説明

駆動軸損傷診断ユニット

【課題】 圧延設備等の駆動軸の損傷を診断するに際して、センサの出力を取り出すことが困難であるという問題を解消した駆動軸損傷診断ユニットを提供する。
【解決手段】 駆動軸損傷診断ユニット11は、ベアリングカップ9に設けられたケース挿入孔12に挿入される有底円筒状ケース13と、ケース13外面に設けられて十字軸継手4のクロス7の状態を検出するセンサ14bと、ケース13内に配されたワイヤレス通信機15および電池16とを備えている。ケース13開口は、ケース開口に着脱可能に取り付けられた孔あき円盤状の金属製蓋17および同孔内に嵌め入れられている樹脂製シール部材18によって閉鎖されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、圧延設備等の駆動軸の損傷を診断するための駆動軸損傷診断ユニットの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼の圧延設備では、駆動軸に大きな負荷が掛かるため、駆動軸が損傷しやすく、損傷を早く検知して故障を防止することが重要となっている。そのため、定期的に分解検査が行われているが、この検査に手間および時間が掛かるため、分解検査に代わる稼働中での検査が望まれており、駆動軸の損傷を監視するニーズが高いものとなっている。圧延設備の駆動軸は、それ自体が回転するため、これを監視するにはワイヤレス化が不可欠となる。
【0003】
一方、特許文献1には、自動車の駆動軸に設けられている十字軸継手において、クロスの中央部にセンサ設置孔が設けられており、同孔内に、温度センサおよび送信部を有するセンサ装置が設けられているものが提案されている。
【特許文献1】特開2001−304975号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圧延設備の駆動軸の損傷を診断するには、上記特許文献1の自動車の駆動軸用構成を圧延設備の駆動軸用として適用することが考えられるが、圧延設備用駆動軸は圧延する機構上、2つの駆動軸が密着していて、十字軸継手の外部に隙間が無く、センサの出力の取り出すためのアンテナを外部に取り付けることができないという問題がある。
【0005】
この発明の目的は、圧延設備等の駆動軸の損傷を診断するに際して、センサの出力を取り出すことが困難であるという問題を解消した駆動軸損傷診断ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による駆動軸損傷診断ユニットは、十字軸継手のクロスに結合されるベアリングカップに設けられる駆動軸損傷診断ユニットであって、ベアリングカップに設けられたケース挿入孔に挿入される有底円筒状ケースと、ケースに設けられて十字軸継手のクロスの状態を検出するセンサと、ケース内に配されたワイヤレス通信機および電池とを備えており、ケース開口は、ケース開口に着脱可能に取り付けられた孔あき円盤状の金属製蓋および同孔内に嵌め入れられている樹脂製シール部材によって閉鎖されていることを特徴とするものである。
【0007】
十字軸継手は、2つの回転軸の端部にそれぞれ設けられたフランジヨーク間に配されるクロス(十字軸)および4つのクロスベアリングからなる。クロスベアリングは、ベアリングカップおよび複数のころからなり、ベアリングカップとフランジヨークとがボルトで結合されることにより、2つの回転軸は、相対的な揺動が可能とされかつ回転が確実に伝達するように結合される。クロスとベアリングカップとの相対的揺動は、一方の回転軸から他方の回転軸に回転運動を伝達する際の衝撃を緩和するバッファー機能を果たす。
【0008】
十字軸継手は、例えば軸受鋼により形成され、ケースおよび蓋は、適宜な金属製(通常は、鋼製)とされ、金属製蓋の孔内に嵌め入れられるシール部材だけが、アンテナによる送受信を邪魔しないように、樹脂製とされる。
【0009】
ベアリングカップには、グリースを供給するための孔が設けられており、この孔がケース挿入孔として使用される。
【0010】
駆動軸損傷診断ユニットは、十字軸継手のクロスの各軸部(トラニオン)にそれぞれ設けられるもので、1つの駆動軸損傷診断ユニットは、アンテナおよびワイヤレス基板からなるワイヤレス通信機と、センサおよびセンサ基板からなるセンサユニットと、これらの電源となる電池とからなる。センサ基板には、プリアンプおよび電源回路などが内蔵される。
