説明

顧客対応支援装置

【課題】電話証券取引における顧客対応業務を効率化する。
【解決手段】顧客対応支援装置は、コールセンターにおける顧客対応業務を支援するための装置である。この装置は、オペレータが実行すべき業務手順として、複数種類の手続きの実行順序を示す順序情報と、各手続きの内容を示すオペレーション情報を保持し、順序情報にしたがって、顧客対応中のオペレータに各手続きのオペレーション情報を示す。オペレータが権限委譲を指示すると、顧客対応を引継ぐべきオペレータが選択され、以降の手続きのオペレーション情報は、引き継ぎ先のオペレータに示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コールセンターにおけるオペレータの顧客対応業務を支援するための技術、に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータの普及とネットワーク技術の進展にともない、ネットワークを介した電子情報の交換が盛んになっている。一例として、インターネットを介した証券取引(以下、「インターネット証券取引」とよぶ)を挙げることができる。通常、インターネット証券取引は無人取引であり、ウェブブラウザがインストールされたウェブ表示端末さえあれば、いつでもどこでも実行可能である。
【0003】
その一方、電話を介した昔ながらの証券取引(以下、「電話証券取引」とよぶ)も根強い人気がある。電話証券取引は、顧客とオペレータの会話をベースとして実行される有人取引である。このため、インターネット証券取引よりもきめ細かな顧客対応が可能である。インターネット証券取引が一般化しても、電話証券取引は依然として必要とされている。
【特許文献1】特開2005−70819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電話証券取引の前提条件は、顧客がオペレータから迅速・確実・的確なサービスを受けられることである。このため、オペレータには、顧客の多様な要望に当意即妙に応える知識・経験が求められる。しかし、1人のオペレータにより、顧客のあらゆる要望に対応するのは困難な場合も多い。
【0005】
本発明は、上記課題に基づいて完成された発明であり、その主たる目的は、コールセンターにおけるオペレータの顧客対応業務を効率化することにより、コールセンターのサービス品質を担保・向上させるための技術、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、コールセンターにおける顧客対応業務を支援するための顧客対応支援装置に関する。
この装置は、オペレータが実行すべき業務手順として、複数種類の手続きの実行順序を示す順序情報と、各手続きの内容を示すオペレーション情報を保持し、順序情報にしたがって、顧客対応中のオペレータに各手続きのオペレーション情報を示す。オペレータが権限委譲を指示すると、顧客対応を引継ぐべきオペレータが選択され、以降の手続きのオペレーション情報は、引き継ぎ先のオペレータに示される。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明を方法、システム、記録媒体、コンピュータプログラムにより表現したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コールセンターにおけるオペレータの顧客対応業務をいっそう効率化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、コールセンター300と顧客との関係を示すハードウェア構成図である。
コールセンター300は、地理的に分散された複数のコールセンターの集合として構成されてもよい。ここでは、証券会社において電話証券取引に対応するコールセンターを例として説明する。
【0010】
コールセンター300には、オペレータごとにオペレータ端末200a、200b、200c(以下、単に「オペレータ端末200」とよぶ)が設置される。各オペレータ端末200は、一般的なウェブ端末である。オペレータ端末200は、更に、IP(Internet Protocol)電話機能を備える。電話機能自体は既知技術の応用により実現されればよい。顧客電話206a、206b、206c(以下、単に「顧客電話206」とよぶ)もIP電話である。顧客は、インターネット204に接続される顧客電話206を介して、オペレータ端末200にコール(発呼)する。顧客とオペレータは、顧客電話206のIP電話機能とオペレータ端末200のIP電話機能により、音声により会話する。
【0011】
オペレータは、オペレータ端末200にて、顧客電話206からのコールを受け付け、顧客からの注文を代理実行する。以下、顧客からのコールを受け付け、顧客からの注文に対応し、電話を終了するまでの一連の業務を「顧客対応業務」とよぶ。
【0012】
オペレータ端末200は、LAN(Local Area Network)208を介して業務システム210が接続される。業務システム210は、株式等の発注や決済を処理するためのシステムである。オペレータは、顧客との会話から顧客の注文内容を確認し、オペレータ端末200を介して業務システム210にアクセスして、顧客の注文を発注することにより、顧客対応業務が実現される。
【0013】
コールセンター300においては、顧客対応支援装置100も、オペレータ端末200とLAN(Local Area Network)208を介して接続される。顧客対応支援装置100は、顧客対応業務における業務手順をオペレータに示すために、オペレータ端末200にワークフロー画面を表示させる。顧客対応支援装置100は、ウェブページとしてワークフロー画面を表示させる。各オペレータは、ワークフロー画面に示される業務手順にしたがって顧客対応業務を行う。
