説明

風邪及び/又はインフルエンザの危険性を減少させる方法及び物質

【課題】 茶由来の成分を含む組成物により、風邪及びインフルエンザに対する、安全且つ効果的な予防療法を提供する。
【解決手段】 対象者の風邪及び/又はインフルエンザの発病率を低下させるのに有効である、茶由来の成分を含む組成物が、ここに開示されている。具体的には、所定量のL−テアニンと、エピガロカテキンガレート(EGCG:Epigallocatechin gallate)を含む組成物と、それを用いる方法とがここに例示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、合衆国法典第35巻第119条の下、2007年2月8日出願の米国特許第11/672、542号及び2006年9月21日出願の米国仮特許出願第60/826、451号に対して優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、規格量の特定の茶成分、すなわちL−テアニン及びエピガロカテキンガレートを含む組成物の投与が、全身性免疫を向上させ、人間の風邪及びインフルエンザの症状の発症の危険性を減少させるという、発明者の驚くべき知見に基づいている。風邪及びインフルエンザの症状を発症した被験者の減少数の主要評価指標を用いて、キーとなるこれらの茶成分(カメリアシネンシス組成物(CSC:Camellia sinensis composition))を含む組成物を利用した、ランダム化二重盲検プラセボ対照介入研究を通じて、発明者は、L−テアニン及びエピガロカテキンガレート(EGCG:epigallocatechin gallate)が共に作用し、風邪及びインフルエンザのリスクを減少させ、また、風邪及び/又はインフルエンザに感染した被験者の症度を低下させるという、驚くべき、意外な結果を知見した。発明者は、CSCが、微生物抗原に呼応し、γδT細胞分裂反応及びIFN−γ分泌を増強して、風邪及びインフルエンザの症状を発症する被験者数を約三分の一に減少するという結果を、ここに示す。
【背景技術】
【0003】
茶飲料は、何世紀にもわたって、健康と結び付けて考えられている。大半の研究は観測的なものであり、心臓血管、老化防止、神経変性、癌予防、そして骨領域に有益であることを示している[1−3]。健康上の利益とは合致しないという研究も他に多数ある[4、5]。これらの肯定的及び否定的な研究は、どちらも、被験者として自由生活の人間を採用する観察研究にはつきものの、交絡変数を伴う。茶飲料の性質が、これらの研究を、更に複雑なものとしている。何百もの種類の茶剤、カメリアシネンシスがあり、加えて製茶方法も多数あり、これらは茶一杯の成分を異なるものにし得る[6、7]。貯蔵及び醸造方法によって、標準化するのが困難な更なるばらつきが生じる。論争の元であって、その他の明白なものは、どの程度の量が茶一杯を構成するのかについての一般的な見解の一致がないということである。それ故に、公表された試験結果の多くが互いに矛盾するのは驚くべきことではない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Journal of the American College of Nutrition 25(2)、79頁−99頁、2006年:Beneficial effects of green tea−−a review(Cabrera C、 Artacho R、 Gimenez R)
【非特許文献2】Journal of Nutrition 33、3268S−32744S、2003年:Proceedings of the third international scientific symposium on tea and human health、Role of flavonoids in the diet(Chung FL、 Schwartz J、 Herzog CR、 Yang YM)
【非特許文献3】Journal of Nutrition 133(10)、3268S−3274S、2003年:Tea and cancer prevention、studies in animals and humans(Chung FL、 Schwartz J、 Herzog CR、 Yang YM)
【非特許文献4】Journal of the National Cancer Institute 97(4)、282頁−292頁、2005年:Coffee、 tea、 and caffeine consumption and incidence of colon and rectal cancer(Michels KB、 Willett WC、 Fuchs CS、 Giovannucci E)
【非特許文献5】Cancer Causes Control 15(4)、359頁−365頁、2004年:Coffee、 tea and caffeine and risk of epithelial ovarian cancer(Jordan SJ、 Purdie DM、 Green AC、 Webb PM)
【非特許文献6】Preventive Medicine 21(3)、334頁−350頁、1992年:Green tea composition、 consumption、 and polyphenol chemistry(Graham HN)
【非特許文献7】Clinical Infectious Diseases 40(9)、1263頁−1270頁、2005年:Colds and influenza−like illnesses in university students: impact on health、 academic and work performance、 and health care use(Nichol KL、 D’Heilly S、 Ehlinger E)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
茶についての多くの臨床研究は、心臓病及び癌に対する成果に焦点が置かれているが、風邪及びインフルエンザの症状の予防に関し、人間の臨床データで入手可能なものがない。これらの症状は人間に最もよくある疾患であり、苦痛、生産力の減少、そして仕事の欠勤及び学校の欠席につながる[7]。さらに、亜鉛をベースとする鼻内噴霧器及びトローチ剤[8]、並びにエキナシア[9]の効能を疑問視する最近の研究により、風邪及びインフルエンザについての新たな調査が、より重要なものとなっている。確かに、風邪及びインフルエンザの安全で効果的な予防療法について、長きに渡り満たされていないニーズがある。製薬型のものでも天然のものでも、風邪及び/又はインフルエンザの予防治療薬の開発におけるあらゆる進歩が、毎年風邪及びインフルエンザを患う何百万人もの人々へ劇的な恩恵を提供するだろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
茶の中に豊富なL−テアニンは、体内の代謝作用で分解され、ガンマ・デルタT細胞抗原であるエチルアミンを産出する。これはL−テアニンを与えられたラットの血液に現われるものだが、茶を飲む者の尿にも現われることが明らかとなっている。通常、茶抽出処理により、L−テアニンを含むアミノ酸が排除される。ここに教示される組成物は、L−テアニンとエピガロカテキンガレートとを高濃度で自主的に結合させるという点で特有である。
【0007】
エピガロカテキンガレート組成物は茶から得られ、重量で10〜100%のエピガロカテキンガレートを含む。最適な実施形態では、エピガロカテキンガレートは、重量で、少なくとも40〜50%のエピガロカテキンガレートを含む。茶から得られたエピガロカテキンガレートがカフェインを含むことがあるのは周知である。米国特許第7、012、149号を、エピガロカテキンガレート含有組成物を得るバックグラウンドとして引用する。また、ミネソタ州、ミネアポリス、太陽インターナショナルのSUNPHENON(登録商標)ラインの製品などの、エピガロカテキンガレート組成物を提供する市販の製品を、ここの教示に従って用いてもよい。
【0008】
