像22中の対応するコロニー像と重なるように、ユーザがマウス50等を利用してマニュアルで発光画像21を移動させ、微調整しつつ発光画像21を配置する(S17)。
【0043】
こうして図5に示すように明視野のライブ画像22に発光画像21が重ね合わせて表示される。このとき、明視野のライブ画像22に対応する発光画像21がライブ画像上の別々の領域に対応して複数ある場合(例えば、複数の細胞またはコロニーのそれぞれに対応する選択された複数の部分的な発光画像領域)には、図5のように複数の発光画像21をライブ画像上の対応する領域に一致させて同時に重ね合わせて表示してもよい。また、ライブ画像を連続的に表示している間に、時系列な発光画像21を動画表示するようにしてもよい。時系列な発光画像も同時に表示することにより、個々の細胞、細胞内部位、コロニーごとに遺伝子発現等の活性を確認できるようにしてもよい。
【0044】
このようにすると、分化しているコロニー41が非常にわかりやすくなり、どのコロニー41をピックアップすればよいかがユーザにはっきりと認識される。これによって、所望のコロニー41をピペット・チップなどで効率よくピックアップできる(S18)。
【0045】
必要なピックアップ作業が完了したら(S19)、重ね合わせ表示を解除し(S20)、リアルタイム表示を終了する(S21)。
【0046】
上述した各種制御や表示方法は、第1の制御装置14および第2の制御装置16にインストールされたソフトウェア(コンピュータプログラム)により実現可能である。その処理プログラムはCD―ROM等記録媒体や第1の制御装置14および第2の制御装置16に内蔵されるハードディスク等の記憶装置に記録されている。第1の制御装置14および第2の制御装置16は、必要に応じてメモリ上に前記処理プログラムを読み出し、CPUにより実行し第1の制御装置14および第2の制御装置16の各部、およびこれらに接続された第1の顕微鏡13、第2の顕微鏡15を制御する。
【0047】
なお、記録装置は通信回線を介して第1の制御装置14および第2の制御装置16と接続されたプログラムサーバ等のコンピュータであってもよい。この場合には、制御プログラムを表現するデータ信号で搬送波を変調して得られる伝送信号を、プログラムサーバから通信回線を通じて第1の制御装置14および第2の制御装置16へ伝送するとともに、第1の制御装置14および第2の制御装置16で受信した伝送信号を復調して処理プログラムを再生し、この処理プログラムをCPUで実行する。
【0048】
第1の実施形態によれば、ユーザが手動で効率よく発光画像21をライブ画像22に重ね合わせることができ、分化しているコロニー41を効率よく認識して、ピックアップ作業を円滑化することができる。
【0049】
続いて、図6等を参照して、顕微鏡システムの第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の顕微鏡システム11は、第2の制御装置が画像認識部52、表示切替手段53、および非表示手段54を有している点、および第2の表示部48における表示手法が異なる点で第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。第2の実施形態の顕微鏡システム11は、図1に示すものと同様の外観を有する。
【0050】
第2の制御装置16は、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)等のコンピュータで構成される。図1、図6に示すように、第2の制御装置16は、液晶ディスプレイ等で構成される第2の表示部48と、内蔵するハードディスク等の記憶装置にインストールされたソフトウェアである画像認識部52、表示切替手段53、および非表示手段54と、入力手段としてのキーボード49およびマウス50など、を有している。
【0051】
画像認識部52は、過去に第1の顕微鏡13で発光画像21とともに取得した明視野画像と、第2の顕微鏡15で取得される明視野のライブ画像22との間で画像認識を行なうソフトウェアであり、発光画像21がライブ画像22中のどの位置に重なるかについて自動的に判断する。
【0052】
画像認識部52は、例えば、次に示すような手順で画像認識を行なう。
【0053】
