説明

香味の放出を増大させた食用組成物及びその製造方法

【課題】香味の放出を増大させた食用組成物及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】香味の放出を増大させた食用組成物は、(a)少なくとも1種類の界面活性剤を含有するコア材料と、(b)セルロース、セルロース誘導体、デンプン、炭水化物、ガム、ポリオレフィン、ポリエステル、ろう、ビニルポリマー、ゼラチン、ゼイン、及びこれらの組み合わせより選択される材料を含有し、且つコア材料を封入する外部コーティングとを含有する。封入された組成物のHLBは、場合によっては約7以上であってもよく、場合によっては遊離の界面活性剤を含有してもよい。ガム組成物からの香味の放出を増大させる方法は、(a)ガムベース及び香味料を含有するチューインガム組成物を準備する工程と、(b)前記ガム組成物を咀嚼に供する工程と、(c)咀嚼の間に前記ガム組成物に界面活性剤を追加する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HLBが約7以上の界面活性剤を封入した組成物に関する。本発明はまた、場合によっては封入された界面活性剤を含む食品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
チューインガムの選択に影響を与えうる要因の1つに、香味料、甘味料、息清涼化能、及び他の知覚等の感覚刺激をもたらすチューインガムの能力がある。しかし、チューインガムを消費するにつれて、通常、香味が失われていくように感じられる。香味成分の大部分がチューインガム自体又は塊中にまだ残っている場合でも、このように感じられる。咀嚼の間に、ガム組成物中に存在する香味成分の大部分、例えば約90%以下或いはそれ以上は、ガムベース中に捕捉され、ユーザーにとっては、ガムから感じられる香味が失われてしまう。チューインガムから感じられる香味が失われてしまうと、消費者にとってはあまり望ましくないものとなり、多くの場合、「香味のなくなった」ものとして捨てられることが多い。香味を感じることができる時間を増大させると、組成物の咀嚼時間を増大させることができるため、できるだけ長い間香味が感じられるようにすることが目標となる。
【0003】
香味を増大させる1つの方法は、ガムをもう1個口の中に入れることである。市販の製品のうち、このような方法をとるものとしては、Topps(登録商標)、Bazooka(登録商標)、及びBooster(商標)風船ガム及びキャンディーが挙げられる。チューインガム組成物から感じられる香味が失われたと消費者が感じた場合、香味を追加するために、ペレット状の風船ガムの小片を追加すればよい。このよう方法では、香味をより長時間持続できるが、香味の増大は、チューインガム組成物中の香味成分を最大限放出させるのではなく、ガム片を追加することにより達成される。元のチューインガム片の中に捕捉された香味は、消費者に感じられないままになっている。香味を含むガムを追加することによってもたらされるのは、香味の増大のみである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
咀嚼の間に、ガム組成物や他の食用組成物をさらに追加することなく、香味の放出を増大させる組成物に対する需要が存在する。より多くの香味を、ガムベースに捕捉されることなく放出させることにより、より強い香味を消費者に感じさせることができるチューインガム組成物に対する需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ガム組成物の香味の放出を制御、持続、及び/又は増大させる組成物及び方法を提供する。ある実施形態において、これらの組成物は、時間と共に減少する香味感を増大させるために適当なHLBを有する界面活性剤を含有してもよい。これらの組み合わせにより、咀嚼の間、香味料は、例えば、初期の高い香味効果、及び持続する香味効果をもたらすことができる。遊離若しくは封入されていない状態、又は封入された状態にある種々の界面活性剤を配合することにより、香味の放出速度を様々に制御又は調整することができ、ある実施形態において、界面活性剤は、界面活性剤なしではガム組成物の中に捕捉されてしまうガム組成物からの香味の放出をさらに促進する約7以上のHLBを有していてもよい。
【0006】
ある実施形態において、(a)少なくとも1種類の界面活性剤を含有するコア材料と、(b)セルロース、セルロース誘導体、デンプン、炭水化物、ガム、ポリオレフィン、ポリエステル、ろう、ビニルポリマー、ゼラチン、ゼイン、及びこれらの組み合わせより選択される材料を含有し、且つ封入された組成物のHLBが場合によっては約7以上であってもよく、場合によっては遊離の界面活性剤を含有してもよいコア材料を封入する外部コーティングと、を含有する封入された組成物が提供される。
【0007】
ある実施形態において、この封入された組成物を含有するデリバリー組成物が提供される。ある実施形態において、デリバリー組成物はチューインガム組成物である。
【0008】
ある実施形態は、担体マトリックスと、(i)少なくとも1種類の香味料、及び(ii)HLBが約7以上の少なくとも1種類の界面活性剤を含有する組成物と、を含有する食用組成物を提供する。ある実施形態において、界面活性剤の一部又は全部は封入されている。
【0009】
他の実施形態において、ガムベースと、少なくとも1種類の香味料と、少なくとも1種類の界面活性剤とを含有するチューインガム組成物が提供される。界面活性剤は、場合によっては封入されていてもよい。ある実施形態において、界面活性剤は7以上のHLBを有していてもよい。
【0010】
ある実施形態において、ガムベースと、少なくとも1種類の香味料と、少なくとも1種類の界面活性剤とを含有するチューインガム組成物を準備する工程を含む、香味を増大させる方法が提供される。この方法で用いられる組成物では、場合によっては遊離の界面活性剤を含んでいてもよく、場合によっては界面活性剤の一部又は全部が7以上のHLBを有していてもよい。
【0011】
他の実施形態において、ガムベースと、少なくとも1種類の香味料と、約7以上のHLBを有する少なくとも1種類の界面活性剤とを含有するガム組成物を準備する工程を含む、ガム組成物からの香味料の放出を持続させる方法が提供される。ある実施形態において、界面活性剤の一部又は全部は封入されている。
【0012】
ある実施形態において、(a)ガムベース及び香味料を含むチューインガム組成物を準備する工程と、(b)前記ガム組成物を咀嚼する工程と、(c)咀嚼の間に前記ガム組成物に界面活性剤を追加する工程とを含有する、ガム組成物からの香味の放出を増大させる方法も提供される。ある実施形態において、界面活性剤の一部又は全部は封入されている。界面活性剤は、場合によっては7以上のHLBを有していてもよい。
【0013】
(a)咀嚼可能なマトリックスを準備する工程と、(b)前記マトリックスに、香味料及び封入された界面活性剤を混合する工程とを含有する、咀嚼可能な組成物における香味の放出を持続させる方法も提供される。ある実施形態において、咀嚼可能なマトリックスはガムベースである。界面活性剤は、HLBが7以上の界面活性剤、及び封入された界面活性剤又はこれらの組み合わせより選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
ここで、組成物は界面活性剤と共に香味料を含有する。この組成物は、チューインガム組成物の一部としてガムベースに含まれていてもよい。遊離の又は封入されていない界面活性剤を含む組成物では、ガムからの香味料の放出が増大する場合がある。封入された界面活性剤を含有する組成物には、いくつかの利点がある。その1つは、ガムからの香味料の全放出量が増大することである。もう1つは、長期間にわたって香味料が放出されることである。換言すると、封入された界面活性剤が存在すると、界面活性剤は徐々に放出され、ガム組成物から徐々に香味料を放出させることが可能になる。
【0015】
ガム組成物において、数種類の界面活性剤及び、異なるコーティングを有する界面活性剤を含有してもよい。このような組み合わせは、さらなる利点をもたらす。コーティング材料又は封入材料は、組成及び厚さがそれぞれ異なっていてもよい。界面活性剤の組み合わせ及び/又は異なるコーティングがなされた界面活性剤の粒子を含有することは、界面活性剤のガム組成物中への放出速度に影響を及ぼす。界面活性剤のガム組成物中への放出の際、異なる粒子から界面活性剤が放出される毎にそれぞれ別個の「スパイク」状に放出が起こってもよく、それにより、ガムベース中に捕捉された香味料が放出される。したがって、消費者は、界面活性剤の放出を、突然の香味の放出(香味の「スパイク」、又は香味の「打撃」)として感知する。個々の香味料の「スパイク」の度に、消費者のガム組成物に対する新たな興味をひくことができる。異なる界面活性剤の粒子を組み合わせることにより、ガム組成物を咀嚼している間中、1種類以上の香味料の「スパイク」が起こるように調整することができる。
【0016】
本明細書で用いられる場合において、「含有する(comprising)」(「含有する(comprises)」等も同様)という移行句は、「含む(including)」、「含む(containing)」、又は「〜を特徴とする(characterized by)」と同義で、包括的又は非制限的であり、請求項の前提部又は本体のいずれで用いられているかにかかわらず、他の列挙されていない要素又は方法における工程を排除しない。
