説明

風力回転式電飾装置

【課題】夜間の長距離運転における気分転換や走行する対向車に対する車幅の明確化および夜間ライトを消して駐・停車している時に注意を喚起する。
【解決手段】導電性材料からなる軸芯体と該軸芯体に対して回転可能に結合された導電性の回転盤、該軸芯体に絶縁層を介して設けられた回転具と上部回転体、該上部回転体と表面に自転ランプ及び/または回転ランプが設けられた風力回転体とが一体的に結合するとともに導電性の回転盤とランプを導電性部材で連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は自動車、オートバイに取り付ける装飾性に優れた電飾装置に関するものである。特に本願発明はトラック、ダンプカー、タンクローリー等の大型車の荷台の底面や側面、さらには車体前後のバンパーの裏面に取り付けて装飾性に優れた光を発散させて対向車や追い越し車に対して注意を喚起することができるとともに交差点における歩行者や自転車の巻き込みを防止することができる電飾装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昼夜を問わず大型のトラック、ダンプカー、タンクローリー等やオートバイが走行しているが、夜間走行する大型車やオートバイの中にはヘッドライトやテールランプだけでなく車体の色々な部位にランプや反射板等を取り付けて彩色豊かな光を発散させながら走行する自動車が数多く見かけられる。自動車の側面や底面あるいは車体のバンパーの裏側等に取り付けられているこれらランプは単に発散する光の装飾性が豊かであるだけでなく追い越し車や対向車に対して自分の自動車の存在や車体の幅を明確に感知させるという効果を有している。また、車体の色々な部位にランプが設けられている自動車やオートバイは例え暗い路上にヘッドライトやテールランプを消して駐・停車していても他の自動車が接触したり追突したりする事故を防ぐ機能をも有している。夜間走行する自動車や夜間路上に駐車・停車する自動車に対してこのような接触や追突等の事故を防ぐために自動車の車体に種々の形式のランプや反射板を設けたり回転するホイールとともに回転するランプや反射板を設けて対向車や歩行者に注意を喚起する様々な電飾装置が知られている。
【0003】
例えば、右折や左折をする時に対向直進車のドライバーや走行車に対して十分な注意表示ができるとともに車体長が確認されて交差点での車両の通過が認識され道路脇の歩行者への注意表示などに有効な自動車のホイール用光表示装置(特許文献1)、サイド方向からの衝突や接触事故を防止することができるとともに既設のサイドマーカーに後付け可能にした反射体およびサイドマーカー(特許文献2)、また自動車が走行する際に各車輪のコイル極を生じた電気でランプを点灯するようにして自動車の前方、側方、後方から車幅灯、バック灯が確認できるようにして巻き込み防止灯として利用する装置(特許文献3)、さらには自動車のホイールに取り付けて夜間走行中に運転席にて電源をオンにすることにより交差点等の走行停止時でもランプが消えないだけでなく方向指示器としても利用できる電飾装置(特許文献4)等々の電飾装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−166706号公報
【特許文献2】特開2004−155389号公報
【特許文献3】特開昭63−277452号公報
【特許文献4】登録実用新案第3060378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来から知られているランプや反射板を利用する電飾装置はいずれも車体やホイールに固定されたものでありランプや反射板の作動が単調となってしまい注意を喚起する機能が余り高くない。すなわち、自動車の車体に固定されているランプや反射板はもちろんホイールに設けられているランプや反射板であってもタイヤの回転周期と同じ回転するだけでありランプや反射板はホイールの回転と同じ回転の単調な動きしかできないため注意喚起手段としては効果的ではない。本願発明は従来のこのような問題点を改良するために提案されるものであって、自動車やオートバイ、特にトラック、ダンプカー、タンクローリー等の大型車の適当な部位に特殊な構造を有するランプを付けて省エネルギーと装飾性を高めるとともに注意喚起性を向上させることにより走行している時はもちろん、交差点で走行停止している時でも注意喚起性の高いランプが消えることがない。また、この注意喚起性の高いランプは方向指示器として利用して対向車や歩行者に対して注意を喚起できるという機能も備えている。さらに最近ではエコカーとして認知度が高い電気自動車のようにエンジン音が極めて少ない自動車に取り付けて視認性を高めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は夜間走行する自動車の車体やホイールにランプや反射体を設けて走行する自動車の風力や自然の風力を利用してランプを回転させるものであり発散する光の装飾性が高くライトを消して路上に停車および駐車していても自動車の存在や車幅を効果的に認知させるために回転する発光体を設けるものであり、第1には、導電性材料からなる軸芯体と該軸芯体に対して回転可能に結合された導電性の回転盤、該軸芯体に絶縁層を介して設けられた回転具および上部回転体および表面にランプを備えた風力回転体からなり、該上部回転体と風力回転体は結合されているとともに前記導電性の回転盤とランプが導電性部材で連結されている電飾装置を提供する。
