説明

飲用水供給装置

【課題】分解困難な給水管路を持つ装置であっても、カビや細菌等の繁殖を抑制し得る、飲用水供給装置を提供すること。
【解決手段】下記電解水(A)を供給し得る水源部1の出水側に接続した供給管路2の終端部に、前記電解水が飲用可能となるように次亜塩素酸系成分を除去し得るフィルター部3を接続し、電解水(A)を飲用水とする。該電解水(A)とは、有効塩素濃度が5〜50ppm、pHが7.5〜9.0、蒸発後の残留塩分が0.05%以下であるように、次亜塩素酸系成分を含有する電解水であって、従来、殺菌用に用いられていた電解水である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲用水を供給するための装置に関するものであって、例えば、製氷装置、飲用の冷水供給装置など、配管内の洗浄が問題となるような装置内の水源として有用な飲用水供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの冷蔵庫には自動製氷装置が備えられている。自動製氷装置は、概略的には、図6に示すように、着脱可能な貯蔵タンク100から飲用水を供給管路(ポンプが含まれる場合もある)200を通じて製氷機構本体部300へ供給する構成を有しており、該製氷機構本体部は、供給される飲用水を制御して製氷用キャビティ301へ分配注入して1〜3cm立方程度の適当な大きさの氷にし、貯氷槽400に放出するまでを全自動的に行う。
上記構成によって、冷蔵庫の使用者は、貯蔵タンクに飲用水を補充するだけで、適当な大きさの氷を、貯氷槽に多数ストックされた状態として得ることができる。
【0003】
しかし、上記のような冷蔵庫の自動製氷装置では、貯水タンク内や供給管路内などの給水系にカビや細菌などが繁殖し易いという問題がある。
このような問題に対処するため、従来では、貯水タンクを定期的に洗浄することや、貯水タンクに充填する飲用水として塩素系成分を含んだ水道水をそのまま用いることなどが推奨されている。
しかしながら、本発明者らが詳細に検討したところ、たとえ水道水を用いたとしても、カビや細菌の抑制は完全ではなく、例えば、貯水タンクに貯水したままの状態が数日間続けば、カビや細菌が発生することがわかった。
【0004】
また、貯水タンク100と製氷機構本体部300とを連絡する給水管路200は、冷蔵室と製氷室とを結ぶように配置され、冷蔵庫本体の構造と一体化しているために、貯水タンクとは異なり、その管路内を洗浄することも困難である。冷蔵庫の機種によっては、供給管路を容易に分解可能としたものもあるが、定期的に供給管路を分解して管路内を洗浄し、再度組み付けるという作業は、使用者にとっては大きな負担である。
【0005】
上記のような問題は、冷蔵庫の自動製氷装置だけの問題ではなく、種々の製氷装置や、飲食店に配置される冷水供給機など、装置内に分解困難な給水管路を持つ装置であれば同様に生じる問題であって、管路内のカビや細菌を抑制する対策は十分ではなかった。
【特許文献1】特開2000−226680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記問題を解決し、分解困難な給水管路を持つ装置であっても、カビや細菌等の繁殖を抑制し得る、飲用水供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明者等が鋭意研究した結果、従来、手や医療器具などの殺菌用液としてもっぱら用いられていた次亜塩素酸系成分含有電解水(殺菌性電解水)を、直接飲用水として用いることに着目した。そして、該殺菌性電解水を飲用水とするために、該電解水を供給する管路の最終段に次亜塩素酸系成分を除去するフィルター部を付与すれば、該電解水の供給源とそこからの供給管路内については、従来よりもカビや細菌の発生を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明は、次に示すとおりである。
(1)下記(A)の電解水を供給し得る水源部の出水側に、供給管路が接続され、該供給管路の終端部に、前記電解水が飲用可能となるように次亜塩素酸系成分を除去し得るフィルター部が接続された構成を有することを特徴とする、飲用水供給装置。
(A)有効塩素濃度が5〜50ppm、pHが7.5〜9.0、蒸発後の残留塩分が0.05%以下であるように、次亜塩素酸系成分を含有する電解水。
(2)上記(A)の電解水が、下記(あ)〜(う)のいずれかの製造方法によって製造されたものである、上記(1)記載の飲用水供給装置。
(あ)金属塩化物水溶液を、電極間に隔膜を有しない第一電解槽で電気分解することによって次亜塩素酸イオンを含有する第一の電解水を生成し、この第一の電解水を、電極間に隔膜を有する第二電解槽の陽極側に供給し電気分解することによって、次亜塩素酸系成分を含有する第二の電解水を生成し、この第二の電解水を水で希釈して、上記(A)の電解水を得る製造方法。
