説明

顧客データを保護すると同時に柔軟な方法で値引きを自動的に組み込む小売り用の販売時点情報管理システム

本発明は、販売時点システムに関し、この販売時点システムは、外部顧客識別コードおよび少なくとも1つの商品の商品識別情報を記録するための入力デバイス(3)と、記録した少なくとも1つの前記商品識別情報に応じて支払額を計算する販売時点データ処理デバイス(2)とを備える販売時点デバイス(1)と、データ転送ネットワーク(12)によって前記販売時点データ処理デバイス(2)と連結された、第一のサーバ(24)と第2のサーバ(21、22)とを備えるデータ処理システム(20)と、を有する。第1のサーバは、値引きデータセット識別子を格納し、この値引きデータセット識別子は、それぞれ、商品識別子に関連付けされた値引き額を識別し、また、第1の内部顧客識別コードと関連付けることができ、ここで、第1の内部顧客識別コードは、外部顧客識別コードと同じであるか、またはこれに基づいて一意に算定可能であり、データ転送ネットワーク(12)を経由して外部顧客識別コードを受信し、外部顧客識別コードを用いて、関連する第1の内部顧客識別コードおよび関連する値引きデータセットを取得し、値引きデータセットを販売時点データ処理デバイス(2)へ送り返し、該デバイスは、支払額計算時に該データを含める。第2のサーバは、顧客データを含む商品リストを含み、顧客データを第2の内部顧客識別コードと関連付け、商品リストから商品識別データを取得して、値引き提供者のデータ処理デバイス(11)によるアクセスのために利用できるようにし、その際、顧客データおよび第2の内部顧客識別コードへの値引き提供者のアクセスを禁止し、商品リストに含まれる少なくとも1つの商品の値引き額を指定するデータを値引き提供者から受信し、値引き対象商品を識別するデータに関連付けされた、値引き額を指定するデータを、第1のサーバへ送信し、第1のサーバデバイス(24)はこのデータを値引きデータセットとして格納し、第1のサーバへ格納された値引きデータセットを、第1の内部顧客識別コードと関連付けて、ここで第2のサーバは、第2の内部顧客識別コードから第1の内部顧客識別コードを取得する。第2のサーバおよび販売時点データ処理デバイスのみが、第1のサーバへアクセスできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの小売用POSデバイスとデータ処理システムとを備える小売り用の販売時点情報管理(以下、POSという)システムに関する。この小売用POSデバイスは、少なくとも1つの商品の商品識別情報を記録するために、POSデータ処理デバイスと入力デバイスとを備え、POSデータ処理デバイスは、記録した少なくとも1つの商品識別情報に応じて支払額を計算する。また、データ処理システムは、データ転送ネットワークを経由してPOSデータ処理デバイスと連結され、POSデータ処理デバイスは、支払額の計算をする際に値引きデータを考慮に入れる。
【背景技術】
【0002】
ドイツ特許DE4433569B4号の特許明細書から、クーポンを紙に印刷することなしに、電子クーポンの発行および償還を店内で行うことができる、ペーパーレス電子クーポンシステムが公知である。この特許文献に記載のシステムの設置場所は、小売店の中である。通信ユニットは、コントロールコンソールおよびスクリーンを備え、ショッピングカートに取り付けられている。顧客が店内を歩くにつれ、顧客へ向けてクーポンデータをスクリーン上に表示するのだが、詳細には、ショッピングカートのいる場所の近くに陳列してある品物と関係するクーポンを表示する。クーポンは、これらの品物の値引き額を指定する。顧客がこうしたクーポンを使う場合には、クーポンがスクリーン上に表示されている間に、クーポンを選ぶことができる。選ばれたクーポン(製品識別情報と値引き額)は、そこで、通信ユニットのファイルに格納される。通信ユニットは、次に、インターフェースを介してPOSデバイスと通信できる。顧客が販売場所にいて、ショッピングカート内の品物をスキャナでスキャンすると、販売場所では、自動的に、通信ユニットから受信したファイルに基づいてクーポンによる値引きができる。しかし、この公知のシステムには、様々な欠点がある。このシステムは、1つの店に制限されてしまうし、ショッピングカートのそれぞれに追加の技術仕様が必要であり(結果、かなりの費用もかかる)、顧客が店内を歩いているときでないと値引きクーポンを選ぶことができないのである。
【0003】
ドイツ特許DE69620451T2号の特許明細書から、「コンピュータネットワークを通して顧客に対する購買補助及びインセンティブを提供するシステム及び方法」が公知である。この特許文献では、クーポン送信の方法(「購入インセンティブ」の配信方法)を示している。これによると、まず顧客は、自らのコンピュータから、データ通信ネットワークを経由して、この顧客に対する個別の顧客識別情報を割り当てる遠隔中央コンピュータへログインする。その際、この顧客は個人情報を入力する。次に、複数の「インセンティブオファー」が、登録済の顧客のコンピュータへ送られてくる。このオファーは、顧客の居住する地域において実行できる。顧客はこれらのインセンティブオファーの中から選択し、この選択結果は中央コンピュータへ送り返される。次に、中央コンピュータは、顧客が選択した小売業者の識別情報および顧客の識別情報を含むクーポン(購入インセンティブ)をコード化した形で発行し、これらのクーポンを顧客へ送信する。そして、顧客はこれらのクーポンを印刷し、これらを関連する小売店での買い物の際に使うことができる。この方法には、インセンティブやクーポンの提供者(値引き提供者)は1者に限られるという欠点と、値引き提供者が顧客の識別データを(登録時に)全て把握してしまうことから、顧客のデータ保護は用意されていないという欠点とがある。さらに、顧客は買い物の際にクーポンを印刷して持参しなければならないという欠点もある。印刷するということは、顧客にとって余計な手間となる。顧客は、クーポンを持参するのをうっかり忘れて、予定していた買い物において利用できないこともあり得る。
【0004】
ドイツ特許DE 697 37 655 T2号の特許明細書に示される「電子クーポンの方法およびデバイス」にも同様の欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許DE 44 33 569 B4号
【特許文献2】ドイツ特許DE 696 20 451 T2号
【特許文献3】ドイツ特許DE 697 37 655 T2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記先行技術に基づき、本発明は、複数の値引き提供者の値引きを自動的に考慮に入れることができる小売り用POSシステムを提供することを目的とする。本POSシステムでは、任意の小売業者において買い物をする際に自動的に償還することが可能であり、さらに、顧客データを匿名の状態に保つと同時に、値引き提供者の値引き提案を顧客の購入希望に添わせることを可能としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本目的は、請求項1の特徴を備えるPOSシステムによる本発明により、達成できる。
【0008】