【0014】
ただし、顧客の要望はさまざまである。オペレータとの会話中に顧客心理が変化していくことも多く、オペレータは顧客の意思を的確に把握しなければならない。電話証券取引における顧客対応業務の業務手順は、通常、確定的に定義できるものではない。たとえば、株式の売却を指示する顧客についての業務手順と債券の購入を指示する顧客についての業務手順は異なる。口座管理料が未払いとなっている顧客に対しては、口座管理料を請求すべきであるが、口座管理料を支払っている顧客に対しては、このような手続きは不要である。一方、「本人確認」という手続きは、どのような顧客であっても実行すべき必須の手続きである。顧客対応支援装置100は、後述する方法にて、顧客の属性や顧客の注文内容に応じた最適な業務手順を各オペレータ端末200に示す。
【0015】
また、1人のオペレータにて顧客の要望の全てに対応できるとは限らない。たとえば、オペレータAは顧客対応業務の経験が浅く、オペレータBは顧客対応業務の経験が長いとする。この場合、オペレータBであれば顧客の要望の全てに対応できるかもしれないが、オペレータAの場合には、一部の手続きについては上手く対応できないかもしれない。更に、一部の取引については、オペレータBのような経験豊かなオペレータでなければ執行できないという運用ルールを設ける必要があるかもしれない。
【0016】
仮に、業務習熟度に応じて、オペレータをランク1、ランク2、・・のようにランク分けするとする。証券会社は、手続き執行ミスによる損害を抑制するため、100万円未満の小口取引であればランク1のオペレータ(以下、「オペレータ(R1)」のように表記する)でも対応可能であるが、100万円以上の大口取引はランク2以上のオペレータでなければ対応できないという運用ルールを設定すると仮定する。オペレータ(R1)が、顧客対応業務中において、顧客から100万円以上の取引を指示された場合、顧客の要望に応えるためには、別のオペレータ(R2)に業務を引き継いでもらう必要がある。更に、このような引き継ぎは、顧客から見てスムーズになされることが望ましい。顧客対応支援装置100は、後述する方法にて、顧客対応業務を実行するオペレータ(以下、「実行オペレータ」とよぶ)を切り換えつつ、顧客からのさまざまな要望にシームレスに対応するための制御を行う。
【0017】
図2は、ワークフロー画面220の画面図である。
ワークフロー画面220は、顧客対応支援装置100によって提供されるウェブページとして、オペレータ端末200に表示される。
【0018】
顧客情報領域222は、顧客に関する情報を示す。オペレータは、オペレータ端末200にて顧客からの電話を受け付けると、顧客IDを入力する。オペレータ端末200は、顧客IDを顧客対応支援装置100に送信する。顧客対応支援装置100は、顧客IDと対応づけて顧客に関するさまざまな情報を保持している。顧客対応支援装置100は、受信した顧客IDに対応づけられている顧客情報を顧客情報領域222に表示させる。同図に示す顧客情報領域222によれば、このワークフロー画面220は、「顧客ID:00010390」の「野々村太郎(46歳・男)」という顧客についての顧客対応業務において表示される画面であることがわかる。
なお、発話元のIPアドレスにより、オペレータ端末200が顧客IDを自動的に特定してもよい。あるいは、発話番号により顧客IDを自動的に特定してもよい。
【0019】
フロー表示領域224には、顧客対応業務における業務手順を示す。業務手順は、複数の「手続き」の連結により示される。ここでいう「手続き」とは、たとえば、「国内株の売却」、「日本国債の購入」、「住所変更」といったあらかじめ定義されたさまざまな顧客対応項目である。どのような手続きをどのような順序で実行すべきかは、「順序情報」として設定されている。順序情報により業務手順が定義されることになる。オペレータは、電話応対中において適宜発生する顧客の注文に応じて、さまざまな手続きを順序情報に追加登録できる。すなわち、会話中に発生した顧客の要望を業務手順の一部として取り込むことができる。たとえば、会話の最中に、顧客が「国内株も買いたい」という要求をしてきたときには、オペレータは、順序情報に「国内株の購入」という手続きを追加登録する。また、顧客が「後で投資信託も買いたい」という要求をしてきたときには、更に、「投資信託の購入」という手続きを順序情報に追加登録する。フロー表示領域224には、業務手順として登録されている各手続きが実行順に並べて表示される。
【0020】
同図の場合、「国内株の購入」という顧客の注文に対応した後、「国内株を売却」、「顧客の指定口座への出金」という手続きを順次行うべきことが示されている。同図によれば、「国内株の購入」という手続きについて対応中である。なお、注文の対象となる銘柄まで業務手順として指定できてもよい。たとえば、「国内株(A銘柄)の購入」、「投資信託Bの購入」といった手続きとして業務手順に登録できてもよい。
【0021】
図2において対応中の「国内株の購入」という手続きには、更に、「選択」、「入力」、「確認」、「結果」という4つの手続き(以下、「サブ手続き」とよぶ)が含まれる。「選択」は対象銘柄と取引数量を顧客に確認するサブ手続き、「入力」は業務システム210に発注するためのデータ入力をするサブ手続き、「確認」は入力内容を顧客に再確認して発注するサブ手続き、「結果」は注文の成否を顧客に伝えるサブ手続きである。「国内株の購入」という手続きが業務手順に登録されるときには、このようなあらかじめ定義されたサブ手続きも併せて登録される。このため、「国内株の購入」を指示されたときに、たとえば、サブ手続き「確認」だけを怠ってしまうという人為的ミスを防ぎやすくなっている。