(い)金属塩化物水溶液を、電極間に隔膜を有しない第一電解槽で電気分解することによって次亜塩素酸イオンを含有する第一の電解水を生成し、これとは別に、金属塩化物水溶液を、電極間に隔膜を有する第二電解槽で電気分解することによって陽極側に次亜塩素酸系成分を含有する第二の電解水を生成し、第一の電解水と第二の電解水とを混合し水で希釈して、上記(A)の電解水を得る製造方法。
(う)金属塩化物水溶液を、電極間に隔膜を有しない第一電解槽で電気分解することによって次亜塩素酸イオンを含有する第一の電解水を生成し、これとは別に、金属塩化物水溶液を、電極間に隔膜を有しない第二電解槽で電気分解することによって次亜塩素酸イオンを含有する第二の電解水を生成し、この第二の電解水を、電極間に隔膜を有する第三の電解槽の陽極側に供給し電気分解することによって、次亜塩素酸系成分を含有する第三の電解水を生成し、第一の電解水と第三の電解水とを混合し水で希釈して、上記(A)の電解水を得る製造方法。
(3)上記水源部が、上記(A)の電解水を生成する装置として、下記(ア)〜(ウ)のいずれかの生成装置を有するものである、上記(1)記載の飲用水供給装置。
(ア)金属塩化物水溶液を電気分解するための電解槽であって電極間に隔膜を有しない第一電解槽と、金属塩化物水溶液を電気分解するための電解槽であって電極間に隔膜を有する第二電解槽とを有し、
これら電解槽は、第一電解槽で生成された次亜塩素酸イオンを含有する第一の電解水が第二電解槽の陽極側に供給されるように接続されており、該陽極側での電気分解によって生成される第二の電解水をさらに水で希釈し得る構成とされ、これによって上記(A)の電解水を得る構成とされている生成装置。
(イ)金属塩化物水溶液を電気分解するための電解槽であって電極間に隔膜を有しない第一電解槽と、金属塩化物水溶液を電気分解するための電解槽であって電極間に隔膜を有する第二電解槽とを有し、
これら電解槽は、第一電解槽で生成された次亜塩素酸イオンを含有する第一の電解水と、第二電解槽の陽極側で生成された次亜塩素酸系成分を含有する第二の電解水とが混合されるように接続され、かつ、その混合された電解水を水で希釈し得る構成とされ、これによって上記(A)の電解水を得る構成とされている生成装置。
(ウ)金属塩化物水溶液を電気分解するための電解槽であって電極間に隔膜を有しない第一および第二電解槽と、金属塩化物水溶液を電気分解するための電解槽であって電極間に隔膜を有する第三電解槽とを有し、
これら電解槽は、第二電解槽で生成された次亜塩素酸イオンを含有する第二の電解水が、第三電解槽のうちの陽極側に供給されるように接続され、かつ、電気分解によって前記陽極側に生成された次亜塩素酸系成分を含有する第三の電解水と、第一電解槽で生成された次亜塩素酸イオンを含有する第一の電解水とが混合されるように接続され、かつ、その混合された電解水を水で希釈し得る構成とされ、これによって上記(A)の電解水を得る構成とされている生成装置。
(4)金属塩化物水溶液に含まれる該金属塩化物が、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群より選ばれた、少なくとも1つの金属の塩化物である、上記(2)または(3)記載の飲用水供給装置。
(5)フィルター部が、活性炭フィルターを有して構成されたものである、上記(1)記載の飲用水供給装置。
(6)当該飲用水供給装置が、製氷装置において製氷用キャビティに飲用水を供給する飲用水供給装置として、該製氷装置に組み込まれている、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の飲用水供給装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明の飲用水供給装置は、従来ではもっぱら手洗いなどの殺菌洗浄用水として利用されていた電解水である上記(A)の電解水を、飲用水として用いるという発想に基づいて構成されている。従って、当該飲用水供給装置には、上記(A)の電解水から次亜塩素酸系成分を除去するためのフィルター部が設けられる。この構成によって、該フィルター部までの給水系、即ち、上記(A)の電解水を供給する水源部、供給経路は、上記(A)の電解水の殺菌作用によって、水道水では達成できなかった高いレベルの除菌が可能となり、供給管路内を洗浄する必要も低減される。
上記(A)の電解水以外の電解水と、フィルター部との組合わせでは、配管内に錆びが生じることや、飲用水として美味しくないなどの問題が生じるが、上記(A)の電解水とフィルター部との組合わせではそのような問題は生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の最良の形態について説明する。
図1は、当該飲用水供給装置の構成を概略的に示す図であって、当該飲用水供給装置Aを用いて製氷装置を構成したものを示している。当該飲用水供給装置Aは、上記(A)の電解水(以下、「電解水(A)」と呼ぶ)を供給し得る水源部1の出水側に、供給管路2が接続され、該供給管路2の終端部に、該電解水(A)が飲用可能となるように次亜塩素酸系成分を除去し得るフィルター部3が接続された構成となっている。