好ましい実施形態では、カフェインを、エピガロカテキンガレート組成物を得る前又は得た後に、エピガロカテキンガレート組成物から低減又は排除する。発明者は、カフェイン量を減少させることにより、コンプライアンスが上昇した新しい組成物が提供されることを知見している。カフェイン摂取は、これらに限定されないが、子どもの激高、便秘、神経過敏、めまい、高血圧症、及び不整脈を含む、多くの有害な副作用を引き起こす場合がある。特定の実施形態に関しては、組成物を、学生に供給される飲料及び食品用として、とりわけ学校に出荷してもよいと発明者は考えている。学校はウィルスの起源及び頒布の一次発生源になりえる。ここに教示されている組成物の投与は、微生物感染の広がりを抑え、又は遅くする働きをもつ。カフェインを含む組成物は、このような適用にふさわしくない。
【0009】
茶ポリフェノールとは別にL−テアニンは得られる。そのため、10〜100%のL−テアニンを含むL−テアニン組成物を茶から得て、このL−テアニン組成物を、茶ポリフェノール組成物を含むエピガロカテキンガレートと混合してもよい。L−テアニンを得るバックグラウンドに関しては、米国特許第6831103号を参照。
【0010】
テアニンはグルタミン酸誘導体(γ−グルタミルエチルアミド)でもよく、これは主に茶葉に天然に含まれるアミノ酸成分である。本発明に用いられるテアニンを調製する方法は、例えば、茶葉から抽出する方法; 有機合成方法(Chemical & Pharmaceutical Bulletin 19(7)、1301頁−1307頁、1971年);グルタミナーゼを用いてグルタミン及びエチルアミンの混合物を処理する方法(特開平7−55154);エチルアミンを含む媒体に茶の培養細胞を培養することを含む方法であって、それにより培養細胞におけるテアニンの蓄積量を増加させ、培養細胞の成長を促進する方法(特開平5−123166);特開平7−55154又は特開平5−123166に開示されている、塩酸エチルアミンなどのエチルアミン誘導体によりエチルアミンが代用される変性方法などを含み、いずれの方法を用いてもよい。上記「茶葉」は緑茶葉、ウーロン茶葉、紅茶葉などを含む。
【0011】
テアニンは、L−テアニン、D−テアニン及びDL−テアニンのいずれとしても用いることができる。それらの内で、L型が食品添加物として承認され、経済的に利用可能であるので、本発明には好ましい。さらに、本発明に用いられるテアニンは、精製産物、加工しない精製産物、そしてエキス剤など、どのような形態であってもよい。また、市販の製品[太陽化学株式会社製造のSUNTHEANINE(登録商標)]が用いられてもよい。
【0012】
一実施形態によれば、本発明は、対象者の風邪及び/又はインフルエンザの発病率を低下させる方法であって、L−テアニンと、エピガロカテキンガレートとを含む組成物を経口投与し、 前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも25mg、そしてエピガロカテキンガレートが少なくとも25mgとなる投与量に従い投与される方法に関する。具体的な実施形態では、1日当たり、少なくとも200mgのL−テアニンが投与される。他の実施形態では、1日当たり、少なくとも150mgのL−テアニンと、少なくとも125mgのエピガロカテキンガレートとが同時投与される。特定の実施形態では、1日当たり、180〜220mgのL−テアニンと、180〜220mgのエピガロカテキンガレートが投与される。代替実施形態では、L−テアニンと混合するのに用いられるエピガロカテキンガレートの一日の量が約200mgから450mgである。具体的な実施形態では、エピガロカテキンガレートは、エピガロカテキンガレート45%の組成物で、800mgまで提供される。
【0013】
他の実施形態によると、本発明は、L−テアニンとエピガロカテキンガレートとの混合物を含むカプセル剤若しくは錠剤、又は液体懸濁液に関し、該カプセル剤若しくは錠剤は、重量で10%から100%のL−テアニン、そして重量で10%から100%のエピガロカテキンガレートを含む。具体的な実施形態では、該カプセル剤若しくは錠剤は、15%から65%のL−テアニン、そして15%から65%のエピガロカテキンガレートを含む。他の実施形態では、該カプセル剤若しくは錠剤、又は液体懸濁液は、重量で、30%から60%の茶ポリフェノールを含む。具体的な実施形態では、該カプセル剤若しくは錠剤、又は液体懸濁液からカフェインが除かれる。代替実施形態では、該カプセル剤若しくは錠剤はスルフォラファン(1日につき5〜50mg)を含んでもよい。
【0014】
該錠剤若しくはカプセル剤は、限定はされないが、全量10〜500mgである。具体的な実施形態では、該カプセル剤は、一個体の全量が25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475又は500mgである。
【0015】
他の実施形態によると、本発明は、L−テアニン及びエピガロカテキンガレートを含む組成物を経口投与し、風邪及び/又はインフルエンザの症度を低下させることに関し、前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも25mgとなる投与量に従って投与される。具体的な実施形態では、1日当たり、少なくとも100mgのL−テアニンが投与される。他の実施形態では、1日当たり、少なくとも115mgのL−テアニンが、少なくとも100mgのエピガロカテキンガレートと共に同時投与される。特定の実施形態では、1日当たり、150〜600mgのL−テアニン、と、150〜600mgのエピガロカテキンガレートとが投与される。
【0016】
他の実施形態によると、本発明は、水、調味料、エピガロカテキンガレート組成物、及びL−テアニンを含む飲料を経口投与し、風邪及び/又はインフルエンザの症度を低下させることに関し、前記飲料は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも25mg、そしてエピガロカテキンガレート組成物が少なくとも25mgとなる投与量に従い投与される。具体的な実施形態では、1日当たり、少なくとも100mgのL−テアニンが投与される。他の実施形態では、1日当たり、少なくとも120mgのL−テアニンが、少なくとも125mgのエピガロカテキンガレートと共に同時投与される。具体的な実施形態では、1日当たり、150〜600mgのL−テアニンと、150〜600mgのエピガロカテキンガレートとが投与される。
【0017】
他の実施形態によると、本発明は、L−テアニン及びエピガロカテキンガレートを含む組成物の治療有効量を経口投与し、対象者のγδT細胞により免疫機能を向上させる方法に関し、前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも25mg、そしてエピガロカテキンガレートが少なくとも25mgとなる投与量に従って投与される。より具体的な実施形態では、組成物は、少なくとも10〜100%のL−テアニンを含むL−テアニン組成物と、少なくとも10〜100%のエピガロカテキンガレートを含む茶ポリフェノール組成物との混合物を含む。
【0018】
特定の方法実施形態では、1日当たりのL−テアニンの投与量は、少なくとも25mgである。L−テアニンの投与量は、通常、1日当たり25−600mgであるが、600mgより高くてもよい。特定の実施形態では、1日当たりのL−テアニンの投与量は、約25、50、75、100、125、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、260、280、300、320、340、360、380、400、420、440、460、480、500、520、540、560、又は600mgである。具体的な実施形態において、該投与は1日当たり約200mgのL−テアニンが提供されるように行われる。エピガロカテキンガレートの投与量は、1日当たり少なくとも25mgである。エピガロカテキンガレートの投与量は、通常、1日当たり25−600mgである。特定の実施形態では、1日当たりのL−テアニンの投与量は、約25、50、75、100、125、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、260、280、300、320、340、360、380、400、420、440、460、480、500、520、540、560、又は600mgである。具体的な実施形態において、該投与は1日当たり約200mgのL−テアニンが提供されるように行われる。