第1の顕微鏡13を用いて発光画像21を取得する時に、併せて明視野画像も同時に取得する。このときの経時観察では、通常、発光画像21と明視野画像は、毎回同じ観察条件で画像を取得する。そして、第2の顕微鏡15下でピックアップ作業を行うときに、ピックアップ作業時に表示される明視野のライブ画像22に対して、ユーザがコロニー41を指定する。コロニー41の指定は、様々な方法を用いることができ、例えば、マウス50等で操作されるポインタを用いてライブ画像22中のコロニー41を自由曲線領域などで囲んだりして指定できる。また、該当のコロニー41をマウス50でクリックして、クリックした点を中心としたある一定の輝度値を越えた領域を発光領域として認識して、対象コロニー41を指定してもよい。
【0054】
対象コロニー41が指示されたところで、画像認識部52は、発光画像21とともに保存された複数の明視野画像の中から、対象コロニー41と一致または最も近いコロニー41を持つ明視野画像を探す。
【0055】
具体的には、対象コロニー41を囲む方形領域を明視野のライブ画像22から切り出して、発光画像21の倍率と同じ倍率まで拡大する。このとき方形領域を予め発光画像21の倍率と同じ倍率になるようにしておいてもよい。画像認識部52は、ライブ画像22の方形領域と、発光画像21と同時に取得した明視野画像と、の間で位置をずらしながら画素値を比較し、画素値の差が最も小さい位置を探しだす。このとき画素値の差は、第2の制御装置16に内蔵されたメモリ等の記憶装置に順次記録しておく。複数の明視野画像に対してそれぞれサーチを行なって、その中から画素値の差が最も小さい位置を含んだ明視野画像を探し出す。
【0056】
続いて、その明視野画像と同時に取得している発光画像21を読み出す。明視野画像がライブ画像22とぴったりと重なる位置に、発光画像21を表示してライブ画像22と発光画像21との重ね合わせ表示を行なう。
【0057】
上記した、第1の顕微鏡13(第1の画像取得手段)により生体試料12の発光画像21を高倍率で取得する機能と、第2の顕微鏡15(第2の画像取得手段)により生体試料12の明視野のライブ画像22を低倍率で取得する機能と、第2の制御装置16(第2の制御手段)によって発光画像21をライブ画像22と同等の倍率になるように縮小し、ライブ画像22の一部に重ね合わせて第2の表示部48(表示手段)上に表示する機能と、第1の顕微鏡13(第1の画像取得手段)により発光画像21とともに生体試料12の明視野画像を高倍率で取得する機能と、画像認識部52によってライブ画像22の一部領域と、明視野画像とが合致するか否かを判断し、これらが合致した位置で発光画像21をライブ画像22に重ね合わせて表示する機能と、は第1の制御装置14および第2の制御装置16にインストールされたソフトウェア(コンピュータプログラム)により実現されている。
【0058】
なお、発光画像21の表示位置はそれぞれ微調整できるようにしておき、少し位置がずれている場合はユーザが位置を補正することができる。ユーザが表示位置を微調整できる設定には様々の方法があり、例えば、発光画像21を選択すると自動的に微調整可能としたり、第2の表示部48の画面上に設けた微調整ボタンを押して微調整可能としたりしてもよい。また、微調整が終わったところで、発光画像21の選択を非選択状態にしたり、第2の表示部48の画面上に設けた位置確定ボタンを押して表示位置を確定させてもよい。これによって発光画像21の表示位置を変更できない状態になる。
【0059】
また、本実施形態では、画素値の差を利用して発光画像21の重ね合わせ位置を検索しているが、この限りではなく、一般的な各種の画像認識方法を用いてもよい。さらに、本実施形態では、発光画像21を取得するのと同時に明視野画像を取得してこれを画像認識部52で利用しているが、発光画像21を用いて画像認識を充分できる場合には、発光画像21を直接画像認識に利用してもよい。
【0060】
また、発光画像21を探す際に、複数の発光画像21の中から対象コロニー41を含む画像を探すには第2の制御装置16の仕様によっては時間がかかる場合がある。このため、予めどの発光画像21に対象コロニー41が含まれているかわかる場合には、その発光画像21を指定して、その画像の中から対象コロニーの位置を画像認識で探し、ライブ画像22に発光画像21を重ね合わせて表示してもよい。
【0061】
さらに、本実施形態では、明視野のライブ画像22中のコロニー41を指定して、これに合致する発光画像21を読み出すようにしているが、これとは逆のやり方でもよい。すなわち、ユーザは、重ね合わせ表示を行ないたい発光画像21を予め指定する。画像認識部52は、発光画像21と同時に取得した明視野画像の画素値と、ライブ画像22の画素値とを比較し、画素値の差が最も小さい位置を探しだす。重ね合わせが可能な領域がライブ画像中に存在している場合には、その該当する領域に重ねて発光画像21を表示する。
【0062】
