説明

駐車案内装置、車両、車両充電装置および駐車案内方法

【課題】車両を駐車位置に効率よく誘導する情報を運転者に提供する駐車案内装置、車両、車両充電装置および駐車案内方法を提供することを目的とする。
【解決手段】充電場所に入場した車両を検出する車両検出装置から車両を検出したことを示す車両情報を取得する受信部と、受信部から車両情報を受信すると、駐車スペース各々を示す駐車位置と、駐車スペースの駐車状況あるいは充電利用状況と、を含む充電情報を、要求する充電要求情報を車両充電装置各々に送信し、充電要求情報に対する返信である車両充電装置各々から送信される充電情報を受信し、充電情報を用いて作成した充電設備情報を入場した車両に送信する通信部と、充電情報各々を取得して、充電情報各々と記録部に記録されている充電場所の地図情報を有する充電設備情報を作成する処理部と、を備える充電場所に設けられる駐車案内装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電を行う際に駐車位置を案内する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド自動車が実用化されるのに伴って、それらの車両を充電する車両充電装置を備えた駐車場の需要が高まっている。車両充電装置を備えた駐車場には、複数の車両充電装置を備えた駐車場や、普通充電用または急速充電用の車両充電装置が混在している場合が想定される。上記のような駐車場に車両が入場した場合、運転者は空いている車両充電装置を見つけるとともに、さらに車両充電装置が普通充電用であるか急速充電用であるかを判別して、駐車位置を決めなければならない。
【0003】
例えば、自動車が駐車場に入場する場合において、自動車を最適かつ、確実に駐車できる位置に迅速に誘導することを可能とする駐車状況管理装置及び車載誘導装置が知られている。この駐車状況管理装置によれば、受信した駐車場探索要求データより、その自動車が駐車できる駐車位置を選択して、その駐車位置の空車位置識別用地図情報と、空車位置情報と、料金情報とからなる空車マップデータを作成して車載駐車誘導装置に送信する。また、車載駐車誘導装置は、受信した空車マップデータで特定される自車が駐車可能な駐車位置のうちで、目的地に最も近い駐車位置を、最適駐車位置として決定し、駐車場地図にその位置を重畳して、表示部に表示する。
【0004】
また、日中に車両を使用しているユーザが、充電施設を容易に選択できるナビゲーション装置が知られている。ナビゲーション装置によれば、Engine Control Unit(ECU)はGlobal Positioning System(GPS)システムを用いて現在位置を検出すると、現在位置近傍の地図データを読み出して、太陽光利用充電設備を含む充電設備を自車位置とともに地図上に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−6093号公報
【特許文献2】特開2009−30993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであり、車両を駐車位置に効率よく誘導する情報を運転者に提供する駐車案内装置、車両、車両充電装置および駐車案内方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施態様のひとつである駐車案内装置は、受信部、通信部、処理部を備えている。受信部は、充電場所に入場した車両を検出する車両検出装置から上記車両を検出したことを示す車両情報を取得する。通信部は、上記受信部から上記車両情報を受信すると、上記充電場所の車両を駐車する駐車スペース各々を示す駐車位置と、上記駐車スペースの駐車状況あるいは上記駐車スペースに設置されている車両充電装置各々の充電利用状況と、を含む充電情報を、要求する充電要求情報を上記車両充電装置各々に送信する。通信部は、上記充電要求情報に対する返信である上記車両充電装置各々から送信される上記充電情報を受信し、上記充電情報を用いて作成した充電設備情報を入場した上記車両に送信する。処理部は、上記充電情報各々を取得して、上記充電情報各々と記録部に記録されている充電場所の地図情報を有する充電設備情報を作成する。
【0008】
また、他の実施態様のひとつである車両に充電をする車両充電装置は、上記駐車案内装置を備える。