図1の例では、供給管路を細長いパイプとして描き、水源部1とフィルター部3との間に明確にパイプが存在する構造として描いているが、これは説明のためであって、水源部1の出水部側にフィルター部3が直接接続されたコンパクトな構造であってもよい。
供給管路は電解水(A)が流通可能な経路であればよく、図2に示すように、水源部1の出水部側にフィルター部3が一体的に取り付けられた構造であってもよい。図2のような構造であっても、電解水(A)が水源部1からフィルター部3を通って出て行く流通経路が存在しており、その流通経路が供給管路である。供給管路には、電解水(A)を送り出すためのポンプが必要に応じて加えられてもよい。
【0011】
電解水(A)がフィルター部3を通過することによって、飲用可能なレベルまで次亜塩素酸系成分を除去されて飲用可能となった水は、製氷装置における製氷機構本体部B1に供給され、その製氷用キャビティB11に分配されて製氷され、出来上がった氷B12は貯氷槽B2に放出されてそのまま貯蔵される。
同図の例の重要な構成は、飲用水供給装置Aにあり、製氷機構本体部B1の構成については図示を省略している。製氷機構本体部B1の製氷メカニズム自体(製氷用キャビティの構造、該キャビティへの分配注入機構、冷却機構、完成した氷を貯氷槽へ放出する機構など)については、従来公知の製氷装置の技術を参照すればよい。
【0012】
本発明において用いられる電解水(A)自体は、上記特許文献1などに詳細に記載されたとおり、殺菌性を有する電解水として知られており、例えば「AP水」との名称にて、医療や食品加工の現場において、除菌洗浄用の水として利用されている。
しかしながら、本発明のように、電解水を飲用水として用いるという発想や利用方法は従来には全くなかった。
電解水(A)は、下記に詳細に説明する電解プロセスによって得られる電解水であって、次亜塩素酸系成分を含有し強い殺菌性を有する。
電解水(A)は、有効塩素濃度、pH、残留塩分が上記範囲にあるために、強い殺菌性を示しながらも、フィルター部で次亜塩素酸系成分を除去することによって飲用可能とすることができる点で、他の電解水とは異なる。このような電解水(A)を飲用に結びつけた点が、本発明の重要な特徴の1つであるといえる。
【0013】
電解水(A)に含まれる次亜塩素酸系成分は、主として次亜塩素酸であって、これと平衡関係にある塩素、次亜塩素酸イオンが加わったものであってもよい。
有効塩素濃度とは、電解水(A)中の遊離塩素と結合塩素の合計の濃度である。
遊離塩素とは、塩素(Cl)、次亜塩素酸(HClO)および次亜塩素酸イオン(ClO)の3つの化学種を意味する。これら3つの化学種は水中では平衡状態にあり、アルカリ性では次亜塩素酸イオンの割合が大きくなり、中性では次亜塩素酸の割合が大きくなり、酸性では塩素の割合が大きくなる。
結合塩素とは、溶液中のアンモニアや有機アミンと、塩素とが化学的に結合してなる化学種であり、例えばクロラミン(NHCl、NHCl、NCl)が挙げられる。
【0014】
電解水(A)が十分な殺菌作用を示すには、有効塩素濃度は5ppm以上が必要である。一方、後段のフィルター部において効果的に次亜塩素酸系成分を除去し、かつフィルター部の寿命をより長くする点からは、有効塩素濃度は50ppm以下が好ましく、20ppm以下、特に10ppm以下がより好ましい。
【0015】
電解水(A)の有効塩素濃度は、JIS K 0102 36.2に準拠して測定される。
【0016】
電解水(A)のpHは、7.5〜9.0である。このような中性域の電解水は、万が一、フィルター部が劣化して、そのまま人体に摂取されたときにも悪影響が生じ難いばかりでなく、金属に対する腐食性が低く、さらに、低い有効塩素濃度における殺菌力の向上に寄与し得る。上述の遊離塩素、結合塩素のうち、殺菌力が特に強いのは次亜塩素酸であり、これは、中性域では次亜塩素酸の割合が大きくなるからである。
電解水(A)のpHは、好ましくは7.5〜8.6である。電解水(A)のpHは、ガラス電極法(JIS K 0102 14.2)によって測定される。
【0017】
電解水(A)の蒸発後の残留塩分は、例えば、該電解水(A)の原料として塩化ナトリウム水溶液を用いる場合であれば、該電解水(A)に残存している塩化ナトリウムの濃度に相当する。よって、電解水(A)の蒸発後の残留塩分は、飲用した際の味覚に影響を及ぼさない点からは、0.05%以下であることが好ましい。
電解水(A)を快適に飲用するといった観点からは、蒸発後の残留塩分は、少ないほどよく、好ましくは0.02%以下である。
電解水(A)の蒸発後の残留塩分の具体的な測定は、全蒸発残留物(JIS K0102 14.2)の規定に従う。
【0018】