続いて、表示切替手段53を用いた発光画像21の表示切替について説明する。表示切替手段53は様々な態様が考えられるが、本実施形態では、ライブ画像22および発光画像21に画像処理を加えるソフトウェア(プログラム)の一部として構成されている。表示切替手段53を作動させるためのスイッチとして、第2の表示部48上にアイコン(ボタン)が設けられており、発光画像21の表示・非表示を切り換えることができる。すなわち、本実施形態では、表示切替手段53を作動するためのボタンを押下した状態で、発光画像21がライブ画像22に重ね合わせて表示され、表示切替手段53のボタンを押下していない状態では、発光画像21を非表示とする。
【0063】
この表示切替手段53は、例えば次のように使用することができる。表示切替手段53のボタンを押下状態にして、発光画像21とライブ画像22とを重ね合わせ表示した状態で、生体試料12中のどのコロニー41をピックアップすればよいか目星をつける。そして、今度は、表示切替手段53のボタンを非押下状態にして発光画像21を非表示にする。これによって、明視野のライブ画像22のみを第2の表示部48に表示する。これによって、発光画像21がかえって作業の邪魔になることがなく、ピックアップ作業を効率的に行うことができる。
【0064】
このように、表示切替手段53によりライブ画像22に重ねて表示された発光画像21の表示、非表示を切り換える機能は、第2の制御装置16にインストールされたソフトウェア(コンピュータプログラム)により実現されている。
【0065】
つづいて、非表示手段54について説明する。本実施形態において、非表示手段54は、ライブ画像22および発光画像21に画像処理を加えるソフトウェア(プログラム)の一部として構成されている。非表示手段54は、一定の時間間隔でライブ画像22を取得しておき、1つのライブ画像22の輝度値(画素値)と、一定時間経過後のライブ画像22の輝度値(画素値)とを比較する。そして、非表示手段54は、輝度値(画素値)が大きく減少した領域について、コロニー41がなくなってピックアップ作業が終了したと判断する。非表示手段54は、この領域に対応する発光画像21の一部の領域について画素値をすべてゼロにして、この一部の領域の重ね合わせ表示を解除する。
【0066】
このように、一定時間内にライブ画像22の一部の領域の画素値に変化があった場合に、非表示手段54によりライブ画像22の一部の領域に対応する発光画像21の一部の領域の画素値をゼロにする機能は、第2の制御装置16にインストールされたソフトウェア(コンピュータプログラム)により実現されている。
【0067】
なお、本実施形態では、輝度値(画素値)の変化に基づいて、自動的に非表示手段54を作動させるようにしているがこれに限定されるものではない。非表示手段54は、次に述べるように、ピックアップ作業の終了後に、手動で作動させるようにしてもよい。
【0068】
すなわち、ユーザは、発光画像21上で、該当するコロニー41を第2の制御装置16のマウス38等を用いて自由曲線領域で囲むことで非表示にするコロニー41を指定できる。また、ユーザは、同様に、該当箇所をマウス38でクリックしてその点を中心とした一定の輝度値を越える領域をコロニー41として認識して、非表示にするコロニー41を指示することもできる。そして、指示部分の作業が終わったことを示す操作(例えば、第2の表示部48上に設けられたピックアップ済みボタン等を押すなど)をすると、発光画像21の該当領域の画素値をすべてゼロにして、指示された一部の領域の重ね合わせ表示を解除する。
【0069】
また、第2の実施形態では、図7に示すように、第2の表示部48のうち、ライブ画像22の表示箇所に隣接した箇所に、ライブ画像22と発光画像21とを重ね合わせ表示したものを拡大した拡大画像55を表示するようにしている。この拡大画像55は、重ね合わせ表示をしている箇所を、例えば、発光画像21を取得した際の倍率で表示している。また、明視野のライブ画像22中に複数の発光画像21が含まれる場合には、そのうちの一つを選択して拡大画像55として表示することができる。
【0070】
図7に示す場合では、ライブ画像22中の左下の発光画像21を選択した場合には、発光画像21を取得した際の解像度で発光画像21を表示する。また、発光画像21の倍率と同じ倍率にライブ画像22を拡大して、発光画像21に重ね合わせてライブ画像22を表示して、拡大画像55を表示する。また、図8に示すように、拡大画像55の対象領域を指定する場合には、発光画像21の有無にかかわらず指定された領域を拡大画像55としてライブ画像22の表示箇所に隣接して表示することもできる。
【0071】