他の実施態様のひとつである車両は、通信部、制御部、入出力部を備えている。通信部は、充電場所の車両を駐車する駐車スペース各々を示す駐車位置と、上記駐車スペースの駐車状況あるいは上記駐車スペースに設置されている車両充電装置各々の充電利用状況と、を含む充電情報各々と、記録部に記録されている充電場所の地図情報と、を有する充電設備情報を、受信する。制御部は、上記充電情報各々に含まれる上記充電利用状況を参照して充電可能な上記駐車スペースを検出し、検出した上記駐車スペースを予め設定した優先順位で選択し、選択した上記駐車スペースに対応する駐車位置と上記地図情報を用いて、上記充電場所の地図に選択した上記駐車スペースを表した入出力部に表示する出力データを生成する。入出力部は、上記出力データを取得して、上記充電場所の地図に上記選択した駐車スペースを表した表示をする。
【発明の効果】
【0009】
本実施の態様によれば、車両を駐車位置に効率よく誘導することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】充電ステーションの駐車場の一実施例を示す図である。
【図2】駐車案内装置、車両、車両充電装置の一実施例を示す図である。
【図3】充電情報と充電設備情報のデータ構造の一実施例を示す図である。
【図4】駐車案内装置の処理部の動作の一実施例を示す図である。
【図5】駐車案内装置、車両、車両充電装置の動作の一実施例を示す図である。
【図6】車両の制御部の動作の一実施例を示す図である。
【図7】車両を駐車位置に効率よく誘導するために表示する画像の一実施例を示す図である。
【図8】実施形態2のコンピュータのハードウェア構成の一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面に基づいて、実施形態1について詳細を説明する。
図1は、充電ステーションの駐車場の一実施例を示す図である。充電ステーション(充電場所)には、充電ステーション施設、充電用駐車場を備えている。充電ステーション施設は、駐車案内装置1、車両検出装置4を備えている。
【0012】
図2は、駐車案内装置1、車両2、車両充電装置3の一実施例を示す図である。駐車案内装置1は、受信部5、処理部6、記録部7、通信部8を備えている。駐車案内装置1は、Personal Computer(PC)やサーバなどを用いることが考えられる。また、駐車案内装置1は車両検出装置4と有線または無線により接続されている。さらに、駐車案内装置1はインターネットや専用回線を介して外部に設けられたサーバなどと通信を行ってもよい。
【0013】
車両検出装置4は、駐車場に入場してきた車両2を検出して駐車案内装置1に通知する。車両検出装置4は、例えば、カメラやビデオカメラなどであり入場してきた車両2に関する画像を取得して、車両が入場してきたか否かを判定する。その後、車両検出装置4は車両2が入場してきたことを示す情報を駐車案内装置1に送信する。車両検出装置4は、車両充電装置3と一体型であってもよく、本例においては、充電ステーションの入口を監視可能な図1のNo3、No5、No6の駐車スペースに設けられた車両充電装置3a、3bに設けることが好ましい。ここで、車両充電装置3aは急速充電用の車両充電装置であり、車両充電装置3bは普通充電用の車両充電装置である。また、車両検出装置4はカメラやビデオカメラなどでなくてもよく、例えば、図1に示すように地中に埋め込まれた磁気センサ4aから出力される信号を車両検出装置4が受信して、車両2が入場してきたことを検出してもよい。
【0014】
受信部5は、車両検出装置4から送信される車両2が入場してきたことを示す車両情報を取得し、処理部6に出力する。
処理部6は、車両2が入場してきたことを示す車両情報を取得すると、駐車場内の車両充電装置3a、3bと通信をして、車両充電装置3a、3b各々から取得した現在の車両充電装置3a、3b各々から後述する充電情報を取得する。次に、処理部6は充電情報を用いて充電可能な駐車スペースを検出する。充電情報は、例えば、図3に示す充電情報31に示すように「駐車位置」「利用状況」などの情報を有している。図3は、充電情報と充電設備情報のデータ構造の一実施例を示す図である。「駐車位置」は、駐車スペースを識別する識別子である。本例では、図1に示した駐車スペースNo1の例として「1」が記録されている。駐車スペースNo2〜No9の場合は、「2」「3」・・・「9」などが記録される。