説明

風力タービンおよび風力タービンブレードアッセンブリ

【課題】変換効率が改善された関節式のブレードを有する風力タービンを提供する。
【解決手段】風力タービン10Aは、内側ブレード12A,12B,12C、外側ブレード14A,14B,14C、ハブ16、ウインチ18、駆動装置20、ケーブル22A,22B,22C、プーリ24A,24B,24C、エルボ26A,26B,26C、ばね式ヒンジ28A,28B,28Cを有する。枢動可能に内側ブレードに接続された外側ブレードはケーブルにより内側ブレードに対して枢動し、後退角Ψa、Ψb、Ψcが変更される。これより、風の条件等に応じた風力タービンの変換効率が最適化される。弱風状態では、外側ブレードは、後退角がブレード間で180°となる位置まで展開して最大変換効率を実現する。強風状態では、外側ブレードは、内側ブレードに対して180°以下の後退角まで枢動し、これにより強風状態でも風力タービン10Aを停止する必要がなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力タービンに関し、特に、関節式のブレードを有する風力タービンに関する。
【背景技術】
【0002】
国際的な化石燃料の供給を減少させるため、風力タービンにより生成される電力等の再生可能なエネルギー源が電力市場においてシェアを拡大させている。したがって、風力タービンを利用してより効率的に電力を生成して、電力のコストを低下させることが非常に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
風力によって生じる運動エネルギーの電力への変換効率は、風力タービンのブレードの長さの二乗に比例する。したがって、ブレードの長さを延ばすことによって、風力タービンがより効率的に電力を生成することが可能となる。近年、非常に長いブレードは、風力タービンの実施に悪影響を及ぼす3つの重大な問題に直面している。第1の問題は、非常に長いブレード(近年のブレードの長さは約50メートルであり、長さが約80メートルのブレードも意図されている)の移送や設置が困難なことである。ブレードを製造場所から所定のルートに沿ってオンショアの実施場所に移送するため、特別に大きなトラックが要求される。さらに、大きなトラックやカーゴを利用可能なルートを入念に計画しなければならない。また、ブレードを取付けるため、特別に設計された長いクレーンによってブレードを風力タービンタワーまで巻き上げなければならない。上記および他の問題点を考慮すると、移動/設置に要するコストは、ブレードの製造コストの約1/3となる。
【0004】
非常に長いブレードは、ブレードの根元から先端まで高い速度勾配を有する。高速度勾配により、風力タービンおよびブレードの設計および製造が複雑化する。例えば、ブレード(特に高速度勾配を伴うブレード)は、設置場所で生じることが予測される最も一般的な風速に対するブレード性能を最適化するため、根元から先端に亘ってある程度のねじれ(通常、ピッチと呼ぶ)を有するように設計しなければならない。しかし、ブレードにねじれを加えることにより、ブレードの製造が複雑となるとともにコストも増加する。設置後、通常、ブレードのねじれは固定されたままであるため、予期しない(最適化されていない)速度の風が吹いた場合、風力タービンの変換効率は低下することとなる。
【0005】
さらに、強風時においても、短いブレードを用いる風力タービンは、停止させる必要がなく作動可能である一方で、非常に長いブレードを有する風力タービンの場合、強風時には、ブレード、ベアリング、ギア又は支持タワーなど風力タービンの構成部品に対するダメージを避けるため、風力タービンを停止しなければならない。
【0006】
さらに、非常に長いブレードは曲げ剛性が低いため、ブレードの変形および固有振動数の変化により風力タービンの変換効率および作動期間(寿命)に悪影響が及ぶ。ブレードの変形および固有振動数の変化を減少させるために、特別な材料強化等の手段が必要となる。しかし、そのような手段を講じることにより、ブレードの重量が増加するとともに、製造コストが増加してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の風力タービンのブレードアッセンブリは、ハブと、複数の内側ブレードと、複数の外側ブレードと、複数のケーブルと、を備える。内側ブレードは、互いに離間してハブに取り付けられる。各外側ブレードは、内側ブレードにそれぞれ枢動可能に接続され、内側ブレードに対して所望の後退角まで回転する。ケーブルは、外側ブレードと内側ブレードとの間に延び、外側ブレードを内側ブレードに対して所望の後退角まで回転駆動させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】外側ブレードおよび内側ブレードを有し、外側ブレードが第1の完全展開位置に配置されている風力タービンの第1の実施例を概略的に示す図。