このような、第2の制御装置16(第2の制御手段)により第2の表示部48のうち、ライブ画像22が表示される箇所に隣接した位置に、ライブ画像22およびライブ画像22に重ねられた発光画像21を拡大した拡大画像55を表示する機能は、第2の制御装置16にインストールされたソフトウェア(コンピュータプログラム)により実現されている。
【0072】
第2の実施形態の顕微鏡システム11によれば、画像認識部52によってライブ画像22と発光画像21とが合致する位置を自動で簡単に認識できるため、ユーザの負担を軽減して、ピックアップ作業を円滑に行うことができる。
【0073】
また、第2の表示部48のうち、ライブ画像22が表示される箇所に隣接した位置に、ライブ画像22およびライブ画像22に重ねられた発光画像21を拡大した拡大画像55を表示することができるため、発光画像21を縮小して表示することで見にくくなってしまう際に、重ね合わせ部分を見易くすることができる。
【0074】
さらに、表示切替手段53、非表示手段54を有しているため、ピックアップ作業時に発光画像21がかえって邪魔になる場合等に、発光画像21を表示しないようにすることができ、ピックアップ作業時に第2の表示部48の表示を柔軟に切り換えることができる。
【0075】
続いて、図9、図10等を参照して、顕微鏡システムの第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の顕微鏡システム11は、第1の顕微鏡の第1のステージ28と第2の顕微鏡の第2のステージ31とがそれぞれ電動ステージで構成される点、および発光画像21の重ね合わせ表示に発光画像21の絶対位置情報を用いる点、で第1の実施形態および第2の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態および第2の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。第3の実施形態の顕微鏡システム11は、図1に示すものと同様の外観を有する。
【0076】
第2の実施形態では、画像認識部52は、発光画像21と一緒に取得した明視野画像を利用して発光画像21の位置合わせに利用しているが、第3の実施形態では、発光画像21とともに発光画像21の絶対位置情報を利用して発光画像21の位置合わせを行なう。
【0077】
本実施形態では、第1の顕微鏡の第1のステージ28と、第2の顕微鏡の第2のステージ31とは、それぞれ電動ステージで構成される。第1の顕微鏡の第1のステージ28は、第1の制御装置14からの制御で光軸に垂直な平面方向(X軸方向、Y軸方向)と、光軸に沿った方向(Z軸方向)とにそれぞれ移動することができる。同様に、第2の顕微鏡の第2のステージ31は、第2の制御装置16からの制御で光軸に垂直な平面方向(X軸方向、Y軸方向)と、光軸に沿った方向(Z軸方向)とにそれぞれ移動することができる。
【0078】
第1の制御装置14は、発光画像21を取得する際に、発光画像21取得時の第1のステージ28の位置を発光画像21と関連付けて記憶する。より具体的には、第1の制御装置14は、発光画像21を撮影した際の、第1のステージ28の少なくともX座標、Y座標を記憶し、より好ましくはX座標、Y座標、Z座標のすべてを記憶する。
【0079】
本実施形態の発光画像21とライブ画像22の重ね合わせ表示の方法について説明する。
【0080】
第1の実施形態と同様に第1の顕微鏡13を用いて数日間の観察を続ける。このとき発光画像21を保存する際に、発光画像21に関連付けて第1のステージ28の絶対位置情報も記録する。このとき発光画像21の他に明視野画像や蛍光画像も保存しておいてもよい。複数個所で発光画像21を取得する場合には、各発光画像21に関連付けて第1のステージ28の位置情報をそれぞれ記憶する。
【0081】
続いて数日後にピックアップ作業をする際には、まず初めに複数の発光画像21と、それと関連付けて保存された絶対位置情報と、を第1の制御装置14から第2の制御装置16にコピーする。
【0082】
第2の顕微鏡15で、生体試料12を第2のステージ31の同じ位置に設置後、第2のCCDカメラ43でのリアルタイム表示(ライブ表示)を開始した後、発光画像21の重ね合わせ表示を行なう設定にする。第2のステージ31の絶対位置情報に従って自動的に発光画像21が読み出される。明視野像のライブ画像22上に発光画像21を縮小して表示され、重ね合わせ表示がなされる。1つのライブ画像22中に複数の発光画像21が含まれる場合は、すべての発光画像21を第2のステージ31の絶対位置情報に従って表示する。
【0083】