【0019】
他の実施形態では、本発明は、L−テアニン組成物とカフェインが除かれた茶ポリフェノール組成物との混合物を含む組成物に関し、前記L−テアニン組成物は少なくとも50%のL−テアニンを含み、前記カフェインが除かれた茶ポリフェノール組成物は少なくとも30%のエピガロカテキンガレートを含み、前記L−テアニン組成物と茶ポリフェノール組成物は、相互に、2:1、1.9:1、1.8:1、1.7:1、1.6:1、1.5:1、1.4:1、1.3:1、1.2:1、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、又は1:3の比率で存在する。関連する実施形態では、該組成物は食品添加物として用いられる。具体的な実施形態において、該組成物は、重量で10%から80%のL−テアニンと、重量で10%から80%のエピガロカテキンガレートとを含む。特定の実施形態では、該カプセル剤あるいは錠剤は、15%から65%のL−テアニンと、15%から65%のエピガロカテキンガレートとを含む。より具体的な実施形態では、該組成物は20%から40%のL−テアニンと、20%から40%のエピガロカテキンガレートとを含む。
【0020】
さらに他の実施形態では、本発明は、治療有効量のL−テアニン及びエピガロカテキンガレートを含む食品に関する。具体的な実施形態において、本発明は、少なくとも25mgのL−テアニンと、限定はされないが、前段落に記載されているような茶ポリフェノール組成物とを含む食品に関する。食品の実施例は、これらに限定はされないが、エネルギーバー、ソース、サラダドレッシング、冷凍ディナー、フレンチフライポテト、缶詰めのスープ、ヨーグルト、シリアル、パン、小麦粉、及び穀物を含んでもよい。代替であるが、関連する実施形態において、本発明は、全量25mgから50kgの加工食製品に関する。該加工食製品は、重量で、少なくとも0.1%のL−テアニンと、少なくとも0.1%のエピガロカテキンガレートを含む。具体的な実施形態において、該食品は、重量で、約0.1〜10%のL−テアニンと、約0.1〜10%のエピガロカテキンガレートを含む。別の実施形態では、1食当たりのL−テアニン及びエピガロカテキンガレートの量は、少なくとも25mgである。
【0021】
一切の特定の機械論に縛られることなく、発明者は、特定の実施形態の意外な抗ウイルス効果は、L−テアニンとエピガロカテキンガレートとの間の一方向性の相乗作用によるものであると信じる。具体的には、発明者は、2つの様相の一方向の相乗作用があると考える:最初の様相では、L−テアニン・カタボライト・エチルアミンが、γδT細胞と結合し、風邪及びインフルエンザのウィルス、ならびにIL−12による活性化に対して感作する(増殖及びIFN−γ分泌)。エピガロカテキンガレートは、γδT細胞活性化並びに風邪及びインフルエンザの予防に不可欠な、IL−12の分泌を高める役目をする(参考文献18及び20)。IFN−γはウィルスに対して作用するものである。但し、望まれない副作用として、このIFN−γはマクロファージに作用し、その結果、酸素遊離基や、肺、鼻、及び喉の細胞に有毒なIL−1及びTNF−αなどのサイトカイニンを放出する。これらの毒性は、風邪及びインフルエンザの症状を引き起こす。第2の様相では、エピガロカテキンガレートは、これらの毒素の合成を減少させることにより、また、これらの毒素の有害な効果から肺、鼻及び喉の細胞を保護することにより、このL−テアニンのγδT細胞に対する作用により引き起こされたダメージを最小限に抑える。(参考文献20及び22−25)
【0022】
特定の実施形態では、該組成物は、通常、意図した目的を得るのに効果的な量が用いられる。上記の疾患又は病気の治療又は予防に用いるため、CSCが治療有効量で投与又は適用される。
【0023】
ここに開示された特定の病気又は状態の治療に効果的な、L−テアニン及びエピガロカテキンガレート、及び/又はそのような化合物を含むCSCの量は、その病気又は状態の性質に依存し、当技術分野で周知の標準的な臨床技術により、そして、特定の疾患又は病気の治療又は予防に精通しているドクターにより決定することができる。さらに、生体外又は生体内のアッセイを、最適な投与量域の確定を助力するため、随意に採用してもよい。本発明の化合物及び/又はその医薬組成物の投与量は、もちろん、他の要因のうち、処置を受けている対象者、対象者の体重、病気の症度、投与の方式、及び処方医師の判断に依存する。
【0024】
例えば、該投与は、単回投与、複合投与又は制御放出で施されても良い。一実施形態において、本発明の化合物は、経口の徐放性投与により投与される。この実施形態では、本発明の化合物が1日2回投与されるのが好ましい(1日1回がより好ましい)。投与は、断続的に繰り返してもよく、単独で又は他の薬と組み合わせて提供されてもよく、そして疾患状態又は病気の効果的な治療に必要な限り継続してもよい。
【0025】
経口投与に適した投与量域は、通常、体重1キログラムにつき本発明の化合物約0.0001mgから約2000mgである。一実施形態では、投与量域は、約0.1mg/kgから約5mg/kgである。投与量域は、当業者に周知の方法により容易に確認されるであろう。有効量は、生体外又は動物モデルのテスト・システムから導き出された用量作用曲線から推定されてもよい。そのような動物モデル及びシステムは当技術分野で周知である。
【0026】
本発明の化合物は、所望の治療又は予防活性のため、人間に用いる前に、生体外及び生体内においてアッセイすることが望ましい。例えば、生体外のアッセイは、本発明の特定の化合物又は本発明の化合物の組合せの投与が好ましいかどうか判断するために使える。また、本発明の化合物は、動物モデルシステムを用いて、効果的及び安全であることを実証してもよい。
【0027】
ここに記載された本発明の化合物及び/又はその医薬組成物の治療効果のある投与量は、多大な毒性をもたらさずに、治療効果を提供するものであることが好ましい。本発明の化合物及び/又はその医薬組成物の毒性は、標準の製薬手順を用いて測定されるであろうし、当業者により簡単に確かめられるであろう。毒性効果と治療効果との間の用量比は治療係数である。本発明の化合物及び/又はその医薬組成物は、好適には、疾患及び病気を治療する際にとりわけ高度の治療指標を示す。ここに記載された本発明の化合物及び/又はその医薬組成物の投与量は、毒性が少ない又は無い有効投与量を含む、血中濃度の範囲内であることが好ましい。
【0028】
別に定義されない限り、ここに用いられる技術用語及び科学用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者に、共通して理解されるのと同様の意味を有する。本発明の実施又は試験においては、記載されたものに類似又は同等のあらゆる方法及び物質を用いることができるが、好ましい方法及び物質は、ここに記載される。
【0029】
医薬品化学及び医薬製剤分野の当業者には、適切な経口投与、非経口投与、又は他の投与のためには、他の製剤も考えられることは、十分に理解されるであろう。米国特許第6、821、532号及び第7、157、493号が医薬製剤の概況として引用される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、12週間の調査期間中に、少なくとも1つの症状を有した、56人のCSC被験者と55人のプラセボ被験者の割合を表すグラフを示す。
【図2】図2は、12週間の調査期間中に、各被験者が風邪及びインフルエンザの症状を有した平均日数を示す。
【図3】図3は、治療を求める被験者の割合を示す。