本発明による小売り用POSシステムは、データ転送ネットワーク(例えば、インターネットまたは携帯電話網)に連結された少なくとも1つのPOSデバイスとデータ処理システムとを備える。POSデバイスは、外部顧客識別コードおよび少なくとも1つの商品の商品識別情報を記録するために、POSデータ処理デバイスと入力デバイスとを備え、POSデータ処理デバイスは、記録した少なくとも1つの商品識別情報に応じて支払額を計算する。データ処理システムは、POSデータ処理デバイスが記録した外部顧客識別コードを受信し、受信した顧客識別コードを用いて値引きデータセットを決定し、これらの値引きデータセットのそれぞれが商品識別子と関連付けされた商品の値引き額を識別し、これら値引きデータセットをPOSデータ処理デバイスへ送り返して、POSデータ処理デバイスが支払額の計算の際に、受信した値引きデータセットを考慮に入れることができるようにする。値引きデータセットの商品識別子は、POSデバイスが記録する商品識別情報と、基本的には同一であってもよい。POSデータ処理デバイスは、少なくとも、受信した値引きデータセットの商品識別子からの商品識別情報を判別できなければならず、この商品識別情報を(例えば、スキャナによって)記録した購入された商品の商品識別情報と比較することができる。ここで言う値引きとは、支払額の削減につながるような、まったく一般的な任意の割引や優待を意味している。値引きまたは優待は、絶対的な金額であってもよいし、割合であってもよい。データ処理システムは、第1および第2のサーバデバイスを備える。ここで、サーバデバイスは、1つのコンピュータに配置したり、いくつかのコンピュータにわたって分散したりできる、1つまたはそれ以上のサーバと解されるべきである。第1のサーバデバイスは、値引きデータセットを格納する。この値引きデータセットは、1つまたはそれ以上の第1の内部顧客識別コードにそれぞれ関連付けすることが可能な値引きデータセット識別子を含む。つまり、顧客識別コードは、値引きデータセットに含まれるか、これに関連付けられるということであり、これによって、例えば、値引きデータセット識別子を顧客識別コードに別々のデータ構造で関連付ける。第1の内部顧客識別コードは、外部顧客識別コードと同じであるか、またはこれに基づいて一意に算定してもよい。第1のサーバデバイスは、データ転送ネットワークを経由して、記録した外部顧客識別コードを受信し、受信した外部顧客識別コードを用いて、関連する第1の内部顧客識別コードおよび関連する値引きデータセットを決定し、値引きデータセットをPOSデータ処理デバイスへ送り返す。当然、送信した値引きデータセットは、第1のサーバデバイスに格納された値引きデータセットと物理的に対応していなくてもよい。むしろ、論理的な内容が一致していれば十分である。データ処理システムはさらに、第1のサーバデバイスと連結された第2のサーバデバイスを備える。第2のサーバデバイスは、顧客の望む商品を識別する、顧客に関連付けられた商品リストを含む顧客データを記録し、第2の内部顧客識別コードを顧客データに割り当てる。これらの商品リストは、顧客が入力した顧客の望む商品の名称を含んでもよいが、既定の名称から顧客が選択した名称を含んでもよい。顧客が望む商品は、好ましくは、1つまたはそれ以上の異なる小売業者における直近の買い物の際に、顧客が購入を望むような商品を含む。例えば、これは、「パン」もしくは「シャンプー」などの商品カテゴリ、または特定のサプライヤーの特定の商品名を含んでもよい。第2のサーバデバイスは、商品リストから商品識別データを取得して、値引き提供者のデータ処理デバイスによるアクセスのために利用できるようにし、その際、(元の商品リストを含む)顧客データおよび第2の内部顧客識別コードへの値引き提供者のアクセスは禁止する。第2のサーバデバイスは、少なくとも1つの商品の値引き額を指定するデータを値引き提供者から受信する。この商品は、商品リストに含まれる商品に(その種別において)対応している。加えて、値引き提供者は当然、商品リストに含まれる商品には対応していない他の商品の値引き額を指定するデータも送信してもよい。値引き提供者は、小売業者自身、小売業者グループの本部、商品の製造業者、または、複数の小売業者に向けて優待プログラムを提供する別個の優待プログラム提供者を含んでもよい。第2のサーバデバイスは、値引き対象商品を識別するデータに関連付けされた、値引き額を指定するデータを第1のサーバデバイスへ送信する。第1のサーバデバイスは、これらのデータを値引きデータセットとして格納する。ここで、値引きデータセットを第2のサーバデバイスがあらかじめ生成し、第1のサーバデバイスへ送信してもよい。また一方、値引きデータセットは、第2のサーバデバイスが送信したデータに基づいて第1のサーバデバイスで生成するのであってもよい。第2のサーバデバイスは、さらに、第1のサーバデバイスへ格納した値引きデータセットを第1の内部顧客識別コードと関連付け、第2のサーバデバイスは、第2の内部顧客識別コードから第1の内部顧客識別コードを取得する。第2の内部顧客識別コードは、第1の内部顧客識別コードと異なっていてもよいが、一意に割り当てなければならない。ある好ましい実施形態においては、第1の内部顧客識別コードは第2の内部顧客識別コードと同一であり、さらに、内部顧客識別コードは外部顧客識別コードに基づいて一意に算定する。これは、例えば、特別な暗号化方法によって内部顧客識別コードから得た外部顧客識別コードを用いて達成することができる。この場合、小売業者がアクセスできる外部顧客識別コードは、暗号化された内部顧客識別コードであり、小売業者は、外部顧客識別コードから内部顧客識別コードを決定することはできない。この目的のため、外部顧客識別コードを受信するデータ処理システムの第1のサーバデバイスは、この機能専用とすることが好ましい。第1のサーバデバイスには、第2のサーバデバイスおよびPOSデータ処理デバイスしかアクセスできないようにしてもよい。ここで、POSデータ処理デバイスによるアクセスは、外部顧客識別コードの送信および値引きデータセットの受信に制限され、POSデータ処理デバイスは、内部顧客識別コードにアクセスすることはできない。値引き提供者のデータ処理デバイスがアクセスできるのも、前述の第2のサーバデバイスだけである。
【0009】
本発明によるPOSシステムにおいては、顧客から要求される値引きクーポンのうち、過去に顧客に送信されたことのあるものは省かれる。それどころか、本発明によるPOSシステムは、単に、顧客から外部顧客識別コードを受信するのみであり、これを使用し、コンピュータネットワークを経由して、データ処理システムのサーバデバイスから関連するクーポン(値引きデータセット)全てを検索する。この結果、顧客は、クーポンを管理したり、小売店へクーポンを持参したりという負担から解放される。したがって、本発明によるPOSシステムにおいて、小売業者は顧客データを管理したり調べたりしないため、顧客データに関するデータを保護できる。小売業者またはこの小売業者と協力する企業を含む値引き提供者が、商品リストから取得した商品識別データへアクセスすることによって、小売業者または値引き提供者は、データ保護という制限にもかかわらず、値引きデータセットをコンパイルする際に顧客の購入希望を考慮にいれることができる。
【0010】
本発明によるPOSシステムの好ましい実施形態は、関連する小売業者の識別子を値引きデータセットへさらに関連付けることを特徴とする。この場合、第1のサーバデバイスは、外部顧客識別コードに加えて、小売業者の識別子もPOSデータ処理デバイスから受信し、POSデータ処理デバイスへ送り返す値引きデータセットについても、受信した小売業者の識別子を用いて決定する。第2のサーバデバイスは、値引き額を指定するデータに加えて、関連する小売業者を指定するデータを値引き提供者からさらに受信する。次に第2のサーバデバイスは、関連する小売業者を識別するデータにも関連付けされている値引き額を指定するデータを第1のサーバデバイスへ送信する。この優れたさらなる発展形態においては、小売業者へ影響のない値引きデータセットは、小売業者のPOSデータ処理デバイスへ送信されない。このことは、第1のサーバデバイスに格納する値引きデータセットが、同一の顧客識別コードに関連付けされている一方で、異なる小売業者に関連付けされている場合に、特に望ましい。