このとき、第1の顕微鏡13と第2の顕微鏡15でステージの型式が同一である場合には、ステージの位置座標は同じであるため、発光画像21の表示位置は第1の顕微鏡13で記録した位置情報をそのまま使用する。ステージの型式が違う場合には、座標が一致していないため、ステージ間の位置情報の変換を行った後に、発光画像21を明視野のライブ画像22中に重ね合わせて表示する。
【0084】
また、重ね合わせ後の発光画像21の表示位置をユーザが微調整できるのは第1、第2の実施形態と同様である。また、ライブ画像22の表示箇所に隣接した箇所に、ライブ画像22と発光画像21とを重ね合わせ表示したものを拡大した拡大画像55を表示することは第2の実施形態と同様である。また、表示切替手段53、非表示手段54を備えていることも、第2の実施形態と同様である。
【0085】
続いて、第2のステージ31を動かしてピックアップ対象を探す。第2のステージ31の位置を操作して生体試料12を移動させると、第2のステージ31の位置に合わせてライブ画像22も更新される。その際、例えば、図9に示す位置から図10に示す位置にライブ画像22が移動されると、これに重ね合わされた発光画像21も一緒に移動する。このとき、第2の制御装置16は、第2のステージ31の位置情報を常に取得しておき、移動後の位置情報に合わせて、発光画像21の表示位置を更新する。さらに、移動後のライブ画像22内に、過去に撮影した別の発光画像21が含まれる場合は、自動的に対応する発光画像21が読み出されてライブ画像22中に重ねて表示される。逆に移動後のライブ画像22内から発光画像21が含まれなくなった場合は、その発光画像21は表示しない。なお、移動前後で発光画像21の一部のみがライブ画像22内に含まれるときは、発光画像21の一部のみをライブ画像22に重ね合わせて表示する。
【0086】
このように、第1の制御装置14(第1の制御手段)により発光画像21とともに発光画像21を取得した位置を記憶させる機能と、第2の制御装置16(第2の制御手段)により発光画像21を取得した位置に基づいて発光画像21をライブ画像22の一部に重ね合わせて表示する機能と、第2の制御装置16(第2の制御手段)により第2の表示部48に表示されたライブ画像22を移動させる際に、ライブ画像22に重ね合わされた発光画像21も一緒に移動させる機能と、は第1の制御装置14および第2の制御装置16にインストールされたソフトウェア(コンピュータプログラム)により実現されている。
【0087】
なお、本実施形態では、第1のステージ28および第2のステージ31を電動のものとしているが、電動のステージでなく、手動のステージであっても、第1のステージ28および第2のステージ31の位置を把握する手段、例えば位置センサを付加することによって同様のことを実現できる。
【0088】
続いて、図11等を参照して、顕微鏡システムの第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の顕微鏡システム11は、発光画像21の相対位置情報を用いて重ね合わせ表示をする点、で第1から第3の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1から第3の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。第4の実施形態の顕微鏡システム11は、図1に示すものと同様の外観を有する。
【0089】
本実施形態では、図11に示すように、生体試料12に観察位置の基準となる基準位置としては、例えば、シャーレ61の底やまたは縁の部分にマーク62を付けておく。他にも基準位置を決める方法は、様々なやり方があり、細胞に影響がない蛍光を発する蛍光ビーズを生体試料中に埋め込んでおいてもよい。
【0090】
第1の顕微鏡13で発光画像21を取得するときに、まず基準位置を記録する。これは基準位置を含む明視野画像を取得して第1の制御装置14に記憶してもよいし、基準位置の座標のみを別で第1の制御装置14に記憶しておいてもよい。続いて通常通り生体試料12の発光画像21を取得する。発光画像21と関連付けて記憶される位置情報は、基準位置を基準にした相対的なもの(相対位置情報)である。
【0091】
数日後、コロニー41をピックアップする際は、まず初めに複数の発光画像21と、これに関連付けて記憶された相対位置情報と、を第1の制御装置14から第2の制御装置16にコピーする。さらに、第1の制御装置14に記憶された基準位置の情報もコピーする。
【0092】
