説明

飲食店用POSオーダシステム

【課題】利用者がクライアント端末を用いて飲食物を注文することのできる飲食店用POSオーダシステムにおいて、簡素な構成により店員を呼び出すことのできる飲食店用POSオーダシステムを提供する。
【解決手段】飲食店内には複数の客用端末31が設置されており、各客用端末31は管理サーバ33に接続されている。また、飲食店内には飲食客による店員呼出状況を番号ランプ46の点灯により報知する呼出表示機42が設置されている。ここで、客用端末31において店員を呼び出す旨の操作が行われると、管理サーバ33に接続された送信機41から制御信号が無線送信され、その制御信号を呼出表示機42が受信して、番号ランプ46を点灯するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店員呼出機能を備えた飲食店用POSオーダシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲食店等において、タッチパネル式ディスプレイを備えた端末を各テーブルに設置し、その端末を用いて飲食客自身が注文を行うPOSオーダシステムが知られている(例えば、特許文献1)。このようなPOSオーダシステムでは、飲食物のメニュー等がディスプレイに表示され、そのメニュー等に従ってタッチ操作することで注文を行うことができる。このため、混雑時であっても飲食客は食べたいものが決まったタイミングで注文を行うことができる。また、飲食客が直接注文を行うことにより注文ミスを減らすことができる。
【0003】
ところで、端末の操作に不慣れな年配などの飲食客が来店する場合や、端末のディスプレイに表示されるメニュー等の案内以外の所用がある場合がある。このような場合には、飲食客は店員を呼び出し、その店員が所用を受けたり、注文を受け付けるなどの対応を取ることになる。
【0004】
店員呼び出す方法としては、各テーブルに配置される押しボタンスイッチと、番号表示可能な番号表示装置とを用いた呼出システムがよく知られている。このような呼出システムでは、飲食客が押しボタンスイッチを操作すると、その飲食客のいるテーブルの番号が番号表示装置に表示される。店員は、表示された番号を確認してその番号のテーブルに向かい、飲食客の応対を行う。
【0005】
しかしながら、上記POSオーダシステムにこのような呼出システムを追加することとし、押しボタンスイッチ等を設けることは、コストの面で不利である。
【特許文献1】特開2002−279042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、利用者がクライアント端末を用いて飲食物を注文することのできる飲食店用POSオーダシステムにおいて、簡素な構成により店員を呼び出すことのできる飲食店用POSオーダシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0008】
手段1.飲食店内に複数設けられ、表示手段(タッチパネル式ディスプレイ32)、入力手段(タッチパネル式ディスプレイ32)及び子通信手段(マイクロコンピュータの機能)を有するクライアント端末(客用端末31)と、
親通信手段(マイクロコンピュータの機能)を有する管理サーバ(管理サーバ33)と、
を備え、
前記クライアント端末は、前記表示手段に飲食メニュー等を表示し(ステップS101,S104の処理機能)、該表示された飲食メニュー等から前記入力手段により選択入力された入力情報を、前記クライアント端末ごとの識別子(テーブル番号)を含む要求情報(注文データ,会計依頼データ)として、前記子通信手段により前記管理サーバに送信し(ステップS107,S110)、
前記管理サーバは、前記クライアント端末から送信された要求情報を前記親通信手段により受信し(ステップS301の処理機能)、該受信した要求情報に応じて応対処理(ステップS303,S308の処理機能)を行う飲食店用POSオーダシステムにおいて、
前記クライアント端末に設けられ、前記入力手段により店員呼出要求を受け付ける呼出要求受付手段(ステップS101の処理機能)と、
前記クライアント端末に設けられ、前記呼出要求受付手段により店員呼出要求を受け付けた場合に、前記クライアント端末ごとの識別子を含む呼出情報(ステップS112の処理機能,呼出情報)を、前記子通信手段により前記管理サーバに送信する呼出情報送信手段(ステップS113の処理機能)と、
前記管理サーバに設けられ、前記クライアント端末から送信された呼出情報を前記親通信手段により受信する呼出情報受信手段(ステップS301の処理機能)と、