【0011】
本発明によるPOSシステムのより好ましいさらなる発展形態は、第1のサーバデバイスは、記録した商品識別情報をPOSデータ処理デバイスから受信することなく、関連する商品識別子とは独立に、受信した外部顧客識別コードを用いて全ての関連する値引きデータセットを決定し、これらのデータセットをPOSデータ処理デバイスへ送り返すことを特徴とする。この場合、POSデータ処理デバイスは最初に、顧客に関連付けられた全ての値引きデータセットを受信し、これに基づき、POSデータ処理デバイスは、入力デバイスが記録した商品識別情報に対応するものを選択する。このようにして、値引きデータセットは、外部顧客識別コードを記録した後であって、商品識別情報が全く記録されていない場合や、全ての商品識別情報が記録されていない場合にも(つまり、まだすべての商品識別情報が「スキャン」されていない場合にも)、第1のサーバデバイスではあらかじめ検索できる。このことにより、例えば、顧客が間際(支払直前)になってまだ別の商品の購入を希望する場合、これも記録できるだけでなく、支払額の計算において、利用可能な値引きを直接考慮に入れることもできる。
【0012】
本発明によるPOSシステムの別の好ましいさらなる発展形態において、第2のサーバデバイスは、第1の内部顧客識別コードを第1のサーバデバイスに格納した値引きデータセットに関連付け、これにより、第2のサーバデバイスは値引きデータセットを検索して、そこに含まれる情報を顧客が検索用に利用できるようにすることで、顧客が、第2のサーバデバイスへ繋がるデータ通信デバイス(例えば、携帯電話やPC)上においてこの情報(これは「クーポン」に関する情報である)を閲覧できるようにし、そして、顧客によるこの情報の検索に応じて、第1または第2の内部顧客識別コードを第1のサーバデバイスへ送信し、これをきっかけに第1の内部顧客識別コードを値引きデータセットへ割り当てる。この実施形態が優れているのは、顧客がクーポン情報を呼び出したり要求したりすることによりクーポンへの興味を通知したときにのみ、第1のサーバデバイスにおいて、顧客に「クーポン」を割り当てるためである。クーポンは、顧客が値引きを求めているか否かに関係なくただ送信されるのではない。第1のサーバデバイス上における内部顧客識別コードの値引きデータセットへの割り当ては、したがって、第2のサーバデバイスの中継により遂行され、顧客は、第1のサーバデバイスへの直接アクセスを受ける心配はない。
【0013】
本発明によるPOSシステムの好ましい実施形態によると、データ処理システムは第3のサーバデバイスを備え、この第3のサーバデバイスは、POSデータ処理デバイスから、外部顧客識別コードおよびPOS領収書データを受信する。これらは、購入された商品および購入時支払価格を識別し、顧客識別コードに関連付けされたPOS領収書データを第2のサーバデバイスへ渡す。これには、顧客データを記録する第2のサーバデバイスは、商品リストから評価を生成して値引き提供者へ提供し、値引き提供者から値引きデータを受信し、第1のサーバデバイス内の値引きデータセットのために必要なデータを送信し、ここでさらに、顧客が購入する商品およびこの商品の購入金額の情報ももつ、という利点がある。このようにして、サーバデバイスは、この追加的な情報に基づき、クーポンデータの生成を行うことができる。好ましい実施形態において、第2のサーバデバイスは次に、第1の内部顧客識別コードを、第1のサーバデバイスに格納された値引きデータセットと関連付ける。ここで、第2のサーバデバイスは、第3のサーバデバイスから受信したPOS領収書データの購入された商品を識別するデータと、第1のサーバデバイスの値引きデータセットの商品識別子とを比較し、識別した商品が一致したならば、値引きデータセットを検索し、そこに含まれる情報を顧客が検索用に利用できるようにし、これによって、顧客が、第2のサーバデバイスに連結されたデータ通信デバイス上において値引きデータセットの内容を閲覧し、希望する値引きデータセットを選択できるようにする。第2のサーバデバイスは次に、顧客が選択する値引きデータセットの値引きデータセット識別子を、第1または第2の内部顧客識別コードとともに第1のサーバデバイスへ送信し、これをきっかけに該サーバデバイスは、第1の内部顧客識別コードを、対応する値引きデータセットへ関連付ける。この手順において、第2のサーバデバイスが商品識別子を第1のサーバデバイスへ送信し次第、(いわゆる、POSクーポンと呼ばれる)特定の値引きデータセットの商品識別子と一致する値引きデータセット(クーポン)を顧客に提示することになり、これにより、識別した商品を過去に購入したことがある場合には、これらの値引きデータセットを顧客に提示することができる。
【0014】
本発明によるPOSシステムの好ましい実施形態において、第1および第2のサーバデバイスは、アクセス保護下にあるコンピュータネットワーク(しばしば、「非武装地帯」、DMZと呼ばれる)の内側に配置される。値引き提供者のデータ処理デバイスおよび顧客のデータ通信デバイスは、アクセス保護下にあるコンピュータネットワークの外側に配置される。この手段は、データ保護および望ましくない干渉を回避する目的でも用いる。
【0015】
本発明によるPOSシステムの好ましい実施形態において、外部顧客識別コードを記録するために提供されるPOSデバイスの入力デバイスは、顧客の移動通信デバイスにおいて生成され、外部顧客識別コードを表すバーコードを読み取るスキャナを備える。好ましくは、このスキャナは、(従来の方法のように)外部顧客識別コードの記録、および商品識別情報の記録の両方に用いられる。あるいは、またはさらに、外部顧客識別コードを記録する入力デバイスは、外部顧客識別コードを格納する顧客の移動通信デバイス(例えば、携帯電話)との近距離通信(NFC)を実施するNFC通信デバイスを備えてもよい。これには、顧客が販売場所で支払いをしようとする場合に、POSデバイスは自動的に顧客の移動通信デバイス(携帯電話)との通信を設定して、顧客識別コードを検索し、直ちに第1のサーバデバイスとの通信を開始できるという利点がある。
【0016】
本発明によるPOSシステムの好ましい実施形態において、第2のサーバデバイスは、顧客のデータ処理デバイス(例えば、顧客のPC)へデータ通信ネットワークを経由して(例えば、インターネットを経由して)接続され、顧客データを受信し、この顧客データはとりわけ、顧客が望む商品を識別するデータを含む。データ通信ネットワークは、例えばインターネットであり、顧客のデータ処理デバイスは、例えば顧客のPCであってもよい。また一方、データ通信ネットワークは携帯電話網を含み、データ処理デバイスは携帯電話であってもよい。顧客は、例えば、顧客データを顧客のデータ処理デバイスのキーパッドから入力し、このデータは次に、第2のサーバデバイスへ送信される。この顧客データは、例えば、顧客がコンパイルした買い物リストを含み、これは、第2のサーバデバイスへ送信され、その後の商品識別情報データの引き出しのために、このサーバデバイスに適切な形式で格納される。
【0017】