続いて、第2の顕微鏡15で、生体試料12を第2のステージ31の同じ位置に設置した後、第2のCCDカメラ43でのライブ画像22の取得(リアルタイム表示)を開始した後、まず第1の顕微鏡13で取得した基準位置を読み出す。次に、発光画像21の重ね合わせ表示を実行する設定にすると、第2の制御装置16は、現在のステージ位置から、現在の第2の表示部48に表示されているライブ画像22の基準位置に対する相対位置を算出する。第2の制御装置16は、計算された相対位置情報が含まれる発光画像21を自動的に読み出して、ライブ画像22中に発光画像21を重ねて表示する。
【0093】
なお、第1の顕微鏡13で取得した基準位置を含んだ明視野画像と、基準位置を含んだライブ画像22との位置合わせは、第1の実施形態で説明したようにユーザが手動で行なうようにしてもよい。
【0094】
また、重ね合わせ後の発光画像21の表示位置をユーザが微調整できるのは第1、第2の実施形態と同様である。また、第4の実施形態でも第2の実施形態と同様に、第2の表示部48のうち、ライブ画像22の表示箇所に隣接した箇所に、ライブ画像22と発光画像21とを重ね合わせ表示したものを拡大した拡大画像55が表示される。また、表示切替手段53、非表示手段54を備えていることも、第2の実施形態と同様である。
【0095】
以上、第4の実施形態のように、相対位置情報を用いて発光画像21をライブ画像22に重ね合わせ表示しても構わない。
【0096】
第1から第4の実施形態に記載した顕微鏡システム11は、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、第1から第3の実施形態では、第2の制御装置16の第2の表示部48に発光画像21およびライブ画像22を表示するようにしているが、接眼ユニット42の位置にEVF(Electrical View Finder)を設けて、接眼ユニット42上で明視野像に対して発光画像21を重ねて表示してもよい。また、第1から第3の実施形態に記載した顕微鏡システム11では、第1の顕微鏡13と第2の顕微鏡15とが物理的に離れた箇所に設置されることを想定して、第1の制御装置14と第2の制御装置16とを別々に構成しているが、これに限定されるものではない。第1の制御装置14と第2の制御装置16とを1つの制御手段(コンピュータ)によって実現してももちろん良い。また、同様に、第1の表示部36と第2の表示部48を何れか1つの表示部だけで表示するようにしたり、相互に表示させるようにしてもよい。さらに、第1の顕微鏡13と第2の顕微鏡15を具備する顕微鏡システムとして、両方の顕微鏡に必要な光学系の少なくとも一部を共通化して一体化した顕微鏡光学系でもって実現するようにしてもよい。
【0097】
また、第1から第3の実施形態では、第1の顕微鏡13は、発光顕微鏡で構成されているが、蛍光顕微鏡であってもよい。また、第2の顕微鏡15は、正立型顕微鏡で構成されているが、倒立型顕微鏡や蛍光顕微鏡など各種の顕微鏡であってもよい。また、上述した例ではピックアップ作業に関する説明を行ったが、容器等において所望の細胞や細胞内部位を分離する等の他の作業を含む各種細胞操作にも適用できる。また、第1の顕微鏡13には、生体試料としての細胞や組織等を生きた状態に保つためのインキュベータ27を設けており胚、微生物、バクテリア等の培養可能な微小生物にも適用できる構成を有しているが、かかるインキュベータを第2の顕微鏡15に設けてもよい。また、小動物(マウス、ウサギ等)のような生物個体を第1の顕微鏡13および第2の顕微鏡15で観察する場合には、インキュベータ27は不要である。
【符号の説明】
【0098】
11…顕微鏡システム、12…生体試料、13…第1の顕微鏡、14…第1の制御装置、15…第2の顕微鏡、16…第2の制御装置、21…発光画像、22…ライブ画像、48…第2の表示部、52…画像認識部、53…表示切替手段、54…非表示手段、55…拡大画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料の微弱光画像を取得可能な第1の顕微鏡と、
前記第1の顕微鏡に接続されるとともに、前記微弱光画像を記憶する第1の制御装置と、
前記生体試料の明視野のライブ画像を前記微弱光画像と異なる倍率で取得可能な第2の顕微鏡と、
前記第2の顕微鏡に接続されるとともに、前記微弱光画像を前記明視野のライブ画像と同等の倍率になるようにして、前記明視野のライブ画像の一部に重ね合わせて表示できる表示部を有した第2の制御装置と、
を具備することを特徴とする顕微鏡システム。
【請求項2】
前記第1の顕微鏡は、前記微弱光画像とともに前記生体試料の明視野画像を高倍率で取得可能であり、