【0011】
この駆動軸損傷診断ユニットを備えた駆動軸監視システムは、十字軸継手のクロスの各軸部にそれぞれ設けられた駆動軸損傷診断ユニット(子機)と、子機と送受信してセンサ出力を取得するとともに必要な指示を子機に与える親機と、センサ出力を処理して損傷の程度について判別する監視パソコンなどとから構成される。
【0012】
センサは、十字軸継手の損傷(剥離)を検知するためのもので、例えば、変位センサ(センサからクロス表面までの距離の変化によって損傷を検出する)とされるが、これに限定されるものではなく、圧電型加速度ピックアップにより損傷を振動で検知する振動センサ、損傷部から発生するAE(アコースティック・エミッション)を検知して損傷を診断するAEセンサ、損傷を温度上昇で検知する温度センサ、損傷をクロスからころを介してベアリングカップに作用する力に伴う歪量の増大で検知する非接触歪センサ(歪によって損傷を検出する)、その他のセンサが適宜使用される。
【0013】
蓋の孔に、樹脂製シール部材の抜けを防止する抜け止め部が形成され、ワイヤレス通信機および電池は、ケース底壁に支持されるとともに、蓋が閉められた際に樹脂製シール部材によって押さえ付けられるようになされているものとされることが好ましい。このようにするには、例えば、蓋の孔は、開口側の小径部およびこれに連なる大径部からなり、樹脂製シール部材は、同孔に嵌め入れられている小径部および大径部からなるものとすればよい。このようにすると、ユニットの各構成部材間で接触が必要なもの同士が確実に接触させられるとともに、圧延時にケースに作用する衝撃力によって樹脂製シール部材が外部に飛び出すことが防止される。
【0014】
また、ケース開口部内周にめねじ部が設けられ、蓋にこれにねじ合わされるおねじ部が設けられていることがより好ましい。このようにすると、圧延時にケースに作用する衝撃力(100トン程度に達することがある)に対し、ケースと蓋とがねじ締めによる固定であるので、強度上の問題が生じることがない。
【0015】
上記駆動軸損傷診断ユニットがベアリングカップに設けられる際には、駆動軸損傷診断ユニットのケースおよびベアリングカップのケース挿入孔がいずれも段付き状に形成されているとともに、ケース開口端部がケース挿入孔から突出するようになされて、その突出部外周におねじ部が設けられており、このおねじ部にナットがねじ合わされることにより、駆動軸損傷診断ユニットが着脱自在に内蔵されていることが好ましい。このようなベアリングカップは、駆動軸損傷診断ユニットが内蔵されていないベアリングカップに代えてこれを使用することにより、既存の圧延設備における駆動軸損傷診断を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明の駆動軸損傷診断ユニットによると、ケース内に配されたワイヤレス通信機によって、センサの出力を取り出すことが可能であり、また、樹脂製シール部材は、通信を妨げることがないので、ワイヤレス通信機のアンテナを外部に露出させることなく通信可能にでき、圧延に伴って生じる鉄粉(スケール)がアンテナに積もることによる特性変化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、この発明による駆動軸損傷診断ユニットが使用される圧延設備の駆動軸(1)の一部を示している。駆動軸(1)は、図示省略した圧延ローラと駆動モータとを接続して、駆動モータの回転を圧延ローラに伝達するもので、圧延ローラに一端部が結合されたローラ回転軸(2)と、ローラ回転軸(2)の他端部に十字軸継手(4)を介して一端部が結合された中間回転軸(3)と、中間回転軸(3)の他端部に十字軸継手を介して一端部が結合され、他端部が駆動モータに結合されたモータ回転軸とからなる。十字軸継手(4)による結合部分の構成は、モータ回転軸側とローラ回転軸(2)側とで同じであり、1対の回転軸(2)(3)がこれらの結合端部に介在された十字軸継手(4)により相対的に揺動可能に結合されている。
【0019】