【0022】
前ボタン226と後ボタン228は、フロー表示領域224において表示対象となる手続きを変更するためのボタンである。前ボタン226と後ボタン228のクリックにより、オペレータは業務手順全体を確認できる。
【0023】
オペレーション情報表示領域232には、対応中の手続きの内容が表示される。同図においては、「国内株の購入>確認」という手続きのための情報が表示されている。オペレータは、手続き「国内株の購入>確認」について顧客対応が完了したときには完了ボタン238をクリックする。完了ボタン238をクリックすると、次の手続きの情報が表示される。同図の場合、完了ボタン238がクリックされると「国内株の売却」という手続きの最初のサブ手続き(図示せず)である「選択」についての情報が表示されることになる。したがって、オペレータは、オペレーション情報表示領域232に表示される内容にしたがって顧客対応しながら、順次完了ボタン238をクリックしていくことにより業務手順全体を漏れなく確実に進めていくことができる。
【0024】
前遷移ボタン236をクリックすると、一つ前の手順として設定されている手続きの情報が表示される。同図の場合、前遷移ボタン236がクリックされると「国内株の購入>確認」が表示されることになる。次遷移ボタン240をクリックすると、次の手続きとして設定されている手続きの情報が表示される。同図の場合、次遷移ボタン240がクリックされると「国内株の売却>選択」についての情報が表示されることになる。ただし、次遷移ボタン240をクリックして、次の手続きが表示されたとしても、現在の手続き「国内株の購入>確認」が完了したことにはならない。
【0025】
手続き一覧領域230は、業務手順の一部として登録可能な手続きを一覧表示する領域である。各手続きはカテゴリ分類されている。たとえば、「口座管理」というカテゴリをクリックすると、関連する「取引履歴」、「ポートフォリオ」、「株式手数料」といった手続きが一覧表示される。
【0026】
手続き制御領域234は、業務手順を動的に変更するための入力領域である。手続き一覧領域230からいずれかの手続きを選択し、追加ボタン242をクリックすると、選択された手続きが業務手順の一部として順序情報に追加登録される。たとえば、電話応対中に、顧客が「後で株式手数料について教えて欲しい」と要求してきたとき、オペレータは手続き一覧領域230から「株式手数料」という手続きを選択して、追加ボタン242をクリックする。このとき、順序情報に手続き「株式手数料」が追加登録される。フロー表示領域224に表示される業務手順の内容も、追加登録に対応して更新される。
【0027】
フロー表示領域224からいずれか未処理の手続きを選択して、キャンセルボタン244をクリックすると、選択された手続きが業務手順から外される。すなわち、順序情報から登録抹消される。たとえば、顧客が「国内株を買いたい」と指示したものの、実際に国内株を注文する前に、国内株購入を取りやめるよう再指示してきたとき、オペレータは「国内株の購入」という手続きを選択して、キャンセルボタン244をクリックする。このとき、順序情報から手続き「国内株の購入」は登録抹消される。
【0028】
オペレータは、順序情報にしたがってオペレーション情報表示領域232に示される手続き内容に応じて顧客対応しつつも、さまざまな顧客からの要求を業務手順として適宜反映させることができる。
【0029】
手続き制御領域234には、更に、委譲ボタン246が設定される。実行オペレータは、オペレーション情報表示領域232に示される手続きの執行方法がわからないときや執行権限が与えられていないときに、委譲ボタン246をクリックする。すると、別のオペレータに顧客対応業務が引き継がれる。以下、委譲ボタン246をクリックして顧客対応業務を委譲するオペレータのことを「委譲オペレータ」、委譲オペレータから、顧客対応業務を引き継ぐオペレータのことを「引継オペレータ」とよぶ。
【0030】
本実施例においては、委譲ボタン246がクリックされると、顧客対応支援装置100は、オペレーション情報表示領域232に示される対応中の手続きに対応づけられているオペレータを引継オペレータとして選択する。たとえば、対応中の手続きを実行できるのはオペレータ(R2)であるとすれば、顧客対応支援装置100はオペレータ(R2)の中から引継オペレータを選択する。
変形例として、顧客対応支援装置100は、空いているオペレータの中からランダムに引継オペレータを選択してもよいし、オペレータ間の作業負荷が平準化されるように引継オペレータを選択してもよい。あるいは、委譲ボタン246のクリック時において、委譲オペレータが引継オペレータをオペレータIDにより明示指定してもよい。
【0031】
委譲時において、委譲がなされるまでの経緯を示す経過情報が、引継オペレータのオペレータ端末200に送信される。ここでいう経過情報とは、たとえば、顧客が発注した取引注文の約定金額や約定日時といった取引注文内容を示す情報である。実行オペレータは、顧客対応中において、図示しないメモ帳インタフェースを介して、顧客対応業務に関わるさまざまな情報を自由にテキスト入力できる。たとえば、顧客から聞いた要望や質問、あるいは、実行オペレータにより感じ取られた顧客の心理状態等の非定型的な情報が入力されてもよい。こうして入力されたテキスト情報が、経過情報として引継オペレータに送信される。引継オペレータは、委譲オペレータの顧客対応業務を引き継いだときに、委譲がなされるまでの経緯を画面上にて確認できる。
【0032】
図3は、顧客対応支援装置100の機能ブロック図である。
ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
