説明

香料透過性フィルムで液体香料組成物を封止してなる芳香具

【課題】香料透過性フィルムで液体香料組成物を封止してなり、当該香料透過性フィルムを介して当該液体香料組成物中の香料を揮散する芳香具であって、使用によって香料が揮散しても、外観形状を安定に保持でき、しかも残存する香料の量を目視にて容易に確認できる芳香具を提供する。
【解決手段】香料透過性フィルムを介して液体香料組成物中の香料を揮散させる芳香具において、当該液体香料組成物として、(A)香料、及び(B)25℃における蒸気圧が0.8〜20kPaであり、前記香料透過性フィルムに対する透過速度が25℃において1mg/day・cm2以下である液体成分を組み合わせて配合したものを採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料透過性フィルムで液体香料組成物を封止してなり、当該香料透過性フィルムを介して当該液体香料組成物中の香料を揮散する芳香具であって、使用時に香料が揮散しても、外観形状を安定に保持可能で、しかも残存する香料の量を目視にて容易に確認できる芳香具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体状の香料は漏出させないが、揮散した香料は透過させる香料透過性フィルムを用いて、香料を封止してなる芳香具が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような芳香具では、香料が香料透過性フィルムを介して外部に揮散するため、外部の温度や湿度等が香料の揮散速度に与える影響を軽減し、所望の芳香効果を持続的且つ安定に保つことができるという利点に加え、どの向きに置いても液体がこぼれないため、デザインの自由度が高いという利点もある。
【0003】
その反面、香料透過性フィルムで香料を封止している芳香具では、使用時の香料の揮散に伴って、当該芳香具における香料透過性フィルムの内部が陰圧になるという欠点がある。芳香具の香料透過性フィルムの内部が陰圧になれば、香料透過性フィルムが芳香具の内部に引っ張られた状態になって、残存する香料が香料透過性フィルムに張り付いてしまい、芳香具内の香料の残存量の視認性や外観が悪くなるという不具合が生じる。また、香料透過性フィルムが芳香具の内部に引っ張られることによって、芳香具自体が変形して、その形状が劣悪化するという問題を引き起こすこともある。
【0004】
今日、様々なタイプの芳香具が商品化されている中で、芳香具には、単に優れた芳香効果を奏することだけでなく、香料残存量を確認するためのインジケーター機能を備えていることや外観が良好であることも求められている。そのため、香料透過性フィルムで香料を封止している芳香具でも、香料の残存量を容易に確認でき、外観形状も安定に維持できることが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−219479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、香料透過性フィルムで液体香料組成物を封止してなり、当該香料透過性フィルムを介して当該液体香料組成物中の香料を揮散する芳香具であって、使用によって香料が揮散しても、外観形状を安定に保持でき、しかも残存する香料の量を目視にて容易に確認できる芳香具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意検討を行ったところ、香料透過性フィルムで液体香料組成物を封止してなり、当該香料透過性フィルムを介して当該液体香料組成物中の香料を揮散させる芳香具において、当該液体香料組成物として、(A)香料、及び(B)25℃における蒸気圧が0.8〜20kPaであり、前記香料透過性フィルムに対する透過速度が25℃において1mg/day・cm2以下である液体成分を組み合わせて配合したものを採用することによって、香料組成物の揮散速度にほとんど影響を与えることなく、香料が揮散しても芳香具内の香料収容部が陰圧にならず、使用によって香料が揮散しても、外観形状を安定に保持でき、しかも残存する香料の量を目視にて容易に確認可能になることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて更に改良を重ねることにより完成したものである。
【0008】
即ち、本発明は、下記に掲げる芳香具である:
項1. 香料透過性フィルムで液体香料組成物を封止してなり、当該香料透過性フィルムを介して当該液体香料組成物中の香料を揮散する芳香具であって、当該液体香料組成物が、(A)香料、及び(B)25℃における蒸気圧が0.8〜20kPaであり、当該香料透過性フィルムに対する透過速度が25℃において1mg/day・cm2以下である液体成分を含有するものである、ことを特徴とする芳香具
項2. 前記液体香料組成物の総量当たり、(B)液状成分を5〜99.9容量%の割合で
含有している、項1に記載の芳香具。
項3. (B)液状成分が、水及び/又は低級アルコールである、項1又は2に記載の芳香
具。
項4. 開口部を有する容器内に前記液体香料組成物が充填されており、当該開口部が前記香料透過性フィルムでシールされてなるものである、項1乃至3のいずれかに記載の芳香具。