【図4】図4は、それぞれの症状を有する被験者の割合を示す。CSF被験者56人中1人(1.79%)に下痢;プラセボ被験者55人中3人(5.45%)に下痢(67.1%の差)。CSF被験者56人中3人(5.35%)に熱;プラセボ被験者55人中7人(12.7%)に熱(57.8%の差)。CSF被験者56人中16人(28.6%)に咽喉炎;プラセボ被験者55人中25人(45.4%)に咽喉炎(37.0%の差)。CSF被験者56人中14人(23.2%)に頭痛;プラセボ被験者55人15人(27.2%)に頭痛(1.47%の差)。CSF被験者56人中2人(3.57%)に吐き気;プラセボ被験者55人中4人(7.27%)に吐き気(50.9%の差)。CSF被験者56人中11人(19.6%)に咳;プラセボ被験者55人中16人(29.1%)に咳(32.6%の差)。CSF被験者56人中20人(35.7%)に鼻汁;プラセボ被験者56人中29人(51.8%)に鼻汁(31.1%の差)。CSF被験者56人中19人(33.9%)に鼻づまり;プラセボ被験者55人中21人(38.2%)に鼻づまり(11.2%の差)。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の好ましい実施形態は、図面を参照して詳細に説明される。
【0032】
実施例1:エピガロカテキンガレート/L−テアニンの製剤実施例
【0033】
特定の実施例によると、本発明は、L−テアニンを少なくとも95%含有する組成物の混合物又は25〜300mgの該組成物と、少なくともエピガロカテキンガレートを45%含有する茶ポリフェノール組成物の混合物又は50〜400mgの該組成物とを含むカプセル剤に関する。より具体的な実施例では、本発明は、L−テアニンを98%含有する組成物100mgと、エピガロカテキンガレートを50%含有する茶ポリフェノール組成物200mgとを含む300mgの混合物を含むカプセル剤に関する。
【0034】
実施例2:風邪及び/又はインフルエンザの治療/予防飲料
【0035】
他の実施例によると、本発明は、水、調味料、エピガロカテキンガレート組成物、及びL−テアニンを含む飲料、そして該飲料が充填される容器を含む製品に関する。特定の実施例では、容器の容積は25mlから5000mlの範囲であってもよい。該製品は少なくとも25mgのL−テアニンと、少なくとも25mgのエピガロカテキンガレートとを含む。最良の形態では、該製品は少なくとも50mgのL−テアニンと、少なくとも50mgのエピガロカテキンガレートとを含む。具体的な実施形態において、該製品は、少なくとも75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、又は250mgのエピガロカテキンガレートと、少なくとも75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、又は250mgのL−テアニンとを含む。エピガロカテキンガレート組成物は茶から得られ、重量で10〜100%のエピガロカテキンガレートを含む。最適な実施例では、エピガロカテキンガレートは、重量で、少なくとも40〜50%のエピガロカテキンガレートを含む。茶から得られたエピガロカテキンガレートがカフェインを含んでいる可能性があることは周知である。好ましい実施例では、カフェインは、エピガロカテキンガレート組成物を得る前又は後のいずれかに、エピガロカテキンガレート組成物から低減又は除去される。茶ポリフェノールとは別にL−テアニンは得られる。そのため、10〜100%のL−テアニンを含むL−テアニン組成物が茶から得られ、これが、茶ポリフェノール組成物を含むエピガロカテキンガレートと混合される。調味料とは、味を変え、強め、又は隠すために用いられるあらゆる物質に関する。香味料は、甘味料、塩類、香味物質、酸味料を含むが、これらに限定されない。甘味料は天然・人工甘味料の両方を含む。甘味料は、スクラロース、アセサルフェーム・カリウム、アスパルテーム、サッカリン、サッカロース、グルコース、フルクトース、ブドウ糖果糖液糖、転化糖、そして、ソルビトールやマンニトール及びその混合物を含む糖アルコールを含むが、これらに限定されない。ここに用いられるように、「酸味料」という用語は、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムを含むが、これらに限定されない。ここに用いられるように、「保存料/抗菌剤」という用語は、安息香酸ナトリウム、カリウム安息香酸塩、安息香酸、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、ソルビン酸を含むが、これらに限定されない。
【0036】
飲料の実施例は、L−テアニン/エピガロカテキンガレート組成物と混合されたフルーツジュース、L−テアニン/エピガロカテキンガレート組成物入りの「スムージー」(フルーツジュース及びブレンドされた果物)、組成物入りの、GATORADE(登録商標)やPOWERADE(登録商標)などのフィットネス飲料、組成物を加えた茶飲料、及びに組成物を加えたソーダを含むが、これらに限定されない。
【0037】
実施例3:二重盲検プラセボ研究
【0038】
物質と方法
【0039】
被験者:21〜70歳(平均年齢29歳)の健康な男性(52人)及び女性(72人)を、12週間のランダム化二重盲検プラセボ対照並行研究に参加するためとして採用した。被験者は、フロリダ大学のキャンパス及びフロリダ地域のゲインズヴィルから2006年1月に採用した。フロリダ大学施設内倫理委員会が研究プロトコールを承認し、各被験者から書面による同意が得られたことを報告した。電話及び/又は個人面接により研究のための選別を行った。除外基準は以下である:過去2年間に風邪をひいていないか;菜食か;ステロイド剤を使用しているか;過去一年以内に化学療法又は他の免疫抑制治療を受けているか;慢性的な抗生物質又は他の感染症予防手段の摂取があるか;慢性病があるか;最近手術又は病気をしているか;妊娠中及び/又は授乳中の女性であるか。また、以下を毎日摂取している人々も除外した:1杯以上の茶(250mL);平均7品目以上の果物及び野菜;ハーブサプリメント、総合ビタミン剤もしくはビタミンD以外のビタミン剤、又はγδT細胞の活性剤であるビスホスホネーを含んでいる骨粗鬆症の薬もしくは薬剤[10]。研究は2006年の1月から5月まで行った。参加者は、研究中、電子メール及び電話で、登録されている研究助手に連絡をとり、研究の完了時に退験アンケートを記入しに戻った。全体的な研究コンプライアンスは、その退験アンケート及び研究終了時に返却された残存カプセル剤の計数を通じて、モニタリングした[11]。
【0040】
研究プロトコール:研究は、通常の風邪及びインフルエンザのシーズンと一致するよう、2006年の1月から5月まで行った。疾病対策センターのフロリダにおけるインフルエンザ活動に関する週報は以下のとおりであった:1月〜3月は局所的から広範囲に、3月〜4月は広範囲から局所的な活動に、4月〜5月は局所的な活動から散発性になる。
【0041】
被験者を、サプリメント及びプラセボ群に無作為に割り当てた。被験者及び調査者の両者を治療に関して盲検化した。ヒューマンヘルスバイオ技術研究所(ナポリ、フロリダ州)がCSC及びプラセボカプセル剤を提供した。該CSCのカフェインを除去し、L−テアニン(Suntheanine(登録商標)(99%に規格化されている);太陽インターナショナル、ミネアポリス、ミネソタ州)と、エピガロカテキンガレート(Suntheanine(登録商標);太陽インターナショナル、ミネアポリス、ミネソタ州、(50%に規格化されている))との混合物を含めた。該プラセボカプセル剤は、微結晶性セルロース、ブドウ糖、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、二酸化けい素、食用色素赤色40号、黄色6号、及び青色1号を含んでいた。各参加者に、180個のカプセル剤を入れた瓶を与え、12週間のあいだ毎日2個(午前中に1つ、そして午後一つ、食事と一緒が好ましい)カプセル剤を飲むよう指示した。
【0042】
12週間の実験期間における、あらゆる風邪及びインフルエンザの症状を記録するためとして、病気日誌を被験者に与えた。第一義的転帰は、なんらかの症状が出た被験者の数、そして彼らが症状を自己報告した日の平均数として定義した。評価した症状は以下のとおりである:鼻汁、鼻づまり、頭痛、咳、咽喉炎、熱、吐き気/嘔吐、及び下痢。また、被験者に対して、治療を必要とし、治療を要求した結果、何らかの薬剤を処方された場合に、報告するよう求めた。該退検アンケートには、被験者に何らかの副作用が出たかどうか、及び/又はストレス又は不安といった感情の何らかの変化が出たかどうか、又は研究中に何らかの栄養補助食品を更に飲んだ(食べた)か判定するための質問を含ませた。最後に、被験者に、有効なカプセル剤を飲んだと思うか、又はプラセボカプセル剤を飲んだと思うか報告するように求めた。