一方の回転軸(2)の結合端部には、角度にして90°の大きさのフランジヨーク(5)が180°離れて対向するように設けられており、他方の回転軸(3)の結合端部には、角度にして90°の大きさのフランジヨーク(6)が一方の回転軸(2)と90°ずれた位置に180°離れて対向するように設けられている。十字軸継手(4)は、4つの軸部(トラニオン)(7a)を有しているクロス(十字軸)(7)と、クロス(7)と各ヨーク(5)(6)との結合部位に設けられる4つのクロスベアリング(8)とからなる。各クロスベアリング(8)は、図2に示すように、ベアリングカップ(9)およびこれに支持された複数のころ(10)からなる。各フランジヨーク(5)(6)には、めねじ部(5a)(6a)が設けられ、各ベアリングカップ(9)には、ボルト挿通孔(9a)が設けられており、一方の回転軸(2)の突き合わせ端部において、1対のフランジヨーク(5)とこれらに対応する1対のベアリングカップ(9)とがボルトで結合されるとともに、他方の回転軸(3)の突き合わせ端部において、1対のフランジヨーク(6)とこれらに対応する1対のベアリングカップ(9)とがボルトで結合されることにより、回転軸(2)(3)同士が互いに回転を伝達するように結合されている。クロス(7)とベアリングカップ(9)とは、ころ(10)を介して接触することにより、相対的に揺動可能であり、一方の回転軸(2)から他方の回転軸(3)に回転運動を伝達する際の衝撃を緩和するバッファー機能を果たしている。こうして、圧延ローラの移動が許容されることにより、駆動軸(1)への衝撃が緩和されている。しかしながら、十字軸継手(4)には、衝撃等による大きな負荷が掛かるため、長期間の使用により損傷が進行していくことになる。この損傷の進行を監視するため、各ベアリングカップ(9)には、クロス(7)の損傷を検知する駆動軸損傷診断ユニット(11)が内蔵されている。
【0020】
図2に示すように、ベアリングカップ(9)には、クロス(7)の軸部(7a)を収納するクロス軸部収納空間(9b)が内周側から設けられており、複数のころ(10)は、クロス(7)の軸部(7a)の外周に接触して転がるように同空間(9b)内に配置されている。ベアリングカップ(9)には、さらに、クロス軸部収納空間(9b)に通じるグリス供給孔(12)がその外周側から設けられている。このグリス供給孔(12)は、クロス(7)およびベアリングカップ(9)ところ(10)との転がり接触部を潤滑するためのグリースを供給する孔であるとともに、後述するように、駆動軸損傷診断ユニット(11)のケース(13)を挿入するためのケース挿入孔として使用されている。
【0021】
駆動軸損傷診断ユニット(11)は、ベアリングカップ(9)に設けられたケース挿入孔(12)に挿入された有底円筒状ケース(13)と、ケース(13)に支持されて十字軸継手(4)のクロス(7)の状態を検出するセンサユニット(14)と、センサユニット(14)からの出力を外部に取り出すためのワイヤレス通信機(15)と、センサユニット(14)およびワイヤレス通信機(15)に電力を供給する電池(16)と、ケース開口に着脱可能に取り付けられた孔あき円盤状の鋼製蓋(17)と、蓋(17)の孔内に嵌め合わせられてケース開口を閉鎖する樹脂製シール部材(18)とを有している。
【0022】
ケース挿入孔(12)は、開口部(12a)と、開口部(12a)より小径の小径部(12b)、および小径部(12b)より大径の大径部(12c)からなり、これにより、開口部(12a)と小径部(12b)との境界部分に、第1の環状段部(12d)が形成され、小径部(12b)と大径部(12c)との境界部分に、第2の環状段部(12e)が形成されている。
【0023】
図3は、この発明による駆動軸損傷診断ユニット(11)を使用した駆動軸監視システムのハードウェア構成を示している。同図に示すように、各駆動軸損傷診断ユニット(11)は、この駆動軸監視システムの子機として使用されており、各子機(11)は、センサユニット(14)からの出力をワイヤレス通信機(15)を介して親機(19)に送信する。親機(19)には監視パソコン(20)が接続されている。監視パソコン(20)は、圧延設備から離れた監視室内などに設置され、各駆動軸損傷診断ユニット(11)から送られてくるデータを処理して、クロス(7)の損傷の程度について判別し、その結果を監視パソコン(20)のディスプレイに表示する。
【0024】