直前に述べた実施形態の好ましいさらなる発展形態は、第2のサーバデバイスは、顧客の移動通信デバイス(例えば、携帯電話)へデータ通信ネットワークを経由して接続され、顧客が望む商品を識別するデータを送受信し、これらのデータは、顧客が望む商品が第2のサーバデバイスに格納した商品リストと一致することを識別し、また、これらのデータは、格納されたデータのままで交換してもよいし、移動通信デバイスで表示してもよいことを特徴とする。結果として、顧客の移動通信デバイス(例えば、携帯電話)上に表示できる商品リストは、同期されるか、継続的に更新される。例えば、顧客が自宅のPCで商品リストをコンパイルまたは変更した場合、顧客は、それに応じて更新されたリストを顧客の携帯電話上で閲覧できる。
【0018】
本発明によるPOSシステムの好ましい実施形態は、第2のサーバデバイスは、顧客が、商品リストデータを値引き提供者へ中継するのを許可したか遮断したかを示す手段である識別子を記録(かつ格納)することを特徴とする。この場合、この識別子がこれを許可した場合のみ、第2のサーバデバイスは、値引き提供者のデータ処理デバイスによるアクセスに対して、商品リストから取得した商品識別データを提供する。この手段により、(例えば、顧客または格納したビットにより変更可能なフィールド内容の)識別子を適切に設定することで、顧客の商品リスト(例えば、買い物リスト)のデータを値引き提供者の評価用として使用するかどうかについて、顧客が影響を与えることができる。
【0019】
本発明によるPOSシステムの好ましい実施形態において、第2のサーバデバイスは、少なくとも2つのサーバを備える。これらの2つのサーバデバイスはそれぞれ、同様に、1つまたはそれ以上のサーバからなるものであってよく、これらは全体にわたって配置されるか、または1つのコンピュータに配置される、もしくはいくつかのコンピュータにわたって分散してもよい。第2のサーバデバイスの第1のサーバは、顧客データを商品リストとともに記録して、第2の内部顧客識別コードを割り当て、第一の内部顧客識別コードを第1のサーバデバイスに格納した値引きデータセットへ関連付ける。第1のサーバは、したがって、そもそも、顧客データの記録および顧客との通信に使用するものであるが、同様に、顧客とのやりとりによって決まるデータを第1のサーバデバイスへ送信するためにも使用する。第2のサーバデバイスの第2のサーバは、値引き提供者のアクセスに対して、商品識別データを提供し、値引き提供者から値引き額を指定するデータを受信し、値引き額を指定するこれらのデータを第1のサーバデバイスへ送信する。第2のサーバは、したがって、好ましくは、値引き提供者との通信に使用するものであり、特に、商品識別データを値引き提供者へ提供し、値引き提供者の値引き額を指定するデータを受信する。このように第1のサーバと第2のサーバとを分離した結果、一方の顧客と他方の値引き提供者が異なるサーバ上において通信することから、セキュリティを強化できる。
【0020】
本発明の優れたさらなる発展および/または好ましいさらなる発展を、従属クレームに示す。
【0021】
以下に、図面に示す好ましい実施形態を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明によるPOSシステムの主要な構成要素の概要図である。
【図2】図2は、顧客の商品リストから取得した商品識別データを値引き提供者へ提供するスクリーンショットの例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に概要を示す本発明によるPOSシステムは、POSデバイス1と、POSデバイス1と連結されたデータ処理システム20とを備える。POSデバイス1は、小売店に設置され、POSデータ処理デバイス2を備え、これにはスクリーン出力4とキーパッド5とが繋がる。POSデバイス1はさらに、入力デバイス3を含む。図に示す入力デバイス3のうちの1つは、バーコードリーダー6と連結され、入力ライン7を介して読み取ったバーコードを受信する。バーコードは、購入された商品に印刷されたバーコードを含んでもよい。その他の入力デバイス3は、近距離通信デバイス(NFC=near field communication)である。この入力デバイス3は、例えば、矢印8で示す近距離通信を介して、これに対応した装備を備える顧客の携帯電話9Aと通信してもよい。 当然のことながらPOSデバイス1は、例えば、商品(品物)を載せるためのベルトコンベヤー、マネーカードの読み取りデバイス、および、支払い手段を受けるためのロック可能なPOS区画など、慣用の構成要素をさらに含む。
【0024】
POSデータ処理デバイス2は、例えば、バーコードを読み取るなどによって、記録した商品識別情報に応じて支払額を計算する。商品のバーコードが読み取れない場合、通常は、キーパッド5を用いて手入力で商品識別情報を記録する。スクリーン4は、記録した商品と算定した支払額とを表示する。支払いは、例えば、現金で行われるが、支払われた現金総額は、例えば、キーパッド5などの入力デバイスを介して記録する。また一方、支払いは、キャッシュレスでもよく、例えば、クレジットカードによってなされてもよいし、または、この目的のために連結されたデータ処理デバイスを用いる、特別にセキュリティ保護されたトランザクションによってなされてもよい。
【0025】
バーコードリーダー6は、顧客の携帯電話9Aで生成したバーコードを読み取るためにも用いてよく、この場合このバーコードは、例えば、顧客を識別する。
【0026】
POSデバイス1は、データ転送ネットワークを経由して、データ処理システム20に連結される。データ処理システム20は、複数のサーバ21−25を備え、不正アクセスから保護された環境、具体的には、DMZ(「非武装地帯」)の内側に配置される。様々なサーバ21−25は、既定の接続27−31を経由して互いに通信するだけでなく、DMZの外側のデータ処理システムとも通信する。外側への通信接続、例えば、接続12−17のセキュリティは、ファイアウォール19で保護されている。
【0027】
POSデバイス1のPOSデータ処理デバイス2は、接続12を経由して第1のサーバ24へ接続される。以下、これをプロモーションサーバと呼ぶ。プロモーションサーバ24は、クーポンとも呼ばれる値引きデータセットを格納する。値引きデータセットは、値引きデータセット識別子(ID)、指示子、割合または既定の通貨の金額の形で示す値引き額、有効期限に関する情報、ならびに、任意選択的に、さらなるテキスト情報および画像だけでなく、POS領収書テキストも含む。プロモーションサーバは、複数の小売業者または優待プログラム提供者のクーポンを格納できることから、データ構造、例えば、様々な小売業者の識別子の値引きデータセット識別子を割り当てるテーブルも含む。さらに、値引きデータセットはそれぞれ、内部顧客識別コードに割り当ててもよく、すなわち、これはPOSデバイスおよび小売業者に知られていなくてもよい。例えば、プロモーションサーバは、値引きデータセットを備えるテーブルと、内部顧客識別コードをリストアップした割り当てテーブルとを含み、これらにはそれぞれ、多数の値引きデータセット識別子が割り当てられている。POSデータ処理デバイス2は、プロモーションサーバ24から、商品識別子と関連付けられた商品の値引き額を指定する値引きデータセットを受信する。
【0028】
