説明

餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置

【課題】成形されてコンベアにより搬送される餃子を、コンベアの送出側の転回端部から起立姿勢に保持してトレー内に落とし込む異ができ、起立姿勢でのトレー詰めを容易に可能にする餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置を提供する。
【解決手段】
餃子成形機Mから送出される餃子Gを、起立姿勢で搬送する餃子送りコンベア1と、コンベアの前端部1aの回転送行部11と対向して所要の高さ位置から下方向きの縦送行部31を含む起立姿勢保持を兼ねる落とし込み手段3と、餃子送りコンベア1の下方において、トレー供給部5より供給される餃子包装用のトレーTを餃子送りコンベア1の前端部からの落とし込み位置の下方に間欠的に送るトレー送りコンベア4とを設け、餃子送りコンベア1により送られる餃子Gを起立姿勢のままトレーTに落とし込み収納できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、餃子成形機より成形されて送出される餃子のトレー詰め、特に餃子を個装状態にトレーに並べて収納し包装するための起立姿勢保持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、餃子成形機で成形されて順次送出される餃子を、ベルトコンベア等の搬送用コンベアに載せて生のままトレー詰め工程に搬送するか、あるいはコンベアによる搬送途中で蒸したり焼いたりした後、トレー詰め工程に搬送して、所定個数ずつを並べてトレー詰めすることが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、コンベアにより搬送される餃子の整列状態や間隔等に乱れが生じると、搬送途中で餃子同士が接着して、蒸成や焼成あるいはトレー詰めに支承が生じることから、搬送用コンベアとは別に、整列バーを一定間隔に設けた整列兼用送りコンベアを設け、該整列バーにより餃子を定間隔に整列して焼器等を経てトレー詰め工程まで搬送し、搬送される餃子を順次トレー上に落下させるようにした装置が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、搬送される餃子を順次落下させるのでは、隣接する餃子が重なってしまったり過度に離れたりして、トレー内に等間隔に整列させるのが難しいことから、これを防止するために、搬送用のコンベアの前端側部分を投入用ローラを有する搬送板により支持して進退可能に設け、該搬送板上の先端側部分に整列状態で送られてくる餃子を、前記搬送板とコンベア前端側部分の比較的高速の後退によりその場に残すようにして、整列状態の餃子をトレー内に落下させて包装することが提案されている。
【特許文献1】特開平6−46805号公報
【特許文献2】特開平8−58959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記提案の餃子のトレー詰めのための装置は、いずれも、搬送用のコンベアにより搬送される餃子をコンベア上からトレー内にそのまま落下させるようにして収納するものであって、各餃子がコンベアの送行により前端部から送出されるにしても、該コンベアの前端部では下方側で逆向きになるように方向転回するために、該前端部の転回送行に伴って餃子の上部が傾き始めてから落下することになるため、この落下の際に、餃子が傾いたり倒れたりし易く、起立姿勢を保持するのが難しいものである。