飲食物搬送装置用回転体
【課題】 搬送体上に載せるだけで、この搬送体の移動に伴い、自動的にしかも確実に回転させて、飲食物の案内などに有効に活用出来る飲食物搬送装置用回転体を提供する。
【解決手段】 ハウジングに配置された搬送体に載せて用いる飲食物搬送装置用回転体であって、搬送体上に載置するベース部材と、このベース部材に対して横方向に移動可能に設けられる移動部材と、この移動部材をベース部材に対して横方向に付勢させる付勢手段と、前記移動部材に対して回転自由に設けられた回転部材とが備えられ、回転部材の外周には、搬送体の側方に位置するハウジングの側壁に当接可能な円周状の被駆動面が設けられ回転部材の上面には物品の載置面が設けられている。
【解決手段】 ハウジングに配置された搬送体に載せて用いる飲食物搬送装置用回転体であって、搬送体上に載置するベース部材と、このベース部材に対して横方向に移動可能に設けられる移動部材と、この移動部材をベース部材に対して横方向に付勢させる付勢手段と、前記移動部材に対して回転自由に設けられた回転部材とが備えられ、回転部材の外周には、搬送体の側方に位置するハウジングの側壁に当接可能な円周状の被駆動面が設けられ回転部材の上面には物品の載置面が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えば皿に盛った寿司などの飲食物を搬送体に載せて搬送し、飲食客が各自好みの飲食物を搬送路から適宜取り出して飲食出来るようにした飲食物搬送装置に用いられる回転体に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、店内に多数配置されるテーブルやカウンターに沿って循環する搬送体を備えてなる搬送装置を設置した店舗では、調理人が、厨房室内にてシャリ玉上に鮨ネタを載せて握り、出来上がった鮨を皿上に載せた上で搬送装置の搬送体上に移し替え、この搬送体により客室の各テーブルに順次搬送する一方、顧客は、前記搬送装置により順次送られてくる複数種類の鮨を好みに応じて搬送体から適宜取り出して食するようにしている。
【０００３】
ところで、以上の搬送装置においては、各飲食客の好みに関係なく、従業員が飲食物を盛った皿を前記搬送路に随時供給するようにしているが、それとは別に、特別に飲食客の注文を受ける場合もある。
【０００４】
このとき、飲食客は、注文した品が搬送されてくるのを気にしなくてはならず、時として、注文の品が搬送されて来ても搬送されてきたことに気づかず通過してしまって、注文品が搬送路を再度循環して来るのを待たなければならないし、また、注文した飲食客のもとに到着する前に他人が誤ってその品を取り去る場合もある。
【０００５】
そこで従来では、搬送体上に載置可能な飲食物案内体を別途形成して、この飲食物案内体に、案内する飲食物が電気的に表示される商品表示部と、商品表示部に表示する飲食物を音声で案内するための音声案内部などを搭載し、搬送体上の飲食物を顧客に的確に知らせるようにしている。
【０００６】
しかしながら、以上の飲食物案内体にあっては、商品表示部や音声案内部を作動させるためのバッテリーなどを別途搭載しなければならず、それだけコストがかかる不具合がある。
【特許文献１】特開２００２−６５４４２号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、以上の実情に鑑みて開発したものであって、前述の飲食物搬送装置では、搬送体がハウジングに対して常時移動していることに着目し、目的とするところは、搬送体上に載せるだけで、この搬送体の移動に伴い、自動的にしかも確実に回転させて、飲食物の案内などに有効に活用出来る回転体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
以上の目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、ハウジングに配置された搬送体に載せて用いる飲食物搬送装置用回転体であって、搬送体上に載置するベース部材と、このベース部材に対して横方向に移動可能に設けられる移動部材と、この移動部材をベース部材に対して横方向に付勢させる付勢手段と、前記移動部材に対して回転自由に設けられた回転部材とが備えられ、回転部材の外周には、搬送体の側方に位置するハウジングの案内壁に当接可能な円周状の被駆動面が設けられていることを特徴とするものである。
