説明

飲料容器検査用ヘッド

【課題】飲料容器の口金に装着されているフィッティングを取り外すことなく飲料容器内に検査液の注入及び排出を行うことが可能な飲料容器検査用ヘッドを提供する。
【解決手段】本発明に係る飲料容器検査用ヘッド1は、ガス注入路Gと飲料排出路Dとを備えてなるフィッティング31に取り付けられる本体2と、本体2に昇降可能に組み込まれる注入管3と、本体2の内側と注入管3の外側との間に形成される排出路4と、排出路4を開閉する排出弁5とを備えてなり、注入管3を降下させることにより、注入管3から飲料排出路Dを介して飲料容器B内に検査液Wを注入可能となるとともに、飲料容器B内に注入された検査液Wをガス注入路Gを介して排出路4から飲料容器B外に排出可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器内の微生物及び細菌による汚染を検査するために、飲料容器内への薬液、水等の検査液の注入及び排出を行う飲料容器検査用ヘッドに関するものであり、特に、飲料容器の口金に装着されているフィッティングを取り外すことなく飲料容器内への検査液の注入及び排出を行うことが可能な飲料容器検査用ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ビール等の酒類、ジュース等の清涼飲料、その他の飲料は、工場で缶、壜、樽等の飲料容器に充填されて出荷される。
そして、飲料を充填する飲料容器として樽等の繰り返し使用される飲料容器を用いる場合、出荷先から飲料容器を回収後、飲料容器内の微生物及び細菌による汚染の検査が行われる。
【0003】
従来、飲料容器内の微生物及び細菌による汚染の検査では、回収した飲料容器の内圧を抜いた後、飲料容器の口金に装着されているフィッティングが取り外される。そして、飲料容器内の微生物及び細菌による汚染の検査は、フィッティングが取り外された飲料容器の口金から薬液、水等の検査液の注入及び排出を行い、排出された検査液を検査することにより行われている。
しかしながら、上記飲料容器内の微生物及び細菌による汚染の検査方法においては、飲料容器の口金からフィッティングを取り外す際に、種類の異なる口金ごとに専用の分解工具が必要となるため、作業効率が低下するという問題がある。
【0004】
また、上記飲料容器内の微生物及び細菌による汚染の検査方法においては、飲料容器の口金から検査液を注入又は排出する際に雑菌が混入する可能性があり、検査精度が低下するという問題がある。
従来、飲料容器の口金に装着されているフィッティングを取り外すことなく飲料容器内における微生物及び細菌による汚染の検査を行うことが可能な飲料容器検査用ヘッドの発明として、例えば、図6に記載の飲料容器検査用ヘッド50が知られている(特許文献1参照)。
【0005】
図6は特許文献1に係る飲料容器検査用ヘッドをフィッティングに取り付けた状態を示す断面図である。
図6に示す飲料容器検査用ヘッド50は、樽51の口金52に装着されたフィッティング53に取り付けられる。
飲料容器検査用ヘッド50は、樽51の口部に殺菌用薬液及び炭酸ガスを供給するための注入口54と、樽51から排出されるビールを抽出するための排出チューブ55とを備えてなる。また、飲料容器検査用ヘッド50は、口部を密閉空間とするためのカバー部材56と、ビールの抽出時にガスバルブ57に押し付けられてダウンチューブ58内に炭酸ガスが入らないようにする密閉部材59と、ビールの抽出時に排出チューブ55を押し下げることによりビールバルブ60及び密閉部材59を押し下げるためのハンドル61とを備えてなる。
【0006】
そして、飲料容器検査用ヘッド50によれば、殺菌用薬液を注入口54から樽51の口部に供給することで、供給された殺菌用薬液は、樽51内に入ることなく排出チューブ55により外部に排出され、樽51口部の殺菌を行うことが可能となる。
