説明

風呂釜洗浄用薬剤容器

【課題】 風呂釜内への液体洗浄用薬剤の注出機能を保持しつつ、浴槽外での無用な液体洗浄用薬剤の噴出を防止した風呂釜液体洗浄用薬剤容器を提供する。
【解決手段】 容器本体2の正面部4及び背面部5には、溝部10と手指により押圧される押圧部12とで構成された易変形部15が形成されている。押圧部12の周部には、前記溝部10に沿って延在する環状の段部11が複数設けられている。吐出口9の基端部には、当接部13が一体的に形成されており、この当接部13は吐出口9側に当接面13aを有している。キャップ3を除去した後押圧部12を押圧すると、溝部10が屈曲基線となって、押圧部12が容器本体2の内部方向に変位して容器本体2の容積が減少する。これにより、容器本体内に充填されている液体洗浄用薬剤が圧し出されて、吐出口9より風呂釜内に注出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽内に水又は湯が入っている状態で、浴槽内に設けられている導水口から風呂釜内に洗浄用薬剤を送り込むために用いられる風呂釜洗浄用薬剤容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種風呂釜洗浄用薬剤容器として、特許文献1あるいは特許文献2に開示されたものが知られている。この風呂釜洗浄用薬剤容器は、一端部に吐出口を有する有底円筒状の容器本体を有している。容器本体の周面にはその全面に亙って蛇腹が設けられており、容器本体の内部には洗浄用薬剤が充填されている。
【0003】
使用に際しては、浴槽内に水又は湯が入っている状態で、浴槽内に設けられている導水口の開口縁部に吐出口側を当接させて、容器本体を底部側から押圧する。すると、蛇腹が変形して、容器本体が全体的に軸方向に収縮し、容器本体の容積が減少する。これにより、容器本体内に充填されていた洗浄用薬剤が圧し出されて、吐出口より導水口を介して風呂釜内に注出される。
【特許文献1】特開平8−253257号公報
【特許文献2】特開2001−253457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来の風呂釜洗浄用薬剤容器にあっては、有底円筒状の容器本体において周面の全面に亙って蛇腹が設けられることにより、容器本体が全体的に軸方向に収縮するように構成されている。一方、この風呂釜洗浄用薬剤容器は、予め容器本体内に洗浄用薬剤が充填された状態で販売され、使用に際してユーザが吐出口を閉鎖しているキャップを取り除く。このとき、容器本体内には洗浄用薬剤が充填されていることから、底部を下方にして容器本体を適宜の場所に起立させた状態でキャップを取り除く作業を行うことになる。
【0005】
しかしながら、前述のように容器本体は全体的に軸方向に収縮するように構成されていることから、キャップを取り除く作業を行った際の力が容器本体に加わると、容器本体が全体的に収縮してしまう。また、キャップを取り除いた後、風呂釜洗浄用薬剤容器を浴槽内に移動させるまでの過程で、容器本体に外力が加わると容器本体が容易かつ全体的に収縮してしまう。このため、容器本体に充填されていた洗浄用薬剤が浴槽外にて吐出口から噴出してしまう不都合が生じ、かかる不都合は洗浄用薬剤が液体である場合及びメーカ側において洗浄用薬剤(粉末又は液体)をより多量に充填した場合には一層顕著となる。
【0006】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、風呂釜内への洗浄用薬剤の注出機能を保持しつつ、浴槽外での無用な洗浄用薬剤の噴出を防止した風呂釜洗浄用薬剤容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため請求項1記載の発明にあっては、内部に洗浄用薬剤が充填される容器本体と、この容器本体の一端部に設けられ前記洗浄用薬剤を噴出させる吐出口とを備える風呂釜洗浄用薬剤容器であって、前記容器本体の一方の相対向する両面を除く他方の相対向する両面に、前記一方の相対向する両面よりも押圧に伴う内部方向への変形が容易な易変形部を設け、前記吐出口の周部に、浴槽内に設けられて風呂釜内に連通する導水口の開口縁部に当接する当接部を設けてある。
【0008】