「利用状況」は、現在の車両充電装置3の利用状況を示し、充電中で有るか無いかを示す識別子である。例えば、充電中または駐車中であれば「利用」とし、駐車スペースに車両2がいない場合には「空」と表示する。図1の例であれば、駐車スペースNo2、No7が「利用」と示され、駐車スペースNo2、No7以外の駐車スペースが「空」と示される。また、車両2各々の現在の充電残時間を示す「充電残時間」を充電情報に含めてもよい。充電残時間は、例えば、駐車スペースが空いていない場合に、待機している運転者に車両2各々の現在の充電残時間を示すために用いることなどが考えられる。また、空いている駐車スペースの「充電残時間」には「0分」を記録することが考えられる。
【0015】
次に、処理部6は充電情報を用いて検出した充電可能な駐車スペースへ、入場した車両2を駐車スペースに案内するための後述する充電設備情報を生成して、入場した車両2に送信する。充電設備情報は、「地図情報」「駐車位置」「座標」「種類」「利用状況」を有しており、「地図情報」は、記録部7に記録されている充電ステーションの地図に関する情報である。例えば、駐車場の見取り図や写真画像などが記録されている。「駐車位置」は、駐車スペースを識別する識別子である。本例では、図1に示した駐車スペースNo1の例として「1」が記録されている。駐車スペースNo2〜No9の場合は、「2」「3」・・・「9」などが記録される。「座標」は、駐車スペース各々の位置座標が記録されている。位置座標は、例えば、緯度経度などを用いることが考えられる。本例では、「X1,Y1」「X2,Y2」「X3,Y3」・・・「X9,Y9」が記録されている。「種類」は、駐車スペース各々に設けられた車両充電装置3が、急速充電用であるか普通充電用であるかを識別する識別子である。例えば、急速充電用である場合には「急速」と示し、普通充電用である場合には「普通」と示すことなどが考えられる。また、車両充電装置3を備えない駐車スペースが有る場合、例えば図1のように駐車スペースNo4などの場合には、「急速」「普通」を示さないことが考えられる。「利用状況」は、現在の車両充電装置3の利用状況を示し、充電中で有るか無いかを示す識別子である。「利用状況」は車両各々2から取得した充電情報の「利用状況」を集約したものである。例えば、充電中または充電していなくても駐車中であれば「利用」とし、駐車スペースに車両2がいない場合には「空」と表示する。図1の例であれば、駐車スペースNo2、No7が「利用」と示され、駐車スペースNo2、No7以外の駐車スペースが「空」と示される。
【0016】
また、車両2各々の現在の充電残時間を示す「充電残時間」を充電情報に含めてもよい。「充電残時間」は車両2各々から取得した充電情報の「充電残時間」を集約したもので有る。充電残時間は、例えば、駐車スペースが空いていない場合に、待機している運転者に車両2各々の現在の充電残時間を示すために用いることなどが考えられる。また、空いている駐車スペースの「充電残時間」には「0分」を記録することが考えられる。なお、処理部6は、Central Processing Unit(CPU)やプログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いることが考えられる。
【0017】
記録部7は、処理部6が実行するプログラムやデータが記録されている。記録部7は、例えばRead Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)などのメモリやハードディスクなどが考えられる。なお、記録部7にはパラメータ値、変数値などのデータを記録してもよいし、実行時のワークエリアとして用いてもよい。
【0018】
通信部8は、入場した車両2、車両充電装置3各々と通信をする。通信部8は、車両充電装置3に充電情報を要求する信号を送信するとともに、車両充電装置3から送信される充電情報を含む送信信号を受信する。また、通信部8は車両2の入出力部18に運転者に提示するために用いる充電設備情報を、車両2に送信する。通信方式は、例えば、無線通信、赤外線通信などが考えられる。
【0019】
充電用駐車場は、1つ以上の車両充電装置3を備えている。