【0017】
本明細書で用いられる場合において、「風船ガム」及び「チューインガム」は互いに交換可能に用いられ、両者とも任意のガム組成物を含むものとする。
【0018】
本明細書で用いられている場合において、「有効成分」という語句は、いくつかの実施形態に係る組成物中に封入された任意の物質を意味し、封入物から放出されると、有効成分は、何らかの望ましい性質をもたらす。適当な有効成分の他の例としては、スクラロース等の甘味料、香味料、薬剤、ビタミン、及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。
【0019】
本明細書で用いられる場合において、「封入材料」という語句には、1種類以上の成分の周囲に、保護障壁又は保護層として、固体状の若しくは強固なコーティング、又はフィルムを形成することができ、且つ/又は1種類以上の成分と共にマトリックスを形成することができる、1種類以上の水不溶性のポリマー、共重合体、又は他の材料が含まれる。ある実施形態において、封入材料は、成分を完全に取り囲み、被覆し、コーティングし、又は封入していてもよい。他の実施形態において、封入材料は、成分を部分的に取り囲み、被覆し、コーティングし、又は封入していてもよい。異なる封入材料により、封入された成分に対する異なる放出速度又は放出プロファイルを付与することができる。
【0020】
「知覚剤」という語句には、清涼感、温熱感、刺激感、又は知覚に影響を与える他の薬剤が含まれる。薬剤は、息の清涼化、及びスパイス感等の種々の知覚特性を付与するものであってよい。
【0021】
チューインガム又は風船ガム組成物からの香味料の放出を増大及び/又は長期間持続させる組成物及び方法が、本発明に含まれる。組成物は、香味油及び水性溶媒と混合した場合に、水中油型分散物を形成することができるHLBを有する、少なくとも1種類の界面活性剤を含んでいる。具体的には、HLBは約7以上であってよい。界面活性剤は、所望の効果に応じて、場合によっては封入されていてもよい。上述のように、封入には、部分的な封入と共に、界面活性剤と封入材料との間のマトリックス又は複合体の形成が含まれる。ある実施形態において、封入された界面活性剤の粒子も含まれている。ある実施形態において、遊離の界面活性剤及び封入された界面活性剤の組み合わせが含まれている。
【0022】
界面活性剤又は封入された界面活性剤は、任意の適当な担体マトリックス中で香味料と混合されていてもよい。担体マトリックスは、咀嚼可能であっても不可能であってもよく、水溶性であっても非水溶性であってもよい。マトリックスは、ガム組成物、ハードキャンディー組成物、タフィーの様な硬さを有するもの等のソフトキャンディー組成物、又はこれらの組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されない種々の食用組成物から選択することができる。
【0023】
封入された組成物は、少なくとも1種類の界面活性剤が約7以上のHLBを有する、1種類、又は複数種類を組み合わせた界面活性剤を含むコア材料を含有してもよい。コア材料には、他の有効成分が混合されてもよい。コア材料は、コア材料を封入している外部コーティングによって取り囲まれている。
【0024】
本実施形態において、種々の有効成分のうち任意のものが含まれていてもよい。任意のものとしては、甘味料、香味料、息清涼剤、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、充血除去剤、及び制酸剤等の薬剤又は薬理有効成分、ビタミン及び他の食品添加物、息清涼剤、カフェイン、ニコチン、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0025】
好適な甘味料は、水溶性甘味料、水溶性人工甘味料、天然の水溶性甘味料より誘導される水溶性甘味料、ジペプチド系甘味料、及びタンパク質系甘味料、並びにこれらの混合物等の広範囲の物質から選択することができる。特定の甘味料に限定されない代表的なカテゴリー及び代表例としては、
【0026】
(a)ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、グリチルリチン、ジヒドロフラベノール、及びソルビトール、マンニトール、マルチトール等の糖アルコール、及び米国特許第4,619,834号明細書(該明細書の記載は、参照として本明細書に組み込まれる)に開示されたもの等のL−アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミド、並びにこれらの混合物等の水溶性甘味料;
【0027】
(b)可溶性サッカリン塩(サッカリンナトリウム塩又はカルシウム塩)、サイクラミン酸塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム塩、アンモニウム塩、又はカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセスルファム−K)、遊離酸型のサッカリン、及びこれらの混合物等の水溶性人工甘味料;
【0028】
(c)L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)、及び米国特許第3,492,131号明細書に記載の物質、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル(ネオテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリンのメチルエステル及びL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニルグリシン、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン、L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン等のL−アスパラギン酸誘導体甘味料、及びこれらの混合物等の、ジペプチド系甘味料;
【0029】
(d)例えば、サッカロースの商品名で知られているクロロデオキシサッカロース又はクロロデオキシガラクトサッカロースの誘導体等のクロロデオキシ糖誘導体等の、通常の砂糖(サッカロース)の塩素化誘導体等の天然の水溶性甘味料から誘導される水溶性甘味料;クロロデオキシサッカロース及びクロロデオキシガラクトサッカロース誘導体の例としては、1−クロロ−1’−デオキシサッカロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フルクトフラノシド、又は4−クロロ−4−デオキシガラクトサッカロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フルクト−フラノシド、又は4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトサッカロース、1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシサッカロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、又は4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトサッカロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド、又は4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトサッカロース、6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシサッカロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、又は4,6,1’,6’−テトラクロロ−4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクト−サッカロース、及び4,6,1’,6’−テトラデオキシ−サッカロース、並びにこれらの混合物等、及び(e)タウマトコッカスダニエリ(タウマチンI及びII)等のタンパク質系甘味料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
高甘味度甘味料を多くの異なる周知の物理的形状で用いることで、甘味の初期バースト及び/又は長期間にわたる甘味感を付与することができる。物理的形状としては、スプレードライ体、粉体等の遊離状、ビーズ体、封入体、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
有効成分が甘味料であるいくつかの実施形態において、甘味料は、スクラロース、サッカリン塩、アセスルファムカリウム塩、アスパルテーム、タウマチン、ネオテーム、アリテーム、及びこれらの組み合わせ等の高甘味度甘味料であってもよい。
【0032】