POSデータ処理デバイス2は、さらに通信接続13を経由して、DMZの内側にあるさらなるサーバ25へ接続される。ここで、このさらなるサーバを、ペイメントサーバと呼ぶ。ペイメントサーバ25は、例えば、顧客識別情報、および、いわゆるPOS領収書データと呼ばれるデータなど、キャッシュレス決済トランザクションに必要な、POSデータ処理デバイス2からのデータ、つまり購入証明書の内容、すなわち、商品識別情報、個別の価格、算定された値引き額、総計、付加価値税などを示すデータを含む。ペイメントサーバ25は次に、これもファイアウォール19により保護された別の外部接続17を経由して、実際の決済トランザクションを提供するいわゆる決済業者のコンピュータ18と通信する。外部決済業者との通信の結果、または、DMZの内側の他のサーバとのさらなる通信の結果、ペイメントサーバ25が、POSデータ処理デバイスが要求した決済トランザクションを実行できることが確立され次第、ペイメントサーバ25は、POSデータ処理デバイス2に、通信接続13を経由して、支払いが成功したことを通知する。POSデータ処理デバイス2に対する通信を一方とし、そして、外部決済業者のコンピュータ18に対する通信を他方とするペイメントサーバ25の通信については、本発明にとって重要でないため、ここでは詳細な説明を控える。
【0029】
図1において別々に示す通信接続12および13は、論理的に分離した接続であるが、当然物理的には、同じデータライン、または、例えば、インターネットを経由するなど任意のデータ通信ネットワークを経由して実行してもよい。通信接続12および13は、IPを用いるVPN接続であることが好ましい。
【0030】
顧客が販売場所で支払いをするとき、通信接続12を経由して、プロモーションサーバ24と連結されたPOSデータ処理デバイス2は、入力デバイス3を経由して、顧客の記録した外部顧客識別コードを受信する。記録した外部顧客識別コードは、接続12を経由して、プロモーションサーバ24へ送信される。プロモーションサーバ24は、受信した外部顧客識別コードを用いて、関連する第1の内部顧客識別コード、およびこれに関連付けられた値引きデータセットを決定する。プロモーションサーバ24は次に、値引きデータセットをPOSデータ処理デバイス2へ送り返す。この値引きデータセットのそれぞれが商品識別子と関連付けされた商品の値引き額を識別するのだが、POSデータ処理デバイス2は、支払額の計算の際に、これら値引きデータセットを考慮に入れる。プロモーションサーバ24は、それぞれ顧客識別コードと関連付けられた複数の値引きデータセットを格納する。POSシステムの好ましい実施形態によると、プロモーションサーバ24は、顧客識別情報に関連付けられた全ての値引きデータセットを、POSデータ処理デバイス2へ送信するが、具体的には、販売場所で顧客がどの商品を購入したかに関係なく送信する。POSデータ処理デバイス2は次に、値引きデータセットの商品識別子と、販売場所で記録された、購入されることになる商品の商品識別情報とを比較する。購入された商品と受信した値引きデータセットの商品識別子との一致が確立され次第、支払総額の計算にあたって、受信した値引きデータセットが指定する割合または絶対的な金額を、直接かつ自動的に考慮に入れる。購入された商品のいずれにも対応しない商品識別子付き値引きデータセットは、したがって、未使用の値引きデータセットであり、購入トランザクションの後、接続12を経由してプロモーションサーバ24へ送り返される。
【0031】
データ処理システム20は、アプリケーションサーバと呼ばれるサーバ22を備える。このアプリケーションサーバは、携帯電話や同様の移動データ通信デバイスを持ち、かつ、携帯電話または通常はコンピュータを経由してインターネットへアクセスできる顧客の顧客データを記録し、かつ格納する。顧客は、支払いをキャッシュレスで行うこともあるが、現金またはクレジットカードを用いるのでなければ、必要な機能を備える店の販売場所において、携帯電話だけを用いる。顧客の携帯電話によるこのような支払いは、顧客の識別情報を受信するPOSデバイス1によってなされる一方、アプリケーションサーバ22から、セキュリティ保護された無線通信接続15を経由して(例えば、暗号化されたHTTPS)認証データを受信し、さらにこの認証データをPOSデバイス1へ渡す携帯電話9Bによってなされる。ユーザー識別情報およびPOSデバイス1における認証データの中継は、例えば、前述の近距離通信(NFC)を経由して達成することができる。しかし、特定のコードを携帯電話9Aの画面に表示し、POSデバイスのキーパッド5を用いて手入力してもよい。POSデータ処理デバイス2は次に、ユーザー識別情報および認証データを用いて、接続13を経由してペイメントサーバ25と通信し、この通信の結果、決済トランザクションがなされるようにする。携帯電話を用いる支払いの可能性は、本発明の主題ではないため、ここではこれ以上の詳細な記述は控える。
【0032】
既に述べたとおり、アプリケーションサーバ22は、例えば、住所氏名だけでなく銀行口座への接続設定など顧客データを記録し、顧客に内部顧客識別コードを割り当てる。この内部顧客識別コードは、例えば、前述のプロモーションサーバ24において値引きデータセット識別子に割り当てたコードと同一のコードであってもよい。好ましい実施形態において、顧客の銀行接続データは、アプリケーションサーバ22にも、データ処理システム20の他のサーバにも格納しない。その代わりに、銀行接続データは、一意な決済業者顧客番号を割り当ててこれをアプリケーションサーバのオペレーターに返す決済業者に預けられ、アプリケーションサーバ22において、この決済業者顧客番号を、任意に決済業者の識別情報とともに(銀行接続データの代わりに)、内部顧客識別コードに割り当て可能にする。アプリケーションサーバ22が顧客の要求するデータを記録できるように、顧客は、顧客のコンピュータ10からポータルサーバ23への接続16(例えば、同様に、暗号化されたHTTPS)を確立する。ポータルサーバ23は、インターネットへの入力に関わる機能、特に、顧客のコンピュータ10の画面上に表示される定型入力を提供する。これによって顧客は、要求された必要な顧客データを入力する。
【0033】
ポータルサーバ23は次に、顧客データを、接続31を経由して、データベースに顧客データを記録するアプリケーションサーバ22へ中継する。データ処理システム20を保護するために、顧客のコンピュータ10とポータルサーバ23との間の通信接続16は、DMZの内側に、1つまたはそれ以上のファイアウォールを備える。
【0034】
顧客のコンピュータ10と、接続16を経由してポータルサーバ23との間、さらに、接続31を経由してアプリケーションサーバ22との間の通信接続は、顧客データを記録するためだけに用いるのではない。このアクセス手段により、顧客は、顧客のコンピュータ10上において、顧客の携帯電話による購入および決済に関係する様々なデータを閲覧できる。例えば、購入完了後、POSデバイス1のPOSデータ処理デバイス2は、POS領収書(すなわち、POS領収書データ)をペイメントサーバ25へ移し、POS領収書のデータは、接続29を経由してアプリケーションサーバ22へ中継される。ここで顧客は、アプリケーションサーバ22にあるPOS領収書データへのアクセスを提供する対応メニューを呼び出した際に、自身のコンピュータ10上で自身のPOS領収書を見ることができる。このようにして、顧客自身のコンピュータ10上において、どの商品をどの店でいつ購入したかを閲覧できる。
【0035】