駆動軸(1)が回転すると、クロス(7)とベアリングカップ(9)とは、ころ(10)を介して力を及ぼし合い、この力によって生じるクロス(7)とベアリングカップ(9)との相対変位がセンサユニット(14)によって検知され、ワイヤレス通信機(15)によって親機(19)に送信される。ワイヤレス通信機(15)は、ベアリングカップ(9)に内蔵されているので、圧延設備用駆動軸のように2つの駆動軸(1)が密着していて、十字軸継手(4)の外部に隙間が無い場合でも、センサユニット(14)からの出力を容易に取り出すことができる。クロス(7)表面に損傷が生じていると、センサユニット(14)からの出力が正常時と相違することになり、この相違量が許容範囲かどうかを判定することにより、駆動軸(1)の損傷診断を行うことができる。クロス(7)の各軸部(7a)は、損傷の進行の程度が通常異なっているので、損傷診断は、各軸部(7a)毎に行われる。こうして、駆動軸(1)を稼働させた状態で損傷の診断を行うことが可能となり、稼働を停止しての分解検査をなくすことができる。
【0025】
次いで、図4を参照して、駆動軸損傷診断ユニット(11)の各構成要素の詳細について説明する。
【0026】
ケース(13)は、ケース挿入孔(12)の小径部(12b)とほぼ同じ外径の小径部(13a)と、ケース挿入孔(12)の大径部(12c)とほぼ同じ外径の大径部(13b)とからなる。ケース(13)内周は、小径部(13a)の内径の方が大きい段付き状に形成されている。ケース(13)がケース挿入孔(12)に挿入された状態(図2参照)では、大径部(13b)の外周縁部が同孔(12)の第2の環状段部(12e)に当接し、小径部(13a)は、同孔(12)の小径部(12b)から突出して同孔(12)の開口部(12a)内に位置し、大径部(13b)は、同孔(12)の大径部(12c)から突出してクロス軸部収納空間(9b)内に位置している。ケース(13)の小径部(13a)の端部には、内周にめねじ部(13c)が、外周におねじ部(13d)がそれぞれ設けられている。
【0027】
ケース(13)は、ケース挿入孔(12)に径方向内方から嵌め入れられ、小径部(13a)のおねじ部(13d)にねじ合わされたナット(21)が同孔(12)の第1の環状段部(12d)に当接することでベアリングカップ(9)に固定されている。ナット(21)の外側の端面には、Oリング配置用の環状凹部(21a)が形成され、この凹部(21a)に、Oリング(22)が配置されている。また、ケース(13)の小径部(13a)の大径部寄りの部分には、大径部(13b)との間にOリング収納環状空間を形成するフランジ部(13e)が設けられており、同空間に、ケース挿入孔(12)に密接するOリング(23)が配置されている。
【0028】
センサユニット(14)は、プリアンプおよび電源回路を有しケース(13)内周の径方向内側部分に配置されたセンサ基板(14a)と、クロス(7)の軸部(7a)の外周を臨むようにケース(13)の大径部(13b)の外周に設けられた変位センサ(14b)と、センサ基板(14a)と変位センサ(14b)とをつなぐ接続線(14c)とからなる。
【0029】
ワイヤレス通信機(15)は、ケース(13)内周のセンサ基板(14a)上方に配置されたワイヤレス基板(15a)と、ワイヤレス基板(15a)に接続され先端が蓋(17)の孔に臨まされているアンテナ(15b)とからなる。
【0030】
孔あき円盤状の蓋(17)は、短円筒部(17a)の径方向外側端部外周にフランジ部(17b)が設けられた形状とされている。短円筒部(17a)の内周すなわち蓋(17)の孔(24)は、径方向外側が小径の段付き状に形成されている。短円筒部(17a)の径方向内側端部外周には、ケース(13)の小径部(13a)のめねじ部(13c)にねじ合わされるおねじ部(17c)が形成されている。蓋(17)がケース(13)にねじ合わされた際には、蓋(17)のフランジ部(17b)がナット(21)の凹部(21a)に配置されたOリング(22)に密着するようになされている。蓋(17)がケース(13)にねじ合わされていることにより、大きな衝撃が加わった場合でも、蓋(17)が外れることが防止されている。
【0031】
樹脂製シール部材(18)は、蓋(17)の段付きの孔(24)に対応して、同孔(24)の大径部(24a)に嵌まり合っている大径部(18a)と、同孔(24)の小径部(24b)に嵌まり合っている小径部(18b)とからなる。蓋(17)の孔(24)の小径部(24b)は、樹脂製シール部材(18)が径方向外方に抜け出すことを防止する抜け止め部となっており、これにより、衝撃によって樹脂製シール部材(18)が外部に飛び出すことが防止されている。
【0032】
