説明

食器洗い乾燥機などの制御装置

【課題】重量部品のハンダ部にストレスが掛かり難くすることにより、ストレスによるハンダ部のクラックの発生を防止し、制御装置の動作不良の発生を防止する。
【解決手段】プリント配線板6を収納する保護ケース8と、重量部品7を保持する保護カバー9とで重量部品7を支持するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器洗い乾燥機など水を使用する電気機器の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気機器の制御装置は図2に示すような構成が提案されている。図2に示すように、制御装置1は、食器洗い乾燥機などの運転を制御するもので、プリント配線板2に各種電子部品を実装し、保護ケース3内に収納しており、防湿材4により防湿処理して保護ケース一体型制御装置5を構成している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−81649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来の構成では、プリント配線板に実装される様々な部品のうち、重量部品の場合、その重量によりハンダ部にストレスがかかり、ハンダ部のクラックの発生、動作不良が発生するという問題を有していた。
【0004】
本発明は上記課題を解決するもので、重量部品であっても、ハンダ部にストレスが掛かり難くすることにより、ストレスによるハンダ部のクラックの発生を防止し、制御装置の動作不良の発生を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するために、プリント配線板を収納する保護ケースと、重量部品を保持する保護カバーとで重量部品を支持するように構成したものである。
【0006】
これにより、重量部品であっても、ハンダ部にストレスがかかり難くするとともに、ストレスによるハンダ部のクラックの発生、制御装置の動作不良の発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明によれば、プリント配線板を収納する保護ケースと、重量部品を保持する保護カバーとで重量部品を支持するように構成したことで、重量部品であっても、ハンダ部にストレスがかかり難くすることができるので、ストレスによるハンダ部のクラックの発生を防止し、制御装置の動作不良の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の請求項1に記載の発明は、少なくとも1個の重量部品を実装したプリント配線板と、前記プリント配線板を収納する保護ケースと、前記重量部品を保持する保護カバーとを備え、前期保護ケースと前記カバーとで前記重量部品を支持するように構成したものであり、重量部品であっても、ハンダ部にストレスがかかり難くするとともに、ストレスによるハンダ部のクラックの発生、制御装置の動作不良の発生を防止することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、保護ケース内にポッティング材を充填してプリント配線板を防湿処理したものであり、プリント配線板と電子部品とを結露から保護することができる。
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0011】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における食器洗い乾燥機などの制御装置の要部断面図である。図1において、プリント配線板6に実装される重量部品7(例えばトランス)を、プリント配線板6を内装する保護ケース8と、保護ケース8と勘合する保護カバー9とで挟み込んで支持するようにし、保護ケース8内にポッティング材10を充填しプリント配線板6を防湿処理を施し、保護ケース一体型の制御装置11を構成している。
【0012】
保護ケース8と保護カバー9は、ABS樹脂などの難燃性樹脂により形成されている。
【0013】
プリント配線板6は、配線パターンを形成し、重量部品7とその他の電子部品を実装している。
【0014】
保護ケース8は、プリント配線板6を底部近傍に収納して配置できる形状および大きさの箱状に形成されており、底部の内側の、プリント配線板6が収納されたときに重量部品7が位置する位置に対応する位置から、重量部品7を支持するためのリブ8aを複数立設させてある。そして、このリブ8aは、上方から所定以上の力が作用すると変形するように先端を細く形成してある。
【0015】
保護カバー9は、重量部品7の端子を除く部分を覆うような箱状に形成されており、開口部には重量部品7を係止して支持するためのツメ9aを複数設け、底部近傍のツメ9aと相対する位置にはツメ9aとで挟み込んで重量部品7の端子を除く任意の部分を保持するリブ9bを設けてある。この際、ツメ9aの両側近傍にスリットを設ける等の手段により、ツメ9aが外方向に若干広がるよう弾性持たせておく。また、この保護カバー9の外周部には、保護カバー9を保護ケース8に支持するためのフランジ9cを設けてあり、このフランジ9cには、保護カバー9を保護ケースにねじ12で固定するための穴を複数設けてある。
【0016】
以上のように構成した食器洗い乾燥機などの制御装置について、その動作、作用を説明する。重量部品7とその他の電子部品をプリント配線板6に実装した後、重量部品7の上方から保護カバー9を覆い被せ、重量部品7の端子を除く任意の部分をツメ9aとリブ9bとで弾性的に挟み込んで重量部品7を保持する。
【0017】
次に、このようにして組み上げたプリント配線板6を保護ケース8に収納する。この際、重量部品7の底部が保護ケース8の底部から立設させたリブ8aに当接する。この状態では、保護カバー9の外周部に設けたフランジ9cと保護ケース8の上端面8bとの間に、若干の隙間が生じるように、保護ケース8および保護カバー9の各部の高さ方向の寸法を設定しておく。
【0018】
この状態から、保護カバー9の穴にねじ12を挿入して保護カバー9を下方に締め込んでゆくと、保護ケース8のリブ8aの先端は細くしてあるので、重量部品7に押されて変形してつぶれていく。そして、保護ケース8のリブ8aの先端がつぶれることで、保護ケース8とトランス7と保護カバー9とは大きな隙間なく保持され、プリント配線板6も固定される。
【0019】
そして、最後に、保護ケース8内にポッティング材10を充填してプリント配線板6の防湿処理を施し、保護ケース一体型の制御装置11の完成としている。
【0020】
上記構成とすることによって、トランス7の重量は保護ケース8と保護カバー9とによって支持されるので、トランス7のハンダ部には重量が掛からなくなり、ハンダ部にストレスが掛かり難くすることができ、ストレスによるハンダ部のクラックの発生を防止でき、制御装置の動作不良の発生を防止することができる。
【0021】
また、保護ケース8内にポッティング材10を充填しプリント配線板6を防湿処理することで、プリント配線板と電子部品とを結露から保護することができる。
【0022】
また、保護ケース8のリブ8aの先端を変形させてつぶすことで、保護ケース8とトランス7と保護カバー9とは大きな隙間なく保持され、プリント配線板6を固定できることから、保護ケース一体型の制御装置11を食器洗い乾燥機などに取り付けるとき、上向きだけでなく、下向き、横向きにも取り付けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
以上のように、本発明にかかる食器洗い乾燥機などの制御装置は、重量部品のハンダ部のクラックの発生を防止し、制御装置の動作不良の発生を防止することができるので、重量部品を実装した食器洗い乾燥機などの制御装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態1の食器洗い乾燥機などの制御装置の要部断面図
【図2】従来の食器洗い乾燥機などの制御装置の要部断面図
【符号の説明】
【0025】
6 プリント配線板
7 重量部品
8 保護ケース
8a リブ
9 保護カバー
9a ツメ
9b リブ
9c フランジ
10 ポッティング材
11 制御装置
12 ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個の重量部品を実装したプリント配線板と、前記プリント配線板を収納する保護ケースと、前記重量部品を保持する保護カバーとを備え、前期保護ケースと前記カバーとで前記重量部品を支持するように構成した食器洗い乾燥機などの制御装置。
【請求項2】
保護ケース内にポッティング材を充填してプリント配線板を防湿処理した請求項1記載の食器洗い乾燥機などの制御装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−61449(P2006−61449A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248056(P2004−248056)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】