また、飲料容器検査用ヘッド50においては、ハンドル61を押し下げ、密閉部材59によりガスバルブ57を下方に移動させることで、ガスバルブ57が開く。この状態で注入口54から炭酸ガスを口部に供給することで炭酸ガスが樽51内に注入され、炭酸ガスの圧力によりダウンチューブ58内を上昇したビールは、排出チューブ55内を通して外部に排出される。そして、飲料容器検査用ヘッド50によれば、排出されたビールを検査することにより、樽51内のビール中の微生物及び細菌による汚染を検査することが可能となる。
【特許文献1】特開2003−160195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図6に示す飲料容器検査用ヘッド50においては、樽51内の微生物及び細菌による汚染を検査するにあたって、注入口54から炭酸ガスを樽51内に注入し、炭酸ガスの圧力によりダウンチューブ58及び排出チューブ55を通してビールを排出し、排出されたビールを検査する必要があり、検査効率が低下するという問題がある。
本発明は上記した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、飲料容器の口金に装着されているフィッティングを取り外すことなく飲料容器内に検査液の注入及び排出を行うことが可能な飲料容器検査用ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のうち請求項1に係る飲料容器検査用ヘッドは、飲料容器の口金に装着され、前記飲料容器内にガスを注入するガス注入路と、前記飲料容器内の飲料を排出する飲料排出路と、前記ガス注入路を開閉するガスバルブと、前記飲料排出路を開閉する飲料バルブとを備えてなるフィッティングに取り付けられる本体と、
前記本体に昇降可能に組み込まれ、前記飲料容器内に検査液を注入する注入管と、
前記本体の内側と前記注入管の外側との間に形成され、前記飲料容器内に注入された検査液を排出する排出路と、
前記排出路を開閉する排出弁とを備えてなる飲料容器検査用ヘッドであって、
前記注入管を降下させることにより、前記飲料バルブが開き前記注入管と前記飲料排出路とが連通して前記注入管から前記飲料排出路を介して前記飲料容器内に前記検査液を注入可能となるとともに、前記排出弁及び前記ガスバルブが開き前記排出路と前記ガス注入路とが連通して前記飲料容器内に注入された検査液を前記ガス注入路を介して前記排出路から前記飲料容器外に排出可能となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本願請求項1に係る飲料容器検査用ヘッドによれば、飲料容器の口金に装着され、前記飲料容器内にガスを注入するガス注入路と、前記飲料容器内の飲料を排出する飲料排出路と、前記ガス注入路を開閉するガスバルブと、前記飲料排出路を開閉する飲料バルブとを備えてなるフィッティングに取り付けられる本体と、前記本体に昇降可能に組み込まれ、前記飲料容器内に検査液を注入する注入管と、前記本体の内側と前記注入管の外側との間に形成され、前記飲料容器内に注入された検査液を排出する排出路と、前記排出路を開閉する排出弁とを備えてなる飲料容器検査用ヘッドであって、前記注入管を降下させることにより、前記飲料バルブが開き前記注入管と前記飲料排出路とが連通して前記注入管から前記飲料排出路を介して前記飲料容器内に前記検査液を注入可能となるとともに、前記排出弁及び前記ガスバルブが開き前記排出路と前記ガス注入路とが連通して前記飲料容器内に注入された検査液を前記ガス注入路を介して前記排出路から前記飲料容器外に排出可能となる構成により、飲料容器の口金に装着されているフィッティングを取り外すことなく飲料容器内に検査液の注入及び排出を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る飲料容器検査用ヘッドを図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る飲料容器検査用ヘッドが取り付けられる、フィッティングが装着された飲料容器の断面図である。図2は本発明の実施形態に係る飲料容器検査用ヘッドの断面図である。図3は飲料容器検査用ヘッドを飲料容器に取り付けた状態を示す断面図である。図4は飲料容器検査用ヘッドにより飲料容器内に検査液を注入する状態を示す断面図である。図5は飲料容器検査用ヘッドにより飲料容器内から検査液を排出する状態を示す断面図である。