項5. 前記香料透過性フィルムが、取り除き可能な香料非透過性フィルムで覆われた状態である、項1乃至4のいずれかに記載の芳香具。
項6. 脱着可能な支持体により支持されている、項1乃至5のいずれかに記載の芳香具。
【発明の効果】
【0009】
本発明の芳香具によれば、封入された香料が完全に揮散しても、香料透過性フィルムの内部が陰圧になるのを抑制でき、その外観形状を安定に保持することが可能となり、しかも残存する香料の量を目視にて容易に確認できる。
【0010】
また、従来、香料透過性フィルムで液体香料組成物を封止してなる芳香具では、封入された香料の揮散に伴って、芳香具内で香料組成物中の色素や紫外線吸収剤等が不可避的に析出し、外観が損なわれるという問題点があった。これに対して、本発明の芳香具によれば、上記のような従来の芳香具の問題点も解消されており、封入された香料が完全に揮散しても、揮散せずに芳香具内に残存した成分が析出等を起こすことがないため、良好な外観を保持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例において使用したプラスチック製容器の写真(底部から見た写真)である。
【図2】実施例において、芳香具内に残存する液体香料組成物の状態、及び芳香具の形状の評価する際に採用した判定基準の目安(代表例)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の芳香具は、後述する特定の液体香料組成物を香料透過性フィルムで封止してなり、当該香料透過性フィルムを介して当該液体香料組成物中の香料を揮散できるように構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
本明細書において、香料透過性フィルムとは、香料を透過させることができ、且つ、香料が当該フィルムを透過する透過速度が、当該フィルムを透過した香料が揮散する揮散速度以下である材質のフィルムである。このような香料透過性フィルムについては、例えば、国際公開第98/23304号パンフレット、特開平6-219479号公報、米国特許第5,518,790号
明細書等において開示されており、当該技術分野では公知である。当該香料透過性フィルムの構成素材については、特に制限されるものではないが、一例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート、紙及びこれらの混合物等が例示される。好ましい香料透過性フィルム素材として、リニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)が例示される。本発明の芳香具において、上記香料透過性
フィルムは、1種の素材からなる単層のフィルムであってもよく、また上記部材の同一又は異なる素材からなる2以上の層が積層されたフィルムであってもよい。
【0014】
上記香料透過性フィルムは、無色又は有色透明、或いは不透明のいずれであってもよい。例えば、当該香料透過性フィルムを通して芳香具内の香料組成物の残存量の視認を可能
にするには、当該香料透過性フィルムは無色又は有色透明にすればよい。
【0015】
上記の香料透過性フィルムの厚さについては、使用する香料透過性フィルム素材の種類や、使用する香料の種類等に応じて適宜設定すればよい。当該香料透過性フィルムの厚さの具体例として、例えば30〜150μm、好ましくは30〜70μmが挙げられる。
【0016】
本発明の芳香具において上記香料透過性フィルムが占める表面積(芳香具において香料の揮散が可能になっている部分の面積)は、該芳香具の形状や使用目的、封止する香料組成物の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、本発明の芳香具を室内空間用として使用する場合であれば、当該表面積は1〜150cm2程度、好ましくは5〜50cm2程度である。
【0017】
本発明の芳香具は、香料を揮散させる部分に上記香料透過性フィルムを配置することにより、液体香料組成物を封入した状態で保持していればよい。それ故、本発明の芳香具は、上記香料透過性フィルムを介して香料を揮散させることが可能であることを限度として、その形状や構造等については特に制限されるものではない。例えば、本発明の芳香具は、上記香料透過性フィルムのみによって液体香料組成物を包囲しているものであってもよく、また上記香料透過性フィルムと香料非透過性部材とを組み合わせて液体香料組成物を包囲しているものであってもよい。本明細書において、香料非透過性部材とは、液体状の香料だけでなく揮散した香料も透過させない(又は揮散した香料の透過を著しく抑制できる)部材のことである。このような香料非透過性部材については、例えば、ガラス、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン酢酸ビニルコポリマー、アルミニウム等を初めとして様々なタイプの部材が知られており、これらを適宜選択し使用できる。当該香料非透過性部材は、上記香料透過性フィルムと組み合わされて液体香料組成物を包囲できる限り、フィルム状、シート状、袋状、容器状等の様々な形態をとることができる。
【0018】