【0043】
血液採取:空腹時の被験者から、0日目(基礎)及び21日目に、血液を採取した。血液は、末梢血単核球(PBMC:peripheral blood mononuclear cell)分離用の10mLのナトリウムヘパリンチューブ1本と、そして血清用の10mLのSST(商標)チューブ(ヴァキュテイナー、ベクトン・ディキンソン、フランクリンレイクス、ニュージャージー州)1本とに、採取した。血清用のチューブを4℃に維持し、PBMC用のチューブは室温(RT:room temperature)に維持した。血液採取から1時間以内に全チューブを処理した。血球分離及び培養処理は滅菌状態で行った。
【0044】
血清採取及び処理:遠心分離(1000g、10分、4℃)後、血清をSST(商標)チューブから取り出し、−80℃に冷凍した。
【0045】
血球分離:PBMCを分離するため、全血を希釈し勾配に置いた。簡潔に言うと、7mLの全反凝固血(室温)を、0.9%の塩化ナトリウムを用いて1:1に希釈した。希釈血液(6mL)を、3mLのNycoprep 1−Step(商標)1.077(アクシズシールド、オスロ、ノルウェー)上に層にし、遠心分離機にかけた(800g、20分、20℃)。単核球の層を取り除き、遠心分離(400g、10分、4℃)により、10%のFBS含有RPMI1640(セルグロ;メディアテック、ハーンドン、バージニア州)完全培地(100U/mLのペニシリン;100μg/mLのストレプトマイシン;0.25μg/mLのファンギゾン;50μg/mLのゲンタマイシン;2mMのL−グルタミン;25mMのヘペス(HEPES:4−(2−hydroxyethyl)−1−piperazineethanesulfonic acid)を用いて2度洗浄した。それぞれの細胞ペレットを、血清なしで、2mLのRPMI1640完全培地において再懸濁し、そしてZ−2 Coulter Counter(100μmのアパーチャ・チューブに3.8μの設定、ベックマン・クルター、フラートン、カリフォルニア州)で計数した。
【0046】
γdT細胞増加及びサイトカイン産生のための末梢血単核球(PBMC:peripheral blood mononuclear cells)の培養:0日目、50μM 2−MEを含んでいる10%FBS含有RPMI1640完全培地における1.0×106PBMCを、2つの24ウェルの組織培養プレート(コスター、コーニング、ニューヨーク州)の2つのウェルそれぞれにシードした。同じ培地のエチルアミン(1mM/mL、シグマ)を、各プレートの一組のウェルに加え、もう一組を1mLの培地で疑似処理した。該プレートは、37℃の、加湿した二酸化炭素5%の環境で培養した。1日目、1つのプレートから細胞及び上澄み液を採取し、遠心分離機にかけた(1500、10分、4℃)。サイトカイニン分解のため、上澄み液を除去し、−80℃に凍結し、一方で、細胞ペレットを0.1mLのPBS及び0.5mLのRNAlater(登録商標)(アンビオン、オースティン、テキサス州)に再懸濁し、−80℃に冷凍した。3日目、recombinant human IL−2(BDバイオサイエンス、サンディエゴ、カリフォルニア州)30U/mLを、残りのプレートの全ウェルに加え、これを細胞が採取される10日目までインキュベートした。総細胞数は、コールターカウンター(4.5μ設定)と、血球計数器上のトリパンブルー排除を介して数えられた死細胞と、フローサイトメトリー用に処理された細胞とで得た。
【0047】
フローサイトメトリー:PBMC懸濁液及び培養組織におけるaβとγdT細胞との比率は、培養0日目と10日目に細胞表面マーカーを確認に用いて、フローサイトメトリーにより測定した。
【0048】
抗体:
【0049】
フィコエリトリン(PE:Phycoerythrin)結合抗ヒトCD3+、及びフルオレセインイソチオシアネート(FITC:fluorescein isothiocyanate)結合抗ヒトT細胞表面マーカーaβTCR及びγdTCR(イーバイオサイエンス、サンディエゴ、カリフォルニア州)を、PBMCの染色に用いた。
【0050】
染色/固化:
【0051】
染色バッファーにおけるPBMC(0.1%NaN3及び2%FBS含有PBS)を、30分間、暗下において、氷の上で、PE抗ヒトCD3抗体及び2つのFITC結合TCR特異抗体のうちの1つを用いて、染色した。細胞は、遠心分離(1000g、10分、20℃)により洗浄した(0.1%NaN含有PBS)。細胞は、0.1%NaN3含有PBSにおいて、1%のパラホルムアルデヒドを用いて固化した。細胞は、FACScan(ベクトン・ディキンソン、サンホセ、カリフォルニア州)で24時間内に分析した。データは、WinMDIソフトウェア(スクリップスインスティテュート、ビルド番号1301−19−2000)を用いて分析した。採集データはゲートしたCD3細胞からであった(イベント)。最終データは、特異的細胞表面マーカーを表わす細胞の平均パーセンテージ±標準偏差(SD:standard deviation)としてレポートした。
【0052】
細胞増殖からの上澄におけるサイトカイニン・レベルの測定:PBMC培養上清からのヒトIFN−γのレベルは、製造業者(BDバイオサイエンスファーミンジェン、サンディエゴ、カリフォルニア州)の指示に従い、酵素免疫吸着法(ELISA:enzyme linked−immunosorbent assay)キットを用いて定量化した。各キットに提供されているヒト・サイトカイニン基準を、検量線に用いた。上澄は、IFN−γのため希釈せずに分析した。プレートは、SPECTRAmax 340PC plate reader(モレキュラー・ディバイシーズ、メンローパーク、カリフォルニア州)上で、450nm( 570nmのλ補正)で読込んだ。サイトカイニン濃度を、検量線の範囲内の値から得た平均値として計算した。サイトカイニンELISAキットの検出限界は、IFNγ−300pg/mLであった。
【0053】
統計解析:症状が出ている被験者の割合を評する分析には、割合間の2標本t検定を用いた。症状が出ている日数を評する分析には、平均値を求めるための独立群t検定を用いた。γδT細胞分裂反応の研究及びIFN−γ分泌に、二元配置分散分析を用いた。
【0054】
結果
【0055】
研究した被験者
【0056】
124人の被験者が研究に参加した。6人の被験者が研究から辞退した(3人はCSC、3人はプラセボ)。有害事象は軽度で、稀少で、一時的なものだった。腫脹、異常亢進、めまい、発疹及び便秘が報告され、実験群及び対照群の間で差異がなかった。CSCを摂取している2人の被験者が、軽度の発疹で辞退した。1人の被験者は、発疹は魚介類アレルギーに関係していると考えたと言い、もう一人はカプセル剤によるものではないかと考えた。どちらの被験者も医学的処置を求めなかった。このような緑茶に対する食物アレルギーなどはすでに評されているが、ほとんどが製茶工場労働者においてであり、その緑茶における原因物質とはエピガロカテキンガレートである[12]。しかしながら、その文献における他の報告では、エピガロカテキンガレートが喘息及びアトピー性皮膚炎に有益なものであると述べられている[13、14]。
【0057】
1人のプラセボ被験者は、関連性のない尿路感染症により辞退した。1人のプラセボ被験者は、移動時間の問題により辞退した。1人のプラセボ被験者は、再来が出来なくなり辞退した。1人のプラセボ被験者は、単にカプセル剤を飲むのを辞め辞退した(表1)。その他5名の被験者(2人はCSCで3人はプラセボ)を、70%未満のコンプライアンスだったため、全データから除外した。その他2名の被験者(1人はCSCで1人はプラセボ)が、研究開始時に病気であると経過記録に報告し、それは除外基準だったので、除外した。サプリメント群の56人の被験者及びプラセボ群の55人の被験者が、70%以上のコンプライアンスを有して研究を完了し、彼らのデータは全結果及び分析に含めた。
【0058】
デモグラフィックス
【0059】
平均年齢、性別及びBMI値は、実験群と対照群との間で違いはなかった。どちらの治療が自分に割り当てられたのか推測した被験者のパーセンテージにおいて、CSCとプラセボとの間で差がなかったことからも、被験者は適切に盲検化されていた。
