説明

駆動コンベア上で物体を仕分けするための装置

本発明は、単一の駆動コンベア(1)上で物体(6)をグループに仕分けするための装置に関する。コンベア(1)は、2つの端部ローラ(2,3)と、コンベア(1)の下側部分(5)に配置された少なくとも1つの偏向ローラ(7)とを有している。当該装置は、コンベア(1)の一方の端部ローラ(3)に配置された端部ストッパ(13)と、コンベア(1)に対して90°の角度で上下動するように配置されたストッパプレート(11)とを含んでいる。コンベア(1)は、端部ローラ(3)が下方に移動することによって、偏向点(15)から下方に倒れるように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一の駆動コンベア上で物体をグループに仕分けするための装置であって、コンベアは、2つの端部ローラを有しており、装置は、一方の端部ローラに配置された端部ストッパと、コンベアに対して90°の角度で上下動するように配置されたストッパプレートとを備えている前記装置に関する。
【0002】
また、本発明は、単一の駆動コンベア上で物体をグループに仕分けするための方法であって、物体がコンベアの一方の端部ローラに配置された端部ストッパに向かって前進し、その後に、ストッパプレートが、コンベアに対して下方に90°の角度で移動し、物体のグループを分離する前記方法に関する。
【背景技術】
【0003】
相違する物体を分配する際には、いわゆる分配単位を形成するように所定数量の物体をまとめることが望ましい場合がある。この分配単位は、異なる方法でまとめられている場合がある。例えば、まとめられた物体は、収縮フィルムによって包装されるか、又は紙、段ボール、若しくは一体に保持された他の手段によって包装される。また、食品用使い捨てパッケージ、特に小容量のパッケージの製造に関しては、これらパッケージを分配単位にまとめることが望ましいことがある。
【0004】
使い捨てパッケージは、ラミネート紙、代替的にはプラスチックから製造され、異なる形状とされる場合がある。一の典型的なパッケージ形状は平行六面体である。パッケージは、包装装置で連続的な材料ウェブから作られる。該包装装置では、材料ウェブが、製品チューブ(product tube)に形成され、製品がその製品チューブに充填され、その後に最終的に形成される包装容器を形成するように用いられる。完成した包装容器は、一般的には従来型のコンベアベルトで充填装置から排出される。
【0005】
例えば包装容器のような所定数量の物体をまとめる方法は、特別に設計された装置において、幾通りかの方法で分配単位に包装可能であることは言うに及ばず、多数存在する。最も一般的な方法は、1つ以上の列のパッケージを第1のコンベアから第2のコンベアに移送することである。この場合には、第2のコンベアが第1のコンベアよりも高速で運転するか、代替的には第1のコンベアが停止することによってパッケージのグループ間に間隙が形成される。
【0006】
上述の解決策に存在する1つの課題は、2つのコンベア間の移動である。この問題を解決する手段として、例えば小さな駆動ローラをコンベア間に配置し、これにより移動を容易にすることが挙げられる。小さな底面を有するパッケージと重心が高いパッケージとを除けば、この方法は、つまりや転倒することなく梱包パターンにおける所定位置にパッケージを配置可能とするには十分ではなかった。代替的には、移動プレートがコンベア間に配置されている場合があるが、梱包グループ間に区別するための間隙が得られないという点において、特定の梱包サイズにとって問題は解消されなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6152286号明細書
【特許文献2】米国特許第4148391号明細書
【特許文献3】米国特許第3830358号明細書
【特許文献4】米国特許第3700090号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、グループに仕分けする際に物体がバラバラになったり転倒することなく、コンベア上を前進する1列以上の物体をグループに仕分けする装置を実現することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、例えば光電管やこれに類するものの形態をした監視装置を利用せず正確且つ確実にグループに仕分けを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的及び他の目的は、コンベアがコンベア自身の下側部分に配置された少なくとも1つの偏向ローラとコンベアの上側部分に配置された偏向点とを有していること、及び一方の端部ローラは、コンベアの一部が偏向点から下方に傾斜するように移動可能に配置されていることという特異な特徴を従来技術で説明したタイプの装置に付与した本発明に基づいて得られるものである。
【0011】
これら目的及び他の目的は、グループに仕分けする際に端部ローラがコンベアの上側部分に配置された偏向点から下方に移動することによって、コンベアの一部が可能に傾斜するという特異な特徴を従来技術で説明したタイプの方法に付与した本発明に基づいて得られるものである。
【0012】
本発明の好ましい実施例は、従属請求項に記載の特機な特徴を有している。
【0013】
本発明の他の好ましい実施例については、添付図面を参照して以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明における装置を表わす。
【図2】本発明における装置の各段階の機能を概略的に表わす。
【図3】本発明における装置の各段階の機能を概略的に表わす。
【図4】本発明における装置の各段階の機能を概略的に表わす。
【図5】本発明における装置の各段階の機能を概略的に表わす。
【0015】