【図1B】図1Aの風力タービンの外側ブレードが第2の位置へと枢動した状態を概略的に示す図。
【図2】外側ブレードと第1のケーブルの接続を示す図1A,1Bの風力タービンの外側ブレードの断面図。
【図3A】外側ブレードおよび内側ブレードを有し、外側ブレードが第1の完全展開位置に配置されている風力タービンの他の実施例を概略的に示す図。
【図3B】図3Aの風力タービンの外側ブレードが第2の位置へと枢動した状態を概略的に示す図。
【図4】外側ブレードと第1および第2のケーブルの接続を示す図3A,3Bの風力タービンの外側ブレードの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1A,1Bに示すように、本発明は、複数の関節式のブレードを有する風力タービン10Aに関する。関節式ブレードは、内側ブレード12A,12B,12Cおよび外側ブレード14A,14B,14Cを含む。風力タービン10Aは、ハブ16、ウインチ18、駆動装置20およびケーブル22A,22B,22Cを備える。内側ブレード12A,12B,12Cは、プーリ24A,24B,24Cを有する。外側ブレード14A,14B,14Cは、エルボ26A,26B,26Cを有し、各外側ブレード14A,14B,14Cは、ばね式ヒンジ28A,28B,28Cにより、図1Aに示す第1の完全に展開した位置(以下、完全展開位置という)まで付勢される。
【0010】
外側ブレード14A,14B,14Cは、枢動(回転)可能に内側ブレード12A,12B,12Cに接続される。したがって、各外側ブレード14A,14B,14Cは、該外側ブレードが接続される内側ブレード12A,12B,12Cに対して、所定の後退角(swept angle)Ψa、Ψb、Ψcまで回転する。内側ブレード12A,12B,12Cは(実施例では互いに対して120°の間隔で)互いに離間して、風力タービン10Aのハブ16に固定される。内側ブレード12A,12B,12Cは、ハブ16から外側ブレード14A,14B,14Cとの枢動接続部まで半径方向外側に向かって延びている。図1A,1Bに示すように、外側ブレード14A,14B,14Cは、ハブ16の回転軸Aから離間して整列する軸を中心として枢動する。
【0011】
ハブ16は、風力タービン10Aのギアボックスなどの駆動装置20(破線で示す)やジェネレータなどの構成要素を収容する。駆動装置20は、所定の要件に応じて決まる所望の後退角Ψa、Ψb、Ψcまで外側ブレード14A,14B,14Cを回転させることに専ら従事する電気モータなどの装置とし得る。駆動装置20は、ハブ16に配設されたウインチ18(又は同様の装置)を回転させるように接続される。
【0012】
ケーブル22A,22B,22Cは、高強度のナイロン、スチールケーブル、ワイヤロープ又は同様の連結機構を含む。ケーブル22A,22B,22Cは、ウインチ18の周囲に巻き付けられ、ウインチ18から、内側ブレード12A,12B,12Cの構造部分内または該構造部分上に取付けられたプーリ24A,24B,24Cへと延びている。したがって、ケーブル22A,22B,22Cは、ハブ16から、内側ブレード12A,12B,12Cの外板(スキン)の下側又は外側に沿って延びる。ケーブル22A,22B,22Cは、プーリ24A,24B,24Cから、(ハブ16の回転方向によって画定される)直前に位置する外側ブレード14A,14B,14Cのエルボ26A,26B,26Cまで延びている。例えば、図1A,1Bに示すように、反時計回りに回転する風力タービン10Aでは、ケーブル22Bは、直前に位置する外側ブレード14Aのエルボ26Aに接続され、内側ブレード12Bに取付けられたプーリ24Bまで延びている。ケーブル22Bはプーリ24Bから内側ブレード12Bに沿ってハブ16へと延び、ウインチ18に巻き付いている。
【0013】