第2には、軸芯体または該軸芯体に対して絶縁層を介して設けられている風力回転体のいずれかが電源と導電性材料で結合されて陽極となっている上記の電飾装置を提供する。
第3には、風力回転体の表面に自転ランプ及び/または回転ランプが設けられている上記の電飾装置を提供する。
第4には、風力回転体の表面に風力を受けるための風力抵抗体が設けられている上記の電飾装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本願発明の電飾装置は風力を利用して回転する風力回転体に設けられた自転しながら光を発散する自転ランプと風力回転体と同周期で回転する回転ランプからなるものであり、自動車が走行している時や停止している時の風力の違いによってランプの回転速度が異なり発散する光の装飾性が多様化するものである。また、本願発明の電飾装置は夜間に走行するトラックを始めとする大型車の車体の側面や底面に設けることにより対向車や追い越し車、あるいは歩行者や二輪車等に対して注意を促すとともに走行時における車幅や交差点における巻き込みを防ぐ効果が顕著であるだけでなく、ランプを回転する駆動源が走行する自動車や自然に発生する風力を利用するものであり省エネルギー型の電飾装置としても優れている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】電飾装置を備えたトラックの底面からの斜視図である。
【図2】本願発明の典型的な電飾装置の斜視図である。
【図3】本願発明の他の形態の電飾装置の斜視図である。
【図4】側面図から見た本願発明の電飾装置を模式的に示したものである。
【図5】自転ランプと回転ランプを点灯するための配線図である。
【図6】軸芯体と風力回転体を絶縁状態にして回転させる機構を拡大した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願発明の電飾装置は導電性材料からなる軸芯体と該軸芯体に対して回転可能に結合された導電性の回転盤および該軸芯体に絶縁層を介してランプを備えて風力で回転する風力回転体が設けられているとともに該回転盤とランプが導電性部材で連結されている電飾装置であり、風力回転体の表面には先端に位置を変えないでその場で自転する自転ランプや風力回転体の回転とともに回転する回転ランプ(公転ランプ)等の種々の形態のランプが設けられている。したがって、風力回転体の表面に設けられている自転ランプや回転ランプは自動車が走行する時や駐・停車する時に受ける風力の差によって回転速度が異なるため多様性の形態の光を発散させることができる。なお、本願発明の電飾装置は自動車が走行する際に受ける風力や自然風によって回転する風力回転体の表面に設けられたランプを備えている点に特徴を有するものであるが、本願発明の電飾装置に用いるランプの大きさ、色、設ける数等については特に限定されているわけではなく適宜組み合わせることができる。また本願発明に用いるランプを通常に用いるランプに替えて発光ダイオード(LED)を用いることにより省エネルギーの効果を更に向上することができる。
【0010】
本願発明の電飾装置の具体的な態様を図1〜図6に従って詳細に説明する。
図1はトラックに電飾装置が設けられている状態を模式的に示したものである。図1では電飾装置(1)はトラックの車体の前部と後部の2箇所に設けられているが電飾装置(1)を設ける位置や数は任意に選定できるものであり特に限定されているわけではない。なお、電飾装置(1)の角度も一般には自動車の車体に対して水平方向に光が照射されるように設けられるが垂直方向に光が照射されるように設けても良いし光が傾斜方向に照射するようにさせて設けても良い。図2は本願発明の電飾装置(1)と電飾装置(1)を支持する支持具(2)からなる電飾装置の斜視図である。図2における(3)は風力回転体(5)の先端に設けられている自転ランプである。この自転ランプ(3)は風力回転体(5)が風力によって回転するとともに同じ位置で回転する。また、図2における(4)は風力回転体(5)とともに光を発散しながら回転する回転ランプである。また(6)は風力回転体(5)の表面に設けられており自動車の走行や自然風によって発生する風力を受けて風力回転体(5)を効率よく回転させるために設けられた風力抵抗体である。そして(2)は電飾装置を自動車の車体の適当な部位に支持するための支持具である。
【0011】
図3は本願電飾装置の他の態様であり風力回転体(5)の先端には図2で示されているような自転ランプはなく風力回転体(5)を回転させるための風力抵抗体(6)の構造が異なっている。なお(2)は電飾装置を自動車の車体に固定するための支持具であり、(10)は電飾装置を支持具(2)に保持するための保持具である。なお、図2および図3では典型的な2つの構造の風力抵抗体(6)を備えた風力回転体(5)を例示したが風力を効率よく受けることができるならば他の構造の風力抵抗体を用いてもよいことは言うまでもない。
なお、図2では風力回転体の先端に自転ランプを設けたもの、また図2および図3では風力回転体と同周期で回転する回転ランプを備えた電飾装置を示したが、本願発明は風力を利用して回転する風力回転体を利用する点に特徴を有するものであり使用するランプや設ける車体の部位については特定されるものではない。
【0012】