本発明の芳香具の好適な具体例として、開口部を有する香料非透過性の容器内に液体香料組成物が充填されており、当該開口部が前記香料透過性フィルムでシールされてなるものが挙げられる。より具体的な例として、5〜50cm2程度の面積の開口部を備え、且つ
最大で1〜100mL程度の液体香料組成物を充填できる香料非透過性容器に液体香料組成物が充填されており、当該開口部が上記香料透過性フィルムでシールされてなるものが挙げられる。
【0019】
更に、本発明の芳香具の他の好適な例として、香料透過性フィルムからなる袋の内部、又は香料透過性フィルム及び香料非透過性フィルムからなる袋の内部に、液体香料組成物が封入されてなるものが挙げられる。当該芳香具に使用される袋の具体例として、縦と横の長さが20〜100mmの領域内に納まる平面形状を有するものが例示される。なお、本明細書において、香料非透過性フィルムとは、液体状の香料だけでなく揮散した香料も透過させない(又は揮散した香料の透過を著しく抑制できる)材質のフィルムである。当該香料非透過性フィルム部材については、使用する香料の種類に応じて適宜選択されるが、一例として、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン酢酸ビニルコポリマー、アルミ箔、エチレン酢酸ビニルアルコール共重合体等が例示される。上記香料非透過性フィルムは、1種の部材からなる単層のフィルムであってもよく、また2種以上の層が積層されたフィルムであってもよい。
【0020】
また、本発明の芳香具は、使用前に、香料が揮散するのを防止するために、上記香料透過性フィルムの表面(外気と接触する面)を、取り除き可能な香料非透過性フィルムで覆っておくことが望ましい。香料非透過性フィルムについて、前述の通りである。
【0021】
なお、上記のように、取り除き可能な香料非透過性フィルムで覆わない場合には、本発明の芳香具は、使用前に香料が揮散するのを防止するために、香料非透過性部材からなる包装体に密閉した状態で収容しておくことが望ましい。
【0022】
更に、本発明の芳香具は、加圧等の外部からの刺激により破損されるように構成された香料非透過性フィルムで液体香料組成物が密封されてなり、且つ当該香料非透過性フィルムで密閉された液体香料組成物を更に香料透過性フィルムで封止してなるものであってもよい。このような態様の芳香具であれば、使用時に、香料透過性フィルムの外側から刺激を加えて、内部の香料非透過性フィルムを破損させることによって、香料透過性フィルムから香料を揮散させることが可能になる。
【0023】
本発明の芳香具において、内部に封入されている液体香料組成物は、香料透過性フィルムを透過して揮散可能である(A)香料を必須成分として含む。ここで、香料とは、揮散し
て芳香効果を奏する香料成分自体のことを意味し、香料組成物に一般的に使用される溶剤は含まないものとする。
【0024】
液体香料組成物に含まれる(A)香料は、香料透過性フィルムを透過して揮散可能である
限り、その種類については特に制限されるものではない。当該香料は、使用する香料透過性フィルムに応じて適宜選択すればよく、例えば、炭素数6〜12のアルデヒド(例えば、ヘキシルアルデヒド、デシルアルデヒド等)、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アルファダマスコン、アンブレットリッド、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、イソアミルアセテート、ブチルアセテート、エチルブチレート、アセチルユゲノール、イソアミルサリシレート、インドール、αイオノン、βイオノン、αメチルイオノン、βメチルイオノン、γメチルイオノン、インデン、エチルワニリン、オウランチオール、オークモスNo.1、オリボン、オキシフェニ
ロン、カリオフィレン、カシュメラン、カルボン、ガラキソリッド、キャロン、クマリン、パラクレジールメチルエーテル、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロゲラニールアセテート、コアボン、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、サンタリノール、メチルサリシレート、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、シンナミルアセテート、ジヒドロジャスモン、ジメトール、イソシクロシトラール、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、スチラリールアセテート、スチラリールプロピオネート、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、βダマスコン、ターピネオール(αターピネオール、γターピネオール)、ターピニルアセテート、チモール、デルタダマスコン、デルタC6〜C13ラクトン、トナリッド、トラセオライド、トリプラール、イソノニルアセテート、ネロール、ネリールアセテート、ネオベルガメート、ノピールアセテート、ノピールアルコール、バクダノール、ヒヤシンスジメチルアセタール、ヒドロトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネロール、ヒドロキシシトロネラール、αピネン、ブチルブチレート、