ここでは、各部の機能を中心として説明し、それらの連携、データ構造、作用については、図4以降に関連して詳述する。
【0033】
顧客対応支援装置100は、ユーザインタフェース処理部110、データ処理部120通話制御部154およびデータ保持部124を含む。
ユーザインタフェース処理部110は、オペレータとのユーザインタフェース処理を担当する。ユーザインタフェース処理部110は、オペレータ端末200にワークフロー画面220を表示させる。通話制御部140は、顧客とオペレータの通話を中継する。データ処理部120は、ユーザインタフェース処理部110やデータ保持部124から取得されたデータを元にして各種のデータ処理を実行する。データ処理部120は、ユーザインタフェース処理部110と、通話制御部154、データ保持部124との間のインタフェースの役割も果たす。データ保持部124は、各種データを保持するための記憶領域である。
【0034】
ユーザインタフェース処理部110:
ユーザインタフェース処理部110は、オペレーション表示部112、経過受信部132、経過送信部134および指示検出部114を含む。オペレーション表示部112は、各オペレータ端末200に対してウェブページを送信することにより、オペレータ端末200にワークフロー画面220を表示させる。これにより、オペレーション表示部112は、業務手順や実行すべき手続きの内容をオペレータに示す。
【0035】
経過受信部132は、委譲オペレータのオペレータ端末200から経過情報を受信する。経過送信部134は、経過情報を引継オペレータのオペレータ端末200に送信する。
【0036】
指示検出部114は、ワークフロー画面220に対するオペレータの各種指示を受信する。指示検出部114は、追加検出部116、削除検出部118、完了検出部136および委譲検出部138を含む。追加検出部116は、追加ボタン242がクリックされたとき、オペレータ端末200から追加対象となる手続き(以下、単に「追加手続き」とよぶ)を指定する「追加コマンド」を受信する。削除検出部118は、キャンセルボタン244がクリックされたとき、オペレータ端末200から削除対象となる手続き(以下、単に「削除手続き」とよぶ)を指定する「削除コマンド」を受信する。完了検出部136は、完了ボタン238がクリックされたとき、オペレータ端末200から対応中の手続きが完了したことを示す「完了コマンド」を受信する。委譲検出部138は、委譲ボタン246がクリックされたとき、オペレータの交代要求を示す「委譲コマンド」を受信する。指示検出部114は、このほかにも、ワークフロー画面220へのオペレータのさまざまな入力に対応した各種コマンドを受信する。
【0037】
データ処理部120:
データ処理部120は、オペレータ特定部150、順序制御部122および手続選択部160を含む。オペレータ特定部150は、委譲コマンドが受信されたとき、複数のオペレータの中から、引継オペレータを所定規則に基づいて選択する。オペレータ特定部150は、ランダムに引継オペレータを選択してもよいし、所定の選択順序にしたがって選択してもよい。あるいは、委譲オペレータにより指定されたオペレータをそのまま引継オペレータとして特定してもよい。本実施例においては、オペレータ特定部150は、委譲ボタン246のクリック時にオペレーション情報表示領域232に示されている手続きに応じて引継オペレータを選択する。順序制御部122は、順序情報の生成・変更を実行する。また、順序情報に登録されている各手続きの実行状態も管理する。完了コマンドが受信されると、手続きの実行状態は未了から完了状態に変更される。順序情報に登録されている全ての手続きが完了すると、顧客対応業務も完了となる。
手続選択部160は、完了コマンドが検出されるとき、順序情報にしたがって、次に実行対象となる手続きを選択する。
【0038】
データ保持部124:
データ保持部124は、順序情報保持部126、オペレーション情報保持部128、顧客属性保持部130および経過情報保持部156を含む。順序情報保持部126は、顧客対応業務ごとに実行すべき手続きとその実行順序を示す順序情報を保持する。オペレーション情報保持部128は、各手続きの内容や属性条件(後述)を示すオペレーション情報を保持する。オペレーション情報保持部128のデータ構造については次の図4にて詳述する。顧客属性保持部130は、顧客の属性を示す顧客属性情報を保持する。顧客属性とは、たとえば、年齢や性別などの身体に関する属性、世帯構成や居住地、趣味などの生活に関する属性、年収や職種などの社会的地位に関する属性等、顧客に特有の情報であればよい。また、顧客の保有株式や預金残高等の資産情報を顧客属性として利用してもよい。経過情報保持部156は、経過受信部132により受信された経過情報を保持する。
【0039】
図4は、オペレーション情報保持部128のデータ構造図である。
手続き欄140は、各手続きの名前を示す。手続き欄140に示される手続きは、手続き一覧領域230に一覧表示される。実行優先度欄142は、各手続きの実行優先度を示す。実行優先度が高く設定される手続きほど、順序情報においては前の方に設定されることになる。本実施例においては、Aが最も高く、B、C、D、Eの順に実行優先度が高いことを示す。実行優先度AやBの手続きは、業務手順の始めに実行されるべき手続きであり、実行優先度DやEの手続きは、業務手順の終わりに実行されるべき手続きである。具体的な処理方法については図5(a)、図5(b)、図5(c)に関連して後述する。属性条件欄144は、各手続きが順序情報に追加されるための条件として、顧客属性に関わる「属性条件」を示す。属性条件が成立するとき、対応する手続きは自動的に業務手順の一部として順序情報に登録される。
