説明

駐車場管理システム

【課題】駐車券を利用することなく買い物客の駐車料金を割り引くことのできる駐車場管理システムを提供する。
【解決手段】精算機11で、買物客は、自分が駐車した駐車スペースを特定する駐車番号と共に無料券に印刷された番号を入力部から入力すると、制御部はこれを受付ける(S12)。制御部は予め無料券発行機の通信部から送られてきた番号と入力された番号が一致するか否かを判断する(S13)。一致すれば(S13でYES)、必要料金を支払われたと解釈し、ロック解除部114を用いてロック装置12のロックを解除する(S14)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、駐車場管理システムに関し、特に、駐車場の利用券を使用することなく、駐車場の管理を行なう駐車場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の駐車場管理システムが、たとえば、特開2001−331825号公報(特許文献1)に記載されている。この公報によれば、スーパーマーケットのような店舗に併設された駐車場における駐車場の管理システムにおいて、顧客の買物金額に応じて駐車料金の割り引きが行なわれる。すなわち、自動精算機によって入庫時刻と入庫ナンバーを含む駐車データを示すバーコードが印刷された駐車券を発行し、店舗における売上額によって、駐車料金変更データを算出し、そのデータが印刷された駐車券付きレシートが発行され、この駐車券付きレシートを自動精算機が読取って駐車料金を割り引いている。
【特許文献1】特開2001−331825号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の駐車場における、買い物客の利用料金の割引は上記のように行なわれていた。従来の方法では、駐車場の精算機は駐車券を発行する必要があり、駐車券としてのシートやその上への印刷費用がかかるという問題があった。
【0004】
この発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、駐車券を利用することなく買い物客の駐車料金を割り引くことのできる駐車場管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る駐車場管理システムは、駐車場に設けられ、所定の駐車位置に車両が駐車したことを検出する駐車検出装置と、駐車検出装置が車両の駐車を検出したときに、駐車された車両を固定するロック手段と、ロック手段が車両を固定したときからの経過時間を測定し、経過時間に応じた駐車料金を徴収する駐車料金徴収装置と、店舗に設けられ、駐車料金徴収装置と交信可能な店舗側装置とを含み、店舗側装置は、駐車料金に関する情報を記録した駐車料金減額シートを発行するシート発行手段を含み、シート発行手段は、前記駐車料金徴収装置に対して駐車料金減額シートに記録した駐車料金の減額を指示する減額信号を送信する送信手段を含む。駐車料金徴収装置は、店舗側装置から減額信号を受信する受信手段と、ユーザからの駐車場からの出場指示、および、所定の番号の入力を受付ける受付手段と、受付手段が出場指示および所定の番号の入力を受付けたとき、受信手段が受信した減額信号と、所定の番号とが一致するか否かを判断する判断手段と、判断手段が減額信号と、所定の番号とが一致すると判断したときは、減額した料金の支払い額を表示する表示手段と、料金を受取る料金受取手段と、料金受取手段が、表示手段に表示された料金を受取ったとき、ロック手段による車両の固定を解除するよう、ロック手段を制御する制御手段を含む。
【0006】
出場指示および所定の番号を受付けたとき、予め受信した減額信号と、所定の番号とが一致するか否かを判断し、所定の番号とが一致すると判断したときは、減額した料金の支払い額を表示し、その金額が支払われたときは、車両のロックを解除するため、駐車券を使用することなく、料金の割り引きが可能になる。
【0007】
その結果、駐車券を利用することなく買い物客の駐車料金を割り引くことのできる駐車場管理システムを提供できる。
【0008】
好ましくは、店舗側装置は店舗における商品が購入された金額に応じて前記減額信号の額を変更する。
【0009】
さらに好ましくは、減額信号は所定の桁数を有する乱数である。
【0010】
なお、駐車料金徴収装置は、駐車料金減額シートに記載された番号を入力させる入力手段と、入力手段に入力された番号と減額信号とを照合する照合手段と、照合手段が入力手段に入力された番号と減額信号とが一致すると判断したときにのみ、制御手段はロック手段による車両のロックを解除するよう、ロック手段を制御してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、この発明の一実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係る、駐車場管理システムの全体構成を示すブロック図である。図1を参照して、この実施の形態に係る駐車場管理システムは、駐車場に設けられた駐車料金を精算するための精算機(駐車料金徴収装置)11と、スーパーマーケットのような店舗のサービスカウンタに設けられた無料券発行機(店舗側装置)20と、精算機11および無料券発行機20とを接続するための通信回線15とを含む。無料券発行機20は買い物客の購入金額に応じて駐車料金を無料にする無料券を発行する。なお、無料券が駐車料金に関する情報を記録した駐車料金減額シートに対応する。