【0011】
本発明に係る飲料容器検査用ヘッド1は、繰り返し使用される飲料容器B内の微生物及び細菌による汚染の検査を行う際に用いられる。
ここで、飲料容器Bとしては、ビール等の酒類、ジュース等の清涼飲料、その他の飲料が充填される缶、壜、樽等を適用することが可能である。
そして、飲料容器B内の微生物及び細菌による汚染の検査は、図4に示すように回収した飲料容器B内に薬液、水等の検査液Wの注入を行い、図5に示すように飲料容器Bから排出された検査液Wを検査することにより行われる。
【0012】
本発明に係る飲料容器検査用ヘッド1が取り付けられる飲料容器Bは、図1に示すように、上部に環状の口金30が設けられており、口金30の内側にフィッティング31が装着されている。
ここで、フィッティング31は、飲料容器B内に飲料を充填した後、飲料容器Bの口金30を塞ぐとともに、ディスペンスヘッド(図示せず)を取り付けることにより飲料容器B内に充填された飲料の排出を行うものである。
【0013】
フィッティング31は、飲料容器Bの口金30の内側に嵌合されるブッシュ32と、ブッシュ32内に上端部が組み込まれるダウンチューブ33と、ブッシュ32とダウンチューブ33との間に設けられたガスバルブ34と、ダウンチューブ33内に配設された飲料バルブ35とを備えてなる。
ブッシュ32は、ダウンチューブ33を挿通可能に円筒状に形成されている。ブッシュ32の上端部内周面には、飲料容器B内に充填された飲料の排出時にディスペンスヘッドが取り付けられる環状の嵌合凹部41が設けられている。ブッシュ32の下端部周面には、飲料容器B内の上端部に連通するガス孔40が複数設けられている。そして、ブッシュ32の内側とダウンチューブ33の外側との間には、ガス孔40を介して飲料容器B内の上端部に連通するガス注入路Gが形成される。
【0014】
ダウンチューブ33は、円筒状に形成されており、ブッシュ32の内方から飲料容器Bの底部まで延びている。ダウンチューブ33の上端部には、外方に突出するフランジ部43が形成されている。ダウンチューブ33の上端部は、下端部に対して径が大きく形成されており、ダウンチューブ33の上端部と下端部との間にはテーパー面44が形成されている。そして、ダウンチューブ33の内部には、飲料容器B内に充填された飲料の抽出時に、飲料を排出する飲料排出路Dが形成される。
【0015】
ガスバルブ34は、ダウンチューブ33のフランジ部43の上面に配設され、軸心部に開口42が設けられている。そして、ガスバルブ34は、ダウンチューブ33のフランジ部43の下面とブッシュ32の底面との間に圧縮ばねであるガスバルブスプリング36を介装することにより、ガスバルブスプリング36により上方に付勢され、ブッシュ32に形成された弁座37に下方から押し付けられている。
【0016】
そして、飲料容器B内の上端部に連通するガス注入路Gは、ガスバルブ34により閉じた状態となっているとともに、ガスバルブ34を押し下げることにより開かれることとなる。
飲料バルブ35は、ダウンチューブ33内の上端部に配設されている。そして、飲料バルブ35は、飲料バルブ35の下面とダウンチューブ33のテーパー面44との間に介装された圧縮ばねである飲料バルブスプリング38により上方に付勢され、ガスバルブ34の下面に形成された弁座39に押し付けられている。そして、飲料容器B内の下端部に連通する飲料排出路Dは、飲料バルブ35により閉じた状態となっているとともに、飲料バルブ35を押し下げることにより開かれることとなる。
【0017】
そして、フィッティング31は、飲料容器B内に充填された飲料の排出時には、ディスペンスヘッドによりガスバルブ34及び飲料バルブ35が開かれるとともに、ガス注入路Gから飲料容器B内に炭酸ガスが注入されることにより、注入された炭酸ガスの圧力により飲料排出路Dから飲料を排出可能となっている。