使用可能な香味剤としては、天然又は人工香味料等の、当業者に公知のものが挙げられる。合成フレーバー油及び香味芳香族及び/又は香味油、植物、葉、花、果実等、及びこれらの組み合わせより誘導される含油樹脂及び抽出物よりこれらの香味料を選択してもよい。香味油の非限定的な代表例としては、スペアミント油、シナモン油、冬緑油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、クローブ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ナツメグ油、オールスパイス、セージ油、メース、苦扁桃油、及びカッシア油が挙げられる。他の有用な香味料は、バニラ、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ等の柑橘油、及びリンゴ、洋ナシ、桃、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコット等のフルーツエッセンス等の人工、天然、及び合成フルーツ香料である。これらの香味料は、液体又は固体状態で用いることができ、単独で、又は混合物として用いることができる。通常用いられる香味料としては、ペパーミント、メントール、スペアミント、人工バニラ、シナモン誘導体等のミント類、及び種々のフルーツ香料等が挙げられ、これらは単独で、又は混合物として用いられる。香味料は、息清涼化特性を与えることもでき、代表例としてミントの香味が挙げられる。
【0033】
他の有用な香味料としては、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアニソール等のアルデヒド及びエステルが挙げられ、用いることができる。通常、米国国立科学協会刊行の「Chemicals Used in Food Processing, publication 1274」の63〜258ページに記載のもの等の、任意の香味料及び食品添加物を用いることができる。この刊行物は、参照として本明細書に組み込まれる。香味料は、天然のものであっても人工のものであってもよい。
【0034】
他のアルデヒド香味料の例としては、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(甘草、アニス)、シンナムアルデヒド(シナモン)、シトラール(α−シトラール(レモン、ライム))、ネラール(β−シトラール(レモン、ライム))、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ(ピペロナール(バニラ、クリーム))、バニリン(バニラ、クリーム)、α−アミルシンナムアルデヒド(芳しいフルーツの香味料)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(調香剤、多くのタイプ)、デカナール(柑橘類)、C8アルデヒド(柑橘類)、C9アルデヒド(柑橘類)、C12アルデヒド(柑橘類)、2−エチルブチルアルデヒド(液果類)、ヘキサナール(トランス−2ヘキサナール(液果類))、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルムアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール(メロナール(メロン))、2,6−ジメチルオクタナール(未熟果)、及び2−ドデカナール(柑橘類、マンダリン)、サクランボ、ブドウ、イチゴ、ショートケーキ、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
ある実施形態において、香味料は液状及び/又は乾燥状のいずれの形態でも用いることができる。後者の形態で用いる場合、油状物のスプレードライ等の適当な手段を用いることができる。或いは、セルロース、デンプン、砂糖、マルトデキストリン、アラビアガム等の水溶性の物質に香味料を吸着させてもよく、封入してもよい。かかる乾燥状物の調製のための実際の手法は周知である。
【0036】
ある実施形態において、香味料は、多くの個別の物理的形状で用いることができる。かかる物理的形状としては、スプレードライ体、粉体等の遊離状、ビーズ体、封入体、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
ここで用いられる香味料の量は、最終的なチューインガム組成物のタイプ、個々の香味料、用いられるガムベース、望ましい香味の強さ等に関する嗜好の問題である。したがって、香味料の量は、最終製品において望ましい結果を得るために変化させることができ、このような変化は、過度の実験を必要としない当業者の能力の範囲内である。ガム組成物において、香味料の含有量は、通常、チューインガム組成物に対して約0.02質量%〜約5質量%、より具体的には約0.1質量%〜約2質量%、さらにより具体的には約0.8質量%〜約1.8質量%である。
【0038】
封入される有効成分として、医薬品、ハーブ、栄養補助剤等の種々の薬剤を含有してもよい。有用な薬剤の例としては、ACE阻害剤、狭心症治療剤、不整脈治療剤、ぜんそく治療剤、コレステロール低下剤、鎮痛剤、麻酔薬、けいれん治療剤、抗うつ剤、糖尿病治療剤、下痢の治療製剤、解毒剤、抗ヒスタミン剤、高血圧治療剤、抗炎症剤、抗脂質剤、躁病治療剤、制吐剤、発作治療剤、甲状腺治療製剤、抗ガン剤、抗ウィルス剤、ニキビ治療剤、アルカロイド、アミノ酸製剤、鎮咳剤、尿酸血治療剤、抗ウィルス剤、同化製剤、全身性及び局所性抗感染症剤、抗組織形成剤、パーキンソン病治療剤、リューマチ治療剤、食欲増進剤、生理反応調節剤、血液改質剤、骨代謝調節剤、心血管作動薬、中枢神経賦活剤、コリンエステラーゼ阻害剤、避妊薬、充血除去剤、補助食品、ドーパミン受容体アゴニスト、子宮内膜症管理剤、酵素、近年バイアグラ(登録商標)という名称で市販されているクエン酸シルデナフィル等の勃起不全治療剤、排卵誘発剤、胃腸薬、同種療法(ホメオパシー)用治療剤、ホルモン、高カルシウム血症及び低カルシウム血症の管理剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、偏頭痛の治療製剤、乗り物酔い治療剤、筋弛緩剤、肥満管理剤、骨粗鬆症治療製剤、子宮収縮剤、副交感神経遮断剤、副交感神経興奮剤、プロスタグランジン、精神治療剤、呼吸器剤、鎮静剤、ブロモクリプチン又はニコチン等の禁煙補助剤、交感神経遮断剤、振戦製剤、尿路治療剤、血管拡張剤、下剤、制酸剤、イオン交換樹脂、解熱剤、食欲抑制剤、去痰剤、抗不安剤、抗潰瘍剤、抗炎症性物質、冠動脈拡張剤、脳血管拡張剤、末梢血管収縮剤、向精神剤、強心剤、高血圧治療剤、血管収縮剤、偏頭痛治療剤、抗生物質、精神安定剤、精神病治療剤、抗ガン剤、抗凝固剤、血栓症治療剤、睡眠薬、制吐剤、嘔吐抑制剤、けいれん治療剤、神経筋剤、高血糖及び低血糖治療剤、甲状腺及び坑甲状腺製剤、利尿剤、鎮けい剤、子宮弛緩剤、肥満治療剤、増血剤、ぜんそく治療剤、鎮咳剤、粘液溶解剤、DNA及び遺伝調節剤、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0039】
界面活性剤は、分子中の親水性(「水を好む」性質)部位と親油性(「油を好む」性質)部位との「バランス」によって特徴づけられる。親水性−親油性バランス(HLB)数は、分子の極性を示す1〜40の数で、最も広く用いられている乳化剤は、1〜20の値を有している。HLB数は、親水性が増大するほど大きな値となる。
【0040】
界面活性剤は、広範な界面活性剤、特に公知の食品用の界面活性剤より選択することができる。界面活性剤は、水の存在下で、香味料と、水及び油の分散物を形成することができる。界面活性剤は、約7以上のHLBを有していてもよい。具体的には、界面活性剤は、約20以下、より具体的には約15以下、さらにより具体的には約11〜約14のHLBを有していてもよい。
【0041】
有用な界面活性剤の例としては、ポリグリセロールエステル、セテアレス−20、ソルビタンモノステアレート(Polysorbate 60)、ソルビタンモノオレエート(Polysorbate 80)、ソルビタンラウレート(Polysorbate 20)、ソルビタントリステアレート(Polysorbate 65)、ポリグリセリルラウレート、グリセリルココエート、アカシアガム、アセチル化モノグリセリド、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ポリグリセロールエステルとしては、トリグリセリルモノステアレート、ヘキサグリセリルジステアレート、デカグリセリルモノステアレート、デカグリセリルジパルミテート、デカグリセリルモノオレエート、及びポリグリセリル10ヘキサオレエートが挙げられる。
【0042】
封入された界面活性剤が望ましい場合、任意の公知の封入又はコーティング手段を用いて、封入を行うことができる。好適な封入方法は、押出法及びスプレーコーティング法である。
【0043】
界面活性剤及び任意の他の所望の有効成分は、溶融押出法により、封入ポリマーと混合することができる。この方法は、1種類以上のポリマーの組み合わせたものを、選択した界面活性剤と共に、約65℃〜約140℃の温度で溶融することにより行われる。上述の有効成分を混合物を溶融する前に加えてもよい。次いで、押出物を冷却し、所望のサイズの粒子に成形する。この成形は、粒子の裁断、微粉砕、製粉、及び粉砕等の任意の公知の適切な手段を用いて行うことができる。押し出された粒子は、約50μm〜約800μmの平均粒径を有していてもよい。
