説明

風力発電装置及びその方法並びにプログラム

【課題】系統電圧が低下した場合であっても風車ブレードにかかる荷重を低減すること。
【解決手段】複数の風車ブレードを有するロータと、ロータの回転により駆動される発電機と、発電機の回転数に応じて風車ブレードのピッチ角を制御するピッチ角制御部20と、比較選定部26とを備え、ピッチ角制御部20は、電力系統の電圧が所定値以下となった場合に、風車ブレードが、ファイン側に動かないようにピッチ角を制御する。また、比較選定部26は、発電機の回転数に基づいて決定される仮ピッチ角指令値とピッチ角指令値の前回値とを比較し、前回値よりも、仮ピッチ角指令値が、風車ブレードをファイン側へ制御する指令である場合には、前回値を今回のピッチ角指令値として出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、系統電圧の低下が発生した場合でも、荷重を低減するピッチ角で風車ブレードを制御する風力発電装置及びその方法並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、風力発電装置は、発電機回転数をフィードバック制御しており、例えば、系統電圧の低下が発生し、瞬間的に発電機の出力が落ちる場合には、負荷が無くなるので発電機回転数が上昇するが、そうすると回転数上昇を抑え発電機の回転を止めるように、風車ブレードのピッチ角がフェザー側に制御される。
例えば、特許文献1には、系統電圧の低下等の低電圧事象が発生した場合に、無停電電源装置から供給される出力によって風車ブレードのピッチ角が制御される技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6921985号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、発電機出力もフィードバック制御しており、系統電圧の低下が発生し、瞬間的に発電機の出力が落ちる場合には、出力を増大させるようピッチ角が一旦ファイン側へ制御されるので、発電機の回転数上昇が助長され、回転数が一時的に大きくなり、風車ブレードにかかる荷重が大きくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、系統電圧が低下した場合であっても、発電機回転数の上昇を抑制し、風車ブレードにかかる荷重を低減できる風力発電装置及びその方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、複数の風車ブレードを有するロータと、前記ロータの回転により駆動される発電機と、前記発電機の回転数に応じて前記風車ブレードのピッチ角を制御するピッチ角制御手段とを備え、前記ピッチ角制御手段は、電力系統の電圧が所定値以下となった場合に、前記風車ブレードがファイン側に動かないようなピッチ角指令値に基づいて前記風車ブレードを制御する風力発電装置を提供する。
【0007】
このような構成によれば、複数の風車ブレードを有するロータと、ロータの回転により駆動される発電機と、発電機の回転数に応じて風車ブレードのピッチ角を制御するピッチ角制御手段とを備える風力発電装置において、電力系統の電圧が所定値以下となった場合に、風車ブレードがファイン側に動かないように、ピッチ角制御される。
電力系統の電圧が所定値以下となり発電機出力が低下すると、発電機回転数は上昇するが、風車ブレードがファイン側に動かないようにピッチ角制御されるので、発電機出力の低下に伴って風車ブレードが一旦ファイン側にピッチ角制御された後に発電機回転数の上昇を抑制するためにフェザー側にピッチ角制御される場合と比較して、発電機回転数の上昇は抑制される。これにより、電力系統の電圧低下の発生時における風車ブレードにかかる荷重を低減でき、風車ブレード、軸受等の機械的損傷を防ぐことができる。
【0008】
上記風力発電装置において、前記電力系統の電圧が所定値以下となった場合に、前記ピッチ角制御手段は、前記発電機の回転数に基づいて決定される仮のピッチ角の指令値である仮ピッチ角指令値と前回の前記ピッチ角指令値である前回値とを比較し、前回値よりも、前記仮ピッチ角指令値が、前記風車ブレードをファイン側へ制御する指令である場合には、前回値を今回の前記ピッチ角指令値として出力する比較選定手段を具備することが好ましい。
【0009】