パラターシャリーブチルシクロヘキサノール、パラターシャリーブチルシクロヘキシルアセテート、オルトターシャリーブチルシクロヘキサノール、ジフェニルオキサイド、フルイテート、フェンチールアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、イソブチルキノリン、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルアセテート、フェニルアセトアルデハイドジメチルアセタール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミールアセテート、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、ジメチルベンジルカービノール、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン
、シス−3−ヘキセノール、シス−3−ヘキセニールアセテート、シス−3−ヘキセニールサリシレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ペンタリッド、ベルドックス、オルトボルニルアセテート、イソボルニルアセテート、イソボルネオール、エンド−ボルネオール、マンザネート、マイヨール、ミューゲアルデヒド、ミラックアルデヒド、ジヒドロミルセノール、ジミルセトール、ムゴール、ムスクTM−II、ムスク781、ムスクC14、ムスクT、ムスクケトン、ムスクチベチン、ムスクモスケン、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メチルユゲノール、メントール、メチルフェニルアセテート、ユゲノール、イソユゲノール、メチルイソユゲノール、γC6〜13ラクトン(例えば、γノナラクトン、γデカラクトン等)、ライムオキサイド、メチルラベンダーケトン、ジヒドロリナロール、リグストラール、リリアール、リモネン、リナロール、リナロールオキサイド、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロリナリールアセテート、リナリルアセテート、リラール、ルバフラン、ローズフェノン、ローズオキサイド、ベンゾイン、ペルーバルサム、トルーバルサム、チュベローズ油、ムスクチンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバーグリスチンキ、ジヒドロターピニルアセテート、1,8-シネオール、7-アセチル-1,2,3,4,5,6,7,8,-オクタハイドロ-1,1,6,7-テトラメチルナフタレン、カンフル、4-アセトキシ-3-アミルテトラハイドロピラン、トリシクロデセニルアセテート、βナフチルメチルエステル、ベンゾフェノン、ベンジルベンゾエート、ジメチルヘプタノール、クミンアルデヒド、マイラックアルデヒド、クミンアルコール、メントン、チオメントン、シクロヘキシサリシレート、サンタリナアルコール、バニリン、エチルバニリン、ボルネオール、イソロンギフォラノン、バグダノール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール、2,4,6-トリメチル-2-フェニ
ル-1,3-ジオキサン、4,6,6,7,8,8,-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8,ヘキサハイドロシクロペ
ンタベンゾピラン、ジメチルベンジルアセテート、リリーアルデヒド、メチルジヒドロジャスモネート、ウンデカラクトンガンマ、ダマスコンアルファ、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、シクロガルバナム、ネロール、テープニルアセテート、シスー3−ヘキサノール、シスー3−ヘキシルアセテート、1,4−シネオール、α-ターピネン、p-サイメン、cis-オシメン、リメトール、トランス-β-オシメン、ターピノレン、2-ペンチロキシグリコール酸アリル、2-n-ペンチルシクロペンタノン、ベンジルブチレート、エチルアセテート、カプロン酸エチル、イソアミルブチレート、ペパーミント油、ペリラ油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、しょう脳油、芳油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、オークモス油、オコチア油、パチュリ油、タイム油、トンカ豆チンキ、テレピン油、ワニラ豆チンキ、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、シダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、アニス油、ベイ油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ヒバ油、桧油、ジャスミン油、ベチバー油、ベルガモット油、イランイラン油、グレープフルーツ油、ゆず油等の香料成分を1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用すればよい。これらの中でも、好ましくは、炭素数7〜12のアルデヒド、ヘキサノール、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、1,4−シネオール、α-ターピネン、p-サイメン、1,8シネオール、リモネン、cis-オシメン、リメトール、トランス-β-