【0044】
ある実施形態における封入された界面活性剤の粒子は、任意の公知のスプレーコーティング法のうち適当なものを用いて調製することができる。好適な方法の1つは、Wurster法である。このWurster法は、個々の粒子状物質を封入する方法を提供する。まず、封入される界面活性剤を(場合によっては、有効成分と組み合わせて)、通常噴霧ノズルの前側の循環流である気流中に分散させる。噴霧ノズルから、封入材料を適当な溶媒に溶解した霧状のコーティング溶液流を噴霧する。霧状のコーティング溶液は、ノズルから噴霧された後に界面活性剤の粒子と衝突し、粒子がコーティング溶液でコーティングされる。
【0045】
コーティングされる粒子を分散させるための気流の温度を、コーティング溶液が粒子と接触した直後に溶媒が蒸発するように設定してもよい。このようにすることで、粒子上でコーティングが固化し、所望の封入された粒子が得られる。ある実施形態において、封入材料は界面活性剤の粒子を部分的にのみ封入している。
【0046】
所望の厚さのコーティングが得られるまで、この工程を反復してもよい。或いは、異なるコーティング溶液を用いてこの工程を反復し、封入された粒子組成物に、異なる別個のコーティング層を設けてもよい。
【0047】
コーティング工程の後に、粒子を成形して、必要に応じて、通常、粒子サイズが約50μm〜約800μmの、適当な大きさにしてもよい。この成形は、粒子の裁断、微粉砕、製粉、及び粉砕等の任意の好適な手段を用いて行うことができる。封入された界面活性剤の粒子の内部の界面活性剤の含有量はが、封入された粒子に対して約0.01質量%〜約30質量%、具体的には約2質量%〜約30質量%、より具体的には約5質量%〜約20質量%であってもよい。
【0048】
界面活性剤を取り囲むコーティング層は、ポリマーを溶解できる溶媒を含んでいてもよい。溶媒は、このような目的に用いられることが公知の、任意の溶媒であってもよい。例えば、ポリマーがポリ酢酸ビニルである場合、好適な溶媒としては、酢酸エチル、ジエチルエーテル、アセトン、ベンゼン、二塩化エチレン、メタノール、メチルエチルケトン、エタノール、トルエン、キシレン、酢酸アミル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0049】
押出及びスプレーコーティング法を組み合わせて、所望の厚さを有するコーティングを形成し、且つ/又は異なるコーティング材料の組み合わせを形成してもよい。例えば、押出により、ポリ酢酸ビニル等の1種類の材料に界面活性剤を封入し、次いで、スプレーコーティングによりアラビアガム等の他の材料でコーティングしてもよい。
【0050】
コーティング又は封入材料は、具体的には、所望の引張強度、特に、封入された界面活性剤をガム組成物中に含有するのに望ましい引張強度を有するように調製されてもよい。コーティングの引張強度を調整する利点は、界面活性剤等のコア材料の放出速度を所望の値にできるところである。このようにすることは、界面活性剤が封入材料からガム組成物中に放出され、その界面活性剤により、ガム組成物からの香味料の放出が促進されるので望ましい。界面活性剤の放出速度を制御又は増大させることによっても、ガムからの香味料の放出速度、及び放出量を変化させ、望ましくは、持続又は増大させることもできる。
【0051】
ある実施形態において、コーティングに引張強度調整剤を加えることにより、封入コーティングの引張強度を調整することができる。この点については、米国特許出願第10/719,298号(発明の名称「A Delivery System for Active Component as Part of an Edible Composition」、2003年11月21日出願)の一部継続出願であり、該出願に基づく優先権の主張を伴うと共に、国際特許出願第PCT/US04/037185号(2004年11月22日出願)に基づく優先権の主張を伴う、米国特許出願第11/083,968号明細書(発明の名称「A Delivery System for Active Component as Part of an Edible Composition Having Preselected Tensile Strength」、2005年3月21日出願)において詳細に議論されており、これらの出願の全内容は、参照としてあらゆる目的のために組み込まれる。引張強度調節剤は、異なる封入材料の組み合わせを有するコーティングを形成するために、封入材料より選択される。
【0052】
本明細書で用いられる場合において、「引張強度」という語句は、引張負荷をかけた材料が破断することなく耐えることができる応力の最大値を意味する。ある材料の引張強度を測定する方法は、米国材料試験協会の規格番号ASTM−D638に定義されている。
【0053】
有用な封入材料の例としては、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、炭水化物、ガム類、ポリオレフィン、タンパク質、ポリエステル、ろう、ビニルポリマー、ゼラチン、ゼイン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ビニルポリマーの具体例としては、ポリエチレン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカン酸、エチルセルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、ポリエチレングリコールエステル、メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル、アクリルポリマー及び共重合体、カルボキシビニルポリマー、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。より具体的には、封入材料としては、ポリ酢酸ビニル、アラビアガム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0054】
実施形態において、引張強度調整剤を含んでいる場合、その量は、デリバリーシステムの引張強度が少なくとも448.2bar(6,500psi)、517.2bar(7500psi)、689.5bar(10,000psi)、1379bar(20,000)、2069bar(30,000)、2758bar(40,000)、3448bar(50,000)、4137bar(60,000)、4827bar(70,000)、5516bar(80,000)、6206bar(90,000)、6895bar(100,000)、8619bar(125,000)、9309bar(135,000)、10340bar(150,000)、11380bar(165,000)、12070bar(175,000)、12410bar(180,000)、13450bar(195,000)、13790bar(200,000)、及びこれらの全範囲、及びこれらの間の部分的な範囲、例えば448.2〜13790bar(6,500〜200,000psi)等の値とするのに適当な量である。
【0055】
引張強度調整剤の例としては、脂質(水素化又は非水素化植物油、獣脂等)、ろう(微結晶性ろう、蜜ろう等)、可塑剤/乳化剤(鉱物油、脂肪酸、モノ及びジグリセリド、トリアセチン、グリセリン、アセチル化モノグリセリド、グリセロールロジンモノステアレートエステル等)、低分子量及び高分子量ポリマー(ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリイソブチレン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル等)等、及びこれらの組み合わせが挙げられる。可塑剤は、柔軟剤とも呼ばれる場合がある。
【0056】
引張強度調整剤を用いることにより、食用組成物から、標準との比較に基づき、対応する所望の放出速度を得るために予め選択された引張強度が得られるように、デリバリーシステムの全引張強度を調整又は変更することができる。
【0057】
食用組成物中の成分は、消費者が食用組成物を消費する際に放出プロファイルを有する。ある実施形態において、成分は、咀嚼による物理的作用及び/又は化学的作用、又は他の成分若しくは唾液若しくは消費者の口腔内の他の物質との反応によって放出される場合がある。成分の放出プロファイルは、消費者の口腔内の受容体(味覚受容体等)、粘膜、歯等と消費者の口腔内で相互作用する成分の利用度の指標となる。食用組成物は、異なる成分に対して同一の、或いは異なる放出プロファイルを有していてもよい。ある実施形態において、成分のうち限られた種類(例えば、1種類又は2種類)のものの放出プロファイルのみが最重要となる。
【0058】
食用組成物中の成分の放出プロファイルは、例えば、咀嚼速度、咀嚼強度、成分の量、食用組成物への成分の添加形態(デリバリーシステム中への封入、未封入、前処理済み等)、食用組成物の混合法又は他の処理法、食用組成物の他の成分への成分の添加の時期又は方法、食用組成物中の1種類以上の他の成分に対する成分の比率、食用組成物に含まれるデリバリーシステム中における1種類以上の他の成分に対する成分の比率等の多くの要因に影響を受ける。