そのため、起立姿勢を保持した状態でトレー詰めして包装する場合には、作業者による手直しを必要とし、トレー詰め作業が面倒なものとなっていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、コンベアにより搬送されてくる餃子を、コンベア上から送出し下方に落とし込む際に、該餃子を起立姿勢に保持した状態で倒れ等を生じさせずに下方のトレー内に落とし込むことができ、起立姿勢を保持した状態のトレー詰め包装を容易に可能にする餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決する本発明の餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置は、餃子成形機から送出される餃子を、起立姿勢に保持して所定間隔をおいて搬送して前端部より順次送出する餃子送りコンベアと、前記餃子送りコンベアの前端部の前方に餃子の厚みに対応した間隔をおいて対向して該餃子送りコンベアの上載面より上方の高さ位置から下方に向かう縦送行部を有し、該縦送行部により前記餃子送りコンベアの前端部から送出される餃子を前記前端部の反転のための回転送行部との間に挟んで起立姿勢を保持した状態で下方に送り落とす落とし込み手段と、供給される餃子包装用のトレーを、トレー内の収納部同士の間隔に応じた長さ分ずつ間欠的に送り、かつ前記餃子送りコンベアの餃子の落とし込み部の下方に一つの収納部を位置させるように一旦停止させるトレー送りコンベアとを備え、前記餃子送りコンベアにより搬送される餃子を起立姿勢に保持した状態で前記トレー内に落とし込み収納できるようにしたことを特徴とする。
【0008】
この餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置によれば、餃子送りコンベアにより一定の間隔で搬送される餃子は、前記餃子送りコンベアの前端部から送出され下方に落とし込まれるが、この際、該餃子の厚み方向の略半分が反転のための回転送行部に達すると、該餃子が該回転送行部の半径に応じて徐々に前方に傾き始めるとともに、前記前端部と対向配置された落とし込み手段の縦送行部に当接して倒れが阻止され、これと同時に、該餃子が該縦送行部の下方への送り作用と前記前端部の回転送行部の送り作用とにより、両者間に挟まれて起立姿勢を保持した状態で下方に送り落とされる。一方、トレー送りコンベアにより間欠的に送られる餃子包装用のトレーは、前記落とし込み位置の下方に停止して待機しており、前記のように起立姿勢で送り落とされる餃子が該トレー内の収納部に起立姿勢を保持したまま落とし込み収納される。
【0009】
前記の餃子の1回の落とし込みが完了すると、トレー送りコンベアがトレー内部の収納部同士の間隔に応じた長さ分の間欠的な送りを行い、次の収納部が前記落とし込み位置の下方に位置して停止する。そして、前記餃子送りコンベア上の餃子が前端部から送出されると、前記同様に、送出された餃子が、コンベア前端部の反転のための回転送行部とその前方の前記落とし込み手段の縦送行部との間に挟まれて起立姿勢のまま下方に送り落とされ、トレー内の収納部に立ったまま落とし込み収納される。このようにして、餃子送りコンベアにより間隔をおいて搬送される餃子を、順次起立姿勢を保持するようにしてトレー内に落とし込み収納できる。
【0010】
前記の餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置において、前記餃子送りコンベアは、無端回動するベルトコンベアであって、餃子成形機から間欠的に複数個ずつ並列して送出される餃子を複列で搬送するとともに、搬送途中において少なくとも1列の餃子の列を他列の餃子の列に漸次幅寄せする幅寄せ装置が設けられてなるものが好ましい。これにより、餃子成形機から一定の間隔で複数個ずつ並列して送出される餃子を、搬送途中においてトレー内の収納部の列間隔に応じた間隔に幅寄せして搬送でき、ひいては前端部から送出される餃子を複列のまま前記のように起立姿勢に保持してトレー内に効率よく落とし込み収納することができる。
【0011】
前記餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置において、前記落とし込み手段は、前記餃子送りコンベアに対応した幅を有するコンベア用ベルトからなり、縦送行部では、前記餃子送りコンベアの前端部から送出される餃子を該前端部の回転送行部との間に挟んで該回転送行部と同速で下方に送行するように設けられてなるものが好ましい。これにより、前記餃子を過度に強い圧力を掛けずに、前記回転送行部と前記縦送行部との間に挟んで下方に送り落とすことができる。
【0012】