したがって、易変形部が設けられていない一方の相対向する両面は、容器本体を形成している樹脂等が有する剛性を備えている。このため、一方の相対向する両面にて握持すれば容器本体が全体的に変形することはなく、また、外力が加わっても、容器本体が全体的に変形することはない。よって、吐出口に取り外し可能なキャップが設けられている場合においてこのキャップを除去する際、あるいは吐出口が開口状態にある風呂釜洗浄用薬剤容器を浴槽内に移動させるまでの過程で、容器本体内に充填されている洗浄用薬剤が吐出口から噴出してしまうことがない。
【0009】
そして、風呂釜洗浄用薬剤容器を使用するに際しては、浴槽内に水又は湯が入っている状態で、前記当接部を浴槽内に設けられて風呂釜内に連通する導水口の開口縁部に当接させた後、前記他方の相対向する両面を押圧する。すると、該他方の相対向する両面に設けられている易変形部が容器本体の内部方向に変形して、容器本体の容積が減少する。これにより、容器本体内に充填されている洗浄用薬剤が圧し出されて、吐出口より導水口を介して風呂釜内に注出される。
【0010】
また、請求項2記載の発明に係る風呂釜洗浄用薬剤容器にあっては、前記易変形部は、手指により押圧される押圧部とこの押圧部の外周に沿って延在する溝部とからなる。したがって、手指により押圧部を押圧すると溝部が屈曲基線となって、押圧部が全体的が容器本体の内部方向に変位する。これにより、容器本体の容積を効率的に減少変化させて、容器本体内に充填されている洗浄用薬剤を効率的に圧し出すことができる。
【0011】
また、請求項3記載の発明に係る風呂釜洗浄用薬剤容器にあっては、前記押圧部に、前記溝部に沿って延在する環状の段部を設けてある。したがって、段部により押圧部の剛性が高められることから、押圧された際、押圧部は押圧された部分のみを変形させるのではなく、前記溝部が屈曲基線となって、その形状を可及的に維持しつつ全体的に容器本体の内部方向に変位する。よって、この押圧部が形状を可及的に維持しつつ容器本体の内部方向に変位した際の面的な圧力が容器本体内に作用し、容器本体内に充填されている洗浄用薬剤を勢いよく吐出口から吐出させることができる。無論、押圧により押圧部は全体的に変形はするが、前述のように段部により押圧部の剛性が高められていることから、押圧をやめると、引き戻し操作を伴うことなく自然かつ急速に押圧前の状態に復帰する。
【0012】
また、請求項4記載の発明に係る風呂釜洗浄用薬剤容器にあっては、前記押圧部に、当該押圧部の面剛性を高める補強部材を貼着してある。したがって、補強部材により押圧部の面剛性が高められることから、押圧された際、押圧部は押圧された部分のみを変形させるのではなく、前記溝部が屈曲基線となって、その形状を可及的に維持しつつ全体的に容器本体の内部方向に変位する。よって、この押圧部が形状を可及的に維持しつつ容器本体の内部方向に変位した際の面的な圧力が容器本体内に作用し、容器本体内に充填されている洗浄用薬剤を勢いよく吐出口から吐出させることができる。無論、押圧により押圧部は全体的に変形はするが、前述のように補強部材により押圧部の面剛性が高められていることから、押圧をやめると、引き戻し操作を伴うことなく自然かつ急速に押圧前の状態に復帰する。
【0013】
また、請求項5記載の発明に係る風呂釜洗浄用薬剤容器にあっては、前記容器本体は、前記他方の相対向する両面が前記一方の相対向する両面よりも大きい扁平形状である。よって、片手の親指と他の四指との間に他方の相対向する両面を挾持して、該他方の相対向する両面を押圧することができ、容易に片手で容器本体内に充填されている洗浄用薬剤が圧し出して、風呂釜内に注出することができる。
【0014】
また、請求項6記載の発明に係る風呂釜洗浄用薬剤容器にあっては、前記当接部は、前記導水口の一部に間隙を残して前記開口縁部に当接する形状である。したがって、前記当接部を前記導水口の開口縁部に当接させた状態において、導水口の開口縁部と当接部間に間隙が生ずる。よって、浴槽内に水又は湯が入っている状態で、前記当接部を導水口の開口縁部に当接させた後、前述のように容器本体を収縮させて洗浄用薬剤を圧し出し、吐出口より導水口内に注出すると、前記間隙に負圧が生ずる。このため、浴槽内の水又は湯の一部が導水口内に注出された洗浄用薬剤とともに風呂釜に流入し、洗浄用薬剤を効率的に風呂釜内に流入させることができる。
【0015】