添付図面は、本発明の理解に不可欠な部分図及び詳細図を表わす。なお、物理的関係における本装置の配置については省略する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、1つの無端コンベア1を備えた装置を表わす。コンベア1が2つの端部ローラ2,3を有しているので、無端コンベア1には上側部分4及び下側部分5が形成されている。コンベア1の上側部分4では、グループに仕分けされるべき物体6が前進する。物体6は、装置全体を通じて一の同一のコンベア1上で前進する。図面においては、物体6は、平行六面体状の使い捨てパッケージとして表わされている。本発明装置は、物体6と異なる態様のパッケージとの両方のために利用可能とされる。当該装置は、重心位置が高く、その結果としてコンベア1上で前進する場合に不安定になり易い物体6をグループに仕分けするのに特に適している。
【0017】
図2〜図5に表わすように、コンベア1は、コンベア1の下側部分5に配置された少なくとも1つの偏向ローラ7を有している。本発明の好ましい実施例では、コンベアは、下側部分5に3つの偏向ローラ7,8,9を有している。コンベア1の端部ローラ2,3のうち1つの端部ローラ、又は代替的には偏向ローラ7,8,9のうち1つの偏向ローラが、電動モータ10又はこれに類するものによって駆動される。本発明の好ましい実施例では、中央の偏向ローラ8が駆動される偏向ローラである。
【0018】
当該装置には、コンベア1に対して90°の角度で上下動するように配置されたストッパプレート11が設けられている。ストッパプレート11は、物体6がストッパプレート11の下方を通過可能な上側位置と、ストッパプレート11が物体6をコンベア1上に配置されることを防止する下側位置との間で移動する。ストッパプレート11の移動は、ピストン及びシリンダから成る空圧式集合体12、代替的には液圧式集合体又はサーボモータによって制御される。ストッパプレート11は、意図した数量の物体6がストッパプレート11を通過することができるように、コンベア1の一方の端部ローラ3から所定距離離隔して配置されている。
【0019】
端部ストッパ13がコンベアの一方の端部ローラ3上に配置されているので、物体6はコンベア1上でそれ以上移動することはできない。好ましい実施例では、端部ストッパ13は、物体6が端部ストッパ13に到達した場合の前方位置と、グループに仕分けする場合に利用される後方位置との間で移動可能とされる。端部ストッパ13の移動は、ピストン及びシリンダから成る空圧式集合体14、代替的には液圧式集合体又はサーボモータによって制御される。代替的には、端部ストッパ13が固定されている場合がある。
【0020】
コンベア1は、コンベア1の上側部分4と関連して配置されている偏向点15をさらに有している。偏向点15は、意図した数量の物体6が偏向点15を通過することができるように、コンベア1の一方の端部ローラ3から所定距離離隔して配置されている。偏向点15は、コンベア1の上側部分4の下面に当接した、丸められた両縁部を有しているヒンジ又はこれに類するものから構成されている。偏向点15は、ストッパプレート11の略真下に配置されている。
【0021】
当該装置は、コンベア1の一方の端部ローラ3を制御する、ピストン及びシリンダから成る空圧式集合体16、代替的には液圧式集合体又はサーボモータを含んでいる。端部ローラ3は、コンベア1の上側部分4がコンベア1の一部が水平面に対して下方に傾斜している位置に対して水平とされる位置から移動可能とされる。コンベア1は、偏向点15から倒れ始まる。
【0022】
コンベア1上に配置された物体6は、矢印方向に向かって移動する(図1〜図5参照)。物体6は、図1に表わすようにプレート17を介して、他のコンベアからコンベア1に供給可能とされる。代替的には、物体は、コンベア1に向かって他のコンベアからコンベア1に移送される場合がある。物体6は、物体6が仕分けされるべき分配単位にとって理想的な梱包パターンに従って、コンベア1上に1つ以上の列に配置可能とされる。
【0023】
平行六面体状の使い捨てパッケージとして表わす物体6は、端部ストッパ13に向かって前進する(図2参照)。端部ストッパ13は前方位置に配置されており、コンベア1全体が水平になっている。すなわち、端部ローラ3がコンベアの上側位置に配置されている。ストッパプレート11は、物体6が自由に通過することができるように、上側位置に配置されている。
【0024】
意図した数量の物体6が偏向点15を通過した場合には、端部ローラ3が下側位置(図3)に移動して、コンベア1が偏向点15から下方に倒れる。好ましい実施例では、この倒れは5°〜15°であるが、物体6の高さに依存する。コンベア1が傾斜すると同時に、端部ストッパ13が後方位置に移動する。この傾斜と、端部ストッパ13の後退とによって、仕分けされグループ化された物体6の区分と残りの列の物体6との間に、十分に大きな間隙が形成される。この間隙又は空隙は、確実にグループに仕分けするために20mm〜25mmであることが望ましい。
【0025】
グループに仕分けされるべき物体6が、共に仕分けされた場合であっても変わり目(transition)を通過しないが、単一のコンベア1上で移動するという点において、迅速且つ確実に物体6をグループに仕分けすることができる。
【0026】
当該位置では、ストッパプレート11が下側位置(図4)に移動するので、グループに仕分けされていない物体6は停止する。ストッパプレート11は、コンベア1に向かって下方に移動するように制御されるので、ストッパプレート11は、その移動の最後の部分において物体6に向かって挿入される。このことは、ストッパプレート11が上側位置に再度上昇した場合に優位である。このような手段によって、物体6に対する摩擦が低減されるからである。物体6に対する摩擦が低減することによって、該物体が使い捨てパッケージから成る場合に、ストッパプレート11が物体6の装飾模様(decorative artwork)を損傷させる恐れが解消される。