前記管理サーバに設けられ、前記呼出情報受信手段により受信した呼出情報を無線送信する無線送信手段(送信機41)と、
前記無線送信手段により送信された呼出情報を受信する無線受信手段(受信回路50)を有し、該無線受信手段により受信した呼出情報に基づき、前記クライアント端末を他のクライアント端末と識別可能に報知する報知装置(呼出表示機42)と、
を備えたことを特徴とする飲食店用POSオーダシステム。
【0009】
手段1の飲食店用POSオーダシステムでは、複数のクライアント端末が設けられている。飲食客は、クライアント端末を利用し、表示される飲食メニュー等に従って飲食物の注文などを行うことができる。
【0010】
また、本クライアント端末には店員を呼び出す店員呼出機能が備えられている。すなわち飲食客による店員呼出要求が呼出要求受付手段により受け付けられると、クライアント端末ごとの識別子を含む呼出情報が子通信手段により管理サーバに送信される。管理サーバでは、クライアント端末から送信された呼出情報が呼出情報受信手段により受信され、無線送信手段によりその呼出情報が無線送信される。そして、報知装置において、無線送信された呼出情報が無線受信手段により受信され、店員呼出要求を受け付けたクライアント端末がその他のクライアント端末と識別可能に報知される。したがって、店員は、報知装置による報知によりいずれのクライアント端末の飲食客が店員呼出をしているかを確認できる。
【0011】
ここで、呼出信号は、管理サーバから報知装置に対して無線通信によって送信される。このため、有線通信による場合と比べて、配線作業等に起因する設置場所等の制限が少なく、報知装置を自由な場所に、且つ少ない工数にて設置することができる。
【0012】
上記利点は、報知装置の追加や再設置が容易であることも示している。すなわち、すでに構築されたPOSオーダシステムに対して店員呼出機能を追加する場合に、その追加作業を簡単に行うことができる。また、一旦設置した報知装置を、店員からより見易い場所に簡単に移動させることができる。
【0013】
さらに、無線通信では、1対多数の通信が容易である。このため、床面積の広い飲食店や複数の階にわたる飲食店などにおいて、複数の報知装置を適宜設置し、運用することが可能である。そして、それぞれの報知装置に店員呼出要求を報知させることにより、その死角が減少し、店員が飲食客からの店員呼出要求をより確実に確認することができる。
【0014】
手段2.前記クライアント端末において前記表示手段に前記店員呼出要求を受け付けるための呼出用アイコン(呼出ボタン54)を表示させるアイコン表示制御手段(ステップS101の処理機能)を備え、
前記呼出要求受付手段は、該アイコン表示制御手段により表示された呼出用アイコンが前記入力手段により選択操作された場合に、前記店員呼出要求を受け付けることを特徴とする飲食店用POSオーダシステム。
【0015】
手段2の飲食店用POSオーダシステムでは、表示手段により店員を呼び出すための呼出用アイコンが表示され、入力手段を利用した呼出用アイコンの選択操作により店員呼出要求が受け付けられる。これにより、クライアント端末にボタンスイッチ類のハードウエアを追加する必要がなく、既存の表示手段及び入力手段を利用して店員呼出要求を受け付けることができる。したがって、コストの面で有利になる。
【0016】
手段3.前記アイコン表示制御手段は、前記表示手段に前記呼出用アイコンが常時表示されるように表示制御することを特徴とする記載の飲食店用POSオーダシステム。
【0017】
手段3の飲食店用POSオーダシステムでは、各種操作を行い、いかなる画面表示となっていても呼出用アイコンが表示されているため、その操作について不明な点がある場合などに速やかに店員を呼び出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、飲食店用POSオーダシステムを一般的なレストランに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0019】
図1はレストラン内の概略平面図である。図1に示すように、このレストラン10内にはフロアスペース11が設けられている。フロアスペース11は、飲食スペース12、厨房スペース13、事務スペース14及び受付・会計スペース15に大別される。
【0020】