車両充電装置3は、図1の例では車両充電装置3aが普通充電用の車両充電装置であり、車両充電装置3bが急速充電用の車両充電装置である。図2の車両充電装置3は、後述する通信部9、制御部10、記録部11、入出力部12、充電部13を備えている。車両充電装置3は、車両検出装置4を備えていてもよい。車両充電装置3は、カメラやビデオカメラなどであり車両に関する画像を取得して制御部10に送信する。車両充電装置3は、車両検出装置4と一体型であってもよいし、車両検出装置4を後付できるように、車両充電装置3に車両検出装置4から情報を取得するための入出力端子や電力供給端子を設けもよい。
【0020】
通信部9は、駐車案内装置1からの充電要求情報を受信すると、充電情報を駐車案内装置1に送信する。通信方式は例えば、無線通信、赤外線通信などが考えられる。
制御部10は、車両2に電力を供給するための制御を行う。車両充電装置3各々の制御部10は、充電要求情報を受信して車両充電装置3各々の記録部11から充電情報を取得する。次に、制御部10は、車両充電装置3の通信部9から予め決められた順に駐車案内装置1に充電情報を送信する。例えば、充電要求情報を受信してから充電情報を送信する時間を、車両充電装置3各々に予め設定して、タイマなどで時間を計測して、その設定した時間になったときに充電情報を送信することが考えられる。制御部10は、Central Processing Unit(CPU)やプログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いてもよい。
【0021】
記録部11には、プログラム、テーブル、データなどが記録されている。また、記録部11は、例えばRead Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)などのメモリやハードディスクなどである。また、記録部11は、パラメータ値、変数値などのデータを記録してもよいし、ワークエリアとして用いることもできる。
【0022】
入出力部12は、入力部としては、キーボード、スイッチなどが考えられる。出力部としてディスプレイを有している場合には、ディスプレイに設けられたタッチパネルなどが入力部として考えられる。また、出力部は、ディスプレイ、スピーカなどが考えられる。
【0023】
充電部13は、一次側電力源から電力線を介して供給される電力を、車両2に供給可能な電圧に変換してから、車両に電力を供給する。充電部13は、例えば、急速充電用の充電装置または普通充電用の充電装置などである。急速充電用の車両充電装置3bである場合は、急速充電用ケーブルとプラグを備えている。普通充電用の車両充電装置3aである場合には、普通充電用ケーブルとプラグを備えている。車両充電装置3は、急速充電用または普通充電用のいずれかひとつの機能を備えていればよい。
【0024】
車両2について説明する。
図1の車両2は、後述する通信部15、制御部16、記録部17、入出力部18を備えている。車両2の通信部15は、駐車案内装置1から送信される充電設備情報を含む送信信号を受信する。通信方式は、例えば、無線通信、赤外線通信などが考えられる。
【0025】
制御部16は、車両2の各部を制御するとともに、充電設備情報を用いて運転者に提示する車両2を適切な駐車位置に効率よく誘導する画像や音声のデータ(出力データ)を生成する。すなわち、制御部16は、充電情報各々に含まれる充電利用状況を参照して充電可能な駐車スペースを検出し、検出した駐車スペースを予め設定した優先順位で選択する。そして、選択した駐車スペースに対応する駐車位置と地図情報を用いて、充電場所の地図に選択した駐車スペースを表した入出力部に表示する出力データを生成する。次に、制御部16は駐車位置に効率よく誘導する画像や音声のデータを入出力部18に出力する。制御部16は、Central Processing Unit(CPU)やプログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いてもよい。なお、制御部16は、出力する画像や音声のデータを新たに生成しないで、車両充電装置3で作成して画像や音声データを直接入出力部18に出力してもよい。
【0026】
なお、制御部16が行う出力データを生成する処理は、駐車案内装置1の処理部6が行ってもよい。その場合、生成した出力データを駐車案内装置1から車両2に送信して、送信された出力データを用いて駐車位置に効率よく誘導する画像や音声のデータを入出力部18に出力する。
【0027】