これにより、電力系統の電圧が所定値以下となった場合に、ピッチ角指令値が前回値と比較され、ピッチ角指令値は、前回よりもファイン側へ制御されることがないので、発電機回転数の上昇を抑制することができる。ここで、前回のピッチ角指令値とは、一つ前のクロックサイクルで算出されたピッチ角指令値である。
【0010】
上記風力発電装置の前記ピッチ角制御手段は、前記発電機の回転数と定格回転数との差から決定される第1ピッチ角制御値と、有効電力指令と定格電力との差から決定される第2ピッチ角制御値とに基づいて、前記仮ピッチ角指令値を決定することとしてもよい。
回転数と定格回転数との差、及び出力電力と低格電力との差に応じてピッチ角指令値が決定されるので、定格範囲内で制御することができる。
【0011】
本発明は、複数の風車ブレードを有するロータと、前記ロータの回転により駆動される発電機と、前記発電機の回転数に応じて前記風車ブレードのピッチ角を制御する風力発電装置の制御方法であって、電力系統の電圧が所定値以下となった場合に、前記風車ブレードがファイン側に動かないようなピッチ角指令値に基づいて前記風車ブレードを制御する制御方法を提供する。
【0012】
本発明は、複数の風車ブレードを有するロータと、前記ロータの回転により駆動される発電機と、前記発電機の回転数に応じて前記風車ブレードのピッチ角を制御する風力発電装置の制御プログラムであって、電力系統の電圧が所定値以下となった場合に、前記風車ブレードがファイン側に動かないようなピッチ角指令値に基づいて前記風車ブレードを制御する処理をコンピュータに実行させるための制御プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、系統電圧が低下した場合であっても、風車ブレードにかかる荷重を低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一実施形態に係る風力発電装置の概略構成を示した図である。
【図2】ピッチ角制御部と電力制御部と低電圧検出部との機能を展開して示した機能ブロック図である。
【図3】図1に示した風力発電装置の動作フローである。
【図4】低電圧検出部を使用しないでピッチ角制御をする場合の発電機回転数とピッチ角度の推移を示す図である。
【図5】図1に示した風力発電装置において、低電圧検出部を使用してピッチ角制御をする場合の発電機回転数とピッチ角度の推移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る風力発電装置及びその方法並びにプログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示されるように、本実施形態の風力発電装置10は、風車ロータ11、風車ブレード12、増速機14、発電機システム15、ピッチ角制御機構17、主制御部19、及び低電圧検出部40を備えており、電力系統13と接続されている。また、風車ロータ11、増速機14、及び発電機システム15等は、主軸16を介して接続されている。
【0016】
風車ロータ11に取り付けられた複数枚の風車ブレード12が風力エネルギーを受けて風車ロータ11と共に回転し、増速機14によって増速した後、発電機システム15内の発電機を駆動して発電することにより風力エネルギーを電気エネルギーに変換している。なお、本実施形態の風力発電装置は、可変速回転制御方式の風力発電装置であり、発電機として巻線形誘導発電機または同期発電機等を利用する。なお、同期発電機を利用した構成では、発電機の出力を一旦直流に変換して再びインバータによって交流に変換するAC−DC−ACリンク方式を用いる。
【0017】
低電圧検出部40は、電力系統13の電圧低下を検出し、電力系統13の電圧低下を検出したことを通知する情報である低電圧検出信号を主制御装置19に出力する。また、本実施形態においては、低電圧検出部40は、電力系統13の電圧低下に基づいて、低電圧検出信号を出力することとするが、これに限定されず、例えば、発電機の電圧を検出し、発電機の電圧低下に基づいて電力系統13の電圧低下と判断して、低電圧検出信号を出力することとしてもよい。
【0018】
主制御装置19は、発電機システム15から測定された発電機回転数ωに基づいて、有効電力指令P*、無効電力指令Q*、及びピッチ角指令β*を決定し、出力する。