飲食スペース12には、店内を平面視した状態で長方形をなすテーブル21が複数設けられている。各テーブル21には、その長辺に沿って座席22が併設されている。厨房スペース13には、焼物台23、配膳台24及び図示しない各種厨房機器などが設けられている。事務スペース14は、厨房スペース13の一角として設けられており、事務スペース14には各種事務機器が設けられている。受付・会計スペース15には、飲食物の会計を行うための会計台25が設けられている。
【0021】
以上のように構成されたレストラン10に入店した飲食客は、受付・会計スペース15にて、店員に所定の座席22に案内され、着席する。次いで、着席した飲食客は、その場所で飲食物を注文し、提供された料理等の飲食を行う。そして、飲食が終われば座席22を外れ、会計台25で会計を済ませた後、店から出る。他方、レストラン10の店員は、飲食スペース12や受付・会計スペースで飲食客の座席22への案内、飲食物の配膳・片付け、会計など飲食客を相手にした作業を行う一方、厨房スペース13では、各種飲食物を調理したり、食器を洗うなどの作業を行う。また、事務スペース14において店の事務管理を行う。
【0022】
このレストラン10では、客用端末31を用いて飲食客自身が飲食物を注文可能なPOSオーダシステムが構築されている。以下、かかるPOSオーダシステムについて、図1と共に図2のブロック図を用いて説明する。
【0023】
客用端末31は、図1に示されるようにテーブル毎に1対1で設けられ、1〜nのテーブル番号に合わせるようにして客用端末31−1,31−2,・・・,31−nがそれぞれ設けられている。各客用端末31は、周知のとおりCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成されるものであり、表示手段及び入力手段としてのタッチ操作可能なタッチパネル式ディスプレイ32を備えている。また、本実施の形態におけるレストラン10ではローカルエリアネットワーク(LAN)が構築されており、各客用端末31はこのLANを通じて事務スペース14に設けられた管理サーバ33に接続されている。
【0024】
飲食客は、この客用端末31を用いて飲食物を注文することができる。すなわち、飲食メニュー等がディスプレイ32に表示され、その案内に従って適宜タッチ操作を行うことにより注文が受け付けられる。また、飲食後の会計依頼もタッチ操作により行うことができる。これらのタッチ操作により受け付けられた注文や会計依頼は、それぞれテーブル番号を含む注文データ及び会計指示データとして管理サーバ33に送信される。
【0025】
管理サーバ33は、周知のとおりCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成されるものである。管理サーバ33では、各客用端末31から送信された注文データ,会計指示データが受信され、管理される。
【0026】
ここで、注文データを受信した場合には、その注文データがRAMに蓄積されるとともに、焼物台23及び配膳台24に設けられた2台の厨房用端末34に調理指示データとして送信される。厨房用端末34は、客用端末31と同様にマイクロコンピュータを主体として構成されるものであり、タッチパネル式ディスプレイ35を備えている。厨房用端末34では、管理サーバ33から調理指示データを受信すると、ディスプレイ35に調理待ちの料理があることを示す調理指示情報が表示される。店員は、その調理指示情報を確認することで飲食客が注文した飲食物の調理作業を行う。また、会計指示データを受信した場合には、RAMに蓄積された注文データに基づき、会計台25に設けられたレジ用端末36に会計データが送信される。レジ用端末36は、客用端末31と同様にマイクロコンピュータを主体として構成されるものであり、タッチパネル式ディスプレイ37を備えている。レジ用端末36では、管理サーバ33から会計データを受信すると、ディスプレイ37に飲食物の代金や内訳などが表示される。店員は、その会計情報を確認することで飲食客が飲食した飲食物の会計作業を行う。
【0027】
また、このレストラン10の店員は、ポータブル式の店員用端末38を携帯している。店員用端末38は店員の数に応じて用意され、本実施の形態ではm個の店員用端末38−1,38−2,・・・,38−mが利用可能である。この店員用端末38は、各客用端末31と同様にマイクロコンピュータを主体として構成されるものであり、タッチ操作可能なタッチパネル式の小型ディスプレイ39を備えている。各店員用端末38は、前述したLANに無線方式により接続されている。
【0028】