【0059】
ある実施形態において、成分の放出プロファイルは、特定の時間帯と関連していてもよい。例えば、デリバリーシステムからの成分の放出は、第1の時間帯の間に増大し、最高値に到達後、第2の時間帯の間に減少してもよい。このように、ある実施形態において、成分の放出プロファイルが、それぞれ関連した放出速度(既知であってもなくてもよく、測定可能であってもなくてもよい)を有する1つ以上の時間帯を含んでいてもよい。各時間帯は同じ長さの時間であってもよく、異なる長さの時間であってもよい。第1の時間帯は、その間、成分について、一定の又は変動する放出速度、及び第1の時間帯にわたる平均放出速度を有していてもよい。同様に、第2の時間帯は、その間、成分について、一定の又は変動する放出速度、及び第2の時間帯にわたる平均放出速度を有していてもよい。ある実施形態において、食用組成物中の成分の放出プロファイルは、単一の時間帯のみを含み、又は単一の時点と関連していてもよく、通常、いずれの場合も、食用組成物の消費が開始された時点と関連している。他の実施形態において、放出プロファイルは、2つ以上の時間領域と関連し、及び/又は2つ以上の時点と関連していてもよく、通常、いずれの場合も、食品の消費が開始された時点と関連している。
【0060】
ある実施形態において、放出プロファイルは、放出プロファイルの他の側面が定義も選択もされておらず、さらには知られていない場合であっても、1つ以上の要因又は特性によって定義され又は特徴づけられていてもよい。このように、ある実施形態において、成分の放出プロファイルは単一の特徴のみを含んでいてもよい。時間帯における成分の放出速度、成分を含む食用組成物が消費されている間、成分の放出量が最小、平均値、又は最大となる特定の時間帯(成分のうちいくつかがその特定の時間の前後に放出される場合や、時間帯における放出速度が特定されず、或いは変動する場合も含まれる)、その時間が経過後に、成分の放出量が最小、平均値、又は最大となる特定の時間(成分のうちいくつかがその特定の時間の経過前に放出される場合や、放出速度が特定される場合又は特定されない場合も含まれる)等のうち1つ以上を含んでいてもよい。
【0061】
ある実施形態において、1つ以上の成分の放出プロファイルの管理方法としては、時間帯の開始時間及び終了時間の変更若しくは他の方法による管理、時間帯の長さの変更若しくは他の方法による管理、及び/又はある時間帯の間の放出速度の変更若しくは他の方法による管理が挙げられる。例えば、放出プロファイルの管理が、ある時間帯の間の放出速度の変更又は管理を含んでいてもよい。第1及び第2の時間帯の間の放出速度を増大させることにより、第1及び第2の時間帯の間に、より大きな速度で、又は早期に成分を放出させることができる。同様に、第1及び第2の時間帯の間の放出速度を減少させることにより、第1及び第2の時間帯の間に、より小さな速度で、又はより遅れて成分を放出させることができる。他の例として、放出プロファイルの管理は、放出プロファイルにおける時間帯の開始時間及び終了時間をシフトさせるが、各時間帯の長さは同一に保ち、且つ各時間帯における放出速度を同一に保つという形態(例えば、大部分の成分の放出を、例えば、1分、5分、10分、30分遅らせることにより、成分の放出を管理する)で行ってもよい。第3の例として、放出プロファイルの管理は、1つ以上の時間帯の開始又は終了をシフトさせること、及び1つ以上の時間帯における放出速度を変更することを含んでいてもよい。
【0062】
ある実施形態において、食用組成物中の成分の放出を遅らせることは、食品の消費が開始された後、大部分の成分が放出され、又は使用可能になるまでの時間を遅らせること、及び/又は食用組成物の消費が開始された後、ある時点、ある時間経過後、又は希望時間帯において、所望量の、大部分の、又は最小量の成分が放出され又は利用可能にすることを含んでいる。ある実施形態において、ある時点の前、又は希望時間帯の前若しくは後には、成分がまったく放出されず、若しくは利用できない。他の実施形態において、ある時点の前、又は希望時間帯の前若しくは後には、いくつかの成分が放出され、若しくは利用できる。
【0063】
ある実施形態において、望ましい放出プロファイルの決定又は選択は、上述のような望ましい放出プロファイルに関する1つ以上の要因及び特性を決定又は選択することを含んでいてもよい。その際、要因及び特性は、放出プロファイルの他或いは全ての態様が決定又は選択されていない場合でも、放出プロファイルを決定又は選択する役割を果たす。したがって、成分の放出プロファイルの決定又は選択には、成分の放出に関する唯一の特性のみが決定又は選択された状況が含まれうる。ある実施形態において、例えば、化学試験及び/又は物理試験及び分析、消費者試験、記述試験若しくは専門家による味覚試験若しくはパネルによる咀嚼試験、他のインビボ(in vivo)若しくはインビトロ(in vitro)試験等によって特性を決定又は測定できる。
【0064】
ガム組成物は、ガムベースの一部として1種類以上のエラストマーを含んでいてもよい。ガムベースに用いられるエラストマー(ガム類)は、所望のガムベースのタイプ、所望のガム組成物の粘稠度、及び最終的なチューインガム製品を作るために組成物に用いられる他の成分等の様々な要因に応じて大幅に変更される。エラストマーは、当技術分野で知られている任意の水不溶性ポリマーであってもよく、チューインガム及び風船ガムに利用されるようなガムポリマーが挙げられる。ガムベースに好適なポリマーとして、天然及び合成エラストマーの双方が挙げられる。例えば、ガムベース組成物において好適なポリマーとしては、特に限定されないが、チクル、天然ガム、クラウンガム、ニスペロ、ロシン、ジェルトン、ペリッロ、ニガーグッタ、ツヌー、バラタ、ガッタパーチャ、レッチキャプシ、ソルバ、ガッタケイ等、及びこれらの組み合わせといった天然物質(植物由来)が挙げられる。合成エラストマーの例としては、特に限定されないが、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレン共重合体、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル等、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0065】
さらに有用なポリマーとしては、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸メチル、乳酸の共重合体、ポリヒドロキシアルカノエート、可塑化エチルセルロース、ポリビニル酢酸フタル及びその組み合わせが挙げられる。
【0066】
ガムベースに用いるエラストマーの量は、用いるガムベースのタイプ、所望のガム組成物の粘稠度、及び最終的なチューインガム製品を作るために組成物に用いられる他の成分等の様々な要因に応じて変動してもよい。一般に、ガムベース中のエラストマーの含有量は、ガム組成物に対して、約10質量%〜約60質量%である。
【0067】
ある実施形態において、ガムベースは1種類以上のろうを含んでいてもよい。ろうは、ポリマーエラストマー混合物を軟化させ、ガムベースの弾力性を向上させる。ろうが存在する場合、使用するろうの融点は、一般に約60℃以下、好ましくは約45℃〜約55℃である。低融点のろうは、パラフィンろうであってもよい。ガムベースに対して、約6質量%〜約10質量%、具体的には約7質量%〜約9.5質量%のろうを含有してもよい。
【0068】
低融点ろうに加えて、ガムベースに対して約5質量%以下の高融点を有するろうをガムベースに用いてもよい。かかる高融点ろうとしては、蜜ろう、植物ろう、カンデリラろう、カルナバろう等、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0069】
上記の成分に加えて、ガムベースは、エラストマー溶剤、乳化剤、可塑剤、増量剤、及びそれらの混合物から選択される成分等、種々の他の成分を含有してもよい。
【0070】
ガムベースは、エラストマー成分の軟化を補助するエラストマー溶剤を含有してもよい。かかるエラストマー溶剤としては、当技術分野で公知のエラストマー溶剤、例えば、α−ピネンポリマー又はβ−ピネンポリマー等のテルピネン樹脂、ロジンのメチルエステル、グリセロールエステル及びペンタエリスリトールエステル、並びに水添、二量化及び重合ロジン等の修飾ロジン及びガム類、並びにそれらの混合物が挙げられる。本明細書での使用に好適なエラストマー溶剤の例としては、部分水添のウッド及びガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッド及びガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッドロジンのグリセロールエステル、部分二量化のウッド及びガムロジンのグリセロールエステル、重合のウッド及びガムロジンのグリセロールエステル、トールオイルロジンのグリセロールエステル、ウッド及びガムロジンのグリセロールエステル、部分水添のウッド及びガムロジン、ウッド及びロジンの部分水添メチルエステル等、及びこれらの混合物が挙げられる。ガムベースに対して、約2質量%〜約15質量%、具体的には約7質量%〜約11質量%のエラストマー溶剤を用いてもよい。