前記餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置において、前記のトレー送りコンベアは、前記餃子送りコンベアの前端部近傍に設けたセンサにより該餃子送りコンベア上の餃子を検出する毎に、間欠的に、前記トレーにおける前記収納部同士の間隔に相当する長さ分ずつの送りを行って停止するものとする。これにより、餃子送りコンベアにより搬送される餃子を検出する毎に、トレーの収納部同士の間隔に相当する長さ分ずつ間欠的に送って、前記落とし込み部の下方に空の収納部が待機することになるため、餃子が重なったりすることなく各収納部に1個ずつ確実に落とし込み収納できる。
【0013】
前記餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置において、前記餃子の立たせ用の落とし込み手段は、前記縦送行部と前記餃子送りコンベアの前端部との間隔が調整可能に設けられてなるものが好ましく、これにより、餃子成形機から成形されて搬送される餃子のサイズに応じて前記間隔を調整できる。
【発明の効果】
【0014】
上記したように本発明の餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置によれば、餃子送りコンベアの前端部と対向して落とし込み手段による下方向きの縦送行部を配置したことにより、前記餃子送りコンベアの前端部から順次送出される餃子の倒れを前記縦送行部で阻止するとともに、該縦送行部と前記前端部の反転のための回転送行部との間に前記餃子を挟んで起立姿勢に保持した状態で送り落とすことで、餃子を起立姿勢に保持した状態でトレーに落とし込み収納することができ、作業者による手直しを要することなく、餃子を立たせた状態でトレー詰めでき、またトレー詰め作業の能率向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明の1実施例を示す主要部の概略を示す斜視図、図2は同上の略示平面図、図3は同上の略示正側面図である。図4は餃子送りコンベアの略示平面図、図5は同餃子送りコンベアの側面図、図6は餃子送りコンベアの前端部とその前方の立たせ用の落とし込み手段の部分の拡大平面図、図7及び図8は同上の側面図と正面図である。
【0017】
トレー詰め対象の餃子Gは、基本的に、具材を包むように二つ折した皮の端縁部が襞を形成するように接合された略耳形状をなすもので、餃子成形機により自動成形されて送出されるものである。また、餃子包装用のトレーTは、合成樹脂により一体に型成形されてなり、図10のように餃子を6個ずつ2列に収納する場合は、各餃子を相互に接着しないように1個ずつ個装収納できる収納部aが間隔をおいて2列に形成されたものよりなる。特に、餃子Gを起立姿勢にして収納する場合は、各収納部aは、起立姿勢を保持できる形態をなすように形成されている。
【0018】
本発明の餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置は、図1〜図3に概略を示すように、餃子成形機Mから成形されて間欠的に1個もしくは複数個ずつ並列して送出される餃子Gを、起立姿勢を保持した状態で所定の間隔をおいて搬送する餃子送りコンベア1と、前記餃子送りコンベア1の前端部1aの前方に餃子Gの厚みに対応した間隔をおいて対向して該餃子送りコンベア1の上載面より上方の高さ位置から下方に向かう縦送行部31を有し、該縦送行部31により前記餃子送りコンベア1の前端部1aから送出される餃子Gを前記前端部1aの反転のための回転送行部11との間に挟んで起立姿勢を保持した状態で下方に送り落とす立たせ機能を有する落とし込み手段3と、前記餃子送りコンベア1の側方に設定されるトレー供給部5より適宜供給される餃子包装用のトレーTを、該トレーT内の収納部同士の間隔に応じた長さ分ずつ間欠的に送り、かつ前記餃子送りコンベア1の餃子Gの落とし込み部の下方に一つの収納部aを位置させるように一旦停止させるトレー送りコンベア4とを備えており、前記餃子送りコンベア1により搬送される餃子Gを起立姿勢に保持した状態で前記トレー内に落とし込み収納できるように構成されてなる。
【0019】