オシメン、ターピノレン、2-ペンチロキシグリコール酸アリル、2-n-ペンチルシクロペンタノン、ベンジルブチレート、ゲラニルアセテート、シクラメンアルデヒド、エチルブチレート、スチラリールアセテート、コアボン、パラ-ターシャリー-ブチルシクロヘキシルアセテート、リナロール、ベンジルアセテート、シトロネリルニトリル、エチルアセテート、シス-3−へキセノール、ベンズアルデヒド、カプロン酸エチル、シス-3-ヘキセニー
ルアセテート、ベンジルアルコール、ジヒドロミルセノール、リナリルアセテート、イソアミルブチレート、ローズオキサイド、イソボルニルアセテート、オルト-ターシャリー-ブチルシクロヘキシルアセテートが挙げられる。これらの香料成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。本発明の芳香具において
、好適な香料の一例として、ヘキシルアセテートを含む香料が例示される。
【0025】
本発明に使用される(A)香料として、上記香料透過性フィルムに対する透過性を高める
という観点から、好ましくは、全香料成分総量あたりエステル系香料成分が10〜100重量%、更に好ましくは20〜100重量%程度含まれている香料が挙げられる
また、液体香料組成物に含まれる(A)香料は、優れた揮散性を備えさせるという観点か
ら、当該(A)香料の総量当たり、蒸気圧が4Pa以上の香料成分を5〜100重量%の割合
で含むものが好適である。
【0026】
本発明に使用される(A)香料の配合割合については、使用する香料の種類、芳香具に付
与する香気の強さ、後述する(B)液体成分の種類等に応じて異なり一律に規定することは
できないが、通常、当該液体香料組成物の総量当たり、(A)香料が0.1〜95容量%、
好ましくは15〜90容量%、更に好ましくは40〜90容量%となる割合が例示される。
【0027】
更に、本発明の芳香具内に封入されている液体香料組成物は、上記(A)香料に加えて、(B)25℃における蒸気圧が0.8〜20kPaであり、前記香料透過性フィルムに対する透過速度が25℃において1mg/day・cm2以下である液体成分(以下、単に「(B)液体成分
」と表記することもある)を含有する。
【0028】
当該(B)液体成分の蒸気圧としては、好ましくは2.5〜20kPaであり、更に好ましくは3.0〜8.0kPaである。
【0029】
なお、当該(B)液体成分の前記香料透過性フィルムに対する25℃における透過速度に
ついては、芳香具の形態毎に測定されるものであり、以下の方法に従って測定される。先ず、液体香料組成物の代わりに対象となる液体成分のみを封入する以外は、本発明の芳香具と同様に、香料透過性フィルムで液体成分のみを封止する。次いで、これを6〜240時間(当該時間は芳香具の大きさ等に基づいて適宜設定)、25℃、常圧(1atm)、相
対湿度40%の条件下で静置した後に、内部に封入され残存している液体成分の残存量を測定し、香料透過性フィルムの単位面積当たりの液体成分の揮散速度(mg/day・cm2)を算出する。
【0030】
当該(B)液体成分は、上記の蒸気圧と透過速度を充足するものである限り、その種類に
ついては特に限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール等の炭素数1〜5の低級アルコール等から適宜選択すればよい。これらの中でも、使用時に芳香具の香料透過性フィルムの内部が陰圧になるのを効果的に抑制するという観点から、好ましくは水(25℃の蒸気圧3.16kPa)及びエタノール(25℃の蒸気圧7.87kPa)が例示される。上記(B)液体
成分については、1種の成分を単独で使用しても、また2種以上の成分を組み合わせて使用してもよい。
【0031】
液体香料組成物に含まれる(B)液体成分の配合割合については、使用する(A)香料の種類、使用する(B)液体成分の種類等に応じて異なり一律に規定することはできないが、通常
、当該液体香料組成物の総量当たり、(B)液体成分が総量で5〜99.9容量%、好まし
くは10〜85容量%、更に好ましくは10〜60容量%となる割合が例示される。
【0032】
なお、本発明の芳香具内に封入されている液体香料組成物において、上記(A)香料と(B)液体成分は必ずしも溶解した状態である必要はなく、上記(A)香料と(B)液体成分の相溶性が低い場合には、両者が互いに分離した状態で存在していてもよい。つまり、本発明の芳香具では、従来の香料組成物では、香料と液体成分の相溶性が低い際に必要とされていた
界面活性剤を必ずしも配合しなくてもよいという利点がある。
【0033】
このように(A)香料と共に(B)液体成分を組み合わせて配合することによって、
香料が揮散しても、芳香具の香料透過性フィルムの内部が陰圧になるのを抑制して、芳香具の外観形状を安定に保持しつつ、しかも残存する香料の量を目視にて確認可能にすることが可能になる。
【0034】
また、本発明の芳香具内に封入されている液体香料組成物には、上記(B)液体成分を含