【０００９】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の回転部材に物品の載置面が設けられている ことを特徴とするものである。
【００１０】
請求項３に記載の発明は、請求項１または２に記載の回転体において、回転部材の回転により駆動する発電装置が搭載されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１１】
請求項１に記載の発明によれば、搬送体上に載せた回転体を、飲食物搬送装置を構成するハウジングの案内壁に向けて押し込むだけで、被駆動面が案内壁に常時弾接して、これにより、移動する搬送体上で回転部材が案内壁を介して確実に回転するのである。
【００１２】
請求項２に記載の発明によれば、請求項１に記載の発明の効果に加え、載置面上に例えば搬送体により搬送されて来る鮨の種類を示す表示体やあるいは鮨を盛った皿などを適宜載せることで、これら表示体や皿が搬送体上にて搬送されながら回転して、顧客の目を引くものとなる。
【００１３】
請求項３に記載の発明によれば、請求項１または２に記載の発明の効果に加え、移動する搬送体に回転体載せるだけで、発電装置を駆動させて電力を手軽に得ることが出来るので、バッテリーを搭載せずとも、例えば各種表示ランプなどを点灯させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明にかかる飲食物搬送装置用回転体の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【００１５】
先ず図６は、客室Ｓ２に設置するカウンターテーブル１ａ及び複数の脚付きテーブル１ｂと、厨房室Ｓ１の前面乃至各テーブル１ａ・１ｂに沿って配置した仕切りハウジング２と、該仕切りハウジング２上に周回状に設けられて、前記厨房室Ｓ１内で皿Ｔ（容器）に盛り合わされた寿司を各テーブル１ａ・１ｂに循環搬送するための搬送路３を設けた寿司店舗内を平面的に表したものである。
【００１６】
仕切りハウジング２は、図７にも示すように、所定間隔開けて相対向する側壁２１・２２と、これら両側壁２１・２２の上端及び下端を結ぶ上壁２３及び底壁（図示せず）とから断面ボックス状に形成されたものであって、前記厨房室Ｓ１の前面に沿って配設されて該厨房室Ｓ１と客室Ｓ２とを区画する第１ハウジング部２ａと、該第１ハウジング部２ａの長手方向両端から屈曲して前記客室Ｓ２内に平行に延びる第２、第３ハウジング部２ｂ・２ｃとから成り、前記第２、第３ハウジング部２ｂ・２ｃにおける側壁２１・２２の外側方には、前記したカウンターテーブル１ａと、脚付きテーブル１ｂとが配置されている。
【００１７】
搬送路３は、各ハウジング部２ａ・２ｂ・２ｃの上壁２３に設けた凹所３１と、この凹所３１の幅方向両側に設けられた案内壁３２に案内されながら凹所３１内をモータ駆動により循環移動する搬送体としての無端状のフラットチエン３３とが備えられている。
【００１８】
以上の構成からなる搬送装置にあっては、厨房室Ｓ１において従業員により皿Ｔに盛られる寿司が厨房室Ｓ１の前面を移動するフラットチエン３３上に順次載せられて、このフラットチエン３３を介して客室Ｓ２内の各テーブル１ａ・１ｂに循環搬送され、各テーブルの客が、好みの寿司の載った皿Ｔをフラットチエン３３から適宜取り出して食事をするようにしている。
【００１９】
本発明の回転体は、前述のフラットチエン３３に載せて用いるものであり、次にこの回転体を詳説する。
【００２０】
図１において符号４で示す回転体は、基本的には、搬送体としてのフラットチエン３３上に載置可能なベース部材５と、このベース部材５に対して横方向に移動可能に設けられる移動部材６と、この移動部材６をベース部材５に対して横方向に移動付勢させるための付勢手段７と、前記移動部材６に対して回転自由に設けられた回転部材８とが備えられている。
【００２１】
ベース部材５は、フラットチエン３３上に載置可能な平面視円形の底板５１と、この底板５１上に組み付けられた平面視略正方形に枠組みされた枠体５２とが備えられ、底板５１の下面には、滑り止めシート５１ａが敷設されている。
【００２２】
枠体５２は、一対の対向壁５３ａ・５３ｂと、これら対向壁の両端をそれぞれ連結する連結壁５４ａ・５４ｂとが備えられるとともに、対向壁５３ａ・５３ｂの上端は、斜めに傾斜している。
【００２３】