前記餃子搬送用コンベア1は、図示するように、餃子成形機Mから成型されて2個ずつ並列して送出される餃子Gを上載できる幅で輪状に連続したコンベア体10が、搬送方向の前端部1aと搬送開始側の後端部1bとに配されたプーリー13a,13b間に掛架されて無端回動するベルトコンベアよりなり、該コンベアの下部側走行部分の一部がサーボモータ等の駆動モータ14によりチエーン等の伝動部材を介して回転駆動される駆動用プーリー15に係合しており、該駆動用プーリー15の回転により前記上部側走行部分で前方へ走行するように設けられている。16は前記餃子送りコンベア1の枠部材であり、機台フレーム6上の支持台12により片持ちで支持されており、該枠部材16の前後両端部において前記プーリー13a,13bが軸支されている。枠部材16の両側にはコンベア両側のガイドを兼ねる側板が設けられている。
【0020】
前記餃子送りコンベア1の前後端部1a,1bにおける前記プーリー13a,13bはそれぞれコンベアの反転のための回転送行部を形成しており、このうち前端部1aのプーリー13aを後部側のプーリーより径小にして、該プーリー13aによる前端部1aの回転送行部11の回転半径を後部側の回転送行部の回転半径よりやや径少にし、前記前端部1aから送出される餃子Gの傾き開始をできるだけ遅らせるようにしている。図の場合、前記餃子送りコンベア1の上載面は僅かに前端部1aの側に向かって僅かに傾斜しているが、水平面であってもよい。
【0021】
前記餃子送りコンベア1の後端部1b、すなわち搬送開始側の端部には、餃子成形機Mから成形されて突き出し手段(図示せず)等により前記餃子送りコンベア1上に送出される餃子Gを、倒れを防止して起立姿勢に保持するための倒れ防止手段17が設けられている。この倒れ防止手段17は、餃子送りコンベア1の上載面よりやや上方で該上載面と平行に幅方向に配された支軸17aに、前記のように送出される餃子Gを受け止めて位置決め及び倒れ防止をする倒れ規制板17bが取着されており、前記支軸17aの間欠回転により前記規制板17bが前記コンベア上の餃子Gを受けとめた後、該餃子Gの送行位置から回避して餃子を通過させるようになっている。
【0022】
また、前記餃子送りコンベア1の搬送途中には、前記のように複数列、例えば2列で搬送される餃子Gの列のうち、少なくとも一列の餃子Gを搬送しながら他列の餃子Gに幅寄せする幅寄せ装置2が設けられている。この幅寄せ装置2は、前記餃子送りコンベア1の上載面よりやや上方の高さ、特には搬送される餃子Gの高さ分よりも上方位置において天板21が軸支部22により図中矢印方向に回動可能に軸支され、該天板21の下面には、搬送方向に間隔をおいて上下方向の軸心を持つ二つの溝付きプーリ23,24が軸支されるとともに、該二つのプーリ23,24間に搬送ガイド用の溝付きベルト25が掛架されて、該溝付きベルト25が前記餃子送りコンベア1の上載面に沿って前記餃子送りコンベア1の送り速度に応じた速度で無端回動するように設けられている。そして、前記溝付きベルト25の回動域が前方側ほど前記餃子送りコンベア1の領域に入り込むことにより、該コンベア1に載置されて搬送される1列の餃子Gを、搬送に合わせて他の餃子Gの列の側に漸次押すようにして幅寄せできるように構成されている。なお、前記餃子Gの幅寄せの程度は、前記軸支部22を中心として、前記溝付きベルト25の回動域が餃子送りコンベア1の領域に入り込む量を調整することにより適宜調整し設定できる。
【0023】
また、前記餃子Gの立たせ機能を有する基本的に垂直方向の縦送行部31を含む落とし込み手段3は、前記餃子送りコンベア1の前端部1aより前方において機台フレーム6上に立設した支持フレーム32に固定された支持ブラケット33に、前記前端部1aと間隔をおいて対向する位置の上下2本の従動プーリー34,35と、該従動プーリー34,35よりやや前方に位置する駆動プーリー36とが軸支され、これらの各プーリーに無端回動可能にコンベア用ベルト37が掛架されてなり、前記上下2本の従動プーリー34,35間の部分が、前記餃子送りコンベア1の上載面より上方、好ましくは前記餃子Gの高さ分より上方の高さ位置から下方に向かう略垂直の縦送行部31として形成されている。そのため前記上下の従動プーリー34,35は上下対応位置に設けられている。これにより、前記縦送行部31と前記餃子送りコンベア1の前端部1aの回転送行部11との間に餃子Gを挟んで下方に送り落とせるようになっている。
