説明

食品製造装置

【目的】 連続的に押し出される棒状食品材料を高速かつ綺麗に切断できる食品製造装置を提供すること。
【構成】 カッター体先端に剪断動作を行なう剪断縁を形成し、さらにカッター間に押し出す棒状食品の押出速度をカッター体の揺動状態に応じて変更可能なように各モータを制御するという技術的手段を採用した。
【効果】 カッター体中腹部により締め括びった食品材料を、各剪断縁が擦れ違いに移動接触することによって剪断分離するので、如何なる食品でも切断面に小突起を残すことなく綺麗に切断することができるばかりでなく、食品切断段階に応じて食品押出速度を変化させることが可能なので、本装置を高速稼働させても食品品質低下をもたらすことなく能率的に切断処理を行なうことができる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、連続的に押出される棒状食品材料、とりわけ2種以上の材料から成る有芯棒状食品をその芯材を表面に露出させることなく、さらに切断表面に糸状の突起を残すことなく綺麗に包被切断することのできる食品切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、大量生産されて連続的に押出される食品材料を切断する方法としては、何枚かの角片状カッター体を多角形の頂点位置に配し、カッター体で囲んだ領域内へ食品材料を押出しながら、適当なところでカッター体を多角形の中央方向へ直線スライド運動させて食品材料を絞り切るという方法(実公昭63-29433号、特公平1-42652号)が知られていた。しかし、この方法においては、各カッター体をそれぞれ異なった方向へ直線的にスライド運動させねばならず、機械の運動伝達機構が複雑になり、しかもカッター体同士が面接触して摺動運動を行なうことから、その摺動抵抗がとても大きく、切断動作もギクシャクとしたものとなり、さらには、この面摺動部に食品切屑が詰まって遂にカッター体が動かなくなってしまうという事態を生じるなど、実用に供するには種々の問題があった。
【0003】
そこで、本件出願人は、各カッター体が直線スライド運動するのではなく単純な回動運動のみ行なって食品材料を切断する装置を開発し、これを出願している(特願平4-334773号等)。この装置は、図1の(a)(b)(c) に示すように、4枚の弾頭型カッター体を、各カッター体の先端が隣りのカッター体の側辺部に接触するように枢設し、各カッター体がこの接触を保ちつつ一斉に揺動することによって、各カッター体が囲んで作出した切断領域を拡縮開閉するものであり、この切断領域が閉塞したとき(図1の(c) 参照)に、其処へ押出し供給された棒状の食品材料を押し切るというものであった。この装置によれば、切断領域の開閉に伴う摺動部分もカッター体先端部位に限られるので、摺動抵抗を大幅に小さくすることができ、切断機構の各部に無理な力がかかることもなく各カッター体の円滑動作が可能となる。
【0004】
このように、回動式カッター体を採用したことで、装置の焼き付き等もなくなり、棒状食品の切断処理を連続的に行うことが実際に可能となった。ところが、このように工夫した装置にも、食品材料の種類(特に、粘りのある求肥餅生地)
によっては、切断処理面の中央部に糸を引くように小突起を生ずることが判明した。即ち、各カッター体の先端部が一点に会合したとき(図1の(c) 参照)に、不可避的に生じる隙間に食品材料が切断されずに糸状に残ってしまうのである。
【0005】
従来装置の場合、各カッター体が回動してその先端部が会合したとき(図1の(c) 参照)、理屈の上では切断領域が完全に閉鎖して食品材料を完全切断できるはずであるが、実際は、カッター機構を正常に作動させるために、先端部同士の間隙を「ゼロ」にすることはできず、この先端部間には微量の間隙を設けなければならない。この微量間隙に食品材料が残留して切断されずに小突起として切断面上に残ってしまうのである。しかしながら、従前の切断思想においては、この問題を克服することはできず、特に粘りの強い粘弾性食品材料の場合には、この小突起も顕著なものとなり、別途に切断面を整える処理を施すより他なかったのである。
【0006】
【解決すべき技術的課題】
そこで、本考案は、従来の切断装置に上記のような難点があったことに鑑みて為されたものであり、カッター体先端部に剪断動作を行う部位を形成することにより、如何なる食品材料であっても綺麗な切断面を形成しつつ連続的に切断処理できる食品製造装置を提供することを技術的課題とするものである。