そしてこの傾斜した対向壁５３ａ・５３ｂの上端部間には、移動付勢手段７を構成する複数のローラ７１が回転自由に支持されると共に、これら複数のローラ７１の上部は対向壁５３ａ・５３ｂの上端よりも上方に突出し、これら複数のローラ７１のローラ面を結ぶライン（Ｌ）は、対向壁５３ａ・５３ｂの上端の傾斜角度と同一角度で傾斜している。
【００２４】
また一対の連結壁５４ａ・５４ｂ中、高さが低い方の連結壁５４ｂには、移動部材６の移動を規制するための規制片５５が設けられている。
【００２５】
移動部材６は、ベース部材５における枠体５２の対向壁５３ａ・５３ｂの外面に沿う一対の対向板６１ａ・６１ｂと、これら対向板６１ａ・６１ｂの長さ方向一端を連結する側板６２と、対向板６１ａ・６１ｂの上端間に架設される上板６３と、上板６３の下方において対向板６１ａ・６１ｂ間に架設されて、連結板６２側から斜め上方に向かって傾斜する傾斜板６４とが備えられ、この傾斜板６４の傾斜角度は、前記した複数のローラ７１のローラ面を結ぶライン（Ｌ）の傾斜角度と同一としている。
【００２６】
また上板６３の中央には、回転部材８を回転自由に支持するための円筒状の支持筒６５が突設されている。
【００２７】
回転部材８は、円筒状側壁８１とこの側壁の上端を閉鎖する平面視円板状の上壁８２とが備えられ、円筒状側壁８１の外周下部には合成ゴムから形成された厚肉のテープ８３を貼り付けて、このテープ８３の表面を仕切りハウジング２の案内壁３２に当接可能な被駆動面８４とし、また上壁８２の上面は物品の載置面８５としている。
【００２８】
また上壁８２の下面中央には、前記支持筒６５に挿通可能な円筒状の枢軸８４が突設されている。
【００２９】
以上の構成から成る回転体４を組み立てるには、移動部材６の傾斜板６４を、ベース部材５の枠体５２に支持した複数のローラ７１上に載せると共に、移動部材６の支持筒６５内に回転部材８の枢軸８６を挿通して、回転部材８を移動部材６に対して回転自由に支持するのであって、これに伴い、移動部材６及び回転部材８は、その自重により、ベース部材５に対して、付勢手段を構成するローラ７１の回転で、下方に向かって斜め横方向に移動し、、移動部材６の側板６２がベース部材５における規制片５５の先端部に当接した段階で、その移動が阻止されるのである。
【００３０】
また組み立てられた回転体４は、規制片５５の先端側が案内壁３２と対向するようにしてフラットチエン３３上に載せるのであって、この時、フラットチエン３３上において回転体４全体を仕切りハウジング２の案内壁３２に向けて押し込んで、移動部材６及び回転部材８をベース部材５に対して強制的に斜め上方に向けて横方向に移動させるのであり、これに伴い、移動部材６及び回転部材８の自重により、回転部材８の被駆動面８４が案内壁３２に常時弾性的に圧接することとなり、従って、回転体４自身に動力源を供えていなくても、フラットチエン３３の移動に伴い、回転部材８が案内壁３２を介して自動的にしかも確実に回転するのである。
【００３１】
そして回転部材８の載置面８５には、例えば図１に示すように、フラットチエン３３を介して搬送されてくる鮨の種類を示す円筒状の表示体９を載せたり、あるいは鮨を盛った皿９１を適宜載せることで、これら表示体９または皿９０がフラットチエン３３にて搬送されながら回転し、顧客の目を充分引くものとなるのである。
【００３２】
一方、図９は別の実施形態で示すものであって、回転体４内に既存の発電装置４０を搭載して、回転部材の回転により、発電装置４０を駆動するようにしたものである。
【００３３】
具体的には、発電装置４０の発電機本体４１を回転部材における上壁８２の下面に組み付けると共に、発電機本体４１を駆動する駆動シャフト４２の先端部を移動部材６の支持筒６５内に圧入して、駆動シャフト４２を移動部材６に結合することで、回転部材の回転により、駆動シャフト４２を回転させて発電機本体４１を駆動させるようにしている。
【００３４】
また回転部材８には、搬送されて来る鮨の種類を示す表示体９０が一体形成されるとともに、この表示体９０には、発電装置４０で発電された電気を貯めるための充電式バッテリが備えられた制御装置９２と、この制御装置９２を介して点灯するＬＥＤ製のランプ９３が搭載されている。
【００３５】
斯くして以上の回転体４にあっても、規制片５５の先端側が案内壁３２と対向するようにしてフラットチエン３３上に載せる共に、フラットチエン３３上において回転体４全体を仕切りハウジング２の案内壁３２に向けて押し込んで、移動部材６及び回転部材８をベース部材５に対して強制的に斜め上方に向けて横方向に移動させるのであり、これに伴い、移動部材６及び回転部材８の自重により、回転部材８の被駆動面８４が案内壁３２に常時弾性的に圧接することとなり、従って、回転体４自身に動力源を供えていなくても、フラットチエン３３の移動に伴い、回転部材８が案内壁３２を介して自動的にしかも確実に回転するのである。