さらに、本発明によるPOSシステムにおいて、顧客は、買い物リスト(「買い物伝票」)を、近い将来に購入したい品物(商品)を記録してある顧客のコンピュータ10上でコンパイルすることができる。これらの買い物リストは、例えば、商品名と、場合によっては数量についての詳細との表形式のデータ構造を含む。この場合、顧客の情報は、商品そのものの名称に必ずしも対応しなくてよい。しばしば、顧客は、例えば、「パン」、「10ロール」、「果物」または「歯磨き粉」など意味合いの広い言葉をただ入力する。これらの「買い物リスト」を、内部顧客識別コードと関連付けて、原則として顧客のみがアクセス可能なアプリケーションサーバ22の領域内に格納する。しかし、顧客は、顧客のコンピュータ10上における、買い物リストの入力中または入力後、買い物リストのデータを、第三者が入手可能なものとするかどうか指定できるが、この場合、これを第三者へ提供する際には、「買い物リスト」の商品に関連するデータだけが渡されるのであり、顧客データは渡されることなく、顧客は匿名に保たれることを顧客は把握している。顧客の買い物リストのデータを公開するというこの選択肢を顧客が選んだ場合、買い物リストの商品に関連するデータは、評価プログラムで利用可能となる。例えば、アプリケーションサーバ22でトランザクションするこの評価プログラムは、解析または評価を許可した顧客の買い物リストを解析し、これを元に、第三者(すなわち、値引き提供者 −後述)のアクセスに対して提供される商品識別データを取得する。取得した商品識別データは、例えば、買い物リストに現れる商品名称全てのリストを含んでもよく、これらは、例えば、出現頻度などに応じて並べ替えて表示してもよい。買い物リスト上のどの商品が別のどの商品との組み合わせにおいて頻繁に出現するかを示す、さらなる商品識別データが入手可能である。
【0036】
このような匿名の商品識別データへ興味を持つことが見込まれる対象者は、例えば、値引き提供者であるが、ここで、値引き提供者とは、優待プログラムを提供する任意の組織と理解されるべきである。これらは、自らの製品に対して、その値引きや優待を提供する製造業者であってもよい。これらは、小売業者であってもよいが、複数の小売業者または製造業者と協力する純粋な優待プログラム提供者であってもよい。これら第三者が顧客データを格納するアプリケーションサーバ22へ直接アクセスすることのないように、データ処理システム20は、いわゆるバックオフィスサーバ21と呼ばれる別のサーバを備える。通信接続26を経由して、アプリケーションサーバ22は、バックオフィスサーバ21へ、顧客の商品リストから取得した商品識別データを送信する。これは、例えば、リスト評価であり、商品リスト(すなわち「買い物リスト」)に含まれる商品名称の出現頻度を特定する。値引き提供者のデータ処理デバイス11は次に、通信接続14を経由して、バックオフィスサーバ21へアクセスできる。この目的のために、値引き提供者のデータ処理デバイス11は、いわゆるバックオフィスクライアントを備える。当然、データ処理システム20も、この通信接続14において、ファイアウォール19によって保護されている。
【0037】
図2に、例えば、バックオフィスサーバ21へのアクセス中に、値引き提供者のデータ処理デバイス11の画面上に表示され得るようなスクリーンショットを示す。このスクリーンショットは、左側にメニュー35を含み、メニューポイント「買い物リスト」36がここでは選択してある。メニューポイント「買い物リスト」36を選択すると、テーブル「買い物リストの商品の評価」37が画面右側に現れる。テーブル37は、どのくらいの頻度で、どの商品名称が、顧客の買い物リスト上に現れるかについての評価を含む。第1列38は、頻度情報を含み、第2列39は、商品名称を含む。第1の行においては、商品名称「スパゲッティ」が、合計70542回現れたことを示している。下から2番目の行においては、第1のボックス40に、数字「24525」、第2のボックス41に、名称「リンゴ」と示されている。これは、名称「リンゴ」が合計24525回出現したことを意味する。この情報を値引き提供者が取得可能とすることにより、値引き業者は、例えば的を絞ったクーポンなど、的を絞った販促キャンペーン計画を立てることができる、すなわち、買い物リストに頻繁に現れる、したがって顧客にすぐに高頻度で購入されると思われる製品に対する値引きを提供することができる。
【0038】
データ処理デバイス11とバックオフィスサーバ21との間の通信中に値引き提供者の画面上において生成される別の入力画面(図示せず)では、値引き提供者の従業員は、値引きデータセットからのデータであるクーポンを生成できる。このことは、バックオフィスサーバ21は、通信接続14を経由してデータ処理デバイス11からデータを受信するが、これが、特定の商品の値引き額を指定し、これらの商品は、詳細には、商品リスト(すなわち、顧客の買い物リスト)に含まれる商品であってもよいことを意味する。バックオフィスサーバ21は、これらのデータを処理した後、通信接続28を経由してプロモーションサーバ24へ送信する。プロモーションサーバ24は、前述の値引きデータセットの形でこれを格納する。換言すると、値引き提供者によるそのデータ処理デバイス11上における入力に応じて、バックオフィスサーバ21は、クーポンを生成して、これらをプロモーションサーバ24上へ格納するために送信する。これは、異なる通信接続14を経由してバックオフィスサーバ21へアクセスする多数の値引き提供者に対して、同時に、または逐次遂行される。異なる提供者の値引きデータセットは、当然提供者の識別情報とともに、プロモーションサーバ24に格納する。このようにして、バックオフィスサーバ21を用いて、プロモーションサーバ24上に生成された値引きデータセットは、しかしながら、いかなる顧客とも関連していない。
【0039】
プロモーションサーバ24上の値引きデータセットと顧客との関連付けを提供するために(その結果、顧客が販売場所で支払いをする際にもクーポンを享受できるように)、内部顧客識別コードをプロモーションサーバ24上の値引きデータセット(クーポン)と関連付ける必要がある。これは、接続30を経由するプロモーションサーバ24とアプリケーションサーバ22との間の通信、および、接続15を経由する携帯電話9Bとアプリケーションサーバ22との間のさらなる通信、または接続16、ポータルサーバ23および接続31を経由する顧客のコンピュータ10とアプリケーションサーバ22との間のさらなる通信の結果として達成される。顧客識別コードと、プロモーションサーバ24に格納したクーポンとを関連付けるために、まず、顧客は、顧客の携帯電話9B上に(または、顧客のコンピュータ10上に)、アプリケーションプログラムを呼び出す必要があるが、そこでは、顧客が入手可能なクーポンに関する情報、つまり、プロモーションサーバ上に格納した値引きデータセットに関する情報が表示される。顧客がこのアプリケーションを呼び出すとすぐに、これをアプリケーションサーバ22へ送信する。アプリケーションサーバ22は、その後、通信接続30を経由して、入手可能な値引きデータセットを検索し、そこに含まれる情報を(適切なデータ準備の後)携帯電話9Bの画面上またはコンピュータ10の画面上へ表示する。ある実施形態において、顧客は次に、顧客の欲するクーポンを選択でき、顧客が選択したこの入力は、今度は、アプリケーションサーバ22へ送信される。アプリケーションサーバ22は、その後、プロモーションサーバ24において、内部顧客識別コードが、顧客が選択した好みのクーポンの値引きデータセットへ割り当てられていることを確認する。代替の好ましい実施形態において、顧客は単に、全てのクーポンのリストまたはクーポンの存在に関する情報を検索するだけであり、全ての入手可能なクーポンに関する情報は、携帯電話またはコンピュータ上に表示され、そして顧客識別コードは、顧客が事前にクーポンを選択する必要なしに、プロモーションサーバ24上の全ての入手可能なクーポンまたは値引きデータセットに割り当てられる。
【0040】