飲料容器検査用ヘッド1は、図2から図4に示すように、飲料容器Bの口金30に装着されたフィッティング31に取り付けられる本体2と、本体2に昇降可能に組み込まれる注入管3と、本体2の内側と注入管3の外側との間に形成される排出路4と、排出路4を開閉する排出弁5と、注入管3を昇降するハンドル6とを備えてなる。
【0018】
本体2は、注入管3を挿通可能に形成されている。本体2の側部には、排出路4に連通する(図4参照)排出口10が設けられている。本体2の下端部外周面には、フィッティング31のブッシュ32に設けられた嵌合凹部41に嵌合する環状の嵌合凸部11が設けられている。また、本体2の下端部外周面の嵌合凸部11の下方には、本体2とフィッティング31との間をシールする環状の口部シール部材12が配設されている。本体2の内周面には、本体2の内周面と注入管3の外周面との間をシールする環状の排出路シール部材13が、上下2箇所に配設されている。また、本体2の内周面下端部には、注入管3の外周面との間で排出路4を構成する環状の排出路凹部19が形成されている。
【0019】
注入管3は、飲料容器B内に検査液Wを注入可能に円筒状に形成されている。注入管3の外周面には、排出弁5を構成する環状の弁体凹部14が設けられている。注入管3の下端部には、フィッティング31のガスバルブ34の開口42に挿入可能となるように外径が小さく形成された挿入部15が設けられている。
挿入部15の外周面上端部には、フィッティング31のガスバルブ34の上面に当接し、注入管3とガスバルブ34との間をシールするガスバルブシール16が配設されている。
【0020】
排出路4は、本体2の排出路凹部19と注入管3の外周面下端部との間に形成される。
排出弁5は、本体2の下側の口部シール部材13と注入管3の弁体凹部14及び注入管3の外周面下端部とから構成される。
ハンドル6は、棒状に形成され、ハンドル6の一端部は本体2に回動可能に接続されている。また、ハンドル6の中間部は、注入管3の外周面に取り付けられている。
【0021】
本体2と注入管3とは、本体2内に注入管3を挿通することにより組み合わされる。そして、一端部が本体2に接続されたハンドル6を、本体2との接続部を支点として上下に回動することにより、ハンドル6の中間部に取り付けられた注入管3は、本体2に対して昇降可能に構成されている。
そして、ハンドル6を上方に回動し本体2に対して注入管3が上昇した状態では、図2に示すように、本体2の下側の口部シール部材13と注入管3の外周面下端部とが当接して排出弁5が閉じ、排出路4は閉じた状態となる。
【0022】
一方、ハンドル6を下方に回動し本体2に対して注入管3が下降した状態では、図4に示すように、注入管3の弁体凹部14が本体2の下側の口部シール部材13の側方まで下降し、下側の口部シール部材13と注入管3の外周面との当接を解除する。これにより、ハンドル6を下方に回動し本体2に対して注入管3が下降した状態では、排出弁5が開き、排出路4と本体2の排出口10とが連通した状態となる。
【0023】
そして、飲料容器検査用ヘッド1は、図3に示すように、飲料容器Bに装着されたフィッティング31のブッシュ32に設けられた嵌合凹部41に、飲料容器検査用ヘッド1の本体2に設けられた嵌合凸部11を嵌合することにより取り付けられる。
次に、飲料容器B内の微生物及び細菌による汚染の検査を行う際に、飲料容器検査用ヘッド1を用いて飲料容器B内への検査液Wの注入及び排出を行う場合の作用について説明する。
【0024】
飲料容器B内の微生物及び細菌による汚染の検査を行う際には、まず、出荷先から回収された飲料容器Bに飲料容器検査用ヘッド1を取り付ける。
ここで、回収された飲料容器Bには、口金30の内側にフィッティング31が装着された状態となっている。
また、フィッティング31が装着された飲料容器Bでは、図1に示すように、ガスバルブスプリング36の付勢によりガスバルブ34が閉じるとともに、飲料バルブスプリング38の付勢により飲料バルブ35が閉じ、飲料容器Bの口金30が塞がれた状態となっている。
【0025】
そして、飲料容器Bへの飲料容器検査用ヘッド1の取り付けは、飲料容器Bに装着されたフィッティング31のブッシュ32に設けられた嵌合凹部41に、飲料容器検査用ヘッド1の本体2に設けられた嵌合凸部11を嵌合することにより行う。