ピッチ角制御機構17は、ピッチ角指令β*に基づいて、風車ブレード12のピッチ角を制御するもので、その構造等は従来のものと同等である。
【0019】
図2は、ピッチ角制御部20、電力制御部30、及び低電圧検出部40の概略構成を示すブロック図である。
電力制御部30は、切替器33、第1減算器34、第1PI制御部35、パワー制限部36、及び電力設定計算部37を備えている。また、切替器33、第1減算器34、第1PI制御部35、パワー制限部36、及び電力設定計算部37は、主制御装置19において使用されるシステムクロックのクロックサイクル毎にそれぞれ演算ステップを実行することにより、有効電力指令P*及び無効電力指令Q*を決定し、出力する。
【0020】
切替器33は、発電機回転数ωに応じて、最小回転数ωminと定格回転数ωmaxとを切り替え、選定されたいずれか一方を電力制御回転数指令ωP*とする。具体的には、切替器33は、発電機回転数ωが所定値以下である場合に、電力制御回転数指令ωP*を最小回転数ωminに設定し、発電機回転数ωが所定値よりも大きい場合には、電力制御回転数指令ωP*を定格回転数ωmaxに設定する。
第1減算器34は、発電機回転数ωから電力制御回転数指令ωP*を減じて偏差ΔωPを算出する。
【0021】
パワー制限部36は、発電機回転数ω及びピッチ角指令β*に基づいて、第1PI制御部35のPI制御に対する電力指令下限Pmin及び電力指令上限Pmaxを決定し、それらの情報を出力する。また、パワー制限部36は、ピッチ角制御部20の減算器22に対し、定格電力Pratedの情報を出力する。
第1PI制御部35は、有効電力指令P*を電力指令下限Pmin以上、電力指令上限Pmax以下に制限の下、偏差ΔωPに応答してPI制御を行い、有効電力指令P*を決定する。
【0022】
電力設定計算部37は、第1PI制御部35によって生成された有効電力指令P*と、風力発電装置10から出力される交流電力の力率を指定する力率指令とに基づいて無効電力指令Q*を算出し、有効電力指令P*と無効電力指令Q*とを出力する。
【0023】
ピッチ角制御部20は、発電機回転数ωに応じて風車ブレード12のピッチ角の指令値であるピッチ角指令値を決定し、出力する。また、ピッチ角制御部20は、電力系統13の電圧が所定値以下(例えば、0.5pu以下)となった場合に、風車ブレード12が、ファイン側に動かないようにピッチ角を制御する。
【0024】
具体的には、ピッチ角制御部20は、第2減算器21、第3減算器22、第2PI制御部23、第3PI制御部24、加算器25、及び比較選定部(比較選定手段)26を備えている。また、第2減算器21、第3減算器22、第2PI制御部23、第3PI制御部24、加算器25、及び比較選定部26は、主制御装置19において使用されるシステムクロックのクロックサイクル毎にそれぞれ演算ステップを実行することによりピッチ角指令β*を決定し、出力する。
【0025】
減算器21は、発電機回転数ωからピッチ制御回転数指令ωβ*を減じて偏差Δωβを算出する。ピッチ制御回転数指令ωβ*は、定格回転数ωmaxに一致しており、従って、偏差Δωβは、発電機回転数ωと定格回転数ωmaxとの差を表している。
第2PI制御部23は、偏差Δωβに応答してPI制御し、ピッチ角指令基礎値(第1ピッチ角制御値)βin*を算出する。ピッチ角指令基礎値βinは、発電機回転数ωが定格回転数ωmaxに制御されるように決定される。
【0026】
第3減算器22は、有効電力指令P*から定格電力Pratedを減じて偏差ΔPを算出する。
第3PI制御部24は、偏差ΔPに応答してPI制御し、補正値(第2ピッチ角制御値)Δβ*を算出する。
第2PI制御部23は、発電機回転数ωを定格回転数ωmaxに調整することにより、電力として取り出すべき空力エネルギーを不所望に捨ててしまう場合がある。そこで、本実施形態では、定格電力Pratedと有効電力指令P*との差に応答して第3PI制御部24によって補正値Δβ*を算出し、この補正値Δβ*によって仮ピッチ角指令β´を補正している。
【0027】
補正値Δβ*は、有効電力指令P*が定格電力Pratedよりも小さい場合に、即ち、偏差ΔP(=P*−Prated)が負であると、仮ピッチ角指令β´がピッチ角指令基礎値βin*よりも小さくなるように、即ち、ピッチ角βがよりファイン側になるように決定される。このような制御により、有効電力指令P*が定格電力Pratedに到達する直前では、ピッチ角βがフェザー側になることが抑制される。有効電力指令P*が定格電力Pratedに到達した後は、偏差ΔPは0となり、補正値Δβ*も0となる。