この店員用端末38では、客用端末31と同様に飲食客からの注文や飲食後の会計依頼を受け付けることができる。この場合、店員用端末38では、注文や会計依頼に加え、応対する飲食客のテーブル番号を入力するようになっている。これにより、注文内容や会計依頼は、それぞれのテーブル番号を含む注文データ,会計指示データとして管理サーバ33に送信される。このため、客用端末31又は店員用端末38のどちらを用いて注文,会計依頼をしたとしても、管理サーバ33は、同様の注文データ,会計指示データとして受信し、管理することができる。
【0029】
さて、このPOSオーダシステムには、店員を呼び出す店員呼出機能が実装されている。すなわち、飲食客は、ディスプレイ32に表示される店員呼出用の案内に従ってタッチ操作することにより、店員を呼び出すことができる。この呼出機能は、管理サーバ33に接続された送信機41と、店員から見易い位置に設置された呼出表示機42とにより店員呼出状況が報知されることによって実現されている。以下、その詳細を説明する。
【0030】
送信機41は、管理サーバ33とシリアル接続されており、変換回路43、送信回路44、アンテナ45を備えるものである。送信機41は、管理サーバ33から呼出表示機42を制御するための制御データを入力すると、変換回路43により無線通信用の制御信号に変換し、その制御信号を送信回路44によりアンテナ45を介して無線送信する。
【0031】
呼出表示機42は、テーブル番号に対応して点消灯可能な番号ランプ46−1,46−2,・・・,46−nや、スピーカ47を備えるものである。また、呼出表示機42は、各番号ランプ46やスピーカ47などの制御などを行う制御回路48を備え、さらに送信機41から送信された制御信号を受信するためのアンテナ49及び受信回路50を備えている。呼出表示機42は、アンテナ49を介し受信回路50により制御信号を受信すると、その制御信号に基づき制御回路48による番号ランプ46の点消灯を行う。また、番号ランプ46の点灯に併せてスピーカ47よりチャイム音を発する。
【0032】
かかる構成において、客用端末31−k(kは1〜nのいずれか)により飲食客が店員を呼び出す旨のタッチ操作を行うと、呼出表示機42における番号ランプ46−kが点灯する。これにより、店員にテーブル番号kの飲食客が店員を呼び出していることが報知される。その後、店員がテーブル番号kに到着し、店員用端末38により呼出対応完了の旨の操作を行うと、呼出表示機42における番号ランプ46−kが消灯する。
【0033】
以下、客用端末31、店員用端末38、管理サーバ33におけるPOSオーダシステム処理について、それぞれ図3,4,5のフローチャートを参照して説明する。また、必要に応じて、客用端末31及び店員用端末38のそれぞれのディスプレイ32,39に表示される画面を、図6を参照して説明する。
【0034】
図3は、客用端末31におけるPOSオーダシステム処理としての客用端末処理を示すフローチャートである。客用端末31では、飲食客からの注文,会計依頼,店員呼出要求を受け付ける処理を行う。本処理は、所定周期(例えば、10msec)で繰り返し実行される。
【0035】
先ず、ステップS101において、図6(a)に示すように、メイン表示部51、メニューボタン52、会計ボタン53及び店員呼出ボタン54がディスプレイ32に表示される。そして、ステップS102において、各ボタン52〜54のタッチ操作を受け付ける処理を行う。ここで、各ボタン52〜54をタッチ操作した場合には、メイン表示部51に新たな案内メニュー等が表示されるように構成しており、各ボタン52〜54は常時表示される。
【0036】
ステップS103では、メニューボタン52がタッチ操作されたかを判定する。メニューボタン52のタッチ操作時には、ステップS104において飲食メニュー等がメイン表示部51に表示され、ステップS105において注文内容を受け付ける処理を行う。そして、ステップS106において受け付けた注文内容にテーブル番号を付与して注文データを生成し、ステップS107においてその注文データを管理サーバ33に送信する。一方で、メニューボタン52の非操作時にはステップS108に移行する。
【0037】
ステップS108では、会計ボタン53がタッチ操作されたかを判定する。会計ボタン53のタッチ操作時には、ステップS109においてテーブル番号を含む会計依頼データを生成し、ステップS110において管理サーバ33に送信する。一方で、会計ボタン53の非操作時にはステップS111に移行する
さて、ステップS111では、店員呼出ボタン54がタッチ操作されたかを判定する。店員呼出ボタン54のタッチ操作時には、ステップS112においてテーブル番号を含む呼出データを生成する。そして、ステップS113において、生成した呼出データを管理サーバ33に送信する。これにより客用端末31にて店員呼出が行われたことが管理サーバ33に伝達される。一方で、店員呼出ボタン54の非操作時にはそのまま本客用端末処理を終了する。