【0007】
また、本考案の他の技術的課題は、カッター体の回動位置に応じて、カッター間に押出す棒状食品の押出速度を変化させることによって、綺麗な切断面を形成しながら高速度に棒状食品を切断処理することが可能な食品製造装置を提供することにある。
【0008】
【課題解決のために採用した手段】
本考案は、中心Oから等角度かつ等距離Rの位置に支点Pを有し、制御モータ2の駆動により自由端縁が同期的に往復揺動する複数のカッター体1を具備し、これらカッター体1には各々の自由端縁に前記中心Oを超えて角度αだけ円弧状に移動可能な剪断縁11、この剪断縁11を挟む一方の側縁に前記中心Oの周りに拡縮開閉する整形切断ゲートGを作出する囲込み括約縁12、ならびに前記剪断縁11を挟む他方の側縁に隣りのカッター体の囲込み括約縁12の移動を許容する許容溝13が形成されており、a.前記剪断縁11は、支点Pを中心とする半径Rの円弧の水平面投影線を描きな がら当該カッター体1の上下面端縁の弧端11aから略中腹部の弧端11bに向 けて傾斜しており、b.前記囲込み括約縁12は、隣合う支点Pと支点P間の距離pを半径として前記 中心Oの周りに描かれる仮想円Fr上の当該支点Pから距離Rとの交点X1 を 中心とする半径pのエッジ円弧部12aを当該囲込み括約縁12の中腹部に有す ると共に、当該囲込み括約縁12上下部には前記エッジ円弧部12aを法尻とし て、前記剪断縁11の傾斜勾配に連続して前記弧端11a・11bから支点P側へ 傾斜角度を逓増させながら法足を逓減せる捻曲整形面12bを有し、c.前記許容溝13は、各カッター体1が揺動して前記剪断縁11が中心Oを角度α だけ超えたとき、前記エッジ円弧部12aと当接する位置に溝底部13aを有す ると共に前記捻曲整形面12bと当接可能なる如く凹曲されて成る、少なくとも3つのカッター体1から構成される切断機構部Cと;
この切断機構部Cにおける前記整形切断ゲートGの上方に臨向するダイ31を備え、ホッパー32に収容された食品材料Fを制御ポンプ33の駆動によって前記ダイ31から棒状に押し出すエクストルダー3と;
前記カッター体1を駆動する制御モータ2へはシャッター体回転信号、および前記エクストルダー3の制御ポンプ33へは押出速度信号を各々送致する制御器4と;
を包含しており、 前記各カッター体1が一斉に揺動することにより、これらカッター体1の囲込み括約縁12が中心Oの周囲に形成する整形切断ゲートGにて、前記エクストルダー3のダイ31から棒状に押出供給される食品材料Fを、当該整形切断ゲートGの縮小過程で各エッジ円弧部12aが挟み込んで締め括びると共に当該食品材料Fの締め括びり部分を前記各捻曲整形面12bが揉み摩って整形し、更に締め括びられた当該食品材料Fを各剪断縁11が擦れ違いに移動接触することによって剪断分離せしめるという技術的手段を採用することによって上記課題を解決した。
【0009】
【実施例】
以下に、本考案を添付図面に示す実施例に基づいて説明する。なお、図1は従来装置のカッター体の動作を説明する平面図、図2は本考案に係る食品切断装置全体の構成を示す概略側面説明図、図3は同装置におけるカッター体の構成を示す拡大斜視図、図4〜図6は同カッター体の動作の様子を示す平面図、図7はカッター体変形例を示す拡大斜視図である。
【0010】
図2中、符号3で指示するものは、ホッパー32に収容された食品材料Fを制御ポンプ33の駆動によってダイ31から棒状に押し出すエクストルダーであり、本実施例においては、ホッパー32と制御ポンプ33とをそれぞれ2基設けることで2種類の食品材料から成る有芯棒状食品Fをダイ31から押し出すようにしている。
そして、ダイ31から押し出した棒状食品Fを、エクストルダー3の下方に配した切断機構部Cへ導き、其処で切断処理を行うのである。
【0011】
切断機構部Cは、互いに組み合うことで整形切断ゲートG(図6参照)を作出する後述のカッター体1と、このカッター体1をリンク部材21を介して駆動する制御モータ2と、リンク部材21を被覆して食品材料Fとの隔絶を図るリンクカバー22とから構成されており、この切断機構部C全体が、第二モータ71と連動する第二カム73によって適宜に上昇・下降運動を行うように構成されている。リンク部材21によるリンク機構は、前掲した図1に示す従来装置のものと同様であり、このリンク部材21にて隣合うカッター体同士が軸支連結され、各カッター体1が同期して一斉に揺動運動を行う。