電解水(A)の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、上記(あ)〜(う)の製造方法のとおり、無隔膜電解法と隔膜電解法とを組み合わせて生成する方法が挙げられる。無隔膜電解法と隔膜電解法とをどのように組み合わせるかは、水源部の説明と共に次に詳述する。
【0019】
当該飲用水供給装置の水源部は、電解水(A)をフィルター部へ供給し得るものであればよく、例えば、次の(a)、(b)の態様が挙げられる。
(a)外部から電解水(A)を補充することを前提として、電解水(A)を貯蔵し得る貯水槽を有し、該貯水槽に溜まった電解水(A)をフィルター部へ供給する態様。
(b)電気分解装置を少なくとも備え、電解水(A)の原料となる金属塩化物(塩化ナトリウムや塩化カルシウムなど)と水とを補給することを前提として、該原料から電解水(A)を水源部内で作り出し、それをフィルター部へ供給する態様。
【0020】
上記(a)の態様では、当該飲用水供給装置とは別に電解水(A)の生成装置が必要となるが、その生成装置を製氷装置内もしくは冷水供給装置内に収容できるように小型化し水源部として一体化したものが上記(b)の態様である。
以下の例では、上記(b)の態様を代表として、水源部の装置構成を説明しながら、同時に、電解水(A)の製造方法を説明する。
【0021】
先ず、上記(ア)の生成装置の構成を説明しながら、上記(あ)の製造方法を説明する。図3は、上記(ア)の生成装置における電解水(A)の生成プロセスを明確に説明する為のブロック図であって、槽の形状、互いの位置関係などは、装置内に収容できるように適宜に選択すればよい。他の図も同様である。
図3に示すように、上記(ア)の生成装置は、金属塩化物水溶液を電気分解するための2種類の電解槽として、第一電解槽10と第二電解槽20とを有する。第一電解槽10には、陽極P2と負極P1との間に隔膜が無いが、第二電解槽20には、陽極P4と負極P3との間に隔膜21が有る。各電極はそれぞれに電源に接続され、印加電圧、電流量を制御されて電気分解が行われるが、同図では、電源装置、配線、制御回路などは図示を省略している。電気分解自体の技術については、公知技術を参照してよい。
【0022】
第一電解槽10では、金属塩化物水溶液を電気分解し、次亜塩素酸イオンを含有する第一の電解水を生成する。第一の電解水は、有効塩素濃度が500ppm以上、pHが8以上である。
第一の電解水の有効塩素濃度等の上限は特に限定されないが、好ましい範囲としては、5000ppm以下、pHは12以下が好ましい。
【0023】
この第一の電解水が、第二電解槽20の陽極側に供給されるように、電解槽10と20とを接続する。このとき、第二電解槽20の負極側には、導電性水溶液を供給する。この状態で、第二電解槽20において電気分解することによって、陽極側には、次亜塩素酸系成分を含有する第二の電解水が生成する。
第二の電解水は、有効塩素濃度が1000ppm以上、pH7.5以上である。
第二の電解水の有効塩素濃度等の上限は特に限定されないが、好ましい範囲としては10000ppm以下、pHは8以下が好ましい。
この第二の電解水を、図3に示す混合部4において水5で希釈することで、電解水(A)を得る。
【0024】
金属塩化物水溶液としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群より選ばれた、少なくとも1つの金属の塩化物の水溶液であればよいが、飲用水となることから安全性を考慮すれば、塩化ナトリウム水溶液が好ましい。
【0025】
金属塩化物水溶液として塩化ナトリウム水溶液を用いる場合、第一電解槽に供給する該水溶液の濃度(1L(リットル)当りに含まれる塩化ナトリウムの重量)は、20g/L〜300g/Lが適当である。下限の20g/L未満では、電気抵抗が上昇して電流効率が低下するため、陽極から塩素ガスが発生すると共に、酸素も発生して電極を消耗させるので好ましくない。一方、上限の300g/Lを越えると飽和状態に近くなるため、季節による温度変化などにより、原料の塩化ナトリウムが結晶として水溶液中に析出し、管路などの詰まりの原因になるおそれがある。さらに、塩化ナトリウム水溶液を調整する際に生じる濃度のずれ、原料コスト面から考慮して、塩化ナトリウム水溶液の濃度は30g/L〜50g/Lが適当である。
【0026】
第二電解槽に設けられる隔膜21としては、一般に市販されている各種の陽イオン交換膜が挙げられるが、特に塩素に対して強い耐性を有するフッ素系陽イオン交換膜が好ましい。このようなフッ素系陽イオン交換膜の商品としては、デュポン社の「ナフィオン(登録商標)115」、「ナフィオン(登録商標)424」、「ナフィオン(登録商標)450」などが挙げられる。
【0027】
希釈に用いる水は、飲用可能なものであればよく、水道水、RO水(井戸水等を逆浸透膜処理することによって生成された水)などが例示される。
希釈に用いる水の供給源、供給方法、供給装置は、特に限定されず、例えば、希釈用水のための貯水槽を設けておき、供給装置を介して希釈に必要な量だけ供給する構成としてもよいし、水道管など外部の希釈用水供給源から管路を導入し供給装置を介して希釈に必要な量だけ供給する構成などとしてもよい。