【0038】
以上により、飲食客は、各ボタン52〜54をタッチ操作することにより注文などを行うことができる。すなわち、メニューボタン52のタッチ操作により望みの飲食物を注文することでき、会計ボタン53のタッチ操作により飲食物の会計を依頼することができる。そして、店員呼出ボタン54のタッチ操作により店員を呼び出すことができる。
【0039】
図4は、店員用端末38におけるPOSオーダシステム処理としての店員用端末処理を示すフローチャートである。本処理は、所定周期(例えば、10msec)で繰り返し実行される。本店員用端末処理では、図3の客用端末処理と同様に、注文及び会計依頼を受け付ける処理を行う一方、店員呼出要求を受け付ける処理に代わって呼出対応完了を受け付ける処理を行う。また、注文などを受け付ける際に、応対するテーブル番号を受け付けるようになっている。
【0040】
先ず、ステップS201において、図6(b)に示すように、メイン表示部51、メニューボタン52、会計ボタン53及び呼出対応ボタン55がディスプレイ39に表示される。そして、ステップS202において、各ボタン52,53,55のタッチ操作を受け付ける処理を行う。
【0041】
ステップS203では、メニューボタン52がタッチ操作されたかを判定する。メニューボタン52のタッチ操作時には、ステップS204において飲食物メニュー等がディスプレイ32に表示され、ステップS205において注文内容を受け付ける処理を行う。そして、ステップS206において、メイン表示部51にテーブル番号に対応する番号ボタン56−1,56−2,・・・,56−nが表示されるとともに、番号ボタン56のタッチ操作による、テーブル番号の入力を受け付ける処理を行う。その後、ステップS207において受け付けた注文内容にテーブル番号を付与して注文データを生成し、ステップS208においてその注文データを管理サーバ33に送信する。これにより、客用端末31に代わって注文を受け付けることができる。一方で、メニューボタン52の非操作時にはステップS209に移行する。
【0042】
ステップS209では、会計ボタン53がタッチ操作されたかを判定する。会計ボタン53のタッチ操作時には、ステップS210において、メイン表示部51にテーブル番号に対応する番号ボタン56が表示されるとともに、テーブル番号の入力を受け付ける処理を行う。その後、ステップS211において、入力されたテーブル番号を含む会計依頼データを生成し、ステップS212において管理サーバ33に送信する。これにより、客用端末31に代わって会計依頼を受け付けることができる。一方で、会計ボタン53の非操作時にはステップS213に移行する。
【0043】
さて、ステップS213では、呼出対応ボタン55がタッチ操作されたかを判定する。呼出対応ボタン55のタッチ操作時には、ステップS214において、メイン表示部51にテーブル番号に対応する番号ボタン56が表示され、応対するテーブル番号の入力を受け付ける処理を行う。そして、ステップS215において、入力されたテーブル番号を含む呼出対応データを生成し、ステップS216においてその呼出対応データを管理サーバ33に送信する。これにより、店員呼出への対応が完了したとすることができる。一方で、呼出対応ボタン55の非操作時にはそのまま本店員用端末処理を終了する。
【0044】
図5は、管理サーバ33におけるPOSオーダシステム処理としての管理サーバ処理を示すフローチャートである。管理サーバ処理では、客用端末31及び店員用端末38から送信された各種データの対応を行う。本処理は、所定周期(例えば、10msec)で繰り返し実行される。
【0045】
先ず、ステップS301では各種データの受信を行い、ステップS302以降において、受信したデータに応じた対応処理を行う。すなわち、ステップS302では、注文データを受信したかを判定する。注文データ受信時にはステップS303において注文対応処理を行う。この注文対応処理では、注文データをRAMに蓄積するとともに、調理指示データとして厨房用端末34に送信する。一方で、注文データ非受信時にはステップS304に移行する。
【0046】
ステップS304では、会計指示データを受信したかを判定する。会計データ受信時時にはステップS305において、RAMに蓄積された注文データに基づき、テーブル番号に対応する会計データをレジ用端末36に送信する。一方で、会計データ非受信時にはステップS306に移行する。
【0047】