飲料容器Bに飲料容器検査用ヘッド1が取り付けられた状態では、図3に示すように、注入管3の挿入部15がフィッティング31のガスバルブ34の開口42に挿入され、挿入部15の下端面が飲料バルブ35の上面に当接した状態となる。また、飲料容器検査用ヘッド1の注入管3は、挿入部15の下端面が飲料バルブ35の上面に当接することで本体2に対して上昇した状態となり、排出弁5は閉じた状態となっている。
【0026】
飲料容器Bへの飲料容器検査用ヘッド1の取り付けを完了後、飲料容器検査用ヘッド1のハンドル6を下方に回動する。ここで、飲料容器検査用ヘッド1の本体2の外周面には、ハンドル6の側面に設けられた固定凸部18が嵌合する固定凹部17が設けられており、固定凹部17に固定凸部18を嵌合することにより、ハンドル6を下方に回動した状態で固定することが可能となっている。
【0027】
飲料容器検査用ヘッド1のハンドル6を下方に回動すると、図4に示すように、注入管3が本体2に対して下降し、排出弁5が開かれる。
注入管3を本体2に対して下降していくと、注入管3の挿入部15の下端面が飲料バルブ35を下方に押し込み、フィッティング31の飲料バルブ35が開かれる。また、注入管3を本体2に対してさらに下降すると、注入管3の挿入部15のガスバルブシール16の下面とフィッティング31のガスバルブ34の上面とが当接し、ガスバルブシール16がガスバルブ34を下方に押し込み、ガスバルブ34が開かれる。
【0028】
そして、注入管3の本体2に対する下降を完了した状態では、フィッティング31の飲料バルブ35が開かれることにより、注入管3とフィッティング31の飲料排出路Dとが連通する。よって、飲料容器検査用ヘッド1の注入管3の上端部から飲料容器B内へ検査液Wを注入することが可能となる。
また、注入管3の本体2に対する下降を完了した状態では、フィッティング31のガスバルブ34が開かれることにより、飲料容器検査用ヘッド1の排出路4とフィッティング31のガス注入路Gとが連通する。また、飲料容器検査用ヘッド1の排出弁5が開かれることにより、排出路4と本体2の排出口10とが連通する。よって、飲料容器B内に注入された検査液Wを、飲料容器検査用ヘッド1の排出口10から排出することが可能となる。
【0029】
飲料容器検査用ヘッド1の注入管3の本体2に対する下降を完了後、注入管3の上端部から検査液Wを注入する。
この場合、注入管3の上端部から注入された検査液Wは、注入管3及びフィッティング31の飲料排出路Dを介して、自重により飲料容器Bの底部へと注入される。
このように、飲料容器検査用ヘッド1によれば、飲料容器Bの口金30にフィッティング31を装着した状態で、飲料容器B内への検査液Wの注入を行うことが可能となる。
【0030】
そして、所定量の検査液Wを飲料容器B内に注入した後、飲料容器検査用ヘッド1の本体2の固定凹部17とハンドル6の固定凸部18との嵌合を解除し、ハンドル6を上方に回動する。
ハンドル6を上方に回動した状態では、図3に示すように、フィッティング31のガスバルブ34及び飲料バルブ35が閉じ、飲料容器Bの口金30が塞がれた状態となる。
【0031】
ハンドル6の上方への回動を完了後、飲料容器Bの口金30を塞いだ状態で、飲料容器Bを軽く揺すり、飲料容器B内の全体に検査液Wを行き渡らせる。
飲料容器B内の全体に検査液Wを行き渡らせた後、再び飲料容器検査用ヘッド1のハンドル6を下方に回動し、飲料容器検査用ヘッド1の排出弁5並びにフィッティング31のガスバルブ34及び飲料バルブ35を開く。
【0032】
そして、飲料容器検査用ヘッド1の排出弁5並びにフィッティング31のガスバルブ34及び飲料バルブ35を開いた状態で、図5に示すように、飲料容器Bを天地が逆向きとなるように転回し、飲料容器B内に注入された検査液Wを飲料容器検査用ヘッド1の排出口10から排出する。