【0012】
切断機構部Cの各カッター体1によって切断処理された食品材料F1 は、切断機構部Cの下方に位置するベルトコンベア5により所要の位置まで搬送される。
このベルトコンベア5は、図示しないコンベアモータによって間欠的に作動し、切断機構部Cと同様、このベルトコンベア5全体が前記第二モータ71と連動する第一カム72により適宜に上下運動を行う。ベルトコンベア5が上下動することによって、棒状食品Fの切断時に棒状食品が自重で伸びたり、切断途中で千切れて芯材が露出してしまうのを防止するのである。また、ベルトコンベア5の高さは第一カム72に連繋する昇降ロッド62に備えたアジャストボルト機構61により調整することができる。
【0013】
図2中、符号4で指示するものは、前記エクストルダー3の制御ポンプ33と、前記カッター体1を駆動する制御モータ2とをそれぞれ制御する制御器であり、制御ポンプ33へは押出速度信号を送致することによって、棒状食品Fの押出速度を制御し、他方、制御モータ2へはカッター体回転信号を送致することによって各カッター体の回動運動を制御する。
【0014】
このように本考案装置にあっては、棒状食品Fの押出しとカッター体1の揺動動作とを関連づけて各々制御することができるので、カッター体1回動位置に応じて食品押出し速度を適宜に変化させることも可能である。例えば、整形切断ゲートGが縮小してカッター体1が食品材料Fを締め括びり更に剪断する際には、食品材料Fの押出速度を小さくするか、或いは押出しを停止させて、より綺麗で確実な切断処理を行い得るようにし、また、切断後に整形切断ゲートGが開口する際には、食品材料Fの押出速度を大きくして、次の切断動作開始までの待機時間を短縮するようなことも可能になるのである。つまり、本装置にあっては、カッター体1の回動状態に応じて、最適な食品押出速度を選択・設定することができるので、製する食品F1 の品質低下をもたらすことなく切断処理スピードを大幅に向上させることができるのである。
【0015】
次に、本装置におけるカッター体1の構成とその動作について、図3〜図6を参照しながら説明する。なお、ここでは、4枚の同型カッター体1を組み合わせて成る4枚刃タイプを例に説明するが、図4〜図6には、図面の輻輳を避けるため、カッター体を1枚のみ図示する。
【0016】
図4に示すように、本実施例カッター体1は、中心Oから等角度かつ等距離Rの位置を支点Pとして前記制御モータ2の駆動により自由端縁が同期的に往復揺動するように軸支される。このカッター体1の自由端縁側には、前記中心Oを角度αだけ超えて円弧状に移動可能(図5参照)な剪断縁11と;この剪断縁11を挟む一方の側縁に前記中心Oの周りに拡縮開閉する整形切断ゲートG(図6参照)
を作出する囲込み括約縁12と;前記剪断縁11を挟む他方の側縁に隣りのカッター体の囲込み括約縁12の移動を許容する許容溝13と;が形成されている。
【0017】
剪断縁11は、支点Pを中心とする半径Rの円弧の水平面投影線を描きつつ当該カッター体1の上下面端縁の弧端11aから略中腹部の弧端11bに向けて傾斜しており、この剪断縁11の弧端11bから弧端11aに至る傾斜部分が剪断動作を行なうことによって、切断面に糸状の小突起を残すことなく棒状食品Fを綺麗に切断することが可能となる。
【0018】
即ち、前掲の図1に示した従来装置にあっては、カッター体先端部が一点に会合したところ(図1の(c) 参照)で切断動作が終了していたのに対し、本実施例カッター体1にあっては、図4に示す状態(弧端11bが中心Oに位置する状態)
でカッター体1が切断動作を停止するのではなく、この図4状態から更にカッター体1が回転して、図5に示す状態(弧端11aが中心Oに位置する状態)に至るのである。このように、図4状態から図5状態に移る過程で、各カッター体1の剪断縁11同士が、互いに擦れ違いながら前記中心Oを角度αだけ超えて円弧状に移動することによって、図4状態において中心O位置に生じる微量間隙に残った小突起を、恰も鋏で剪断する如く切断分離するのである。
【0019】