【0024】
前記駆動プーリー36には、サーボモータ等の駆動モータ38が連結されており、該駆動モータ38により駆動ローラ36が回転することにより、前記コンベア用ベルト37が回動するように構成されている。図の場合、前記下側の従動プーリー35と駆動プーリー36との間にテンションプーリー39が配され、該テンションプーリー39の位置調整により前記コンベア用ベルト37のテンションを調整できるようになっている。
【0025】
前記落とし込み手段3の前記縦送行部31と前記回転送行部11との間の間隔は、トレー詰め対象の餃子Gの厚みに応じて、該餃子Gを軽く挟んで下方に送り落とせる程度に設定される。前記支持フレーム32の機台フレーム6に対する固定ボルト等による取付用孔32Aが長孔になっており、該支持フレーム32の機台フレーム6に対する取付位置を調整することにより、前記縦送行部31と前記回転送行部11との間隔を調整できるようになっている。
【0026】
前記トレー送りコンベア4は、図1に示すように、前記餃子送りコンベア1の下方において、送り方向の前後両端部に配された溝付きのプーリー41,42に掛架されて間欠的に無端回動するベルトコンベアであり、該トレー送りコンベア4上に供給される餃子包装用のトレーTの収納部同士の間隔と同長さずつの間欠的な送りを行って、前記餃子Gの1回の落とし込み作用毎に、前記トレーTの収納部aを餃子送りコンベア1からの餃子Gの落とし込み位置の下方に順次位置させるように設けられ、各収納部aに1個の餃子Gを落とし込めるようになっている。そのため、このトレー送りコンベア4は、前記餃子送りコンベア1による餃子Gの搬送を、該コンベア1の前端部1aの近傍でセンサ43により検出して、このセンサ43による検出信号に基づいて、前記トレーTの収納部同士の間隔に相当する長さの1ピッチ毎の送りを間欠的に行い、前記餃子Gの落とし込み位置の方に収納部aを位置させて一旦停止するように設けられる。このトレー送りコンベア4は、前記プーリー41,42の一方に連結されるサーボモータ等により駆動制御される。
【0027】
前記トレー送りコンベア4の前側端部は、前記餃子送りコンベア1からの餃子Gの落とし込み位置を超えて前方の位置にまで延びており、前記のように、餃子Gを収容した後のトレーTを送り出せるように設けられている。図の場合、トレー送りコンベア4の前側端部のやや前方に、該コンベア4より高速度で回転する送り出しローラ7が設けられ、前記のように餃子Gが収納されて送り出されるトレーTを、箱詰め等の次工程への搬送コンベア8上に送り出せるように設けられている。
【0028】
前記トレー送りコンベア4へのトレーTの供給は、手作業でも行うことができるが、図示する実施例の場合は、側方から前記トレー送りコンベア4に向かって直交する方向にトレーTを搬送するトレー供給コンベア45を利用して、前記トレー送りコンベア4上にトレーTを供給するようにしている。
【0029】
前記トレー供給コンベア45は、送り方向の両端部に配された2つのプーリー46,47間に掛架された無端回動するベルトコンベアであり、該コンベア45の供給側の端部の上方には、多数のトレーTを積み重ね状態でストックして、かつエアシリンダー等の作動を利用して最下層のトレーTから1個ずつ下方に落下供給できる前記トレー供給部5が設けられている。このトレー供給コンベア45は、搬送方向前側の端部が前記トレー送りコンベア4の搬送開始側の側部に近接しており、該トレー供給コンベア45により搬送されるトレーTをトレー送りコンベア4上に移載できるようになっている。48は駆動用プーリーである。
【0030】
図中の9は制御操作部であり、前記餃子送りコンベア1、幅寄せ装置2、落とし込み手段3、トレー送りコンベア4、トレー供給コンベア45、トレー供給部5の一連の作動を制御するように構成されている。
【0031】
上記した実施例の餃子のトレー詰めのための装置の作動状態について説明する。
【0032】