【0060】
カメリアシネンシス組成物(CSC:Camellia sinensis composition)の摂取による、風邪及びインフルエンザの症状を有する被験者数の減少
【0061】
熱、鼻汁、鼻づまり、咽喉炎、咳、頭痛、下痢、及び吐き気などの、日々の風邪及びインフルエンザの症状を報告するための病気の記録を、3か月の研究のあいだずっと続けるように被験者に求めた。12週間の研究中、プラセボ被験者では55人中36人(65.5%)だったが、CSC被験者では56人中25人(44.6%)だけに、少なくとも1つの症状があった。したがって、プラセボを摂取している被験者と比べ、CSC被験者では風邪及びインフルエンザの症状の発症が31.9%少なかった。(P<0.029;図1)。
【0062】
56人のCSC被験者において、症状があった日は合計で412日だった(平均7.37+/−13.95日)。また、55人のプラセボ被験者において、症状があった日は合計で595日だった(平均10.8+/−14.98日)。これは、プラセボ群と比較して、CSC被験者の症状があった日数が、30.2%減少することを表わす (P<0.199;図2)。CSC被験者56人中3人(5.3%)、そしてプラセボ被験者55人中6人(12.7%)が、治療を求めた(58.3%の差;P<0.175;図3)。我々は8つの症状それぞれについて各群の被験者を分析した。プラセボ被験者と比較して、下痢、熱、吐き気、咽喉炎、咳、鼻汁、鼻づまり、及び頭痛があったCSC被験者は、それぞれ67.1、57.8、50.9、37、32.6、31.1、11.2、1.47%少なかったが、各症状それぞれにおける差は統計的有意に届かなかった(図4及び表5)。
【0063】
総合すれば、これらの結果は、CSCがこの健康なボランティア群における風邪及びインフルエンザの症状を予防するのに効果的であることを示す。このデータは、CSCが更に症状の持続時間及び治療の必要性をも減少させる可能性があることを示唆する。
【0064】
CSCの摂取によるγδT細胞の増殖及びIFN−γ分泌の亢進。
【0065】
我々の以前の研究において、L−テアニン含有の茶を毎日5〜6杯飲み始めてわずか一週間ほどの被験者から採取したPBMCが、その前と比較して著しく多いIFN−γを、γδT細胞抗原に反応して分泌したことが示されている[20]。L−テアニン含有のCSCの摂取がIFN−γ生成を高めるのかどうか究明するために、CSC又はプラセボを摂取し始めて三週間の3人の被験者から採取したPBMCを単離し、培地のみ、又はL−テアニン異化作用の副産物のγδT細胞抗原であるエチルアミンを含む培地を用いて24時間培養した(表3)。γδT細胞のみがエチルアミンに反応し[19及び15]、CSCの摂取は、非特異性T細胞マイトージェン、フィトヘムアグルチニンに反応したIFN−γ分泌又はT細胞分裂反応に影響がなかったことに注意しておくことが大切である。また、培地のみで、又はエチルアミンを含めて培養した場合も、αβT細胞の絶対数は変わらなかった(データ表示なし)。CSCプラセボ被験者からのPBMCは、それぞれ2.8及び2.3ng/mLしか、IFN−γを分泌しなかった。予想通り、培地のみと比較して、プラセボ被験者からのPBMCは、5mMのエチルアミンに反応して、より多くのIFN−γを分泌した(13.6ng/mL)。しかしながら、CSC被験者からのPBMCは、エチルアミンに反応して、18.4ng/mLのIFN−γを分泌した。この反応は、プラセボPMBCからのものより26%高かった(P=0.046)。
【0066】
我々は、αβ及びγδのT細胞の増殖反応をフローサイトメトリーにより評価するため、別に10日間の、被験者からのPBMCの培養を設定した(表4)。エチルアミンの存在下で、CSC被験者からのγδT細胞は、プラセボ被験者からの20.3%と比較して、CD3+細胞の28%まで膨張した(P=0.017)。したがって、CSCの消費は、γδT細胞が抗原投与に反応してIFN−γ分泌及び増殖する容量の著しい増加を伴った。
【0067】
考察
【0068】
アメリカ人で、2005年に発表された米国農務省の最新のガイドラインに示された果物及び野菜9品目を1日に食べるのは5%以下である[16]。20%のアメリカ人が何らかの茶を少しでも飲むが、これらの飲む人々でも、平均で1日に1〜2杯しか飲まない。残念ながら、茶からの健康上の利益の大半は、一日当りの消費が多量であることに付随する[1]。茶とは、抗酸化物質や、L−テアニンなどの他の有益な栄養素を含んでいる野菜汁である。いくつもの観察研究が、茶の飲用は健康に有益であることを示しているが、否定的な研究により、それの健康上の利益をめぐる論議が起こった。どちらの研究も異なる結果を出す可能性があるが、否定的な研究と肯定的な研究の対立は、恐らく大部分が、研究の観測的性質、そして茶の製法の違いなどに起因すると思われる(序文を参照)。我々は、1日当たり10杯の緑茶を摂取するのと可能な限り厳密に近似するよう定めた量のL−テアニン及びエピガロカテキンガレートと、カメリアシネンシス組成物(CSC)とを用いたランダム化二重盲検プラセボ比較試験を行った。この考案の強みは、観察研究に固有の被験者の選択の偏りの排除にある。もう一つの強みは、茶の種類及び茶飲料の製法から来ると思われる変動性の排除である。
【0069】
この結果は、毎日の2個のカプセル剤の摂取が、風邪及びインフルエンザの症状がある被験者の数を約3分の1に減少させたことを示す。また、被験者に症状が出ていた日数、特定の風邪及びインフルエンザの症状を発症した被験者数、及び治療を必要とする被験者数に減少が見られた。確認されたCSCの有益性に、性別、ジェンダー、人種又はBMIは関係なかった。予防的にこれらの症状を大きく減少させることは、公衆衛生にとって大きな意味合いを持つ。
【0070】
風邪及びインフルエンザの症状の発症率に対する効果に加えて、CSCの摂取は、エチルアミンを用いて生体外で試されたγδT細胞の増殖、そしてそれからのIFN−γ分泌を向上させた。これらの知見は、コーヒー以外の、L−テアニン含有の茶を飲んだ被験者が、15倍までγδT細胞機能を高めたことを示す我々の以前の研究と一致している[20]。CSCを摂取している被験者において、γδT細胞数又は血清IFN−γレベルは増加しなかったが、彼らのγδT細胞が、抗原投与に対し更に活発に反応するため、CSCにより生体内で活性化したことに注意しなくてはならない。病原体暴露がない状態でのγδT細胞数及び血清IFN−γ滴定濃度の構成的な増加は、実は、炎症により症状を悪化させる可能性がある。そのような悪化症状は、骨粗鬆症の治療のためとして、窒素含有のビスホスホネート(γδT細胞を活性化する)を多量に摂取した後に生じる[17]。
【0071】
症状軽減の作用機序は、はっきりと究明されているわけではない。L−テアニンは、ヒトγδTリンパ球を、強力な抗菌性のサイトカイニンであるIFN−γを分泌するよう活性化することで知られている[19、20]。一切の特定の機械論に縛られることなく、発明者は、感染の初期段階において、エピガロカテキンガレートは、γδT細胞活性化に非常に大切な要素であるIL−12の分泌を高めることにより、γδT細胞の活性化を助けると提言した。感染が、第1γδT細胞反応を回避し確立しても、エピガロカテキンガレートは、その抗炎症活性により、風邪及びインフルエンザの症状を減少し得る[21]。上記も参照のこと。我々の研究所では、現在これらの機械的問題に焦点を当てた研究が行われている。
【0072】
この研究には、いくつかの限界がある。症状のデータが自己報告により集められたので、実際に風邪又はインフルエンザの医学的診断をすることが不可能であった。肺炎、気管支炎又はアレルギーなどの他の病気が、同じような症状を引き起こした可能性もあった。この研究は、健康な成人被験者のみで構成したので、子供、又は急性疾患に対し感受性が向上している慢性病を患う被験者に対するCSCの効果を評価することが不可能であった。
【0073】
風邪及びインフルエンザの症状は、大半の健康な成人にとって、年間を通して苦痛及び生産性の損失の種となりえ、そのような症状を防ぐことができる安全で、効果的で、そして天然のカプセル剤の公開は、予防医学において大きな進歩を示す。前述の研究は、エピガロカテキンガレートとL−テアニンとを組み合わせて含有する組成物が、風邪及びインフルエンザの症状に対する、安全で効果的な予防手段であり、先天性免疫反応を向上させることを実証するものである。CSCの広範な使用は、健康な人々の罹患率を減少させるのに大きく有益な効果があるだろう。