【0028】
加算器25は、発電機回転数ωと定格回転数ωmaxとの差から決定されるピッチ角指令基礎値(第1ピッチ角制御値)βinと、有効電力指令P*と定格電力Pratedとの差から決定される補正値(第2ピッチ角制御値)Δβ*とを加算して、仮ピッチ角指令値β´を決定する。
【0029】
比較選定部26は、電力系統13の電圧が所定値以下となった場合に、発電機回転数ωに基づいて決定される仮のピッチ角の指令値である仮ピッチ角指令値β´と前回のピッチ角指令値β*である前回値βoldとを比較し、前回値βoldよりも、仮ピッチ角指令値β´が、風車ブレード12をファイン側へ制御する指令である場合には、前回値を今回のピッチ角指令値β*として出力する。また、比較選定部26は、取得する低電圧検出信号に基づいて、電力系統13の電圧が所定値以下になったことと判定する。
【0030】
ここで、前回値(前回のピッチ角指令値)βoldとは、一つ前のクロックサイクルで算出されたピッチ角指令値β*であり、比較選定部26に設けられる記憶部に格納されており、或いは、比較選定部26と接続される外部の記憶装置から比較選定部26に読み出されることによって、参照することのできる情報である。
【0031】
図3は、本実施形態にかかる風力発電装置10において、電力系統13の電圧が低下した場合の制御の過程を示すフローチャートである。
風力発電装置10では、低電圧検出部40により電力系統13の電圧が検出され、電力系統の電圧が所定値以下となったか否かが判定される(ステップSA1)。電力系統13の電圧が所定値以下になっていないと判断された場合には、ステップSA1の処理を繰り返し、引き続き低電圧検出部40において、所定の時間間隔で電力系統13の電圧が低下したか否かを判定する。
ステップSA1で電力系統13の電圧が所定値以下と判定された場合には、ピッチ角制御部20の比較選定部26に対し、低電圧検出信号が出力される(ステップSA2)。
【0032】
比較選定部26が低電圧検出信号を取得すると、低電圧が発生したとみなされ、発電機回転数ω、定格回転数ωmax、定格出力Prated、及び有効電力指令P*に基づいて算出される仮ピッチ角指令値β´が、前回値βoldと比較され、仮ピッチ角指令値β´が、前回値βoldよりファイン側へ動かす指令か否かが判定される(ステップSA3)。
【0033】
仮ピッチ角指令値β´が、前回値βoldよりファイン側へ動かす指令でない場合には、今回算出された仮ピッチ角指令値β´を、ピッチ角指令値β*として出力する(ステップSA4)。また、仮ピッチ角指令値´が、前回値βoldよりファイン側へ動かす指令である場合には、前回値βoldをピッチ角指令値β*として出力する(ステップSA5)。決定されたピッチ角指令値β*に基づいて、風車ブレード12が制御される(ステップSA6)。これにより、系統電圧が所定値以下となった場合には、風車ブレード12のピッチ角が、前回値βoldよりファイン側となることがないので、回転数の上昇が助長されることがない。
【0034】
次に、低電圧検出部40を使用しないで、ピッチ角制御される場合の発電機回転数ω及びピッチ角度の推移(図4)を、上述した本実施形態に係る低電圧検出部40及び主制御部19を利用したピッチ角制御が実施される場合の発電機回転数ω及びピッチ角度の推移(図5)について、以下に説明する。
【0035】
図4に示されるように、風車ブレード12は、低電圧検出部40を使用しないでピッチ角制御される場合には、電力系統13の電圧低下が発生すると、発電機出力低下の情報がフィードバックされることにより、ピッチ角がファイン側へ制御され、これにより、発電機回転数が上昇する。その後、回転数の上昇を抑制するべく、ピッチ角はフェザー側へ制御されることにより発電機回転数が徐々に低下する。このように、低電圧検出部40を使用しない場合には、風車ブレード12は、一旦ファイン側へ制御された後、回転数の上昇に応答してフェザー側へ制御される。
【0036】