あるいは、またはさらに、顧客識別情報をプロモーションサーバ24に格納された値引きデータセット(クーポン)へ割り当てる際には、以下の手順を用いてもよい。顧客が(何処かで)買い物した後、POS領収書およびPOS領収書データは、まず、ペイメントサーバ25において、次に、アプリケーションサーバ22において利用可能とされる。アプリケーションサーバ22は次に、接続30を経由して、プロモーションサーバ24と通信して、(特定の顧客識別コードで識別される)顧客が、特定の商品を購入したことをプロモーションサーバへ通知する。これらの商品のための値引きデータセット(クーポン)がプロモーションサーバ24にあれば、顧客識別コードをこれらの値引きデータセットへ割り当てる。このことは、顧客識別コードの値引きデータセットへの割り当て、すなわち値引きデータセットの有効化は、この値引きデータセット(クーポン)を顧客が閲覧したかどうかによらず、むしろ、対応する商品を過去に購入したかどうかによるということを意味している。顧客は次に、例えば、SMSを経由して、新しいクーポンが該顧客にとって利用可能であるというメッセージを受信する。そこで顧客は、顧客のコンピュータの画面上または顧客の携帯電話の画面上において、これらを見ることができる。例えば、SMSによって送信されたこのメッセージは、例えば次のようなメッセージと関連付けてもよい:「(小売業者名)にてお買い上げいただき誠にありがとうございます。感謝の意を表し、お客様限定の新しいクーポンをご利用いただけるようにしておりますので、当方のクーポンマネージャーで詳しい情報をご確認ください。」
【0041】
プロモーションサーバ24におけるクーポンの提供や有効化は、顧客が、特定の商品の購入履歴およびクーポンの閲覧履歴に関する条件を、これまでの累積によって満たしたかどうかに基づいて行ってもよい。加えて、プロモーションサーバ24のクーポンを有効化し得る、すなわち、顧客識別コードの割り当てのためのトランザクション依存条件は、他にも多数あってよい。
【0042】
プロモーションサーバ24上において値引きデータセットまたはクーポンが有効化されると、すなわち顧客識別コードが値引きデータセットまたはクーポンに割り当てられると、顧客はこれらのクーポンを次回の購入の際に使用できる。顧客が支払いのために販売場所へ来て、顧客の顧客識別コードをPOSデバイス1に送信した場合、POSデバイス1のデータ処理デバイス2は、これらから顧客に割り当てられたクーポン全てを検索するために、接続12を経由してプロモーションサーバ24と通信する。この目的のため、データ処理デバイス2は、受信した外部顧客識別コードをPOSデバイス1へ移す。プロモーションサーバ24は、この外部コードを受信して、これから(POSデバイス1は知ることができない)内部顧客識別コードを計算する。プロモーションサーバ24は次に、どのクーポンがこの顧客識別コードに割り当てられているのかを確認する。その後、クーポンをデータ処理デバイス2へ送信する。データ処理デバイス2は次に、値引きデータセットの商品識別子と、(例えば、ちょうどバーコードをスキャンした直後の)購入された品物の商品識別情報とを比較する。クーポンが用意されている商品が見つかり次第、支払額の計算の際に、関連する値引き額を考慮に入れる。購入された商品のどれにも対応しない商品識別子付クーポンは、未使用に保たれて、プロモーションサーバ24へ送り返される(実際には、当然、クーポンが使用済みか未使用かに関する情報だけが送られて、それに応じて、プロモーションサーバ24がそのデータベースを更新できる)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)外部顧客識別コードおよび少なくとも1つの商品の商品識別情報を記録するための販売時点データ処理デバイス(2)と入力デバイス(3)とを備え、前記販売時点データ処理デバイス(2)は、記録した少なくとも1つの前記商品識別情報に応じて支払額を計算する、少なくとも1つの小売業者の販売時点デバイス(1)と、
b)前記販売時点データ処理デバイス(2)とデータ転送ネットワーク(12)を経由して連結されたデータ処理システム(20)であって、前記販売時点データ処理デバイス(2)が記録した外部顧客識別コードを受信し、受信した前記顧客識別コードを用いて値引きデータセットを決定して、前記値引きデータセットのそれぞれが商品識別子と関連付けされた商品の値引き額を識別し、これらの値引きデータセットを前記販売時点データ処理デバイス(2)へ送り返して、前記販売時点データ処理デバイス(2)が、前記支払額の計算の際に、受信した前記値引きデータセットを考慮に入れることができるデータ処理システム(20)と、
を備える小売り用の販売時点システムであって、
前記データ処理システム(20)は、
b.1)第1のサーバデバイス(24)であって、
b.1.1)1つまたはそれ以上の第1の内部顧客識別コードへそれぞれ関連付け可能な値引きデータセット識別子を含む値引きデータセットを格納し、
ここで前記第1の内部顧客識別コードは、前記外部顧客識別コードと同じであるか、またはこれに基づいて一意に算定可能であり、
b.1.2)記録した前記外部顧客識別コードを、前記データ転送ネットワーク(12)を経由して受信し、
b.1.3)受信した前記外部顧客識別コードを用いて、関連する前記第1の内部顧客識別コードおよび関連する値引きデータセットを決定し、
b.1.4)前記値引きデータセットを前記販売時点データ処理デバイス(2)へ送り返す、
第1のサーバデバイス(24)と、
b.2)前記第1のサーバデバイス(24)と連結された第2のサーバデバイス(21、22)であって、
b.2.1)前記顧客の望む前記商品を識別する、前記顧客に関連付けされた商品リストを含む顧客データを記録し、第2の内部顧客識別コードを前記顧客データに割り当て、
b.2.2)前記商品リストから商品識別データを取得して、値引き提供者のデータ処理デバイス(11)によるアクセスのために利用できるようにし、その際、前記顧客データおよび前記第2の内部顧客識別コードへの前記値引き提供者のアクセスを禁止し、
b.2.3)前記商品リストに含まれる商品に対応する、少なくとも1つの商品の値引き額を指定するデータを前記値引き提供者から受信し、
b.2.4)前記値引き対象商品を識別するデータに関連付けされた、前記値引き額を指定する前記データを、前記第1のサーバデバイス(24)へ送信し、前記第1のサーバデバイス(24)は前記データを値引きデータセットとして格納し、
b.2.5)前記第1のサーバデバイス(24)へ格納された前記値引きデータセットを、第1の内部顧客識別コードと関連付けて、前記第2のサーバデバイス(21、22)は、前記第2の内部顧客識別コードから前記第1の内部顧客識別コードを取得する、
第2のサーバデバイス(21、22)と、を備え、
前記第1のサーバデバイス(24)へアクセスできるのは、前記第2のサーバデバイス(21、22)および前記販売時点データ処理デバイス(2)に限られる、小売り用の販売時点システム。
【請求項2】
関連する小売業者の識別子を前記値引きデータセットへさらに関連付けることを特徴とし、前記第1のサーバデバイス(24)は、前記販売時点データ処理デバイス(2)から、前記外部顧客識別コードに加え、前記小売業者の識別子も受信し、前記販売時点データ処理デバイス(2)へ送り返す前記値引きデータセットについても、受信した前記小売業者の前記識別子を用いて決定し、
前記第2のサーバデバイス(21、22)は、前記値引き額を指定する前記データに加え、関連する小売業者を指定するデータを、前記値引き提供者からさらに受信し、前記関連する小売業者を識別するデータにも関連付けされた、値引き額を指定する前記データを前記第1のサーバデバイス(24)へ送信する、請求項1に記載の販売時点システム。
【請求項3】