ステップS306では、呼出データを受信したかを判定する。呼出データ受信時には、ステップS307において、呼出データに含まれるテーブル番号に対応する番号ランプ46を点灯させる点灯用の制御データを生成する。そして、ステップS308において、その点灯用の制御データを送信機41に出力する。これにより、送信機41において制御データが無線通信用の制御信号に変換され、その制御信号が無線送信される。この結果、呼出表示機42において、制御信号が受信され、そのテーブル番号に対応する番号ランプ46が点灯される。また、併せてスピーカ47よりチャイム音が発せられる。これにより、店員に店員呼出が行われたことが報知される。一方で、呼出データ非受信時にはステップS309に移行する。
【0048】
ステップS309では、呼出対応データを受信したかを判定する。呼出対応データ受信時時にはステップS310において、呼出対応データに含まれるテーブル番号に対応する番号ランプ46を消灯させる消灯用の制御データを生成する。そして、ステップS311において、その消灯用の制御データを送信機41に出力する。これにより、送信機41において制御データが無線通信用の制御信号に変換され、その制御信号が無線送信される。この結果、呼出表示機42において、そのテーブル番号に対応する番号ランプ46が消灯される。一方で、呼出対応データ非受信時にはそのまま本管理サーバ処理を終了する。
【0049】
以上、詳述した実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0050】
客用端末31では、飲食客による店員呼出の旨の操作が行われると、管理サーバ33及び送信機41を通じ、呼出表示機42上の番号ランプ46が点灯し、店員呼出が行われていることが店員に報知される。ここで、送信機41と呼出表示機42との間では、無線通信による制御信号の伝達が行われるため、呼出表示機42の設置に際し、有線通信による場合と比べて配線作業に起因する制限が少ない。したがって、呼出表示機42を比較的自由に設置できるとともに、その設置に要する工数を削減することができる。
【0051】
また、タッチパネル式ディスプレイ32に呼出ボタン54が表示され、店員呼出ボタン54のタッチ操作により店員呼出要求を受け付けるように構成したため、店員呼出用のボタンスイッチ等のハードウエアを設ける必要がない。したがって、コストの面で有利になる。
【0052】
さらに、店員呼出ボタン54が常時表示されるように構成したため、ディスプレイ32に表示される各案内等について不明な点がある場合などには、速やかに店員を呼び出すことができる。
【0053】
なお、本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、以下のように実施しても良い。
【0054】
(1)上記実施の形態では、客用端末31のディスプレイ32に呼出ボタン54を表示させ、その選択操作により店員呼出要求を受け付ける構成としたが、これに限らない。客用端末31にボタンスイッチを設け、そのボタンスイッチを用いた入力操作により店員呼出要求を受け付ける構成としてもよい。この構成においても、客用端末31において店員呼出が受け付けられると、送信機41を介して制御信号が無線送信されて呼出表示機42より店員呼出が報知される。このため、上記実施形態と同様に、有線通信による場合と比べて呼出表示機42を自由に設置でき、設置に要する工数を削減することができる。また、ディスプレイ32に表示される飲食メニュー等の案内によらず常に店員呼出要求を受け付けることができる。なお、この構成においては、上記実施の形態のように呼出ボタン54等を常に表示させる必要が無く、飲食メニュー等をディスプレイ32の全体を利用して表示させることができる。
【0055】
(2)上記実施の形態では、図4の店員用端末処理において、注文や会計依頼などを受け付けた後に、テーブル番号を受け付ける構成としたが、これに限らない。始めにテーブル番号を受け付け、RAMに記憶する構成とする。そして、注文や会計依頼時において、その始めに入力されたテーブル番号を付与して注文データや会計依頼データを生成し、管理サーバ33に送信する。これにより、テーブル番号を毎時入力する必要がなくなり、店員用端末38の利便性が向上する。
【0056】
(3)上記実施の形態では、店員呼出機能を客用端末31に設けたが、これに限らない。その他の厨房用端末34やレジ用端末36などに同様の店員呼出機能を設け、呼出表示機42に厨房用端末34やレジ用端末36からの店員呼出要求を識別可能に報知する番号ランプ46をさらに備える構成とする。これにより、厨房係の店員は、調理を終えた後に飲食客応対係の店員を厨房スペース13に呼び出し、調理が終わった料理を配膳させることができる。また、レジ係の店員は、会計作業中に新しい飲食客が入店した場合に、飲食客応対係の店員を呼び出し、座席22に案内させることなどができる。