【0028】
上記(あ)の製造方法、生成装置のより詳細な説明については、殺菌性電解水に関する発明が記載された上記特許文献1を参照してもよい。
【0029】
次に、上記(イ)の生成装置の構成を説明しながら、上記(い)の製造方法を説明する。図4に示すように、上記(イ)の生成装置は、上記説明の(ア)の生成装置と同様に、第一電解槽10と、第二電解槽とを有するが、接続構成が異なっている。上記(イ)の生成装置における電解槽10、20は、第一電解槽10で生成された第一の電解水と、第二電解槽20の陽極側で生成された次亜塩素酸系成分を含有する第二の電解水とが、混合されるように接続部Jで接続されている。
また接続部Jは、混合された電解水に、さらに水5を加え希釈し、上記電解水(A)を得る構成とされている。
同図の例では、第一の電解水と第二の電解水との混合・希釈が、同時に接続部Jで行われているが、混合部〜希釈部のように、2段階に分かれていてもよい。
各電解槽の各部の詳細は、上記(ア)の場合と同様である。
【0030】
上記(イ)の装置において生成される第一の電解水は、上記(ア)の場合と同様に、有効塩素濃度が500ppm以上、pHが8以上である。また、第二の電解水は、有効塩素濃度が500ppm以上、pHが6以下である。
これらを適宜の比率にて混合し希釈することによって電解水(A)が得られる。
【0031】
次に、上記(ウ)の生成装置の構成を説明しながら、上記(う)の製造方法を説明する。図5に示すように、上記(ウ)の生成装置は、上記(ア)の生成装置と、上記(イ)の生成装置とを複合させた構成であって、電極間に隔膜を有しない第一電解槽10、第二電解槽20と、電極間に隔膜を有する第三電解槽30とを有する。
第二、第三の電解槽の接続関係は、上記(ア)の装置と同様であって、第二電解槽20で生成された次亜塩素酸イオンを含有する第二の電解水が、第三電解槽30のうちの陽極側に供給されるように接続されている。第三電解槽30の陽極側に生成された次亜塩素酸系成分を含有する第三の電解水と、第一電解槽で生成された第一の電解水とが混合されるように、接続部Jが設けられている。
図5の構成例では、接続部Jにおいて、両電解水を混合すると共に、水5で希釈することで、電解水(A)を得る構成となっている。
各電解槽の各部の詳細は、上記(ア)の場合と同様である。
【0032】
上記(ウ)の装置において生成される第一、第二の電解水は、上記(ア)の場合と同様に、有効塩素濃度が500ppm以上、pHが8以上であることが好ましい。
また、第三の電解水は、有効塩素濃度が500ppm以上、pHが6以下であることが好ましい。
これらを適宜の比率にて混合し希釈することによって、電解水(A)が得られる。
【0033】
フィルター部は、水源部から供給される電解水(A)が快適に飲用可能となるまで、該電解水(A)から次亜塩素酸系成分を除去し得るフィルターであればよい。
快適に飲用可能とは、有効塩素濃度が1ppm程度以下、pHが7.5〜8.0、蒸発後の残留塩分が0.02%以下であることをいう。
電解水(A)を上記のように快適に飲用可能な水質に変化させ得る好ましいフィルターとしては、活性炭フィルターが挙げられる。
【0034】
活性炭フィルターは、サイズ、形状などは限定されず、次亜塩素酸系成分を有効に除去でき、有効塩素濃度1ppm以下に処理できるようであればよい。銀が添着された活性炭を用いれば、より有効である。
【0035】
以上、当該飲用水供給装置を、製氷装置における飲用水供給装置への用途を例として説明したが、該製氷装置は、製品として独立した製氷装置であっても、冷蔵庫内に組み込まれた製氷装置などであってもよい。また、製氷の用途だけでなく、飲食店に配置される冷水供給機(例えば、スイッチレバーを押すとコップに冷水を供給するタイプの装置)、スタンド型のウォータークーラー(冷却した飲用水を口で直接飲めるように上方へ噴出させるタイプの装置)など、装置内に分解困難な給水管路を持つ装置の飲用水供給源として用いることによって、飲用水を供給しながら、同時に給水管路内の微生物の繁殖を抑制することが可能になり、本発明の特徴が十分に顕著となる。
【実施例】
【0036】
実施例1
本実施例では、図4に示す飲用水供給装置(即ち、上記(イ)の生成装置)を実際に構成した例を示す。
図4の構成例は、電解水(A)の生成フローを模式的に示したものである。原料の塩化ナトリウム水溶液は、濃度30g/Lであって、貯液タンク(図示せず)より定量ポンプ(図示せず)によって、それぞれ10mL/minの供給レートにて、第一電解槽(無隔膜電解槽)10と、第二電解槽(有隔膜電解槽)20とに供給される。
【0037】
直流電源装置(図示せず)から第一電解槽に2.6A、第二電解槽に0.6Aの電流を流して各槽内の塩化ナトリウム水溶液を電気分解し、第一、第二の電解水を得た。