アンテナ(15b)を介しての親機(19)との送受信は、樹脂製シール部材(18)を通して可能であり、アンテナ(15b)をケース(13)内部に収納して蓋(17)および樹脂製シール部材(18)によってケース(13)開口を塞いでいることにより、アンテナ(15b)に鉄粉(スケール)などが積もって特性が変化することがなく、安定した通信が可能である。また、電池(16)の交換は、蓋(17)を外すことにより、容易に行うことができ、保全性が非常に優れたものとなっている。
【0033】
上記駆動軸損傷診断ユニット(11)は、損傷診断ユニットを有していない駆動軸に対して、ケース(13)の形状をベアリングカップ(9)のグリス供給孔=ケース挿入孔(12)に合わせて形成することにより、着脱自在に取り付けることができる。これにより、既存の駆動軸の損傷診断を容易に行うことができる。駆動軸損傷診断ユニット(11)は、これをベアリングカップ(9)に内蔵しておいて、ベアリングカップ(9)ごと取り替えることも可能であり、このようにしても、既存の駆動軸の損傷診断を容易に行うことができる。
【0034】
なお、樹脂製シール部材(18)は、上記実施形態では段付き状とされているが、蓋(17)の段付きの孔の大径部に嵌まり合っている円柱状部だけからなるもの(すなわち、実施形態の樹脂製シール部材(18)から小径部(18b)を取り除いて大径部(18a)だけとしたもの)としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、この発明による駆動軸損傷診断ユニットが好適に使用される圧延設備の駆動軸を示す斜視図である。
【図2】図2は、この発明による駆動軸損傷診断ユニットおよびこれを内蔵したベアリングカップを示す断面図である。
【図3】図3は、この発明による駆動軸損傷診断ユニットを使用した駆動軸監視システムを示すブロック図である。
【図4】図4は、この発明による駆動軸損傷診断ユニットの縦断面図である。
【符号の説明】
【0036】
(1) 駆動軸
(4) 十字軸継手
(7) クロス
(9) ベアリングカップ
(11) 駆動軸損傷診断ユニット
(12) ケース挿入孔
(13) ケース
(13c) めねじ部
(13d) おねじ部
(14b) センサ(変位センサ)
(15) ワイヤレス通信機
(16) 電池
(17) 金属製蓋
(17c) おねじ部
(18) 樹脂製シール部材
(21) ナット
(24) 孔
(24b) 小径部(抜け止め部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
十字軸継手のクロスに結合されるベアリングカップに設けられる駆動軸損傷診断ユニットであって、ベアリングカップに設けられたケース挿入孔に挿入される有底円筒状ケースと、ケースに設けられて十字軸継手のクロスの状態を検出するセンサと、ケース内に配されたワイヤレス通信機および電池とを備えており、ケース開口は、ケース開口に着脱可能に取り付けられた孔あき円盤状の金属製蓋および同孔内に嵌め入れられている樹脂製シール部材によって閉鎖されていることを特徴とする駆動軸損傷診断ユニット。
【請求項2】
蓋の孔に、樹脂製シール部材の抜けを防止する抜け止め部が形成され、ワイヤレス通信機および電池は、ケース底壁に支持されるとともに、蓋が閉められた際に樹脂製シール部材によって押さえ付けられるようになされている請求項1の駆動軸損傷診断ユニット。
【請求項3】
ケース開口部内周にめねじ部が設けられ、蓋にこれにねじ合わされるおねじ部が設けられている請求項2の駆動軸損傷診断ユニット。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれかの駆動軸損傷診断ユニットが設けられたベアリングカップであって、駆動軸損傷診断ユニットのケースおよびベアリングカップのケース挿入孔がいずれも段付き状に形成されているとともに、ケース開口端部がケース挿入孔から突出するようになされて、その突出部外周におねじ部が設けられており、このおねじ部にナットがねじ合わされることにより、駆動軸損傷診断ユニットが着脱自在に内蔵されているベアリングカップ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−200612(P2006−200612A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12212(P2005−12212)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】