【００３６】
そして回転部材８の回転に伴い、発電装置４０が駆動して、これにより、表示体９０のランプ９３が制御装置９２を介して自動的に点灯するのである。
【００３７】
従って、以上の回転体４０によれば、例えば各種表示ランプ９３などを点灯させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１】表示体を載せた状態を示す回転体の斜視図。
【図２】ベース部材の斜視図。
【図３】移動部材の斜視図。
【図４】移動部材を反転させて示す斜視図。
【図５】回転部材を反転させて示す斜視図。
【図６】飲食物搬送装置が備えられた寿司店舗内を平面的に表した説明図。
【図７】飲食物搬送装置の断面図。
【図８】回転体が搭載された状態を示す飲食物搬送装置の要部の拡大断面図。
【図９】別の実施形態の回転体が搭載された状態を示す飲食物搬送装置の要部の拡大 断面図。
【符号の説明】
【００３９】
２ 仕切りハウジング
３２ 案内壁
３３ フラットチエン（搬送体）
４ 回転体
４０ 発電装置
５ ベー意部材
６ 移動部材
７ 移動付勢手段
７１ ローラ
８ 回転部材
９ 表示体
【技術分野】
【０００１】
本発明は、例えば皿に盛った寿司などの飲食物を搬送体に載せて搬送し、飲食客が各自好みの飲食物を搬送路から適宜取り出して飲食出来るようにした飲食物搬送装置に用いられる回転体に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、店内に多数配置されるテーブルやカウンターに沿って循環する搬送体を備えてなる搬送装置を設置した店舗では、調理人が、厨房室内にてシャリ玉上に鮨ネタを載せて握り、出来上がった鮨を皿上に載せた上で搬送装置の搬送体上に移し替え、この搬送体により客室の各テーブルに順次搬送する一方、顧客は、前記搬送装置により順次送られてくる複数種類の鮨を好みに応じて搬送体から適宜取り出して食するようにしている。
【０００３】
ところで、以上の搬送装置においては、各飲食客の好みに関係なく、従業員が飲食物を盛った皿を前記搬送路に随時供給するようにしているが、それとは別に、特別に飲食客の注文を受ける場合もある。
【０００４】
このとき、飲食客は、注文した品が搬送されてくるのを気にしなくてはならず、時として、注文の品が搬送されて来ても搬送されてきたことに気づかず通過してしまって、注文品が搬送路を再度循環して来るのを待たなければならないし、また、注文した飲食客のもとに到着する前に他人が誤ってその品を取り去る場合もある。
【０００５】
そこで従来では、搬送体上に載置可能な飲食物案内体を別途形成して、この飲食物案内体に、案内する飲食物が電気的に表示される商品表示部と、商品表示部に表示する飲食物を音声で案内するための音声案内部などを搭載し、搬送体上の飲食物を顧客に的確に知らせるようにしている。
【０００６】
しかしながら、以上の飲食物案内体にあっては、商品表示部や音声案内部を作動させるためのバッテリーなどを別途搭載しなければならず、それだけコストがかかる不具合がある。
【特許文献１】特開２００２−６５４４２号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、以上の実情に鑑みて開発したものであって、前述の飲食物搬送装置では、搬送体がハウジングに対して常時移動していることに着目し、目的とするところは、搬送体上に載せるだけで、この搬送体の移動に伴い、自動的にしかも確実に回転させて、飲食物の案内などに有効に活用出来る回転体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
以上の目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、ハウジングに配置された搬送体に載せて用いる飲食物搬送装置用回転体であって、搬送体上に載置するベース部材と、このベース部材に対して横方向に移動可能に設けられる移動部材と、この移動部材をベース部材に対して横方向に付勢させる付勢手段と、前記移動部材に対して回転自由に設けられた回転部材とが備えられ、回転部材の外周には、搬送体の側方に位置するハウジングの案内壁に当接可能な円周状の被駆動面が設けられていることを特徴とするものである。