第一電解槽10から取り出された第一の電解水と、第二電解槽20の陽極側から取り出された第二の電解水は、図4に示すように、接続部Jで混合され、かつ希釈水用の貯水槽(図示せず)より供給された水5(3L/min)によって希釈・混合されて、pH8、有効塩素濃度20ppm、蒸発後の残留塩分0.02%の電解水(A)が調整される構成とした。
【0038】
電解水(A)が通過している飲用供給装置の供給管路において、管路に付着しているバクテリアの培養試験におけるコロニー数の確認を行った。
バクテリア培養試験は寒天培地〔栄研器材(株)製「ぺたんチェック(登録商標)PT1000」〕を使用して、管路内を寒天培地に密着させた後、培地を恒温器内で37℃48時間培養し、発生したコロニー数をコロニーカウンターで計測した。それらの結果を下表1に示す。
下表1に示すとおり、電解水(A)を用いることにより管路内の細菌の増殖を抑制できることが分かった。
【0039】
図4に示すように、上記実施例1で生成した電解水(A)を、活性炭からなるフィルター部3を通過させることにより、pH8、有効塩素濃度0.05ppm以下、蒸発後の残留塩分0.02%の飲用水を得た。
この飲用水と、水道水とについて官能試験を行った。パネラーは10人とし、3点識別法で試験を行った。その結果を表1に示す。
これらの結果より、有意差は認められず、本願発明によって供給される飲用水が、水道水と同等に飲用に適したものであることがわかった。
【0040】
比較例1
図4に示した電解水(A)の生成フローにおいて、原料の種類、濃度、供給する流量および希釈用水との混合・希釈割合は実施例1と同様にして、第一電解槽に0.26A、第二電解槽に0.06Aとし、混合・希釈して、有効塩素濃度2ppmの電解水を得た。
この電解水を用いて実施例1と同様の試験を行った結果を表1に示す。
【0041】
比較例2
図4に示した電解水(A)の生成フローにおいて、原料の塩化ナトリウム水溶液を供給する流量、希釈用水との混合・希釈割合を実施例1と同様にし、第一電解槽・第二電解槽に流す電流値および塩化ナトリウム水溶液の濃度を変えて、有効塩素濃度20ppm、蒸発後の残留塩分が0.2%の電解水を得た。この電解水を用いて実施例1と同様の試験を行った結果を表1に示す。
【0042】
実施例2
本実施例では、図3に示す飲用水供給装置(即ち、上記(あ)の製造方法、上記(ア)の生成装置)を実際に構成した例を示す。
原料の塩化ナトリウム水溶液(濃度30g/L)が、貯液タンクより定量ポンプによって10mL/minにて第一電解槽(無隔膜電解槽)10に供給される構成とした。
第一電解槽10から取り出された第一の電解水は、更に第二電解槽(有隔膜電解槽)20の陽極側に導入される。第二電解槽の陰極P3と陽極P4の間には隔膜として陽イオン交換膜21が設けられている。また、第二電解槽の陰極側には、原料の塩化ナトリウム水溶液が貯液タンクより定量ポンプによって10mL/minで供給される。
【0043】
この例では直流電源装置から第一電解槽に2.6A、第二電解槽に0.6Aの電流を流して電気分解した。
第二電解槽20の陽極側より取り出した電解水は、混合部4において希釈水用の貯水槽(図示せず)より供給された水5(3L/min)によって希釈され、pH8、有効塩素濃度20ppm、蒸発後の残留塩分0.01%の電解水(A)が生成される構成とした。
この電解水(A)について、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1に示す
【0044】
実施例3
本実施例では、図5に示す飲用水供給装置(即ち、上記(う)の製造方法、上記(ウ)の生成装置)を実際に構成した例を示す。
原料の塩化ナトリウム水溶液(30g/L)を、貯液タンクより定量ポンプによって10ml/minにて第一電解槽(無隔膜電解槽)10に供給し、2Aの電流を流して電気分解し、第一の電解水とした。
【0045】
他方で、原料の塩化ナトリウム水溶液(30g/L)を、定量ポンプによって10ml/minで第二電解槽(無隔膜電解槽)20に供給し、ここで生成された第二の電解水を、更に第三の電解槽(有隔膜電解槽)30の陽極側に導入する構成とした。
該有隔膜電解槽の陽極側と陰極側の間には隔膜として陽イオン交換膜が設けられている。また、該有隔膜電解槽の陰極側には、原料の塩化ナトリウム水溶液が貯液タンクより定量ポンプによって10ml/minで供給される構成とした。第二電解槽、第三電解槽共に0.6Aの電流を流して電気分解し、第三電解槽30の陽極において第三の電解液を生成した。
【0046】
第一電解槽10から取り出された第一電解水と、第二電解槽30の陽極側より取り出された電解水とは、接続部Jにおいて混合され、かつ、かつ希釈水用の貯水槽(図示せず)より供給された水5(3L/min)によって希釈され、pH8、有効塩素濃度20ppm、蒸発後の残留塩分0.02%の電解水(A)が生成される構成とした。
この電解水(A)について、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