【0071】
ガムベースは、均一の安定した状態への非混和成分の分散を補助する乳化剤を含有してもよい。この発明において有用な乳化剤は、グリセリルモノステアレート、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、プロピレングリコールモノステアレート等、及びこれらの混合物が挙げられる。ガムベースに対して、約2質量%〜約15質量%、具体的には約7質量%〜約11質量の乳化剤を用いてもよい。
【0072】
ガムベースは、様々な所望の食感と粘稠特性をもたらすように、可塑剤又は軟化剤を含有してもよい。可塑剤及び軟化剤は低分子量であるため、ガムベースの基本構造に入り込むことができ、ガムベースを可塑且つ低粘度にさせる。有用な可塑剤及び軟化剤としては、ラノリン、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、グリセリルトリアセテート、グリセリルレシチン、グリセリルモノステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、アセチル化モノグリセリド、グリセリン等、及びこれらの混合物が挙げられる。ろう、例えば、ポリウレタンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、微結晶性ワックス、脂肪ワックス、ソルビタンモノステアレート、獣脂、プロピレングリコール、これらの混合物等といった天然、合成ろう、水添植物油、石油ろうも、ガムベース中に配合してもよい。ガムベースに対して、一般的に約20質量%以下、より具体的には約9質量%〜約17質量%の可塑剤及び軟化剤をガムベースに用いる。
【0073】
可塑剤としては、大豆油及び綿実油等の水添植物油も挙げられ、単体又は組み合わせて用いてもよい。これらの可塑剤により、ガムベースに良好な食感及び柔らかい噛感特性がもたらされる。一般にガムベースに対して、約5質量%〜約14質量%、より好ましくは約5質量%〜約13.5質量%の、これらの可塑剤及び軟化剤を用いてもよい。
【0074】
市販の米国薬局方(USP)等級等の無水グリセリンも軟化剤として用いてもよい。グリセリンは、甘く好ましい味のシロップのような液体であり、甘蔗糖の約60%の甘みを有する。グリセリンは吸湿性を有するため、チューインガム組成物の調製の間、無水グリセリンを無水条件に維持してもよい。
【0075】
ある実施形態において、この発明のガムベースは、増量剤及び食感向上剤として作用しうる無機質アジュバント等のバルク剤も有効量含有してもよい。有用な無機質アジュバントとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム等、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの増量剤又はアジュバントは、種々の量でガムベースに用いてもよい。増量剤の含有量は、ガムベースに対して、約0質量%〜約40質量%、より具体的には約0質量%〜約30質量%であってもよい。ある実施形態において、増量剤の含有量は、約0質量%〜約15質量%、より具体的には約3質量%〜約11質量%である。
【0076】
着色剤、抗酸化剤、保存剤、着香剤等の種々の慣用の添加剤を有効量、任意にガムベースに配合してもよい。例えば、F. D. & C.染料として知られている、食品、薬品、及び化粧品用途に好適な二酸化チタニウム及び他の染料を用いてもよい。ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、及びこれらの混合物等の抗酸化剤を含有してもよい。チューインガム技術の当業者に公知の、他の従来からあるチューインガム添加物をガムベースに用いてもよい。
【0077】
ガム組成物からの香味の放出を持続させる方法も提供される。この方法は、ガムベース、香味料、及び封入されていてもされていなくてもよく、場合によっては7以上のHLBを有する界面活性剤を含有するガム組成物を調製する工程を含んでいる。ガム組成物は、ガムからの香味の放出を調節し、且つ/又は制御する。具体的には、ガム組成物により香味の放出が増大する。ある実施形態において、最初に香味のバースト又はスパイクが起こり、次いで長時間にわたり香味レベルの強さが持続するように、1種類以上の界面活性剤を存在させることによって香味の放出を制御することができる。封入材料、界面活性剤、及びHLB値の種々の組み合わせを用いて、放出プロファイルを調整することができる。望ましくは、これらの変数を選択することで、咀嚼の間に放出される香味の量を最大にし、使用者により強い香味を知覚させる。本発明を適用したチューインガム組成物は、香味を失うことなく長時間噛み続けることができるため、より長時間楽しむことができ、長期間にわたって持続する品質の製品を知覚することができる。
【0078】
上述のように、界面活性剤は、遊離の状態でもよく、封入された状態であってもよい。1つの実施形態において、界面活性剤は、封入された状態であり、場合によっては7以上のHLBを有していてもよい。遊離の界面活性剤を封入された界面活性剤と混合してもよい。かかる実施形態において、遊離の界面活性剤が短期間での香味料の急激な放出をもたらし、封入された界面活性剤が、長期間にわたる香味の知覚をもたらしてもよい。このように、本発明では、種々の方法によって香味を知覚する強さ及び期間を調節することができる。
【0079】
ある実施形態において、封入された界面活性剤を含んでいる。封入は、押出及びスプレーコーティング法のいずれによって行ってもよい。許容される封入材料のいくつかは、上述のとおりである。
【0080】
ガム組成物からの香味の放出を増大させる方法は、ガムベース及び香味料を有するガム組成物を準備する工程と、ガム組成物を咀嚼に供する工程とを含む方法によっても提供される。次いで、咀嚼の間に界面活性剤をガム組成物に加える。後で加えられる界面活性剤は、封入された状態であってもよい。
【0081】
咀嚼の間に、界面活性剤をガム組成物に追加する効果を、図2に示す。ガム組成物に対して0.02質量%のPolysorbate 80を、7分間かけてガム組成物に加えた。香味の強さを、最も低い1から最も高い10までの1〜10のスケールで測定した。界面活性剤を加える前は、香味の強さは4であったが、界面活性剤を加えて2分後には、香味の強さは、7〜8になり、これは、初期の香味の強さに近い値であった。
【0082】
これらの方法の組み合わせは、封入された界面活性剤以外に、遊離の界面活性剤を含有するガム組成物を調製する工程を含んでいる。このガム組成物では、ガムから放出される界面活性剤の量が増大すると共に、長期間にわたって放出される。
【0083】
本発明の特徴及び利点は、説明のために示され、いかなる意味においても本発明を制限するものではない、以下の実施例により、さらに詳細に説明される。
【実施例】
【0084】
実施例A−H表1
【表1】

ガムベースは、例えば、タルク、リン酸二カルシウム、及び炭酸カルシウム等の増量剤を3〜25質量%含有してもよい(ガムベース中に含まれる増量剤の量は、ガム部分の組成物に対する質量%に基づいており、例えば、上記の組成物A〜Hにおいて、ガム部分の組成物が5%の増量剤を含有している場合、ガムベースの量は、上記の表に列挙した範囲より5%少ない(23〜37%))。界面活性剤の割合は、界面活性剤及び封入材料の全質量に対する。高甘味度甘味料は、封入されているものと封入されていていないものを共に含有してもよい。
【0085】
実施例A〜Hの組成物は、表1に示した成分を用いて、まず、約85℃に加熱した状態で、ガムベースと増量剤とを混合することにより調製した。次いで、この混合物を、膨張剤、レシチン、及びグリセリンと、約5分間混合した。予め香味料を混合した香味料ブレンド、清涼剤、及び界面活性剤を加えて、1分間混合した。最後に、高甘味度甘味料を加え、5分間混合した。
【0086】
組成物A〜Hはそれぞれ、HLBが7以上の界面活性剤を含まない組成物に比べて、ガム組成物から放出される香味の量が全体的に増大した。さらに、封入された界面活性剤を含有する組成物Hは、長時間にわたって香味を放出した。
【0087】
実施例I〜P
【表2】

ガムベースは、例えば、タルク、リン酸二カルシウム、及び炭酸カルシウム等の増量剤を3〜25質量%含有してもよい(ガムベース中に含まれる増量剤の量は、ガム部分の組成物に対する質量%に基づいており、例えば、上記の組成物I−Pにおいて、ガム部分の組成物が5%の増量剤を含有している場合、ガムベースの量は、上記の表に列挙した範囲より5%少ない(23〜37%))。界面活性剤の割合は、界面活性剤及び封入材料の全質量に対する。高甘味度甘味料は、封入されているものと封入されていていないものを共に含有してもよい。
【0088】
実施例I〜Pの組成物は、表2に示した成分を用いて、まず、約85℃に加熱した状態で、ガムベースと増量剤とを混合することにより調製した。次いで、この混合物を、膨張剤、レシチン、及びグリセリンと、約5分間混合した。予め香味料を混合した香味料ブレンド、清涼剤、及び界面活性剤を加えて、1分間混合した。最後に、高甘味度甘味料を加え、5分間混合した。
【0089】