図1A,1Bに示す実施例では、外側ブレード14A,14B,14Cと内側ブレード12A,12B,12Cとの間の枢動接続部には、該ブレードに隣接してばね式ヒンジ28A,28B,28Cが配されている。ばね式ヒンジ28A,28B,28Cは、最大ブレードスウィープ(sweep)を有する完全展開位置(図1A)まで外側ブレード14A,14B,14Cを付勢することができる。
【0014】
風力タービン10Aのブレードの枢動可能な配置により、各外側ブレード14A,14B,14Cは内側ブレード12A,12B,12Cに対する後退角Ψa、Ψb、Ψcを変更することが可能となる。後退角Ψa、Ψb、Ψcを変更することにより、風力タービン10Aは、内側ブレード12A,12B,12Cおよび外側ブレード14A,14B,14Cの全長を変えることなく、内側および外側ブレード12A,12B,12C,14A,14B,14Cのスウィープを変更することができる。後退角Ψa、Ψb、Ψcを変更することにより、風の条件や抗力又は設置場所における他の力に応じた風力タービン10Aの変換効率が最適化される。
【0015】
後退角Ψa、Ψb、Ψcを変更するため、外側ブレード14A,14B,14Cは、内側ブレード12A,12B,12Cに対して枢動するように、ケーブル22A,22B,22Cによって駆動される。駆動装置20により駆動されるウインチ18の回転又は逆回転(解放)によって、ケーブル22A,22B,22Cは、きつく張られ、又はゆるめられて所望の張力(テンション)となる。ケーブル22A,22B,22Cの張力(又は張力不足)、慣性力および抗力は、ばね式ヒンジ28A,28B,28Cの付勢力に対抗して、各外側ブレード14A,14B,14Cを所望の後退角Ψa、Ψb、Ψcへと移動させる。例えば、ケーブル22A,22B,22Cに加わる張力が減少つまり解放されると、ばね式ヒンジ28A,28B,28Cの付勢力によって外側ブレード14A,14B,14Cが、最大ブレードスウィープを有する完全展開位置(図1A)まで戻る。ケーブル22A,22B,22Cに加わる張力が、ばね式ヒンジ28A,28B,28Cによる付勢力を越えると、外側ブレード14A,14B,14Cは、図1Bに示す所定の位置まで回転する。
【0016】
図1Aに示す弱風状態の例では、外側ブレード14A,14B,14Cは、最大ブレードスウィープを有する完全展開位置(図1A)まで完全に展開(延長)して、最大変換効率を実現する。完全展開位置では、各後退角Ψa、Ψb、Ψcは、内側ブレード12A,12B,12Cと外側ブレード14A,14B,14Cとの間で、概ね180°まで展開している。図1Bに示す強風状態の例では、外側ブレード14A,14B,14Cは、接続された内側ブレード12A,12B,12Cに対して180°以下の所望の後退角Ψa、Ψb、Ψcまで枢動する。このような構成によって風力タービン10Aに加わる抗力や他の力を減少させることにより、強風状態において風力タービン10Aを停止する必要がなくなる。
【0017】
本発明の風力タービン10Aにより輸送や設置のコストが減少する。これは、内側ブレード12A,12B,12Cおよび外側ブレード14A,14B,14Cを有する各ブレードアッセンブリにおける各ブレードの長さが短いため(組み立てられるまで)、従来の風力タービンと比較した場合、輸送や設置に要する特別なトラックやクレーン又は特別なルートの必要性が減少するためである。
【0018】
さらに、ケーブル22A,22B,22Cは、相当量の付加的な重量を加えることなく、内側ブレード12A,12B,12Cおよび外側ブレード14A,14B,14Cを安定化させ、固定する。したがって、本発明の風力タービン10Aにおいて曲げ剛性が向上して、ブレードの変形やブレード12A〜12C,14A〜14Cの固有振動数の変化が生じ得る可能性が減少する。
【0019】
図2は、図1Aに示した外側ブレード14Bのエルボ26Bの断面図である。ケーブル22Cは、ケーブル22Cを外側ブレード14Bに接続するループ30など従来の手段によりエルボ26Bにおいて終端をなす。ケーブルやワイヤの終端部又は接続に関する従来の手段や方法には、スウェージング(swagging)、クランピング、クリッピング、スプライシング、フック、アイ、ねじ付きロッド、スタッド、フォーク又は均等物が含まれる。ループ30によりケーブル22Cがフック32に取付けられる。フック32又は適切な代替物は、外側ブレード14B内の構造部材に取り付けられる。
【0020】