前記第2の制御装置は、前記ライブ画像の一部領域と、前記明視野画像とが合致するか否かを判断できる画像認識部を有するとともに、これらが合致した位置で前記微弱光画像を前記ライブ画像に重ね合わせて表示することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
【請求項3】
前記第1の制御装置は、前記微弱光画像の絶対位置情報を前記微弱光画像とともに記憶し、
前記第2の制御装置は、前記絶対位置情報に基づいて前記微弱光画像を前記ライブ画像の一部に重ね合わせて表示することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
【請求項4】
前記第2の制御装置は、前記表示部に表示された前記ライブ画像を移動させる際に、前記ライブ画像に重ね合わされた前記微弱光画像も一緒に移動させることを特徴とする請求項3に記載の顕微鏡システム。
【請求項5】
前記生体試料には、前記微弱光画像と前記ライブ画像との重ね合わせ表示に利用される基準点が設けられており、
前記第1の制御装置は、前記基準点に対する前記微弱光画像の相対位置情報を前記微弱光画像とともに記憶し、
前記第2の制御装置は、前記相対位置情報に基づいて前記微弱光画像を前記ライブ画像の一部に重ね合わせて表示することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
【請求項6】
前記第2の制御装置は、前記表示部のうち、前記ライブ画像が表示される箇所に隣接した位置に、前記ライブ画像および前記ライブ画像に重ねられた前記微弱光画像を拡大した拡大画像を表示することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の顕微鏡システム。
【請求項7】
前記第2の制御装置は、表示切替手段を有し、この表示切替手段は、前記ライブ画像に重ねて表示された前記微弱光画像の表示、非表示を切り換えることができることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の顕微鏡システム。
【請求項8】
前記第2の制御装置は、前記微弱光画像を非表示にする非表示手段を有し、
前記非表示手段は、一定時間内に前記ライブ画像の一部の領域の画素値が変化した場合に、前記ライブ画像の一部の領域に対応する前記微弱光画像の一部の領域の画素値をゼロにすることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の顕微鏡システム。
【請求項9】
予め第1の画像取得手段で生体試料の微弱光画像を取得し、
第2の画像取得手段で生体試料の明視野のライブ画像を前記微弱光画像と異なる倍率で取得し、
制御手段によって前記微弱光画像を前記ライブ画像と同等の倍率になるようにするとともに、前記ライブ画像の一部に重ね合わせて表示手段上に表示することを特徴とする観察画像の表示方法。
【請求項10】
前記第1の画像取得手段は、前記微弱光画像とともに前記生体試料の明視野画像を高倍率で取得し、
画像認識手段によって前記ライブ画像の一部領域と、前記明視野画像とが合致するか否かを判断し、これらが合致した位置で前記微弱光画像を前記ライブ画像に重ね合わせて表示することを特徴とする請求項9に記載の観察画像の表示方法。
【請求項11】
前記制御手段は、前記微弱光画像とともに前記微弱光画像を取得した位置を記憶するとともに、前記微弱光画像を取得した位置に基づいて前記微弱光画像を前記ライブ画像の一部に重ね合わせて表示することを特徴とする請求項9に記載の観察画像の表示方法。
【請求項12】
前記制御手段は、前記表示手段に表示された前記ライブ画像を移動させる際に、前記ライブ画像に重ね合わされた前記微弱光画像も一緒に移動させることを特徴とする請求項11に記載の観察画像の表示方法。
【請求項13】
前記制御手段は、前記表示手段のうち、前記ライブ画像が表示される箇所に隣接した位置に、前記ライブ画像および前記ライブ画像に重ねられた前記微弱光画像を拡大した拡大画像を表示することを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれか1項に記載の観察画像の表示方法。
【請求項14】
前記制御手段は、表示切替手段を有し、この表示切替手段は、前記ライブ画像に重ねて表示された前記微弱光画像の表示、非表示を切り換えることができることを特徴とする請求項9ないし請求項13のいずれか1項に記載の観察画像の表示方法。
【請求項15】
前記制御手段は、前記微弱光画像を非表示にする非表示手段を有し、