記録部17には、プログラム、テーブル、データなどが記録されている。また、記録部17は、例えばRead Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)などのメモリである。また、記録部17は、パラメータ値、変数値などのデータを記録してもよいし、ワークエリアとして用いることもできる。
【0028】
入出力部18は、制御部16で生成した車両2を適切な駐車位置に効率よく誘導する画像や音声のデータを出力する。入力部としては、キーボード、スイッチなどが考えられる。出力部としてディスプレイを有している場合には、ディスプレイに設けられたタッチパネルなどが入力部として考えられる。また、出力部は、ディスプレイ、スピーカなどが考えられる。なお、カーナビゲーションシステムのハードウェアを利用して制御部16、記録部17の機能を実現してもよい。
【0029】
駐車案内装置1の処理部6の動作について説明する。
図4は、処理部6の動作の一実施例を示す図である。ステップS1では、処理部6が車両検出装置4から車両2が充電ステーションに入場したか否かを示す車両情報を取得する。ステップS2では、処理部6が車両情報を用いて充電ステーションに入場した車両2があるか否かを判定する。入場している場合にはステップS3(Yes)に移行し、入場していない場合にはステップS1(No)に移行する。
【0030】
ステップS3では、処理部6が車両充電装置3に充電要求情報を送信する。充電要求情報を車両充電装置3が受信すると、車両充電装置3が充電情報を処理部6に送信する。
ステップS4では処理部6が充電情報を受信して、ステップS5で処理部6が充電情報を集約する。その後、ステップS6で処理部6が充電設備情報を車両に送信する。
【0031】
駐車案内装置1、車両2、車両充電装置3の動作について説明する。
図5は、駐車案内装置1、車両2、車両充電装置3の動作の一実施例を示す図である。ステップS1では、駐車案内装置1が車両検出装置4から車両2が充電ステーションに入場したか否かを示す車両情報を取得する。ステップS2では、駐車案内装置1が車両情報を用いて充電ステーションに入場した車両2があるか否かを判定する。ステップS3では、車両2が入場している場合に駐車案内装置1が車両充電装置3に充電要求情報を送信する。なお、本例では説明を簡単にするために1つの車両充電装置3だけを示しているが、実際には複数の車両充電装置3に同時または順次充電要求情報を送信している。
【0032】
ステップT1では車両充電装置3各々が充電要求情報を受信する。ステップT2では車両充電装置3各々が充電要求情報を受信すると、車両充電装置3各々の記録部11から充電情報を取得する。ステップT3では車両充電装置3各々が、予め決められた順に駐車案内装置1に車両充電装置3各々の充電情報を送信する。
【0033】
ステップS4では駐車案内装置1が車両充電装置3各々から充電情報を受信して、ステップS5で駐車案内装置1が充電情報を集約する。例えば、図3に示すような充電設備情報32を生成する。その後、ステップS6で処理部6が充電設備情報を車両に送信する。
【0034】
ステップr1では車両2が充電設備情報を受信して、ステップr2で充電設備情報を用いて運転者に提示する車両2を適切な駐車位置に効率よく誘導する画像や音声のデータ(出力データ)を生成する。
【0035】
該データの生成処理について説明する。図6は、車両の制御部の動作の一実施例を示す図である。ステップS61では、制御部16が通信部15から充電設備情報を受信する。
ステップS62では、制御部16が充電設備情報を検索して、ステップS63では駐車位置を抽出する。例えば、取得した充電設備情報32の上から順に「利用状況」を検索して空いている「駐車位置」を検出する。本例では「空」の駐車スペースNo1、No3〜No6、No8、No9が検出される。次に、制御部16が検出した駐車スペースに対応する車両充電装置3a、3bの種類を抽出する。ただし、駐車スペースだけを運転者に提示する場合は、車両充電装置3a、3bの種類を抽出しなくてもよい。
【0036】
ステップS64では、制御部16が出力データを生成する。例えば、制御部16が「駐車位置」に記録されている識別子のうち小さい駐車スペースを選択して、選択した駐車スペースと地図情報に記録されている駐車スペースを対応付けて記録部17に記録する。また、駐車スペースに抽出した車両充電装置3a、3bを対応付けて記録部17に記録する。上記生成処理により記録部17に記録したデータを用いて、入場した車両2を適切な駐車位置である駐車スペースに効率よく誘導する画像や音声のデータを生成する。すなわち、駐車場の地図に選択した駐車スペースが表示された画像データを生成する。また、選択した駐車スペースに案内するための音声データを記録部17から取得して音声案内を行うデータを生成する。