図3A,3Bは、風力タービン10Bの他の実施例を図示する。風力タービン10Bは、風力タービン10Aと概ね同様の構成要素を有し、風力タービン10Aと概ね同様に作動する。しかし、風力タービン10Bは、ケーブル22A,22B,22Cおよびプーリ24A,24B,24Cに加えて、延長ケーブル22AA,22BB,22CCおよびプーリ24AA,24BB,24CCを有する点において風力タービン10Aと異なる。
【0021】
風力タービン10Bは、風力タービン10Aと同様に、内側ブレード12A,12B,12Cに枢動可能に接続される外側ブレード14A,14B,14Cを有する。内側ブレード12A,12B,12Cは(実施例では互いに対して120°の間隔で)互いに離間して、風力タービン10Bのハブ16に固定される。内側ブレード12A,12B,12Cは、ハブ16から外側ブレード14A,14B,14Cとの枢動接続部まで外側に向かって延びている。各外側ブレード14A,14B,14Cは、内側ブレード12A,12B,12Cに対して、所定の後退角Ψa、Ψb、Ψcまで回転する。
【0022】
しかし、内側ブレード12A,12B,12Cは、該ブレードの構造部分内または該部分上に取付けられる付加的なプーリ24AA,24BB,24CCを備える。延長ケーブル22AA,22BB,22CCは、ケーブル22A,22B,22Cと反対方向にウインチ18の周囲に巻かれる。延長ケーブル22AA,22BB,22CCは、ウインチ18からプーリ24AA,24BB,24CCへと延びている。ケーブル22A,22B,22Cと同様に、延長ケーブル22AA,22BB,22CCは、ハブ16から、内側ブレード12A,12B,12Cの外板の下側又は外側に沿って延びている。しかし、延長ケーブル22AA,22BB,22CCは、ケーブル22A,22B,22Cとは反対方向にプーリ24AA,24BB,24CCから延びている。このため、延長ケーブル22AA,22BB,22CCは、(ハブ16の回転方向によって画定される)直後に位置する外側ブレード14A,14B,14Cのエルボ26A,26B,26Cまで延在する。したがって、図3A,3Bに示すように、反時計回りに回転する風力タービン10Bでは、ケーブル22Bは、直前に位置する外側ブレード14Aのエルボ26Aに接続され、内側ブレード12Bに取付けられたプーリ24Bへと延び、ケーブル22Bは、直後に位置する外側ブレード14Cのエルボ26Cに接続され、プーリ24BBへと延びる。ケーブル22BBは、プーリ24BBから内側ブレード12Bに沿ってハブ16へと延び、ケーブル22Bとは反対方向でウインチ18に巻き付いている。
【0023】
図3A,3Bの実施例では、外側ブレード14A,14B,14Cは、ケーブル22A,22B,22Cおよび延長ケーブル22AA,22BB,22CCによって内側ブレード12A,12B,12Cに対して枢動する。風力タービン10Aに用いられていたばね式ヒンジ28A,28B,28Cは、風力タービン10Bからは排除されている。
【0024】
外側ブレード14A,14B,14Cを図3Aに示す最大ブレードスウィープを有する完全展開位置まで展開するために、延長ケーブル22AA,22BB,22CCは、外側ブレード14A,14B,14Cを作動させて内側ブレード12A,12B,12Cに対して枢動させる。特に、延長ケーブル22AA,22BB,22CCは、駆動装置20により駆動されるウインチ18の回転によりきつく張られて所望の張力(テンション)となる。このウインチの回転は、後退角Ψa、Ψb、Ψcを概ね180°まで拡大させることによって外側ブレード14A,14B,14Cを展開させる。一実施例では、延長ケーブル22AA,22BB,22CCを巻き付けることにより、後退角Ψa、Ψb、Ψcを180°以上とすることができる。延長ケーブル22AA,22BB,22CCの張力が、各外側ブレード14A,14B,14Cを移動させるように、ケーブル22A,22B,22Cの力(並びに慣性力および抗力)に対抗することで、延長ケーブル22AA,22BB,22CCは、外側ブレード14A,14B,14Cを展開する(後退角Ψa、Ψb、Ψcを拡大する)ように機能している。
【0025】
図3Aに示す完全展開位置から後退角Ψa、Ψb、Ψcを変更するため、外側ブレード14A,14B,14Cは、ケーブル22A,22B,22Cによって枢動する。ウインチ18によってケーブル22A,22B,22Cに張力が加えられる。このウインチの回転は、また、延長ケーブル22AA,22BB,22CCを緩める(該ケーブルに加わる張力を低下させる)。このように、ケーブル22A,22B,22Cの張力、慣性力および抗力が延長ケーブル22AA,22BB,22CCによる力に対抗して、各外側ブレード14A,14B,14Cを所望の後退角Ψa、Ψb、Ψcまで移動させる。