組成物I〜Pはそれぞれ、HLBが7以上の界面活性剤を含まない組成物に比べて、ガム組成物から放出される香味の量が全体的に増大した。さらに、封入された界面活性剤を含有する組成物I、J、K,及びPは、長時間にわたって香味を放出した。
【0090】
図1は、組成物の咀嚼時間に対する、メントールを含有するガム組成物からのメントールの放出時間の比較を示す。比較した3つの組成物は、界面活性剤を含有しない対照群、0.5%の遊離の(封入されていない)界面活性剤を含有する比較群、及び4質量%の封入された界面活性剤を含有する比較群である。界面活性剤を含む組成物は、特に噛みはじめの5分間に、非常に高いメントールの放出速度を示した。
【0091】
本発明の好ましい実施形態であると現在考えられるものについて説明したが、本発明の技術的思想の範囲で変更や修正をなしうることを当業者は認識するであろうし、本発明の真の範囲に属する全ての変更及び修正を包含することが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0092】
以下の図面は、本発明の実施形態を説明するためのものであり、本出願の一部をなす特許請求の範囲の及ぶ発明の範囲を限定するものではない。
【0093】
【図1】対照組成物を、HLB10.5の界面活性剤であるポリソルベート65を含有する本発明の2つのガム組成物と比較した、咀嚼時間1分間あたりの香味料の放出量を示すグラフである。
【図2】感じられる香味の強さに及ぼす界面活性剤添加の効果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)油水エマルジョンを形成するために十分なHLBを有する少なくとも1種類の界面活性剤を含有するコア材料と、(b)セルロース、セルロース誘導体、デンプン、炭水化物、ガム、ポリオレフィン、蛋白質、ポリエステル、ろう、ビニルポリマー、ゼラチン、ゼイン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含有し、且つコアを封入する外部コーティングとを含有する、封入された組成物。
【請求項2】
前記界面活性剤は約7以上のHLBを有する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤は約15以下のHLBを有する請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記コア材料は風味油を含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記コア材料は有効成分をさらに含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記有効成分は、甘味料、香味料、知覚剤、息清涼剤、薬剤又は薬理有効成分、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、充血除去剤、制酸剤、ビタミン、栄養補助食品、息清涼剤、カフェイン、ニコチン及びそれらの組み合わせからなる群より選択される請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
前記界面活性剤は、ポリグリセロールエステル、セテアレス−20、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンラウレート、ポリグリセリルラウレート、グリセリルココエート、アカシアガム、アセチル化モノグリセリド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記外部コーティングは、ポリエチレン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカン酸、エチルセルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、ポリエチレングリコールエステル、メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル、アクリルポリマー及び共重合体、カルボキシビニルポリマー、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーを含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
さらに引張強度調整剤を含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも1種類の有効成分と、7以上のHLBを有する少なくとも1種類の界面活性剤とを含有するデリバリー組成物。
【請求項11】
前記界面活性剤は約15以下のHLBを有する請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1種類の有効成分及び少なくとも1種類の界面活性剤は、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、炭水化物、ガム、ポリオレフィン、蛋白質、ポリエステル、ろう、ビニルポリマー、ゼラチン、ゼイン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される成分を含有する封入組成物中に封入された請求項8に記載の組成物。
【請求項13】
前記界面活性剤は、ポリグリセロールエステル、セテアレス−20、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンラウレート、グリセリルココエート、アカシアガム、アセチル化モノグリセリド、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される請求項8に記載の組成物。
【請求項14】
前記封入組成物は、ポリエチレン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカン酸、エチルセルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、ポリエチレングリコールエステル、メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル、アクリルポリマー及び共重合体、カルボキシビニルポリマー、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーを含有する請求項8に記載の組成物。
【請求項15】
前記有効成分は、甘味料、香味料、息清涼剤、知覚剤、薬剤又は薬理有効成分、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、充血除去剤、制酸剤、ビタミン、栄養補助食品、息清涼剤、カフェイン、ニコチン及びそれらの組み合わせからなる群より選択される請求項8に記載の組成物。
【請求項16】
(a)担体マトリックスと、(b)(i)少なくとも1種類の香味料、及び(ii)約7以上のHLBを有する少なくとも1種類の界面活性剤を含有する組成物と、を含有する食用組成物。
【請求項17】
前記担体マトリックスは咀嚼可能である請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
前記担体マトリックスは咀嚼不能である請求項14に記載の組成物。
【請求項19】
前記担体マトリックスは水溶性である請求項14に記載の組成物。
【請求項20】
前記担体マトリックスは非水溶性である請求項14に記載の組成物。
【請求項21】
前記担体マトリックスは、ガム組成物、ハードキャンディー組成物、タフィー組成物、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される請求項14に記載の組成物。
【請求項22】
前記ガム組成物はガムベースを含有する請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
前記界面活性剤は、ポリグリセロールエステル、セテアレス−20、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンラウレート、ポリグリセリルラウレート、グリセリルココエート、アカシアガム、アセチル化モノグリセリド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される請求項14に記載の組成物。
【請求項24】
前記界面活性剤は封入材料で封入されている請求項14に記載の組成物。
【請求項25】
前記封入材料は、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、炭水化物、ガム、ポリオレフィン、蛋白質、ポリエステル、ろう、ビニルポリマー、ゼラチン、ゼイン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される請求項21に記載の組成物。
【請求項26】
さらに引張強度調整剤を含有する請求項22に記載の組成物。
【請求項27】
前記引張強度調整剤は、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、炭水化物、ガム、ポリオレフィン、蛋白質、ポリエステル、ろう、ビニルポリマー、ゼラチン、ゼイン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される請求項23に記載の組成物。