図4は本願発明の典型的な構造の電飾装置を分かり易く説明するために、側面から見た時の構造を模式的に示したものである。図4に示されているように本願発明の電飾装置は、支持具(2)、自転ランプ(3)、回転ランプ(4)、風力回転体(5)、風力抵抗体(6)、上部回転体(7)、回転具(8)、回転盤(9)、保持具(10)、自転ランプ用導電線(11)、回転ランプ用導電線(12)および軸芯体(13)から構成されている。なお、電飾装置は軸芯体(13)または該軸芯体(13)と絶縁層(14)を介して設けられている風力回転体(5)のいずれかは電飾装置を点灯させるために自動車に備えられた電源と導電線(15)で連結されており、(15)は軸芯体(13)と図示されていない電源と連結して陽極となる。そして軸芯体(13)または風力回転体(5)が陰極となる場合はアースに結合する必要がある。そこで、全体の構造が示されている図4に従って本願発明の電飾装置の具体的な使用態様を説明すると電飾装置(1)は自動車の車体の適当な位置に支持具(2)によって取り付けられる。取り付けられた電飾装置(1)は走行する自動車に対する風力または駐車・停車している自動車に吹く自然風の風力を効率よく風力抵抗体(6)で受けて風力回転体(5)を回転する。そして風力回転体(5)の表面に設けられたランプ(3)(4)が光を発散しながら回転する。このように、本願発明の電飾装置(1)は風力回転体(5)に設けられた回転ランプ(4)や自転ランプ(3)による多様性の光を発散することができる。
【0013】
この風力回転体(5)は絶縁層(14)によって軸芯体(13)と電気的に絶縁された状態で回転できる回転具(8)に結合された上部回転体(7)と結合されており風力回転体(5)、回転具(8)および上部回転体(7)は一体に回転するようになっている。そして、風力回転体(5)と上部回転体(7)によって包囲された内部には軸芯体(13)と導電性の回転盤(9)が導電可能に設けられている。そして、この導電性の回転盤(9)は自転ランプ(3)および回転ランプ(4)とそれぞれ自転ランプ用導電線(11)、回転ランプ用導電線(12)によって導電可能に連結されている。図5は回転盤(9)と自転ランプを導電させるための自転ランプ用導電線(11)および回転盤(9)と回転ランプを導電させるための回転ランプ用導電線(12)が連結されている状態を拡大して模式的に示したものである。図5には示されていないが風力回転体(5)の向う側には自転ランプや回転ランプがそれぞれ設けられている。
【0014】
図6は軸芯体(13)と風力回転体を絶縁状態にして回転させる機構を拡大して模式的に記載したものである。軸芯体(13)は自転ランプおよび回転ランプを点灯させるための陽極としても利用することができる。なお、風力回転体を陽極とした場合には軸芯体(13)は陰極となりアースと結合されることになる。そして、この軸芯体(13)の周囲は絶縁層(14)を介してベアリング等を利用した回転具(8)が設けられており、この回転具(8)に周囲は上部回転体が固定されており図示されていない風力回転体によって回転される。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本願発明はトラック、ダンプカー、タンクローリー等の大型車やオートバイ等の適当な箇所にランプを取り付けて装飾効果や視認性を向上させて走行している時はもちろん、交差点で走行停止している時でもランプを消すことなく、左折や右折の際に注意を喚起する光を照射して対向車や歩行者の交通事故を防止できるものでありトラックを始めとする大型車両やオートバイはもちろん各種自動車に設けることができる。
【符号の説明】
【0016】
1 電飾装置
2 支持具
3 自転ランプ
4 回転ランプ
5 風力回転体
6 風力抵抗体
7 上部回転体
8 回転具
9 回転盤
10 保持具
11 自転ランプ用導電線
12 回転ランプ用導電線
13 軸芯体
14 絶縁層
15 伝導線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性材料からなる軸芯体と該軸芯体に対して回転可能に結合された導電性の回転盤、該軸芯体に絶縁層を介して設けられた回転具および上部回転体および表面にランプを備えた風力回転体からなり、該上部回転体と風力回転体は結合されているとともに前記導電性の回転盤とランプが導電性部材で連結されていることを特徴とする電飾装置。
【請求項2】
軸芯体または該軸芯体に対して絶縁層を介して設けられている風力回転体のいずれかが電源と導電性材料で結合されて陽極となっていることを特徴とする請求項1に記載の電飾装置。
【請求項3】
風力回転体の表面に自転ランプおよび/または回転ランプが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電飾装置。
【請求項4】
風力回転体の表面に風力を効率的に受けるための風力抵抗体が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電飾装置。

















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−23217(P2011−23217A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167452(P2009−167452)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(509201045)
【Fターム(参考)】