餃子成形機Mにおいて成形されて例えば2個ずつ送出される餃子Gを、餃子送りコンベア1上に載せる。このとき、必要に応じて、倒れ防止手段17により倒れないようにして起立状態にして揃えて載置する。このようにして、餃子成形機Mから送出される餃子Gを起立状態にして一定間隔に整列させて搬送する。この搬送途中において、幅寄せ装置2の搬送ガイド用の溝付きベルト25により一方の列の餃子Gを搬送しながら徐々に他方の餃子Gの列に近づけて、複列の列間の間隔をトレーTの収納部aの間隔に合わせる。
【0033】
一方、餃子包装用のトレーTは、トレー供給コンベア45の搬送開始端側の上方に設けられたトレー供給部5から、前記餃子Gのトレー詰めに応じてトレー供給コンベア45に供給され、該コンベア45により前記餃子送りコンベア1の下方に配置されたトレー送りコンベア4に搬送される。トレー送りコンベア4では、前記トレーTを前記餃子Gの整列方向に対応した方向で、該トレーTの収納部aの間隔に応じた長さ分ずつ間欠的に送られる。このトレーTの間欠的な搬送は、前記餃子送りコンベア1の前端部1aの近傍において、搬送されてくる餃子Gを検出したとき、収納部aの一つ分に相当する長さ分を1ピッチとして送り、前記前端部1aからの餃子Gの落とし込み位置に収納部aを位置させて停止させる。
【0034】
この状態において前記餃子送りコンベア1により起立状態で送られる餃子Gが餃子送りコンベア1の前端部1aに達し、該前端部1aから送出される。このとき、図9のように、餃子Gの厚み方向の半分以上が該コンベア1の上載面から回転送行部11の方へはみ出すと該餃子Gが前方へ倒れかけるが、前記回転送行部11と対向する落とし込み手段3の縦送行部31が設けられているために、倒れかけた餃子Gが該縦送行部31に支えられて倒れが規制されるとともに、該縦送行部31の下方向きの送り作用と前記餃子送りコンベア1の反転のための回転送行部11の下方向きの送り作用とにより、前記餃子Gが該縦送行部31と回転回端部11との間に軽く挟まれて起立姿勢を保持した状態で下方へ送り落とされ、下方に待機している前記トレーTの収納部aに落とし込まれ、起立状態に保持される。
【0035】
そして、前記餃子送りコンベア1により搬送される次の餃子Gを前端部1aの近傍でセンサ43により検出すると、前記トレー送りコンベア4が間欠送りを行い、トレーTの収納部aの間隔に相当する長さ分の1ピッチの送りを行って、次の収納部aが前記落とし込み位置の下方に位置して停止する。こうして、前記と同様に、餃子送りコンベア1の前端部1aから送出される餃子Gが、前記起立姿勢保持を兼ねる落とし込み手段3の縦送行部31で倒れを規制しながら該縦送行部31と前記前端部1aにおける回転送行部11との間に前記餃子Gを挟まれて双方の下方向きの送行作用により起立姿勢を保持したまま下方へ送り落とされ、前記トレーTの収納部aに起立姿勢の状態で落とし込まれる。
【0036】
このようにして、餃子成形機Mから順次成形されて送出される餃子Gを起立姿勢で所定の間隔をおいて搬送しながら、餃子送りコンベア1の前端部1aから送出される餃子Gを順次トレーTの収納部aに起立姿勢を保持した状態にして落とし込み収納できる。
【0037】
こうしてトレー詰めした餃子Gは、各トレーT毎にストレッチフィルムで包装するか、3.あるいは上蓋を被せて、段ボール箱等の外装箱に段積み収納して出荷する。
【0038】
なお、上記した実施例では、餃子成形機Mから成形されて送出される餃子Gが2個ずつであり、2列で搬送される場合を示したが、これを1列で搬送してトレー詰めすることも、また3列以上でトレー詰めすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置は、餃子成形機から成形されて送出される餃子を間隔をおいて搬送しながら包装用トレーの収納凹部に、特に起立姿勢を保持した状態で落とし込み収納するのに好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の1実施例を示す主要部の概略を示す斜視図である。
【図2】同上の略示平面図である。
【図3】同上の略示側面図である。
【図4】同上の餃子送りコンベアの略示平面図である。
【図5】同上の餃子送りコンベアの側面図である。
【図6】餃子送りコンベアの前端部の反転のめたの回転送行とこれに対向する立たせ用の落とし込み手段の部分の拡大平面図である。