【0026】
図4は、図3Aに示した外側ブレード14Bのエルボ26Bの断面図である。ケーブル22C,22AAは、ケーブル22C,22AAを外側ブレード14Bに接続するループ30A,30Bなど従来の手段によりエルボ26Bにおいて終端をなす。他の実施例では、ケーブル22A,22B,22Cは、延長ケーブル22AA,22BB,22CCと異なるエルボ位置において終端をなしていてもよい。ケーブルやワイヤの終端部又は接続に関する従来の手段や方法には、スウェージング、クランピング、クリッピング、スプライシング、フック、アイ、ねじ付きロッド、スタッド、フォーク又は均等物が含まれる。ループ30A,30Bによりケーブル22C,22AAがフック32A,32Bにそれぞれ取付けられる。フック32A,32B又は適切な代替物は、外側ブレード14B上又は該ブレード内の構造部材に取り付けられる。
【0027】
例示的な実施例を参照して本発明について説明してきたが、当業者であれば本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の構成要素を均等物に置換すること並びに構成要素を変更することが可能であることを理解されるであろう。例えば、ブレーキアッセンブリは、関節式の内側ブレードおよび外側ブレードを備えるが、他の実施例として、ブレーキアッセンブリが3つまたは複数のブレード、つまり、内側ブレード、中間ブレードおよび外側ブレードを有していてもよいことを理解されるであろう。さらに、特定の状況や特定材料に適合するように種々の変更が本発明の範囲から逸脱することなくなされる。したがって、本発明は、特定の実施例に限定されることなく、以下の特許請求の範囲の範囲内にある全ての実施例を含むものである。
【符号の説明】
【0028】
10A 風力タービン
12A,12B,12C 内側ブレード
14A,14B,14C 外側ブレード
16 ハブ
18 ウインチ
20 駆動装置
22A,22B,22C ケーブル
22AA,22BB,22CC 延長ケーブル
24A,24B,24C プーリ
24AA,24BB,24CC プーリ
26A,26B,26C エルボ
28A,28B,28C ばね式ヒンジ
30,30A,30B ループ
32,32A,32B フック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブと、
互いに離間してハブに取り付けられた第1の内側ブレードおよび第2の内側ブレードと、
第1の内側ブレードおよび第2の内側ブレードにそれぞれ枢動可能に接続された第1の外側ブレードおよび第2の外側ブレードと、
第1の外側ブレードと第2の内側ブレードとの間に延びる第1のケーブルと、
を備えることを特徴とする風力タービン。
【請求項2】
第1のケーブルは、第1の外側ブレードを第1の内側ブレードに対して所望の後退角まで回転駆動させることを特徴とする請求項1に記載の風力タービン。
【請求項3】
第1および第2の内側ブレードから離間してハブに取り付けられた第3の内側ブレードと、
第3の内側ブレードに枢動可能に接続された第3の外側ブレードと、
第1のケーブルに加えて設けられた少なくとも2つのケーブルと、
をさらに備え、
前記少なくとも2つのケーブルは、第2のケーブルおよび第3のケーブルを含み、第2のケーブルは、第2の外側ブレードと第3の内側ブレードとの間に延び、第3のケーブルは、第3の外側ブレードと第1の内側ブレードとの間に延びることを特徴とする請求項1に記載の風力タービン。
【請求項4】
第2のケーブルは、第2の外側ブレードを第2の内側ブレードに対して所望の後退角まで回転駆動させ、
第3のケーブルは、第3の外側ブレードを第3の内側ブレードに対して所望の後退角まで回転駆動させることを特徴とする請求項3に記載の風力タービン。
【請求項5】
第1および第2の外側ブレードは、ばね式ヒンジによって第1の位置へと付勢されることを特徴とする請求項1に記載の風力タービン。
【請求項6】
前記第1の位置は、互いに接続された第1の内側ブレードおよび第1の外側ブレード、並びに互いに接続された第2の内側ブレードおよび第2の外側ブレードがそれぞれ最大ブレードスウィープを有する完全展開位置であり、第1の外側ブレードは、第1の内側ブレードに対して概ね180°の後退角を有し、第2の外側ブレードは、第2の内側ブレードに対して概ね180°の後退角を有することを特徴とする請求項5に記載の風力タービン。