【0040】
同図によれば、手続き「Aファンドを推奨」は、顧客の資産が2000万円以上であるか、MRF(Money Reserve Fund)が500万円以上であるとき、属性条件成立となる。すなわち、資産的にある程度の余裕のある顧客に対しては、Aファンドを勧めてみるという手続きが自動的に業務手順として登録されることになる。いいかえれば、Aファンドの売り込むべき対象顧客については、業務手順の一部として「Aファンドの推奨」という手続きが実行されるように運用ルールを定めることができる。一方、手続き「住所変更」は、顧客から依頼されたときだけ実行すべき手続きであるため、特に属性条件は指定されていない。
【0041】
手続き「口座管理料請求」は、2ヶ月以上口座管理料が未納となっていることを条件として自動的に順序情報に追加される手続きである。順序制御部122は、対応中の顧客の属性情報を参照して、この顧客が2ヶ月以上口座管理料を未納の状態であるかを判定する。未納であれば、属性条件が成立し、「口座管理料請求」という手続きを自動的に順序情報に登録する。また、電話対応開始時にいきなり口座管理料請求のような顧客にとって望ましくない話を持ち出すことは、適切な対応とはいえない。そこで、手続き「口座管理料請求」の実行優先度は比較的低い「D」が設定されている。このような設定により、一連の業務対応の最終段階にて手続き「口座管理料請求」が実行されるように、業務手順を標準化できる。一方、「本人確認」手続きは、顧客から電話を受けたときに最初に実行すべき手続きであるため、実行優先度は最高の「A」が設定される。
顧客の属性に応じて、実行すべき、あるいは、実行するのに最適な手続きを自動的に顧客対応業務に組み込ませることができる。また、手続きの内容に応じて、実行すべきタイミングについても制御できる。
【0042】
ある手続きについては、別の手続きを関連づけておいてもよい。たとえば、「氏名変更」手続きには、「住所変更の有無の確認」といった別の手続きを関連づけてもよい。以下、関連づけられる側の手続きを「元手続き」、元手続きに関連づけられる側の手続きを「関連手続き」とよぶ。上記例の場合、元手続きは「氏名変更」であり、関連手続きは「住所変更の有無の確認」という手続きである。このような手続きの関連づけによれば、顧客が氏名の変更を伝えてきたときには、住所変更が発生していないかを確認しなければならないというルールを自動的に業務手順として取り込むことができる。なお、オペレーション情報保持部128は、このほかにも、ワークフロー画面220を形成するウェブページのデータも保持している。
【0043】
本実施例においては、各手続きには、更に、オペレータ、または、オペレータのランクが対応づけられる。たとえば、「Aファンドを推奨」という手続きはランク3以上、「保証金要求」という手続きはランク2以上、「住所変更」という手続きはランク1以上として対応づけられてもよい。そして、オペレータ(R1)による顧客対応業務において、「保証金要求」手続きに至ると、このオペレータ(R1)は自らの権限では対応できないため、委譲ボタン246をクリックする。オペレータ端末200は、委譲コマンドと対応中の手続きを示す情報を顧客対応支援装置100に送信する。顧客対応支援装置100のオペレータ特定部150は、オペレータ(R2)の中から引継オペレータを選択する。オペレーション表示部112は、選択された引継オペレータのオペレータ端末200にワークフロー画面220を表示させる。
【0044】
更に、このオペレータ(R2)による顧客対応業務において、「Aファンドの推奨」手続きに至ると、このオペレータ(R2)は自らの権限では対応できないため、委譲ボタン246をクリックする。オペレータ特定部150は、オペレータ(R3)の中から引継オペレータを選択する。
【0045】
このような処理方法によれば、ランク低位のオペレータの顧客対応業務中に、必要に応じて、いつでもランク高位のオペレータに顧客対応業務を途中からスムーズに委譲できる。
【0046】
なお、手続きに対して、ランクではなく、オペレータを一意に割り当ててもよい。たとえば、「Aファンドを推奨」手続きを専門で行うオペレータCを任命しておくとする。この場合、「Aファンドを推奨」手続きの対応中において、委譲ボタン246がクリックされると、オペレータCが引継オペレータとして選択される。手続きに応じた専門化により、顧客対応業務におけるサービスの質をいっそう向上させることができる。
【0047】
図5(a)から図5(c)は、業務手順の動的な変更方法を説明するための模式図である。
図5(a)は、顧客対応中において手続きを追加する方法を説明するための模式図である。
同図においては、元々の順序情報において、p1からp5までの5種類の手続きが連結されている。手続きp1、p2は実行優先度A、手続きp3、p4は実行優先度B、手続きp5は実行優先度Cであるとする。このため、順序制御部122は、p1からp5の手続きのうち、p1やp2は最初に実行されるように、p5は最後に実行されるように順序情報を設定する。手続きp1、p2については既に顧客対応が完了しており、現在、手続きp3について対応中であるとする。このとき、実行優先度Cの手続きp6を新たに追加するとする。
【0048】
順序制御部122は、現在実行中の手続きp3以降に追加手続きp6の実行機会が設定されるように、追加手続きp6を順序情報に登録する。また、順序制御部122は、追加手続きp6の実行優先度Cよりも実行優先度が高い手続きが完了した後に、追加手続きp6の実行機会が設定されるように登録する。結果として、手続きp4の後に追加手続きp6が挿入されることになる。このため、現在実行中の手続きp3が完了した後は、p4、p6、p5の順に各手続きが実行されることになる。手続きp6のサブ手続きも登録されることは先述の通りである。