有することによって、(A)香料とは相溶性の低い添加剤であっても配合することができ、
当該芳香具に更なる付加価値を付与できるという利点もある。例えば、上記(B)液体成
分が水の場合、水溶性色素、水溶性消臭剤等を配合することが可能になり、香料組成物に所望の色調を備えさせたり、消臭効果を付与したりできる。また、香料組成物に紫外線吸収剤を配合すると、使用時に当該紫外線吸収剤が析出することがあるが、上記(B)液体
成分が低級アルコールの場合であれば、当該紫外線吸収剤を配合しても、その析出を効果的に抑制できるというメリットがある。
【0035】
上記水溶性色素としては、例えば、アゾ色素、キノン系色素、カロテノイド系色素、水溶性タール色素、ジアリール及びトリアリールメタン系色素、シアニン系色素、フタロシアニン、ナフタロシアニン、インジゴ系色素、縮合環系色素等が例示される。より具体的には、青色1号(C.I.42090)、青色2号(C.I.73015)、青色202号(C.I.42052)、青色203号(C.I.42052)、青色205号(C.I.42090)、赤色2号(C.I.16185)、赤色3号(C.I.45430)、赤色102号(C.I.16255)、赤色104号(C.I.45410)、赤色105号(C.I.45440)、赤色106号(C.I.45100)、赤色201号(C.I.15850)、赤色213号(C.I.45170)、赤色214号(C.I.45170)、赤色227号(C.I.17200)、赤色228号(C.I.12085)、赤色230号(C.I.45380)、赤色231号(C.I.45410)、赤色232号(C.I.45440)、赤色401号(C.I.45190)、赤色502号(C.I.16155)、赤色504号(C.I.14700)、赤色506号(C.I.15620)、黄色4号(C.I.19140)、黄色5号(C.I.15985)、黄色202号(C.I.45350)、黄色203号(C.I.47005)、黄色402号(C.I.18950)、黄色403号(C.I.10316)、黄色406号(C.I.13065)、黄色407号(C.I.18820)、緑色3号(C.I.42053)、緑色201号(C.I.61570)、緑色204号(C.I.59040)、緑色205号(C.I.42095)、緑色401号(C.I.10020)、緑色402号(C.I.42085)、だいだい色205号(C.I.15510)、だいだい色207号(C.I.45425)、だいだい色402号(C.I.14600)、かっ色201号(C.I.20170)、紫色401号(C.I.60730)、黒色401号(C.I.20470)等や、天然色素で水溶性であるフラビン系(リボフラビン等)、キノン系(ラッカイン酸、カルミン酸(コチュール)、ケルメス酸等)、ベタシアニン系(ベタニン等)、フラボノイド系(サフロールイエロー、シソニン、ルチン等)等が例示される。ただし、これらに限定されるものではない。液体香料組成物に水溶性色素を配合する場合、液体香料組成物総量当たりの該色素の配合割合は、0.00001〜10重量%の範囲内で適宜設定すればよい。
【0036】
また、上記水溶性消臭剤としては、具体的には、ベタイン系、アミン系、変性有機酸・変性有機酸塩系、脂肪酸塩系、ポリフェノール系、フラボノイド系等の化合物が例示される。ただし、これらに限定されるものではない。液体香料組成物に水溶性消臭剤を配合する場合、液体香料組成物総量当たりの該剤の配合割合は、0.00001〜10重量%の範囲内で適宜設定すればよい。
【0037】
また、上記紫外線吸収剤としては、具体的には、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の化合物が例示される。ただし、これらに限定されるものではない。液体香料組成物に紫外線吸収剤を配合する場合、液体香料組成物総量当たりの該剤の配合割合は、0.00001〜10重量%、好ましくは0.00001〜2重量%の範囲内で適宜設定すればよい。
【0038】
なお、本発明の芳香具内に封入されている液体香料組成物には、上記する成分に加え、本発明の効果を妨げない範囲で、他の添加剤を配合してもよい。
【0039】
また、本発明の芳香具の使用形態については、特に制限されず、例えば、該芳香具を取り外し可能な状態で支持できる支持体(該芳香具を脱着可能な支持体)を用いて、該芳香具を支持した状態で使用してもよい。
【実施例】
【0040】
以下、実施例等を挙げて、本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で使用した香料A〜Dは、ヘキシルアセテートが1重量%以上の割合で含まれている香料である。
【0041】
参考試験1 水及びエタノールの揮散速度の測定
図1に示す形状のプラスチック製容器(素材:ポリエステル/ポリエチレン/エチレンビニルアルコール共重合体/ポリエチレンからなる樹脂;形態:底部及び開口部の面積24cm2、高さ3.2mm、容量5.9mL)に水又はエタノールを5mL入れて、当該容器の開口部を複
合フィルム(表1に示す組成の香料透過性フィルムと香料非透過性フィルムが積層されている複合フィルム)で、香料非透過性フィルムが外側となるようにシールして密閉した。
【0042】
【表1】