【０００９】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の回転部材に物品の載置面が設けられている ことを特徴とするものである。
【００１０】
請求項３に記載の発明は、請求項１または２に記載の回転体において、回転部材の回転により駆動する発電装置が搭載されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１１】
請求項１に記載の発明によれば、搬送体上に載せた回転体を、飲食物搬送装置を構成するハウジングの案内壁に向けて押し込むだけで、被駆動面が案内壁に常時弾接して、これにより、移動する搬送体上で回転部材が案内壁を介して確実に回転するのである。
【００１２】
請求項２に記載の発明によれば、請求項１に記載の発明の効果に加え、載置面上に例えば搬送体により搬送されて来る鮨の種類を示す表示体やあるいは鮨を盛った皿などを適宜載せることで、これら表示体や皿が搬送体上にて搬送されながら回転して、顧客の目を引くものとなる。
【００１３】
請求項３に記載の発明によれば、請求項１または２に記載の発明の効果に加え、移動する搬送体に回転体載せるだけで、発電装置を駆動させて電力を手軽に得ることが出来るので、バッテリーを搭載せずとも、例えば各種表示ランプなどを点灯させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下、本発明にかかる飲食物搬送装置用回転体の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【００１５】
先ず図６は、客室Ｓ２に設置するカウンターテーブル１ａ及び複数の脚付きテーブル１ｂと、厨房室Ｓ１の前面乃至各テーブル１ａ・１ｂに沿って配置した仕切りハウジング２と、該仕切りハウジング２上に周回状に設けられて、前記厨房室Ｓ１内で皿Ｔ（容器）に盛り合わされた寿司を各テーブル１ａ・１ｂに循環搬送するための搬送路３を設けた寿司店舗内を平面的に表したものである。
【００１６】
仕切りハウジング２は、図７にも示すように、所定間隔開けて相対向する側壁２１・２２と、これら両側壁２１・２２の上端及び下端を結ぶ上壁２３及び底壁（図示せず）とから断面ボックス状に形成されたものであって、前記厨房室Ｓ１の前面に沿って配設されて該厨房室Ｓ１と客室Ｓ２とを区画する第１ハウジング部２ａと、該第１ハウジング部２ａの長手方向両端から屈曲して前記客室Ｓ２内に平行に延びる第２、第３ハウジング部２ｂ・２ｃとから成り、前記第２、第３ハウジング部２ｂ・２ｃにおける側壁２１・２２の外側方には、前記したカウンターテーブル１ａと、脚付きテーブル１ｂとが配置されている。
【００１７】
搬送路３は、各ハウジング部２ａ・２ｂ・２ｃの上壁２３に設けた凹所３１と、この凹所３１の幅方向両側に設けられた案内壁３２に案内されながら凹所３１内をモータ駆動により循環移動する搬送体としての無端状のフラットチエン３３とが備えられている。
【００１８】
以上の構成からなる搬送装置にあっては、厨房室Ｓ１において従業員により皿Ｔに盛られる寿司が厨房室Ｓ１の前面を移動するフラットチエン３３上に順次載せられて、このフラットチエン３３を介して客室Ｓ２内の各テーブル１ａ・１ｂに循環搬送され、各テーブルの客が、好みの寿司の載った皿Ｔをフラットチエン３３から適宜取り出して食事をするようにしている。
【００１９】
本発明の回転体は、前述のフラットチエン３３に載せて用いるものであり、次にこの回転体を詳説する。
【００２０】
図１において符号４で示す回転体は、基本的には、搬送体としてのフラットチエン３３上に載置可能なベース部材５と、このベース部材５に対して横方向に移動可能に設けられる移動部材６と、この移動部材６をベース部材５に対して横方向に移動付勢させるための付勢手段７と、前記移動部材６に対して回転自由に設けられた回転部材８とが備えられている。
【００２１】
ベース部材５は、フラットチエン３３上に載置可能な平面視円形の底板５１と、この底板５１上に組み付けられた平面視略正方形に枠組みされた枠体５２とが備えられ、底板５１の下面には、滑り止めシート５１ａが敷設されている。
【００２２】
枠体５２は、一対の対向壁５３ａ・５３ｂと、これら対向壁の両端をそれぞれ連結する連結壁５４ａ・５４ｂとが備えられるとともに、対向壁５３ａ・５３ｂの上端は、斜めに傾斜している。
【００２３】