前記囲込み括約縁12は、カッター体1厚み面に凸状に形成されており、囲込み括約縁12の中腹部のエッジ円弧部12aと、このエッジ円弧部12a上下でそれぞれ接する捻曲整形面12b・12bを有している。エッジ円弧部12aは、図4に示すように、隣合う支点Pと支点P間の距離pを半径として前記中心Oの周りに描かれる仮想円Fr上の当該支点Pから距離Rとの交点X1 を中心とする半径pの円弧形状を為しており、また、捻曲整形面12bは、このエッジ円弧部12aを法尻とし、前記剪断縁11の傾斜勾配に連続して前記弧端11a・11bから支点P側へ傾斜角度を逓増させながら法足を逓減するように形成されている。
【0020】
このように形成された囲込み括約縁12が、図6に示すように、前記中心Oの周りに拡縮開閉する整形切断ゲートGを作出し、図6の状態から各カッター体1が回動するに従って、この整形切断ゲートGが徐々に縮小していくのである。この図6状態から図4状態に至るまでの整形切断ゲートGの縮小過程で、棒状食品Fを各エッジ円弧部12aが挟み込んで締め括びると共に、当該棒状食品Fの締め括びり部分を各捻曲整形面12bが揉み摩って整形していくのである。
【0021】
許容溝13は、前記囲込み括約縁12と雌雄関係をもってカッター体1厚み面に凹状に形成されており、各カッター体1が回動して前記剪断縁11が中心Oを角度αだけ超えたとき、前記エッジ円弧部12aと当接する位置に溝底部13aを有している。即ち、溝底部13aは、図4に示すように、前記仮想円Fr上に隣りの支点Pから半径Rの位置に求められる交点X2 より中心Oを基準として角度αだけ当該隣りの支点P側に振れた位置Yを中心とし、かつ、前記距離pを半径とする円弧状に形成されている。
【0022】
許容溝13が上記のように形成されているので、許容溝13が前記囲込み括約縁12と当接したところ、つまり、各カッター体1の剪断縁11が中心Oを角度αだけ越えたところで、各カッター体1の締め括り動作、剪断動作が終了するのである。
この後、各カッター体1は次回の切断処理のため逆回転し、この逆回転に従って整形切断ゲートGが開口していくのである。
【0023】
なお、この許容溝13は、上記形状に限定されるものではなく種々の変更が可能である。つまり、溝底部13aの形成位置は、前記位置Yを中心とする半径pの円弧位置より支点P側にあれば良いのであり、例えば、図7のカッター体変形例に示す許容溝13´のように形成しても良い。この許容溝13´の溝底部13a´は、囲込み括約縁12のエッジ円弧部12aを、支点Pと弧端11bとを結ぶ直線Mを基準線として線対称移動せしめた形状に形成している。図7のカッター体変形例では、このように溝底部13a´を形成しているので、各カッター体1の剪断縁11は、隣りのカッター体の許容溝13´と常に摺動接触しながら、かつ、中心Oを越えて角度α以上、回動運動し得るのである。
【0024】
このように、中心Oを越えて角度α以上の回動できるように許容溝13´を形成することによって、本装置を特に高速運転させる場合において、各シャッター体同士が衝突(前述した許容溝13と囲込み括約縁12との当接)することもなくなりカッター体1に衝撃を与えることなく長時間にわたる円滑な連続運転が可能となるのである。
【0025】
【本考案の効果】
以上、実施例をもって説明したとおり、本考案にかかる食品製造装置にあっては、棒状に押し出されてくる食品材料に対し、まず各エッジ円弧部が挟み込んで締め括ると共に、この締め括り部分を各捻曲整形面が揉み摩って整形し、さらに締め括びられた食品材料を各剪断縁が擦れ違いに移動接触することによって剪断分離するように切断動作を行なうので、如何なる食品材料でも、切断面に小突起を残すことなく綺麗に完全切断することが可能となる。
【0026】
また、本食品製造装置にあっては、棒状食品の押出速度を、カッター体の揺動位置に応じて適宜に変化させることができるので、本装置を高速稼働せしめても食品品質を落とすことなく切断面の綺麗な各種食品を切断処理することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来装置のカッター体の構成および動作を説明する概略平面図である。
【図2】本考案に係る食品切断装置全体の構成を示す概略側面説明図である。
【図3】同装置におけるカッター体の構成を説明する斜視図である。
【図4】同装置におけるカッター体の構成を説明する平面図である。
【図5】同カッター体の剪断動作が終了した状態を示す平面図である。
【図6】同カッター体により作出される整形切断ゲートが最大開口した状態を示す平面図である。
【図7】本考案に係るカッター体変形例の構成を説明する斜視図である。
【符号の説明】