【請求項7】
第2の外側ブレードと第1の内側ブレードとの間に延びる少なくとも1つの延長ケーブルをさらに備え、
延長ケーブルは、専用の駆動装置又は風力タービンのギアボックスによって所望の張力まできつく張られるか又は緩められて、第2の外側ブレードを第2の内側ブレードに対して所望の後退角まで回転させることを特徴とする請求項1に記載の風力タービン。
【請求項8】
所望の後退角は、接続された内側ブレードおよび外側ブレードが最大ブレードスウィープを有する完全展開位置に対応し、第2の外側ブレードは、第2の内側ブレードに対して概ね180°の後退角を有することを特徴とする請求項7に記載の風力タービン。
【請求項9】
第1のケーブルは、風力タービンのハブ内のウインチに接続され、専用の駆動装置又は風力タービンのギアボックスによって所望の張力まできつく張られるか又は緩められることを特徴とする請求項1に記載の風力タービン。
【請求項10】
専用の駆動装置は電気モータであることを特徴とする請求項9に記載の風力タービン。
【請求項11】
第1のケーブルは、第2の内側ブレード内または該ブレード上に配設されたプーリに接続されることを特徴とする請求項1に記載の風力タービン。
【請求項12】
第1のケーブルは、プーリから第2の内側ブレードの外板の下側を通って風力タービンのハブへと延びることを特徴とする請求項11に記載の風力タービン。
【請求項13】
ハブと、
互いに離間してハブに取り付けられた複数の内側ブレードと、
各内側ブレードにそれぞれ枢動可能に接続された複数の外側ブレードと、
各外側ブレードと各内側ブレードとの間にそれぞれ延びる複数のケーブルと、
を備えることを特徴とする風力タービンのブレードアッセンブリ。
【請求項14】
複数のケーブルの各々は、1つの外側ブレードを該外側ブレードが接続された内側ブレードに対して所望の後退角まで回転駆動させることを特徴とする請求項13に記載のアッセンブリ。
【請求項15】
複数のケーブルの各々は、風力タービンのハブ内のウインチに接続され、各ケーブルは、専用の駆動装置又は風力タービンのギアボックスによって所望の張力まできつく張られるか又は緩められて、各外側ブレードを所望の後退角まで回転駆動させることを特徴とする請求項14に記載のアッセンブリ。
【請求項16】
専用の駆動装置は電気モータであることを特徴とする請求項15に記載のアッセンブリ。
【請求項17】
複数のケーブルの各々は、各内側ブレード内または該ブレード上に配設されたプーリに接続されることを特徴とする請求項13に記載のアッセンブリ。
【請求項18】
複数の外側ブレードの各々は、ばね式ヒンジによって第1の位置へと付勢されることを特徴とする請求項13に記載のアッセンブリ。
【請求項19】
各外側ブレードは、2つまたは複数のケーブルによって2つまたは複数の内側ブレードに接続され、
1つのケーブルは、専用の駆動装置又は風力タービンのギアボックスによって所望の張力まできつく張られるか又は緩められて、完全展開位置に対応する所望の後退角まで各外側ブレードを回転させることを特徴とする請求項13に記載のアッセンブリ。
【請求項20】
軸を中心に回転するハブと、
互いに離間してハブに取り付けられた複数の関節式ブレードと、
複数のケーブルと、
を備え
複数の関節式ブレードは、ハブの軸から離間して整列する軸を中心に枢動する半径方向外側ブレードを含み、
各ケーブルは、複数の関節式ブレードうち第1のブレードと第2のブレードとの間でそれぞれ延びていることを特徴とする風力タービン。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−52539(P2012−52539A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183489(P2011−183489)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(500107762)ハミルトン・サンドストランド・コーポレイション (165)
【氏名又は名称原語表記】HAMILTON SUNDSTRAND CORPORATION
【住所又は居所原語表記】One Hamilton Road, Windsor Locks, CT 06096−1010, U.S.A.
【Fターム(参考)】