【0012】
図2は、この駐車場管理システムに使用される駐車場の模式図である。図2を参照して、駐車場は複数の車両が駐車可能なスペースを有し、駐車場に駐車した車両の駐車料金を精算するための上記した精算機11が設けられている。駐車場には車両1台が駐車可能な駐車スペースごとにロック装置12が設けられている。車両が駐車スペースに駐車すると、図示のないセンサ(駐車検出装置)が駐車を検知し、ロック装置(ロック手段)12を作動させて車両をその位置から移動できないようにする。ここでは、ロック装置12は車幅方向に延在する板状部材を水平位置から車両の底部まで立ち上げる動作を行なう例を示しているが、これに限るものではない。
【0013】
次に、精算機11および無料券発行機20の要部の構成について説明する。図3は精算機11の構成を示すブロック図である。図3を参照して、精算機11は、精算機11全体を制御する制御部111と、買い物客が駐車場から出場するときに精算を要求する押しボタンや番号を入力するためのきーを含む入力部112と、駐車料金を表示する表示部113と、立ち上ったロック装置12を元の水平位置に戻すロック解除部114と、無料券発行機20と通信するための通信部115と、駐車料金を受けて金額を計算する料金受部116とを含む。なお、入力部112、表示部113、ロック解除部114、通信部115、および、料金受部116は全て制御部111に接続されており、制御部111によって制御される。
【0014】
図4は無料券発行機20の構成を示すブロック図である。図4を参照して、無料券発行機20は、無料券発行機20全体を制御する制御部21と、無料券を発行するための発行ボタン22と、無料券発行ボタン22が押されたときに無料券を印刷する印刷部(シート発行手段)23と、精算機11の通信部115と通信するための通信部24とを含む。なお、発行ボタン22、印刷部23、および、通信部24は全て制御部21に接続されており、制御部21によって制御される。
【0015】
次に、精算機11と無料券発行機20のそれぞれの制御部111,21の動作について説明する。なお、制御部111,21はともにCPU(Central Processing Unit)から構成されている。図5は、精算機11と無料券発行機20のそれぞれの制御部111,21の動作を示すフローチャートである。
【0016】
駐車場に駐車して買物を終えた客は、店舗内サービスカウンタに行って、サービス員に無料券発行を依頼する。サービス員が、無料券発行機20の発行ボタン22を押すと(ステップS21、以下、ステップを省略する)、制御部111は予め定められた桁数の乱数を発生させ、その番号を無料券25として印刷部23を用いてプリントアウトすると同時に通信部(送信手段)24を用いて通信回線15を介して精算機11にその番号を通知する(S21)。精算機11は通信部(受信手段)115を介してこの番号を受信し、図示のない記憶部に格納する(S11)。なお、印刷された無料券25は客に手渡される。この番号が、減額信号に対応する。
【0017】
客は駐車場へ行き、精算機11で、自分が駐車した駐車スペースを特定する駐車番号と共に無料券に印刷された番号を入力部112から入力すると、制御部111はこれを受付ける(S12)。制御部111は予め無料券発行機20の通信部24から送られてきた番号と入力された番号が一致するか否かを判断する(S13)。一致すれば(S13でYES)、必要料金が支払われたと解釈し、ロック解除部114を用いてロック装置12のロックを解除する(S14)。したがって、入力部112は受付手段として作動し、制御部111は判断手段、制御手段として作動する。
【0018】
なお、無料券以外の場合、または、時間超過の場合においては、表示部(表示手段)113に料金が表示され、料金受部(料金受取手段)116で表示された料金が支払われたことを確認してロック装置12のロックが解除される。
【0019】
なお、精算機11では、送られてきた駐車料金を無料にするための番号(無料番号)は、一回使用されるか又は一定時間経過後は使えなくするものとする。
【0020】
なお、上記実施の形態においては、駐車場における例について説明したが、これに限らず、このシステムを駐輪場に適用してもよい。
【0021】
なお、上記実施の形態においては、無料券発行機を独立した装置とした場合について説明したが、これに限らず、無料券発行機の機能を、レジやPOS装置に組込んでも良い。
【0022】
また、無料券に番号はプリントせずにLCD等の表示器に表示して、客にその番号を覚えてもらう方法でも有効である。