【0043】
次いで、香料非透過性フィルムを剥がして、25℃、常圧(1atm)、相対湿度40%
の条件下で240時間静置した後、容器内に残存している水又はエタノールの残存量を測定した。測定した結果から、上記香料透過性フィルムに対する単位面積当たりの水又はエタノールの揮散速度(mg/day・cm2)を算出した。その結果、25℃において、上記香料透過性フィルムに対する水の揮散速度は、0.25mg/day・cm2であり、エタノールの揮散速度は0.92mg/day・cm2であった。
【0044】
実施例1−4
参考試験1で使用したプラスチック製容器に、表2に示す液体香料組成物を5mL入れて、当該容器の開口部を、上記参考試験1で使用した複合フィルムでシールして、芳香具を調製した。
【0045】
【表2】

【0046】
なお、実施例1−4及び比較例1で使用した香料A(アップル様香料)の組成は、表3
の通りである。
【0047】
【表3】

【0048】
斯くして製造した芳香具を25℃、相対湿度40%の環境下に置いて、香料非透過性フィルムを剥がし、35日間静置した。香料非透過性フィルムを剥がしてから、経時的に、以下の方法に従って、芳香具内に残存する液体香料組成物の状態、芳香具の形状、液体香料組成物の減少量を求めた。
【0049】
<芳香具内に残存する液体香料組成物の状態、及び芳香具の形状の評価>
目視にて、液体香料組成物の状態を確認し、以下の判定基準に従って、体香料組成物の状態を評価した。
判定基準
◎:35日後に、芳香具の全面において、香料透過性フィルムに香料組成物が張り付いておらず、残存量の確認を容易に行える。芳香具の形状が一切変化していない。(図2に示す代表例参照)
○:35日後に、芳香具の中心部分で、香料透過性フィルムに香料組成物が僅かに張り付いたような状態になっているが、残存量が確認できる。芳香具を横方向から観察すると、芳香具の変形はほとんど認められない。(図2に示す代表例参照)
△:35日後に、芳香具の中心部分及びそれ以外の部分においても、香料透過性フィルムに香料組成物が張り付いたような状態になっている。残存量が確認し難い。芳香具を横方向から観察すると、変形が認められる。(図2に示す代表例参照)
×:35日後に、芳香具の中心部分及びそれ以外の部分においても、香料透過性フィルムに香料組成物が強く張り付いたような状態になっている。残存量が確認し難い。芳香具を
横方向から観察すると、大きく変形していることが認められる。(図2に示す代表例参照)。
【0050】
<液体香料組成物の減少量の測定>
試験開始前の芳香具の重量から、13、21及び35日後の芳香具の重量を差し引くことにより、液体香料組成物の減量を求め、香料組成物の減少割合(%)を算出した。
【0051】
<評価結果>
得られた結果を表4に示す。この結果から、香料と共に、水(25℃における蒸気圧3.16kPa;使用した香料透過性フィルムに対する揮散速度0.25mg/day・cm2)又は
エタノール(25℃における蒸気圧7.87kPa;使用した香料透過性フィルムに対する
揮散速度0.94mg/day・cm2)を組み合わせて配合することによって、芳香具内に残存する液体香料組成物の状態、及び芳香具の形状がいずれも良好になることが確認された。一方、香料のみを含む香料組成物の場合には、芳香具の内部が陰圧になることにより、その形状が変形し、しかも香料組成物の残量を目視にて容易に確認できない状態になっていた。なお、香料組成物の減少率、即ち、香料の揮散速度は、エタノール又は水の有無による影響は殆ど認められなかった。また、実施例の芳香具では、使用開始35日後でも、残存する香料組成物中に析出物の生成は認められなかった。
【0052】
【表4】