これに対し、図5に示されるように、本実施形態に係るピッチ角制御においては、電力系統13の電圧低下が発生し、発電機出力が低下した場合には、仮ピッチ角指令値を前回値と比較し、仮ピッチ角指令値の方が前回値よりもファイン側へ動かす制御である場合には前回値を保持して、その前回値をピッチ角指令値として制御する。このように、電力系統13の電圧低下が発生しても、ピッチ角をファイン側へ動かさない制御をすることにより、回転数の上昇を抑制でき、ピッチ角の変動を低減させることができる。
【0037】
以上説明してきたように、本実施形態に係る風力発電装置10及びその方法並びにプログラムによれば、複数の風車ブレード12を有するロータ11と、ロータ11の回転により駆動される発電機システム15と、発電機の回転数に応じて風車ブレード12のピッチ角を制御するピッチ角制御部20とを備える風力発電装置10において、電力系統13の電圧が所定値以下となった場合に、風車ブレード12をファイン側に動かさないピッチ角指令値に基づいて、ピッチ角制御される。
電力系統13の電圧が所定値以下となり発電機出力が低下すると、発電機回転数ωは上昇するが、風車ブレード12がファイン側に動かないようにピッチ角制御されるので、発電機出力の低下に伴って風車ブレード12が一旦ファイン側にピッチ角制御された後に発電機回転数ωの上昇を抑制するためにフェザー側にピッチ角制御される場合と比較して、発電機回転数ωの上昇は抑制される。これにより、電力系統13の電圧低下の発生時における風車ブレード12にかかる荷重を低減でき、風車ブレード、軸受等の機械的損傷を防ぐことができる。
【0038】
また、電力系統13の電圧が所定値以下となった場合において、算出された仮ピッチ角指令値β´が、前回値βoldと比較され、前回値βoldよりもファイン側へ制御する指令である場合には、前回値βoldを維持してこれをピッチ角指令値β*として採用する。これにより、電力系統13の電圧が低下した場合にファイン側へ制御されることなく、発電機回転数ωの上昇を抑制することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 風力発電装置
13 電力系統
19 主制御部
20 ピッチ角制御部
26 比較選定部
30 電力制御部
40 低電圧検出部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の風車ブレードを有するロータと、
前記ロータの回転により駆動される発電機と、
前記発電機の回転数に応じて前記風車ブレードのピッチ角を制御するピッチ角制御手段とを備え、
前記ピッチ角制御手段は、電力系統の電圧が所定値以下となった場合に、前記風車ブレードがファイン側に動かないようなピッチ角指令値に基づいて前記風車ブレードを制御する風力発電装置。
【請求項2】
前記電力系統の電圧が所定値以下となった場合に、
前記ピッチ角制御手段は、前記発電機の回転数に基づいて決定される仮のピッチ角の指令値である仮ピッチ角指令値と前回の前記ピッチ角指令値である前回値とを比較し、前回値よりも、前記仮ピッチ角指令値が、前記風車ブレードをファイン側へ制御する指令である場合には、前回値を今回の前記ピッチ角指令値として出力する比較選定手段を具備する請求項1に記載の風力発電装置。
【請求項3】
前記ピッチ角制御手段は、前記発電機の回転数と定格回転数との差から決定される第1ピッチ角制御値と、有効電力指令と定格電力との差から決定される第2ピッチ角制御値とに基づいて、前記仮ピッチ角指令値を決定する請求項2に記載の風力発電装置。
【請求項4】
複数の風車ブレードを有するロータと、前記ロータの回転により駆動される発電機と、前記発電機の回転数に応じて前記風車ブレードのピッチ角を制御する風力発電装置の制御方法であって、
電力系統の電圧が所定値以下となった場合に、前記風車ブレードがファイン側に動かないようなピッチ角指令値に基づいて前記風車ブレードを制御する制御方法。
【請求項5】
複数の風車ブレードを有するロータと、前記ロータの回転により駆動される発電機と、前記発電機の回転数に応じて前記風車ブレードのピッチ角を制御する風力発電装置の制御プログラムであって、
電力系統の電圧が所定値以下となった場合に、前記風車ブレードがファイン側に動かないようなピッチ角指令値に基づいて前記風車ブレードを制御する処理をコンピュータに実行させるための制御プログラム。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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