【0023】
また、通信回線は、有線/無線、通信方式、通信プロトコル等は任意でよい。
【0024】
また、無料番号は、一定時間内は全ての駐車番号に共通であるので、盗難等の恐れのある場合は、別途暗証番号等を併用すればよい。
【0025】
また、上記実施の形態においては、駐車料金を無料にする場合について説明したが、これに限らず、全て無料化でなく、一定料金割引/無料時間の変更等のサービスとしてよい。又乱数を複数の領域に分ける事で、これらの組合せのサービスを選択する事も可能である。
【0026】
また、無料券発行機の発行する番号は、乱数に限らず、相互に区別が可能な、任意の番号であっても良い。
【0027】
また、上記実施の形態においては、店舗内に無料券発行機を設け、そこから乱数を発行する場合について説明したが、これに限らず、乱数は発行せず無料券発行機の代りに、精算機と通信可能な駐車番号入力装置を店舗内に置いてもよい。この場合、買物客が店内で自分の駐車番号を申告してサービス員が入力する。入力された駐車番号は精算機へ伝送される。買物客が出庫時、精算機において駐車番号を入力した場合は、駐車料金は無料化又は減額等される。
【0028】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の一実施の形態に係る、駐車場管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】駐車場の要部を示す図である。
【図3】精算機の構成を示すブロック図である。
【図4】無料券発行機の構成を示すブロック図である。
【図5】精算機、および、無料券発行機の制御部の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0030】
10 駐車場管理システム、11 精算機、12 ロック装置、15 通信回線、20 無料券発行機、21,111 制御部、22 印刷部、24,115 通信部、25 無料券、112 入力部、113 表示部、114 ロック解除部、116 料金受部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に設けられ、所定の駐車位置に車両が駐車したことを検出する駐車検出装置と、
前記駐車検出装置が車両の駐車を検出したときに、駐車された車両を固定するロック手段と、
前記ロック手段が車両を固定したときからの経過時間を測定し、経過時間に応じた駐車料金を徴収する駐車料金徴収装置と、
店舗に設けられ、前記駐車料金徴収装置と交信可能な店舗側装置とを含み、
前記店舗側装置は、駐車料金に関する情報を記録した駐車料金減額シートを発行するシート発行手段を含み、
前記シート発行手段は、前記駐車料金徴収装置に対して、前記駐車料金減額シートに記録した駐車料金の減額を指示する減額信号を送信する送信手段を含み、
前記駐車料金徴収装置は、
前記店舗側装置から減額信号を受信する受信手段と、
ユーザからの駐車場からの出場指示、および、所定の番号の入力を受付ける受付手段と、
前記受付手段が出場指示および所定の番号の入力を受付けたとき、前記受信手段が受信した減額信号と、前記所定の番号とが一致するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が減額信号と、前記所定の番号とが一致すると判断したときは、減額した料金の支払い額を表示する表示手段と、
料金を受取る料金受取手段と、
前記料金受取手段が、前記表示手段に表示された料金を受取ったとき、前記ロック手段による車両の固定を解除するよう、前記ロック手段を制御する制御手段を含む、駐車場管理システム。
【請求項2】
店舗側装置は店舗における商品が購入された金額に応じて前記減額信号の額を変更する、請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記減額信号は所定の桁数を有する乱数である、請求項1または2に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
前記駐車料金徴収装置は、前記駐車料金減額シートに記載された番号を入力させる入力手段と、
前記入力手段に入力された番号と前記減額信号とを照合する照合手段と、
前記照合手段が前記入力手段に入力された番号と前記減額信号とが一致すると判断したときにのみ、前記制御手段はロック手段による車両の固定を解除するよう、前記ロック手段を制御する、請求項1から3のいずれかに記載の駐車場管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−102497(P2010−102497A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273142(P2008−273142)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(502189270)株式会社テクノ・ワン (8)
【Fターム(参考)】