【0027】
図4では、意図した数量の物体6のグループへの仕分けが完了している。端部ローラ3が上側位置に復帰しているので、再び、コンベア1は水平に配置される。仕分けされた物体6は、ストッパプレート11と端部ローラ13との間に配置されており、押出装置18によって、当該位置からコンベア1の外方に向かって直角に移動される。物品6のグループは、当該装置から外方に移動される場合にストッパプレート11及び端部ストッパ13によって支持される。物体6がコンベア1及び当該装置から外方に一旦移動すると、前記物体は、紙皿、収縮包装フィルム、又は分配単位を形成するためにまとめる他の手段によって物体6のグループが囲まれた、他の作業ステーションにさらに移動される。仕分けサイクルが完了すると、当該装置は、再び、図2〜図5に基づいて多数の物体6をグループに仕分けするための準備を実施する。
【0028】
コンベア1が倒れ、且つストッパプレート11が下側位置に向かって下降した場合に、コンベア1は短い間隔で停止するように配置されている。代替的には、コンベアは仕分けプロセス全体を通じて駆動可能とされる。コンベア1は、物体6が端部ストッパ13に当接して停止するまで駆動されるので、物体6は互いに接触した状態で梱包可能であり、物体6のグループは一体とされ、これにより前記グループを当該装置から容易に運び出すことができる。
【0029】
当該装置は、異なる大きさの物体6及び梱包パターンに対しても適応可能である。ストッパプレート11の上側位置は、ストッパプレートのみが上方に移動し、これにより物体6が通過可能なように適合されている。すなわち、ストッパプレートの移動量は下側の物体6にとって相当小さい。相違する梱包パターンがセットされた場合には、偏向点15は端部ストッパ13からさらに離隔するか又は近接するようにさらに移動される。
【0030】
上記説明から明らかなように、本発明は、コンベア上を前進する物体をグループに仕分けするための装置を実現するものである。当該装置によって、光電管や他の検出器を利用することなく、且つ、異なるコンベア間を任意に移動する場合に物体が破損又は停止することなく、迅速且つ確実に仕分けすることが可能となる。
【符号の説明】
【0031】
1 コンベア
2 端部ローラ
3 端部ローラ
4 上側部分
5 下側部分
6 物体
7 偏向ローラ
8 偏向ローラ
9 偏向ローラ
10 電動モータ
11 ストッパプレート
12 空圧式集合体
13 端部ストッパ
14 空圧式集合体
15 偏向点
16 空圧式集合体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動される単一のコンベア(1)上で物体(6)をグループに仕分けするための装置であって、
前記コンベア(1)は、2つの端部ローラ(2,3)を有しており、
前記装置は、一方の端部ローラ(3)に配置された端部ストッパ(13)と、前記コンベア(1)に対して90°の角度で上下動するように配置されたストッパプレート(11)とを含んでいる前記装置において、
前記コンベア(1)は、前記コンベア(1)の下側部分(5)に配置された少なくとも1つの偏向ローラ(7)と、前記コンベア(1)の上側部分(4)に配置された偏向点(15)とを有しており、
一方の前記端部ローラ(3)は、前記コンベア(1)の一部が前記偏向点(15)から下方に倒れるように配置されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記倒れが、水平面に対して5°〜15°であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記端部ストッパ(13)は、前方位置と後方位置との間で移動するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ストッパプレート(11)、前記端部ローラ(3)、及び前記端部ストッパ(13)は、それぞれピストン及びシリンダから成る空圧式集合体によって移動されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
駆動される単一のコンベア(1)上で物体(6)をグループに仕分けするための方法であって、
前記物体(6)が、前記コンベア(1)の一方の端部ローラ(3)に配置された端部ストッパ(13)に向かって前進し、
その後に、ストッパプレート(11)が前記コンベア(1)に向かって下方に90°の角度で移動し、前記物体(6)のグループを分離する前記方法において、
前記端部ローラ(3)は、グループに仕分けする場合に、前記コンベア(1)の上側部分(4)に配置された偏向点(15)から下方に移動し、これにより前記コンベア(1)の一部が下方に倒れることを特徴とする方法。
【請求項6】
前記コンベア(1)が、水平面に対して5°〜15°の角度で倒れることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記端部ストッパ(13)は、前記コンベア(1)が倒れると同時に後方に移動することを特徴とする請求項5に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−509157(P2010−509157A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535236(P2009−535236)
【出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際出願番号】PCT/SE2007/000977
【国際公開番号】WO2008/054299
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(500457324)テトラ ラヴァル ホールディングス アンド ファイナンス エス.エー. (1)
【Fターム(参考)】