そしてこの傾斜した対向壁５３ａ・５３ｂの上端部間には、移動付勢手段７を構成する複数のローラ７１が回転自由に支持されると共に、これら複数のローラ７１の上部は対向壁５３ａ・５３ｂの上端よりも上方に突出し、これら複数のローラ７１のローラ面を結ぶライン（Ｌ）は、対向壁５３ａ・５３ｂの上端の傾斜角度と同一角度で傾斜している。
【００２４】
また一対の連結壁５４ａ・５４ｂ中、高さが低い方の連結壁５４ｂには、移動部材６の移動を規制するための規制片５５が設けられている。
【００２５】
移動部材６は、ベース部材５における枠体５２の対向壁５３ａ・５３ｂの外面に沿う一対の対向板６１ａ・６１ｂと、これら対向板６１ａ・６１ｂの長さ方向一端を連結する側板６２と、対向板６１ａ・６１ｂの上端間に架設される上板６３と、上板６３の下方において対向板６１ａ・６１ｂ間に架設されて、連結板６２側から斜め上方に向かって傾斜する傾斜板６４とが備えられ、この傾斜板６４の傾斜角度は、前記した複数のローラ７１のローラ面を結ぶライン（Ｌ）の傾斜角度と同一としている。
【００２６】
また上板６３の中央には、回転部材８を回転自由に支持するための円筒状の支持筒６５が突設されている。
【００２７】
回転部材８は、円筒状側壁８１とこの側壁の上端を閉鎖する平面視円板状の上壁８２とが備えられ、円筒状側壁８１の外周下部には合成ゴムから形成された厚肉のテープ８３を貼り付けて、このテープ８３の表面を仕切りハウジング２の案内壁３２に当接可能な被駆動面８４とし、また上壁８２の上面は物品の載置面８５としている。
【００２８】
また上壁８２の下面中央には、前記支持筒６５に挿通可能な円筒状の枢軸８４が突設されている。
【００２９】
以上の構成から成る回転体４を組み立てるには、移動部材６の傾斜板６４を、ベース部材５の枠体５２に支持した複数のローラ７１上に載せると共に、移動部材６の支持筒６５内に回転部材８の枢軸８６を挿通して、回転部材８を移動部材６に対して回転自由に支持するのであって、これに伴い、移動部材６及び回転部材８は、その自重により、ベース部材５に対して、付勢手段を構成するローラ７１の回転で、下方に向かって斜め横方向に移動し、、移動部材６の側板６２がベース部材５における規制片５５の先端部に当接した段階で、その移動が阻止されるのである。
【００３０】
また組み立てられた回転体４は、規制片５５の先端側が案内壁３２と対向するようにしてフラットチエン３３上に載せるのであって、この時、フラットチエン３３上において回転体４全体を仕切りハウジング２の案内壁３２に向けて押し込んで、移動部材６及び回転部材８をベース部材５に対して強制的に斜め上方に向けて横方向に移動させるのであり、これに伴い、移動部材６及び回転部材８の自重により、回転部材８の被駆動面８４が案内壁３２に常時弾性的に圧接することとなり、従って、回転体４自身に動力源を供えていなくても、フラットチエン３３の移動に伴い、回転部材８が案内壁３２を介して自動的にしかも確実に回転するのである。
【００３１】
そして回転部材８の載置面８５には、例えば図１に示すように、フラットチエン３３を介して搬送されてくる鮨の種類を示す円筒状の表示体９を載せたり、あるいは鮨を盛った皿９１を適宜載せることで、これら表示体９または皿９０がフラットチエン３３にて搬送されながら回転し、顧客の目を充分引くものとなるのである。
【００３２】
一方、図９は別の実施形態で示すものであって、回転体４内に既存の発電装置４０を搭載して、回転部材の回転により、発電装置４０を駆動するようにしたものである。
【００３３】
具体的には、発電装置４０の発電機本体４１を回転部材における上壁８２の下面に組み付けると共に、発電機本体４１を駆動する駆動シャフト４２の先端部を移動部材６の支持筒６５内に圧入して、駆動シャフト４２を移動部材６に結合することで、回転部材の回転により、駆動シャフト４２を回転させて発電機本体４１を駆動させるようにしている。
【００３４】
また回転部材８には、搬送されて来る鮨の種類を示す表示体９０が一体形成されるとともに、この表示体９０には、発電装置４０で発電された電気を貯めるための充電式バッテリが備えられた制御装置９２と、この制御装置９２を介して点灯するＬＥＤ製のランプ９３が搭載されている。
【００３５】