【0053】
実施例5−8
香料B(スカッシュ様香料)を使用すること以外は、上記実施例1−4及び比較例1と
同様にして、芳香具を調製した。使用した香料組成物の組成は表5の通りであり、また、実施例5−8及び比較例2で使用した香料Bの組成は、表6の通りである。
【0054】
【表5】

【0055】
【表6】

【0056】
斯くして製造した芳香具を上記実施例1−4及び比較例1の場合と同様の方法で、芳香具内に残存する液体香料組成物の状態、芳香具の形状、液体香料組成物の減少量について評価した。結果を表7に示す。当該表から分かるように、香料Bを使用した場合でも、上
記実施例1−4及び比較例1と同様の結果となった。また、実施例1−4と同様に、実施例5−8の芳香具では、使用開始35日後でも、残存する香料組成物中に析出物の生成は認められなかった。
【0057】
【表7】

【0058】
実施例9−12
香料C(トロピカルフルーツ様香料)を使用すること以外は、上記実施例1−4及び比
較例1と同様にして、芳香具を調製した。使用した香料組成物の組成は表8の通りであり、また、実施例9−12及び比較例3で使用した香料Cの組成は、表9の通りである。
【0059】
【表8】

【0060】
【表9】

【0061】
斯くして製造した芳香具を上記実施例1−4及び比較例1の場合と同様の方法で、芳香具内に残存する液体香料組成物の状態、芳香具の形状、液体香料組成物の減少量について評価した。結果を表10に示す。当該表から分かるように、香料Cを使用した場合でも、
上記実施例1−4及び比較例1と同様の結果となった。また、実施例1−4と同様に、実施例9−12の芳香具では、使用開始35日後でも、残存する香料組成物中に析出物の生成は認められなかった。
【0062】
【表10】

【0063】
実施例13−16
香料D(トロピカルフルーツ様香料)を使用すること以外は、上記実施例1−4及び比
較例1と同様にして、芳香具を調製した。使用した香料組成物の組成は表11の通りであり、また、実施例13−16及び比較例4で使用した香料Dの組成は、表12の通りであ
る。
【0064】
【表11】

【0065】
【表12】

【0066】
斯くして製造した芳香具を上記実施例1−4及び比較例1の場合と同様の方法で、芳香具内に残存する液体香料組成物の状態、芳香具の形状、液体香料組成物の減少量について評価した。結果を表13に示す。当該表から分かるように、香料Dを使用した場合でも、
上記実施例1−4及び比較例1と同様の結果となった。また、実施例1−4と同様に、実施例13−16の芳香具では、使用開始35日後でも、残存する香料組成物中に析出物の生成は認められなかった。
【0067】
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料透過性フィルムで液体香料組成物を封止してなり、該香料透過性フィルムを介して該液体香料組成物中の香料を揮散する芳香具であって、
該液体香料組成物が、(A)香料、及び(B)25℃における蒸気圧が0.8〜20kPaであり、当該香料透過性フィルムに対する透過速度が25℃において1mg/day・cm2以下である液体成分を含有するものである、
ことを特徴とする芳香具。
【請求項2】
前記液体香料組成物の総量当たり、(B)液体成分を5〜99.9容量%の割合で含有し
ている、請求項1に記載の芳香具。
【請求項3】
(B)液体成分が、水及び/又は低級アルコールである、請求項1又は2に記載の芳香具

【請求項4】
開口部を有する容器内に前記液体香料組成物が充填されており、当該開口部が前記香料透過性フィルムでシールされてなるものである、請求項1乃至3のいずれかに記載の芳香具。
【請求項5】
前記香料透過性フィルムが、取り除き可能な香料非透過性フィルムで覆われた状態である、請求項1乃至4のいずれかに記載の芳香具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−210414(P2012−210414A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−115839(P2012−115839)
【出願日】平成24年5月21日(2012.5.21)
【分割の表示】特願2006−270138(P2006−270138)の分割
【原出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】