また、押圧をやめると、変位していた易変形部が原形に戻り容器本体内が負圧となり、前記間隙から導水口内に流入した水又は湯の一部が容器本体内に吸い込まれる。この容器本体内に吸い込まれた水又は湯に当該容器本体内に残存している洗浄用薬剤が溶解する。そして、再度易変形部を変位させると、水又は湯に溶解した洗浄用薬剤が洗浄用薬剤が圧し出されて、吐出口より導水口を介して風呂釜内に注出される。したがって、易変形部に対する押圧と押圧を解除する操作とを繰り返すことにより、容器本体内に充填された洗浄用薬剤を容器本体内に残存させることなく、注出することができる。
【0016】
さらに、キャップを除去する際やこの風呂釜洗浄用薬剤容器を移動させる際等において、誤って易変形部が設けられている他方の両面側を挾持することにより、易変形部が変位して充填されている液体薬剤の水位が上昇しても、当接部が設けられている内部空間により水位上昇が緩和され、液体薬剤の溢れを確実に防止することができる。
【0017】
また、請求項7記載の発明に係る風呂釜洗浄用薬剤容器にあっては、前記吐出口に、取り外し可能なキャップを有する。したがって、この風呂釜洗浄用薬剤容器の容器本体内に洗浄用薬剤を充填した状態で搬送、販売することが可能となる。
【0018】
また、請求項8記載の発明に係る風呂釜洗浄用薬剤容器にあっては、前記洗浄薬剤が、液体である。すなわち、従来においては洗浄用薬剤として粉末状(固形状)の薬剤が用いられているが、粉末であることから、薬剤が風呂水に溶けにくく溶かす労力が必要となる。また、薬剤の効果も遅く、洗浄に長時間を要する。無論、液体の薬剤を用いればこれらの問題を解決することは可能となる。しかし、従来の蛇腹型の容器では、開封の際の液体の溢れが粉末の薬剤に比べて大きな問題となり、溢れて、周囲の衣服を汚すばかりか、薬剤が目に入ったり、手に付着して不快の原因となるため、液体薬剤を用いることは回避されていた。しかし、前述のように、本発明にかかる風呂釜洗浄用薬剤容器によれば、液体薬剤であっても開封時における溢れの問題はなく、液体薬剤を充填することができ、これにより使い勝手を向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、易変形部が設けられていない一方の相対向する両面は、当該風呂釜洗浄用薬剤容器を形成している樹脂等が有する剛性を備えていることから、外力が加わっても、容器本体が全体的に変形することはない。よって、吐出口に取り外し可能なキャップが設けられている場合においてこのキャップを除去する際、あるいは吐出口が開口状態の風呂釜洗浄用薬剤容器を浴槽内に移動させるまでの過程で、容器本体内に充填されている洗浄用薬剤が吐出口から噴出してしまう不都合を防止することができる。
【0020】
また、風呂釜洗浄用薬剤容器を使用するに際しては、当接部を浴槽内に設けられて風呂釜内に連通する導水口の開口縁部に当接させて、他方の相対向する両面を押圧することにより、他方の相対向する両面に設けられている易変形部を変位させて、容器本体内に充填されている洗浄用薬剤を圧し出し、吐出口より導水口を介して風呂釜内に注出することができる。
【0021】
よって、風呂釜内への洗浄用薬剤の注出機能を保持しつつ、浴槽外での無用な洗浄用薬剤の噴出を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1〜5に示すように、本実施の形態に係る風呂釜洗浄用薬剤容器1は、容器本体2とキャップ3とで構成されている。容器本体2は適宜の合成樹脂を用いてブロー成型されたものであって、正面部4、背面部5、左側面部6、右側面部7及び底面部8を一体的に有し、一端部には吐出口9が突設されている。正面部4、背面部5、左側面部6及び右側面部7は、外部方向に膨出した湾曲状に形成されており、また、正面部4及び背面部5は、左右側面部6、7よりも遙かに大きく、よって容器本体2は扁平形状である。
【0023】
正面部4及び背面部5には、溝部10と手指により押圧される押圧部12とで構成された易変形部15が形成されている。溝部10は、容器本体2の内部方向に凹設された断面形状であって、上下方向に長い楕円の下部を切欠した形状に延在している。押圧部12は、外周を前記溝部10により囲まれた形状、すなわち上下方向に長い楕円の下部を切欠した形状からなる。
【0024】
押圧部12の周部には、前記溝部10に沿って延在する環状の段部11が複数間隔をおいて設けられている。この段部11は、正面部4及び背面部5の一般面に対して、略直交する外部方向に突出した面を有している。
【0025】