斯くして以上の回転体４にあっても、規制片５５の先端側が案内壁３２と対向するようにしてフラットチエン３３上に載せる共に、フラットチエン３３上において回転体４全体を仕切りハウジング２の案内壁３２に向けて押し込んで、移動部材６及び回転部材８をベース部材５に対して強制的に斜め上方に向けて横方向に移動させるのであり、これに伴い、移動部材６及び回転部材８の自重により、回転部材８の被駆動面８４が案内壁３２に常時弾性的に圧接することとなり、従って、回転体４自身に動力源を供えていなくても、フラットチエン３３の移動に伴い、回転部材８が案内壁３２を介して自動的にしかも確実に回転するのである。
【００３６】
そして回転部材８の回転に伴い、発電装置４０が駆動して、これにより、表示体９０のランプ９３が制御装置９２を介して自動的に点灯するのである。
【００３７】
従って、以上の回転体４０によれば、例えば各種表示ランプ９３などを点灯させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１】表示体を載せた状態を示す回転体の斜視図。
【図２】ベース部材の斜視図。
【図３】移動部材の斜視図。
【図４】移動部材を反転させて示す斜視図。
【図５】回転部材を反転させて示す斜視図。
【図６】飲食物搬送装置が備えられた寿司店舗内を平面的に表した説明図。
【図７】飲食物搬送装置の断面図。
【図８】回転体が搭載された状態を示す飲食物搬送装置の要部の拡大断面図。
【図９】別の実施形態の回転体が搭載された状態を示す飲食物搬送装置の要部の拡大 断面図。
【符号の説明】
【００３９】
２ 仕切りハウジング
３２ 案内壁
３３ フラットチエン（搬送体）
４ 回転体
４０ 発電装置
５ ベー意部材
６ 移動部材
７ 移動付勢手段
７１ ローラ
８ 回転部材
９ 表示体
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ハウジングに配置された搬送体に載せて用いる飲食物搬送装置用回転体であって、
搬送体上に載置するベース部材と、このベース部材に対して横方向に移動可能に設けられる移動部材と、この移動部材をベース部材に対して横方向に付勢させる付勢手段と、前記移動部材に対して回転自由に設けられた回転部材とが備えられ、回転部材の外周には、搬送体の側方に位置するハウジングの側壁に当接可能な円周状の被駆動面が設けられていることを特徴とする飲食物搬送装置用回転体。
【請求項２】
回転部材に物品の載置面が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の飲食物搬送装置用回転体。
【請求項３】
回転部材の回転により駆動する発電装置が搭載されていることを特徴とする請求項１または２に記載の飲食物搬送装置用回転体。
【請求項１】
ハウジングに配置された搬送体に載せて用いる飲食物搬送装置用回転体であって、
搬送体上に載置するベース部材と、このベース部材に対して横方向に移動可能に設けられる移動部材と、この移動部材をベース部材に対して横方向に付勢させる付勢手段と、前記移動部材に対して回転自由に設けられた回転部材とが備えられ、回転部材の外周には、搬送体の側方に位置するハウジングの側壁に当接可能な円周状の被駆動面が設けられていることを特徴とする飲食物搬送装置用回転体。
【請求項２】
回転部材に物品の載置面が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の飲食物搬送装置用回転体。
【請求項３】
回転部材の回転により駆動する発電装置が搭載されていることを特徴とする請求項１または２に記載の飲食物搬送装置用回転体。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２００７−７１９３４（Ｐ２００７−７１９３４Ａ）
【公開日】平成１９年３月２２日（２００７．３．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−２５５９９３（Ｐ２００５−２５５９９３）
【出願日】平成１７年９月５日（２００５．９．５）
【出願人】（３９６０１１１７４）株式会社くらコーポレーション (17)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年３月２２日（２００７．３．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年９月５日（２００５．９．５）
【出願人】（３９６０１１１７４）株式会社くらコーポレーション (17)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]