前記非表示手段は、一定時間内に前記ライブ画像の一部の領域の画素値に変化があった場合に、前記ライブ画像の一部の領域に対応する前記微弱光画像の一部の領域の画素値をゼロにすることを特徴とする請求項9ないし請求項14のいずれか1項に記載の観察画像の表示方法。
【請求項16】
生体試料の微弱光画像を取得する第1の画像取得手段、前記生体試料の明視野のライブ画像を取得する第2の画像取得手段、これらを制御する制御手段、前記制御手段に設けられた表示手段、を具備した観察画像の表示システムに、
前記第1の画像取得手段により前記生体試料の微弱光画像を取得する機能と、
前記第2の画像取得手段により生体試料の明視野のライブ画像を前記微弱光画像と異なる倍率で取得する機能と、
前記制御手段によって前記微弱光画像を前記ライブ画像と同等の倍率になるようにするとともに、前記ライブ画像の一部に重ね合わせて前記表示手段上に表示する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
前記第1の画像取得手段により前記微弱光画像とともに前記生体試料の明視野画像を高倍率で取得する機能と、
前記制御手段に設けられた画像認識手段によって前記ライブ画像の一部領域と、前記明視野画像とが合致するか否かを判断し、これらが合致した位置で前記微弱光画像を前記ライブ画像に重ね合わせて表示する機能と、
を実現させることを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記制御手段により前記微弱光画像とともに前記微弱光画像を取得した位置を記憶させる機能と、
前記制御手段により前記微弱光画像を取得した位置に基づいて前記微弱光画像を前記ライブ画像の一部に重ね合わせて表示する機能と、
を実現させることを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項19】
前記制御手段により前記表示手段に表示された前記ライブ画像を移動させる際に、前記ライブ画像に重ね合わされた前記微弱光画像も一緒に移動させる機能を実現させることを特徴とする請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記制御手段により前記表示手段のうち、前記ライブ画像が表示される箇所に隣接した位置に、前記ライブ画像および前記ライブ画像に重ねられた前記微弱光画像を拡大した拡大画像を表示する機能を実現させることを特徴とする請求項16ないし請求項19のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項21】
生体試料の微弱光画像を取得する第1の画像取得手段、前記生体試料の明視野のライブ画像を取得する第2の画像取得手段、これらを制御する制御手段、前記制御手段に設けられた表示手段および表示切替手段、を具備した観察画像の表示システムに、
前記第1の画像取得手段により前記生体試料の微弱光画像を高倍率で取得する機能と、
前記第2の画像取得手段により生体試料の明視野のライブ画像を低倍率で取得する機能と、
前記制御手段によって前記微弱光画像を前記ライブ画像と同等の倍率になるように縮小するとともに、前記ライブ画像の一部に重ね合わせて前記表示手段上に表示する機能と、
表示切替手段により前記ライブ画像に重ねて表示された前記微弱光画像の表示、非表示を切り換える機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項22】
生体試料の微弱光画像を取得する第1の画像取得手段、前記生体試料の明視野のライブ画像を取得する第2の画像取得手段、これらを制御する制御手段、前記制御手段に設けられた表示手段および非表示手段、を具備した観察画像の表示システムに、
前記第1の画像取得手段により前記生体試料の微弱光画像を高倍率で取得する機能と、
前記第2の画像取得手段により生体試料の明視野のライブ画像を低倍率で取得する機能と、
前記制御手段によって前記微弱光画像を前記ライブ画像と同等の倍率になるように縮小するとともに、前記ライブ画像の一部に重ね合わせて前記表示手段上に表示する機能と、
一定時間内に前記ライブ画像の一部の領域の画素値に変化があった場合に、前記非表示手段により前記ライブ画像の一部の領域に対応する前記微弱光画像の一部の領域の画素値をゼロにする機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−196867(P2011−196867A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65021(P2010−65021)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】