前記吐出口9の基端部には、当接部13が一体的に形成されており、この当接部13は吐出口9側に当接面13aを有している。当接面13aは、左右方向に長い楕円形であり、長尺方向の両端部は、図5(A)に示すように、浴槽内に設けられて風呂釜内に連通する導水口50の開口縁部51に当接するが、短尺方向の両端部は、同図(B)に示すように、導水口50の開口縁部51に当接しない大きさからなる。
【0026】
前記吐出口9の外周部には、雄ねじ部9aが設けられており、この雄ねじ部9aに前記キャップ3が着脱自在に螺合されている。
また、図1に破線で示したように、押圧部12には当該押圧部12の面剛性を高める補強部材としてのラベル14が貼着されている。このラベル14は、上下方向に長い楕円の下部を切欠して切欠部14aを形成した形状であって、切欠部14aより下部を除いて段部11、11を覆う大きさを有している。
【0027】
以上の構成にかかる本実施の形態において、この風呂釜洗浄用薬剤容器1の容器本体2内には風呂釜の液体洗浄用薬剤が充填された後、吐出口9にキャップ3が装着されてメーカから搬出される。この液体洗浄用薬剤が充填されている風呂釜液体洗浄用薬剤容器1をユーザが使用するに際しては、先ずキャップ3を除去する。このとき、易変形部15が設けられていない左右側面部6、7は、容器本体2を形成している樹脂等が有する剛性を備えている。したがって、左右側面部6、7にて握持すれば容器本体2が全体的に変形することはない。よって、キャップ3を除去する際、容器本体2内に充填されている液体洗浄用薬剤が吐出口9から噴出してしまうことがない。
【0028】
さらに、キャップ3を除去した後、浴槽内に移動させるまでの過程で外力が加わっても、容器本体2が全体的に変形することはない。したがって、キャップ3を除去した後、浴槽内に至るまでに液体洗浄用薬剤が吐出口9から噴出してしまうこともない。
【0029】
また、キャップ3を除去する際やこの風呂釜洗浄用薬剤容器1を移動させる際等において、誤って易変形部15が設けられている正面部4及び背面部5を挾持することにより、易変形部15が後述するように変位して、充填されている液体洗浄用薬剤の水位が上昇しても、当接部13が設けられている内部空間により水位上昇が緩和され、液体洗浄用薬剤の溢れを確実に防止することができる。
【0030】
そして、キャップ3を除去した容器本体2を、水又は湯が入っている浴槽上に移動させたならば、これを水又は湯内に没入させて、図5(A)に示すように、当接面13aの長尺方向両端部を導水口50の開口縁部51に当接させる。すると、同図(B)に示すように、当接部13の短尺方向両端部と導水口50の開口縁部51との間に間隙Sが残存する。
【0031】
この状態で、片手の親指と他の四指との間に正面部4及び背面部5の押圧部12を挾持して、該押圧部12の中心部を押圧する。すると、溝部10が屈曲基線となるとともに開方向に変形し、押圧部12が容器本体2の内部方向に変位する。これにより、容器本体2の容積を効率的に減少変化させて、容器本体2内に充填されている洗浄用薬剤を効率的に圧し出すことができる。
【0032】
また、段部11により押圧部12の剛性が高められているとともに、ラベル14により押圧部12の面剛性が高められていることから、押圧された際、押圧部12は押圧された部分のみが変形することなく、その形状を可及的に維持しつつ全体的に容器本体2の内部方向に変位する。よって、この押圧部12が形状を可及的に維持しつつ容器本体2の内部方向へ全体的に変位した際の面的な圧力が容器本体2内に作用し、容器本体2内に充填されている液体洗浄用薬剤を勢いよく吐出口9から吐出させることができる。
【0033】
そして、このようにして吐出口9から吐出した液体洗浄用薬剤は導水口50を介して風呂釜内に注出される。このとき、当接部13の短尺方向両端部と導水口50の開口縁部51との間に間隙Sが残存していることから、吐出口9より導水口50内に液体洗浄用薬剤が吐出されると、これに伴って間隙Sに負圧が生ずる。このため、浴槽内の水又は湯の一部が導水口50内に注出された液体洗浄用薬剤とともに風呂釜に流入し、液体洗浄用薬剤を効率的に風呂釜内に流入させることができる。
【0034】
また、押圧部12に対する押圧をやめると、開方向に変形していた溝部10が原形に戻り、変位していた押圧部12が原形位置に復帰し容器本体2内が負圧となる。このとき、前述のように、押圧部12は段部11により剛性が高められているとともに、ラベル14により押圧部12の面剛性が高められていることから、押圧をやめると、引き戻し操作を伴うことなく自然かつ急速に押圧前の状態に復帰する。よって、前記間隙Sから導水口50内に流入した水又は湯の一部が吐出口9より容器本体2内に吸い込まれる。