前記第1の内部顧客識別コードは前記第2の内部顧客識別コードと同一であり、また、前記内部顧客識別コードは前記外部顧客識別コードに基づいて一意に算定可能なことを特徴とする、請求項1または2に記載の販売時点システム。
【請求項4】
前記外部顧客識別コードは、前記内部顧客識別コードを暗号化して取得されることを特徴とする、請求項3に記載の販売時点システム。
【請求項5】
前記第1のサーバデバイス(24)は、前記販売時点データ処理デバイス(2)から、記録した商品識別情報を受信することなく、関連する前記商品識別子とは独立に、受信した前記外部顧客識別コードを用いて全ての関連する前記値引きデータセットを決定し、これらのデータセットを前記販売時点データ処理デバイス(2)へ送り返すことを特徴とする、請求項1から4のうちいずれか一項に記載の販売時点システム。
【請求項6】
b.2.5)に記載の前記第2のサーバデバイス(21、22)は、第1の内部顧客識別コードを前記第1のサーバデバイス(24)に格納した前記値引きデータセットに関連付け、これにより、前記第2のサーバデバイス(21、22)が前記値引きデータセットを検索し、そこに含まれる情報を顧客が検索用に利用できるようにすることで、前記顧客は、前記第2のサーバデバイス(21、22)へ繋がるデータ通信デバイス(9B)上においてこの情報を閲覧することができるようにし、前記顧客による前記情報の前記検索に応じて、前記第1または第2の内部顧客識別コードを前記第1のサーバデバイス(24)へ送信し、これをきっかけに第1の内部顧客識別コードを前記値引きデータセットへ割り当てることを特徴とする、請求項1から5のうちいずれか一項に記載の販売時点システム。
【請求項7】
前記データ処理システム(20)は第3のサーバデバイス(25)を備えることを特徴とし、
前記第3のサーバデバイス(25)は、前記販売時点データ処理デバイス(2)から、購入された商品および購入時支払額を識別する前記外部顧客識別コードおよび販売時点領収書データを受信して、前記顧客識別コードに関連付けされた前記販売時点領収書データを前記第2のサーバデバイス(21、22)へ渡す、請求項1から5のうちいずれか一項に記載の販売時点システム。
【請求項8】
b.2.5)に記載の前記第2のサーバデバイス(21、22)は、第1の内部顧客識別コードを、前記第1のサーバデバイス(24)に格納された値引きデータセットに関連付けることを特徴とし、
前記第2のサーバデバイス(21、22)が前記第3のサーバデバイス(25)から受信した前記販売時点領収書データの前記購入された商品を識別する前記データと、前記第1のサーバデバイス(24)の値引きデータセットの前記商品識別子とを比較し、識別した前記商品が一致したならば、前記値引きデータセットを検索し、そこに含まれる前記情報を顧客が検索用に利用できるようにし、これによって前記顧客は、前記第2のサーバデバイス(21、22)と連結されたデータ通信デバイス(9B)上において前記値引きデータセットの前記内容を閲覧し、希望する前記値引きデータセットを選択でき、前記顧客が選択した前記値引きデータセットの値引きデータセット識別子を、前記第1または第2の内部顧客識別コードとともに前記第1のサーバデバイス(24)へ送信し、これをきっかけに前記第2のサーバデバイス(21、22)は、第1の内部顧客識別コードを、対応する前記値引きデータセットへ関連付ける、請求項7に記載の販売時点システム。
【請求項9】
前記第1のサーバデバイス(21、22)および前記第2のサーバデバイス(21、22)は、アクセス保護下にあるコンピュータネットワーク(DMZ)の内側に配置され、前記値引き提供者の前記データ処理デバイス(11)は、前記アクセス保護下にあるコンピュータネットワークの外側に配置されることを特徴とする、請求項1から8のうちいずれか一項に記載の販売時点システム。
【請求項10】
前記外部顧客識別コードを記録する前記入力デバイス(3)は、前記顧客の移動通信デバイス(9A)において生成された前記外部顧客識別コードを表すバーコードを読み取るスキャナを備えることを特徴とする、請求項1から9のうちいずれか一項に記載の販売時点システム。
【請求項11】
前記スキャナは、前記外部顧客識別コードの記録、および前記商品識別情報の記録に用いられることを特徴とする、請求項10に記載の販売時点システム。
【請求項12】
前記外部顧客識別コードを記録する前記入力デバイス(3)は、前記外部顧客識別コードを格納する前記顧客の移動通信デバイス(9A)との近距離通信(NFC)(8)を実施するNFC通信デバイスを備えることを特徴とする、請求項1から11のうちいずれか一項に記載の販売時点システム。
【請求項13】
前記第2のサーバデバイス(21、22)は、前記顧客のデータ処理デバイス(10)へデータ通信ネットワーク(19)を経由して接続されて顧客データを受信し、
前記顧客データは、前記顧客が望む商品を識別するデータを含むことを特徴とする、請求項1から12のうちいずれか一項に記載の販売時点システム。
【請求項14】
前記第2のサーバデバイス(21、22)は、前記顧客の移動通信デバイス(9B)へデータ通信ネットワーク(15)を経由して接続され、前記顧客が望む商品を識別するデータを送受信し、前記顧客が望む商品が前記第2のサーバデバイス(21、22)に格納された前記商品リストと一致することを識別し、ここで前記データは、格納された前記データのままで交換してもよいし、前記移動通信デバイス(9B)で表示してもよいことを特徴とする、請求項13に記載の販売時点システム。
【請求項15】
前記第2のサーバデバイス(21、22)は、前記顧客が、前記商品リストデータを前記値引き提供者へ中継するのを許可したか遮断したかを示す識別子を記録し、
第2のサーバデバイス(21、22)は、前記識別子がこれを許可した場合のみ、前記値引き提供者のデータ処理デバイス(11)によるアクセスに対して、前記商品リストから取得した商品識別データを提供することを特徴とする、請求項1から14のうちいずれか一項に記載の販売時点システム。
【請求項16】
前記第2のサーバデバイス(21、22)は、少なくとも2つのサーバを備え、
前記第2のサーバデバイス(21、22)の第1のサーバ(22)は、前記顧客データを前記商品リストとともに記録して、前記第2の内部顧客識別コードを割り当て(b.2.1)、第一の内部顧客識別コードを前記第1のサーバデバイス(24)に格納した前記値引きデータセットへ関連付け(b.2.5)、
前記第2のサーバデバイスの第2のサーバ(21)は、前記値引き提供者のアクセスに対して、前記商品識別データを提供し(b.2.2)、前記値引き提供者から値引き額を指定するデータを受信し(b.2.3)、値引き額を指定するこれらのデータを前記第1のサーバデバイス(24)へ送信する(b.2.4)ことを特徴とする、請求項1から15のうちいずれか一項に記載の販売時点システム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−519142(P2013−519142A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551588(P2012−551588)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051315
【国際公開番号】WO2011/095456
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(512203470)バリューフォン・ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】