【0074】
略語
【0075】
CSC(カメリアシネンシス組成物);EGCG(エピガロカテキンガレート);PBMC(末梢血単核球)
【0076】
参考文献
【0077】
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【0078】
研究を辞退した者
【0079】
【表1】

【0080】
研究群のデモグラフィックス
【0081】
【表2】

【0082】
培地に分泌されたインターフェロン−γ(ng/mL)(24時間後)
【0083】
【表3】

【0084】
ベースラインの血液サンプルにおいての、そして培養10日後の、γδ−T細胞の割合
【0085】
【表4】

【0086】
【表5】

【0087】
本発明の原理が実施例において明らかにされているが、この教示から、本発明の実施に用いた構造、配列、比率、成分、材料、及び構成要素の多くの変形例などで、特定の環境や作用要件に特化して適合したものが、この原理から逸脱することなく可能であることは、当業者であれば即座に理解するであろう。添付の特許請求の範囲は、このような変形例のすべてを、本発明の真の精神及び範囲内に包含するよう意図されている。ここで参照される参考文献は、本教示と一致しない範囲に至るまでは、全体的に援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の風邪及び/又はインフルエンザの発病率を低下させる方法であって、少なくとも10〜100%のL−テアニンを含むL−テアニン組成物と、少なくとも10〜100%のエピガロカテキンガレートを含む茶ポリフェノール組成物との混合物を含む組成物の治療有効量を経口投与し、前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも25mg、そしてエピガロカテキンガレートが少なくとも25mgとなる投与量に従い投与される方法。
【請求項2】
前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも100mgとなる投与量に従って投与される請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも150mg、そしてエピガロカテキンガレートが少なくとも125mgとなる投与量に従って投与される請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが150〜600mg、そしてエピガロカテキンガレートが150〜600mgとなる投与量に従って投与される請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記組成物は、カプセル剤に充填されている、L−テアニン組成物と茶ポリフェノール組成物との混合物を少なくとも200mg含み、前記L−テアニン組成物は、少なくとも80%のL−テアニンを含み、そして前記カフェインが除かれた茶ポリフェノール組成物は、少なくとも40%のエピガロカテキンガレートを含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記カプセル剤は、300mgの前記混合物を含む請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記L−テアニン組成物は、少なくとも90%のL−テアニンを含む請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記ポリフェノール組成物は、少なくとも45%のエピガロカテキンガレートを含む請求項5記載の方法。
【請求項9】
前記組成物は、1日当たり、前記カプセル剤2つとして投与される請求項5記載の方法。
【請求項10】
前記カプセル剤は、各々が少なくとも300mgの前記混合物を含む請求項9記載の方法。
【請求項11】
風邪及び/又はインフルエンザを患う対象者における、風邪及び/又はインフルエンザの症度を低下させる方法であって、10〜100%のL−テアニンを含むL−テアニン組成物と、10〜100%のエピガロカテキンガレートを含む茶ポリフェノール組成物との混合物を含む組成物の治療有効量を経口投与し、前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも25mg、そしてエピガロカテキンガレートが少なくとも25mgとなる投与量に従って投与される方法。
【請求項12】
前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも100mgとなる投与量に従って投与される請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも150mg、そしてエピガロカテキンガレートが少なくとも125mgとなる投与量に従って投与される請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが150〜600mg、そしてエピガロカテキンガレートが150〜600mgとなる投与量に従って投与される請求項11記載の方法。
【請求項15】
前記組成物は、カプセル剤に充填されている、L−テアニン組成物と茶ポリフェノール組成物との混合物を少なくとも200mg含み、前記L−テアニン組成物は、少なくとも80%のL−テアニンを含み、そして前記カフェインが除かれた茶ポリフェノール組成物は、少なくとも40%のエピガロカテキンガレートを含む請求項11記載の方法。
【請求項16】
前記カプセル剤は、300mgの前記混合物を含む請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記L−テアニン組成物は、少なくとも90%のL−テアニンを含む請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記ポリフェノール組成物は、少なくとも45%のエピガロカテキンガレートを含む請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記組成物は、1日当たり、前記カプセル剤2つとして投与される請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記カプセル剤は、各々少なくとも300mgの前記混合物を含む請求項19記載の方法。
【請求項21】
カプセル剤又は錠剤であって、少なくとも10−100%のL−テアニンを含むL−テアニン組成物と、少なくとも10〜100%のエピガロカテキンガレートを含む茶ポリフェノール組成物との混合物を、少なくとも50mg含むカプセル剤又は錠剤。
【請求項22】
前記カプセル剤又は錠剤は、L−テアニン組成物と茶ポリフェノール組成物との混合物を少なくとも200mg含み、前記L−テアニン組成物は少なくとも80%のL−テアニンを含み、前記カフェインが除かれた茶ポリフェノール組成物は少なくとも40%のエピガロカテキンガレートを含む請求項21記載のカプセル剤又は錠剤。
【請求項23】
前記カプセル剤又は錠剤は、300mgの前記混合物を含む請求項22記載のカプセル剤又は錠剤。
【請求項24】
前記L−テアニン組成物は、少なくとも90%のL−テアニン又は少なくとも95%のL−テアニンを含む請求項22記載のカプセル剤又は錠剤。
【請求項25】
前記ポリフェノール組成物は、少なくとも45%のエピガロカテキンガレート又は少なくとも50%のエピガロカテキンガレートを含む請求項22記載のカプセル剤又は錠剤。
【請求項26】
前記カプセル剤又は錠剤は、少なくとも50mgのL−テアニンと少なくとも50mgのエピガロカテキンガレートを含む請求項21記載のカプセル剤又は錠剤。
【請求項27】