上記表1から明らかなとおり、実施例1〜3によって得られた電解水(A)は、いずれも好ましい殺菌性を有すると共に、蒸発後の残留成分が少なく、快適に飲用可能な水であった。
また、比較例1の結果から、有効塩素濃度が2ppmでは、官能試験では有意差は無いが、殺菌性が不十分であり、比較例2の結果から、蒸発後の残留塩分が0.2%では、たとえフィルター部を通しても、官能試験に関しては水道水と比較すると有意差があり、快適に飲用可能な水とは言えないことが分かった。
【0049】
実施例4、5
実施例1および図4に示した飲用水供給装置において、原料とした塩化ナトリウム水溶液に替えて、塩化カリウムをイオン交換水で濃度30g/Lとなるように希釈した水溶液を原料として用い、電解水(A)を生成した(実施例4)。
同様に、実施例1および図4に示した飲用水供給装置において、原料とした塩化ナトリウム水溶液に替えて、塩化ナトリウムと塩化カリウムとを等量ずつ混合し、これをイオン交換水で濃度30g/Lとなるように希釈した水溶液を原料として用い、電解水(A)を生成した(実施例5)。
【0050】
実施例4、5では、それぞれの原料水溶液を10mL/minで、第一電解槽(無隔膜電解槽)、第二電解槽(有隔膜電解槽)に供給し、第一電解槽に2.6A、第二電解槽に0.6Aの電流を流して電気分解を行ない、それぞれ得られた第一、第二の電解水と、水道水3L/minとを混合・希釈して電解水(A))を生成した。
得られた電解水(A)の有効塩素濃度とpHを測定した。その結果を表2に示す。
【0051】
【表2】

【0052】
表2に示した結果から、原料に用いる水溶液としては、塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、塩化ナトリウムと塩化カリウムとを共に含む水溶液のいずれを使用しても、得られる電解水(A)は同様の性状を有することがわかる。
【0053】
実施例6
本実施例では、実施例1で示した飲用水供給装置を、図1に示した製氷装置に組み込み、該飲用水供給装置から供給された電解水(A)を用いて氷を生成した。
この氷を溶解した水を一般細菌用寒天培地に塗布し、該培地を恒温器内で37℃48時間培養し、発生したコロニー数をコロニーカウンターで計測したところ、コロニー数は10以下であった。このことから、配管内に対する除菌効果はもちろんのこと、電解水(A)を用いて得られる氷についても、細菌の増殖が抑制できていることが明らかになった。
【0054】
比較例3
実施例6において、電解水(A)の代わりに、比較例1で示した電解水を用いて氷を生成した。
この氷を溶解した水を一般細菌用寒天培地に塗布し、該培地を恒温器内で37℃48時間培養し、発生したコロニー数をコロニーカウンターで計測したところ、コロニー数は10〜10であった。このことから、比較例1で示した電解水を用いて得られた氷の中には、細菌が増殖していることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明による飲用水供給装置では、電解水(A)から次亜塩素酸系成分を除去して飲むという発想のもと、電解水(A)の供給源と、次亜塩素酸系成分を除去するためのフィルターとを結びつけることによって、分解困難な給水管路を持つ装置であっても、給水管内のカビや細菌等の繁殖が抑制される。従って、給水管路を分解して除菌洗浄を行うなどのメンテナンスの必要を低減することが可能となっている。また、該電解水(A)をフィルターを通過させて得られる水や氷は、不味さを感じることなく、カビや細菌も十分に減少したものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の飲用水供給装置の構成の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の飲用水供給装置の、他の構成例を示す模式図である。
【図3】本発明の飲用水供給装置における水源部の装置構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の飲用水供給装置における水源部の装置構成の他の例を示すブロック図である。
【図5】本発明の飲用水供給装置における水源部の装置構成の他の例を示すブロック図である。
【図6】従来の製氷装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0057】
A 飲用水供給装置
1 水源部
2 供給管路
3 フィルター部
B1 製氷機構本体部
B2 貯氷槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)の電解水を供給し得る水源部の出水側に、供給管路が接続され、該供給管路の終端部に、前記電解水が飲用可能となるように次亜塩素酸系成分を除去し得るフィルター部が接続された構成を有することを特徴とする、飲用水供給装置。