【0049】
変形例として、追加手続きp6は、現在実行中の手続きp3の前に設定されるとしてもよい。追加手続きをどこに追加するかは、業務手順に関する運用方針に基づいて任意に設定されればよい。
【0050】
また、手続きp6に関連手続きp7が設定されているときには、手続きp6の追加時において、関連手続きp7も順序情報に登録される。手続きp7に更に関連手続きp8が設定されていれば、関連手続きp8も順序情報に登録される。
【0051】
図5(b)は、顧客対応中において未処理の手続きをキャンセルする方法を説明するための模式図である。
図5(b)においても、図5(a)と同じく、手続きp1、p2については既に顧客対応が完了しており、現在、手続きp3について対応中であるとする。このとき、実行優先度Bの手続きp4についてキャンセル指示されたとする。
【0052】
順序制御部122は、削除手続きp4を順序情報から登録抹消する。この結果として、手続きp3の後には削除手続きp4ではなく、手続きp5が実行されるように順序変更される。
削除手続きp4に関連手続きp5が設定されているときには、削除手続きp4だけでなく関連手続きp5も登録抹消してもよい。
【0053】
図5(c)は、顧客対応中において本来の実行順序とは異なる実行順序にて手続きが実行されたときに手続きの実行順序を変更する方法を説明するための模式図である。
通常、オペレータは、手続きp1を実行した後、手続きp2、p3、・・・のように順序情報に指定されている実行順序にしたがって各手続きを実行する。しかし、オペレータは、前遷移ボタン236や次遷移ボタン240により、本来の実行順序とは異なる実行順序にて手続きを実行することもできる。
【0054】
図5(c)においては、手続きp1の後に実行すべき手続きp2よりも先に、手続きp3が実行されている。順序制御部122は、このとき、未了の手続きp2の実行機会が手続きp3以降に再設定されるように、手続きp2について順序情報を変更する。このような処理方法により、本来の実行順序とは異なる実行順序にて手続きが実行された場合であっても、未了の手続きが残らないように制御できる。
【0055】
図6は、顧客対応業務過程を示すフローチャートである。
オペレータは、顧客からの電話を受け付けると、オペレータ端末200に顧客IDを入力して、ワークフロー画面220を表示させる。順序制御部122は、最初に実行すべき「本人確認」や最後に実行すべき「他用件の確認」といった必須の手続きを実行優先度にしたがって並べることにより、順序情報を初期生成する(S10)。
【0056】
次に、順序制御部122は、顧客属性保持部130の顧客属性情報を参照して、顧客の属性情報を読み出す(S12)。そして、オペレーション情報保持部128を参照して、各手続きの属性条件の成否を判定し、顧客の属性に対応した手続きを順序情報に追加する(S14)。ここまでの段階で、顧客対応業務において必ず実行すべき手続きと、顧客属性に応じて実行すべき手続きが順序情報に自動的に登録されることになる。オペレーション表示部112は、順序情報において最初に実行すべき手続きを表示させる(S16)。
【0057】
オペレータの操作にしたがって、後述するワークフロー制御処理を実行し(S18)、必要に応じて、後述する委譲制御処理を実行する(S19)。順序情報に登録された全ての手続きが完了すると(S20のY)、顧客対応が終了する。完了していなければ(S20のN)、S18に戻る。
【0058】
図7は、図6のS18におけるワークフロー制御処理を詳細に示すフローチャートである。
まず、完了ボタン238のクリックにより処理中の手続きの完了が指示されたときには(S30のY)、順序制御部122は順序情報の変更が必要か判定する(S32)。図5(c)に関連して説明したように、完了した手続き以前に未了の手続きが存在すれば(S32のY)、順序制御部122は順序情報に登録されている各手続きの実行順序を変更する(S34)。変更の必要がなければ(S32のN)、S34の処理はスキップされる。オペレーション表示部112は、完了手続きの次手続きの内容をオペレーション情報表示領域232に表示させる(S36)。
手続き完了が指示されていないときには(S30のN)、S32からS36の処理はスキップされる。
【0059】
追加ボタン242のクリックにより、追加コマンドが受信されたときには(S38のY)、順序制御部122は、追加手続きを順序情報に登録する(S40)。追加コマンドが検出されていなければ(S38のN)、S40の処理はスキップされる。
【0060】
キャンセルボタン244のクリックにより、削除コマンドが受信されたときには(S42のY)、順序制御部122は、削除手続きを順序情報から登録抹消する(S44)。削除コマンドが検出されていなければ(S42のN)、S44の処理はスキップされる。また、経過受信部132は、オペレータが入力した各種の経過情報を受信する(S46)。経過情報は経過情報保持部156に記録される。
【0061】
図8は、図6のS19における委譲制御処理を詳細に示すフローチャートである。
委譲検出部138が委譲コマンドを受信していなければ(S50のN)、以降の処理は実行されない。委譲コマンドが受信されたときには(S50のY)、オペレータ特定部150は対応中の手続きに基づいて、引継オペレータを選択する(S52)。オペレーション表示部112は、引継オペレータのオペレータ端末200にワークフロー画面220を表示させる(S54)。このときには、顧客対応業務の途中から対応すべき手続きが示される。経過送信部134は、経過情報保持部156に保存されている経過情報を引継オペレータのオペレータ端末200に送信する(S56)。こうして、引継オペレータは、途中から引き継いだ顧客対応業務について、どのような手続きが登録されており、どのような実行状態にあり、また、顧客対応業務がどのような経緯にて実行されてきているかといった詳細な事情を知ることができる。