C 切断機構部
1 カッター体
11 剪断縁
11a・11b 弧端
12 囲込み括約縁
12a エッジ円弧部
12b 捻曲整形面
13 許容溝
13a 溝底部
2 制御モータ
3 エクストルダー
31 ダイ
32 ホッパー
33 制御ポンプ
4 制御器
F 食品材料
O 中心
P カッター体の支点
R 中心O−支点P間距離
G 整形切断ゲート

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 中心Oから等角度かつ等距離Rの位置に支点Pを有し、制御モータ2の駆動により自由端縁が同期的に往復揺動する複数のカッター体1を具備し、これらカッター体1には各々の自由端縁に前記中心Oを超えて角度αだけ円弧状に移動可能な剪断縁11、この剪断縁11を挟む一方の側縁に前記中心Oの周りに拡縮開閉する整形切断ゲートGを作出する囲込み括約縁12、ならびに前記剪断縁11を挟む他方の側縁に隣りのカッター体の囲込み括約縁12の移動を許容する許容溝13が形成されており、a.前記剪断縁11は、支点Pを中心とする半径Rの円弧の水平面投影線を描きながら当該カッター体1の上下面端縁の弧端11aから略中腹部の弧端11bに向けて傾斜しており、b.前記囲込み括約縁12は、隣合う支点Pと支点P間の距離pを半径として前記中心Oの周りに描かれる仮想円Fr上の当該支点Pから距離Rとの交点X1 を中心とする半径pのエッジ円弧部12aを当該囲込み括約縁12の中腹部に有すると共に、当該囲込み括約縁12上下部には前記エッジ円弧部12aを法尻とし、前記剪断縁11の傾斜勾配に連続して前記弧端11a・11bから支点P側へ傾斜角度を逓増させながら法足を逓減せる捻曲整形面12bを有し、c.前記許容溝13は、各カッター体1が揺動して前記剪断縁11が中心Oを角度αだけ超えたとき、前記エッジ円弧部12aと当接する位置に溝底部13aを有すると共に前記捻曲整形面12bと当接可能なる如く凹曲されて成る、少なくとも3つのカッター体1から構成される切断機構部Cと;この切断機構部Cにおける前記整形切断ゲートGの上方に臨向するダイ31を備え、ホッパー32に収容された食品材料Fを制御ポンプ33の駆動によって前記ダイ31から棒状に押し出すエクストルダー3と;前記カッター体1を駆動する制御モータ2へはシャッター体回転信号、および前記エクストルダー3の制御ポンプ33へは押出速度信号を各々送致する制御器4と;を包含しており、前記各カッター体1が一斉に揺動することにより、これらカッター体1の囲込み括約縁12が中心Oの周囲に形成する整形切断ゲートGにて、前記エクストルダー3のダイ31から棒状に押出供給される食品材料Fを、当該整形切断ゲートGの縮小過程で各エッジ円弧部12aが挟み込んで締め括びると共に当該食品材料Fの締め括びり部分を前記各捻曲整形面12bが揉み摩って整形し、更に締め括びられた当該食品材料Fを各剪断縁11が擦れ違いに移動接触することによって剪断分離することを特徴とした食品製造装置。
【請求項2】 各カッター体1自由端縁に形成された剪断縁11と一方で接する許容溝13を、剪断縁11が中心Oを角度αだけ超えたときに当該剪断縁11に他方で接する囲込み括約縁12と当接する凹曲面の位置よりも囲込み括約縁12側に形成することによって、剪断縁11が中心Oを超えて角度α以上揺動できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の食品製造装置。
【請求項3】 各カッター体1自由端縁に形成された剪断縁11と一方で接する許容溝13を、その溝内面形状が外側に凸曲した円弧の水平面投影線を描く如く形成することによって、剪断縁11が中心Oを超えたときに、当該許容溝13内面を隣りのカッター体の剪断縁11が摺動移動するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の食品製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【登録番号】第3003519号
【登録日】平成6年(1994)8月10日
【発行日】平成6年(1994)10月25日
【考案の名称】食品製造装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−4508
【出願日】平成6年(1994)4月26日
【出願人】(390013941)株式会社コバード (30)