L−テアニン組成物とカフェインが除かれた茶ポリフェノール組成物との混合物を含む組成物であって、前記L−テアニン組成物は10−100%のL−テアニンを含み、前記茶ポリフェノール組成物は10〜100%のエピガロカテキンガレートを含み、前記L−テアニン組成物と茶ポリフェノール組成物は、相互に2:1、1.9:1、1.8:1、1.7:1、1.6:1、1.5:1、1.4:1、1.3:1、1.2:1、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2又は1:3の比率であるカプセル剤又は錠剤。
【請求項28】
対象者のγδT細胞により免疫機能を向上させる方法であって、L−テアニンとエピガロカテキンガレートとを含む組成物の治療有効量を経口投与し、前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも25mg、そしてエピガロカテキンガレートが少なくとも25mgとなる投与量に従って投与される方法。
【請求項29】
前記組成物は、少なくとも10〜100%のL−テアニンを含むL−テアニン組成物と、少なくとも10〜100%のエピガロカテキンガレートを含む茶ポリフェノール組成物との混合物を含む請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも100mgとなる投与量に従って投与される請求項28記載の方法。
【請求項31】
前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも150mg、そしてエピガロカテキンガレートが少なくとも125mgとなる投与量に従って投与される請求項28記載の方法。
【請求項32】
前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが150〜600mg、そしてエピガロカテキンガレートが150〜600mgとなる投与量に従って投与される請求項28記載の方法。
【請求項33】
前記組成物は、カプセル剤に充填されている、L−テアニン組成物とカフェインが除かれた茶ポリフェノール組成物との混合物を少なくとも50mg含み、前記L−テアニン組成物は、少なくとも80%のL−テアニンを含み、前記カフェインが除かれた茶ポリフェノール組成物は、少なくとも40%のエピガロカテキンガレートを含む請求項28記載の方法。
【請求項34】
前記組成物は飲料又は食品の形式で経口投与されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項35】
前記組成物は、L−テアニンを、重量単位で、10%から80%と、エピガロカテキンガレートを、重量単位で、10%から80%含む請求項1記載の方法。
【請求項36】
前記組成物は、L−テアニンを、重量単位で、20%から40%と、エピガロカテキンガレートを、重量単位で、20%から40%含む請求項34記載の方法。
【請求項37】
前記組成物は、L−テアニンを、重量単位で、10%から80%と、エピガロカテキンガレートを、重量単位で、10%から80%含む請求項27記載の組成物。
【請求項38】
前記組成物は、L−テアニンを、重量単位で、20%から40%と、エピガロカテキンガレートを、重量単位で、20%から40%含む請求項37記載の組成物。
【請求項39】
風邪及び/又はインフルエンザの発病率を低下させる方法であって、請求項35記載の組成物の治療有効量を、少なくとも12週間、少なくとも18週間、24週間、30週間、36週間、42週間、48週間、及び52週間に渡って、毎日、経口投与する方法。
【請求項40】
風邪及び/又はインフルエンザを患う対象者の風邪及び/又はインフルエンザの症状がある期間を短縮させる方法であって、10〜100%のL−テアニンを含むL−テアニン組成物と、10〜100%のエピガロカテキンガレートを含む茶ポリフェノール組成物との混合物を含む組成物の治療有効量を経口投与し、前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも25mg、そしてエピガロカテキンガレートが少なくとも25mgとなる投与量に従って投与される方法。
【請求項41】
前記組成物は、1日当たり、L−テアニンが少なくとも125mg、そしてエピガロカテキンガレートが少なくとも125mgとなる投与量に従って投与される請求項40記載の方法。
【請求項42】
水と、ある量のエピガロカテキンガレート組成物と、ある量のL−テアニン組成物とを含む飲料25mlから5000ml、及び該飲料が充填される容器を含む製品であって、前記製品は、少なくとも25mgのL−テアニンと少なくとも25mgのエピガロカテキンガレートを含む製品。
【請求項43】
前記エピガロカテキンガレート組成物は少なくとも40%のエピガロカテキンガレート組成物を含み、前記L−テアニン組成物は少なくとも80%のL−テアニンを含む請求項42記載の製品。
【請求項44】
該製品は少なくとも50mgのL−テアニンと少なくとも50mgのエピガロカテキンガレートとを含む請求項42記載の製品。
【請求項45】
前記製品は少なくとも75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、 225mg、又は250mgのエピガロカテキンガレートと、少なくとも75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、 225mg、又は250mgのL−テアニンを含む請求項42記載の製品。
【請求項46】
風邪及び/又はインフルエンザの発病率を低下させるため、又は免疫機能を高めるため、前記飲料を飲むようにとの指示書を更に含む請求項42記載の製品。
【請求項47】
対象者の風邪及び/又はインフルエンザの発病率を低下させる方法であって、請求項42記載の製品を提供し、前記対象者に、前記製品の前記飲料を、少なくとも1日1回という服用量で飲むよう指示をする方法。
【請求項48】
対象者の免疫機能を高めるため方法であって、請求項42記載の製品を提供し、前記対象者に、前記製品の前記飲料を、少なくとも1日1回という服用量で飲むよう指示をする方法。
【請求項49】
少なくとも25mgの食品と、ある量のエピガロカテキンガレート組成物と、ある量のL−テアニン組成物と、該食品が充填される容器とを含む製品であって、前記製品は、少なくとも25mgのL−テアニンと少なくとも25mgのエピガロカテキンガレートとを含む製品。
【請求項50】
対象者の風邪及び/又はインフルエンザの発病率を低下させる方法であって、請求項49記載の製品を提供し、前記対象者に、前記製品の前記食品を、少なくとも1日1回という服用量で食べるよう指示をする方法。
【請求項51】
対象者の免疫機能を高めるため方法であって、請求項49記載の製品を提供し、前記対象者に、前記製品の前記食品を、少なくとも1日1回という服用頻度で食べるよう指示をする方法。
【請求項52】
風邪及び/又はインフルエンザを患う対象者における、風邪及び/又はインフルエンザの症度を低下させる方法であって、請求項42記載の製品を提供し、前記対象者に、前記製品の前記飲料を、少なくとも1日1回という服用頻度で飲むよう指示をする方法。
【請求項53】
風邪及び/又はインフルエンザを患う対象者における、風邪及び/又はインフルエンザの症度を低下させる方法であって、請求項49記載の製品を提供し、前記対象者に、前記製品の前記食品を、少なくとも1日1回という服用頻度で食べるよう指示をする方法。
【請求項54】
前記茶ポリフェノール組成物は、カフェインが除かれている請求項1、5、11、15、29、及び33記載の方法。
【請求項55】
前記茶ポリフェノール組成物は、カフェインが除かれている請求項21及び請求項22記載のカプセル剤。
【請求項56】
前記茶ポリフェノール組成物は、カフェインが除かれている請求項27記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−504354(P2010−504354A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529392(P2009−529392)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/079019
【国際公開番号】WO2008/036809
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(509077679)
【出願人】(509077635)
【Fターム(参考)】