本実施例における顧客対応支援装置100では、委譲オペレータから引継オペレータに顧客対応業務がいったん引き継がれたときには、委譲オペレータは、もはやその顧客対応業務には関与できなくなるように設定されている。このため、顧客に対応するのは常に1人のオペレータとなるため、顧客対応の責任者を明確化できる。
【0062】
通話制御部154は、顧客と委譲オペレータの通話から顧客と引継オペレータとの通話に変更する(S57)。こうして、顧客の電話相手は、新たな引継オペレータとなる。
【0063】
以上、顧客対応支援装置100を実施例に基づいて説明した。
顧客対応支援装置100によれば、顧客からの電話を受け取ったオペレータが顧客対応業務の全てを行う必要はない。執行の経験や権限がない手続きを要求されたときには、委譲ボタン246をクリックするだけで別のオペレータに業務を引き継ぐことができる。このため、業務習熟度が低いオペレータと高いオペレータが連携しながら、顧客からみてシームレスな顧客対応業務を実現できる。簡単な手続きは未熟なオペレータにより対応し、経験や権限が必要な手続きについてはベテランのオペレータが対応することにより、ベテランオペレータが過負荷となるの抑制しやすくなる。上司の判断がなければ実行できない手続きであっても、委譲ボタン246をクリックするだけで、手続きの進行状態、手続きの経緯を引継オペレータに通知し、通話の自動転送がなされるため、顧客の要望にリアルタイムに対応できる。
【0064】
更に、顧客対応支援装置100によれば、オペレータに対して、各手続きの実行順序とその内容を順次示すことができる。また、対応中の顧客からさまざまな要望が発生しても、その要望を業務手順の一部として動的に取り込むことができる。顧客の要望は、理路整然と述べられるとは限らないが、顧客対応支援装置100によれば、このような会話中に発生する散発的な要望を漏れなく業務手順の一部として取り込むことができる。このため、オペレータは顧客の要望に漏れなく確実に対応しやすくなり、人為的な手続きミスを防ぎやすくなる。
【0065】
また、顧客属性に応じて必要とされる手続きを自動的に登録することにより、オペレータの負担をいっそう軽減できる。たとえば、A社の社員である顧客がA社株の売却を指示してきたときには「インサイダー取引に当たらないかを確認する」という手続きが必要である。このような場合においても、属性条件の設定により、必要な手続きが漏れてしまうのを防ぐことができる。
【0066】
更に、顧客属性に応じた手続き選択により、営業効果を高めることも期待できる。たとえば、新興国の経済成長に賭けるファンドの発売に際して、オペレータが顧客にファンドを勧める状況を想定する。顧客属性情報を参照して、新興国への投資を好む傾向にある顧客に対してこのようなファンドを勧めてもよい。たとえば、過去に新興国への投資に成功した経験があることを属性条件として設定すればよい。このような属性条件の設定方法によれば、オペレータによる電話営業の効率化を図ることも可能である。
【0067】
顧客対応支援装置100では、各手続きに実行優先度を設けることにより、手続きの実行順序についても制御可能である。実行優先度は、どのような手続きをどのようなタイミングで行うべきかという熟練オペレータのノウハウに基づいて任意に設定されればよい。このような態様によれば、新人オペレータであっても、熟練オペレータのノウハウを自然に身につけやすくなる。また、ランク低位のオペレータでも対応可能な手続きほど実行優先度を高く設定すれば、ランク低位のオペレータからランク高位のオペレータに手続きがスムーズに移行するように制御しやすくなる。
【0068】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0069】
本実施例においては、顧客対応支援装置100は単体の装置であるとして説明したが、顧客対応支援装置100は、複数の装置による機能の集合として定義されてもよい。たとえば、顧客対応支援装置100のユーザインタフェース処理部110の機能はオペレータ端末200において実現され、データ処理部120やデータ保持部124の機能がサーバ装置にて実現されてもよい。また、通話制御部154の機能は、SIP(Session Initiation Protocol)サーバにおいて実現されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】コールセンターと顧客との関係を示すハードウェア構成図である。
【図2】ワークフロー画面の画面図である。
【図3】顧客対応支援装置の機能ブロック図である。
【図4】オペレーション情報保持部のデータ構造図である。
【図5(a)】顧客対応中において手続きを追加する方法を説明するための模式図である。
【図5(b)】顧客対応中において未処理の手続きをキャンセルする方法を説明するための模式図である。
【図5(c)】顧客対応中において本来の実行順序とは異なる実行順序にて手続きが実行されたときに手続きの実行順序を変更する方法を説明するための模式図である。
【図6】顧客対応業務過程を示すフローチャートである。
【図7】図6のS18におけるワークフロー制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図8】図6のS19における委譲制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