この場合、飲料容器Bを転回することにより、飲料容器B内の検査液Wは、飲料容器B内の上端部から、フィッティング31のブッシュ32に設けられたガス孔40を介してガス注入路Gに流入し、ガス注入路Gと連通する排出路4を介して排出口10から排出される。
【0033】
このように、飲料容器検査用ヘッド1によれば、飲料容器Bの口金30にフィッティング31を装着した状態で、飲料容器B内の検査液Wを、炭酸ガス等を用いることなく、検査液Wの自重により排出することが可能となる。
そして、飲料容器B内から排出された検査液Wを検査することにより、飲料容器B内の微生物及び細菌による汚染の検査が行われる。
このように、飲料容器検査用ヘッド1によれば、飲料容器Bの口金30に装着されているフィッティング31を取り外すことなく飲料容器B内に検査液Wの注入及び排出を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係る飲料容器検査用ヘッドが取り付けられる、フィッティングが装着された飲料容器の断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る飲料容器検査用ヘッドの断面図である。
【図3】飲料容器検査用ヘッドを飲料容器に取り付けた状態を示す断面図である。
【図4】飲料容器検査用ヘッドにより飲料容器内に検査液を注入する状態を示す断面図である。
【図5】飲料容器検査用ヘッドにより飲料容器内から検査液を排出する状態を示す断面図である。
【図6】特許文献1に係る飲料容器検査用ヘッドをフィッティングに取り付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 飲料容器検査用ヘッド
B 飲料容器
W 検査液
2 本体
3 注入管
4 排出路
5 排出弁
6 ハンドル
10 排出口
11 嵌合凸部
12 口部シール部材
13 排出路シール部材
14 弁体凹部
15 挿入部
16 ガスバルブシール
17 固定凹部
18 固定凸部
19 排出路凹部
30 口金
31 フィッティング
32 ブッシュ
33 ダウンチューブ
34 ガスバルブ
35 飲料バルブ
36 ガスバルブスプリング
37 弁座
38 飲料バルブスプリング
39 弁座
40 ガス孔
41 嵌合凹部
G ガス注入路
D 飲料排出路
42 開口
43 フランジ部
44 テーパー面
50 飲料容器検査用ヘッド
51 樽
52 口金
53 フィッティング
54 注入口
55 排出チューブ
56 カバー部材
57 ガスバルブ
58 ダウンチューブ
59 密閉部材
60 ビールバルブ
61 ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器の口金に装着され、前記飲料容器内にガスを注入するガス注入路と、前記飲料容器内の飲料を排出する飲料排出路と、前記ガス注入路を開閉するガスバルブと、前記飲料排出路を開閉する飲料バルブとを備えてなるフィッティングに取り付けられる本体と、
前記本体に昇降可能に組み込まれ、前記飲料容器内に検査液を注入する注入管と、
前記本体の内側と前記注入管の外側との間に形成され、前記飲料容器内に注入された検査液を排出する排出路と、
前記排出路を開閉する排出弁とを備えてなる飲料容器検査用ヘッドであって、
前記注入管を降下させることにより、前記飲料バルブが開き前記注入管と前記飲料排出路とが連通して前記注入管から前記飲料排出路を介して前記飲料容器内に前記検査液を注入可能となるとともに、前記排出弁及び前記ガスバルブが開き前記排出路と前記ガス注入路とが連通して前記飲料容器内に注入された検査液を前記ガス注入路を介して前記排出路から前記飲料容器外に排出可能となることを特徴とする飲料容器検査用ヘッド。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−110766(P2008−110766A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293131(P2006−293131)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【Fターム(参考)】