(A)有効塩素濃度が5〜50ppm、pHが7.5〜9.0、蒸発後の残留塩分が0.05%以下であるように、次亜塩素酸系成分を含有する電解水。
【請求項2】
上記(A)の電解水が、下記(あ)〜(う)のいずれかの製造方法によって製造されたものである、請求項1記載の飲用水供給装置。
(あ)金属塩化物水溶液を、電極間に隔膜を有しない第一電解槽で電気分解することによって次亜塩素酸イオンを含有する第一の電解水を生成し、この第一の電解水を、電極間に隔膜を有する第二電解槽の陽極側に供給し電気分解することによって、次亜塩素酸系成分を含有する第二の電解水を生成し、この第二の電解水を水で希釈して、上記(A)の電解水を得る製造方法。
(い)金属塩化物水溶液を、電極間に隔膜を有しない第一電解槽で電気分解することによって次亜塩素酸イオンを含有する第一の電解水を生成し、これとは別に、金属塩化物水溶液を、電極間に隔膜を有する第二電解槽で電気分解することによって陽極側に次亜塩素酸系成分を含有する第二の電解水を生成し、第一の電解水と第二の電解水とを混合し水で希釈して、上記(A)の電解水を得る製造方法。
(う)金属塩化物水溶液を、電極間に隔膜を有しない第一電解槽で電気分解することによって次亜塩素酸イオンを含有する第一の電解水を生成し、これとは別に、金属塩化物水溶液を、電極間に隔膜を有しない第二電解槽で電気分解することによって次亜塩素酸イオンを含有する第二の電解水を生成し、この第二の電解水を、電極間に隔膜を有する第三の電解槽の陽極側に供給し電気分解することによって、次亜塩素酸系成分を含有する第三の電解水を生成し、第一の電解水と第三の電解水とを混合し水で希釈して、上記(A)の電解水を得る製造方法。
【請求項3】
上記水源部が、上記(A)の電解水を生成する装置として、下記(ア)〜(ウ)のいずれかの生成装置を有するものである、請求項1記載の飲用水供給装置。
(ア)金属塩化物水溶液を電気分解するための電解槽であって電極間に隔膜を有しない第一電解槽と、金属塩化物水溶液を電気分解するための電解槽であって電極間に隔膜を有する第二電解槽とを有し、
これら電解槽は、第一電解槽で生成された次亜塩素酸イオンを含有する第一の電解水が第二電解槽の陽極側に供給されるように接続されており、該陽極側での電気分解によって生成される第二の電解水をさらに水で希釈し得る構成とされ、これによって上記(A)の電解水を得る構成とされている生成装置。
(イ)金属塩化物水溶液を電気分解するための電解槽であって電極間に隔膜を有しない第一電解槽と、金属塩化物水溶液を電気分解するための電解槽であって電極間に隔膜を有する第二電解槽とを有し、
これら電解槽は、第一電解槽で生成された次亜塩素酸イオンを含有する第一の電解水と、第二電解槽の陽極側で生成された次亜塩素酸系成分を含有する第二の電解水とが混合されるように接続され、かつ、その混合された電解水を水で希釈し得る構成とされ、これによって上記(A)の電解水を得る構成とされている生成装置。
(ウ)金属塩化物水溶液を電気分解するための電解槽であって電極間に隔膜を有しない第一および第二電解槽と、金属塩化物水溶液を電気分解するための電解槽であって電極間に隔膜を有する第三電解槽とを有し、
これら電解槽は、第二電解槽で生成された次亜塩素酸イオンを含有する第二の電解水が、第三電解槽のうちの陽極側に供給されるように接続され、かつ、電気分解によって前記陽極側に生成された次亜塩素酸系成分を含有する第三の電解水と、第一電解槽で生成された次亜塩素酸イオンを含有する第一の電解水とが混合されるように接続され、かつ、その混合された電解水を水で希釈し得る構成とされ、これによって上記(A)の電解水を得る構成とされている生成装置。
【請求項4】
金属塩化物水溶液に含まれる該金属塩化物が、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群より選ばれた、少なくとも1つの金属の塩化物である、請求項2または3記載の飲用水供給装置。
【請求項5】
フィルター部が、活性炭フィルターを有して構成されたものである、請求項1記載の飲用水供給装置。
【請求項6】
当該飲用水供給装置が、製氷装置において製氷用キャビティに飲用水を供給する飲用水供給装置として、該製氷装置に組み込まれている、請求項1〜5のいずれかに記載の飲用水供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−28601(P2006−28601A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−210599(P2004−210599)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(591234307)アサヒプリテック株式会社 (17)
【出願人】(000153328)株式会社日本食品開発研究所 (5)
【出願人】(000005913)三井物産株式会社 (37)
【出願人】(503097299)株式会社アクアクララジャパン (1)
【Fターム(参考)】