100 顧客対応支援装置、 110 ユーザインタフェース処理部、 112 オペレーション表示部、 114 指示検出部、 116 追加検出部、 118 削除検出部、 120 データ処理部、 122 順序制御部、 124 データ保持部、 126 順序情報保持部、 128 オペレーション情報保持部、 130 顧客属性保持部、 132 経過受信部、 134 経過送信部、 136 完了検出部、 138 委譲検出部、 140 手続き欄、 142 実行優先度欄、 144 属性条件欄、 150 オペレータ特定部、 154 通話制御部、 156 経過情報保持部、 160 手続選択部、 200 オペレータ端末、 204 インターネット、 206 顧客電話、 208 LAN、 210 業務システム、 220 ワークフロー画面、 222 顧客情報領域、 224 フロー表示領域、 226 前ボタン、 228 後ボタン、 230 手続き一覧領域、 232 オペレーション情報表示領域、 234 手続き制御領域、 236 前遷移ボタン、 238 完了ボタン、 240 次遷移ボタン、 242 追加ボタン、 244 キャンセルボタン、 246 委譲ボタン、 300 コールセンター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コールセンターにおける顧客対応業務を支援するための装置であって、
オペレータが実行すべき業務手順として、複数種類の手続きの実行順序を示す順序情報を保持する順序情報保持部と、
各手続きの内容を示すオペレーション情報を保持するオペレーション情報保持部と、
顧客対応中の第1のオペレータが使用する第1のオペレータ端末に、実行対象となる手続きのオペレーション情報を画面表示させるオペレーション表示部と、
前記第1のオペレータ端末から手続完了指示を受信する完了検出部と、
前記手続完了指示が受信されたとき、前記順序情報にしたがって次に実行対象となる手続きを選択する手続選択部と、
前記第1のオペレータ端末から手続委譲指示を受信する委譲検出部と、
前記手続委譲指示が受信されたとき、前記第1のオペレータから前記顧客対応を引き継ぐべき第2のオペレータを特定するオペレータ特定部と、を備え、
前記オペレーション表示部は、前記手続委譲指示が受信された後には、前記第2のオペレータが使用する第2のオペレータ端末に、実行対象となる手続きのオペレーション情報を画面表示させることを特徴とする顧客対応支援装置。
【請求項2】
顧客とオペレータとの電話回線を接続して顧客とオペレータとの通話を成立させる通話制御部、を更に備え、
前記通話制御部は、前記手続委譲指示が受信されたとき、前記顧客の通話先を前記第1のオペレータから前記第2のオペレータに変更することを特徴とする請求項1に記載の顧客対応支援装置。
【請求項3】
前記第1のオペレータ端末から、前記第1のオペレータにより入力された顧客対応の経緯を示す経過情報を受信する経過受信部と、
前記手続委譲指示が受信されたとき、前記経過情報を前記第2のオペレータ端末に送信する経過送信部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の顧客対応支援装置。
【請求項4】
前記オペレータ特定部は、前記手続委譲指示が受信されたときに実行対象として選択されている手続きにあらかじめ対応づけられているオペレータを前記第2のオペレータとして選択することを特徴とする請求項1に記載の顧客対応支援装置。
【請求項5】
オペレーション情報の画面表示中において、新たな手続きの追加を指示するためのオペレータによる追加指示入力を検出する追加検出部と、
前記追加指示入力が検出されたとき、前記新たな手続きの実行機会が設定されるように前記順序情報に前記新たな手続きを追加登録する順序制御部と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の顧客対応支援装置。
【請求項6】
コールセンターにおける顧客対応業務を支援するためのコンピュータプログラムであって、
オペレータが実行すべき業務手順として、複数種類の手続きの実行順序を示す順序情報を保持する機能と、
各手続きの内容を示すオペレーション情報を保持する機能と、
顧客対応中の第1のオペレータが使用する第1のオペレータ端末に、実行対象となる手続きのオペレーション情報を画面表示させる機能と、
前記第1のオペレータ端末から手続完了指示を受信する機能と、
前記手続完了指示が受信されたとき、前記順序情報にしたがって次に実行対象となる手続きを選択する機能と、
前記第1のオペレータ端末から手続委譲指示を受信する機能と、
前記手続委譲指示が受信されたとき、前記第1のオペレータから前記顧客対応を引き継ぐべき第2のオペレータを特定する機能と、をコンピュータに発揮させ、
前記手続委譲指示が受信された後には、前記第2のオペレータが使用する第2のオペレータ端末に、実行対象となる手続きのオペレーション情報を画面表示させることを特徴とする顧客対応支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図5(c)】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−81717(P2009−81717A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249999(P2007−249999)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(302005020)野村證券株式会社 (24)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】