【0037】
ステップr3では、制御部16は駐車位置に効率よく誘導する画像や音声のデータを入出力部18に出力する。例えば、図7の点線71のように表示することが考えられる。図7は、車両を駐車位置に効率よく誘導するために表示する画像の一実施例を示す図である。ただし、駐車位置の表示は図7の点線71のように表示することに限定されるものではなく、運転者が駐車位置に車両を誘導できる表示であればよい。また、駐車スペースと車両充電装置3の種類を表示せずに、音声で駐車スペースと車両充電装置3を案内してもよい。例えば、「駐車スペースNo1の普通充電用の車両充電装置に移動してください」などと音声案内することが考えられる。
【0038】
なお、ステップr2では「駐車位置」の小さい駐車スペースを選択したが、「駐車位置」の小さい駐車スペースを選択するのではなく、入場口に近い駐車スペースと車両充電装置3の種類を入出力部18に出力してもよい。入場口に近い駐車スペースの選択は、充電設備情報32の「駐車位置」を予め入場口に近い順に並べておくことが考えられる。例えば、駐車スペースNo5、No6、No1・・・のように並べておくことが考えられる。そして、制御部16が上記生成処理で説明したように充電設備情報の上から順番に検索することで、入場口に近い駐車スペースを検出してもよい。
【0039】
また、車両充電装置3の種類が2つのある場合には、「駐車位置」の小さい順あるいは入場口に近い順に急速充電用と普通充電用の駐車スペースをそれぞれ表示してもよい。
また、全ての車両充電装置3が同じ種類である場合には、駐車スペースだけを表示または音声で案内すればよい。
【0040】
上記ステップr2、r3では、「駐車位置」の小さい順あるいは入場口に近い順に駐車スペースを選択していたが、例えば、駐車スペースの半数以上が空いているなど「利用状況」に「空」が多いときはあえて誘導をしなくてもよい。また、広い駐車ステーションの場合であれば、満車に近くなってから車両を誘導してもよい。例えば、「利用状況」の識別子を参照して検出し、予め決めた台数の車両が駐車されている場合に車両の誘導をしてもよい。
【0041】
さらに、車両2は充電設備情報を、通信部15を介して受信すると、自車両の普通インレットと急速インレットの位置を示すインレット位置情報とを用いて最適な駐車方法を判別してもよい。最適な駐車方法とは、例えば、車両2のフロント部又はリア部を前にして駐車するか、普通充電用の車両充電装置3b又は急速充電用の車両充電装置3aが車両2の運転席から見て右側にくるように駐車すべきか、それとも左側にくるように駐車すべきか等を示す情報である。
【0042】
次に、車両充電装置3が設置されている駐車ステーションの地図情報と上記の最適駐車方法とを用いて、駐車場内における車両2の推奨駐車方法を作成する。
推奨駐車方法の作成とは、例えば、駐車場の外周に車両2のフロント部又はリア部を向けて駐車する構造の駐車場であった場合に、車両2のフロント部を先に入れて駐車するか、それとも車両2のリア部を先に入れて駐車するかを地図上に表示できるような情報を作成することである。
【0043】
推奨駐車方法が得られたなら、その推奨駐車方法を入出力部18に出力する。例えば、図7のように地図上に普通充電用の車両充電装置3bまたは急速充電用の車両充電装置3aを表示すると共に、それらの充電スタンドで該当する車両2を充電するのに適した車両2の駐車位置と車両2の前後の向きを地図上に表示してもよい。入出力部18に表示される上記の情報を見ることで、運転者は、普通充電用の車両充電装置3bまたは急速充電用の車両充電装置3aを利用して充電する際に、充電に適した駐車位置及び車両の前後の向きを知ることができる。
【0044】
実施形態2について説明する。
実施形態2は、実施形態1の駐車案内装置1を、コンピュータを用いて実現する場合について説明する。
【0045】
図8は、実施形態2のコンピュータのハードウェア構成の一実施例を示す図である。コンピュータのハードウェア800は、CPU801、記録部802、記録媒体読取装置803、入出力インタフェース804(入出力I/F)、通信インタフェース805(通信I/F)などを備えている。また、上記各構成部はバス806によってそれぞれ接続されている。