【図7】同上の側面図である。
【図8】同上の正面図である。
【図9】餃子の落とし込み状態の説明図である。
【図10】餃子包装用トレーの略示説明図である。
【符号の説明】
【0041】
G…餃子、T…トレー、a…収納部、1…餃子送りコンベア、1a,1b…前後端部、2…幅寄せ装置、3…落とし込み手段、4…トレー送りコンベア、5…トレー供給部、6…機台フレーム、7…送り出しローラ、8…搬送コンベア、9…制御操作部、10…コンベア体、11…回転送行部、13a,13b…プーリー、14…駆動モータ、15…駆動用プーリー、16…枠部材、17…倒れ防止手段、21…天板、22…軸支部、25…溝付きベルト、31…縦送行部、32…支持フレーム、33…支持ブラケット、34,35…従動プーリー、36…駆動プーリー、37…コンベア用ベルト、38…駆動モータ、39…テンションプーリー、41,42…プーリー、45…トレー供給コンベア、46,47…プーリー、48…駆動用プーリー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
餃子成形機から送出される餃子を、起立姿勢に保持して所定間隔をおいて搬送して前端部より順次送出する餃子送りコンベアと、
前記餃子送りコンベアの前端部の前方に餃子の厚みに対応した間隔をおいて対向して該餃子送りコンベアの上載面より上方の高さ位置から下方に向かう縦送行部を有し、該縦送行部により前記餃子送りコンベアの前端部から送出される餃子を前記前端部の反転のための回転送行部との間に挟んで起立姿勢を保持した状態で下方に送り落とす落とし込み手段と、
供給される餃子包装用のトレーを、該トレー内の収納部同士の間隔に応じた長さ分ずつ間欠的に送り、かつ前記餃子送りコンベアの餃子の落とし込み部の下方に一つの収納部を位置させるように一旦停止させるトレー送りコンベアとを備え、
前記餃子送りコンベアにより搬送される餃子を起立姿勢に保持した状態で前記トレー内に落とし込み収納できるようにしたことを特徴とする餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置。
【請求項2】
餃子送りコンベアは、無端回動するベルトコンベアであって、餃子成形機から間欠的に複数個ずつ並列して送出される餃子を複列で搬送するとともに、搬送途中において少なくとも1列の餃子の列を他列の餃子の列に漸次幅寄せする幅寄せ装置が設けられてなる請求項1に記載の餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置。
【請求項3】
前記餃子の落とし込み手段は、前記餃子送りコンベアに対応した幅を有するコンベア用ベルトからなり、縦送行部では、前記餃子送りコンベアの前端部から送出される餃子を該前端部の回転送行部との間に挟んで該回転送行部と同速で下方に送行するように設けられてなる請求項1又は2に記載の餃子のトレー詰め装置。
【請求項4】
前記トレー送りコンベアは、前記餃子送りコンベアの前端部近傍に設けたセンサにより該餃子送りコンベア上の餃子を検出する毎に、間欠的に、前記トレーにおける前記収納部同士の間隔に相当する長さ分ずつの送りを行って停止する請求項1〜3のいずれか1項に記載の餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置。
【請求項5】
前記餃子の立たせ用の落とし込み手段は、前記縦送行部と前記餃子送りコンベアの前端部との間隔が調整可能に設けられてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の餃子のトレー詰めのための起立姿勢保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−57088(P2009−57088A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−226502(P2007−226502)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000155540)株式会社矢田製作所 (3)
【Fターム(参考)】