【請求項28】
前記引張強度調整剤は、前記封入材料とは異なり、且つ、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、炭水化物、ガム、ポリオレフィン、ポリエステル、ろう、ビニルポリマー、ゼラチン、ゼイン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される成分を含有する請求項23に記載の組成物。
【請求項29】
(a)ガムベースと、(b)少なくとも1種類の香味料と、(c)HLBが約7以上の少なくとも1種類の界面活性剤と、を含有する組成物。
【請求項30】
前記界面活性剤は封入されている請求項25に記載の組成物。
【請求項31】
前記界面活性剤は、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、炭水化物、ガム、ポリオレフィン、ポリエステル、ろう、ビニルポリマー、ゼラチン、ゼイン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される封入材料で封入されている請求項25に記載の組成物。
【請求項32】
前記封入材料はポリ酢酸ビニルである請求項27に記載の組成物。
【請求項33】
前記界面活性剤は前記香味料と組み合わされている請求項26に記載の組成物。
【請求項34】
前記界面活性剤の含有量は、前記組成物の約0.01質量%〜約5質量%である請求項25に記載の組成物。
【請求項35】
前記界面活性剤は、ポリグリセロールエステル、セテアレス−20、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンラウレート、ポリグリセリルラウレート、グリセリルココエート、アカシアガム、アセチル化モノグリセリド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される請求項25に記載の組成物。
【請求項36】
甘味料、香味料、息清涼剤、知覚剤、薬剤又は薬理有効成分、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、充血除去剤、制酸剤、ビタミン、栄養補助食品、息清涼剤、カフェイン、ニコチン及びそれらの組み合わせからなる群より選択される有効成分をさらに含有する請求項31に記載の組成物。
【請求項37】
(a)咀嚼可能なマトリックスと、(b)少なくとも1種類の香味料と、(c)封入された界面活性剤の粒子と、を含有する組成物。
【請求項38】
(a)ガムベースと、(b)少なくとも1種類の香味料と、(c)封入された界面活性剤の粒子と、を含有する組成物。
【請求項39】
前記封入された界面活性剤は、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、炭水化物、ガム、ポリオレフィン、ポリエステル、ろう、ビニルポリマー、ゼラチン、ゼイン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される封入材料を含有する請求項32に記載の組成物。
【請求項40】
引張強度調整剤をさらに含有する請求項33に記載の組成物。
【請求項41】
前記封入された界面活性剤の粒子は、香味料をさらに含有する請求項32に記載の組成物。
【請求項42】
前記封入された界面活性剤の粒子は、ポリエチレン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカン酸、エチルセルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、ポリエチレングリコールエステル、メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル、アクリルポリマー及び共重合体、カルボキシビニルポリマー、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーを含有する請求項33に記載の組成物。
【請求項43】
前記封入された界面活性剤の粒子の含有量は、前記組成物の約0.01質量%〜約5質量%である請求項32に記載の組成物。
【請求項44】
前記封入された界面活性剤の粒子は、前記封入された界面活性剤の粒子の約2質量%〜約30質量%の界面活性剤を含有する請求項32に記載の組成物。
【請求項45】
ガム組成物からの香味の放出を持続させる方法であって、ガムベースと、少なくとも1種類の香味料と、約7以上のHLBを有する界面活性剤と、を含有するガム組成物を準備する工程を含む方法。
【請求項46】
前記界面活性剤は封入されている請求項39に記載の方法。
【請求項47】
前記界面活性剤はポリマーによって封入されている請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記ポリマーは、ポリエチレン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカン酸、エチルセルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、ポリエチレングリコールエステル、メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル、アクリルポリマー及び共重合体、カルボキシビニルポリマー、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される請求項41に記載の方法。
【請求項49】
ガム組成物からの香味の放出を増大させる方法であって、(a)ガムベース及び香味料を含有するガム組成物を準備する工程と、(b)前記ガム組成物を咀嚼に供する工程と、(c)咀嚼の間に界面活性剤を前記ガム組成物に加える工程と、を含む方法。
【請求項50】
前記界面活性剤は封入された界面活性剤を含有する請求項43に記載の方法。
【請求項51】
前記封入された界面活性剤はさらに香味料を含有する請求項44に記載の方法。
【請求項52】
咀嚼可能な組成物における香味の放出を持続させる方法であって、(a)咀嚼可能なマトリックスを準備する工程と、(b)前記マトリックスに香味料及び封入された界面活性剤の粒子を混合する工程と、を含む方法。
【請求項53】
前記封入された界面活性剤の粒子は、ポリグリセロールエステル、セテアレス−20、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンラウレート、ポリグリセリルラウレート、グリセリルココエート、アカシアガム、アセチル化モノグリセリド、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される界面活性剤を含有する請求項46に記載の方法。
【請求項54】
前記封入された界面活性剤の粒子は、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、炭水化物、ガム、ポリオレフィン、ポリエステル、ろう、ビニルポリマー、ゼラチン、ゼイン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される封入材料を含有する請求項46に記載の方法。
【請求項55】
前記封入材料は、ポリエチレン、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカン酸、エチルセルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、ポリエチレングリコールエステル、メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル、アクリルポリマー及び共重合体、カルボキシビニルポリマー、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されるポリマーを含有する請求項48に記載の方法。
【請求項56】
前記咀嚼可能な組成物はさらに引張強度調整剤を含有する請求項48に記載の方法。
【請求項57】
ガム組成物における香味の放出を増大させる方法であって、(a)ガムベースを準備する工程と、(b)ガムベースに、少なくとも1種類の香味料及び少なくとも1種類の界面活性剤を含有する香味放出組成物を混合する工程と、を含み、前記香味放出組成物は界面活性剤を含まない同じ組成物と比較して香味の放出量の増大を示す方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−539762(P2008−539762A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511379(P2008−511379)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/018324
【国際公開番号】WO2006/127293
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(507265133)キャドバリー アダムス ユーエスエー エルエルシー (55)
【Fターム(参考)】