【0046】
CPU801は、記録部802に記録されている上記実施形態1で説明した駐車案内装置1の各処理を実行する。
記録部802には、CPU801が実行するプログラムやデータが記録されている。また、ワークエリアなどとして使用される。例えば、ROM、RAM、ハードディスクドライブなどである。
【0047】
記録媒体読取装置803は、CPU801の制御に従って記録媒体807に対するデータのリード/ライトを制御する。そして、記録媒体807に記録媒体読取装置803の制御で書き込まれたデータを記録させたり、記録媒体807に記録されたデータを読み取らせたりする。また、着脱可能な記録媒体807は、コンピュータで読み取り可能なnon−transitory(非一時的)な記録媒体として、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)などがある。光ディスクには、Digital Versatile Disc(DVD)、DVD−RAM、Compact Disc Read Only Memory(CD−ROM)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、Magneto-Optical disk(MO)などがある。なお、記録部802もnon-transitory(非一時的)な記録媒体に含まれる。
【0048】
入出力インタフェース804には、入出力装置808が接続され、利用者が入力した情報を受信し、バス806を介してCPU1301に送信する。また、CPU801からの命令に従ってディスプレイの画面上に操作情報などを表示する。入出力装置808は、例えば、タッチパネルなどが考えられる。
【0049】
通信インタフェース805は、必要に応じ、他のコンピュータとの間のLocal Area Network(LAN)接続やインターネット接続や無線接続を行うためのインタフェースである。また、他の装置に接続され、外部装置からのデータの入出力を制御する。
【0050】
このようなハードウェア構成を有するコンピュータを用いることによって、上記説明した各種処理機能が実現される。その場合システムが有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体807に記録しておくことができる。なお、上記各種処理機能は、実施形態1で説明したフロー図などである。
【0051】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの記録媒体807が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に記録しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0052】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、記録媒体807に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記録部802に記録する。そして、コンピュータは、自己の記録部802からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、記録媒体807から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0053】
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。なお、各実施例は処理に矛盾の無い限りにおいて、互いに組み合わせても構わない。
【符号の説明】
【0054】
1 駐車案内装置
2 車両
3、3a、3b 車両充電装置
4 車両検出装置
4a 磁気センサ
5 受信部
6 処理部
7 記録部
8 通信部
9 通信部
10 制御部
11 記録部
12 入出力部
13 充電部
15 通信部
16 制御部
17 記録部
18 入出力部
31 充電情報
32 充電設備情報
800 ハードウェア
801 CPU
802 記録部
803 記録媒体読取装置
804 入出力インタフェース
805 通信インタフェース
806 バス
807 記録媒体