【0035】
そして、この容器本体2内に吸い込まれた水又は湯に、当該容器本体2内に残存している液体洗浄用薬剤が溶解する。したがって、前述と同様にして、押圧部12を変位させると、水又は湯に溶解した液体洗浄用薬剤が液体洗浄用薬剤が圧し出されて、吐出口9より導水口50を介して風呂釜内に注出される。よって、押圧部12に対する押圧と押圧を解除する操作とを繰り返すことにより、容器本体2内に充填された液体洗浄用薬剤を容器本体2内に残存させることなく、注出することができる。
【0036】
このようにして容器本体2内に充填されていた液体洗浄用薬剤を全て導水口50を介して風呂釜内に注出したならば、空になった容器本体2を浴槽内から取り去り、所定時間放置し、あるいは風呂釜に点火して所定時間湯を沸かす。これにより、液体洗浄用薬剤の作用によって、風呂釜内に付着していた垢等が除去されることとなる。
【0037】
なお、本実施の形態においては、溝部10を上下方向に長い楕円の下部を切欠した形状に延在するものとしたが、環状に延在する形状であってもよい。また、本実施の形態においては、段部11とラベル14とを設けるようにしたが、いずれか一方のみを設けるようにしてもよく、また、ラベル14は前記形状に限ることなく、段部11、11の全周を覆う形状や内側の段部11の内側のみ貼着された形状等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施の形態に係る風呂釜液体洗浄用薬剤容器の正面図である。
【図2】ラベルを省略した同右側図である。
【図3】ラベルを省略した同平面図である。
【図4】ラベルを省略した同底面図である。
【図5】(A)は当接部を風呂釜内に連通する導水口の開口縁部に当接させた状態のラベルを省略した正面図、(B)は同右側図である。
【符号の説明】
【0039】
1 風呂釜洗浄用薬剤容器
2 容器本体
3 キャップ
4 正面部
5 背面部
6 左側面部
7 右側面部
8 底面部
9 吐出口
10 溝部
11 段部
12 押圧部
13 当接部
14 ラベル(補強部材)
15 易変形部
50 導水口
51 開口縁部
S 間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に洗浄用薬剤が充填される容器本体と、この容器本体の一端部に設けられ前記洗浄用薬剤を噴出させる吐出口とを備える風呂釜洗浄用薬剤容器であって、
前記容器本体の一方の相対向する両面を除く他方の相対向する両面に、前記一方の相対向する両面よりも押圧に伴う内部方向への変形が容易な易変形部を設け、前記吐出口の周部に、浴槽内に設けられて風呂釜内に連通する導水口の開口縁部に当接する当接部を設けたことを特徴とする風呂釜洗浄用薬剤容器。
【請求項2】
前記易変形部は、手指により押圧される押圧部とこの押圧部の外周に沿って延在する溝部とからなることを特徴とする請求項1記載の風呂釜洗浄用容器。
【請求項3】
前記押圧部に、前記溝部に沿って延在する環状の段部を設けたことを特徴とする請求項2記載の風呂釜洗浄用薬剤容器。
【請求項4】
前記押圧部に、当該押圧部の面剛性を高める補強部材を貼着したことを特徴とする請求項2又は3記載の風呂釜洗浄用薬剤容器。
【請求項5】
前記容器本体は、前記他方の相対向する両面が前記一方の相対向する両面よりも大きい扁平形状であることを特徴とする請求項1から4にいずれか記載の風呂釜洗浄用薬剤容器。
【請求項6】
前記当接部は、前記導水口の一部に間隙を残して前記開口縁部に当接する形状であることを特徴とする請求項1から5にいずれか記載の風呂釜洗浄用薬剤容器。
【請求項7】
前記吐出口に、取り外し可能なキャップを有することを特徴とする請求項1から6にいずれか記載の風呂釜洗浄用薬剤容器。
【請求項8】
前記洗浄薬剤が、液体であることを特徴とする請求項1から7にいずれか記載の風呂釜洗浄用薬剤容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−16043(P2006−16043A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195308(P2004−195308)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000102544)エステー化学株式会社 (127)
【Fターム(参考)】