【0057】
(4)上記実施の形態では、呼出表示機42をレストラン10内に1台設置したが、複数台設置してもよい。無線通信により制御信号を伝達するため、1台の信機41に対し複数台の呼出表示機42を増設することが可能である。これにより、呼出表示機42の死角が減少し、店員は番号ランプ46の点灯による店員呼出要求を確実に確認することができる。そして、POSオーダシステム構築後に呼出表示機42を追加する場合には、その設置に際して配線作業を必要としないため、呼出表示機42を容易に増設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施の形態のレストラン内を示す概略平面図である。
【図2】本実施の形態のPOSオーダシステムを示すブロック図である。
【図3】客用端末処理を示すフローチャートである。
【図4】店員用端末処理を示すフローチャートである。
【図5】管理サーバ処理を示すフローチャートである。
【図6】客用端末及び店員用端末のディスプレイに表示される画面図である。
【符号の説明】
【0059】
31…クライアント端末としての客用端末、32…表示手段,入力手段としてのタッチパネル式ディスプレイ、33…管理サーバ、41…無線送信手段としての送信機、43…報知装置としての呼出表示機、50…無線受信手段としての受信回路、54…呼出用アイコンとしての呼出ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数設けられ、表示手段、入力手段及び子通信手段を有するクライアント端末と、
親通信手段を有する管理サーバと、
を備え、
前記クライアント端末は、前記表示手段に飲食メニュー等を表示し、該表示された飲食メニュー等から前記入力手段により選択入力された入力情報を、前記クライアント端末ごとの識別子を含む要求情報として、前記子通信手段により前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記クライアント端末から送信された要求情報を前記親通信手段により受信し、該受信した要求情報に応じて応対処理を行う飲食店用POSオーダシステムにおいて、
前記クライアント端末に設けられ、前記入力手段により店員呼出要求を受け付ける呼出要求受付手段と、
前記クライアント端末に設けられ、前記呼出要求受付手段により店員呼出要求を受け付けた場合に、前記クライアント端末ごとの識別子を含む呼出情報を、前記子通信手段により前記管理サーバに送信する呼出情報送信手段と、
前記管理サーバに設けられ、前記クライアント端末から送信された呼出情報を前記親通信手段により受信する呼出情報受信手段と、
前記管理サーバに設けられ、前記呼出情報受信手段により受信した呼出情報を無線送信する無線送信手段と、
前記無線送信手段により送信された呼出情報を受信する無線受信手段を有し、該無線受信手段により受信した呼出情報に基づき、前記クライアント端末を他のクライアント端末と識別可能に報知する報知装置と、
を備えたことを特徴とする飲食店用POSオーダシステム。
【請求項2】
前記クライアント端末において前記表示手段に前記店員呼出要求を受け付けるための呼出用アイコンを表示させるアイコン表示制御手段を備え、
前記呼出要求受付手段は、該アイコン表示制御手段により前記表示手段に表示された呼出用アイコンが前記入力手段により選択操作された場合に、前記店員呼出要求を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の飲食店用POSオーダシステム。
【請求項3】
前記アイコン表示制御手段は、前記表示手段に前記呼出用アイコンが常時表示されるように表示制御することを特徴とする請求項2に記載の飲食店用POSオーダシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−172436(P2007−172436A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−371375(P2005−371375)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(303043612)ツインズコンピューター 株式会社 (2)
【Fターム(参考)】