808 入出力装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電場所に入場した車両を検出する車両検出装置から前記車両を検出したことを示す車両情報を取得する受信部と、
前記受信部から前記車両情報を受信すると、前記充電場所の車両を駐車する駐車スペース各々を示す駐車位置と、前記駐車スペースの駐車状況あるいは前記駐車スペースに設置されている車両充電装置各々の充電利用状況と、を含む充電情報を要求する充電要求情報を前記車両充電装置各々に送信し、前記充電要求情報に対する返信である前記車両充電装置各々から送信される前記充電情報を受信し、前記充電情報を用いて作成した充電設備情報を入場した前記車両に送信する通信部と、
前記充電情報各々を取得して、前記充電情報各々と記録部に記録されている充電場所の地図情報を有する充電設備情報を作成する処理部と、
を備えることを特徴とする充電場所に設けられる駐車案内装置。
【請求項2】
前記処理部は、
前記充電情報各々に含まれる前記充電利用状況を参照して充電可能な前記駐車スペースを検出し、検出した前記駐車スペースを予め設定した優先順位で選択し、選択した前記駐車スペースに対応する駐車位置と前記地図情報を用いて、前記充電場所の地図に選択した前記駐車スペースを表して入出力部に表示する出力データを生成する、ことを特徴とする請求項1に記載の駐車案内装置。
【請求項3】
車両に充電をする車両充電装置であって、
請求項1または請求項2に記載の駐車案内装置を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の充電場所に設けられる車両充電装置。
【請求項4】
前記車両充電装置各々が、前記充電要求情報を受信すると予め設定された順番に前記充電情報を前記駐車案内装置に送信することを特徴とする請求項3に記載の充電場所に設けられる車両充電装置。
【請求項5】
充電場所の車両を駐車する駐車スペース各々を示す駐車位置と、前記駐車スペースの駐車状況あるいは前記駐車スペースに設置されている車両充電装置各々の充電利用状況と、を含む充電情報各々と、記録部に記録されている充電場所の地図情報と、を有する充電設備情報を、受信する通信部と、
前記充電情報各々に含まれる前記充電利用状況を参照して充電可能な前記駐車スペースを検出し、検出した前記駐車スペースを予め設定した優先順位で選択し、選択した前記駐車スペースに対応する駐車位置と前記地図情報を用いて、前記充電場所の地図に選択した前記駐車スペースを表して入出力部に表示する出力データを生成する制御部と、
前記出力データを取得して、前記充電場所の地図に前記選択した駐車スペースを表した表示をする入出力部と、
を備えることを特徴とする車両。
【請求項6】
車両検出装置は、
充電場所に入場した車両を検出する前記車両を検出したことを示す車両情報を駐車案内装置に送信し、
前記駐車案内装置は、
前記車両情報を取得し、
前記充電場所の車両を駐車する駐車スペース各々を示す駐車位置と、前記駐車スペースの駐車状況あるいは前記駐車スペースに設置されている車両充電装置各々の充電利用状況と、を含む充電情報を、要求する充電要求情報を車両充電装置各々に送信し、
車両充電装置各々が、前記充電要求情報を受信すると予め設定された順番に前記充電情報を前記駐車案内装置に送信し、
前記充電情報各々を受信し、前記充電情報各々と記録部に記録されている充電場所の地図情報を有する充電設備情報を作成して、作成した前記充電設備情報を前記車両に送信し、
前記車両は、
前記充電設備情報各々を受信し、
前記充電情報各々に含まれる前記充電利用状況を参照して充電可能な前記駐車スペースを検出し、検出した前記駐車スペースを予め設定した優先順位で選択し、
選択した前記駐車スペースに対応する駐車位置と前記地図情報を用いて、前記充電場所の地図に選択した前記駐車スペースを表した入出力部に表示する出力データを生成し、
前記出力データを取得して、前記入出力部に前記充電場所の地図に前記選択した駐車スペースを表して表示をする、
ことを特徴とする駐車案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−93938(P2012−93938A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240358(P2010−240358)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】